JP3253434B2 - 電動機駆動システムの軸トルク制御方法および軸トルク推定方法 - Google Patents
電動機駆動システムの軸トルク制御方法および軸トルク推定方法Info
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る軸からなるねじり系において、軸トルクセンサを設け
ず電動機に取り付けられた速度センサだけを用い、ねじ
り振動を防止または抑制しかつ軸トルクを推定して得る
制御システムおよびトルクセンサレス制御アルゴリズム
に関するものである。
来一般に軸に軸トルクセンサを設け、指令トルクと軸ト
ルクセンサによるトルク検出信号との偏差に基づき、何
にかの制御理論に基づいて制御しており、トルクセンサ
を設けずに軸トルク制御すること自体、従来では不可能
とされている。さらに、軸トルクセンサ方式によれば、
トルク検出信号にノイズが多く含まれ制御に使える信号
とするのに何にかの特殊な信号処理を必要とするため、
センサの値段が高く製品のコストがぐんと高くなること
はよく知られている。
電動機駆動システムにおいて、軸にトルクセンサを設け
ず、電動機に取り付けられた速度センサから軸トルク制
御に必要とする軸トルク信号を推定し、推定されたトル
ク信号を用いて廉価で軸トルクを振動せずに指令通りに
追従させることが本発明の第1の課題である。また、軸
振動を抑制するために軸トルクの微分値などの信号もフ
ィードバックする必要があり、それらの信号も遅れずに
ソフトで確実に推定するアルゴリズムを提供することが
本発明の第2の課題である。
容易にするため、まずシステムの動特性分析を説明す
る。
ロックは図3のように表され、また運動方程式はよく知
られているように、式(1),(2),(3)のように
表される。図3においては、7は電動機、8は弾性軸、
9は負荷機、10はトルク発生係数である。
れぞれ電動機7と負荷機9の速度,軸に発生する軸トル
ク,電動機に印加する制御入力,負荷に印加されている
負荷トルクであり、Jm,Dm,Ktは電動機の慣性,
粘性摩擦係数,トルク発生係数を表し、Jl,Dlは負
荷機の慣性,粘性摩擦係数を表し、Kcは軸のバネ定数
を表す。
め、状態変数ωm,Ts,Tsの微分値(以下φと記
す),Tlとし、式(1),(2),(3)の運動方程
式を、つぎのような状態方程式で表す。
動機に印加する制御入力uから、軸トルクTsまでの伝
達関数は式(8)のようになる。
l,軸ばね定数Kcの機械定数を使って、式(9),式
(10)と定義されるパラメータであり、それぞれ負荷慣
性が等価的に全体慣性に占める割合とねじり系共振角周
波数を表す。
特性多項式をみると、減衰係数(sにあたる係数)は0
であり、典型的な2次振動系になっていることが解か
る。実際に、粘性摩擦によって系に減衰する効果を多少
寄与するが、僅かである。
御入力から系に減衰項に相当するものを与える必要があ
る。それは軸トルクの微分値フィードバックに対応して
いる。これは、図1のようにPID制御則によるもので
あってよい。
サレス軸トルク制御原理を表したものであり、1は制御
対象、2は速度センサ、3はソフト観測器、4は比例積
分器、5は微分ゲイン、61,62は加算器である。図1よ
り、トルク指令T*から軸トルクTsまでの伝達関数
は、式(11)になる。
乗項)に入り、振動抑制の効果を果たしていることが解
かる。また、閉ループ系の三つの特性極は三つのゲイン
Kp,Ki,Kdで自由に調整することができる。
号をフィードバックする必要があるが、その信号は直接
に測定しないため、ここではオブザーバ理論を変形用
い、プラントの機械定数に基づいてソフト観測器を構成
することにより、電動機に印加する制御入力信号と電動
機に取り付けられた速度センサの検出信号から、軸トル
ク,軸トルク微分値,負荷トルクを推定する。
る。ここで、図2は本発明によるソフト観測器の原理を
示す図である。すなわち、ソフト観測器はつぎのような
状態方程式で表される。
カットオフ周波数を表し、それ以上の高周波ノイズを減
衰することを意味する。ソフト観測器出力のうち、x
b,xc,xdはそれぞれ軸トルク信号,軸トルク微分
値信号,負荷トルク信号に相当する。かようにして、観
測した信号は実際の信号に漸次収束することが保証され
る。しかも、その信号をフィードバックした場合、制御
ループに影響しないことも指摘されている。最初の初期
偏差は除いて真の信号を使った場合と完全に等価にな
る。
与え、ねじり振動を防止または抑制する役割を果たす。
トルク調整ループにおいて、比例積分器4にて比例器は
指令トルクT*に追従速度を調整し、積分器は指令追従
のオフセットをなくす役割をする。図2のソフト観測器
3において、カットオフ周波数ωcは収束のスピードを
決めるとともに、それ以上の高周波観測ノイズをカット
オフする役割をする。
て詳述する。すなわち、負荷を駆動する電動機と、負荷
と電動機を連結する弾性軸とらなるねじり系において、
電動機に取り付けられた速度検出器のみを使って、軸ト
ルクを振動させずに指令に追従させる適用においては、
まずシステム応答特性を決める三っの安定な極を決め
る。
とき、これらの極とプラントの機械定数であるρ, ωo
から、制御ループに各ゲインを式(17),(18),(1
9)と計算し、各制御ブロックに入れる。
カットオフ周波数ωcを適当に決め、このカットオフ周
波数とプラントの機械定数から、ソフト観測器の各係数
は決められることにより、最後に、計算した各係数をそ
れぞれソフト観測器に入れればよい。
じり振動制御に必要とする軸トルク,軸トルク微分値に
相当する信号を、ソフト観測器により格別に推定し、あ
るいはフィードバック系を有してねじり振動を抑制し得
る安価な制御方法を提供することができる。
ス軸トルク制御原理を表す系統図である。
図である。
である。
Claims (2)
- 【請求項1】 負荷と負荷を駆動する電動機の間を連結
する剛性の低い軸の軸トルクを振動抑制しながら指令ト
ルクに追従制御させる方法において、前記電動機に取り
付けられた速度センサの出力値を入力して軸トルクの値
とその微分値を推定して得るソフト観測手段を設けると
ともに、指令トルクと前記軸トルクの推定値との偏差を
比例積分した値に、前記推定された軸トルクの微分値を
印加することにより、トルク指令を得るようにしたこと
を特徴とする電動機駆動システムの軸トルク制御方法。 - 【請求項2】 電動機と負荷を連結する弾性軸に発生す
るねじり軸トルクとその微分値の推定方法において、前
記電動機に印加する制御入力と電動機速度センサの出力
信号とプラントの機械定数と任意に指定されるカットオ
フ周波数に基づいて次数4のソフト観測器(3)を構成
することにより、該ソフト観測器(3)の状態変数(x
b)と状態変数(xc)を軸トルクとその微分値の推定
値とすることを特徴とする電動機駆動システムの軸トル
ク推定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29274393A JP3253434B2 (ja) | 1993-10-28 | 1993-10-28 | 電動機駆動システムの軸トルク制御方法および軸トルク推定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP29274393A JP3253434B2 (ja) | 1993-10-28 | 1993-10-28 | 電動機駆動システムの軸トルク制御方法および軸トルク推定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07123761A JPH07123761A (ja) | 1995-05-12 |
JP3253434B2 true JP3253434B2 (ja) | 2002-02-04 |
Family
ID=17785760
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29274393A Expired - Lifetime JP3253434B2 (ja) | 1993-10-28 | 1993-10-28 | 電動機駆動システムの軸トルク制御方法および軸トルク推定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3253434B2 (ja) |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH01304511A (ja) * | 1988-06-02 | 1989-12-08 | Seiko Instr Inc | サーボ制御装置 |
JP2798217B2 (ja) * | 1989-07-27 | 1998-09-17 | 三菱重工業株式会社 | 高速位置決め制御方法 |
JP2841902B2 (ja) * | 1991-02-28 | 1998-12-24 | 富士電機株式会社 | ダイナミック・シミュレータの制御装置 |
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-
1993
- 1993-10-28 JP JP29274393A patent/JP3253434B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH07123761A (ja) | 1995-05-12 |
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