JP3257488B2 - レーザ加工装置及びレーザ加工方法 - Google Patents

レーザ加工装置及びレーザ加工方法

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JP3257488B2 JP33839797A JP33839797A JP3257488B2 JP 3257488 B2 JP3257488 B2 JP 3257488B2 JP 33839797 A JP33839797 A JP 33839797A JP 33839797 A JP33839797 A JP 33839797A JP 3257488 B2 JP3257488 B2 JP 3257488B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ加工装置及
びレーザ加工方法に関し、特に、絶縁層と導電層とを積
層して形成した回路基板に穴加工を行うに好適なレーザ
穴あけ加工装置及びレーザ加工方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般的に、回路基板には、絶縁層と導電
層とを交互に積層して形成されたいわゆる多層回路基板
と呼ばれるものがあり、このような多層回路基板は、そ
の実装密度を増すために効果的であり、広く用いられる
ようになってきている。
【0003】具体的には、多層回路基板は、隣接する導
電層間の導通を、絶縁層に穴を穿ち、その穴に半田や導
電性ペースト等を埋めることにより得ている。
【0004】このように絶縁層に穴の加工を行う加工技
術として、レーザ光を利用したものが広く用いられるよ
うにもなってきた。
【0005】そして、用いるレーザ光の波長としては、
絶縁層に対しては、吸収されやすく、導電層に対して
は、反射されやすい波長を用いるが、例えば、絶縁層が
ガラスエポキシ樹脂、導電層が銅箔である場合には、炭
酸ガスレーザ光を用いることで、絶縁層のみを選択的に
除去加工することができる。
【0006】ここで、もちろん必要とされるのは、近接
する導電層間の導通が確実に得られるような穴加工を行
うことである。
【0007】このような従来例として、例えば特開平2
−92482号公報に記載のものが挙げられる。
【0008】これによると、加工対象物にレーザ光を照
射し穴を穿つ際に、レーザ発振器からの直接の透過光と
加工対象物からの反射光とをそれぞれ別のセンサにて検
出し、両者の光量から反射光量比を演算し、基準値との
比較でレーザ光の制御を行っている。
【0009】具体的には、反射光量比が予め設定された
基準値よりも大きくなった場合に、発振器を停止させる
ものである。
【0010】このような動作を行うことで、レーザ光に
よる導電層の損傷をなくすことができ、同時に加工時間
が短縮されるとしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
従来の技術においては、以下に示すような課題が存在し
ている。
【0012】まず、炭酸ガスレーザに代表される赤外レ
ーザ光を高速に検出するセンサとして、半導体素子、光
電子増倍管が挙げられるが、通常の半導体素子センサで
は、素子を液体窒素等で冷却を行わないと、充分な検出
ができない。
【0013】又、光電子増倍管は、装置が大がかりにな
ることや、装置の取り扱いが不便であること等が課題と
なる。
【0014】そこで、赤外レーザ光の高速検出が可能
で、取り扱いやすく、装置がコンパクトであるセンサと
して、室温動作型半導体素子が挙げられるが、この場合
にも課題は発生する。
【0015】光検出用半導体素子は、光が入射するとそ
のエネルギーによって電気伝導度が増加したり起電力を
生じたりし、その伝導度の変化量や発生した起電力量か
ら入射した光量を検出する仕組みになっている。
【0016】しかし、伝導度の変化や起電力の変化は、
入射光量の変化に応じて電子−正孔対の発生量も変化す
ることにより説明されるが、電子の発生は光の入射によ
るものだけでなく、温度の変化によって熱電子の発生量
も変化するため、半導体素子自身の温度がその検出感度
に大きく影響を与えてしまう。
【0017】すなわち、室温下で赤外線検出用半導体素
子を用いる場合、その温度変化によって検出感度が変化
するため、正確な光強度の検出が不可能になる。
【0018】よって、検出された反射光強度と基準値と
の比較に基づきレーザ発振器と光学系とを制御するレー
ザ加工装置においては、このような不正確なレーザ光強
度の検出は、不完全な穴加工や導電層の損傷を導き、加
工歩留まりの低下原因となってしまう。
【0019】そして、半導体素子の温度変化を検出する
方法として様々な手法が考えられるが、熱電対や抵抗変
化検出型温度計など、温度計測のみを目的とした検出器
の導入は、装置の煩雑化・大型化を招くため好ましくな
い。
【0020】さらに、温度変化を検出する回数である
が、半導体素子にレーザ光を入射すると、その光量如何
に関わらず必ず半導体素子の温度は時々刻々と変化する
ため、たとえ室温の温度変化が無視できるほど小さくて
も、レーザ光入射開始直前一回きりの温度検出では不十
分な場合がある。
【0021】又、光検出用半導体素子から出力される信
号は、通常大変微弱なため、アンプにより増幅される
が、半導体素子に個体差があった場合、アンプからの出
力信号の大きさは使用する半導体素子によりまちまちな
大きさとなってしまう。
【0022】更に、アンプにはある有限の幅のダイナミ
ックレンジがあるため、半導体素子の違いによってオー
バーレンジを起こす場合もあり得る。
【0023】つまり、このような半導体素子の個体差に
よる出力信号のばらつきを解消するために、アンプに入
力される信号の大きさを制御する必要がある。
【0024】ついで、従来の技術では、レーザ発振器か
らの直接の透過光と加工対象物からの反射光とをそれぞ
れ別のセンサにて検出し、両者の光量から反射光量比を
演算し、基準値との比較でレーザ光の制御を行ってい
る。
【0025】しかしながら、反射光量比を演算すること
で、加工を行うレーザ光のばらつきは補正されるもの
の、例えば基板表面の導電層のみに予め穴を穿ってある
コンフォーマルマスク形状の穴を加工する場合、レーザ
光の照射位置と穴位置との関係次第ではコンフォーマル
マスクにて反射される光量が異なることもある。
【0026】というのは、レーザ光の空間強度分布は一
様ではないため、レーザ光と穴との重なり具合によっ
て、コンフォーマルマスク内へ入射する、すなわち絶縁
層の加工に使用されるレーザ光量に差が発生するためで
ある。
【0027】つまり、レーザ光の照射位置と穴位置との
関係が異なる2つの加工対象穴に注目した場合、その反
射光量比中に含まれるコンフォーマルマスクからの反射
光量比は互いに異なるため、仮に2つの穴からの反射光
量比が同じ値であっても、2つの穴の加工状態は互いに
異なることになり、正しい反射光検出を行っていないこ
とになる。
【0028】このように、穴毎に異なる反射光量比と
ある一定の基準値との比較に基づいてレーザ光の制御を
行っても、不完全な穴加工や導電層の損傷を導き、加工
歩留まりの低下原因となってしまう。
【0029】本発明は、以上のような点に鑑み、半導体
素子を用いたレーザ光検出器から出力されるレーザ光強
度を、適切なタイミングで検出された半導体素子の温度
変化に応じて補正を行い、場合によっては反射光強度だ
けでなく入射光強度も検出して正確な光強度を求め、基
準値との比較に基づきレーザ発振器を制御することで、
歩留まりが高く高品質な穴加工を実現するレーザ加工装
置及びレーザ加工方法を提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、レーザ発振器から出射され加工対象物で
反射された反射光の強度を検出するための半導体素子で
ある反射光検出器と、反射光検出器が検出した反射光の
強度と所定の基準値との比較に基づきレーザ発振器を制
御する制御手段と、反射光検出器が検出した反射光の強
度をその半導体素子の温度変化に応じて補正する補正手
段を有するレーザ加工装置、又は、更に、レーザ発振器
から出射されたレーザ光が入射される入射光検出器を有
し、制御手段が、入射光検出器が検出した入射光強度と
反射光検出器が検出した反射光強度とから演算して得ら
れ加工対象物の加工部からの反射光の強度に対応した相
対反射光強度と所定の基準値との比較に基づき前記レー
ザ発振器を制御するレーザ加工装置に代表される。
【0031】このような構成により、特に加工対象物の
穴加工の状態を的確に検出し、その後のレーザ発振器を
制御することで、理想とする穴加工を行い、結果として
近接する導電層間の導通が確実に得られるような穴加工
を行い得るレーザ加工装置を提供する。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明は、まず、請求項1記載の
ように、レーザ光を出射するレーザ発振器と、前記レー
ザ光を加工対象物に伝搬する光学系と、前記加工対象物
からの反射光の強度を検出する反射光検出器と、前記反
射光を前記反射光検出器へ伝搬する光学系と、前記反射
光検出器が検出した反射光の強度と所定の基準値との比
較に基づき前記レーザ発振器から出射されレーザ光を
制御する制御手段とを有し、前記反射光検出器が半導体
素子であり、更に、前記反射光検出器が検出した反射光
の強度を前記半導体素子の両端間の電位差から検出さ
れた温度変化に応じて補正演算式に従って補正する補正
手段を有するレーザ加工装置である。
【0033】このような構成により、反射光検出器の温
度による影響を排して、加工対象物の例えば穴加工の状
態を的確に検出して、レーザ発振器を制御することで、
理想とする穴加工を行い、結果として近接する導電層間
の導通が確実に得られるような穴加工を行い得る。
【0034】さらに、補正手段は、半導体素子の両端間
の電位差から検出された温度変化に応じて反射光検出器
の出力信号を補正する構成が、簡便かつ正確で好適であ
る。つまり、温度計測のみを目的とした検出器の導入に
よる装置の煩雑化・大型化を避けることができる。
【0035】そして、請求項記載のように、レーザ発
振器は、パルスレーザ発振器であり、nを2以上の整数
としたときに、反射光検出器が検出したn番目の信号を
補正するために用いる半導体素子の両端間の電位差を検
出する時刻が、n番目の信号の検出時刻以前であり、か
つ(n−1)番目の信号の検出時刻以降である構成によ
り、レーザ入射によって時々刻々と変化し続ける半導体
素子の温度変化を的確に把握するが故に好適である。
【0036】又は、請求項記載のように、レーザ光を
出射するレーザ発振器と、前記レーザ光の光強度を検出
する入射光検出器と、前記レーザ光を加工対象物に伝搬
する光学系と、前記加工対象物からの反射光の強度を検
出する反射光検出器と、記反射光を前記反射光検出器
へ伝搬する光学系と、前記入射光検出器が検出した入射
光強度と前記反射光検出器が検出した反射光強度とから
演算して得られ前記加工対象物の加工部からの反射光の
強度に対応した以下の(数1)で示される演算式により
求められる相対反射光強度と所定の基準値との比較に基
づき前記レーザ発振器から出射されレーザ光を制御す
る制御手段とを有するレーザ加工装置であってもよい。(数1)(n番目の相対反射光強度)=|(c n −c 1 )/(c max −c 1 )| ここで、c n =k×(b n /a n )、c max =k×(b max
/a max )、kは任意の定数、a n はn番目の入射レーザ
光強度に関する情報、b n はn番目の反射レーザ光強度
に関する情報、a max は入射レーザ光強度に関する情報
の最大値、b max は反射レーザ光強度に関する情報の最
大値、及びnは2以上の整数である。
【0037】このような構成により、加工対象物の例え
ば穴加工の加工部からの反射光に実質的に基づいた加工
状態を的確に検出し得て、レーザ発振器を制御すること
で、理想とする穴加工を行い、結果として近接する導電
層間の導通が確実に得られるような穴加工を行い得る。
【0038】ここでも、請求項記載のように、反射光
検出器及び/又は入射光検出器が半導体素子であり、更
に、前記反射光検出器及び/又は入射光検出器が検出し
た反射光及び/又は入射光の強度を前記半導体素子の
端間の電位差から検出された温度変化に応じて補正演算
式に従って補正する補正手段を有することにより、反射
光検出器や入射光検出器の温度による影響を排し得る。
【0039】又、請求項記載のように、レーザ発振器
は、パルスレーザ発振器であり、nを2以上の整数とし
たときに、反射光及び/又は入射光検出器が検出したn
番目の信号を補正するために用いる半導体素子の両端間
の電位差を検出する時刻が、前記反射光検出器及び/又
は入射光検出器が検出したn番目の信号の検出時刻以前
であり、かつ(n−1)番目の信号の検出時刻以降であ
る構成により、レーザ入射によって時々刻々と変化し続
ける半導体素子の温度変化を的確に把握するが故に好適
である。
【0040】そして、ここで、請求項記載のように、
レーザ発振器は、パルスレーザ発振器であり、相対反射
光強度は、nを2以上の整数としたときに、n番目のパ
ルスレーザ光及びそれ以前のパルスレーザ光の各々の反
射光の強度及び入射光の強度を用いて得られることが、
パルスレーザ光を用いる場合には、加工状態を的確に検
出するが故に好適である。
【0041】そして、請求項記載のように、更に、反
射光検出器の出力信号の大きさを制御する検出器信号制
御手段を有する構成であってもよく、具体的には、請求
記載のように、検出器信号制御手段は、反射光検出
器と直列に配された電源及び抵抗を有し、前記電源の電
圧及び/又は抵抗の抵抗値を変化させて前記反射光検出
器の出力信号の大きさを制御する構成、又は請求項
載のように、検出器信号制御手段は、反射光検出器と並
列に配された抵抗を有し、前記抵抗の抵抗値を変化させ
て前記反射光検出器の出力信号の大きさを制御する構成
であってもよく、半導体素子の個体差に基づく出力信号
の大きさのばらつきを解消する。
【0042】かかる構成は、入射光検出器にも適用可能
で、請求項10記載のように、更に、入射光検出器の出
力信号の大きさを制御する検出器信号制御手段を有する
構成であってもよく、具体的には、請求項11記載のよ
うに、検出器信号制御手段は、入射光検出器と直列に配
された電源及び抵抗を有し、前記電源の電圧及び/又は
抵抗の抵抗値を変化させて前記入射光検出器の出力信号
の大きさを制御する構成、又は請求項12記載のよう
に、検出器信号制御手段は、入射光検出器と並列に配さ
れた抵抗を有し、前記抵抗の抵抗値を変化させて前記入
射光検出器の出力信号の大きさを制御する構成であって
もよく、同様に半導体素子の個体差に基づく出力信号の
大きさのばらつきを解消する。
【0043】次に、本発明は、請求項13記載のよう
に、レーザ発振器から出射したレーザ光を加工対象物に
照射する照射工程と、前記加工対象物からの反射光の強
度を半導体素子を用いて検出する反射光検出工程と、前
記反射光検出工程で検出された反射光の強度を前記半導
体素子の両端間の電位差から検出された温度変化に応じ
て補正演算式に従って補正する補正工程と、前記補正
で補正された反射光の強度と所定の基準値との比較に
基づき前記レーザ発振器から出射されレーザ光を制御
する制御工程とを有するレーザ加工方法である。
【0044】このような構成により、反射光検出行程に
おける温度による影響を排して、加工対象物の例えば穴
加工の状態を的確に検出して、レーザ発振器を制御する
ことで、理想とする穴加工を行い、結果として近接する
導電層間の導通が確実に得られるような穴加工を行い得
る。
【0045】
【0046】又は、請求項14記載のように、レーザ発
振器から出射したレーザ光を加工対象物に照射する照射
工程と、前記レーザ光の強度を半導体素子を用いて検出
する入射光検出工程と、前記加工対象物からの反射光の
強度を半導体素子を用いて検出する反射光検出工程と、
前記入射光検出工程で検出された入射光の強度及び前記
反射光検出工程で検出された反射光の強度とから演算し
て得られ前記加工対象物の加工部からの反射光の強度に
対応した以下の(数2)で示される演算式により求めら
れる相対反射光強度と所定の基準値との比較に基づき前
記レーザ発振器から出射されレーザ光を制御する制御
工程とを有するレーザ加工方法である。
【0047】
【0048】
【0049】
【数2】
【0050】ここで、cn=k×(bn/an)、cmax
k×(bmax/amax)、kは任意の定数、anはn番目
の入射レーザ光強度に関する情報、bnはn番目の反射
レーザ光強度に関する情報、amaxは入射レーザ光強度
に関する情報の最大値、bmaxは反射レーザ光強度に関
する情報の最大値、及びnは2以上の整数である。
【0051】このような構成により、加工対象物の穴加
工の加工部からの反射光に実質的に基づいた加工状態を
的確に検出し得て、レーザ発振器を制御することで、理
想とする穴加工を行い、結果として近接する導電層間の
導通が確実に得られるような穴加工を行い得る。
【0052】(実施の形態1)以下、本発明の実施の形
態1について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0053】図1は、本実施の形態のレーザ加工装置の
概略図である。図1において、1は加工用光源の一例と
して用いるパルスレーザ発振器、2はベンドミラー、3
はビームスプリッタ、4は第1の走査ミラー、5は第2
の走査ミラー、6は加工用集光レンズであり、光路にお
ける光学系を構成する。
【0054】ここで、本実施の形態で用いたパルスレー
ザ発振器1は、例えばマイクロ波により励起される炭酸
ガスレーザ発振器が好適に用いられ得る。
【0055】ついで、7は加工対象物たる多層基板であ
り、多層基板は絶縁層8、導電層9から構成され、加工
穴10が形成され得る。11はかかる多層基板7の移動
機構で、多層基板7を載置している。
【0056】そして、12は多層基板7からの反射光を
検出する反射光検出器、13は反射光検出器12からの
信号を増幅するアンプ、14は反射光検出器12からの
出力信号を用いて演算する演算処理装置、及び15はパ
ルスレーザ発振器1、第1の走査ミラー4及び第2の走
査ミラー5を制御するための制御装置である。
【0057】なお、100a〜100gは、レーザ発振
器1から発振されたパルス化出力レーザ光が、光学系2
〜6を介して多層基板7に至り、加工対象物たる多層基
板7で反射され光学系6〜4を介してビームスプリッタ
3を透過して反射光検出器12に入射するレーザ光をそ
の光路とともに示している。ここで、多層基板7方向へ
向かう光路におけるレーザ光と、多層基板7で反射され
てレーザ発振器1方向に戻る光路におけるレーザ光と
は、ビームスプリッタ3と多層基板7との間で、方向は
逆向きであるが光路は一致する光束となっている。
【0058】以上の構成により、多層基板7には、加工
穴10が形成されることになるが、この動作についてよ
り詳細に説明する。
【0059】まず、パルスレーザ発振器1から出射され
た出力レーザ光100aは、100b及び100cで示
すように、ベンドミラー2、ビームスプリッタ3にてそ
れぞれ反射され、ついでガルバノミラーにより構成され
る第1の走査ミラー4及び同じくガルバノミラーにより
構成される第2の走査ミラー5により、100d及び1
00eで示すレーザ光が、要求される加工形態に対応し
て走査可能な態様で順次反射される。
【0060】ここで、本実施の形態の場合、第1の走査
ミラー4と第2の走査ミラー5とは、互いに直交する方
向にレーザ光を走査するように構成されており、結果、
レーザ光で多層基板7上を二次元的に走査可能な構成と
している。
【0061】ついで、fθレンズにて構成される加工用
集光レンズ6に入射され、100fで示すように集光さ
れながら、移動機構11上に載置され、加工位置にある
多層基板7へ入射される。
【0062】そして、このように、集光された出力レー
ザ光を用いて多層基板7に加工穴10を形成すべく加工
を行うことになる。
【0063】そして更に、このように多層基板7に照射
されたレーザ光の一部は、多層基板7にて反射され、反
射レーザ光となる。
【0064】この反射レーザ光は、入射されたレーザ光
が通ってきたレーザ光路を反対方向へと伝搬され、10
0f〜100cで示すように、集光レンズ6、走査ミラ
ー5、4の順でビームスプリッタ3に至り、ビームスプ
リッタ3では透過されて、100gで示すように反射光
検出器12へと入射されることになる。
【0065】そして、反射光検出器12で検出されたレ
ーザ光の光強度に関する検出信号は、アンプ13にてあ
る任意の定数倍に増幅された後、演算処理装置14に送
出されて演算処理されることとなり、演算処理装置14
の出力信号は、制御装置15へ送出され、制御装置15
はレーザ発振器1と走査ミラー4、5を制御する。
【0066】次に、反射光検出器12で検出されたレー
ザ光の光強度に関する検出信号をもとにレーザ発振器
1、走査ミラー4、5を制御する構成について説明す
る。
【0067】図2は、加工穴10が徐々に深くなってい
く様子を示し、図2(a)は加工穴がまだ導電層9まで
達していない様子、図2(b)は加工穴の一部が導電層
9まで達した様子、図2(c)は加工穴の大部分が導電
層9まで達した様子をそれぞれ示す模式図である。
【0068】ここで、レーザ光の反射のほとんどは絶縁
層9にて発生するため、反射レーザ光の光量は、図2
(a)、(b)、(c)の順で大きくなる。
【0069】そして、反射光検出器12にて検出された
レーザ光の光強度に関する信号は、アンプ13を経て演
算処理装置14へ送出され、演算処理装置14内部に予
め設定しておいた基準値と比較され、加工が終了したか
否かを判断し、その情報を制御装置15へ送出する。
【0070】例えば、基準値を図2(b)の穴の状態か
らの反射光量と図2(c)の穴の状態からの反射光量と
の中間に設定した場合、図2(b)の穴からの反射光量
は基準値よりも小さいため、演算処理装置14は加工が
未達成であると判断し、制御装置15へ更にレーザ発振
器1へレーザ光を照射するような命令信号を送る。
【0071】一方、図2(c)の穴からの反射光量は基
準値よりも大きいため、演算処理装置14は加工が終了
したと判断し、制御装置15へは当該穴位置に対しては
これ以上のレーザ照射を行わないような命令信号を送
り、レーザ発振器1へレーザ光の出射を停止するような
命令信号を送る。ここで、もちろん、レーザ発振器1か
らのレーザ光は出射し続けたままで、その後の光学系で
多層基板7にレーザ光が到達しないようにしてもよい。
【0072】以上説明したような過程を経ることによ
り、原理的には、近接する導電層間の導通が確実に得ら
れる穴加工を、高い歩留まりで達成することができるこ
とになる。
【0073】さて、以上の過程で、充分な穴加工が達成
されたか否かの判断は、反射レーザ光の光強度に関する
信号が、基準値よりも大きいか小さいかの判断に基づい
ている。
【0074】しかし、反射光検出器12が半導体である
場合、周囲温度の変動が反射レーザ光の光強度に関する
信号の大きさに影響を及ぼす場合おそれがある。
【0075】このように信号の大きさが温度変化に伴い
変わってしまうと、基準値との比較において正しい判断
が行われないことになる。
【0076】つまり、温度が変化したことで本来の信号
よりも大きな信号が反射光検出器12からアンプ13を
経て演算処理装置14へ送出されてしまうと、実際の穴
加工が終了していないにも関わらず演算処理装置14は
加工が終了したと判断し、制御装置15へ当該穴位置に
対してはこれ以上のレーザ照射を行わないような命令信
号を送ってしまい、結果、近接する導電層間の導通が確
実に得られる穴が得られないことになる。
【0077】又、反対に本来の信号よりも小さな信号が
反射光検出器12からアンプ13を経て演算処理装置1
4へ送出されると、実際の穴加工が終了しているにも関
わらず演算処理装置14は加工がまだ終了していないと
判断し、制御装置15へ更にレーザ光を照射するような
命令信号を送るが、加工が既に終了している穴へレーザ
照射を行うことで所望の穴加工形状が得られなかった
り、導電層9が損傷したりしてしまうことになる。
【0078】図3は、本実施の形態の測定系の概略図を
示し、図4はこのような測定系による温度変化に伴うア
ンプ13から出力される信号の変化の様子を示すグラフ
である。
【0079】図3において、1はパルスレーザ発振器、
13はアンプであり、図1で説明したものと同様であ
る。そして、30はレーザ光検出器、31は温度計及び
32はオシロスコープである。
【0080】ここで、レーザ光検出器30は、図1にお
ける反射光検出器12に対応し、レーザ光検出用半導体
素子として、室温動作型水銀系半導体素子の一つである
水銀カドミウムテルル(HgCdTe)化合物半導体素
子を用いている。
【0081】このような構成において、レーザ発振器1
から出射されたレーザ光を代表的に示したレーザ光10
0hは、レーザ光検出器30へ入射され、レーザ光検出
器30は入射されたレーザ光の大きさに応じた電圧信号
を出力し、アンプ13にて任意の定数倍に増幅された
後、その信号がオシロスコープ32へ伝達される。
【0082】図4において、横軸は温度計31で測定し
たレーザ光検出器30の筐体の温度を示し、縦軸はおよ
そ100mWのピークを持つ炭酸ガスレーザ光(波長1
0.6μm)パルスをレーザ光検出器30へ入射したと
きのオシロスコープ32上で確認されたピーク高さ電圧
を示す。
【0083】図4に示されるように、温度が約10℃上
昇したことにより、ピーク高さ電圧は7Vから4Vまで
約3Vほど線形的に減少している。
【0084】つまり、1℃の温度上昇によりピーク高さ
電圧は0.3V減少することになるが、1℃程度の温度
変化は容易に起こり得ると考えられ、例えば5Vのピー
ク高さ電圧(24℃程度での値に相当)にとっての0.
3Vの減少幅は、6%の誤差に相当する。
【0085】このように、半導体素子の温度が変化した
場合、出力信号も変化してしまい、結果、正しいレーザ
光検出が行われないことになり、加工の歩留まりや品質
に悪影響を及ぼしてしまう。
【0086】そこで、温度変化に起因する誤差発生を抑
制するためには、出力信号の温度補正を行うことが必要
となる。
【0087】すなわち、出力信号との比較対象となる基
準値を、ある任意の温度での値、例えば22℃での値と
決めておいた場合、図1の演算処理装置14において反
射光検出器12が検出した信号を、前もって求めておい
た補正演算式(例えば図4に示した直線を示す式)に基
づいて22℃での信号に補正し、その補正された信号と
基準値とを比較することで精度の高い判断を行うことが
できる。
【0088】ところで、半導体素子の温度変化を検出す
る方法として様々な手法が考えられるが、熱電対や抵抗
変化検出型温度計など、温度計測のみを目的とした検出
器の導入は、装置の煩雑化・大型化を招くため好ましく
ない。
【0089】そこで、半導体素子の温度変化検出方法と
して、その半導体素子自体の抵抗値の変化、すなわち具
体的には半導体素子両端の電位差の変化から温度変化を
検出することが特に好適である。
【0090】とうのは、半導体に限らず導電性物質全般
は、温度が変化すると自身を構成している分子の振動状
態も変化するため抵抗値も変化し、抵抗値が変化すれば
光検出用半導体素子の両端の電位差も変化するため、こ
の電位差を測定することで、他の温度検出器を用いずと
も半導体素子の温度変化を検出することができることに
着目したからである。
【0091】図5は、レーザ光検出器30の両端の電位
差を測定する測定系の概略図を示し、図6は、温度変化
に伴う電位Eの変化の様子を示すグラフである。
【0092】図5に示したように、半導体素子で構成さ
れたレーザ光検出器30の両端の電位差は電位eであ
り、電位eの電圧値はアンプ13にて任意の定数倍に増
幅され電位Eとなり、その後オシロスコープ32へ伝達
される。
【0093】このとき、レーザ光検出器30へのレーザ
光の入射は行われていない。ここで、レーザ光検出器3
0の温度が変化すると、レーザ光検出器である半導体素
子の抵抗値も変化し、それに伴って電位eも変化する。
【0094】この様子を示したのが図6のグラフであ
る。図6において、横軸は温度計31で測定したレーザ
光検出器30の筐体の温度を示し、縦軸はオシロスコー
プ32上で確認された電位Eを示す。
【0095】図6に示されるように、温度が約10℃上
昇したことにより、電位Eの値は7Vから−4Vまでや
はり線形的に減少している。
【0096】このように、半導体素子の温度と電位Eと
の間には一定の関係が存在し、電位Eを測定することに
より半導体素子の温度、すなわちレーザ光検出器21の
温度を求めることができる。
【0097】よって、このように電位Eを測定すること
で、熱電対や温度計などの温度計測のみを目的とした検
出器の導入による装置の煩雑化・大型化を回避しつつ、
図1における反射光検出器12の温度を求めることがで
きる。
【0098】更に、このように電位Eの測定から求めた
反射光検出器12の温度を基にして測定された反射レー
ザ光に補正を行い、補正された光強度に関する信号と基
準値とを比較することで、的確な穴加工の合否判断を行
うことが可能となり、近接する導電層間の導通が確実に
得られるような穴加工を確実に行うことができるばかり
でなく、出力レーザ光の無駄な発振を回避することが可
能であり、加工のスループットも上昇することができ
る。
【0099】以上のように、本実施の形態によれば、電
位Eを測定することで、つまり半導体素子の両端の電位
を測定することで反射光検出器の温度を求めることがで
き、熱電対や温度計などの温度計測のみを目的とした検
出器の導入による装置の煩雑化・大型化を回避しつつ、
出力信号の温度補正を行うことができ、精度の高い加工
状態の適否の判断を行うことができる。
【0100】なお、本実施の形態ではアンプを用いて信
号の増幅を行ったが、レーザ光検出器から送り出される
信号の大きさが、演算処理装置が信号検出を行う際に充
分な大きさを持っているならば、アンプは必ずしも必要
とされるものではない。
【0101】又、本実施の形態では、レーザ発振器をパ
ルスレーザ発振器としたが、加工対象物との関係では、
連続的にレーザ光を出射するレーザ発振器を用いること
ができる場合もある。
【0102】又、本実施の形態では、走査ミラーとして
ガルバノミラーを用いたが、ポリゴンミラー、音響光学
素子、電気光学素子、ホログラムスキャナ等を用いても
同様な効果が得られるものである。
【0103】更に、本実施の形態では、加工用集光レン
ズとしてfθレンズを用いたが、単レンズやフレネルレ
ンズを複数枚組み合わせた光学系を用いても、同様な効
果が得られるものである。
【0104】(実施の形態2)以下、本発明の実施の形
態2について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0105】図7は、本実施の形態のレーザ加工装置の
概略図である。図7において、図1の実施の形態1の構
成におけるベンドミラー2をビームスプリッタ40に置
き換え、ビームスプリッタ40を透過した出力レーザ光
の一部100iを検出するよう入射光検出器41を設
け、入射光検出器41で検出されたレーザ光の光強度に
関する検出信号は、アンプ42にてある任意の定数倍に
増幅された後、演算処理装置14へ送出されて演算処理
されることと、加工対象物たる多層基板43が第1の導
電層44、絶縁層45、第2の導電層46から構成され
ること以外は、実施の形態1と同様な構成である。
【0106】つまり、本実施の形態においては、反射レ
ーザ光の検出を行い、加工を制御する基本機能は、実施
の形態1と同様であるが、実施の形態1に対して反射レ
ーザ光強度の検出の際の機能をより強化した構成を有す
る。
【0107】前述した実施の形態1では、反射レーザ光
の光強度に関する信号を検出し、基準値と比較した結果
に基づき加工を制御している。
【0108】しかし、実施の形態1は、レーザ発振器1
からの出力レーザ光100aの強度が時間的に不変の強
度を有している場合、又はパルスレーザにおいては時間
的に不変のプロファイルを有している場合を基本的には
想定しているが、出力レーザ光の強度が時間的にばらつ
く場合や、多層基板7からの反射レーザ光100fの絶
対強度が弱いとき、例えば、パルスレーザ光強度の時間
プロファイルが三角関数や二次関数であって、かつその
パルスの立ち上がりや立ち下がりのときの光強度を検出
する場合等、検出精度を確保するのは困難であることが
考えられる。
【0109】又、図7に示したような第1の導電層44
を表面に有する多層基板43を加工する場合には、加工
穴17の状態に関わらず、反射レーザ光100fには第
一の導電層23からの反射光も含まれていることにな
り、レーザ光の照射位置と穴位置との関係次第では、仮
に2つの穴からの反射光量が同じ値であっても、2つの
穴の加工状態は互いに異なることになり、正しい反射光
検出を行っていない状態も起こり得る。
【0110】かかる場合を考慮すると、前述の(数2)
で示す演算式を用いて入射レーザ光強度と反射レーザ光
強度とから相対反射光強度を求め、求められた相対反射
光強度と基準値との比較に基づきレーザ発振器と光学系
とを制御することが好適である。
【0111】以下、具体的に数字を挙げて説明する。ま
ず、簡略化のため、(数2)に記載されている定数kの
値を、k×bmax=amaxを満たすような値に決めてお
く。
【0112】これにより、cmax=1となり、(数2)
に示された式は以下の(数3)のように表される。
【0113】
【数3】
【0114】最初に、ある任意の穴Aからの反射光に関
して検討する。穴Aにパルスレーザ光を時間連続的に照
射したとき、1番目のパルスレーザ光のピーク値に関す
る情報がc1=0.1であり、N番目のパルスレーザ光
のピーク値に関する情報がcN=0.7だったとする。
【0115】これは、1番目のパルスレーザ光では、第
1の導電層44で反射されるレーザ光は0.1であって
0.9は穴加工に使用されることを意味し、ついでN番
目のパルスレーザ光では、0.7から0.1を減算した
0.6が穴内部からの反射光であることを意味してい
る。
【0116】このとき、N番目の相対反射光強度は(数
3)より、0.667であることがわかる。
【0117】次に、ある任意の穴Bからの反射光に関し
て検討する。穴Bにパルスレーザ光を時間連続的に照射
したとき、1番目のパルスレーザ光のピーク値に関する
情報がc1=0.3であり、N番目のパルスレーザ光の
ピーク値に関する情報がcN=0.7だったとする。
【0118】これは、第1の導電層44で反射されるレ
ーザ光は0.3であり、0.7は穴加工に使用されるこ
とを意味し、又N番目のパルスでは0.7から0.3を
減算した0.4が穴内部からの反射光であることを意味
している。
【0119】このときは、N番目の相対反射光強度は
(数3)より、0.571である。しかし、どちらの穴
A、BもN番目のパルスレーザ光のピーク値に関する情
報cNは0.7という同じ値を持つため、単純にN番目
のパルスレーザ光のピーク値に関する情報だけから穴加
工の適否判断を行おうとすると、誤った結論を導いてし
まう。
【0120】よって、実際に穴の内部に照射された光量
に対してどれくらいの光量比が反射光として戻ってくる
かを(数2)や(数3)に基づく相対反射光強度を用い
て検討することで、的確な穴加工の合否判断を行うこと
が可能となり、近接する導電層間の導通が確実に得られ
るような穴加工を確実に行うことができるばかりでな
く、出力レーザ光の無駄な発振を回避することが可能で
あり、加工のスループットも上昇させることができる。
【0121】なお、本実施の形態においては、演算式に
用いるレーザ光強度に関する情報の値として、パルスレ
ーザ光のピーク値を想定して説明を行ったが、レーザ光
の発振やレーザの発振命令信号の立ち上がり又は立ち下
がりをトリガーとして、その時点からある任意の時間経
過後のレーザ光強度を用いても同様な効果が得られるこ
とはいうまでもない。
【0122】又、説明の簡略化のため定数kをk×b
max=amaxを満たすような値として説明を行ったが、も
ちろん定数kは、実数であるならばどのような値を用い
てもかまわない。
【0123】更に、(数2)におけるcmaxを求めるに
は、実際の加工に先立って金ミラーや銅ミラー等につい
てのデータを加工対象物の代わりに用いて求めておく方
法が好適であるが、必要に応じて実際の加工中に取得さ
れたデータを用いて求めてもかまわない。
【0124】又、(数2)や(数3)に記述した式中の
1は、1番目の入射レーザ光強 度と1番目の反射光強
度とから求めた値であるが、加工穴の穴底からの反射光
量がほとんど0に近い条件であれば、1番目の値を用い
ずともかまわない。
【0125】更に、入射レーザ光強度の時空間的なばら
つきがほとんど無視できる状態であるならば、anはn
の値に関わらずほぼ一定と見なせることになるので、
(数2)の代わりに、以下の(数4)で示される演算式
を用いても同様な効果が得られることはもちろんであ
る。
【0126】
【数4】
【0127】ここで、bnは、n番目の反射レーザ光強
度に関する情報、及びbmaxは、反射レーザ光強度に関
する情報の最大値である。このとき、anがnの値に関
わらずほぼ一定であることが前もってわかっているので
あれば、入射光検出器41を設定する必要がないことは
もちろんである。
【0128】また、本実施の形態の入射光検出器におい
ても、実施の形態1の反射光検出器の出力信号に温度を
補正する構成を適用することももちろん可能である。
【0129】(実施の形態3)以下、本発明の実施の形
態3について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0130】図8は、本実施の形態のレーザ加工装置に
おいて、反射光検出器12の近傍の構成をより詳細に示
した概略図である。
【0131】図8において、12は反射光検出器、13
はアンプ、14は演算処理装置であり、実施の形態1の
構成と同様である。そして、100gは図示されていな
いビームスプリッタを透過した反射レーザ光、50は定
電圧源及び51は直列抵抗である。
【0132】以上の構成により、反射光検出器12は、
反射レーザ光100gを検出し、反射レーザ光強度に関
する信号は、アンプ13を介して演算処理装置14に送
出されることになるが、この動作についてより詳細に説
明する。
【0133】まず、反射レーザ光100gが反射光検出
器12へ入射されると、その反射レーザ光の大きさに比
例して、反射光検出器12の抵抗値が変化する。
【0134】ここで、直列抵抗51の抵抗値Rと定電圧
源50の電圧値Vが一定なので、反射光検出器10の抵
抗値の変化量に比例して、電位eも変化する。
【0135】この電位eの変化量が、反射光検出器12
が出力する信号である。そして、反射光検出器12から
の出力信号は、アンプ13でアンプの持つゲイン倍に増
幅され、演算処理装置14へと送出されることになる。
【0136】ところで、反射光検出器12を構成する半
導体素子は、その光電特性に個体差を持ち、全く同じレ
ーザ光を入射した場合でも、出力される信号の大小は、
各半導体素子によって異なる。
【0137】そして、アンプ13のダイナミックレンジ
には上限があるため、出力信号が大きい場合、増幅しき
れずにオーバーレンジを起こすおそれもある。
【0138】このような半導体素子の個体差による出力
信号のばらつきを解消するためには、アンプ13に入力
される信号の大きさを制御する必要がある。
【0139】さて、図9は、反射光検出器12のバイア
ス電流とアンプ13から出力される信号との関係を示す
グラフである。
【0140】図9において、その横軸は、反射光検出器
12に印加されるバイアス電流値を示し、バイアス電流
値は、定電圧源50の電圧値をV、直列抵抗51の抵抗
値R、及び反射光検出器12にレーザ光が入射されてい
ないときの抵抗値をrdとすると、バイアス電流値I
bは、以下の(数5)で示される式により決定される。
【0141】
【数5】
【0142】又、その縦軸は、アンプ13から出力され
た信号の大きさを示す。なお、このとき反射光検出器1
2に入射される反射レーザ光100gの大きさは一定で
あるとする。
【0143】図9が示すように、バイアス電流値が2倍
になると、出力信号の大きさは1/2倍になり、両者の
関係は反比例的な関係にある。
【0144】ここで、アンプ13のゲインは一定値なの
で、アンプ13からの出力信号がこのような変化を示す
ということは、反射光検出器12からの出力信号の大き
さが変化したこと意味している。
【0145】つまり、反射光検出器12からの出力信号
の大きさを制御するには、バイアス電流Ibを制御すれ
ばよいということになるが、(数5)からは、直列抵抗
51の抵抗値Rを変えることや、定電圧源50の電圧値
Vを変えること、更にはそれらを組み合わせて変えるこ
とにより出力信号の大きさを制御することが可能である
ことがわかる。
【0146】以上のように、本実施の形態によれば、直
列抵抗51の抵抗値R及び/又は定電圧源50の電圧値
Vを変えることで、反射光検出器12からの出力信号の
大きさを制御することが可能であり、反射光検出器に個
体差があってもアンプ13の出力のオーバーレンジを回
避することができる。
【0147】なお、本実施の形態は、反射光検出器12
を用いて説明を行ったが、実施の形態2の入射光検出器
41に対してかかる構成を適用しても、同様な効果が得
られることはいうまでもない。
【0148】又、直列抵抗51は、固定抵抗でも可変抵
抗でもかまわないが、温度変動に対する誤差の小さい抵
抗、例えば金属皮膜抵抗等が好適に用いられる。
【0149】(実施の形態4)以下、本発明の実施の形
態4について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0150】図10は、本実施の形態のレーザ加工装置
において、反射光検出器12の近傍の構成をより詳細に
示した概略図である。
【0151】図10において、12は反射光検出器、1
3はアンプ、14は演算処理装置であり、実施の形態1
の構成と同様である。そして、100gは図示されてい
ないビームスプリッタを透過した反射レーザ光、50は
定電圧源、51は直列抵抗、52は第1の並列抵抗、及
び53は第二の並列抵抗である。
【0152】以上の構成は、反射光検出器10に対する
二つの並列抵抗31、32が加わった点を除けば、実施
の形態3と同様の構成である。
【0153】実施の形態3では、反射光検出器12を構
成する半導体素子は個体差を持ち、場合によってはアン
プ18からの出力がオーバーレンジを起こすおそれがあ
ることを考慮し、その回避するための構成につき説明し
たが、本実施の形態では、反射光検出器12に対する二
つの並列抵抗52、53を加えることで、アンプ13に
入力される信号の大きさを制御する別の構成について説
明する。
【0154】図10において、第1の並列抵抗52の抵
抗値をr1、第2の並列抵抗53の抵抗値をr2とする
と、反射光検出器12から出力される信号は並列抵抗5
2、53の値に応じて減少し、減少された信号がアンプ
13へ入力されることで、アンプ13からの出力のオー
バーレンジを回避することができる。
【0155】ここで、アンプ13に入力される信号の大
きさは、第1の並列抵抗52の抵抗値r1及び/又は第
2の並列抵抗53の抵抗値r2を変えることで制御が可
能であり、反射光検出器12の出力信号をp、アンプ1
3に入力される信号の大きさをPとすると、その関係は
以下の(数6)に示した式によって表される。
【0156】
【数6】
【0157】この(数6)に示したように、二つの並列
抵抗52、53の抵抗値を変えることでアンプ13に入
力される信号の大きさを制御することが可能であり、こ
れによりアンプ13からの出力のオーバーレンジを回避
することができる。
【0158】但し、ここで注意しなければならないの
は、r1、r2の大きさである。というのは、反射光検出
器12のバイアス電流Ibを変えることは好ましくない
ので、並列回路側への電流の流入をできるだけ回避すべ
く、r1、r2の抵抗値を反射光検出器12の持つ抵抗値
よりもできるだけ大きい値とすることが好適である。
【0159】以上のように、本実施の形態によれば、二
つの並列抵抗52、53の抵抗値を変えることで、アン
プ13に入力される信号の大きさを制御することが可能
であり、反射光検出器12に個体差があってもアンプ1
3からの出力のオーバーレンジを回避することができ
る。
【0160】なお、本実施の形態は、反射光検出器12
を用いて説明を行ったが、入射光検出器にかかる構成を
用いても同様な効果が得られることはいうまでもない。
【0161】又、二つの並列抵抗52、53は、固定抵
抗でも可変抵抗でもかまわないが、温度変動に対する誤
差の小さい抵抗、例えば金属皮膜抵抗等が好適に用いら
れる。
【0162】(実施の形態5)以下、本発明の実施の形
態5について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0163】図11は、実施の形態1の図3に示した測
定系中のオシロスコープ32にて検出された出力信号波
形の模式図であり、図11(a)はレーザ光100h入
射開始直後の、(b)はレーザ光100hの入射開始か
ら少なくとも0.1秒以上経過した任意の時刻での、ア
ンプ13からの出力の時間変化の様子をそれぞれ示して
いる。
【0164】又図11(a)に示された3個の信号波形
は、それぞれ左から順に1、2、3ショット目のレーザ
パルス波形であり、(b)に示された3個の信号波形
は、同様にN、N+1、N+2ショット目である。
【0165】図11(a)からわかるように、レーザ光
入射開始直後においては、入射されたレーザパルス光の
増加に伴い全体の電位が徐々に低下していく。
【0166】そして、この電位の低下現象は、パルスの
繰り返し周波数が50Hzから1000Hzの間ではそ
の周波数に関わらず、レーザ光入射開始から0.1秒程
度後まで続き、その後は図11(b)に示したように電
位の変動は見られなくなることを確認した。
【0167】例えば、繰り返し周波数100Hz、パル
ス幅約100マイクロ秒の条件下では、レーザ光入射開
始から0.1秒までの間に、電位はおよそ0.4V低下
した。
【0168】この0.4Vの電位低下は、図6のグラフ
より0.36℃の温度上昇に相当することがわかるが、
温度計31で同時にモニタしていたレーザ光検出器30
の筐体温度に変化は見られなかった。
【0169】これは、レーザ光入射により半導体素子自
身の温度は変化するが、0.1秒というレーザ照射時間
は、半導体素子で発生した熱が筐体温度測定点に伝導す
るには短すぎるためである。
【0170】このように、かかる条件下ではレーザ光入
射開始直後から0.1秒後までの間は、半導体素子の温
度は変化し続け、0.1秒後以降は熱的平衡状態に達
し、レーザ光入射による半導体素子の温度変化は見られ
なくなる。
【0171】図4に示したように、半導体素子の温度が
変化すると、レーザ光強度を示しているピーク高さ電圧
も変化するので、温度変化に応じて出力信号の補正が必
要となることは前述したとおりである。
【0172】よって、半導体素子の両端間の電位差検出
の回数は、レーザ光入射開始直後から0.1秒後までの
間は、補正対象となる信号毎に温度検出、すなわち半導
体素子の両端間の電位差検出を行うことが精度の高い補
正を行うことにつながる。
【0173】そして、具体的には、かかる場合、半導体
素子の両端間の電位差検出のタイミングとしては、nシ
ョット目の出力信号の補正に用いる電位差検出時刻は、
nショット目のパルスレーザ光の検出時刻以前であり、
かつ(n−1)ショット目のパルスレーザ光の検出時刻
以降のいずれかの時刻であればよいことになる。
【0174】ただし、信号出力が指数関数的に減衰する
ようなレーザパルスである場合には、(n−1)ショッ
ト目の影響が最も薄れた時刻、すなわち、nショット目
のレーザパルスの照射開始時刻の直前が、電位差検出に
好適な時刻である。
【0175】一方、Qスイッチレーザや、機械的あるい
は電気的にチョッピングを施しているパルスレーザで
は、出力はステップ関数的に急速に0まで落ちるので、
nショット目のレーザパルスの照射開始時刻の直前に限
定する必然性はない。
【0176】次に、レーザ光入射開始から0.1秒後以
降における電位差検出の回数であるが、図11(b)に
示したように、熱的平衡状態に達した以降は、レーザ光
入射による半導体素子の温度変化は見られなくなるた
め、パルス毎に電位差を検出する必要はなくなる。
【0177】ここで、パルス毎に電位差を検出する方法
は、精度の高い補正を行うために好適ではあるが、信号
測定の都度電位差を検出して温度変化を求めることは、
演算処理装置にかかる負荷が大きくなることに他ならな
い。
【0178】よって、レーザ光入射開始から0.1秒後
以降の電位差検出のタイミングは、例えば室温の変化が
激しい場合には1秒に1回の電位差検出を行い、ほとん
ど室温が変動しない場合には10秒に1回の電位差検出
で済ませる、というように周囲の環境に合わせて予め決
めておくことが好適である。
【0179】なお、本実施の形態では、レーザパルスの
繰り返し周波数が50Hzから1000Hzの場合、半
導体素子が熱的平衡状態に達する時間が0.1秒である
として説明を行ったが、一例であって、繰り返し周波数
が50Hz以下、あるいは1000Hz以上のときに
は、平衡状態に達する時間は0.1秒であるとは限らな
いことはもちろんである。
【0180】又、本実施の形態は、反射光検出器を用い
て説明を行ったが、実施の形態2の入射光検出器に対し
てかかる構成を適用しても、同様な効果が得られること
はいうまでもない。
【0181】ただし、電位差の検出回数を減らすことが
できるのは、常時一定のレーザ光が照射される入射光検
出器においてはきわめて好適であるが、レーザ光照射の
タイミングが加工穴の状態に依存する反射光検出器で
は、精度の高い補正を行うためには、入射光検出器のよ
うに電位差の検出回数を減らすことは望ましくない場合
があることはもちろんである。
【0182】又、以上の各実施の形態は、機能上支障の
ない範囲内であれば、適宜各構成同士を組み合わせるこ
とができることはもちろんである。
【0183】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、半導体
素子を用いた反射光検出器や入射光検出素子の温度補正
をしてレーザ発振器を制御することにより、加工対象物
の穴加工等の状態を的確に検出して、理想とする穴加工
を行い、結果として近接する導電層間の導通が確実に得
られるような穴加工をスループットよく行い得る。
【0184】ここで、半導体素子を用いた反射光検出器
や入射光検出素子の両端の電位差から温度補正をするこ
とにより、熱電対や温度計など、温度計測のみを目的と
した検出器の導入による装置の煩雑化・大型化を排した
簡便な構成を可能とする。
【0185】又、半導体素子の両端の電位差を測定する
回数を最適化することで、精度の高い補正を行うことが
可能となり、又演算処理装置にかかる負荷を低減させる
ことができる。
【0186】そして、入射光検出器が検出した入射光強
度と反射光検出器が検出した反射光強度とから演算して
得られ加工対象物の加工部からの反射光の強度に対応し
た相対反射光強度と所定の基準値との比較に基づきレー
ザ発振器を制御することにより、加工対象物の穴加工等
の加工部からの反射光に実質的に基づいた加工状態を的
確に検出し得て、レーザ発振器を制御することで、理想
とする穴加工を行い、結果として近接する導電層間の導
通が確実に得られるような穴加工をスループットよく行
うことができる。
【0187】そして、更に、直列抵抗の抵抗値や定電圧
源の電圧値を変えることで、反射光検出器や入射光検出
器のバイアス電流を制御することが可能であり、検出器
に個体差があってもアンプからの出力のオーバーレンジ
を回避することができる。
【0188】又は、二つの並列抵抗の抵抗値を変えるこ
とで、アンプに入力される信号の大きさを制御すること
が可能であり、反射光検出器に個体差があってもアンプ
からの出力のオーバーレンジを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のレーザ加工装置の概略
【図2】同加工穴の状態の様子を示す模式図
【図3】同温度変化とアンプ出力信号との関係を測定す
る際の測定系概略図
【図4】同温度変化とアンプ出力信号との関係を示すグ
ラフ
【図5】同温度変化とレーザ光検出器両端の電位差との
関係を測定する際の測定系概略図
【図6】同温度変化とレーザ光検出器両端の電位差との
関係を示すグラフ
【図7】本発明の実施の形態2のレーザ加工装置の概略
【図8】本発明の実施の形態3のレーザ加工装置の反射
光検出器周辺の状態を示した概略図
【図9】同バイアス電流とアンプ出力信号との関係を示
すグラフ
【図10】本発明の実施の形態4のレーザ加工装置の反
射光検出器周辺の状態を示した概略図
【図11】本発明の実施の形態5のオシロスコープにて
検出された出力信号波形の模式図
【符号の説明】
1 パルスレーザ発振器 2 ベンドミラー 3 ビームスプリッタ 4 第1の走査ミラー 5 第2の走査ミラー 6 加工用集光レンズ 7 多層基板 8 絶縁層 9 導電層 10 加工穴 11 移動機構 12 反射光検出器 13 アンプ 14 演算処理装置 15 制御装置 30 レーザ光検出器 31 温度計 32 オシロスコープ 33 直列抵抗 40 ビームスプリッタ 41 入射光検出器 42 アンプ 43 多層基板 44 第1の導電層 45 絶縁層 46 第2の導電層 50 定電圧源 51 直列抵抗 52 第1の並列抵抗 53 第2の並列抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−118573(JP,A) 特開 平2−92482(JP,A) 特開 平4−9624(JP,A) 特開 平4−175616(JP,A) 特開 昭62−168030(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 26/00 H05K 3/00

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光を出射するレーザ発振器と、前
    記レーザ光を加工対象物に伝搬する光学系と、前記加工
    対象物からの反射光の強度を検出する反射光検出器と、
    前記反射光を前記反射光検出器へ伝搬する光学系と、前
    記反射光検出器が検出した反射光の強度と所定の基準値
    との比較に基づき前記レーザ発振器から出射されレー
    ザ光を制御する制御手段とを有し、前記反射光検出器が
    半導体素子であり、更に、前記反射光検出器が検出した
    反射光の強度を前記半導体素子の両端間の電位差から
    検出された温度変化に応じて補正演算式に従って補正す
    る補正手段を有するレーザ加工装置。
  2. 【請求項2】 レーザ発振器は、パルスレーザ発振器で
    あり、nを2以上の整数としたときに、反射光検出器が
    検出したn番目の信号を補正するために用いる半導体素
    子の両端間の電位差を検出する時刻が、n番目の信号の
    検出時刻以前であり、かつ(n−1)番目の信号の検出
    時刻以降である請求項記載のレーザ加工装置。
  3. 【請求項3】 レーザ光を出射するレーザ発振器と、前
    記レーザ光の光強度を検出する入射光検出器と、前記レ
    ーザ光を加工対象物に伝搬する光学系と、前記加工対象
    物からの反射光の強度を検出する反射光検出器と、前記
    反射光を前記反射光検出器へ伝搬する光学系と、前記入
    射光検出器が検出した入射光強度と前記反射光検出器が
    検出した反射光強度とから演算して得られ前記加工対象
    物の加工部からの反射光の強度に対応した以下の(数
    1)で示される演算式により求められる相対反射光強度
    と所定の基準値との比較に基づき前記レーザ発振器から
    出射されレーザ光を制御する制御手段とを有するレー
    ザ加工装置。(数1)(n番目の相対反射光強度)=|(c n −c 1 )/(c max −c 1 )| ここで、c n =k×(b n /a n )、c max =k×(b max
    /a max )、kは任意の定数、a n はn番目の入射レーザ
    光強度に関する情報、b n はn番目の反射レーザ光強度
    に関する情報、a max は入射レーザ光強度に関する情報
    の最大値、b max は反射レーザ光強度に関する情報の最
    大値、及びnは2以上の整数である。
  4. 【請求項4】 反射光検出器及び/又は入射光検出器が
    半導体素子であり、更に、前記反射光検出器及び/又は
    入射光検出器が検出した反射光及び/又は入射光の強度
    を前記半導体素子の両端間の電位差から検出された温度
    変化に応じて補正演算式に従って補正する補正手段を有
    する請求項記載のレーザ加工装置。
  5. 【請求項5】 レーザ発振器は、パルスレーザ発振器で
    あり、nを2以上の整数としたときに、反射光検出器及
    び/又は入射光検出器が検出したn番目の信号を補正す
    るために用いる半導体素子の両端間の電位差を検出する
    時刻が、前記反射光検出器及び/又は入射光検出器が検
    出したn番目の信号の検出時刻以前であり、かつ(n−
    1)番目の信号の検出時刻以降である請求項記載のレ
    ーザ加工装置。
  6. 【請求項6】 レーザ発振器は、パルスレーザ発振器で
    あり、相対反射光強度は、nを2以上の整数としたとき
    に、n番目のパルスレーザ光及びそれ以前のパルスレー
    ザ光の各々の反射光の強度及び入射光の強度を用いて得
    られる請求項からのいずれかに記載のレーザ加工装
    置。
  7. 【請求項7】 更に、反射光検出器の出力信号の大きさ
    を制御する検出器信号制御手段を有する請求項1から
    のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  8. 【請求項8】 検出器信号制御手段は、反射光検出器と
    直列に配された電源及び抵抗を有し、前記電源の電圧及
    び/又は抵抗の抵抗値を変化させて前記反射光検出器の
    出力信号の大きさを制御する請求項記載のレーザ加工
    装置。
  9. 【請求項9】 検出器信号制御手段は、反射光検出器と
    並列に配された抵抗を有し、前記抵抗の抵抗値を変化さ
    せて前記反射光検出器の出力信号の大きさを制御する請
    求項記載のレーザ加工装置。
  10. 【請求項10】 更に、入射光検出器の出力信号の大き
    さを制御する検出器信号制御手段を有する請求項から
    のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  11. 【請求項11】 検出器信号制御手段は、入射光検出器
    と直列に配された電源及び抵抗を有し、前記電源の電圧
    及び/又は抵抗の抵抗値を変化させて前記入射光検出器
    の出力信号の大きさを制御する請求項10記載のレーザ
    加工装置。
  12. 【請求項12】 検出器信号制御手段は、入射光検出器
    と並列に配された抵抗を有し、前記抵抗の抵抗値を変化
    させて前記入射光検出器の出力信号の大きさを制御する
    請求項10記載のレーザ加工装置。
  13. 【請求項13】 レーザ発振器から出射したレーザ光を
    加工対象物に照射する照射工程と、前記加工対象物から
    の反射光の強度を半導体素子を用いて検出する反射光検
    工程と、前記反射光検出工程で検出された反射光の強
    度を前記半導体素子の両端間の電位差から検出された
    度変化に応じて補正演算式に従って補正する補正工程
    と、前記補正工程で補正された反射光の強度と所定の基
    準値との比較に基づき前記レーザ発振器から出射され
    レーザ光を制御する制御工程とを有するレーザ加工方
    法。
  14. 【請求項14】 レーザ発振器から出射したレーザ光を
    加工対象物に照射する照射工程と、前記レーザ光の強度
    半導体素子を用いて検出する入射光検出工程と、前記
    加工対象物からの反射光の強度を半導体素子を用いて検
    出する反射光検出工程と、前記入射光検出工程で検出さ
    れた入射光の強度及び前記反射光検出工程で検出された
    反射光の強度とから演算して得られ前記加工対象物の加
    工部からの反射光の強度に対応した以下の(数1)で示
    される演算式により求められる相対反射光強度と所定の
    基準値との比較に基づき前記レーザ発振器から出射され
    レーザ光を制御する制御工程とを有するレーザ加工方
    法。 【数1】 ここで、cn=k×(bn/an)、cmax=k×(bmax
    /amax)、kは任意の定数、anはn番目の入射レーザ
    光強度に関する情報、bnはn番目の反射レーザ光強度
    に関する情報、amaxは入射レーザ光強度に関する情報
    の最大値、bmaxは反射レーザ光強度に関する情報の最
    大値、及びnは2以上の整数である。
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