JP3258307B2 - 高疲労強度構造の摩擦撹拌接合ツール - Google Patents

高疲労強度構造の摩擦撹拌接合ツール

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • B23K20/00Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating
    • B23K20/12Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating the heat being generated by friction; Friction welding
    • B23K20/122Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating the heat being generated by friction; Friction welding using a non-consumable tool, e.g. friction stir welding
    • B23K20/1245Non-electric welding by applying impact or other pressure, with or without the application of heat, e.g. cladding or plating the heat being generated by friction; Friction welding using a non-consumable tool, e.g. friction stir welding characterised by the apparatus
    • B23K20/1255Tools therefor, e.g. characterised by the shape of the probe

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は摩擦撹拌接合に用いら
れる接合ツールに関するものであり、接合ツールの対疲
労強度を高めてその耐久性を向上させることができるも
のである。
【0002】
【従来の技術】アルミ合金製素材(例えばパネル)を突
合接合できる摩擦撹拌接合それ自体は従来周知のもので
あり、その概要は図3、図4に示すとおりである。すな
わち、パネルP,Pを突合せ、互いに圧接させた状態で
付合面に沿って、接合ツールTを高速回転させながらゆ
っくりと前進させて、接合ツールTのピン1と突合面と
の摩擦熱及び接合ツールTの肩部3と接合表面との摩擦
熱で、接合端部を加熱、可塑化させて接合させるもので
ある(特開平10-328856 号公報)。パネルPが板厚2〜
5mmのアルミ合金製である場合、ピン1の直径が5m
m、ツール本体2の直径が15mmの接合ツールTが一
般的に用いられている。接合ツールTは進行方向後方に
若干傾斜(前進傾斜:経験的にほぼ3度が適当とされて
いる)した状態で前進する。他方、ツール本体2の下端
面、すなわち肩面3が上方に凸の円錐面になっている。
したがって、前進傾斜した状態で前進するとき、上記肩
面3の進行方向後方部が接合部表面に若干食い込むこと
になる。接合ツールの肩面3の円錐面5の外周の角は接
合表面が平滑になるように小さな曲面になっており、内
周部とピン1の根元との間は、前進運動でピンにかかる
力(前進圧力)による応力集中を低減するために局率半
径rの曲面5aになっている。ところで、ピン1は前進
角度Θで傾斜した状態で高速で回転しながら前方に強力
に押されるので,前進抵抗力F(ピンの直径d、長さ
L、単位面積当の圧力pのとき、F=d×L×pで、通
常の場合200〜300Kg)によってピン1の根元
に、1回転する毎に一回の両振り繰り返し荷重がかか
り、この繰り返し荷重のためにピン1の根元が疲労破壊
する。ワーク(パネルPなど)の接合部の板厚や接合ツ
ールの回転速度などとも関連するが、摩擦撹拌接合に対
する負荷の低減、ワーク接合部の接合強度などから、ピ
ン1の直径は所望の摩擦撹拌接合が可能である限りでき
るだけ小径であることが望ましく、他方、ピン1の直径
が大きければ単純な曲げ強度は高くなるが、前進抵抗が
大きくなり、したがって、ピン根元にかかる最大曲げモ
ーメントは大きくなるという問題を生じる。他方、摩擦
撹拌接合中にピンが折れると、その接合作業が中断する
ので接合線の仕上がり状態が悪くなる。このため、1本
の接合ツールで接合可能な接合長さを経験的に定め、そ
の範囲内で破損する前に予め接合ツールを交換するのが
一般的なやりかたである。この摩擦撹拌接合ツールTは
高級な鋼で、高価なものであるので、摩擦撹拌接合作業
のコストを低減するという観点から、その耐久性の向上
が望まれるところである。以上のことから、ピン1の直
径を可及的に小さく、かつ疲労強度が高いピンをどのよ
うに設計するかが問題となっている。
【0003】
【解決しようとする課題】そこで、この発明は、摩擦撹
拌接合ツールについて、疲労強度を可及的に向上させる
ことを目的として、単純で最も合理的な構造設計基準を
見出し、それにしたがって接合ツールのピンの構造設計
が簡単にできるようにすることをその課題とするもので
ある。
【0004】
【課題解決のために講じた手段】上記課題解決のために
講じた手段は、前進傾斜した状態で前進する摩擦撹拌接
合ツールについて、接合ツールのピンの直径dとピンの
長さLの関係が次式に適合するようにしたことである。 式:Kt×L/d≦1.96 ただし、Ktは応力集中係数であって、接合ツールの形
状による定数 Lはピンの長さ dはピンの根元の直径
【0005】
【作用】前進傾斜角度(約3度)で傾斜した状態で高速
回転しながら前進するとき、ピンの前進運動に対する抵
抗として単位面積当り上記pの等分布荷重がかかる。こ
れによってピンの根元に最大曲モーメントMmax がかか
り、肩部の傾斜面5(図4参照)の内周部とピン1の根
元の間の曲面部5aに最大の集中応力が生じる。この最
大応力δmax はピン1の根元の直径d、ピンの長さL、
ピンにかかる前進圧力をpKg/mmとするとき次式
で求められる。 式:δmax =Kt×16p/π×L/d ただし、pはピンにかかる前進圧力(kg/mm)、
ktは応力集中係数で、根元の曲面5aの局率半径rと
ピンの根元の直径との比(r/d)によって、例えば図
2に示す既知のグラフから求められるものである。上式
からpを一定とするとき、δmax は「Kt×L
」に比例するが、実験の結果、「Kt×L
」が1.96を境として、1.96以下の範囲にお
いて、「Kt×L/d」が小さいほど疲労強度が急
激に増大することが確認された。因みに、従来のものは
「Kt×L/d」はほぼ2.21であるが、この場
合、接合可能な長さは約7.9mであるのに対して、
1.96の場合は342m、1.90の場合は800
m、1.86の場合は1500m、1.82の場合は2
800mとなるといった具合である。接合面の仕上が
り、接合強度などの所要の摩擦撹拌接合を実現するとの
観点から許容される限度内で、「Kt×L/d」が
1.96以下を基準としてピンの長さと直径を選択すれ
ば、耐久性が高く、摩擦撹拌接合にも特段の不都合のな
い接合ツールの構造設計を簡単容易に行うことができ
る。
【0006】
【実施例】次いで、図1を参照しつつ実施例を説明す
る。図1の実施例は板厚2mmのパネルを摩擦撹拌接合
するのに適した接合ツールに本発明を適用した例であ
る。接合ツールTのピン11の直径dは5mm,本体1
2の直径は15mm、下端の肩面13の円錐面の傾斜角
度αは10度で、本体下端12からのピン11の突出長
さLは4.5mm、ピンの全長Lは5.2mmであ
る。そして、ピン根元の曲面の局率半径rは0.6mm
である。この本体の直径が15mm、局率半径rが0.
6mm、ピンの根元の直径dが5.0mmであるから、
図2のような既知のKtのグラフから、応力集中係数K
t:1.76が読み取れる。上記の場合Ktは1.7
6、ピンの根元の直径dは5.0mm、ピン11の長さ
Lは5.2mmであるから、「Kt×L/d」は
1.90になる。回転速度1750rpmで、前進速度
を毎秒10mmで摩擦撹拌接合することを前提とし、接
合可能長さを最低800mにすることを目的として、上
記の「Kt×L/d」:1.90を選定し、この数
値を基に、上記ピン11の長さLを5.2mm、ピン1
1の直径dを5.0mmに選定したものである。この場
合のピン11にかかる圧力pは9.65Kg/mm
あるが、これは通常の許容範囲であり、ピンの直径も摩
擦撹拌接合を円滑に行う上で支障のない範囲のものであ
る。上記実施例の接合ツールについて摩擦撹拌接合を行
った結果、接合部の継手効率は86%で、接合表面の平
滑さは図3,図4に示す従来のものと違いはなかった。
上記実施例の接合ツール10本について耐久試験を行っ
た結果、接合長さ700m以上800m未満のものが3
本、800m以上900m未満のものは6本、900m
以上のものが1本で、単純平均は839mであった。ち
なみに、板厚2mmのパネル接合に適した、ピンの直径
4mm、ピン長さ4.7mmの従来の接合ツールは、
「Kt×L/d」が2.21であるが、このもの1
0本について耐久試験を行った結果、接合長さ2m以上
4m未満のものが2本、4m以上8m未満のものが7
本、8m以上のものが1本で、単純平均は5.6mであ
った。以上の試験結果からも、本発明によって設計され
た接合ツールは極めて耐久性が高いことが明らかであ
る。
【0007】
【効果】以上のとおり、接合ツールのピンの直径と長
さ、応力集中係数Ktの関係が、Kt×L/d
1.96を満たす範囲でピンの直径と長さを選定するこ
とによって、ピンの直径を可及的に小さく、かつ耐久性
を著しく高い接合ツールを簡単容易に設計することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は実施例の接合ツールの縦断面図であ
り、(b)は(a)の正面図である。
【図2】は応力集中係数Ktとr/dとD/dとの関係
を示すグラフである。
【図3】は従来の接合ツールによる摩擦撹拌接合状態の
斜視図である。
【図4】は図3のY−Y断面図である。
【符号の説明】
P:パネル W:接合ツール r:接合ツールのピンの根元の曲面の局率半径 d:接合ツールのピンの直径 D:接合ツールの本体直径 L:接合ツールのピンの長さ p:ピンの前進運動によりピンにかかる単位面積当たり
の圧力 Θ:接合ツールの前進角度 α:肩面13の円錐面の傾斜角度 1,11:接合ツールのピン 2,12:接合ツールのツール本体 3,13:接合ツールの肩面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 20/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前進傾斜した状態で前進する摩擦撹拌接合
    ツールにおいて、接合ツールのピンの直径dとピンの長
    さLの関係が次式に適合するようになっている、高疲労
    強度構造の摩擦撹拌接合ツール。 式:Kt×L/d≦1.96 ただし、Ktは応力集中係数であって、接合ツールの形
    状による定数 Lはピンの長さ dはピンの根元の直径
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