JP3251016B2 - ボルタンメトリック・センサーを用いて水処理薬品の供給を制御するための方法及び装置 - Google Patents

ボルタンメトリック・センサーを用いて水処理薬品の供給を制御するための方法及び装置

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 発明の分野 本発明は、水処理薬品の供給を制御することに関す
る。詳細には、本発明は、水及び廃水の処理のための薬
品の導入をオン・オフあるいは比例制御することを提供
するコントローラのためのフィードバック信号としてボ
ルタンメトリック電流測定を使用することに関する。
関連技術の記載 広範囲の種々の薬品が、殺微生物剤、腐食防止剤、ス
ケール防止剤等として使用のため産業プロセス、ボイラ
ー及び冷却水に加えられる。同様に、薬品が、類似の目
的のため、あるいは重金属沈澱剤、凝集剤等のような浄
化剤として廃水に加えられる。
水システムにおいてこれらの化合物のレベルを制御す
ることが望ましい幾つかの理由がある。多すぎる処理薬
品を加えること(過剰供給)は、不経済であり、また処
理のプログラムがコストに対して最も効率の良いことを
妨げることができる。過剰供給は、許容できない高レベ
ルの処理薬品が排出水に現れるようにすることができ
る。次いで、この排出水は、環境へのインパクトの問題
を提示し得て、生物学的廃棄物処理施設の動作を妨げ
る。このようにして、過剰供給は、産業施設をその廃水
の排出許可証の違反の状態にあるようにさせることがで
きる。
更に、処理薬品を余りに低い速度で供給すること、即
ち供給不足は、処理プログラムを効果のないものにする
であろう。殺微生物剤の使用のケースにおいては、微生
物の成長を制御するために存在する十分な薬品がないか
も知れない。いわゆる「重」金属、即ち、川、湖、ある
いは他の自然水源に排出されるならば有毒で環境的な害
を起こすこれらの遷移金属のための沈澱剤を用いる廃水
処理のケースにおいては、沈澱剤の供給不足は、重金属
の有毒レベルが排出されるのを許すことになる。このよ
うにして、供給不足はまた、産業施設がその廃水排出許
可証の違反にある状態にさせ得る。こうして、水処理薬
品のレベルの制御の失敗は、環境に対して明白な有害結
果を有し得る。
水処理薬品の供給を制御するための2つの技術が提案
されて来た。第1の制御技術においては、小さい過剰が
検出されるまで処理薬品を加え、次いで、過剰供給を最
小にするため、その薬品を加えることを出来るだけ早く
停止する。理想的には、用いられる処理薬品の過剰がな
いであろう。この技術は滴定に非常に類似している。こ
の技術が用いられる状況の例は、ナトリウム・ジメチル
ジチオカルバメートを用いて廃水の流れから鉛(Pb+
+)又は銅(Cu++)を沈澱させることを含む。過剰な
ジメチルジチオカルバメート・イオンの有意のレベル
は、これらの金属を廃水から完全に除去することを保証
するのに必要ではないので、金属−ジメチルジチオカル
バメート反応の化学量論により要求される処理薬品の正
確な量が用いられるであろう。水の中の過剰の処理薬品
の実際のレベルを知ることは必要ないので、処理薬品を
検出するため用いられる方法は、非常に精巧あるいは正
確である必要がない。そして、広い線形範囲は必須では
ない。しかしながら、応答時間は、過剰供給を最小にす
るため非常に早くなければならず、且つ本方法は、過剰
の処理薬品の小さいレベルに対する検出可能な応答を与
える程十分感度が高くなければならない。
第2の提案された制御技術においては、水処理薬品が
薬品の特定の濃度レベルが水に存在するまで加えられ、
追加の薬品がこのレベルを維持するのに要するように追
加される。この技術が用いられるであろう状況の例は、
抄紙機において殺微生物剤を白濁水へ加えることであ
る。殺微生物剤の所定のレベル(しばしば100ppmあるい
はそれより少ない)が、微生物の成長を抑制するのに必
要とされるであろう。そして、このレベルを所定の制限
内に維持することが必要であろう。微生物のレベルが低
すぎるほど降下するならば、微生物の個体数は、抄紙機
の動作を妨げるレベルへ成長し始めるかも知れない。他
方、微生物のレベルが高過ぎるならば、過剰の薬品の使
用は金の無駄遣いとなろう。それは、紙の製作において
(変色のような)問題を生じるかも知れない。そして、
薬品が製紙工場からの廃水に現れるかも知れず、従って
廃水の排出問題を引き起こすかも知れない。水の中の処
理薬品のレベルを測定するために用いられる方法は、処
理薬品のレベルが所望の範囲内にあるかを正確に決定す
るため十分に精巧でなければならない。応答時間及び感
度がまた重要である一方、これらの特性は、上述の滴定
タイプの制御についてのようにこの状況について一般に
臨界的でないであろう。感度のみは、選択された使用レ
ベルで化合物の正確な決定をする程十分に高い必要があ
る。一度、処理薬品の要求されたレベルが系内で確立さ
れると、そのレベルの変化は比較的遅くなり、前述の処
理方法において処理薬品を加えることを停止するのに必
要な迅速な応答は必要とされないであろう。これらの制
御手順の双方を実行するのに用いることができる制御設
備及び技術の設計は本特許の重要な目的である。
図1に示されるように、廃水からの重金属の沈澱のよ
うな、水処理プロセスの制御は3つの基本的な構成要素
を要する。
1.速度(供給速度)が電気的に制御され得る薬品供給デ
バイス102が必要であろう。この供給デバイスは、通
常、例えば処理薬品バルク貯蔵器104から液体の処理薬
品を導入するためのポンプであろう。しかし、可変速モ
ータを備えるスクリュー・フィーザが、固体の処理薬品
を導入するため用い得る。
2.センサー106及び関連の電子機器108が、システム内に
存在しあるいはシステムにより必要とされる処理薬品の
量を検出するため必要とされるであろう。このセンサー
106は、コントローラに送られるフィードバック信号を
生成するであろう。
3.コントローラ110が、(a)センサー106からフィード
バック信号を、処理薬品の所望のレベルと対応するであ
ろう信号と比較するため、そして(b)水の中で検出さ
れた処理薬品のレベルが所望のレベルと対応するように
薬品供給デバイス102の速度を調整するため必要とされ
るであろう。
これら3つの構成要素は、用いられる水処理薬品のレ
ベルについて制御を維持するためある形式で存在しなけ
ればならない。フィードバックが無い場合、実効的な制
御を達成することができないことは本質的に真実であ
る。あるケースにおいては、人は、1つ以上の構成要素
の機能を実効し得る。例えば、有り得る最も単純な形態
において、人は、水のサンプルを採取し、それを化学的
に分析し(センサーの機能)、必要な処理薬品の量を計
算し、その重さを出し(コントローラの機能)、処理薬
品を手動で加え(薬品供給デバイスの機能)を得る。し
かしながら、多くの操作について、これらの機能を自動
的に実行するのが好ましいであろう。自動化された制御
は、多くの事例において手動の制御より費用が高くな
い。そして、適正に設計された自動化システムは、人間
の操作より一層精巧で且つ一層信頼性があるように処理
薬品のレベルを制御することができる筈である。この目
的のため用いられ得る自動コントローラは、オン/オフ
あるいは比例/積分/微分(PID)の制御アルゴリズム
を実行し、MinnesotaのMinneapolisのHoneywell,Inc.や
MassachusettsのAshlandのFenwal,Inc.のような多数の
製造会社から入手し得る。本特許の主目的は、必要とさ
れるフィードバック信号を提供するためボルタンメトリ
ック(voltammetric)・センサーの使用を通して自動制
御を可能にすることにある。
コントローラのためのフィードバック信号を発生させ
るため用いることができる2つの基本的なアプローチが
ある。これら2つのアプローチのうちの第1のものにお
いては、センサー106が、水の中に存在する処理薬品の
濃度に直接応答して、処理薬品の濃度に正比例するフィ
ードバック信号を発生する。つまり、フィードバック信
号は、処理薬品のレベルが増大するにつれ増大する。か
かる適用の例は、水の中の微生物の成長を制御するため
のグルタルアルデヒドあるいはジメチルジチオカルバメ
ート塩の使用を含む。適切なセンサー106は、水の中の
殺微生物剤のレベルに直接応答するであろう。
第2のアプローチにおいては、センサー106は、処理
薬品のレベルより、むしろ処理薬品が反応しようとする
水の中の物質に応答し得る。このようにして、センサー
106は、処理薬品のレベルに反比例するフィードバック
信号を発生するであろう。つまり、フィードバック信号
は、処理薬品のレベルが増大するにつれ減少するであろ
う。かかる適用の例は、或る特定の重金属を廃水の流れ
から沈澱させるためナトリウム・ジメチルジチオカルバ
メートを使用をすることを含む。非常に制限された種々
の金属を含む系において、それは、アノードのストリッ
ピング・ボルタンメトリー(anodic stripping volta
mmetry)を用いて各金属に対してフィードバック信号を
提供することが可能であろう。この種の測定をするため
のオンライン・デバイスは、MassachusettsのWatertown
のIonics,Inc.から入手できる。
幾つかの状況は、系内の処理薬品のレベルに正比例す
るフィードバック信号の使用を要求するであろう。この
ケースの1つの例は、前述した微生物の所与のレベルの
維持であろう。別の例は、種々の金属イオンを廃水の流
れから沈澱させるためジメチルジチオカルバメート塩を
使用することを含むであろう。この事例においては、加
えられるジメチルジチオカルバメートの量を調整するた
め、廃水の中の各金属イオンのレベルを決定することが
必要であろう。廃水の流れの中の過剰のジメチルジチオ
カルバメートの所定のレベルを確立し且つ維持すること
が単に必要であろう。廃水の中の過剰のジメチルジチオ
カルバメートの十分なレベルがあるならば、溶解した
「重」金属の全部が沈澱してしまったことが想定され得
る。ジメチルジチオカルバメートの濃度の決定は、廃水
の中の全部の重金属のレベルを決定することよりはるか
に単純であろう。
他方、或る状況は、系内の処理薬品のレベルに間接的
に関連するフィードバック信号の使用を必要とするであ
ろう。有毒な物質を廃水の流れから除去することを含む
状況に対して、この技術は、フィードバック信号が処理
薬品の供給を制御するばかりでなく、廃水の流れの中の
有毒な物質のレベルの直接で記録可能な測定値を提供す
るので望ましい。これらの測定値の記録を用いて、施設
の廃水の排出許可の承諾あるいは不承諾を文書化するこ
とができる。例えば、重金属を沈澱させるためナトリウ
ム・ジメチルジチオカルバメートを用いる廃水処理施設
の排出許可は、最終の流出水に存在し得るジメチルジチ
オカルバメート・イオンのレベルに関する限界を有し得
る。廃水の流れの中の過剰のジメチルジチオカルバメー
ト・イオンのレベルに直接応答するセンサー106を用い
て、フィードバック信号を発生し、第1鉄イオンの溶液
の供給を制御することができる。この第1鉄イオンは、
過剰のジメチルジチオカルバメート・イオンと反応し、
従ってこれを沈澱させる。検出されるジメチルジチオカ
ルバメート・イオンのレベル即ちフィードバック信号の
記録は、ジメチルジチオカルバメート・イオンが廃水の
流れから適切に除去されたことを証明するであろう。不
都合にも、流出廃水から除去されねばならない全部の有
毒な物質、オンライン分析方法により都合良く決定でき
るとは限らない。本発明の別の重要な目的は、水処理薬
品の供給の直接又は間接の制御のため、また廃水の排出
許可の承諾を文書化するため用いることができるフィー
ドバック信号を発生する方法を提供することにある。
実効的なフィードバック信号を発生するため、センサ
ー106は、処理水あるいは廃水の流れの定量分析を実施
し、所望の処理薬品のレベルを制御しなければならな
い。多くの通常の実験室技術が、オンライン測定のため
用いられるように自動化されて来た。比色分析のための
オンライン装置は、ColoradoのLovelandのHach Co.か
ら入手できる。同様に、比濁分析のための装置が米国特
許No.4,923,599に記載されている。
電気化学的測定は、幾つかの理由のためフィードバッ
ク信号を発生するための基礎として十分適している。
(1)水及び廃水の処理に用いられる多くの薬品は、電
気化学の技術を用いて決定し得る。
(2)電気化学的測定に必要な装置は、オンラインの比
色測定あるいはクロマトグラフィック(HPLC)測定のた
め必要な装置と比較して安価である。
(3)電気化学的センサーは、全く単純であり、通常頑
丈であり且つ信頼性がある。処理(process)水あるい
は廃水の流れの一部を光学的セルを通して流し続けるた
めポンプを要するであろうオンラインの比色測定及び比
濁測定とは似ずに、電気化学的センサーは、故障の高い
確率を有する可動部分を持たない。
(4)電気化学的センサーは、強い分解及び清浄のため
の時間と労力を要する比色又は比濁の測定より維持する
のがより容易である。この特徴は、処理水又は廃水の流
れ、特に懸濁された固形物の高レベルを含むものに対す
る暴露(exposure)がいずれの測定デバイスの表面を迅
速に汚染するので重要である。電気化学的センサーが接
近し易いならば、単純な手動のふき取りは、電極のメン
テナンスにとって十分で有り得る。接近しにくいセンサ
ーは、種々の清浄技術を必要とする。
電気化学的測定をするため提案された技術は、電位差
的(potentiometric)方法を含む。該電位差的方法は、
電極が溶液に浸されるとき該電極の表面に生じる電圧の
測定を含む。該電圧が、銀/塩化銀(Ag/AgCl)カップ
ル(couple)あるいは飽和カロメル(塩化水銀)電極
(SCE)のような基準電極に対して測定される。この技
術のために用いられる電圧測定は、電極の電位が測定に
より変わらないように、電極を通るできるだけ小さい電
流を引かなければならない。つまり、非常に高インピー
ダンスの測定回路を用いなければならない。理想的な電
位差的測定においては、電流が電極を介して少しも通る
べきでない。実際、一般に用いられている電圧測定回路
は、1ピコアンペア(1pA即ち10-12アンペア)より小さ
く電極を通して引くよう設計されている。低いフェムト
アンペア(fA即ち10-15アンペア)の範囲における最大
入力電流が、MassachusettsのNorwoodのAnalog Device
s,Inc.により製造されるAD549L増幅器のような現在入手
し得る電位計増幅器を用いて達成され得る。
しかしながら、制御システムにおけるフィードバック
信号を発生するため電位差的測定を用いることは満足な
結果を提供しなかった。まず第1に、電位差的定量(de
termination)において測定される電圧は、検出されつ
つある物質の濃度の対数に正比例する。この対数関係
は、測定された濃度、例えば、%、ppm等の表示を得る
ため複雑な電子装置を必要とする。従って、電位差的測
定において得られた対数関係は、濃度決定の精度及び分
解能を低下させ、この制限は、濃度レベルが制御され得
る精度を低減する。換言すると、この制御システムは、
水の中の処理薬品の濃度の変化が大きくなければ、即ち
2〜3倍又はそれ以上の倍率で変化しなければ、該処理
薬品の濃度の変化を検出し応答することができないかも
知れない。
更に、電位差的測定に対する応答時間は、非常に遅く
あり得て、特にアナライト(analyte)の非常に低い濃
度を含む溶液において用いられるイオン選択性電極に対
して特にそうである。この応答時間は分のオーダーであ
り得て、かかる遅い応答時間を有するフィードバック信
号は、特にフロー・スルー(flow−through)の設計に
対してコントローラに系内の濃度変化に応答するための
十分な時間を与え得ない。かかるセンサーが処理薬品に
対する要求における急な変化に応答してしまう間まで、
コントローラ・システムが系内の処理薬品の適切なレベ
ルを維持するため薬品供給デバイスの速度を調整するこ
とは余りに遅すぎるであろう。センサーが処理薬品に対
する要求における変化に応答している時間中、排出され
る廃水は、不適切に処理され、又は大きな過剰の処理薬
品を含むであろう。いずれの場合においても、施設の排
出許可に違反するかも知れない。
その上、電位差的測定に対して必要とされる極端に高
インピーダンスの測定回路の性能は、産業環境において
一般的である湿気あるいは化学的汚染の存在により激し
く劣化され得る。
最後に、酸化−換言(OPR)測定法のような混合の電
位測定は、pH及び酸化剤又は還元剤の存在のような幾つ
かの要因の影響の正味の結果である。測定された電位を
決定する種々の成分を区別するあるいは求める方法はな
い。
本発明の概要 従って、本発明は、関連の技術の制限及び欠点による
1つ以上の問題を実質的に回避する制御システムを指向
する。
これら及び他の利点を達成するため、また具体化され
広く記述されるように本発明の目的に従って、本発明
は、処理されるべき溶液の中の基準電極と動作電極の間
に外部電圧を印加し、該動作電極を通って流れる電流を
測定し、該測定された電流を、処理されるべき溶液の中
の処理薬品の量に比例する電圧に変換し、該変換された
電圧を増幅してフィードバック信号を生成することを含
む。
別の局面においては、本発明は、基準電極と動作電極
の間で測定された所望の外部電圧を、処理されるべき溶
液の中のカウンタ電極と動作電極の間に印加し、動作電
極を用いて該溶液を通って流れる電流を測定し、該測定
された電流を、処理されるべき溶液の中の処理薬品の量
に比例する電圧に変換し、該変換された電圧を増幅して
フィードバック信号を生成することを含む。
前述の一般的記述及び以下の詳細な記述の双方は例示
的且つ説明的であり、請求の範囲に記載される発明の一
層の説明を提供することを意図するものであることを理
解すべきである。
添付の図面は、本発明の一層の理解を提供するため含
められ、この明細書の一部に組み込まれ且つ構成され、
本発明の幾つかの実施形態を図示し、記述と共に本発明
の原理を説明するため役立つ。
図面の簡単な記載 この明細書の一部に組み込まれ且つ構成される添付の
図面は、本発明の実施形態を図示し、記述と共に、本発
明の目的、利点及び原理を説明するため役立つものであ
る。
図面において、 図1は、薬品供給システムのブロック図である。
図2は、本発明の第1の実施形態に従って構成された
2電極ボルタンメトリー・システムの回路図である。
図3は、本発明の第2の実施形態に従って構成された
DCポテンシオスタット(potentiostat)の回路図であ
る。
図4は、本発明の第3の実施形態に従って構成された
電極清浄回路の回路図である。
図5は、本発明の第4の実施形態に従って構成された
酸化−還元電極清浄回路の回路図である。
図6は、本発明の第5の実施形態に従って構成された
差動DCポテンシオスタットの回路図である。
本発明の記述 水処理薬品の供給を制御するシステムにおいて、電圧
を溶液の中の2つの電極間に印加して電極間を流れる電
流を測定することを含むボルタンメトリック技術を用い
て電気化学的測定を行うことによりフィードバックが決
定され得る。そこで所望の酸化又は還元が生じる電極
は、動作電極と呼ばれ、この電極の表面に印加される電
位(電圧)は、電位差的測定をするため用いられる同一
タイプの基準電極に対して測定される。金属イオンを廃
水から沈澱させるためのジメチルジチオカルバメート・
イオンの使用を含む事例において、ジメチルジチオカル
バメート・イオンが、Ag/AgClに対する+30ミリボルト
の印加電位で動作電極で酸化される。水の中のジメチル
ジチオカルバメート・イオンのレベルに正比例するかか
る酸化反応の結果として、動作電極は、溶液を通って流
れる電流を測定し、従ってジメチルジチオカルバメート
・イオンをシステムに供給するポンプを制御するための
フィードバック信号として使用のため増幅され得る。同
様に、印加電圧を調整することにより、ホルムアルデヒ
ド、グルタルアルデヒドのようなアルデヒドの濃度、又
は化合物のいずれかを処理水又は廃水に解放することが
できる化合物の濃度に比例する電流が従って測定され得
る。この電流は、電圧に変換され、アルデヒドをシステ
ムへ供給するポンプを制御するためのフィードバック信
号として使用のため増幅され得る。
しかしながら、あるケースにおいては、上述したボル
タンメトリーの技術において用いられる直流(DC)測定
装置が不規則な(erratic)信号を提供し、システム内
の処理薬品の特定のレベルを測定して確立することを困
難にさせる。この測定信号の不規則な挙動は、動作電極
の表面を通り過ぎたサンプル溶液の運動のためである。
この運動は、温度対流と、機械的撹拌機により処理され
る水の混合とのためである。粘土スラリーのような、処
理されるべき水の中の懸濁固形物の高レベルの存在は、
懸濁固形物が処理薬品の分子の電極表面への拡散を阻止
し、それは測定信号が時間と共に減衰することをもたら
す点で、双方の制御技術に対して追加の複雑さを加え
る。
これらの問題の双方は、印加電圧が定常DC電圧の代わ
りにパルス列であるクロノアンペロメトリーの技術を用
いて多少とも解決できる。パルス間において、印加電圧
が、処理薬品の酸化又は還元が僅かしかないか全くない
レベルで保持され、従って測定される電流は無視し得る
ほど小さい。しかしながら、パルス中に、印加電圧が、
処理薬品が酸化又は還元されるレベルにシフトする。印
加電圧パルスの印加中に測定される電流は、初期に非常
に高く、そして定常状態レベルへ急速に減衰する。時間
と共に減衰する信号の成分は、非ファラデー(non−far
adaic)充電電流と、測定されつつある処理薬品の濃度
の関数であるファラデー(faradaic)電流の信号との和
である。電圧パルスの印加後の所与の時間に、ファラデ
ー電流信号は、水の中の処理薬品の濃度に正比例するで
あろう。非ファラデー充電電流は、急速に(ほんの数平
方ミリメートルの晒される面積を有する電極に対してミ
リ秒の程度で)減衰し、そこで、該非ファラデー充電電
流は、セル電流が測定される前にパルスの初期の印加後
数ミリ秒を待つことにより無視することができる。セル
電流は、電圧パルスの初期の印加後の特定の時間に測定
されるべきであり、その時間に測定される電流信号は、
それが次の電圧パルス中に更新されるまで記憶されなけ
ればならない。正確なタイミング回路が、電圧パルスを
発生するため、また電圧パルス間のセル電流測定値を記
憶するサンプル及びホールド回路を制御するため必要と
される。
制御システムにおいてフィードバック信号を生成する
ための2電極回路の好適実施形態が図2に示されてい
る。Analog DevicesのAD549のような演算増幅器U1が、
電流から電圧への変換器(以下「電流/電圧変換器」と
記載する。)として用いられ、該電流/電圧変換器に対
して負のフィードバックが抵抗R3を介して提供される。
演算増幅器U1の出力に現れる電圧は、R3×(端子10に接
続された動作電極により測定される電流)と等しいであ
ろう。小さいボルタンメトリック・セルにおける被測定
電流はナノアンペア又はそれより小さいオーダーであり
得るので、低入力電流(好適には1ピコアンペアより小
さい)を有する演算増幅器の使用が要求される。動作電
極へ印加される電圧は、基準電極が接続されている接地
即ち端子12に対して測定され、演算増幅器U1のピン2に
現れる。演算増幅器U1は負のフィードバックと共に動作
しているので、ピン2及び3(それぞれ、反転入力及び
非反転入力である)での各電圧は、互いに等しく、Anal
og DevicesのAD707のような電圧フォロワーU2の出力に
より決定されるであろう。抵抗R4、R5及びR6は、入力電
圧を、従って電圧フォロワーU2の出力電圧を選択するた
め用いられる電圧ディバイダーを形成する。抵抗R7は、
電圧フォロワーU2の非反転入力に流れる電流を制限す
る。
トリムポット(trimpot)R1及びR8は、演算増幅器U1
及び電圧フォロワーU2のそれぞれに対して入力オフセッ
ト電圧をゼロにするために用いられる。抵抗R2及びR9
は、演算増幅器U1及び演算増幅器U2のそれぞれのための
入力オフセット調整回路を通って流れる電流を制限す
る。キャパシタC1、C2、C3及びC4は、電源ノイズ及び発
振を阻止するため用いられている。
図2の2電極回路は、制御システムのため端子J1に実
効的フィードバック信号を生成する単純な回路である。
電流が、端子12に接続されている基準電極を介して通
るので、酸化又は還元反応が生じ、基準電極の成分を変
更し得る。電極の設計に応じて、この変更は基準電極の
電位を変化させ得て、該基準電極に対して、動作電極に
印加される電圧が測定される。こうして、動作電極に印
加される電圧は、電流がセルを介して通るにつれてシフ
トし、印加電圧におけるこのシフトは測定されるセル電
流を変更することができる。このようにして、誤差がセ
ル電流測定値に導入され、次いで、誤差をフィードバッ
ク信号へ導入する。
更に、電流が電極間でサンプル溶液を通して流れるに
つれ、セル電流に比例する電圧降下が電極間で生じる。
オームの法則は、この電圧降下が溶液の抵抗値にセル電
流を乗算したものに等しいことを示す。この電圧降下
は、動作電極に印加される電圧を低減し、この低減の範
囲は、セル電流の大きさに依存するであろうことは明ら
かである。上述のように、印加電圧における誤差は、セ
ル電流における誤差に変換され、その結果、誤差は、薬
品供給デバイスのためのコントローラへ送られるフィー
ドバック信号に現れるであろう。
第2の実施形態においては、図3に示される3電極回
路が、制御システムにおいてフィードバック信号を生成
するため提供される。この測定回路(なお、ポテンシオ
スタットとしても知られている)において、外部電圧が
カウンタ電極と動作電極の間に印加され、これら電極は
溶液に浸されている状態で図3に示されている。この外
部電圧は、基準電極電圧に対して測定される動作電極の
表面での電位が所望の値と等しいように自動的に調整さ
れる。動作電極を通って流れる電流は、測定され、セル
電流と呼ばれる。上述のように、セル電流は、動作電極
の表面で酸化され又は還元されつつある物質の濃度に正
比例する。動作電極の表面での電位の測定は、高インピ
ーダンス電圧測定回路を用いて行われ、そのため1マイ
クロアンペア(10-6アンペア)あるいはそれより小さい
電流が基準電極を通ることを可能にされる。電位差的測
定において用いられる回路の極端に高い入力インピーダ
ンスを用いることは必要でないが、入力インピーダンス
は、基準電極の組成における有意の変化を阻止し、且つ
溶液を横切る電圧降下を無視し得る程依然十分高い。印
加電圧が制御される精度におけるこれらの改善は、測定
回路の複雑さの増大を正当化するであろう。
図3に示される回路は、高インピーダンス電圧フォロ
ワーU2を通してバッファーされる基準電極と動作電極の
間の電位差を所望の印加電圧と比較し、端子J1に接続さ
れているカウンタ電極へ印加される電圧を調整し、その
結果所望の印加電圧が、端子J3に接続されている動作電
極と基準電極の間に現れる。抵抗R3を介して供給される
所望の印加電圧を基準電極の電位に加えることにより、
基準電極に対する動作電極の電位が所望の印加電圧から
引き算される。該基準電極の電位は、接地電位に維持さ
れる動作電極に対して測定され、抵抗R4を介して供給さ
れる。演算増幅器U1の反転入力での当該差信号は、接地
に抵抗R5を介して結合されている非反転入力での電位と
比較され、その結果生じる誤差信号が、演算増幅器U1の
開ループ利得により増幅され、適切な電圧をカウンタ電
極に供給する。所望の印加電圧の大きさは、電圧ディバ
イダーR1及びR2により決定され、その極性がスイッチS1
により選択される。演算増幅器U1がフィードバック・ル
ープなしで用いられるので、キャパシタC3が該演算増幅
器U1の発振を防止するため必要とされる。
トリムポットR6、R7及びR9が、増幅器U1、U2及びU3の
それぞれのための入力オフセット電圧をゼロにするため
用いられる。抵抗R10及びR11は、増幅器U3及びU1のそれ
ぞれのための入力オフセット調整回路を通して流れる電
流を制限する。キャパシタC1、C2、C4、C5、C6及びC7
が、電源ノイズ及び発振を防止するため用いられてい
る。
水処理あるいは廃水処理システムにおけるボルタンメ
トリック測定が、上述した2電極あるいは3電極の技術
を用いて行われ得る。動作電極及びカウンタ電極は、化
学的に不活性で導電性の材料から作られるべきである。
カウンタ電極の表面の面積は動作電極よりかなり大きく
あるべきであり、その結果セル電流はカウンタ電極での
反応よりむしろ動作電極での反応により制限されるであ
ろう。プラチナ、金、又は、ガラス状の(glassy)炭素
あるいは熱分解グラファイトのような或る形態の炭素が
通常用いられる。ニッケル又はグラファイトの棒をカウ
ンタ電極として用い得る。還元形態で硫黄を含む、ジメ
チルジチオカルバメート塩のような有機化合物はしばし
ば金属電極の表面と反応し且つそれを被覆するので、こ
れらの複合物のボルタンメトリック測定は炭素電極を動
作電極として用いて行われるべきである。
本発明の第3の実施形態において、第1及び第2の実
施形態の回路において金属又は炭素の動作電極は、元の
場所で電気分解により清浄され得る。これらの電極を清
浄するため用い得る回路の例が図4に示されている。こ
の回路において、タイマーT1が、測定電極を測定回路と
清浄回路の間で切り替え、該清浄回路は、清浄期間中動
作電極及びカウンタ電極を通してほぼ150ミリアンペア
を強制的に通すであろう。動作電極がアノードとしての
端子14に接続されており、酸素の泡を生成するための水
の酸化が、沈殿物を煮沸して動作電極の表面から除き、
こうして該表面を実効的に清浄する。
図4に示される回路が、測定回路と電極の表面で水を
電気分解する定電流源との間で動作電極とボルタンメト
リック・セルの(端子16で接続されている)カウンタ電
極とを切り替える。電極を切り替えるため用いられるリ
レーは、定電流源からのストレイ漏洩電流が測定回路に
入り、誤差を生じさせるのを防止するため極端に高い絶
縁抵抗値(1011〜1012オームあるいはそれより大きい)
を有しなければならない。リレーK1及びK4は、リレーK5
が消勢されるとき、カウンタ電極及び動作電極をそれぞ
れ測定回路に接続し、リレーK2及びK3は、リレーK5が付
勢されるとき、カウンタ電極及び動作電極をそれぞれ定
電流源に接続する。リレーK5のコイルが、Omron H5L−
AのようなタイマーT1による清浄期間中付勢される。該
タイマーT1は、デューティ・サイクルとサイクル時間の
双方が可変であることを特徴にするインターバル・タイ
マーである。トランジスタQ1及び抵抗R1及びR2は、数百
ミリアンペアを電極を介して強制的に通し所望の清浄作
用を生じさせることができる定電流源を形成する。
本発明の第4の実施形態においては、類似の回路が、
同様に酸化−還元(ORP)測定のため用いられる電極を
清浄するため設けられている。この回路の例は図5に示
されている。この適用において、電極を測定回路と清浄
回路との間で切り替えるため用いられるリレーK1〜K4
は、非常に高い絶縁抵抗値(最小1012オーム)を有しな
ければならない。このタイプのリレーは、Rhode Islan
dのProvinceのCoto Wabashから入手できる。基準電極
が多くのORPモニタ及びコントローラにおいて接地され
ているので、損傷を与える電流が電極を通って流れるこ
とを防止するため清浄期間中基準電極の接続を切ってお
くためリレーを用いることは重要である。
図5に示される回路を用いて、酸化−還元電位(OR
P)電極(端子18に接されている)と基準電極(端子20
に接続されている)とを電位差セルにおいて高インピー
ダンス測定回路と水を電極の表面で電気分解する定電流
源との間で切り替える。電極を切り替えるため用いられ
るリレーK1〜K4は、定電流源からのストレイ漏洩電流が
上記測定回路に入り誤差を生じさせることを防止するた
め極端に高い絶縁抵抗値(1011〜1012オーム又はそれよ
り大きく)を有しなければならない。同様に、電極信号
経路が、印刷回路板の表面に存在すべきでないが、PTPF
スタンドオフ(絶縁体)に取り付けられた接点間を二地
点間で配線されるべきである。リレーK1及びK4は、リレ
ーK5が消勢されるとき基準電極及びORP電極のそれぞれ
を測定回路に接続する。そして、リレーK2及びK3は、リ
レーK5が付勢されるときカウンタ電極及びORP電極のそ
れぞれを清浄のため定電流源に接続する。リレーK5のコ
イルは、清浄期間中タイマーT1により付勢され、該タイ
マーT1は、デューティ・サイクル及びサイクル時間の双
方が可変であることを特徴とするインターバル・タイマ
ーである。トランジスタQ1及び抵抗R1及びR2は、数百ミ
リアンペアを電極に強制的に通し所望の清浄作用を生成
することができる定電流源を形成する。
妨害する物質が酸化又は還元されないように印加電圧
を調整することによりボルタンメトリック測定における
妨害を最小にすることがしばしば可能であるが、水処理
薬品が導入される前にバックグラウンド信号を測定し、
該処理薬品が加えられた後に得られる信号から当該バッ
クグラウンド信号を引き算することにより、バックグラ
ウンドの妨害は更に低減され得る。連続の流れのシステ
ムにおいて、バックグラウンド信号は、処理タンクへの
入口での1組のボルタンメトリック電極から得られ、そ
して該タンクの出口の第2の組の電極を用いて、バック
グラウンド及び加えられた処理薬品のため、全体の信号
を測定することができる。これらの信号間の差は、所望
の処理薬品のレベルに正比例し、この差信号は、処理薬
品が加えられる速度を制御するためのフィードバック信
号として用いることができる。該差信号は、Massachuse
ttsのNorwoodのAnalog Devices,Inc.により製造される
AD524のような差動計装増幅器を用いて得られる。バッ
クグラウンド訂正ボルタンメトリック測定値、これはコ
ントローラのためのフィードバック信号として用いるこ
とができるが、当該バックグラウンド訂正ボルタンメト
リック測定値を発生するため用いることのできる回路の
例が図6に示されている。この回路においては、2つの
3電極ポテンシオスタットがあり、1つは処理タンクの
入口用で、1つはその出口用である。これらのポテンシ
オスタットにおける電流/電圧変換器の出力は、差動計
装増幅器へ送出され、次いで、該差動計装増幅器からの
該出力はフィードバック信号として用いられる。多くの
事例において、このフィードバック信号は、コントロー
ラへ伝送されるため4〜20アンペアの信号に変換されな
ければならない。この変換は、Analog DevicesのAD694
集積回路を用いて実行され得る。(1)入力セルへR21
を介して、また出口セルへR24を介して印加される印加
電圧パルス列を端子J7に加え、そして(2)サンプル及
びホールド回路を、電流/電圧変換器の出力(増幅器U3
及びU6のピン6)と計装増幅器の+及び−入力(増幅器
U7のピン1及び2)の間に加えることにより、上記回路
は、クロノアンペロメトリック測定において使用のため
修正し得る。これらのサンプル及びホールド回路は、An
alog DevicesからのAD7569集積回路を用いて実現し得
る。該サンプル及びホールド回路のための読み出し/ホ
ールド制御信号は、印加される電圧パルス列と同期化さ
れる。印加電圧パルス列のデューティ・サイクルは、電
極の表面での溶液が電圧パルス間で再平衡することを可
能にする程十分低く保たれている。
図6に示される回路を用いて、処理水又は非水の流れ
において、処理薬品が加えられる前後において測定され
るボルタンメトリック信号間の差を決定する。測定信号
における差は、唯一処理薬品の存在のためであろうし、
処理薬品が加えられる前に流れの中に存在する妨害する
物質のため信号は無視されるであろう。
処理薬品が加えられる地点の入口即ち上流側のボルタ
ンメトリック・セルに対して、高インピーダンス電圧フ
ォロワーU2を介してバッファーされる、端子J2に接続さ
れている基準電極と端子J3に接続されている動作電極の
間の電位差は、所望の印加電圧と比較される。そして、
端子J1に接続されているカウンタ電極に印加される電圧
が、所望の印加電圧が端子J3での動作電極と端子J2での
基準電極の間に現れるように調整される。抵抗R3を介し
て供給される所望の印加電圧を端子J2での基準電極の電
位へ加えることにより、動作電極及び基準電極の電位が
所望の印加電圧から引き算される。該基準電極の電位
は、接地電位に維持される動作電極に対して測定され、
抵抗R4を介して供給される。増幅器U1の反転入力でのこ
の差信号は、増幅器U1の非反転入力での電位と比較され
る。該増幅器U1の非反転入力は、接地へ抵抗R5を介して
結合され、その結果として生じる誤差信号は、増幅器U1
の開ループ利得により増幅され、適切な電圧をカウンタ
電極へ端子J1で供給する。所望の印加電圧の大きさは、
電圧ディバイダーR1及びR2により決定され、その極性
は、スイッチS1により選択される。キャパシタC3は、演
算増幅器U1がフィードバック・ループなしで用いられて
いるので、その演算増幅器U1の発振を防止するため必要
とされる。
処理薬品が加えられる地点の出口即ち下流側のボリタ
ンメトリック・セルに対して、高インピーダンス電圧フ
ォロワーU5を介してバッファーされる、端子J5での基準
電極と端子J6での動作電極の電位差は、所望の印加電圧
と比較される。そして、カウンタ電極へ端子J4で印加さ
れる電圧は、所望の印加電圧が端子J6での動作電極と端
子J5での基準電極の間に現れるように調整される。端子
J5での基準電極の電位に抵抗R18を介して供給される所
望の印加電圧を加えることにより、動作電極及び基準電
極の電位が所望の印加電圧から引き算される。該基準電
極の電位は、接地電位に維持される端子J6での動作電極
に対して測定され、抵抗R17を介して供給される。増幅
器U4の反転入力でのこの差信号は、接地へ抵抗R23を介
して結合されたその増幅器の非反転入力での電位と比較
され、その結果生じた誤差信号は、増幅器U4の開ループ
利得により増幅され、適切な電圧をカウンタ電極へ端子
J4で供給する。キャパシタC16は、演算増幅器U4がフィ
ードバック・ループなしで用いられるので、該演算増幅
器U4の発振を防止するため必要とされる。
ボリタンメトリック・セルの入力及び出力(増幅器U3
及びU6のそれぞれ)に対する電流/電圧変換器からの出
力信号間の差は、単位利得計装増幅器U7により決定さ
れ、この増幅器からの端子J8での出力電圧は、コントロ
ーラのためのフィードバック信号として用いられ得る。
トリムポットR6、R7及びR9が、増幅器U1、U2及びU3の
それぞれに対する入力オフセット電圧をゼロにするため
用いられ、トリムポットR19、R22及びR12が、増幅器U
4、U5及びU6のそれぞれに対する入力オフセット電圧を
ゼロにするため用いられる。抵抗R10及びR11は、増幅器
U3及びU1のそれぞれに対する入力オフセット調整回路を
通って流れる電流を制限する。抵抗R13及びR20は、増幅
器U6及びU4のそれぞれに対する入力オフセット調整回路
を通って流れる電流を制限する。トリムポットR15及びR
16は、計装増幅器U7に対するオフセット電圧をゼロにす
るため用いられる。キャパシタC1〜C2及びC4〜C15は、
電源ノイズ及び発振を防止するため用いられる。
種々の変更及び変化が、本発明の精神と範囲から離れ
ることなく、本発明においてなされ得ることは当業者に
は明らかであろう。従って、本発明の変更及び変化が請
求の範囲及びそれらの等価物の範囲内に入るならば、本
発明はそれらの変更及び変化を包含することを意図する
ものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 33/18 106 G01N 27/46 301Z (56)参考文献 特開 平1−104392(JP,A) 特開 昭63−305992(JP,A) 特開 平2−296145(JP,A) 欧州特許出願公開466303(EP,A 1) 藤島 昭ほか,電気化学測定法 (上),日本,技報堂出版株式会社,57 −58 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/26 361 C02F 1/00 G01N 27/416 G01N 33/18 G01N 33/18 106

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶液の薬品処理を制御する方法において、 (a)処理薬品と溶液の混合物を得るため処理薬品を溶
    液に供給するステップと、 (b)ボルタンメトリック・センサーの基準電極と動作
    電極とが前記混合物に浸され且つ接触しながら当該基準
    電極と動作電極の間に外部電圧を印加するステップと、 (c)前記動作電極を通って流れる電流を測定するステ
    ップと、 (d)前記の測定された電流を、前記混合物の中の物質
    の濃度を示すフィードバック信号に変換するステップ
    と、 (e)ステップ(a)における処理薬品を供給する速度
    を制御するため前記フィードバック信号を用いるステッ
    プと を備える方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の方法において、前記フィー
    ドバック信号を用いるステップ(e)は、フィードバッ
    ク信号と基準信号とを比較してステップ(a)における
    処理薬品を供給する速度を制御するための制御信号を発
    生するステップを備える方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の方法において、前記外部電
    圧を印加するステップ(b)がDC電圧を印加するステッ
    プを備える方法。
  4. 【請求項4】請求項1記載の方法において、前記外部電
    圧を印加するステップ(b)が電圧パルス列を印加する
    ステップを備える方法。
  5. 【請求項5】請求項4記載の方法において、前記電流を
    測定するステップ(c)が、非ファラデー充電を許可す
    るため前記パルス列の電圧パルスの印加後に電流を測定
    するステッを備える方法。
  6. 【請求項6】請求項1記載の方法において、 (f)被着物を前記動作電極から除去するのに十分な電
    流を前記動作電極へ付与するステップを更に備える方
    法。
  7. 【請求項7】請求項1記載の方法において、 処理薬品が前記溶液に導入される前にバックグラウンド
    信号を測定するステップと、 処理薬品が前記溶液に導入されてしまった後の前記フィ
    ードバック信号から前記バックグラウンド信号を引き算
    するステップと を更に備える方法。
  8. 【請求項8】溶液に加えられるべき処理薬品の量を制御
    する装置において、 処理薬品と溶液の混合物を得るため処理薬品を溶液に供
    給する手段と、 ボルタンメトリック・センサーであって、 基準電極と、 動作電極と、 前記基準電極及び前記動作電極が前記混合物に浸けられ
    且つ接触しながら当該基準電極と動作電極の間に電圧を
    印加する手段と、 前記動作電極を通って流れる電流を測定する手段と、 前記の測定された電流を、前記混合物の中の物質の濃度
    を示すフィードバック信号に変換する手段とを含む当該
    ボルタンメトリック・センサーと、 処理薬品を供給する速度を制御するように前記フィード
    バック信号を前記供給する手段へ印加する手段と を備える装置。
  9. 【請求項9】請求項8記載の装置において、前記フィー
    ドバック信号を基準信号と比較して処理薬品を溶液に供
    給する速度を制御するため前記供給する手段に対して制
    御信号を発生する手段を更に備える装置。
  10. 【請求項10】請求項8記載の装置において、被着物を
    前記動作電極から除去するのに十分な電流を前記動作電
    極へ付与する手段を更に備える装置。
  11. 【請求項11】請求項8記載の装置において、 処理薬品が前記溶液に導入される前にバックグラウンド
    信号を測定する手段と、 処理薬品が前記溶液に導入されてしまった後の前記フィ
    ードバック信号から前記バックグラウンド信号を引き算
    する手段と を更に備える装置。
  12. 【請求項12】溶液の処理薬品を制御する方法におい
    て、 (a)処理薬品と溶液の混合物を得るため処理薬品を溶
    液に供給するステップと、 (b)ボルタンメトリック・センサーのカウンタ電極と
    動作電極とが前記混合物に浸され且つ接触しながら当該
    カウンタ電極と動作電極の間に外部電圧を印加するステ
    ップと、 (c)前記ボルタンメトリック・センサーの基準電極と
    動作電極の間の電圧を所望の電圧レベルに維持するステ
    ップと、 (d)前記動作電極を通って流れる電流を測定するステ
    ップと、 (e)前記の測定された電流を、前記混合物の中の物質
    の濃度を示すフィードバック信号に変換するステップ
    と、 (f)ステップ(a)における処理薬品を供給する速度
    を制御するため前記フィードバック信号を用いるステッ
    プと を備える方法。
  13. 【請求項13】請求項12記載の方法において、前記外部
    電圧を印加するステップ(b)はDC電圧を印加するステ
    ップを備える方法。
  14. 【請求項14】請求項12記載の方法において、前記外部
    電圧を印加するステップ(b)は電圧パルス列を印加す
    るステップを備える方法。
  15. 【請求項15】請求項14記載の方法において、前記電流
    を測定するステップ(d)が、非ファラデー充電電流を
    減衰させるため前記パルス列の電圧パルスの印加後に電
    流を測定するステップを備える方法。
  16. 【請求項16】請求項12記載の方法において、 (g)被着物を前記動作電極から除去するのに十分な電
    流を前記動作電極へ付与するステップを更に備える方
    法。
  17. 【請求項17】請求項12記載の方法において、 処理薬品が前記溶液に導入される前にバックグラウンド
    信号を測定するステップと、 処理薬品が前記溶液に導入されてしまった後の前記フィ
    ードバック信号から前記バックグラウンド信号を引き算
    するステップと を更に備える方法。
  18. 【請求項18】溶液に加えられるべき処理薬品の量を制
    御するシステムにおけるフィードバック信号を生成する
    装置であって、 処理薬品と溶液の混合物を得るため処理薬品を溶液に供
    給する手段と、 ボルタンメトリック・センサーであって、 基準電極と、 動作電極と、 カウンタ電極と、 前記電極が前記混合物に浸けられ且つ接触しながら前記
    カウンタ電極と動作電極の間に外部電圧を印加する手段
    と、 前記基準電極と動作電極の間の電圧を所望の電圧に維持
    する手段と、 前記動作電極を通って流れる電流を測定する手段と、 前記の測定された電流を、前記混合物の中の物質の濃度
    を示すフィードバック信号に変換する手段とを含む当該
    ボルタンメトリック・センサーと、 処理薬品を前記溶液に供給する速度を制御するため前記
    フィードバック信号を用いる手段と を備える装置。
  19. 【請求項19】請求項18記載の装置において、被着物を
    前記動作電極から除去するのに十分な電流を前記動作電
    極へ付与する手段を更に備える装置。
  20. 【請求項20】請求項18記載の装置において、 処理薬品が前記溶液に導入される前にバックグラウンド
    信号を測定する手段と、 処理薬品が前記溶液に導入されてしまった後の前記フィ
    ードバック信号から前記バックグラウンド信号を引き算
    する手段と を更に備える装置。
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