JP3249961B2 - 画像復号化方法 - Google Patents

画像復号化方法

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JP3249961B2
JP3249961B2 JP2001056764A JP2001056764A JP3249961B2 JP 3249961 B2 JP3249961 B2 JP 3249961B2 JP 2001056764 A JP2001056764 A JP 2001056764A JP 2001056764 A JP2001056764 A JP 2001056764A JP 3249961 B2 JP3249961 B2 JP 3249961B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像復号化方法に関
し、特に、物体単位で画像信号を効率よく扱うために、
物体の形状情報を有する画像信号を、より低ビット数で
画質を損なうことなく記録及び伝送するための画像符号
化処理に対応する画像復号化処理に関するものである
【0002】
【従来の技術】画像をデジタル化し、デジタルの画像デ
ータを得る技術については、デジタルデータの記録、伝
送、編集、複製および伝送等における扱いの容易さから
普及と発展が著しい分野となっている。デジタル化の利
点の一つとして、データを容易に圧縮可能であるという
点が挙げられ、特に記録や伝送のためには圧縮符号化は
重要な技術である。かかる圧縮符号化の技術について
は、国際的規格も確立され、中でもMPEG規格は、映
像や音声を扱い得る一般的なデジタル規格として普及し
ている。
【0003】デジタル画像の圧縮符号化に際しては、画
像がデジタル化された、一連の静止画像からなる画像デ
ータが処理対象となる。一般に、圧縮符号化において
は、1フレーム(1画面相当)の静止画像について、そ
の空間的相関関係(フレーム内の相関関係)に基づい
て、冗長性を除いて圧縮を行うフレーム内符号化と、時
間的に近接する、例えば時間的に連続するフレームの静
止画像について、その時間的相関関係(フレーム間の相
関関係)に基づいて冗長性を除いて圧縮を行うフレーム
間符号化とが行われる。
【0004】MPEG等に準拠した、従来の技術による
画像符号化では、基本的にフレーム内符号化を行うもの
であるが、フレーム間符号化をも行うことで、高圧縮率
の符号化データが得られる。フレーム間符号化を行うた
めには、符号化の逆処理である復号化処理や、動き検出
・動き補償処理を実行することにより、予測画像を生成
し、この予測画像を参照画像として用いて、符号化対象
画像との差分を取得する必要があるので、復号化や動き
検出・補償処理を必要とする分、装置にとっての処理負
担の増大を招くこととなる。しかし、予測画像の精度が
良い場合には、差分は小さなものとなることから、差分
を符号化処理することで、符号化対象画像そのものを符
号化処理するよりも、符号化効率を向上できる。
【0005】フレーム間符号化を行う場合の予測方法に
ついては、一連の静止画像のうち符号化対象であるデー
タより時系列的に前に位置するデータに基づく順方向予
測、符号化対象であるデータより時系列的に後に位置す
るデータに基づく逆方向予測、および符号化対象である
データに対して時系列的にその前後に位置するデータに
基づく双方向予測のいずれかがなされる。なお、一般
に、フレーム内符号化を「I」(intra frame coding)、
順方向予測符号化を「P」(predictive coding)、双方
向予測符号化(逆方向を含む)を「B」(bidirectional
ly predictive coding) と表記する。
【0006】フレーム内符号化のみを行う場合、又はフ
レーム内符号化と順方向予測符号化とを行う場合には、
符号化対象である一連の静止画像を単純に時系列に従っ
て処理することも可能であるが、逆方向予測符号化、ま
たは双方向予測符号化を行う場合には、時系列において
符号化対象データの後に位置するデータを先に符号化処
理しておく必要が生じる。従って、一般に、フレーム間
符号化をも行う場合には、符号化対象である画像データ
を構成するフレームごとに、フレーム内符号化を行うI
フレームであるか、順方向予測符号化を行うことができ
るPフレームであるか、双方向予測符号化を行うことが
できるBフレームであるかを定めておき、処理対象とす
るデータがIフレームであればフレーム内符号化を行
い、処理対象とするデータがPフレーム、またはBフレ
ームであればフレーム内符号化、またはフレーム間符号
化を行う。このような符号化処理を行う場合には、符号
化装置において、Iフレーム、Pフレーム、およびBフ
レームの比率を、符号化結果の用途等に対応して設定し
ておくことができる。
【0007】図14は従来の技術による、フレーム内・
フレーム間符号化処理を説明するための図である。同図
において、1400〜1406は、符号化対象である画
像を構成する各フレームであり、それぞれの時刻はt0〜
t6であり、時刻t0〜t6は、この順の時系列を有するもの
である。1400〜1406のフレームのうち、フレー
ム1400はIフレーム、フレーム1403、およびフ
レーム1406はPフレーム、そして、フレーム140
1、1402、1404、および1405はBフレーム
である。
【0008】図14における矢印は、フレームごとの符
号化処理における参照関係を示すものである。Iフレー
ムであるフレーム1400は、他のフレームを参照する
ことなく、単独でフレーム内符号化される。Pフレーム
であるフレーム1403は、時系列的にその前に位置す
るフレーム1400を参照して符号化することができ
る。Bフレームであるフレーム1401は、時系列的に
その前に位置するフレーム1400と、時系列的にその
後に位置するフレーム1403とのいずれか、または双
方を参照して符号化することができる。
【0009】このため、前述のように、フレーム140
3を、時系列的にはその前に位置するフレーム1401
やフレーム1402より先に符号化しておく必要があ
り、IフレームやPフレームをBフレームより優先して
先に符号化することとなる。また、いずれのフレームも
Bフレームを参照して符号化されることはない。
【0010】双方向予測をも行って符号化処理をする場
合には、Bフレームに対する符号化処理において、前後
のフレームを参照してフレーム間符号化するものとする
こと、あるいは前フレーム、後フレーム、両フレームの
うちから参照フレームを選択してフレーム間符号化する
ものとすること、あるいは、フレーム内符号化をも選択
枝に加えることなどを、符号化装置において設定するこ
とが可能である。
【0011】前述のように、フレーム間符号化を行うこ
とは、特に双方向予測をも行う場合には、処理負担の増
大を伴うものであり、また、時間的に近接するデータを
保持するための記憶手段、すなわちメモリの容量も大き
なものが必要となる。しかし、精度の高い予測を行うこ
とにより、該予測によって得られた予測画像と、符号化
対象画像との差分の量は小さなものとなり、符号化効率
の向上が図り得るものである。従って、装置性能、画像
の性質、要求される符号化データの質などに応じて符号
化方法の設定がされていた。
【0012】一方、画像信号を物体(オブジェクト)単
位で符号化する方法も近年一般化している。このような
符号化方法の検討は現在ISO のMPEG4 で標準化が行われ
ており、1996年11月にはビデオ検証モデルVM5.0 と呼ば
れるものが策定された。物体単位の画像信号はテクスチ
ャと呼ばれる、輝度や色を示す画素値信号と、物体の形
状を表す形状信号とで構成される。このような形式の画
像信号は、コンピュータ・グラフィックスの分野を中心
として、番組制作部門などの、映像のソースを作成する
分野で利用されつつある。
【0013】図15は、従来の技術による、物体単位の
符号化を説明するための図、また図16は物体単位の符
号化のため信号処理を説明するための図である。図15
(a)は、符号化処理対象の一例として、背景画像と前景
画像とより構成される画像の一例(水槽中を泳ぐ金魚)
を、同図(b)は前景画像(金魚)を、また、同図(c)は背
景画像(水槽中の水草、および水)を示している。
【0014】このような背景画像と前景画像とを合成す
るためには、合成によって得られる画像を構成する各画
素について、前景と背景とのいずれの画像を表示するか
を特定するための情報が必要である。このため、図15
(b)に示す前景画像は、図16(a)に示す画素値信号と、
同図16(b)に示す形状信号とで構成され、形状信号に
より画像表示を指定するものとする。この場合の画素値
信号は、金魚のテクスチャを示す信号であり、各画素の
輝度信号と色差信号とを含むものである。また形状信号
は金魚の形状輪郭であるプロフィールを示す信号であ
り、輪郭内部を値「1」、輪郭外部は値「0」とする2
値信号である。この形状信号は、図では黒部分で示す値
「1」となる領域については、画像合成の際に前景とし
て表示することを示す信号である。一般に物体単位での
符号化を行う場合には、特定の物体について、画素値信
号と、形状信号とを用いることとし、当該特定の物体以
外の部分については、画素値信号のみを用いることとし
て、効率的な符号化処理が図られる。上記のように、こ
の場合には、前景画像である金魚を特定の物体として扱
われる。
【0015】図16(a)に示す画素値信号の符号化につ
いては、前述のように時間的な相関性があることに基づ
いて、すでに符号化された画素値信号を復号化して得ら
れた信号を参照して符号化することにより、符号化効率
の向上が図られている。また、2つの画像を適応的に切
り替えて参照することで、1つの画像の画素値信号を参
照するよりもさらに符号化効率を高くするような符号化
方法も用いられており、ISO MPEG1/2 やITU-T H.261 等
の規格においては、このような2つの画像を参照した符
号化についての規定がなされている。
【0016】図17、および図18は、かかる複数画像
の参照を伴う、画素値信号の符号化を説明するための図
である。図17(a),(b),(c)は前景画像を構成する、時
刻t0、時刻t1、時刻t2における入力画像の画素値信号を
示す。図示するように、3つの入力画素値信号は、図1
4の場合と同様に一つの時系列上に並ぶものであり、時
刻t0の信号は時刻t1の信号より時系列的に前に位置し、
時刻t2の信号は時刻t1の信号より時系列的に後に位置す
るものとなる。同図(b)に示す時刻t1の入力画像の画素
値信号は、同図(a)に示す前時刻t0の画素値信号、及び
同図(c)に示す後時刻t2の画素値信号と相関があるもの
となっている。
【0017】図18(a)と同図(c)とは、図17(a)と同
図(c)とに示す画素値信号を符号化した後復号化して得
られた復号化画素値信号を示す。図17で示した相関関
係に基づき、図18(a)と同図(c)とに示す時刻t0と時刻
t2との復号化画像の画素値信号を用いて、同図(b)に示
す時刻t1の予測画像を精度良く生成することができる。
【0018】予測画像については、代表的な方法によれ
ば、時刻t0及び時刻t2の復号化済画像を各々動き補償し
て、それらの平均値を時刻t1の予測画像とすることによ
り生成することができる。時刻t1の予測画像は時刻t1の
入力画像と大きな相関があるので、時刻t1の予測画像を
参照して時刻t1の入力画像を符号化する。すなわち、時
系列的に前後に位置する画像に基づいて生成した予測画
像と入力画像との差分画像を取得して、この差分画像の
画素値信号を符号化処理する。
【0019】このように、符号化対象の画像が、時系列
的に前後に位置する画像と相関性が強い場合には、時系
列的に前に位置する画像と、時系列的に後に位置する画
像とを予測画像の生成に用いることで、いずれか一方を
用いるよりも精度の良い予測をし得ることが期待でき
る。予測の精度が良いならば、差分画像の画素値信号は
データ量が少ないものとなるので、効率のよい符号化が
実現できる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】物体単位での符号化を
行う場合、画素値信号については、上述のように時間的
な相関関係に基づいて符号化効率を向上することが図ら
れている。一方、これにともなう形状信号の符号化につ
いては、フレーム内符号化のみを行う場合、または順方
向予測のみを伴うフレーム間符号化を行う場合には、画
素値信号と同様に扱い得るものであった。しかし、双方
向予測を伴うフレーム間符号化を行う場合には、形状信
号の符号化処理において、画素値信号と同様の処理を行
うことで、処理の効率が低下することがある点が問題と
なっていた。
【0021】画素値信号は輝度信号と色信号とを含む多
値信号であることから、上記のような平均値を取得する
演算により、良好な予測画像が得られる可能性が高いも
のとなるので、時間的に近接するデータを保持し、差分
取得や平均値取得の演算処理を行って符号化効率の向上
を図り得るものである。これに対して、上述のような2
値の形状信号に関して、例えば、複数の参照情報を用い
て平均値を取得することによって、良好な予測を行おう
としても、取得した平均値が2値のいずれでもない場合
には、2値のいずれかを用いざるを得ないこととなり、
かかる場合には平均値を取得する演算処理を行うメリッ
トはあまりない。総じて、2値信号である形状信号につ
いては、時間的に近接するデータを保持し、平均値の取
得等のような処理をすることで、必ずしも予測の精度が
向上し得るものではなく、装置資源の活用を阻害した
り、符号化処理における効率を低下させる場合もある。
【0022】従来の技術による画像符号化において、画
素値信号と形状信号とを同様に処理する場合には、双方
向予測を伴う符号化処理には、上述のように処理の効率
が低下する点が問題となっていた。また、このように、
画素値信号に対しての符号化効率を向上する手法が単純
には応用しがたいという事情から、従来の技術におい
て、形状信号についてはファクシミリ等で用いられる二
値信号用の可逆的圧縮符号化方法を用いるなど、画素値
信号と別途に処理されて記録・伝送される等の扱いがさ
れる場合もあった。しかし、このような可逆的な方法は
非可逆的な方法より一般的に圧縮効率が劣るものであっ
て、あまり符号化効率や処理効率の向上を図り得るもの
ではない。
【0023】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であり、それぞれ適切な画素値信号及び形状信号を参照
して効率よく符号化処理が施された符号化画素値信号及
び符号化形状信号に対して、適切な復号化処理を施すこ
とができる画像復号化方法を提供することを目的とす
る。
【0024】
【課題を解決するための手段】この発明係る画像復号
方法は、画像信号に含まれる、物体の形状を示す形状
信号と、上記物体の色と輝度とに関する情報を有する画
素値信号とを符号化して得られる、符号化形状信号と、
符号化画素値信号とを復号化する画像復号化方法であっ
て、上記符号化画素値信号を、符号化処理における参照
方法を示す情報を含む画素値予測選択信号に基づいて選
択された復号化画素値信号を参照して復号化する画素値
復号化ステップと、上記符号化形状信号を、符号化処理
における参照方法を示す情報と復号化の対象となる符号
化形状に対して画面内復号化と画面間復号化のどちらを
実行すべきかを示す情報とを含む形状予測選択信号に基
づいて選択された復号化形状信号を参照して復号化する
形状復号化ステップとを含み、上記画素値復号化ステッ
プにおける参照方法は、復号化の対象となる符号化画素
値信号に対して時系列的に前に位置する画素値信号から
得られた前時刻復号化画素値信号を参照する方法、上記
復号化の対象となる符号化画素値信号に対して時系列的
に後に位置する画素値信号から得られた後時刻復号化画
素値信号を参照する方法、または上記復号化の対象とな
る符号化画素値信号に対して時系列的に前後に位置する
画素値信号から得られた上記前時刻復号化画素値信号と
上記後時刻復号化画素値信号とを参照する方法のいずれ
かであり、上記形状復号化ステップにおける参照方法
は、復号化の対象となる符号化形状信号に対して時系列
的に前に位置する形状信号から得られた前時刻形状復号
化信号を参照する方法、または復号化の対象となる符号
化形状信号に対して時系列的に後に位置する形状信号か
ら得られた後時刻形状復号化信号を参照する方法のいず
れかであることを特徴とするものである。
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【発明の実施の形態】実施の形態1.本発明の実施の形
態1による画像符号化方法、および画像符号化装置は、
画素値信号、および形状信号のそれぞれに対して、参照
信号を切り換えて用いることにより、符号化効率の向上
を図るものである。図1は、本実施の形態1による画像
符号化装置の構成を示すブロック図である。図示するよ
うに本実施の形態1による画像符号化装置は、減算器1
01、符号化器(画素値信号用)102、復号化器(画
素値信号用)103、加算器104、第1のスイッチ回
路105、第2のスイッチ回路106、メモリ(復号化
画素値信号記憶用1)107、メモリ(復号化画素値信
号記憶用2)108、平均値計算器109、予測切り換
え器110、符号化器(形状信号用)111、復号化器
(形状信号用)112、第3のスイッチ回路113、第
4のスイッチ回路114、メモリ(復号化形状信号記憶
用1)115、およびメモリ(復号化形状信号記憶用
2)116を備えたものである。
【0031】同図において、減算器101は、当該画像
符号化装置の装置入力である入力画素値信号S151
と、後述する第2のスイッチ回路106から出力される
参照画素値信号S155との差分を演算し、差分画素値
信号S152を生成する。符号化器(画素値信号用)1
02は、差分画素値信号S152を圧縮符号化し、符号
化画素値信号S153を生成する。復号化器(画素値信
号用)103は、符号化画素値信号S153に対して、
符号化処理の逆処理である復号化処理を行い、符号化復
号化画素値信号S154を生成する。加算器104は、
符号化復号化画素値信号S154と、第2のスイッチ回
路106から出力される参照画素値信号S155とを加
算処理し、復号化画素値信号S156を生成する。
【0032】第1のスイッチ回路105は、予測切り換
え器110から入力される復号化画素値切り換え信号S
171に対応して、復号化画素値信号S156の出力先
を切り換える。第1のスイッチ回路105の切り換えに
より、復号化画素値信号S156は、メモリ107、ま
たはメモリ108に入力されて保持されるか、またはい
ずれのメモリにも入力されないこととなるかのいずれか
となる。
【0033】第2のスイッチ回路106は、予測切り換
え器110から入力される参照画素値切り換え信号S1
72に対応して、参照画素値信号S155として用いる
信号を選択する。第2のスイッチ回路106の選択によ
り、メモリ107において保持された第1の記憶復号化
画素値信号S157、メモリ108において保持された
第2の記憶復号化画素値信号S158、平均値計算機1
09により取得された平均復号化画素値信号S159、
または所定値のいずれかが参照画素値信号として用いら
れることとなる。ここでは、所定値とは符号化器102
がフレーム内符号化をするときに用いられる固定の画素
データであるものとする。また、選択された参照画素値
信号S155は、減算器101と、加算器104とに出
力される。
【0034】メモリ107、および108は、第1のス
イッチ回路105から入力された復号化画素値信号S1
56をフレーム単位で記憶する。平均値計算器109
は、第1のスイッチ回路105の切り換えによってメモ
リ107、および108において保持された、時間的に
異なるフレームの復号化画素値信号を入力して、その平
均値を取得し、平均復号化画素値信号S159を生成す
る。本実施の形態1においては、メモリ107、および
メモリ108に記憶される復号化画素値信号は、符号化
対象である画素値信号より時系列的に前に位置する画素
値信号から得られた前時刻復号化画素値信号、および符
号化対象である画素値信号より時系列的に後に位置する
画素値信号から得られた後時刻復号化画素値信号のいず
れかとなるように制御されるものである。
【0035】減算器101、符号化器102、復号化器
103、加算器104、平均値計算器109、メモリ1
07、メモリ108、第1のスイッチ回路105、およ
び第2のスイッチ回路106は、復号化された画素値信
号を参照して入力画素値信号を符号化する画素値符号化
手段として機能する。
【0036】予測切り換え器110は、第1〜第4のス
イッチ回路に対して、制御用信号である復号化画素値切
り換え信号S171、参照画素値切り換え信号S17
2、復号化形状切り換え信号S173、および参照形状
切り換え信号S174を出力することによって、それぞ
れのスイッチ回路における、復号化画素値信号の出力
先、参照画素値信号の選択、復号化形状信号の出力先、
参照形状信号の選択の切り替えを制御する。そして、予
測切り換え器110は、参照画素値信号を特定する参照
画素値指定信号として用いる参照画素値切り換え信号
と、参照形状信号を特定する参照形状指定信号として用
いる参照形状切り換え信号との出力結果を符号化処理し
て得られる予測選択信号S175を生成して、復号化装
置に通知するよう出力する、符号化参照特定信号生成手
段として機能する。
【0037】符号化器(形状信号用)111は、当該画
像符号化装置の装置入力である入力形状信号S161に
対して、後述する第4のスイッチ回路114から出力さ
れる参照形状信号S166を参照した圧縮符号化処理を
行い、符号化形状信号S162を生成する。復号化器
(形状信号用)112は、符号化形状信号S162に対
して、第4のスイッチ回路114から出力される参照形
状信号S166を参照した、符号化処理の逆処理である
復号化処理を行い、復号化形状信号S163を生成す
る。
【0038】第3のスイッチ回路113は、予測切り換
え器110から入力される復号化形状切り換え信号S1
73に対応して、復号化形状信号S163の出力先を切
り換える。第3のスイッチ回路113の切り換えによ
り、復号化形状信号S163は、メモリ115、または
メモリ116に入力されて保持されるか、またはどちら
のメモリにも入力されないこととなるかのいずれかとな
る。
【0039】第4のスイッチ回路114は、予測切り換
え器110から入力される参照形状切り換え信号S17
4に対応して、参照形状信号S166として用いる信号
を選択する。第4のスイッチ回路114の選択により、
メモリ115において保持された第1の記憶復号化形状
信号S164、メモリ116において保持された第2の
記憶復号化形状信号S165、または所定値のいずれか
が参照形状信号として用いられることとなる。また、選
択された参照形状信号S166は、符号化器111と、
復号化器112とに出力される。
【0040】メモリ115、および116は、第3のス
イッチ回路113から入力された復号化形状信号S16
3をフレーム単位で記憶する。本実施の形態1において
は、メモリ115、およびメモリ116に記憶される復
号化形状信号は、符号化対象である形状信号より時系列
的に前に位置する形状信号から得られた前時刻復号化形
状信号、および符号化対象である形状信号より時系列的
に後に位置する形状信号から得られた後時刻復号化形状
信号のいずれかとなるように制御されるものである。
【0041】符号化器111、復号化器112、メモリ
115、および116、第3のスイッチ回路113、第
4のスイッチ回路114は、復号化された形状信号を参
照して形状信号を符号化する形状符号化手段として機能
する。
【0042】図2は、本実施の形態1による画像符号化
装置における形状信号の符号化を説明するための図であ
る。以下に、本実施の形態1による画像符号化装置の動
作を、図1、および図2を用いて説明する。本実施の形
態1による画像符号化装置の装置入力である、入力画素
値信号S151と入力形状信号S161とが本装置に入
力されると、入力画素値信号S151は減算器101
に、入力形状信号S161は符号化器(形状信号用)1
11に入力される。
【0043】減算器101においては、入力画素値信号
S151と、第2のスイッチ回路106より出力される
参照画素値信号S155とが入力され、減算処理によっ
て得られる差分画素値信号S152が符号化器102に
出力される。符号化器102は差分画素値信号S152
に対して、所定の圧縮符号化処理を行い、符号化画素値
信号S153を生成する。符号化画素値信号S153
は、本実施の形態1による画像符号化装置の装置出力の
一部となるとともに、復号化器103にも入力される。
復号化器103は、入力された符号化画素値信号S15
3に対して、符号化器102における符号化処理の逆処
理である復号化処理を行い、符号化復号化画素値信号S
154を生成する。符号化復号化画素値信号S154
は、加算器104に出力される。加算器104において
は、符号化復号化画素値信号S154と、第2のスイッ
チ回路106より出力される参照画素値信号S155と
が入力され、加算処理によって得られる復号化画素値信
号S156が第1のスイッチ回路105に出力される。
【0044】第1のスイッチ回路105は、予測切り換
え器110が出力する復号化画素値切り換え信号S17
1に従って、入力された復号化画素値信号S156を、
メモリ107、またはメモリ108に出力する。メモリ
107、メモリ108においては、入力された復号化画
素値信号S156がフレーム単位で記憶される。第1の
スイッチ回路105は、復号化画素値切り換え信号S1
71が、復号化画素値信号S156を保持しないように
指示した場合には、復号化画素値信号S156を廃棄
し、いずれのメモリにも出力しない。
【0045】予測切り換え器110は、原則として第1
のスイッチ回路105からは、復号化画素値信号S15
6が、メモリ107、およびメモリ108に交互に出力
されるように、直前に出力したメモリとは異なるメモリ
に対して復号化画素値信号S156を出力するように、
復号化画素値切り換え信号S171によって指示を行
う。また、復号化画素値信号S156が、符号化処理に
おいて参照されることのない信号である場合は、復号化
画素値切り換え信号S171により、復号化画素値信号
S156を廃棄するように指示するものである。
【0046】メモリ107、またはメモリ108に入力
された復号化画素値信号S156は、それぞれ第1の記
憶復号化画素値信号S157、第2の記憶復号化画素値
信号S158として保持される。また、第1の記憶復号
化画素値信号S157と、第2の記憶復号化画素値信号
S158とは、平均値計算器109に入力され、平均値
計算器109は、両者の平均を取得することによって平
均復号化画素値信号S159を生成する。
【0047】第2のスイッチ回路106は、予測切り換
え器110からの参照画素値切り換え信号S172に従
って、所定値、第1の記憶復号化画素値信号S157、
第2の記憶復号化画素値信号S158、または平均復号
化画素値信号S159のうちからいずれか一つを選択
し、該選択した信号を参照画素値信号S155として、
減算器101と、加算器104とに出力する。
【0048】予測切り換え器110からの参照画素値切
り換え信号S172を用いた、第2のスイッチ回路10
6に対しての切り換え指示は以下のように行われる。符
号化器102において符号化処理を受ける符号化対象が
Iフレームである場合、参照処理を伴う符号化は行わな
いので、第2のスイッチ回路106では所定値が選択さ
れるように指示をする。これにより、フレーム内符号化
に用いられる所定値が、参照画素値信号S155として
出力される。
【0049】符号化器102における符号化対象がPフ
レームである場合、予測切り換え器110は、第1の記
憶復号化画素値信号S157、または第2の記憶復号化
画素値信号S158のうち、符号化対象よりも時系列的
に前のものが選択されるように第2のスイッチ回路10
6に指示をする。
【0050】符号化器102における符号化対象がBフ
レームである場合、予測切り換え器110は、第1の記
憶復号化画素値信号S157、第2の記憶復号化画素値
信号S158、または平均復号化画素値信号S159の
うちからいずれか一つが選択されるように指示をする。
本実施の形態1において、予測切り換え器110は、選
択可能な範囲において、減算器101において取得され
る差分が最小となるものを選択するものとする。これに
より、符号化対象画像より前の時刻の画像、符号化対象
画像より後の時刻の画像、あるいはその両者の平均によ
り得られる画像のうちから、参照画像として、画素値信
号における動き検出誤差の大きさを最小とするものが選
択されることとなる。
【0051】なお、符号化対象がPフレーム、またはB
フレームである場合には、フレーム内符号化、またはフ
レーム間符号化のいずれをも行うことが可能であり、予
測切り換え器110においては、諸条件に応じてフレー
ム内符号化を選択して、所定値を出力するような指示を
するものとすることもできる。
【0052】入力画素値信号S151に対する、以上の
ような符号化処理は、従来の技術によるフレーム内符号
化、およびフレーム間符号化を実行する場合と同様のも
のとなっている。特にBフレームの場合の符号化処理に
おいては、複数の参照候補のうちから選択することによ
り、符号化効率の向上を図るものとなっている。
【0053】一方、本実施の形態1による画像符号化装
置において、装置入力となる入力形状信号S161は、
符号化器(形状信号用)111に入力され、符号化器1
11において、圧縮符号化処理がなされる。この圧縮符
号化処理は、後述する第4のスイッチ回路114から出
力される復号化形状信号S166を参照して行われるも
のとなる。符号化器111からは、符号化処理によって
生成された符号化形状信号S162が、当該画像符号化
器の装置出力の一部として出力されるとともに、復号化
器(形状信号用)112にも入力される。
【0054】復号化器112は、入力された符号化形状
信号S162に対して、符号化器111における符号化
処理の逆処理である復号化処理を行い、復号化形状信号
S163を生成する。この復号化処理は、第4のスイッ
チ回路114から出力される参照形状信号S166を参
照して行われる。
【0055】復号化形状信号S163は、第3のスイッ
チ回路113に出力される。第3のスイッチ回路113
は、予測切り換え器110の出力する復号化形状切り換
え信号S173の指示に従って、入力された復号化形状
信号S163を、メモリ115、またはメモリ116に
出力する。メモリ115、メモリ116においては、入
力された復号化形状信号S163がフレーム単位で記憶
される。第3のスイッチ回路113は、復号化形状切り
換え信号S173が、復号化形状信号S163を保持し
ないように指示した場合には、復号化形状信号S163
を廃棄し、いずれのメモリにも出力しない。
【0056】予測切り換え器110は、原則として第3
のスイッチ回路113からは、復号化形状信号S163
が、メモリ115、およびメモリ116に交互に出力さ
れるように、直前に出力したメモリとは異なるメモリに
対して復号化形状信号S163を出力するように、復号
化形状切り換え信号S173によって指示を行う。ま
た、復号化形状信号S163が、符号化処理において参
照されることのない信号である場合は、復号化形状切り
換え信号S173により、復号化形状信号S163を廃
棄するように指示するものである。メモリ115、また
はメモリ116に入力された復号化形状信号S163
は、それぞれ第1の記憶復号化形状信号S164、第2
の記憶復号化形状信号S165として保持される。
【0057】第4のスイッチ回路114は、予測切り換
え器110からの参照形状切り換え信号S174に従っ
て、所定値、第1の記憶復号化形状信号S164、また
は第2の記憶復号化形状信号S165のうちからいずれ
か一つを選択し、該選択した信号を参照形状信号S16
6として、符号化器111と、復号化器112とに出力
する。
【0058】図2は、形状信号に対する、参照を伴う符
号化処理を説明するための図である。図2 (a)は、符号
化対象である時刻t1の形状信号(図2(b)参照)よりも
時系列的に前に位置する時刻t0の形状信号を符号化した
後復号化して得られた、時刻t0の復号化形状信号を示
す。また、図2(c)は、符号化対象である時刻t1の形状
信号(図2(b)参照)よりも時系列的に後に位置する時
刻t2の形状信号を符号化した後復号化して得られた、時
刻t2の復号化形状信号を示す。前述のように、2値情報
である形状信号については、時間的に近接する情報を参
照して差分値を取得することや、時系列的に前後する複
数の情報の平均を取得し、これを参照することを行って
も、それらの操作によって必ずしも符号化効率の向上を
図れるものではない。しかし、時間的な相関関係に基づ
く処理が効果的である場合もある。
【0059】図2に示すように、符号化対象である時刻
t1における画像の形状信号は、部分的には、同図(a)に
示す前時刻t0の復号化画像の形状信号や、同図(c)に示
す後時刻t2の復号化画像の形状信号と一致するものとな
っている。かかる場合に、これら時系列において前後に
近接する復号化形状信号を用いて、予測形状信号を生成
することにより、符号化効率の向上を図り得るものとな
る。そして、予測の精度の向上を図るためには、符号化
対象である形状信号の適切な単位ごとに、予測に用いる
復号化形状信号を選択してやることが望ましい。そこ
で、本実施の形態1においては、画素値信号の符号化に
おける参照画像の選択とは別個独立して、形状信号の符
号化における予測方法を選択することによって、形状信
号の符号化においても参照を伴った処理による符号化効
率の向上を図るものである。
【0060】本実施の形態1による画像符号化装置で
は、予測切り換え器110は、第4のスイッチ回路11
4における選択に対して、符号化器111における出力
ビット数が最小となるものが、参照形状信号S166と
して出力されるように、参照形状切り換え信号S174
を用いて指示するものである。これにより符号化器11
1においては、所定値である参照形状信号S166を用
いた参照をともなわないフレーム内符号化、または第
1、または第2の記憶復号化形状信号S164、または
S165である参照形状信号S166を用いた、前時
刻、または後時刻の参照形状信号を参照したフレーム間
符号化のうち、最も符号化効率の良好なものを実行する
こととなる。
【0061】入力画素値信号S151、および入力形状
信号S161に対する、上記のような符号化処理に際し
て、予測切り換え器110からは、各スイッチ回路の制
御のための、復号化画素値切り換え信号S171、参照
画素値切り換え信号S172、復号化形状切り換え信号
S173、および参照形状切り換え信号S174が生成
されて出力される。予測切り換え器110はまた、生成
した各切り換え信号を符号化して、予測選択信号S17
5を生成する。予測選択信号S175は、符号化画素値
信号S153、および符号化形状信号S162ととも
に、本実施の形態1による画像符号化装置の装置出力と
なり、復号化処理において用いられるものとなる。
【0062】このように、本実施の形態1の画像符号化
装置によれば、減算器101、符号化器(画素値信号
用)102、復号化器(画素値信号用)103、加算器
104、第1のスイッチ回路105、第2のスイッチ回
路106、メモリ107、および108、平均値計算器
109、予測切り換え器110、符号化器(形状信号
用)111、復号化器(形状信号用)112、第3のス
イッチ回路113、第4のスイッチ回路114、メモリ
115、および116を備えたので、予測切り換え器1
10が、第2のスイッチ回路における、入力画素値信号
S151の符号化に用いる参照画素値信号の選択と、第
4のスイッチ回路における入力形状信号S161の符号
化に用いる参照形状信号の選択とを、別途独立して選択
がなされるように制御することで、入力画素値信号、お
よび入力形状信号のいずれに対しても、符号化効率の向
上を図ることが可能となる。
【0063】なお、本実施の形態1では、予測切り換え
器110による第4のスイッチ回路114の制御におい
て、符号化器111における出力ビット数を最小にする
ような選択を指示するものとしたが、これは一例であ
り、符号化対象の画像の性質、当該画像符号化装置の処
理能力や処理状況等に応じて設定することができる。例
えば、本実施の形態1による符号化結果を伝送する場合
の送信バッファの空き容量を監視し、空き容量が多い場
合にはフレーム内符号化を優先して実行するような制御
を行うことも設定により可能である。
【0064】実施の形態2.本発明の実施の形態2によ
る画像復号化方法、および画像復号化装置は、実施の形
態1による画像符号化処理によって得られた符号化結果
を適切に復号化処理するものである。図3は、本実施の
形態2による画像復号化装置の構成を示すブロック図で
ある。図示するように本実施の形態2による画像復号化
装置は、復号化器(画素値信号用)303、加算器30
4、第1のスイッチ回路305、第2のスイッチ回路3
06、メモリ(復号化画素値信号記憶用1)307、メ
モリ(復号化画素値信号記憶用2)308、平均値計算
器309、復号化器(形状信号用)312、第3のスイ
ッチ回路313、第4のスイッチ回路314、メモリ
(復号化形状信号記憶用1)315、メモリ(復号化形
状信号記憶用2)316、並べ替え用メモリ(画素値信
号用)361、並べ替え用メモリ(形状信号用)36
2、および予測切り換え器370を備えたものである。
【0065】同図において、復号化器(画素値信号用)
303、加算器304、第1のスイッチ回路305、第
2のスイッチ回路306、メモリ307、および30
8、平均値計算器309は、実施の形態1における10
3〜109と同様のものであり、復号化された参照画素
値信号を参照して、入力符号化画素値信号を復号化処理
する画素値復号化手段として機能する。復号化器(形状
信号用)312、第3のスイッチ回路313、第4のス
イッチ回路314、メモリ315、および316は、実
施の形態1における112〜116と同様のものであ
り、復号化された参照形状信号を参照して、入力符号化
形状信号を復号化処理する形状復号化手段として機能す
る。
【0066】並べ替え用メモリ361、および362
は、必要な並べ替えのために復号化結果を保持する。図
14を用いて説明したように、符号化処理において双方
向の参照をともなう符号化処理が実行された場合には、
時間的に後になる画像が先に符号化処理されることとな
る。従って、復号化処理にあたっては入力された符号化
結果を単純に入力順に復号処理して出力したのでは、元
の画像と同等の復号化結果が得られない場合もあるの
で、一旦並べ替え用メモリにおいて保持し、正しい順番
に読み出されて出力されるようにするものである。
【0067】予測切り換え器370は、入力予測選択信
号を復号化処理して、実施の形態1において予測切り換
え器110(図1)が出力した各スイッチ回路に対する
制御用の信号を取得し、これに基づいて、各スイッチ回
路に対して切り換え信号を出力する。従って、参照画素
値切り換え信号、および参照形状切り換え信号を、画素
値信号復号化、および形状信号復号化における参照信号
を指示する参照画素値指定信号、および参照形状指定信
号として生成する、復号化参照特定信号生成手段として
機能する。
【0068】このように構成された本実施の形態2によ
る画像復号化装置の動作を以下に説明する。本実施の形
態2による画像復号化装置に対して、装置入力として、
入力符号化画素値信号S353、入力符号化形状信号S
363、および入力予測選択信号S375が入力され
る。入力符号化画素値信号S353、入力符号化形状信
号S362、および入力予測選択信号S375は、実施
の形態1による画像符号化装置の装置出力である、符号
化画素値信号S153、符号化形状信号S162、およ
び予測選択信号S175にそれぞれ相当する信号であ
る。本実施の形態2による画像復号化装置において、入
力符号化画素値信号S353は復号化器(画素値信号
用)303に、入力符号化形状信号S362は復号化器
(形状信号用)312に、そして入力予測選択信号S3
75は、予測切り換え器370にそれぞれ入力される。
【0069】予測切り換え器370は入力予測選択信号
S375に対して復号化処理を行うことにより、復号化
画素値切り換え信号、参照画素値切り換え信号、復号化
形状切り換え信号、参照形状切り換え信号のうちいずれ
かの信号を取得する。予測切り換え器370は取得した
信号に基づいて、復号化画素値切り換え信号S371、
参照画素値切り換え信号S372、復号化形状切り換え
信号S373、参照形状切り換え信号S374を第1〜
第4のスイッチ回路に出力する。
【0070】復号化器(画素値信号用)303は、符号
化画素値信号S353に対して復号化処理を行い、符号
化復号化画素値信号S321を生成し、これを加算器3
04に出力する。加算器304には、第2のスイッチ回
路から出力される参照画素値信号S323が入力され、
符号化復号化画素値信号S321と、参照画素値信号S
323とが加算処理されることによって、復号化画素値
信号S322が生成される。復号化画素値信号S322
は、並べ替え用メモリ361に入力されて保持されると
ともに、第1のスイッチ回路305にも出力される。
【0071】第1のスイッチ回路305においては、実
施の形態1の場合と同様に、予測切り換え器370から
出力される復号化画素値切り換え信号S371に従っ
て、復号化画素値信号S322の出力先を切り換える。
そして、復号化画素値信号S322はいずれかのメモリ
に入力されて保持されるか、またはいずれのメモリにも
入力されないこととなる。平均値計算器309には、メ
モリ307、および308において保持された信号が入
力されて、その平均値が取得され、平均復号化画素値信
号S326が生成される。
【0072】第2のスイッチ回路306では、実施の形
態1の場合と同様に、予測切り換え器370から出力さ
れる参照画素値切り換え信号S372に従って、参照画
素値信号S323として用いる信号の選択が行われる。
この選択において、所定値、メモリ307で保持された
第1の記憶復号化画素値信号S324、メモリ308で
保持された第2の記憶復号化画素値信号S325、また
は平均復号化画素値信号S326のうちいずれかが、参
照画素値信号S323として第2のスイッチ回路306
から加算器304に出力される。
【0073】前述のように、予測切り換え器370から
出力される復号化画素値切り換え信号S371、および
参照画素値切り換え信号S372は、実施の形態1によ
る画像符号化装置が出力した信号と同じものとなってい
る。従って、実施の形態1と同様に第1のスイッチ回路
305における選択がなされることで、メモリ307、
およびメモリ308における信号の記憶が行われ、実施
の形態1と同様に第2のスイッチ回路306における選
択がなされることで、符号化処理において用いられたの
と同種の参照信号が用いられることとなる。
【0074】一方、復号化器(形状信号用)312は、
第4のスイッチ回路から入力される参照形状信号S33
2を用いて、入力符号化形状信号S362を復号化処理
し、復号化形状信号S331を生成する。復号化形状信
号S331は、並べ替え用メモリ362に入力されて保
持されるとともに、第3のスイッチ回路313にも出力
される。第3のスイッチ回路313においては、実施の
形態1の場合と同様に、予測切り換え器370から出力
される復号化形状切り換え信号S373に従って、復号
化形状信号S331の出力先を切り換える。そして、復
号化形状信号S331はいずれかのメモリに入力されて
保持されるか、またはいずれのメモリにも入力されない
こととなる。
【0075】第4のスイッチ回路314では、実施の形
態1の場合と同様に、予測切り換え器370から出力さ
れる参照形状切り換え信号S374に従って、参照形状
信号S332として用いる信号の選択が行われる。この
選択において、所定値、メモリ315で保持された第1
の記憶復号化形状信号S333、またはメモリ316で
保持された第2の記憶復号化形状信号S334のうちい
ずれかが、参照形状信号S332として第4のスイッチ
回路314から復号化器(形状信号用)312に出力さ
れる。
【0076】前述のように、予測切り換え器370から
出力される復号化形状切り換え信号S373、および参
照形状切り換え信号S374は、実施の形態1による画
像符号化装置が出力した信号と同じものとなっている。
従って、実施の形態1と同様に第3のスイッチ回路31
3における選択がなされることで、メモリ315、およ
びメモリ316における信号の記憶が行われ、実施の形
態1と同様に第4のスイッチ回路314における選択が
なされることで、符号化処理において用いられたのと同
種の参照信号が用いられることとなる。
【0077】適切な参照画素値信号S323を用いて処
理された復号化画素値信号S322と、適切な参照形状
信号S332を用いて処理された復号化形状信号S33
1とが、それぞれ並べ替え用メモリ361、および36
2において保持され、当該画像復号化装置の装置出力と
しては、画素値復号化結果S381と、形状復号化結果
S382とが出力されることとなる。
【0078】このように、本実施の形態2の画像復号化
装置によれば、復号化器(画素値信号用)303、加算
器304、第1のスイッチ回路305、第2のスイッチ
回路306、メモリ307、および308、平均値計算
器309、復号化器(形状信号用)312、第3のスイ
ッチ回路313、第4のスイッチ回路314、メモリ3
15、および316、並べ替え用メモリ(画素値信号
用)361、並べ替え用メモリ(形状信号用)362、
予測切り換え器370を備えたので、予測切り換え器3
70が、入力予測選択信号S375を復号化処理して取
得する信号に基づく制御信号を用いて、各スイッチ回路
に対する選択の指示を行うことで、実施の形態1の画像
符号化装置において効率よく符号化処理された、入力符
号化画素値信号S353と入力符号化形状信号S362
の双方を適切に復号化することが可能となる。
【0079】実施の形態3.本発明の実施の形態3によ
る画像符号化方法、および画像符号化装置は、実施の形
態1による画像符号化処理と同様に、画素値信号処理と
形状信号処理との制御を実行するものである。本実施の
形態3による画像符号化装置の構成は実施の形態1と同
様であり、説明には図1を用いる。そして、本実施の形
態3による画像符号化装置の動作についても、画素値信
号、および形状信号に対する符号化処理は実施の形態1
と同様に行われる。
【0080】本実施の形態3による画像符号化装置にお
いては、予測切り換え器110による予測選択信号S1
75の生成方法が実施の形態1とは異なる。図4は本実
施の形態3による画像符号化装置における、予測選択信
号S175の生成の際の符号割り当て方法を説明するた
めの図である。以下に本実施の形態3における予測切り
換え器110による、予測選択信号S175の生成方法
について、図4を用いて説明する。
【0081】図4(a)は、形状信号処理に関する符号割
り当てを示している。図1において、予測切り換え器1
10が、参照形状切り換え信号S174を用いて第4の
スイッチ回路114に指示した内容が、「所定値参
照」、すなわち所定値を用いる符号化であったか、「前
方参照」、すなわち時系列的に前の画像を参照する符号
化であったか、「後方参照」、すなわち時系列的に後の
画像を参照する符号化であったかに対応して、予測切り
換え器110は、符号「0」、「10」、または「1
1」を割り当てて予測選択信号S175を生成する。
【0082】図4(b)は、画素値信号処理に関する符号
割り当てを示している。図1において、予測切り換え器
110が、参照画素値切り換え信号S172を用いて第
2のスイッチ回路106に指示した内容が、「所定値参
照」、すなわち所定値を用いる符号化であったか、「前
方参照」、すなわち時系列的に前の画像を参照する符号
化であったか、「後方参照」、すなわち時系列的に後の
画像を参照する符号化であったか、「双方参照」、すな
わち時系列的に前号の画像を参照する符号化であったか
に対応して、予測切り換え器110は、符号「00」、
「01」、「10」、または「11」を割り当てて予測
選択信号S175を生成する。いずれの場合にも、ここ
で、所定値として固定値を用いることとすれば、「所定
値参照」はフレーム内符号化を意味することとなる。
【0083】このように、本実施の形態3による画像符
号化装置によれば、実施の形態1の画像符号化装置と同
様の構成において、予測切り換え器110が、入力画素
値信号の符号化処理に用いた制御信号と、入力形状信号
の符号化処理に用いた制御信号とに対応して、それぞれ
所定の符号割り当てに従って予測選択信号S175を生
成するので、実施の形態1と同様にそれぞれの入力信号
を効率よく符号化し、該符号化の際に用いた参照処理を
示す情報を復号化処理において用いて、適切な復号化処
理を実行し得るように図ることが可能となる。
【0084】なお、図4に示す符号割り当ては一例であ
り、種々の割り当て方法を用いることが可能であり、出
現頻度の高いものに短い符号長のものを割り当てて、全
体的なビット数の低減を図ることも可能である。
【0085】実施の形態4.本発明の実施の形態4によ
る画像符号化方法、および画像符号化装置は、実施の形
態3による画像符号化処理と同様に、予測選択信号の生
成方法に関するものである。本実施の形態4による画像
符号化装置の構成は実施の形態1と同様であり、説明に
は図1を用いる。そして、本実施の形態4による画像符
号化装置の動作についても、画素値信号、および形状信
号に対する符号化処理は実施の形態1と同様に行われ
る。
【0086】本実施の形態4による画像符号化装置にお
いては、予測切り換え器110による予測選択信号S1
75の生成方法が実施の形態1とは異なる。図5は本実
施の形態4による画像符号化装置における、予測選択信
号S175の生成の際の符号割り当て方法を説明するた
めの図である。以下に本実施の形態4における予測切り
換え器110による、予測選択信号S175の生成方法
について、図5を用いて説明する。
【0087】実施の形態3においては、形状信号処理に
関する情報と、画素値信号処理に関する情報とを、分離
して信号を生成するものとしたが、本実施の形態4にお
いては、両者を組み合わせて符号割り当て方法を定める
ものである。図5に示すように、本実施の形態4におい
ては、画素値信号処理と形状信号処理との双方におい
て、「所定値参照」、「前方参照」、「後方参照」が選
択された場合に最も短い符号長を割り当て、画素値信号
処理において「双方参照」が選択され、形状信号処理に
おいて「前方参照」、または「後方参照」が選択された
場合には、次に短い符号長を割り当てるものとしてい
る。
【0088】実施の形態1において説明したように、本
実施の形態4による画像符号化装置においても、画素値
信号の符号化処理と、形状信号の符号化処理とは別個独
立に制御するものであるが、一般に画素値信号における
参照信号の選択と、形状信号における参照信号の選択と
の間には相関関係が認められる。これは、一方が、例え
ば時系列的に前の画像と相関関係が高く「前方参照」が
選択される場合には、他方においても同様の選択がされ
ることが多い、ということを示している。
【0089】従って、本実施の形態4による画像符号化
装置では、予測選択信号S175の生成にあたり、かか
る相関関係を考慮した符号割り当てを用いることによ
り、発生頻度の大きな事象に短い符号長を割り当てるこ
とで、実施の形態3による場合よりも予測選択信号S1
57の符号長の低減を図り、ひいては符号化効率全体の
向上をも図り得るものである。
【0090】このように本実施の形態4の画像符号化装
置によれば、実施の形態1の画像符号化装置と同様の構
成において、予測切り換え器110が、入力画素値信号
の符号化処理に用いた制御信号と、入力形状信号の符号
化処理に用いた制御信号とに対応して、それぞれの選択
を組み合わせた所定の符号割り当てに従って予測選択信
号S175を生成するので、実施の形態1と同様にそれ
ぞれの入力信号を効率よく符号化し、さらに、該符号化
の際に用いた参照処理を示す情報を、効率よく予測選択
信号とすることが可能となる。
【0091】なお、実施の形態3と同様に、図5に示す
符号割り当ては一例であり、この例に限らず出現頻度に
応じた符号長を割り当てることによって、同様の効果を
得ることが可能である。
【0092】実施の形態5.本発明の実施の形態5によ
る画像符号化方法、および画像符号化装置は、実施の形
態3、および4による画像符号化処理と同様に、予測選
択信号の生成方法に関するものである。本実施の形態5
による画像符号化装置の構成は実施の形態1と同様であ
り、説明には図1を用いる。そして、本実施の形態5に
よる画像符号化装置の動作についても、画素値信号、お
よび形状信号に対する符号化処理は実施の形態1と同様
に行われる。
【0093】本実施の形態5による画像符号化装置にお
いては、予測切り換え器110による予測選択信号S1
75の生成方法が実施の形態1とは異なる。図6は本実
施の形態5による画像符号化装置における、予測選択信
号S175の生成の際の符号割り当て方法を説明するた
めの図である。以下に本実施の形態5における予測切り
換え器110による、予測選択信号S175の生成方法
について、図6を用いて説明する。
【0094】図6(a)は、形状信号の符号化処理に関す
る符号割り当てを示す図であり、この内容は図4(a)に
示す実施の形態3のものと同じである。図6(b)は、形
状信号の符号化処理と、画素値信号の符号化処理との組
合せに対する符号割り当てを示す図である。
【0095】本実施の形態5では、予測切り換え器11
0は、予測選択信号S175の生成にあたり、まず形状
信号処理に対応して、図6(a)に従った符号を割り当
て、次に形状信号処理と画素値信号処理との組合せに対
応して図6(b)に従った符号を割り当てる。
【0096】例えば、形状信号の処理において「前方参
照」であり、画素値信号の処理において「前方参照」で
あった場合には、まず符号「10」を、次に符号「0」
を割り当てることとなる。これに対して形状信号が「前
方参照」であり、画素値信号が「後方参照」であった場
合には、まず符号「10」を、次に符号「100」を割
り当てることになる。図6(b)は図5と同様に、形状信
号と画素値信号との相関関係を考慮し、出現頻度の高い
場合に短い符号長を割り当てるものである。
【0097】このように本実施の形態5の画像符号化装
置によれば、実施の形態1の画像符号化装置と同様の構
成において、予測切り換え器110が、まず、入力形状
信号の符号化処理に用いた制御信号に対応した符号割り
当てを行い、次いで入力形状信号と入力画素値信号との
符号化処理に用いた制御信号の組合せに対応して符号割
り当てを行って予測選択信号S175を生成するので、
実施の形態1と同様にそれぞれの入力信号を効率よく符
号化し、さらに、該符号化の際に用いた参照処理を示す
情報を、効率よく予測選択信号とすることが可能とな
る。
【0098】なお、実施の形態3、および4と同様に、
図6に示す符号割り当ては一例であり、この例に限らず
出現頻度に応じた符号長を割り当てることによって、同
様の効果を得ることが可能である。
【0099】実施の形態6.本発明の実施の形態6によ
る画像復号化方法、および画像復号化装置は、実施の形
態3による画像符号化処理によって得られた符号化結果
を適切に復号化処理するものである。本実施の形態6に
よる画像復号化装置の構成は実施の形態2と同様であ
り、説明には図3を用いる。そして、本実施の形態6に
よる画像復号化装置の動作についても、画素値信号、お
よび形状信号に対する復号化処理は実施の形態2と同様
に行われる。
【0100】本実施の形態6による画像復号化装置にお
いては、実施の形態3による画像符号化装置の出力する
符号化結果を入力するものであり、本実施の形態6によ
る画像復号化装置には、入力予測選択信号S375(図
3)として、図4に示す符号割り当てをなされた信号が
入力される。本実施の形態6による画像復号化装置で
は、予測切り換え器370がこれを正しく復号化するこ
とによって、実施の形態2と同様の復号化処理を行い、
実施の形態3による符号化結果を適切に復号化処理する
ものである。
【0101】このように、本実施の形態6による画像復
号化装置によれば、実施の形態2の画像復号化装置と同
様の構成において、実施の形態3による符号化結果を入
力し、予測切り換え器370が、入力予測選択信号S3
75を復号化するので、実施の形態3による符号化結果
を適切に復号化処理することが可能となる。
【0102】実施の形態7.本発明の実施の形態7によ
る画像復号化方法、および画像復号化装置は、実施の形
態4による画像符号化処理によって得られた符号化結果
を適切に復号化処理するものである。本実施の形態7に
よる画像復号化装置の構成は実施の形態2と同様であ
り、説明には図3を用いる。そして、本実施の形態7に
よる画像復号化装置の動作についても、画素値信号、お
よび形状信号に対する復号化処理は実施の形態2と同様
に行われる。
【0103】本実施の形態7による画像復号化装置にお
いては、実施の形態4による画像符号化装置の出力する
符号化結果を入力するものであり、本実施の形態7によ
る画像復号化装置には、入力予測選択信号S375(図
3)として、図5に示す符号割り当てをなされた信号が
入力される。本実施の形態7による画像復号化装置で
は、予測切り換え器370がこれを正しく復号化するこ
とによって、実施の形態2と同様の復号化処理を行い、
実施の形態4による符号化結果を適切に復号化処理する
ものである。
【0104】このように、本実施の形態7による画像復
号化装置によれば、実施の形態2の画像復号化装置と同
様の構成において、実施の形態4による符号化結果を入
力し、予測切り換え器370が、入力予測選択信号S3
75を復号化するので、実施の形態4による符号化結果
を適切に復号化処理することが可能となる。
【0105】実施の形態8.本発明の実施の形態8によ
る画像復号化方法、および画像復号化装置は、実施の形
態5による画像符号化処理によって得られた符号化結果
を適切に復号化処理するものである。本実施の形態8に
よる画像復号化装置の構成は実施の形態2と同様であ
り、説明には図3を用いる。そして、本実施の形態8に
よる画像復号化装置の動作についても、画素値信号、お
よび形状信号に対する復号化処理は実施の形態2と同様
に行われる。
【0106】本実施の形態8による画像復号化装置にお
いては、実施の形態5による画像符号化装置の出力する
符号化結果を入力するものであり、本実施の形態8によ
る画像復号化装置には、入力予測選択信号S375(図
3)として、図6に示す符号割り当てをなされた信号が
入力される。本実施の形態8による画像復号化装置で
は、予測切り換え器370がこれを正しく復号化するこ
とによって、実施の形態2と同様の復号化処理を行い、
実施の形態5による符号化結果を適切に復号化処理する
ものである。
【0107】このように、本実施の形態8による画像復
号化装置によれば、実施の形態2の画像復号化装置と同
様の構成において、実施の形態5による符号化結果を入
力し、予測切り換え器370が、入力予測選択信号S3
75を復号化するので、実施の形態5による符号化結果
を適切に復号化処理することが可能となる。
【0108】実施の形態9.本発明の実施の形態9によ
る画像符号化方法、および画像符号化装置は、実施の形
態1と同様の制御を実行するものであるが、画素値信号
と形状信号とに対して異なる切り換えの単位を用いて制
御をするものである。本実施の形態9による画像符号化
装置の構成は実施の形態1と同様であり、説明には図1
を用いる。そして、本実施の形態9による画像符号化装
置の動作についても、画素値信号、および形状信号に対
する符号化処理は実施の形態1と同様に行われる。
【0109】本実施の形態9による画像符号化装置にお
いては、予測切り換え器110による制御用信号の出力
が、画素値信号の処理を制御する場合と、形状信号の処
理を制御する場合とでは異なるものとなる。図7は、本
実施の形態9における制御の切り換え単位を説明するた
めの図である。同図(a)は画素値信号における参照処理
を説明するための図である。図示するように、1フレー
ム(1画面)分の画素値信号は、ブロックを単位とし
て、複数(この例では9個)のブロックから構成される
ものであって、符号化処理はこのブロックを処理単位と
して実行される。すなわち、本実施の形態9において
は、画素値信号に対する制御の切り換え単位はブロック
とするものであり、符号化対象とする入力画素値信号の
1ブロックごとに、図1における第2のスイッチ回路1
06における切り換えが実行される。
【0110】これに対して、形状信号については、図7
(b)に示すように、1フレームを制御の切り換え単位と
するものである。従って、符号化対象とする入力形状信
号の1フレームごとに、図1における第4のスイッチ回
路114における切り換えが実行される。
【0111】画素値信号においては、図7(a)に示すよ
うに、ブロックを単位として参照画像の切り換えを実行
することにより、フレームを単位とする場合よりも、予
測精度が向上する可能性が高く、一般に符号化効率の向
上を図れることとなる。これに対して、形状信号では画
素値信号とは統計的性質が大きくことなるものであり、
小さな単位で予測画像を切り換えることによって、一概
に予測精度を向上し得るものではない。これは、形状信
号においては物体の輪郭を示す部分の信号については大
きな意味を持つものであるが、輪郭外部や完全に輪郭内
部に含まれる部分の信号はあまり意味のない信号であっ
て、ほぼ均等に意味のある信号で構成される画素値信号
とは異なる性質のものであることによる。
【0112】一方、予測選択信号S175(図1)の有
する符号量は、画素値信号に対しても、形状信号に対し
ても同様に、小さな単位で切り換えを行うほど増大する
ものである。従って、形状信号については、予測精度に
影響を与えない程度に大きな単位で切り換えを実行する
ことによって、装置出力に含まれる予測選択信号S17
5の符号量を低減できる分、全体的な符号化効率の向上
を図ることが可能となる。特に、携帯端末機等の極めて
低いビットレート符号化によって、映像やデータ等を送
受信する機器の場合には、画像を構成する画素値信号や
形状信号に対して割り当てられる符号量は小さなものと
なるので、予測選択信号の符号量の影響は相対的に大き
なものとなり、符号量削減の効果は大きい。
【0113】このように本実施の形態9の画像符号化装
置によれば、実施の形態1の画像符号化装置と同様の構
成において、予測切り換え器110における制御の切り
換え単位を、画素値信号についてはブロックごと、形状
信号についてはフレームごとにすることで、切り換えの
大きさが予測精度に影響を与えにくい形状信号について
は比較的大きな単位で制御を行い、装置出力である予測
選択信号S175の符号量を低減し、全体的な符号化効
率の向上を図ることが可能となる。特に、極めて低いビ
ットレートで処理が行われる場合には適したものとな
る。
【0114】なお、本実施の形態9では、形状信号に対
する符号化処理において、常時フレームを切り換え単位
として実行するものとしたが、フレームとブロックな
ど、切り換え単位の異なる制御を併用し、または選択し
て行うものとすることも可能である。そして、かかる制
御を実行する場合には、装置出力とする予測選択信号S
175が、フレームレベルの情報とブロックレベルの情
報など、階層の異なる情報を含むものとすることがで
き、このような情報において、例えばフレームレベルの
情報は参照方法を指定するものとし、ブロックレベルの
情報はフレーム内符号化か参照を伴う符号化を指定する
ものとすることが、符号割り当ての設定等によって可能
である。
【0115】また、本実施の形態9では、形状信号につ
いては、フレームを制御の切り換え単位としたものであ
るが、これは一例であり、例えばマクロブロック単位、
あるいはより多数のブロックを単位として切り換えるこ
とも可能である。一般に画素値信号と形状信号とで制御
の切り換え単位を異なるものとし、形状信号に対しては
より大きな単位を切り換え単位とすることで同様の効果
が得られる。
【0116】実施の形態10.本発明の実施の形態10
による画像符号化方法、および画像符号化装置は、実施
の形態9と同様に、画素値信号と形状信号とに対して異
なる切り換えの単位を用いて制御をするものである。本
実施の形態10による画像符号化装置の構成は実施の形
態1と同様であり、説明には図1を用いる。そして、本
実施の形態10による画像符号化装置の動作について
も、画素値信号、および形状信号に対する符号化処理は
実施の形態1と同様に行われる。
【0117】本実施の形態10による画像符号化装置に
おいては、予測切り換え器110による制御用信号の出
力が、画素値信号の処理を制御する場合と、形状信号の
処理を制御する場合とでは異なるものとなる。本実施の
形態10において、画素値信号の処理については、実施
の形態9と同様にブロックを切り換え単位として制御す
る。そして、形状信号の処理についての制御の切り換え
単位は実施の形態9と異なるものとなる。
【0118】図8は、本実施の形態10における、形状
信号処理についての制御の切り換え単位を説明するため
の図である。同図において、フレーム804〜807
は、符号化対象となる形状信号の時系列的に近接して前
後に位置する復号化形状信号である。フレーム804〜
807は、時刻t1、時刻t2、時刻t3、時刻t4の4フレー
ム分の形状信号であり、図1においては、メモリ115
と116とに2フレーム分ずつ記憶されたものとする。
本実施の形態10において処理対象とする1フレーム分
の形状信号は、3スライスを含むものである。例えばフ
レーム807はスライス8071〜8073を含んでい
る。
【0119】スライス801は、符号化対象となる、時
刻teの形状信号フレームに含まれるスライスである。ス
ライス801には、斜線を付した符号化対象のブロック
が含まれている。本実施の形態10における形状信号に
対しての制御の切り換えは、フレームと、スライスとの
2つの階層からなる階層的単位となっている。本実施の
形態10においては、まず、フレーム804〜807の
4フレーム中から2フレームを選択する。選択された2
フレームからそれぞれ、スライス801に該当する位置
のスライス802とスライス803とが取得される。次
に、スライス802、スライス803、および所定値の
いずれかが選択されて参照信号として用いられることと
なる。
【0120】図1においては、予測切り換え器110が
参照形状切り換え信号S174を用いて選択を指示し、
該選択が、図8におけるスライス802、またはスライ
ス803であった場合には、メモリ115、またはメモ
リ116から該当する部分のデータが読み出されて、参
照形状信号S166として用いられることとなる。
【0121】このように本実施の形態10の画像符号化
装置によれば、実施の形態1の画像符号化装置と同様の
構成において、予測切り換え器110における制御の切
り換え単位を、画素値信号についてはブロックごと、形
状信号については大ブロック単位であるフレームと、小
ブロック単位であるスライスとの階層的単位とすること
で、切り換えの大きさが予測精度に影響を与えにくい形
状信号については比較的大きな単位で制御を行い、装置
出力である予測選択信号S175の符号量を低減し、全
体的な符号化効率の向上を図ることが可能となる。特に
極めて低いビットレートで処理が行われる場合には適し
たものとなる。
【0122】なお、本実施の形態10においても、実施
の形態9と同様に、切り換え単位(階層的単位)の異な
る制御を併用し、または適宜選択して行うものとするこ
とができ、予測選択信号が複数レベルの情報を含むもの
とすることも可能である。
【0123】また、実施の形態9、および10において
は、いずれも形状信号の処理における切り換え単位につ
いて示したものであるが、画素値信号の処理において
も、制御の切り換え単位を変更することは可能であり、
ブロックごとに切り換えを行わねばならないものではな
い。
【0124】実施の形態11.本発明の実施の形態11
による画像復号化方法、および画像復号化装置は、実施
の形態9による画像符号化処理によって得られた符号化
結果を適切に復号化処理するものである。本実施の形態
11による画像復号化装置の構成は実施の形態2と同様
であり、説明には図3を用いる。そして、本実施の形態
11による画像復号化装置の動作についても、画素値信
号、および形状信号に対する復号化処理は実施の形態2
と同様に行われる。
【0125】本実施の形態11による画像復号化装置に
おいては、実施の形態9による画像符号化装置の出力す
る符号化結果を入力するものであり、実施の形態9にお
いて説明したように、画素値信号についてはブロック
を、形状信号についてはフレームを制御の切り換え単位
とした符号化処理によって得られた符号化結果が入力さ
れる。従って、本実施の形態11においては、予測切り
換え器370(図3)がこれに対応して、適切な切り換
え単位を用いて制御信号を出力することで、実施の形態
9による符号化結果を正しく復号化処理することが可能
となる。
【0126】このように、本実施の形態11による画像
復号化装置によれば、実施の形態2の画像復号化装置と
同様の構成において、実施の形態9による符号化結果を
入力し、実施の形態9と同じ単位により制御を切り換え
るので、実施の形態9による符号化結果を適切に復号化
処理することが可能となる。
【0127】実施の形態12.本発明の実施の形態12
による画像復号化方法、および画像復号化装置は、実施
の形態10による画像符号化処理によって得られた符号
化結果を適切に復号化処理するものである。本実施の形
態12による画像復号化装置の構成は実施の形態2と同
様であり、説明には図3を用いる。そして、本実施の形
態12による画像復号化装置の動作についても、画素値
信号、および形状信号に対する復号化処理は実施の形態
2と同様に行われる。
【0128】本実施の形態12による画像復号化装置に
おいては、実施の形態10による画像符号化装置の出力
する符号化結果を入力するものであり、実施の形態10
において説明したように、形状信号についてはフレーム
とスライスとからなる階層単位を制御の切り換え単位と
した符号化処理によって得られた符号化結果が入力され
る。従って、本実施の形態12においては、予測切り換
え器370(図3)がこれに対応して、適切な切り換え
単位を用いて制御信号を出力することで、実施の形態1
0による符号化結果を正しく復号化処理することが可能
となる。
【0129】このように、本実施の形態12による画像
復号化装置によれば、実施の形態2の画像復号化装置と
同様の構成において、実施の形態10による符号化結果
を入力し、実施の形態10と同じ階層的単位により制御
を切り換えるので、実施の形態10による符号化結果を
適切に復号化処理することが可能となる。
【0130】実施の形態13.本発明の実施の形態13
による画像符号化方法、および画像符号化装置は、実施
の形態1と同様の制御を実行するものであるが、形状信
号の符号化における参照信号の選択方法が異なるもので
ある。本実施の形態13による画像符号化装置の構成は
実施の形態1と同様であり、説明には図1を用いる。以
下に本実施の形態13による画像符号化装置における符
号化処理の際の動作を説明する。
【0131】本実施の形態13による画像符号化装置に
おいては、予測切り換え器110による、参照形状切り
換え信号S174を用いた、参照形状信号選択について
の制御方法が実施の形態1とは異なるものとなる。実施
の形態1においては、参照形状信号として、所定値、時
系列的に前の(前時刻の)復号化形状信号、または時系
列的に後の(後時刻の)復号化形状信号のいずれを選択
するかについては、これらのうち、符号化器(形状信号
用)111からの出力ビット数が少なくなるものを選択
することとしていた。これに対して、本実施の形態13
では、フレーム間符号化を行う場合には、符号化対象と
なる形状信号の時刻と、前時刻、および後時刻との差を
比較し、差の少ない方の復号化形状信号を用いるもので
ある。
【0132】また、実施の形態1においては、装置出力
となる予測選択信号は、予測切り換え器から出力される
すべての切り換え信号を符号化して得られるものとした
が、参照方法を示す情報として時間情報などを用いるこ
とも可能であり、本実施の形態13においては、時刻を
示す情報を符号化処理することなく予測選択信号に含め
るものである。
【0133】図9は、本実施の形態13における画像符
号化処理を説明するための図である。同図(a)は、画素
値信号の符号化を示すものであり、従来技術の説明に用
いた図14と同様のものである。同図(b)は、同図(a)に
対応する形状信号の符号化を示すものである。図におい
て、フレーム910〜916はそれぞれ、1フレームの
画素値信号900〜906に相当する形状信号である。
図中の「I」「P」「B」と、矢印とは図14と同様、
符号化方法と参照関係とを示している。また、図中のt
0〜t6はそれぞれのフレームの時刻を示している。
【0134】本実施の形態13の画像符号化装置に入力
される画素値信号については、図14に示す従来技術に
よる符号化と同様に実行される。図9(a)に示す画素値
信号において、例えばBフレームであるフレーム901
に対しては、時系列的に前に位置するIフレーム900
と、時系列的に後に位置するPフレーム903とが参照
信号になり得るものであり、前述のように、前時刻のデ
ータと後時刻のデータとのいずれかを選択すること、ま
たは双方を用いること、例えば平均値を取得して用いる
ことで予測精度を向上することも可能である。これに対
して、形状信号の符号化処理では、前後双方を参照する
効果は必ずしも大きくないことから、本実施の形態13
では、形状信号の符号化にあたっては、いずれか一方を
参照することとするものである。
【0135】例えば、フレーム901に対応する形状信
号951に対しては、時刻t1と時刻t0の差と、時刻
t1と時刻t3の差とを比較して、差の小さな方のフレ
ームを参照信号として用いるものである。ここでは、時
刻t0との差の方が小さいので、フレーム950を参照
することを示している。他の参照関係についても同様で
ある。
【0136】図10は、本実施の形態13の画像符号化
方法における、Bフレームの画像信号を構成する画素値
信号と形状信号とに対する符号化処理の処理手順を示す
フローチャート図である。以下に、図9(a)のフレーム
901と形状信号951とに対する処理を図10のフロ
ーに従って説明する。
【0137】ステップ101において、符号化対象であ
る画像の時刻T0と、符号化対象画像を構成する画素値
信号B0と、形状信号b0とが取得される。図9におい
て、T0はt1、画素値信号B0は図9(a)のフレーム
901、形状信号は図9(b)のフレーム911である。
ステップ102においては、画素値信号B0に対しての
符号化処理において、参照信号として用いる画素値信号
P1、およびP2の時刻T1とT2とが取得される。図
9(a)に示すように、フレーム901はフレーム900
とフレーム903とを参照するものであり、T1はt
0、T2はt3となる。
【0138】ステップ103においては、ステップ10
1において取得したT0と、ステップ102において取
得したT1、およびT2との差が求められ、その絶対値
の大小が比較される。そして、比較結果に応じてステッ
プ104、またはステップ105が実行される。図9に
おいて、t1とt0との時間間隔はt0とt3との時間
間隔より小さなものであるので、ここではステップ10
4が実行されることとなる。
【0139】ステップ104では、時刻T1に相当する
形状信号p1を参照して、符号化対象である形状信号b
0が符号化処理される。図9において、時刻T1である
時刻t0に相当する形状信号は信号910であるので、
形状信号911は信号910を参照して符号化処理され
ることとなる。そして、ステップ106で符号化結果で
ある符号化形状信号が出力される。
【0140】その後ステップ107では、画素値信号B
0が、画素値信号P1、およびP2を参照して符号化処
理される。図9(a)に示すようにフレーム901は、フ
レーム900とフレーム903とを参照して符号化処理
される。そしてステップ108で符号化結果として符号
化画素値信号が出力され、当該フレームの画像信号に対
する符号化処理は終了する。
【0141】図9(a)の画素値信号のフレーム902
と、図9(b)の対応する形状信号912とが符号化処理
対象である場合には、ステップ103の判定において、
ステップ105が実行されることとなる。この場合、形
状信号912は信号913を参照して符号化されること
となる。
【0142】図10のフローに示す処理手順において、
図9(b)に示すように、Bフレームに該当する形状信号
は、時系列的に前後に位置する信号のうち、時間的によ
り近接して位置するいずれか一方の信号を参照して符号
化処理されることとなる。
【0143】図11は、本実施の形態13による画像符
号化装置の、予測切り換え器110(図1)による、画
像符号化処理制御の手順を示すフローチャート図であ
る。以下に、図11のフローに従って、本実施の形態1
3における制御を説明する。
【0144】1フレーム分の画素値信号と、対応する形
状信号が入力されたとき、図11に示す処理手順が開始
され、まずステップ1101において、入力された符号
化対象の画像データがBフレームであるか否かが判定さ
れる。ここでBフレームではなかった場合には、ステッ
プ1110に移行して、次にはPフレームであるか否か
が判定されることとなる。
【0145】Bフレームであった場合にはステップ11
02以降の処理が実行される。まず、ステップ1102
において、予測切り換え器110は、符号化対象である
画像の時刻T0と、符号化対象画像を構成する画素値信
号に対しての符号化処理において、参照信号として用い
る画素値信号P1、およびP2の時刻T1とT2とを取
得する。そして、ステップ1103では、時刻T0と時
刻T1との差の絶対値と、時刻T0と時刻T2との差の
絶対値とが比較され、比較の結果に応じてステップ11
04、またはステップ1105が実行される。
【0146】図1において、メモリ115、およびメモ
リ116には、その一方には時刻T1に相当する形状信
号に基づく復号化形状信号が、他方には時刻T2に相当
する形状信号に基づく復号化形状信号が記憶されてい
る。ステップ1104、またはステップ1105が実行
されることによって、時刻T1、または時刻T2のう
ち、いずれか時刻T0との時間間隔が小さい方の時刻に
相当する復号化形状信号が選択され、形状信号符号化処
理に用いられることとなる。このことは、図1におい
て、予測切り換え器110が、参照形状切り換え信号S
174を出力し、第1、または第2の記憶復号化形状信
号を参照形状信号S166として選択するように、第4
のスイッチ回路114を制御することで行われる。
【0147】次いでステップ1106において、予測切
り換え器110は、画素値信号の符号化処理に用いる参
照信号選択を制御する。図1のメモリ107、および1
08の一方には時刻T1の復号化画素値信号が、他方に
は時刻T2の復号化画素値信号が記憶されている。そし
て、平均値計算器109は、メモリ107、および10
8に記憶された第1、および第2の記憶復号化画素値信
号の平均として、平均復号化画素値信号を取得してい
る。予測切り換え器110は、参照画素値切り換え信号
S172を第2のスイッチ回路106に出力することに
より、第2のスイッチ回路から、平均復号化画素値信号
S159が参照画素値信号S155として出力されるよ
うに制御する。
【0148】図9に示したように、Bフレームの信号は
参照されることがないものであるため、ステップ110
7とステップ1108とにおいて予測切り換え器110
は、これらに基づく復号化信号がメモリにおいて保持さ
れないように制御する。図1において、第1のスイッチ
回路105には、時刻T0の入力画素値信号S151に
基づく復号化画素値信号S156が、また、第3のスイ
ッチ回路113には、時刻T0に相当する入力形状信号
S161に基づく復号化形状信号S163が入力されて
いる。予測切り換え器110は、第1のスイッチ回路1
05に復号化画素値切り換え信号S171を、また、第
3のスイッチ回路113に復号化形状切り換え信号S1
73を出力することにより、復号化画素値信号S15
6、および復号化形状信号S163が、いずれもメモリ
に入力されないように制御し、それぞれの復号化信号は
廃棄される。
【0149】続いてステップ1109が実行される。ス
テップ1109で予測切り換え器110は、形状信号の
参照符号化についての情報を、予測選択信号S175と
して出力する。すなわち、時刻P1、およびP2を示す
情報を符号化処理することなく予測選択信号に含めるこ
とで、このような予測選択信号S175を、当該画像符
号化装置の装置出力として出力し、符号化結果を復号化
処理する際には、時刻を示す情報を用いて復号化処理が
正しく行われるようにするものである。
【0150】ステップ1102からステップ1109が
実行されると、Bフレームの画像データに対する画像符
号化処理は終了する。次に、ステップ1101の判定に
おいてBフレームでないとされ、ステップ1102〜1
109が実行されなかった場合の、予測切り換え器11
0による制御を説明する。
【0151】ステップ1101に続いてステップ111
0が実行され、入力された画像データがPフレームであ
るか否かが判定される。ここでPフレームではなかった
場合には、ステップ1113に移行して、Iフレームに
対する処理の制御が実行されることとなる。
【0152】Pフレームであった場合にはステップ11
11〜1112の処理が実行される。ステップ1111
で予測切り換え器110は、第4のスイッチ回路114
に対して参照形状切り換え信号S174を出力すること
により、メモリ115、またはメモリ116に記憶され
た復号形状信号のいずれかを、参照形状信号S166と
して出力するように指示する。第4のスイッチ回路11
4からは、第1、または第2の記憶復号形状信号のう
ち、符号化対象である形状信号よりも時系列的に前に位
置するものが選択されて出力されることとなる。ステッ
プ1112で予測切り換え器110は、第2のスイッチ
回路106に対して参照画素値切り換え信号S172を
出力することにより、メモリ107、またはメモリ10
8に記憶された復号画素値信号のいずれかを、参照画素
値信号S155として出力するように指示する。第2の
スイッチ回路106からは、第1、または第2の記憶復
号画素値信号のうち、符号化対象である画素値信号より
も時系列的に前に位置するものが選択されて出力される
こととなる。
【0153】一方、ステップ1110の判定においてP
フレームではないとされた場合には、ステップ1113
〜ステップ1114が実行される。ステップ1113で
予測切り換え器110は、第4のスイッチ回路114に
対して参照形状切り換え信号S174を出力することに
より、所定値を参照形状信号S166として出力するよ
うに指示する。第4のスイッチ回路114からは、フレ
ーム内符号化用の固定値として設定された所定値が選択
されて出力されることとなる。ステップ1114で予測
切り換え器110は、第2のスイッチ回路106に対し
て参照画素値切り換え信号S172を出力することによ
り、所定値を、参照画素値信号S155として出力する
ように指示する。第2のスイッチ回路106からは、フ
レーム内符号化用の固定値として設定された所定値が選
択されて出力される。
【0154】ステップ1111〜1112、またはステ
ップ1113〜1114のいずれが実行された場合に
も、ステップ1112、またはステップ1114に後続
してステップ1115〜1116が実行され、復号化信
号の記憶に対する制御が実行される。
【0155】図9に示したように、Pフレーム、および
Iフレームの信号は参照されることがあるものであるた
め、ステップ1115とステップ1116とにおいて予
測切り換え器110は、これらに基づく復号化信号がメ
モリにおいて保持されるように制御する。図1におい
て、第1のスイッチ回路105には、時刻T0の入力画
素値信号S151に基づく復号化画素値信号S156
が、また、第3のスイッチ回路113には、時刻T0に
相当する入力形状信号S161に基づく復号化形状信号
S163が入力されている。予測切り換え器110は、
第1のスイッチ回路105に復号化画素値切り換え信号
S171を、また、第3のスイッチ回路113に復号化
形状切り換え信号S173を出力することにより、復号
化画素値信号S156、および復号化形状信号S163
が、直前に復号化信号が入力されなかった方のメモリに
入力されるように制御し、それぞれの復号化信号は指定
されたメモリに入力されて保持される。ステップ111
5〜1116を実行し、復号化信号がいずれかのメモリ
に記憶されたならば、Pフレーム、またはIフレームの
入力画像信号に対する処理は終了する。
【0156】このように、本実施の形態13による画像
符号化装置によれば、実施の形態1の画像符号化装置と
同様の構成において、予測切り換え器110が、入力画
素値信号の符号化処理と、入力形状信号の符号化処理と
に、それぞれ適切な参照方法が実行されるように制御す
るので、実施の形態1と同様にそれぞれの入力信号を効
率よく符号化し、該符号化の際に用いた参照処理を示す
情報を復号化処理において用いて、適切な復号化処理を
実行し得るように図ることが可能となる。
【0157】実施の形態14.本発明の実施の形態14
による画像符号化方法、および画像符号化装置は、実施
の形態13と同様に、形状信号の符号化において、画素
値信号と異なる参照方法を用いるものであり、実施の形
態13とは参照信号の選択方法が異なるものである。本
実施の形態14による画像符号化装置の構成は実施の形
態1と同様であり、説明には図1を用いる。以下に本実
施の形態14による画像符号化装置における符号化処理
の際の動作を説明する。
【0158】本実施の形態14による画像符号化装置
は、ほぼ実施の形態13と同様の動作となるが、入力し
た画像信号がBフレームであった場合の参照方法が実施
の形態13とは異なるものとなる。実施の形態13にお
いては、図9(b)に示したように、Bフレームの画素値
信号に相当する形状信号については、時系列的に前に位
置する形状信号か、時系列的に後に位置する形状信号か
のいずれかを選択して参照信号として用いるものであ
る。そして、その選択にあたっては、符号化対象である
形状信号と、前後に位置する形状信号との時間的間隔を
比較し、より時間的間隔の小さいものを選択するもので
ある。
【0159】これに対して本実施の形態14では、常に
時系列的に前に位置する形状信号を参照信号として用い
る。図9(b)に示す実施の形態13では、形状信号91
1の符号化では形状信号910を参照し、形状信号91
2の符号化では形状信号913を参照するものである
が、本実施の形態14では、形状信号911、および形
状信号912のいずれの符号化においても、形状信号9
10を参照するものである。従って、実施の形態13の
ように、時間間隔を求めて比較判定する処理を要せず、
制御が簡素なものとなる。特に図9に示すフレーム間の
時間間隔が一定であるか、又は一定に近いものである場
合には有効な方法である。
【0160】このように、本実施の形態14による画像
符号化装置によれば、実施の形態1の画像符号化装置と
同様の構成において、予測切り換え器110が、入力画
素値信号の符号化処理と、入力形状信号の符号化処理と
に、それぞれ適切な参照方法が実行されるように制御す
るので、実施の形態1と同様にそれぞれの入力信号を効
率よく符号化し、該符号化の際に用いた参照処理を示す
情報を復号化処理において用いて、適切な復号化処理を
実行し得るように図ることが、簡素な制御において可能
となる。
【0161】実施の形態15.本発明の実施の形態15
による画像符号化方法、および画像符号化装置は、実施
の形態13と同様に、形状信号の符号化において、画素
値信号と異なる参照方法を用いるものであり、実施の形
態13とは参照信号の選択方法が異なるものである。本
実施の形態15による画像符号化装置の構成は実施の形
態1と同様であり、説明には図1を用いる。以下に本実
施の形態15による画像符号化装置における符号化処理
の際の動作を説明する。
【0162】本実施の形態15による画像符号化装置
は、ほぼ実施の形態13と同様の動作となるが、入力し
た画像信号がBフレームであった場合の参照方法が実施
の形態13、または実施の形態14とは異なるものとな
る。実施の形態13は、図9(b)に示したように、Bフ
レームの画素値信号に相当する形状信号については、時
系列的に前に位置する形状信号か、時系列的に後に位置
する形状信号かのいずれかを選択して参照信号として用
いるものである。そして、その選択にあたっては、符号
化対象である形状信号と、前後に位置する形状信号との
時間的間隔を比較し、より時間的間隔の小さいものを選
択するものである。また、実施の形態14は、常に時系
列的に前に位置する形状信号を参照信号として用いるも
のである。
【0163】これに対して、本実施の形態15では、予
測切り換え器110(図1)が、形状信号の符号化処理
にあたり、実施の形態13における処理のように、比較
判定を行って参照方法を選択する、すなわち比較判定選
択とするか、実施の形態14のように、時系列的に前に
位置する形状信号を参照するものとする、すなわち前方
固定選択とするかを決定して、指示をするものである。
予測切り換え器110による決定は、入力される画像信
号の性質や、符号化処理の状況、または符号化結果の用
途等に応じてなされるものとすることができる。
【0164】このように、本実施の形態15による画像
符号化装置によれば、実施の形態1の画像符号化装置と
同様の構成において、予測切り換え器110が、入力画
素値信号の符号化処理と、入力形状信号の符号化処理と
に、それぞれ適切な参照方法が実行されるように制御す
るので、入力される画像信号の性質や、符号化処理の状
況、または符号化結果の用途等に対応して、実施の形態
1と同様にそれぞれの入力信号を効率よく符号化し、該
符号化の際に用いた参照処理を示す情報を復号化処理に
おいて用いて、適切な復号化処理を実行し得るようにす
ることが可能となる。
【0165】実施の形態16.本発明の実施の形態16
による画像復号化方法、および画像復号化装置は、実施
の形態13による画像符号化処理によって得られた符号
化結果を適切に復号化処理するものである。本実施の形
態16による画像復号化装置の構成は実施の形態2と同
様であり、説明には図3を用いる。そして、本実施の形
態6による画像復号化装置の動作についても、画素値信
号、および形状信号に対する復号化処理は実施の形態2
とほぼ同様に行われるが、入力符号化信号がBフレーム
の画像信号を符号化して得られらものであった場合の処
理が実施の形態2と異なるものとなる。
【0166】また、実施の形態2においては、符号化処
理の際に予測切り換え器が出力した切り換え信号が符号
化処理されたものを入力し、これを復号化処理すること
で、参照方法に関する情報を得たものであるが、符号化
処理のされていない時間情報等を入力して、これを用い
て参照方法を制御することも可能であり、本実施の形態
16においては、時刻を示す情報を入力し、これを用い
て適切な復号化処理を行うものである。
【0167】図12は、本実施の形態16による画像符
号化方法における、Bフレームの画像信号を符号化した
符号化信号に対しての処理手順を示すフローチャート図
である。以下に本実施の形態16の画像符号化装置の動
作を図12のフローに従って、図3を参照しながら説明
する。
【0168】実施の形態13に示した画像符号化装置に
おいて、装置出力として出力された符号化画素値信号、
符号化形状信号、および予測選択信号が、図3に示す入
力符号化画素値信号S353、入力符号化形状信号S3
63、および入力予測選択信号S375を含む画像符号
化信号として入力され、処理が開始される。まず、ステ
ップ1201において、予測切り換え器370は、復号
化対象である入力符号化画素値信号B0と、入力符号化
形状信号b0との時刻T0を取得する。次いで、ステッ
プ1202では、予測切り換え器270は、Bフレーム
の入力符号化画素値信号の処理において参照する復号化
画素値信号P1、およびP2の時刻T1、およびT2を
取得する。ステップ1203において、入力符号化形状
信号b0が復号化器212に入力される。
【0169】予測切り換え器370は、ステップ120
4において、ステップ1201〜1202で取得した時
刻を用いて、判定処理を行う。この判定処理では、時刻
T0と、時刻T1、およびT2との差の絶対値が取得さ
れ、比較されることによって、いずれがより小さいかが
判定される。そして、判定の結果、T0とT1との差の
絶対値がより小さいならばステップ1205が、T0と
T2との差の絶対値がより小さいならばステップ120
6が実行されることとなる。
【0170】ステップ1205が実行された場合、予測
切り換え器370は、第4のスイッチ回路314に参照
形状切り換え信号S374を出力することにより、メモ
リ315、またはメモリ316に記憶された復号化形状
信号のうち、時刻T1に相当する信号p1が、第4のス
イッチ回路314から参照形状信号S332として出力
されるように指示をする。そして、復号化器312には
第4のスイッチ回路か314ら参照形状信号S332が
入力され、復号化器312においては、ステップ120
3で入力された入力符号化形状信号b0が、参照形状信
号S332を参照して復号化処理される。ステップ12
06が実行される場合もほぼ同様の処理となり、時刻T
2に相当する復号化形状信号p2が参照形状信号S33
2として用いられ、入力符号化形状信号b0が復号化処
理される。ステップ1205かステップ1206かのい
ずれが実行された場合にも、次にはステップ1207が
実行され、復号化処理によって得られた復号化形状信号
S331が、並べ替え用メモリ362に出力される。
【0171】その後、ステップ1208が実行され、入
力画素値信号B0が復号化器303に入力される。次の
ステップ1209において、予測切り換え器370は、
入力予測選択信号S375から取得する情報に基づい
て、参照画素値切り換え信号S372を第2のスイッチ
回路306に出力することによって、メモリ307、ま
たはメモリ308に記憶された、時刻T1、または時刻
T2の復号化画素値信号か、平均値計算器309が取得
した両者の平均である平均復号化画素値信号かが、参照
画素値信号S323として用いられるように制御する。
そして、復号化器303では、ステップ1208で入力
された入力画素値信号B0が、参照画素値信号S323
を参照して復号化処理される。ステップ1210では、
生成された復号化画素値信号S322が並べ替え用メモ
リ361に出力され、入力された符号化画像信号に対す
る処理は終了する。
【0172】このように、本実施の形態16の画像復号
化装置によれば、実施の形態2と同様の構成において、
予測切り換え器370が、復号形状信号の復号化処理
に、適切な参照信号が用いられるように制御するので、
実施の形態13による画像符号化装置で得られた符号化
結果を適切に復号化処理することが可能となる。
【0173】実施の形態17.本発明の実施の形態17
による画像復号化方法、および画像復号化装置は、実施
の形態14による画像符号化処理によって得られた符号
化結果を適切に復号化処理するものである。本実施の形
態17による画像復号化装置の構成は実施の形態2と同
様であり、説明には図3を用いる。そして、本実施の形
態17による画像復号化装置の動作についても、画素値
信号、および形状信号に対する復号化処理は実施の形態
2とほぼ同様に行われるが、入力符号化信号がBフレー
ムの画像信号を符号化して得られらものであった場合の
処理が実施の形態2と異なるものとなる。
【0174】かかる場合に、本実施の形態17による画
像復号化装置は、実施の形態16の装置と同様の動作を
するが、入力符号化形状信号の復号化処理に用いる参照
信号の選択方法が異なる。実施の形態16による画像復
号化装置においては、選択にあたり、時間間隔の小さな
復号化形状信号を用いるよう比較判定を行うものであっ
たが、本実施の形態17では、かかる比較判定を行わ
ず、復号化対象である入力符号化信号よりも時系列的に
前に位置する復号化形状信号を参照形状信号として用い
るものである。従って、同様の参照処理を行った実施の
形態14による画像符号化装置の出力する符号化結果を
適切に復号化処理することができる。
【0175】このように、本実施の形態17の画像復号
化装置によれば、実施の形態2と同様の構成において、
予測切り換え器370が、復号形状信号の復号化処理
に、適切な参照信号が用いられるように制御するので、
実施の形態14による画像符号化装置で得られた符号化
結果を適切に復号化処理することが可能となる。
【0176】実施の形態18.本発明の実施の形態18
による画像復号化方法、および画像復号化装置は、実施
の形態15による画像符号化処理によって得られた符号
化結果を適切に復号化処理するものである。本実施の形
態18による画像復号化装置の構成は実施の形態2と同
様であり、説明には図3を用いる。そして、本実施の形
態18による画像復号化装置の動作についても、画素値
信号、および形状信号に対する復号化処理は実施の形態
2とほぼ同様に行われるが、入力符号化信号がBフレー
ムの画像信号を符号化して得られらものであった場合の
処理が実施の形態2と異なるものとなる。
【0177】かかる場合に、本実施の形態18による画
像復号化装置は、実施の形態16、および実施の形態1
7の装置と同様の動作をするが、入力符号化形状信号の
復号化処理に用いる参照信号の選択方法が異なる。実施
の形態16による画像復号化装置においては、選択にあ
たり、時間間隔の小さな復号化形状信号を用いるよう比
較判定を行うものであり、実施の形態17では、かかる
比較判定を行わず、復号化対象である入力符号化信号よ
りも時系列的に前に位置する復号化形状信号を参照形状
信号として用いるものであった。
【0178】これに対して本実施の形態18において
は、符号化処理の際に比較判定選択が行われたか、前方
固定選択が行われたかが判断され、比較判定選択が行わ
れたものである場合には実施の形態16と同様に、前方
固定選択が行われたものである場合には実施の形態17
と同様に復号化処理を行う。比較判定選択が行われたか
否かは、実施の形態15による画像符号化装置が出力し
た予測選択信号に含まれる情報から判断するものとする
ことができる。従って、同様の参照処理を行った実施の
形態15による画像符号化装置の出力する符号化結果を
適切に復号化処理することができる。
【0179】このように、本実施の形態18の画像復号
化装置によれば、実施の形態2と同様の構成において、
予測切り換え器370が、復号形状信号の復号化処理
に、適切な参照信号が用いられるように制御するので、
実施の形態15による画像符号化装置で得られた符号化
結果を適切に復号化処理することが可能となる。
【0180】実施の形態19.本発明の実施の形態19
による画像符号化プログラム記録媒体は、本発明の画像
符号化方法を実行する画像符号化プログラムを記録した
ものである。図13は、プログラム記録媒体の一例であ
るフロッピー(登録商標)ディスクを示すものである。
本実施の形態19による画像符号化プログラム記録媒体
は、このような記録媒体に、実施の形態1、実施の形態
3〜5、実施の形態9〜10、実施の形態13〜15の
いずれかに示した画像符号化方法に従って符号化処理を
行う画像符号化プログラムを記録したものである。従っ
て、本実施の形態19による画像符号化プログラム記録
媒体は移動、保存等をすることが可能であり、記録され
た画像符号化プログラムは、記録媒体間での複写等が可
能なものである。そして、当該プログラムを、コンピュ
ータシステム等において、CPUやDSP等の制御下に
実行させることによって、各実施の形態に示した画像符
号化装置を実現することができる。
【0181】画像符号化プログラム記録媒体としては、
図示したフロッピーディスク以外に、CD−ROM等の
光ディスク、ICカード等の半導体記憶装置、カセット
テープ等のテープ媒体等、プログラムを記録し得るもの
であれば使用可能である。
【0182】このように、本実施の形態19による画像
符号化プログラム記録媒体は、コンピュータシステム等
において、記録した画像符号化プログラムを実行させる
ことによって、本発明の画像符号化方法、および画像符
号化装置を実現し得るものであって、本発明の画像符号
化方法を容易に用い得るものとする効果がある。
【0183】実施の形態20.本発明の実施の形態20
による画像復号化プログラム記録媒体は、本発明の画像
復号化方法を実行する画像復号化プログラムを記録した
ものである。本実施の形態19による画像符号化プログ
ラム記録媒体は、図13に示す他フロッピーディスクの
ような記録媒体に、実施の形態2、実施の形態6〜8、
実施の形態11〜12、実施の形態16〜18のいずれ
かに示した画像復号化方法に従って復号化処理を行う画
像復号化プログラムを記録したものである。従って、本
実施の形態20による画像復号化プログラム記録媒体は
移動、保存等をすることが可能であり、記録された画像
復号化プログラムは、記録媒体間での複写等が可能なも
のである。そして、当該プログラムを、コンピュータシ
ステム等において、CPUやDSP等の制御下に実行さ
せることによって、各実施の形態に示した画像復号化装
置を実現することができる。
【0184】画像復号化プログラム記録媒体としては、
図示したフロッピーディスク以外に、CD−ROM等の
光ディスク、ICカード等の半導体記憶装置、カセット
テープ等のテープ媒体等、プログラムを記録し得るもの
であれば使用可能である。
【0185】このように、本実施の形態20による画像
復号化プログラム記録媒体は、コンピュータシステム等
において、記録した画像復号化プログラムを実行させる
ことによって、本発明の画像復号化方法、および画像復
号化装置を実現し得るものであって、本発明の画像復号
化方法を容易に用い得るものとする効果がある。
【0186】なお、以上の実施の形態1〜20で説明し
た、本発明による画像符号化処理、および画像復号化処
理においては、画像信号が形状信号と、画素値信号とを
含むものとして説明しているが、半透明の物体をも扱う
場合であって、対象とする物体が背景を隠蔽する度合い
を示す多値情報である透過度信号を、形状信号の代替に
含む場合や、形状信号に加えて含む場合にも応用は可能
である。画像信号が形状信号の代替に透過度信号を含む
場合には、本発明の形状信号の代替に透過度信号を対象
とすることで応用可能である。また、画像信号が、形状
信号、透過度信号、および画素値信号を含む場合には、
透過度信号を形状信号、または画素値信号のいずれか一
方とまとめて扱うことで応用可能である。あるいは、画
素値信号と形状信号とを別途扱う構成を応用拡張して、
透過度信号をも別途扱う構成として処理することも可能
である。
【0187】また、実施の形態1〜20では、画像信号
の符号化にあたり、圧縮率の高い非可逆符号化を用いる
場合を想定して、符号化処理の後に復号化処理を行った
信号を参照信号として用いるものとしているが、可逆符
号化を行う場合には、符号化対象である画素値信号、お
よび形状信号を参照信号として用いることが可能であ
る。かかる場合には、符号化処理において、入力信号を
参照信号として用いる構成として、復号化器を省略する
ことができる。
【0188】
【発明の効果】以上のようにこの発明係る画像復号化
方法によれば、画像信号に含まれる、物体の形状を示す
形状信号と、上記物体の色と輝度とに関する情報を有す
る画素値信号とを符号化して得られる、符号化形状信号
と、符号化画素値信号とを復号化する画像復号化方法で
あって、上記符号化画素値信号を、符号化処理における
参照方法を示す情報を含む画素値予測選択信号に基づい
て選択された復号化画素値信号を参照して復号化する画
素値復号化ステップと、上記符号化形状信号を、符号化
処理における参照方法を示す情報と復号化の対象となる
符号化形状に対して画面内復号化と画面間復号化のどち
らを実行すべきかを示す情報とを含む形状予測選択信号
に基づいて選択された復号化形状信号を参照して復号化
する形状復号化ステップとを含み、上記画素値復号化ス
テップにおける参照方法は、復号化の対象となる符号化
画素値信号に対して時系列的に前に位置する画素値信号
から得られた前時刻復号化画素値信号を参照する方法、
上記復号化の対象となる符号化画素値信号に対して時系
列的に後に位置する画素値信号から得られた後時刻復号
化画素値信号を参照する方法、または上記復号化の対象
となる符号化画素値信号に対して時系列的に前後に位置
する画素値信号から得られた上記前時刻復号化画素値信
号と上記後時刻復号化画素値信号とを参照する方法のい
ずれかであり、上記形状復号化ステップにおける参照方
法は、復号化の対象となる符号化形状信号に対して時系
列的に前に位置する形状信号から得られた前時刻形状復
号化信号を参照する方法、または復号化の対象となる符
号化形状信号に対して時系列的に後に位置する形状信号
から得られた後時刻形状復号化信号を参照する方法のい
ずれかであることを特徴とするので、画素値信号復号化
ステップ及び形状信号復号化ステップでは、それぞれ適
切な復号化信号を参照して効率よく符号化処理が施され
た符号化画素値信号及び符号化形状信号に対して、適切
な復号化処理を施すことができる。
【0189】
【0190】
【0191】
【0192】
【0193】
【0194】
【0195】
【0196】
【0197】
【0198】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による画像符号化装置の
構成を示すブロック図である。
【図2】同実施の形態における形状信号符号化処理を説
明するための図である。
【図3】本発明の実施の形態2による画像復号化装置の
構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態3における予測選択信号生
成処理の符号割り当てを説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態4における予測選択信号生
成処理の符号割り当てを説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態5における予測選択信号生
成処理の符号割り当てを説明するための図である。
【図7】本発明の実施の形態9における符号化処理の切
り換え単位を説明するための図である。
【図8】本発明の実施の形態10における形状信号符号
化処理の切り換え単位を説明するための図である。
【図9】本発明の実施の形態13における符号化処理の
参照関係を説明するための図である。
【図10】同実施の形態における、Bフレームに対する
符号化処理の処理手順を示すフローチャート図である。
【図11】同実施の形態における予測切り換え器による
符号化制御の処理手順を示すフローチャート図である。
【図12】本発明の実施の形態16による画像復号化装
置における、Bフレームに対する復号化処理の処理手順
を示すフローチャート図である。
【図13】本発明の実施の形態19、および20による
画像符号化プログラム記録媒体、および画像復号化プロ
グラム記録媒体として用い得るフロッピーディスクを示
す図である。
【図14】従来の技術による、時間的相関関係に基づく
画像符号化処理を説明するための図である。
【図15】従来の技術による、物体単位での画像符号化
処理を説明するための図である。
【図16】従来の技術による、物体単位の画像符号化処
理で用いられる画素値信号と形状信号とを説明するため
の図である。
【図17】従来の技術による、物体単位の画像符号化処
理における、画素値信号の時間的相関関係を説明するた
めの図である。
【図18】従来の技術による、物体単位の画像符号化処
理における、画素値信号に対しての、時間的相関関係に
基づく画像符号化処理を説明するための図である。
【符号の説明】
101 減算器 102 符号化器(画素値信号用) 103,303 復号化器(画素値信号用) 104,304 加算器 105,305 第1のスイッチ回路 106,306 第2のスイッチ回路 107,307 メモリ(復号化画素値信号記憶用
1) 108,308 メモリ(復号化画素値信号記憶用
2) 109,309 平均値計算器 110,370 予測切り換え器 111 符号化器(形状信号用) 112,312 復号化器(形状信号用) 113,313 第3のスイッチ回路 114,314 第4のスイッチ回路 115,315 メモリ(復号化形状信号記憶用
1) 116,316 メモリ(復号化形状信号記憶用
2) 361 並べ替え用メモリ(画素値信号
用) 362 並べ替え用メモリ(形状信号用) S151 入力画素値信号 S152 差分画素値信号 S153,S353 符号化画素値信号 S154,S321 符号化復号化画素値信号 S155,S323 参照画素値信号 S156,S322 復号化画素値信号 S157,S324 第1の記憶復号化画素値信号 S158,S325 第2の記憶復号化画素値信号 S159,S326 平均復号化画素値信号 S161 入力形状信号 S162,S363 符号化形状信号 S163,S321 復号化形状信号 S164,S333 第1の記憶復号化形状信号 S165,S334 第2の記憶復号化形状信号 S166,S322 参照形状信号 S171,S371 復号化画素値切り換え信号 S172,S372 参照画素値切り換え信号 S173,S373 復号化形状切り換え信号 S174,S374 参照形状切り換え信号 S175,S375 予測選択信号

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像信号に含まれる、物体の形状を示す
    形状信号と、上記物体の色と輝度とに関する情報を有す
    る画素値信号とを符号化して得られる、符号化形状信号
    と、符号化画素値信号とを復号化する画像復号化方法で
    あって、 上記符号化画素値信号を、符号化処理における参照方法
    を示す情報を含む画素値予測選択信号に基づいて選択さ
    れた復号化画素値信号を参照して復号化する画素値復号
    化ステップと、 上記符号化形状信号を、符号化処理における参照方法を
    示す情報と復号化の対象となる符号化形状に対して画面
    内復号化と画面間復号化のどちらを実行すべきかを示す
    情報とを含む形状予測選択信号に基づいて選択された復
    号化形状信号を参照して復号化する形状復号化ステップ
    とを含み、 上記画素値復号化ステップにおける参照方法は、 復号化の対象となる符号化画素値信号に対して時系列的
    に前に位置する画素値信号から得られた前時刻復号化画
    素値信号を参照する方法、上記復号化の対象となる符号
    化画素値信号に対して時系列的に後に位置する画素値信
    号から得られた後時刻復号化画素値信号を参照する方
    法、または上記復号化の対象となる符号化画素値信号に
    対して時系列的に前後に位置する画素値信号から得られ
    た上記前時刻復号化画素値信号と上記後時刻復号化画素
    値信号とを参照する方法のいずれかであり、 上記形状復号化ステップにおける参照方法は、 復号化の対象となる符号化形状信号に対して時系列的に
    前に位置する形状信号から得られた前時刻形状復号化信
    号を参照する方法、または復号化の対象となる符号化形
    状信号に対して時系列的に後に位置する形状信号から得
    られた後時刻形状復号化信号を参照する方法のいずれか
    であることを特徴とする画像復号化方法。
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