JP3254237B2 - メインローターユニット支持トラス - Google Patents

メインローターユニット支持トラス

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JP3254237B2
JP3254237B2 JP05019792A JP5019792A JP3254237B2 JP 3254237 B2 JP3254237 B2 JP 3254237B2 JP 05019792 A JP05019792 A JP 05019792A JP 5019792 A JP5019792 A JP 5019792A JP 3254237 B2 JP3254237 B2 JP 3254237B2
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    • B64C1/16Fuselages; Constructional features common to fuselages, wings, stabilising surfaces or the like specially adapted for mounting power plant
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B64CAEROPLANES; HELICOPTERS
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    • B64C27/00Rotorcraft; Rotors peculiar thereto
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  • Details Of Aerials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヘリコプターに関するも
のであり、特にヘリコプターのメインローターユニット
をその機体と一体に構造的に支持して、かつ、2通りの
異なる伝達レベルでメインローターユニットの静的及び
動的な負荷を機体に伝導するべく構成された支持トラス
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヘリコプターのメインローターユニット
、大きなレベルの長手方向、横方向、垂直方向及びね
じれ方向の動的及び静的な負荷(荷重)を発生する。ヘ
リコプターの設計理論においては、ローターマストやエ
ンジン伝導機構などのメインローターユニットの諸要素
を機体と一体にする構造が利用されている。これらの支
持構造はメインローターユニットによって発生された長
手方向、横方向、垂直方向及びねじれ方向の動的・静的
負荷を単一の伝達レベル(伝導デッキ)でヘリコプタ
ーの機体に伝導するように構成されている。
【0003】従来のメインローターユニットの代表的な
ものを図1〜図3に示す。図1、図2に示すスタンドパ
イプ型支持構造SPの取付脚は複数の取付脚AFを備え
たものである。図1に示すのはスタンドパイプ型支持構
造SPの一般的な構造であって、メインローターユニッ
トのローターマストとエンジン伝導機構とはスタンドパ
イプ型支持構造SPの取付カラーACと一体に構成され
ている。図2に示すのはシコルスキーブラックホークS
−76型ヘリコプターに現在用いられている特殊なスタ
ンドパイプ型支持構造SPである。この型式のスタンド
パイプ型支持構造SPにあっては、メインローターユニ
ットの伝導ケースTHが取付脚AFを含んだ支持構造の
本体を含んでいる。ローターマストは伝導ケースTHの
取付カラーと一体に構成されている。
【0004】上記メインローターユニットのスタンドパ
イプ型支持構造SPは取付脚AFを貫通するボルトによ
りヘリコプターの伝導デッキに固定されている。メイン
ローターユニットの静的及び動的な負荷は取付脚AFを
介して機体の単一負荷レベル(伝導デッキ)に伝導され
るようになっている。
【0005】従来のスタンドパイプ型支持構造にはいく
つかの利点がある。単一のユニットとして容易にかつ安
価に製造することができる。伝導デッキへの取付も簡単
である。従来のスタンドパイプ型支持構造は比較的まと
まった構造なので、伝導デッキ上の油圧ラインや電気系
配線などの中継要素はスタンドパイプ型支持構造SPの
上や付近に容易に配置することができる。
【0006】図3にストラット型のメインローターユニ
ット支持構造STを示す。ストラット型の支持構造ST
は現在マクドーネルダグラスアパッチ攻撃ヘリコプター
に使用されている。このストラット型支持構造STは高
姿勢の構造を有しており、連結材IMと取付脚AFと
の間にはパイプ状のストラットSが数本差し渡されてい
る。
【0007】メインローターユニットのローターマスト
はスタンドパイプ型支持構造STと同様な方法で連結材
IMに取り付けられている。しかし伝導機構は連結材I
Mの下側に吊下げ状に組み付けられており、メインロー
ターユニットの動的静的負荷の伝導経路からは外れてい
る。ストラット型支持構造STの取付脚AFは支持構造
をヘリコプターの機体に固定し、かつメインローターユ
ニットの動的静的負荷を単一レベル伝達面(伝導デッ
キ)の各ハードポイントに伝導するために用いられてい
るものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来のスタンド
パイプ型支持構造SPにはいくつかの欠点もある。伝導
機構をスタンドパイプ型の支持構造と一体化する手法の
故に、メインローターユニットの静的及び動的な負荷が
中間的に通り過ぎて行く構造体として伝導ケースが機能
する。さらに支持構造には高い構造的強度が必要とされ
るが故に、スタンドパイプ型支持構造の重量が比較的大
きなものとなる。
【0009】このように高い強度が要求されるのは、主
として支持構造のプロフィール(姿勢)が低く、支持構
造に作用するメインローターユニットからの静的及び動
的負荷の有効負荷点が低いとによるものである。メイ
ンローターユニットの静的動的負荷の有効負荷点は
い形状の支持構造では比較的大きなモーメントの腕を有
することとなる。例えば図4には取付脚AFにおける負
荷効果が示されている(同時にこれらの負荷効果に故に
伝導デッキの負荷伝導領域、すなわちハードポイント、
における機体構造強度の増加が必要となる)。加えて各
取付脚AFは極限飛行負荷条件(フェイルセイフ余裕)
衝撃高重量保持性(衝撃時におけるメインロータ
ーユニットの変位余裕代)とに応じた寸法仕様を必要と
する。
【0010】従来のスタンドパイプ型支持構造SPの場
合には日常メインテナンス保守には非常に時間と労力を
要するのである。伝導機構のメインテナンス(例えば交
換)にあってはいずれも、メインテナンスを始める前
に、ローターヘッドやマストやそれらの付属品を取り外
す必要がある。取り外した部品は組立てする必要があ
り、また日常の伝導機構のメインテナンスやオーバーホ
ールノアとには作業を点検する必要がある。
【0011】ストラット型支持構造STにあっては高い
構造であるが故に取付脚AFにおける(さらには伝導
デッキ中における)負荷効果はスタンドパイプ型支持構
造STにおける程には厳しくはない。
【0012】しかしながら、メインローターユニットの
動的・静的な負荷が連結材IMを通って単一の負荷伝達
面に伝達されるので、メインローターユニットにより発
生される長手方向、横方向、垂直方向及びねじれ方向の
動的負荷の最大値に耐えるべく各ストラットSは同じ寸
法とする必要があり、この結果メインローターユニット
支持構造ST全体の重量が増加する。
【0013】さらにプロフィール(姿勢)が高い構造で
あるが故に、各ストラットSの寸法を大き目にして、メ
インローターユニットにより発生される動的負荷のみな
らずいずれかのストラットSが失われた場合の曲げ応力
をも吸収できるようにする必要がある(フェイルセイフ
余裕)。
【0014】伝導デッキ上の油圧ラインや電気系配線な
どの中継要素の配置もストラットSの故に複雑となる。
伝導機構のメインテナンスや交換は簡単となり、伝導機
構に達するのにメインローターヘッドやローターマスト
や付属品を取り外す必要はない。しかし、伝導機構に達
するにはストラットSを取り外す必要があり、これにか
なりの時間と労力とが必要となる。ストラット型支持構
造STはその構造がスタンドパイプ型支持構造SPより
かなり複雑であり、それだけ組立分解に時間と労力が多
く掛かることになる。
【0015】メインローターユニット支持構造の場合に
は比較的簡単な構造でしかも比較的高い形状であること
が要求される。さらに軽量で、安価で、製造が容易でヘ
リコプターの機体に簡単に取り付けられることが望まれ
る。これに応えるような支持構造にあっては、メインロ
ーターユニットを支持構造に取り付けるに際してエンジ
ン伝導機構が非構造的である(メインローターユニット
の動的静的負荷の伝導経路として作用しない)ことが必
要である。また支持構造は、その重量を増すことなし
に、フェイルセーフ余裕(被弾許容)と衝撃高重
保持能力を備えなければならない。
【0016】さらに、支持構造にあってはメインテナン
スや交換のために伝導機構に達し易い(すなわちメイン
ローターユニットの部品を取り外す必要がない)ことが
必要であり、加えてその伝導デッキに沿って油圧ライン
や電気系配線その他の中継要素を配置できるものでなけ
ればならない。
【0017】本発明の目的は、構造的に比較的簡単で、
軽量で、安価で、製造が容易で、伝導機構に達すること
が容易で、油圧ラインや電気系配線や中継要素の配置が
し易く、ヘリコプターの機体への取付けが容易なメイン
ローターユニット支持トラスを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】このため、本発明は、
手方向,横方向,垂直方向及びねじれ方向の動的及び静
的な負荷を生じるメインローターユニットと、伝導機構
と、補強構造体及び伝導デッキを含む機体と、を有する
ヘリコプターに適用されるメインローターユニット支持
トラスであって、 前記機体とともにメインローターユニ
ットを支持するとともに、前記伝導機構を吊り下げ固定
する固定手段を備えた本体手段を有し、 かつ、この本体
手段に一体的に設けられ、互いに平行に離間して前方を
指向する第1及び第2の支持リブを有するとともに、前
記第1及び第2の支持リブを前記補強構造体へ固定する
固定手段を有し、前記第1及び第2の支持リブによっ
て、前記メインローターユニット支持トラス用の剪断取
付部が与えられ、前記メインローターユニットの長手方
向,横方向,垂直方向及び全ねじれ方向の動的及び静的
な負荷を、前記機体の主負荷伝達面として機能する前記
補強構造体へ伝達するように、前記第1及び第2の支持
リブの形状及び大きさが設定されており、 更に、前記本
体手段に一体的に設けられ、互いに離間して後方へ延び
る第1及び第2の支持ストラットを有するとともに、前
記第1及び第2の支持ストラットを前記伝導デッキへ固
定する固定手段を有し、前記第1及び第2の支持ストラ
ットによって、前記メインローターユニット支持トラス
用の引張取付部が与えられ 、前記メインローターユニッ
トの軸方向の負荷を、前記機体の副負荷伝達面として機
能する前記伝導デッキへ伝達するように、前記第1及び
第2の支持ストラットの形状及び大きさが設定されてい
ることを特徴としている
【0019】このトラスは補強構造を備えたヘリコプ
ターに用いるもので、この補強構造は伝導デッキの前
端に配置されて上方に直立延在するものである。
【0020】また、このトラスはローターマストや伝導
機構などのメインローターユニットの要素をヘリコプタ
ーの機体と一体に支持するものである。
【0021】トラスの製造に際しては、まず一体状に鍛
造してからこれを最終的な形状に機械加工する。材料と
してはアルミニウム合金などのような高強度、導電性の
ものを用いるとよい。導電性材料から製造したものはヘ
リコプターの電気系統の主グランドバスや雷撃用の高導
電性用途に向いている。
【0022】トラスは円筒状の本体と、後方に向けて延
在して取付脚に至る一対の支持ストラットと、取付脚に
至る前を指向した一対の支持リブ(第1及び第2の
支持リブ)と、主支持リブの中間に位置して取付脚に至
る前指向の支持リブとを有している。主及び副支持
リブ間にはクロスストリンガーが延在して両者と連結さ
れている。取付脚は2つの異なる互いに離間した負荷伝
達レベル(面)において支持トラスをヘリコプターの機
体に固定している。
【0023】支持リブは支持トラスを補強構造に取
り付けるものでありまたメインローターユニットによっ
て発生される長手方向、横方向、垂直方向及びねじれ方
向の全ての動的静的負荷をヘリコプターの機体に負荷
伝達レベル(面)を通して伝導するものである。
【0024】支持リブはメインローターユニット支持
トラスの主要な負荷伝達構造を含んでいるので、高重量
に構成されて強度を上げてある。しかしメインローター
ユニットの動的静的負荷に関与する要素の重心に対
するプロフィールが低く構成されているため、その寸法
を大にしても支持トラス全体の重量を大幅に増加させる
ことはない。
【0025】後方に延在する支持ストラットによって、
ヘリコプター機体の負荷伝達レベルを画定するキール
ビームへの支持構造に対する引張取付部が与えられる
すなわち、このストラットは軸方向の負荷のみを負荷
伝達レベルに伝導するものである。支持ストラットの負
荷伝導能力が限られているので、小型軽量である。
【0026】小型軽量であり負荷伝導能力が限られてい
るので、支持ストラットは支持トラスに特有の耐衝撃・
高重量保持性を与えるものである。フェイルセーフ余裕
支持リブによって与えられるものである。
【0027】支持トラスにはさらに上側取付フランジが
設けられていて、ローターマストを支持トラスに固定し
ている。また下側フランジは伝導機構を支持トラスに吊
下げ状に取り付けるものである。円筒状の本体は多数の
サーボラグを含んでおり、これらがメインローターユニ
ットのロータサーボアクチュエーターの下側取付点とし
て機能する
【0028】
【作用】本発明の支持トラスはメインローターユニット
の長手方向、横方向、垂直方向及びねじれ方向の動的
静的負荷をヘリコプターの機体中に伝導する。その構
造は2通りの異なる負荷伝達レベル(面)でメインロー
ターユニットを機体中に伝導する伝導経路を与える。
【0029】
【実施例】以下各図において共通の要素については共通
の符号を用いて示してある。図5、図6に本発明のメイ
ンローターユニット支持トラスの一例を示す。この支持
トラス10はローターマストSRMや伝導機構Tなどの
ヘリコプターメインローターユニットの要素を機体と
に支持すべく構成されたものである。図5にはエンジ
ンEの一部も示されており、支持トラス10に直接取り
付けられてはいないが、伝導機構Tを介して動的な負荷
を支持トラス10に伝導する(図7参照)。加えて支持
トラス10はメインローターユニットのローターサーボ
アクチュエーターのための下側取付点としてのサーボラ
グを有する構成してもよい。
【0030】支持トラス10の形状は、メインローター
ユニットにより発生される動的及び静的な長手方向、横
方向、垂直方向及びねじれ方向の負荷をヘリコプターの
機体中に伝導するように、形成されている。この形状に
よりこれらの動的静的負荷を機体のハードポイントに2
個の異なる、離間した負荷伝達レベルつまり面で伝える
2通りの伝導経路を与えるものである。
【0031】前記した従来技術のメインローターユニッ
ト支持構造にあっては、メインローターユニットの動的
静的負荷を単一負荷伝達レベルつまり面でヘリコ
プターの機体に伝導している。この負荷伝達レベルはヘ
リコプターの伝導デッキであって、機体中央ボックスビ
ームの上方に配置されている。これに対して本発明の支
持トラス10は主及び副負荷伝達レベルで伝導してい
る。負荷伝達レベルは伝導デッキTDであって、
荷伝達レベルは補強構造GSである。
【0032】本発明の支持トラス10は補強構造GS
を有したヘリコプターに使用されるもので、この補強構
は伝導デッキTDの前端に配置され、これから上方
に延在している。このようなヘリコプターにおける補強
構造は前からあるもので、種々の機能を果すものであ
る。補強構造GSはコーパイロットの座席(パイロッ
トの座席のすぐ後方で高くなっている)を支持してい
る。さらにヘリコプターキャノピーの上部支持構造とし
ても機能する。車輪の主衝撃ストラットは補強構造
に延在して支持されている。さらに補強構造は動力ま
たは電話伝導ラインをメインローターユニットに接触す
る前に切断する装置であるワイヤカッターの架設点とし
ても機能する。図5、図6においてこの補強構造はG
Sでまた伝導デッキはTDでそれぞれ示されている。
【0033】本発明の支持トラス10は一体に鍛造した
後機械加工されるものである。支持トラス10は形状的
に簡単なので、その一体構造の製造及びヘリコプターの
機体への組付けも簡単なものとなる。支持トラス10は
好ましくはアルミニウム合金(例えば7075アルミニ
ウム)など高強度導電材料から形成される。
【0034】このような材料から形成した支持トラス1
0は上記したような機能に加えて種々の機能を発揮する
ものである。ヘリコプターの電気系統の主要な電気的な
グランドバスとして用いられて、全体の重量とコストと
を低減することになる。またヘリコプターの機体や外板
に対する雷撃のための高伝導路ともなる。
【0035】支持トラス10はまた低密度で高強度の金
属材料からも形成することができ、これは全体の重量を
下げる低導電体である。しかし軽くて非導電性の支持ト
ラス10はシステム釣合の観点からも評価されるべき
で、軽量であることがコスト、装備時間、重量、別設の
グランドバスの要否などとバランスしなければならない
のである。
【0036】支持トラス10は円筒状の本体(本体手
段)12と、後方に延在して取付脚16に至る一対の支
持ストラット14と、取付脚20に至る前を指向した
一対の支持リブ(第1及び第2の支持リブ)18と、
支持リブ18間に位置して取付脚24に至る前を指
向した支持リブ22とを有している。取付脚20,2
4の近傍において支持リブ18,22間にはクロススト
リンガー26が延在して連結されている。このストリン
ガー26はねじれ負荷が掛かったときに支持トラス10
の一体性を保持するためのものである。
【0037】支持ストラット14の取付脚16は(Cチ
ャンクローズアウトフランジ)形状に構成され
ており、支持ストラット14を伝導デッキTDのキール
ビームに(固定ボルトを介して)固定している。伝導デ
ッキTDの一部であるバスタブフィッティングBFは支
持ストラット14をキールビーム一体に組み付ける
めのものである。取付脚20と24とは支持リブ18
支持リブ22とをそれぞれ補強構造GSの本体に
(固定ボルトを介して)固定している。
【0038】図7に示すように、支持リブ18によっ
支持トラス10から補強構造GSの本体への剪断取
付部が与えられている。すなわち、この支持リブ18
はメインローターユニットによって発生される動的
的な長手方向、横方向、垂直方向及び全てのねじれ方向
の負荷を負荷伝達レベルTL1を画定する補強構造
GSに伝導するものである。この支持リブ18は支持
トラス10の主要な負荷伝達構造を含んでいるので、
較的大きな寸法に構成されており、これにより強度を上
げている。しかしメインローターユニットの要素の重心
に対しては低いプロフィール(姿勢)の構成であるの
で、その寸法を大きくしても支持トラス10全体の重量
過度に増えることはない。
【0039】支持ストラット14により、支持トラス1
0から負荷伝達レベルTL2を画定する伝導デッキT
Dへの引張取付部が与えられているすなわち、この支
持ストラット14は軸方向負荷のみを伝達レベルTL
2に伝導するものである。支持ストラット14の負荷伝
導機能は限られているので、その寸法は小さくて軽量で
ある。
【0040】支持ストラット14が小寸法でその負荷伝
導機能が限られている故に、支持トラス10に対して独
特の衝撃高重量保持性を与えるものである。最悪
事態を想定した所定の設計負荷(例えば約20g)を超
える垂直衝撃の場合には、支持ストラット14がまず落
下し圧縮座屈する。この結果支持トラス10は主,副
持リブ18,22の取付脚20,24の周りに後方に回
転する。これによりインローターブレードを有したメ
インローターユニットも後方に回転し、ローターブレー
ドがキャノピーに衝突することはない。
【0041】フェイルセーフ余裕は支持リブ22によ
って与えられるが、この支持リブは支持リブ18
ずれかが失われた場合の衝撃負荷に耐えるような寸法と
なっている。このような場合には、例えば構造的な失陥
や被弾破壊などの場合には失われた支持リブ18の負
荷伝導機能が支持リブ22によって負担される。加え
て支持ストラット14の負荷伝導機能が限られているの
で、支持リブ18(または主,副支持リブのいずれか
ひとつ)は充分な構造的強度を備えており、支持ストラ
ット14のひとつが失われたときにフェイルセーフ余裕
を発揮することができるのである。
【0042】図5に示す支持トラス10はさらに上下の
取付フランジ28,30を有している。上側の取付フラ
ンジ28はメインローターユニットのローターマストS
RMを支持トラス10に固定するものである。図示の上
側フランジ28はリバースフランジ形状であって、ロー
ターマストを支持トラス10に一体化している。このフ
ランジ28はまたローターマストを内挿引下げして搬送
性をよくする機能も備えている。
【0043】図8に本発明の支持トラス10の他の例を
示す。この場合上側取付フランジ28は外側に延在して
いる。搬送に際してはローターマストは取り外す。
【0044】下側取付フランジ30は伝導機構Tを支持
トラス10に対して吊下げ状に固定するものである。こ
の吊下げ状の伝導機構Tはメインテナンスや交換のため
に至達容易であって(支持トラス10の要素は取り外す
必要がなく至達するのに障害もない)、作業時間と労力
とが大幅に軽減される。
【0045】メインローターユニットの動的静的負荷は
ローターマストとフランジ28とを介して支持トラス1
0の円筒状の本体12に伝導される。主ローターシャフ
トは本体中央のチャンネルを貫通して伝導機構と一体化
される。
【0046】図5、図6及び図8に示すように、支持ト
ラス10には複数の(典型的には3個の)サーボラグ
(ラグ手段)32を設けるようにしてもよい。これらの
サーボラグ32は本体12に周方向に離間して一体的に
設けられており、メインローターユニットのローターサ
ーボアクチュエーターRSA(図参照)のための下方
取付点として機能するものである。このようなサーボラ
グ32を備えた本発明の支持トラス10に比べて、従来
の支持構造ではメインローターユニットのローターサー
ボアクチュエーターの下方取付アンカーを別途に製造し
なければならないという不利がある。
【0047】
【発明の効果】以上種々記載したように本発明によれ
ば、構造的に比較的簡単で、軽量で、安価で、製造が容
易で、伝導機構に達することが容易で、油圧ラインや電
気系配線や中継要素の配置がし易く、ヘリコプターの機
体への取付けが容易なメインローターユニット用支持ト
ラスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のヘリコプターメインローターユニット用
スタンドパイプ型支持構造の一例を示す斜視図である。
【図2】従来のヘリコプターメインローターユニット用
スタンドパイプ型支持構造の他の例を示す斜視図であ
る。
【図3】従来のヘリコプターメインローターユニット用
ストラット型支持構造を示す側面図である。
【図4】図1のスタンドパイプ型支持構造における動的
負荷を示す説明図である。
【図5】本発明のヘリコプターメインローターユニット
用支持トラスの一例を示す斜視図である。
【図6】図5の支持トラスを示す他の斜視図である。
【図7】本発明の支持トラスによった場合の動的負荷を
示す説明図である。
【図8】本発明のヘリコプターメインローターユニット
用支持トラスの他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 支持トラス 12 本体(本体手段) 14 支持ストラット 16 取付脚 18 支持リブ(第1及び第2の支持リブ) 20 取付脚 22 支持リブ 24 取付脚 26 クロスストリンガー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ダリル マーク トニー アメリカ合衆国,コネチカット,ノース ヘイヴン,リッジ ロード 1570 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B64C 27/51

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向,横方向,垂直方向及びねじれ
    方向の動的及び静的な負荷を生じるメインローターユニ
    ットと、伝導機構と、補強構造体及び伝導デッキを含む
    機体と、を有するヘリコプターに適用されるメインロー
    ターユニット支持トラスであって、 前記機体とともにメインローターユニットを支持すると
    ともに、前記伝導機構を吊り下げ固定する固定手段を備
    えた本体手段を有し、 かつ、この本体手段に一体的に設けられ、互いに平行に
    離間して前方を指向する第1及び第2の支持リブを有す
    るとともに、前記第1及び第2の支持リブを前記補強構
    造体へ固定する固定手段を有し、前記第1及び第2の支
    持リブによって、前記メインローターユニット支持トラ
    ス用の剪断取付部が与えられ、前記メインローターユニ
    ットの長手方向,横方向,垂直方向及び全ねじれ方向の
    動的及び静的な負荷を、前記機体の主負荷伝達面として
    機能する前記補強構造体へ伝達するように、前記第1及
    び第2の支持リブの形状及び大きさが設定されており、 更に、前記本体手段に一体的に設けられ、互いに離間し
    て後方へ延びる第1及び第2の支持ストラットを有する
    とともに、前記第1及び第2の支持ストラットを前記伝
    導デッキへ固定する固定手段を有し、前記第1及び第2
    の支持ストラットによって、前記メインローターユニッ
    ト支持トラス用の引張取付部が与えられ、前記メインロ
    ーターユニットの軸方向の負荷を、前記機体の副負荷伝
    達面として機能する前記伝導デッキへ伝達するように、
    前記第1及び第2の支持ストラットの形状及び大きさが
    設定されていることを特徴とする メインローターユニッ
    ト支持トラス。
  2. 【請求項2】 前記本体手段が、この本体手段に一体的
    に設けられ、メインローターユニットのローターサーボ
    アクチュエーターのための下側取付点として機能する
    グ手段を有することを特徴とする請求項1に記載の支持
    トラス。
  3. 【請求項3】 前記本体手段と前記支持リブ前記支持
    ストラットとが導電性の金属材料により形成され、ヘリ
    コプターの電気系統のグランドバスとして機能すること
    を特徴とする請求項1に記載の支持トラス。
  4. 【請求項4】 前記導電性の金属材料がアルミニウム合
    金であることを特徴とする請求項3に記載の支持トラ
    ス。
  5. 【請求項5】 前記本体手段の固定手段が、前記伝導機
    構を吊下げ固定する下側フランジ取付手段であることを
    特徴とする請求項1に記載の支持トラス。
  6. 【請求項6】 前記メインローターユニットがローター
    マストを有しており、前記本体手段が前記ローターマス
    トを固定する上側フランジ取付手段を有することを特徴
    とする請求項1に記載の支持トラス。
  7. 【請求項7】 前記第1及び第2の支持リブの固定手段
    が、各支持リブを負荷伝達面に固定する取付脚である
    ことを特徴とする請求項1に記載の支持トラス。
  8. 【請求項8】 前記本体手段と一体的に設けられるとと
    もに、前記第1及び第2の支持リブの間に配置されて、
    前方を指向する副支持リブを有するとともに、この副
    持リブを負荷伝達面に固定する取付脚を有しており、
    前記副支持リブは、前記第1及び第2の支持リブのいず
    れかが失われたときに所定のフェイルセーフ余裕を与え
    ような形状及び寸法に設定されていることを特徴とす
    る請求項7に記載の支持トラス。
  9. 【請求項9】 前記第1及び第2の支持リブ間を横断す
    るように延在して、前記第1及び第2の支持リブ及び副
    支持リブを連結するクロスストリンガーを有することを
    特徴とする請求項8に記載の支持トラス。
  10. 【請求項10】 前記第1及び第2の支持ストラットの
    固定手段が、各ストラット負荷伝達面に固定する取
    付脚であることを特徴とする請求項1に記載の支持トラ
    ス。
  11. 【請求項11】 ヘリコプターが最悪事態を想定した
    所定の設計負荷を超える状態の際に前記第1及び第2
    持ストラットが圧縮座屈して、メインローターユニット
    が後方に回転することを特徴とする請求項10に記載の
    支持トラス。
  12. 【請求項12】 前記本体手段が円筒状の本体であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の支持トラス。
  13. 【請求項13】 前記円筒状の本体の固定手段、前記
    伝導機構を吊り下げ 固定するように形成された下側フラ
    ンジ取付部であることを特徴とする請求項12に記載の
    支持トラス。
  14. 【請求項14】 前記メインローターユニットがロータ
    ーマストを有しており、前記円筒状の本体が、前記ロー
    ターマストを固定するように形成された上側フランジ取
    付部を有することを特徴とする請求項12に記載の支持
    トラス。
  15. 【請求項15】 前記円筒状の本体がメインローター
    ユニットのローターサーボアクチュエーターのための下
    側取付点として機能する3個の離間したサーボラグを有
    することを特徴とする請求項12に記載の支持トラス。
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