JP3248888B2 - 脊椎関節矯正用補助ブロック - Google Patents

脊椎関節矯正用補助ブロック

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JP3248888B2
JP3248888B2 JP15142399A JP15142399A JP3248888B2 JP 3248888 B2 JP3248888 B2 JP 3248888B2 JP 15142399 A JP15142399 A JP 15142399A JP 15142399 A JP15142399 A JP 15142399A JP 3248888 B2 JP3248888 B2 JP 3248888B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脊椎関節にズレが
生じている場合に、徒手により脊椎の位置を正常な位置
関係に矯正回復するのに用いて好適の、脊椎関節矯正用
補助ブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】脊椎の椎骨の上下の位置関係が本来の正
常な位置関係からズレている場合の矯正技法として、徒
手により患者の全身を動かすことによってズレが生じて
いる脊椎関節に矯正力を加える技法が知られている。カ
イロプラクティックはこのような徒手矯正技法の一つで
あり、例えば、胸椎の下部から腰椎にかけての矯正につ
いては、主に三角筋矯正技法が用いられている。
【0003】この三角筋矯正技法においては、まず、患
者を膝の高さ程度のベッドで横向けに寝かせて、施術者
は患者の腹側に立ち、患者に向かって頭側の手を患者の
上側になっている肩に当て、足側の手を患者の上側にな
っている足の膝関節の内側に当てる姿勢を作る。そし
て、肩に当てた手で患者の肩の三角筋を固定しながら、
足の膝関節の内側に当てた手で患者の膝を関節の動きが
止まるまで手前下に押し下げていき、関節の動きが止ま
った所で、膝を押し下げている手に瞬間的に小さく鋭い
動きを加える。
【0004】これにより、ズレが生じている脊椎関節に
矯正力が加わり、この矯正力によって関節のズレが矯正
されるのである。なお、矯正力が加わる関節の位置は、
押し下げる膝を曲げたり伸ばし気味にしたりする事によ
って調整されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
徒手矯正技法では、矯正力は大腿骨から腸骨,仙骨,腰
椎列を介して矯正すべき関節に加えられるようになって
おり、また、矯正すべき関節の椎骨は肋骨や上腕骨を介
して拘束されているため、途中に介在する関節の状態や
矯正すべき関節の拘束具合により、加わる矯正力の大き
さや位置が左右されることになる。このため、関節にズ
レが生じてからの経過年数,患者の体格,年齢,性別,
施術者の技術レベル等によって矯正の効果が左右されて
しまい、常に正確,確実に矯正を行なうことは困難であ
った。
【0006】また、従来の徒手矯正技法は、膝を押し下
げている手に瞬間的に小さく鋭い動きを加えることによ
り、人体が応答できないほどの速いスピードで上下の椎
骨の関節面を動かし、これにより椎骨の位置関係を本来
の望ましい位置に矯正するものである。このため、意図
する施術効果を得るには、ある程度の速さで矯正動作を
行なう必要がある。ところが、施術効果を大きくしよう
とするあまり、矯正動作を速くしようとすると、矯正の
動作が大きくなり過ぎて過剰な力を加えてしまうことが
あった。
【0007】ところで、人体には障害が発生している関
節を正しい状態に復元しようとする能力が本来的にそな
わっているものである。したがって、従来の徒手矯正技
法のように、ズレが生じた関節に外力を加えて無理矢理
に復元しようとするのではなく、この人体が本来持って
いる復元力を生かしきってズレを修復することができれ
ば、上述のような不具合は生じない。
【0008】そこで、このような人体が本来持っている
復元力を利用する矯正技法として、患者のズレが生じて
いる関節の片側の椎骨の棘突起を施術者が手で掴んで固
定し、その状態で患者に頭や手足を動かさせることによ
って、上下の椎骨の位置関係を本来の正常な位置関係に
矯正する方法がある。この矯正技法によれば、過度な外
力を加えることなく、患者の動きに応じて生じる自然な
力によって人体が本来的に有する復元力を補助して、自
然な形で関節のズレを矯正回復することができるのであ
る。
【0009】しかしながら、椎骨を手で直接掴んで正確
に拘束することは難しく、施術者の技術レベルや患者の
体格等により拘束具合が変化してしまい、矯正動作を正
確に行なうことは極めて困難であった。また、患者の症
状に応じた細かな施術を行なうことも難しかった。本発
明は、このような課題に鑑み創案されたもので、施術者
の技術レベルや患者の体格等により影響されることなく
脊椎の椎骨を正確に拘束することができ、これにより矯
正動作を正確かつ確実に行なえるようにした、脊椎関節
矯正用補助ブロックを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の本発明の脊椎関節矯正用補助ブロッ
クは、脊椎の椎骨の棘突起部を挟んで該棘突起部の両脇
の横突起部に押圧され一対の接触子と、ガイド溝が形
成され、該ガイド溝内を該接触子の摺動部が移動できる
ように該接触子が組みつけられるとともに、施術者が手
で加えた力を該接触子へ伝達する携帯可能な台座とを備
え、該一対の接触子のうちの少なくとも一方が該ガイド
溝に沿って摺動可能とされることにより該接触子間の間
隔が変化するように構成されるとともに該脊椎の関節の
円運動を可能にしながら該一対の接触子によって該椎骨
の動きを拘束するように構成されていることを特徴とし
ている。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1〜図8は本発明の一実施形態
としての脊椎関節矯正用補助ブロックを示すもので、図
1はその構成を示す斜視図、図2(a)〜(c)は上面
図及び側面図、図3(a),(b)は断面図、図4は本
補助ブロックにより矯正される脊椎の構成を示す図、図
5〜図8はいずれも本補助ブロックの使用方法及び作用
を説明する図である。
【0015】図1,図2(a)〜(c)及び図3
(a),(b)に示すように、本補助ブロック1は、1
対の可動接触子2,3と、これらの可動接触子2,3を
支持する台座10とから構成されている。可動接触子
2,3は、本補助ブロック1の脊椎関節50(図4参
照)の矯正への使用において、脊椎の椎骨51の棘突起
部54を挟んで棘突起部54の両脇の横突起部52,5
3を押圧する部材であり、接触部20,30と2つの摺
動部21,22,31,32とから構成されている。
【0016】まず、接触部20,30は患者に直接接触
して押圧する部分であり、全体を角のない曲面形状に形
成することによって一様な圧力でソフトに押圧できるよ
うになっている。また、接触部20,30の長さDは、
椎骨51一つ分の長さと略同じであり、高さHは、横突
起部52,53を押圧したときに台座10と棘突起部5
4とが干渉しない最小限の高さとして、棘突起部54の
高さhと同程度かこれよりもやや高い程度に設定されて
いる。なお、接触部20,30の長さDについての上記
の設定は、矯正対象となる椎骨の横突起部を押圧したと
きに、この矯正対象の椎骨の上下両隣の椎骨の横突起部
に干渉しない程度の長さとして、矯正対象となる椎骨の
みを正確に拘束できるようにしたものであるが、接触部
20,30の長さDはこれに限定されない。
【0017】一方、摺動部21,22,31,32は、
接触部20,30の下部に突設されており、台座10と
の連結部分になっている。摺動部21,22,31,3
2の中央部付近には摺動孔23,24,33,34が穿
設されており、この摺動孔23,24,33,34によ
り後述する接触子案内棒4,5が軸支されるようになっ
ている。
【0018】台座10は、可動接触子2,3を支持する
とともに施術者が手で加えた力を可動接触子2,3へ伝
達する部材であり、掌に収まる程度か片手で握れる程度
の大きさに形成されている。台座10の上面には可動接
触子2,3との連結部分となる平行な2本のガイド溝1
1,12が設けられている。このガイド溝11,12の
一端には挿入孔11a,12aが穿設されており、挿入
孔11a,12aからガイド溝11,12内に接触子案
内棒4,5が挿入されている。また、ガイド溝11,1
2の他端の挿入孔11a,12aの軸線上には、嵌入溝
11b,12bが形成されており、接触子案内棒4,5
の先端が嵌入されている。接触子案内棒4,5は円柱状
の棒材であり、その径は摺動部21,22,31,32
に設けられている摺動孔23,24,33,34の径よ
りも僅かに小さい程度に設定されている。
【0019】そして、可動接触子2,3と台座10とを
組み付けるときは、まず、可動接触子2,3の摺動部2
1,22,31,32を台座10に設けられたガイド溝
11,12内に嵌入する。次に、接触子案内棒4,5を
挿入孔11a,12aからガイド溝11,12内に挿入
し、摺動孔23,24,33,34に軸通させて、先端
を嵌入溝11b,12bに嵌入する。
【0020】なお、接触子案内棒4,5は、挿入孔11
a,12a及び嵌入溝11b,12b内にきっちりと嵌
合しており、接触子案内棒4,5が挿入孔11a,12
a及び嵌入溝11b,12bから離脱することがないよ
うになっているが、これらの嵌合部には、接着剤等を用
いて確実に固着させるようにしてもよい。また、摺動部
21,22,31,32とガイド溝11,12との間に
微小なクリアランスが設けられており、摺動部21,2
2,31,32はガイド溝11,12内を移動可能にな
っている。これにより、可動接触子2,3と台座10と
が一体に連結されるとともに、可動接触子2,3が台座
10上をガイド溝11,12に沿って摺動することがで
きるようになっている。
【0021】ただし、摺動部21,22,31,32と
ガイド溝11,12との接触状態はややきつめに設定さ
れており、多少の力では可動接触子2,3が移動しない
ようになっている。これは、本補助ブロック1を脊椎関
節50の矯正に使用するとき、可動接触子2,3は椎骨
51の棘突起部54を挟んで棘突起部54の両脇の横突
起部52,53を押圧するが、このとき、多少の力では
移動しないように、摺動部21,22,31,32とガ
イド溝11,12との間、又は摺動孔23,24,3
3,34と接触子案内棒4,5との間の摩擦抵抗を大き
くしているのである。
【0022】本発明の一実施形態としての脊椎関節矯正
用補助ブロックは上述のように構成されているので、以
下のような原理で本補助ブロック1による脊椎関節の矯
正を行なうことができる。まず、本補助ブロック1の使
用方法とその作用効果について説明する前に、本補助ブ
ロック1による矯正の対象である脊椎の構造について説
明する。
【0023】健全な脊椎の構造について説明すると、図
4に示すように、脊椎は、上部よりも下部の方がやや太
い台形の柱構造を有する椎骨51が、椎骨51,51間
でクッションとして作用する椎間板55を挟んで連結さ
れることにより構成されている。このような構成によ
り、一本棒では実現出来ない前後左右への屈曲やねじり
等の柔軟な動きが可能になっている。
【0024】また、脊椎の外側には、図示しない前縦靭
帯,後縦靭帯,棘上靭帯が椎骨51の前後方向へのズレ
を防ぎ、黄色靭帯が横方向へのズレを防ぎ、しなやかさ
をも実現する構造になっている。さらに、これら靱帯の
周りには図示しない筋群が複雑に組み合わさっており、
様々な機能を実現できるようになっている。即ち、靭帯
は強靭な力で各関節を保持し、筋肉は動作に対してしな
やかに伸縮して細かな動きが行なえるのである。
【0025】これに対し、図5又は図6に示すように脊
椎関節50にズレが生じている脊椎では、ズレが生じた
椎骨51A,51Bの間で、椎骨51A,51B間の間
隙が正確な平行性を失い、靭帯によって掛かる力のバラ
ンスが崩れた状態になっている。そして、筋肉では関節
50の位置から出ている神経が正常な神経伝達能力を失
い、その神経に支配されている筋肉や内臓の機能が正常
に機能しなくなっている。
【0026】このような状態では、上位椎骨51Aの位
置と下位椎骨51Bの位置とを比べた時、背面側に出て
いる方の椎骨(この場合、上位椎骨51A)にある筋群
は伸縮性を欠き、拘縮して固くなっている。反対に引っ
込んでいる方の椎骨(この場合、下位椎骨51B)にあ
る筋群は伸縮性を失い、弛緩している。このとき、関節
50では、靱帯及び筋群の拘縮に対しては過敏な痛み
が、弛緩部に対しては知覚の鈍磨している状態が同時に
対になって起きている。これは、ズレが起きた関節50
の内部においてズレが起きた状態を元の状態に修復しよ
うとする力となって働き続けており、この身体内部の働
きが痛みとなってあらわれているのである。
【0027】本補助ブロック1は、このような身体内部
で発生する修復力を最大限に生かす為の道具である。以
下、本補助ブロック1の使用方法について説明する。補
助ブロック1の使用においては、まず、関節50のズレ
の状態を観察し、補助ブロック1により固定すべき椎骨
を見極める。ここでは、図5及び図6に示すように、体
の外側にズレている方の椎骨51Aが補助ブロック1に
よる固定対象となる。そして、椎骨51Aの形状を考慮
して、可動接触子2,3間の幅Wの調整を行なう。
【0028】次に、矯正すべき関節50の外側の椎骨5
1Aの棘突起部54Aを跨ぐようにして、可動接触子
2,3の接触部20,30を横突起部52A,53Aに
押し当てる。これにより、椎骨51Aは、接触部20,
30により横突起部52A,53Aを押圧され、また、
棘突起部54Aを挟み込まれることになり、一定位置に
拘束されることになる。
【0029】そして、このように椎骨51Aを拘束した
状態で、頭部を回したり手足を動したりして患者自身に
より身体に適度な動きを加える(ただし、どのような動
きを行なうかは矯正すべき関節の位置やズレの程度によ
り異なる)。身体に動きが加わえられると、脊椎には様
々な力が加わるが、椎骨51Aが補助ブロック1により
上方向(身体の外側方向)への逃げを拘束されているこ
とにより、関節50には脊椎軸方向に牽引する分力が作
用する。
【0030】この牽引力により関節面の固着が緩和さ
れ、椎間板55が可動性を持ち、関節50は本来の円運
動が可能になる。即ち、関節50にズレが起きてから長
い時間を経過するにつれて、靭帯等の関節保持組織は柔
軟性を失い関節50は可動性を失うが、このように牽引
力により関節面の固着が緩和することにより、再び稼動
性を回復し円運動が可能になるのである。そして、関節
50では、この円運動の生起により、生じていたズレが
矯正回復される。
【0031】つまり、関節50の位置関係、即ち、椎骨
51A,51Bの上下位置関係は、本来の正常な位置が
最も安定な位置であり、この位置関係にズレが生じてい
る場合には、人体には元の安定な位置関係に回復しよう
とする復元力が作用する。しかしながら、そのズレが微
小ならばともかく、ある程度の大きさのズレになってし
まった場合には、人体がそなえる復元力のみでは回復す
ることはできない。そこで、椎骨51Aを拘束して関節
50に牽引力を加えることにより、関節50に円運動を
生起させ、この円運動により柔軟性を失った靱帯等の復
元力でも容易に移動可能にすることにより、人体が本来
持っている復元力を補助しながらズレを矯正していくの
である。
【0032】以上、本補助ブロック1を用いることによ
る脊椎関節の矯正の原理について説明したが、次に、本
補助ブロック1を用いた実際の脊椎関節の矯正方法につ
いてより具体的に説明する。最初に、図7を参照しなが
ら患者を伏臥位にした状態で脊椎関節を矯正する方法に
ついて説明すると、まず、図7に示すように、患者70
を伏臥位にして両手を頭方に伸ばして置かせる。次に、
施術者71は、本補助ブロック1の可動接触子2,3を
矯正すべき関節50の頭部側の椎骨51Aの横突起部5
2A,53Aに当てる。ただし、関節のズレは全てが一
様な方向にズレているわけではないため、正しい相互位
置関係に復元するには、各椎骨についてそれぞれ動かす
べき方向が異なる。このため、矯正の対象となる関節5
0のみならず、脊椎列全体の流れを見て、体幹に動きを
起こさせたときに椎骨の動いてはならない方向を見定め
て、その方向を固定するように本補助ブロック1を用い
るようにする。また、可動接触子2,3の横突起への当
て方は、椎骨のズレの形態により体長方向の垂線に対し
て頭方を上げた方がよい場合と足方を上げた方がよい場
合とがある。
【0033】そして、この状態で可動接触子2,3の当
接位置がズレないように両手に軽く体重をかけて固定し
ながら、患者70に顔を左右にゆっくりと振らせる。こ
の顔の左右への振動に伴い脊椎に適度な牽引力が作用し
て、関節50に円運動が生起され、本補助ブロック1を
当てた椎骨51Aの骨盤側の椎骨51Bが正常な位置に
移動して、関節50のズレの矯正が完了する。
【0034】また、図8に示すように、患者70を伏臥
位にして胸部に適当の高さの固定台を置き、足を折膝で
前屈状態まで曲げて、そのまま、または体側外に膝を開
いて、伸ばしていくことによっても、関節のズレの矯正
を行なうことができる。この動作の中では、施術者71
が骨盤の上または腰背部を押さえた状態で患者70自身
が足を伸ばすか、施術者71が患者の足を後ろ足方向か
ら水平に外側方向、または伸展位置方向に引く事によっ
て脊椎に適度な牽引力を作用させ、関節50に円運動を
生起させる。この関節50での円運動の生起により、本
補助ブロック1を当てた椎骨51Aの骨盤側の椎骨51
Bが正常な位置に移動して、関節50のズレの矯正が完
了する。
【0035】次に、患者を仰臥位にした状態で脊椎関節
を矯正する方法について説明すると、まず、患者を伏臥
位にしたままで、骨盤側の椎骨に対して位置がズレてい
る椎骨の横突起に本補助ブロック1の可動接触子2,3
をあて、その位置に固定した状態で患者を仰臥位にさせ
る。ただし、可動接触子2,3の横突起への当て方は、
前方へのズレか後方へのズレかにより、体長方向の垂線
に対して頭方を上げた方がよいか足方を上げた方がよい
か適宜判断する必要がある。
【0036】そして、この姿勢で患者に両手で万歳の動
作をさせる。このような一つの動作によっても同時にい
くつもの筋群が複雑に動き、これによりズレの生じてい
た関節に適度な矯正力が作用し、関節のズレが矯正され
ることになるのである。この方法によると、より少ない
固定力で矯正が可能になる。さらに、患者を座位又は立
位にした状態で脊椎関節を矯正する方法もある。この方
法では、まず、患者を座位又は立位にした状態で、骨盤
側の椎骨に対して位置がズレている椎骨の横突起に本補
助ブロック1の可動接触子2,3をあてる。そして、本
補助ブロック1と、本補助ブロック1を拘束している手
とは反対側の手とで患者の胸郭を挟むように固定し、患
者に両手又は片手を上げ下げさせたり、頭を前後又は左
右に向けさせたりする。これによりズレの生じていた関
節に適度な矯正力が作用し、関節のズレが矯正される。
【0037】このように、本補助ブロックによれば、ズ
レが生じた関節50の片側の椎骨51Aの横突起部52
A,53Aを可動接触子2,3で押圧することにより、
椎骨51Aを正確に拘束することができ、施術者の技術
レベルや患者の体格等により影響されることなく、人体
が本来持つ復元力を利用した矯正動作を正確かつ確実に
行なうことができるという利点がある。
【0038】そして、可動接触子2,3は、ガイド溝1
1,12内に設けられた接触子案内棒4,5に沿って移
動可能であるので、可動接触子2,3間の幅Wを矯正す
べき関節50の状態等に応じた適切な幅に設定すること
ができ、余分な外圧を生じさせないという利点がある。
また、可動接触子2,3の横突起部52,53へ直接接
触する部分である接触部20,30は、角がなく略曲面
状に形成されているので、一様な圧力でソフトに押圧す
ることができ、使用時に患者に過度な痛みを与えること
がないという利点がある。
【0039】また、可動接触子2,3の接触部20,3
0の長さDは、矯正対象となる椎骨51の横突起部5
2,53を押圧したときに両隣の椎骨の横突起部に干渉
しない程度の長さに設定することにより、矯正対象とな
る椎骨51のみを正確に拘束することができる利点があ
り、さらに、可動接触子2,3の高さHは、椎骨51の
棘突起部54の高さhよりもやや高い程度に形成するこ
とにより、横突起部52,53を押圧したときに台座1
0と棘突起部54が干渉することがなく、また、必要最
小限の高さであるために安定して押圧することができる
という利点もある。
【0040】さらに、台座10は、掌に収まる程度の大
きさに形成されているので、使用時に扱いやすいだけで
なく、携帯にも便利であるという利点もある。なお、本
補助ブロック1の材質として木を用いることで触感のよ
いものにできるが、材質はこれに限定されるのではな
く、樹脂材等を用いてもよい。
【0041】本発明は上述した実施形態に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形
して実施することができる。例えば、上述の実施形態で
は、両接触子を可動として構成していたが、一方のみ可
動として他方を固定してもよい。また、両接触子を共に
固定とすることももちろん可能であり、この場合は、異
なる接触子間幅を有する数種類の補助ブロックを用意し
ておき、状況に応じて適当な接触子間幅の補助ブロック
を選択するようにしてもよい。
【0042】さらに、上述の実施形態では、可動接触子
の摺動孔にガイド溝内の接触子案内棒を軸通させ、この
接触子案内棒により可動接触子と台座とを連結している
が、図9に示すような構成にしてもよい。つまり、図9
に示す補助ブロック101では、可動接触子102,1
03の摺動部121,122,131,132と、この
摺動部121,122,131,132を嵌め込まれる
台座110のガイド溝111,112とをテーパ状断面
〔図9(b)参照〕に構成して、このガイド溝111,
112自体で121,122,131,132を台座1
10から離脱しないよう把持するようにしている。な
お、ガイド溝111,112内へ摺動部121,12
2,131,132を嵌め込み可能とするために、ガイ
ド溝111,112の一端部111A,112Aは取り
外し可能に形成しておく。このように可動接触子10
2,103と台座110との連結状態を構成することに
より、部材点数を削減できるとともに、より高強度な構
造とすることができる。
【0043】また、本補助ブロックは、脊椎関節の矯正
のみならず、仙骨(仙椎,図7において符号60で示
す)に関わる仙腸関節,腰仙関節及び仙骨結節関節の矯
正に用いることも可能である。以下、本補助ブロックを
用いたこれら各関節の矯正方法について簡単に説明す
る。最初に、仙腸関節の矯正方法について説明すると、
まず、矯正すべき仙腸関節の上に本補助ブロック1の可
動接触子2,3を当てた状態で患者を仰臥させ、上前腸
骨棘を掌で包むように受け止めて体重を掛けて固定す
る。そして、患者に踵を揃えさせて膝を曲げさせ、膝を
左右に開かせ、踵を付けたまま足を伸ばさせる。これに
より仙腸関節面に円運動を生起させることができ、仙腸
関節に生じていたズレが矯正されるのである。
【0044】次に、腰仙関節の矯正方法について説明す
ると、まず、矯正すべき腰仙関節の上に本補助ブロック
1の可動接触子2,3を当てた状態で患者を仰臥させ、
上前腸骨棘を掌で包むように受け止めて体重を掛けて固
定する。そして、患者に踵を揃えさせて脚を伸ばしたま
まで踵を浮かさせ、踵を浮かしたままで膝を曲げさせ
る。次に、曲げた膝をそのまま上に伸ばさせ、脚を伸ば
したままゆっくりと下ろさせる。これらの動作を数回繰
り返させることにより、腰仙関節のズレが矯正されるの
である。
【0045】最後に、仙骨結節関節の矯正方法について
説明すると、まず、矯正すべき仙骨結節関節の上に本補
助ブロック1の可動接触子2,3を当てた状態で患者を
仰臥させ、上前腸骨棘を掌で包むように受け止めて体重
を掛けて固定する。そして、患者に踵を揃えさせて脚を
曲げさせ、次に、ゆっくりと伸ばさせる。この動作を数
回繰り返させることにより、仙骨結節関節のズレが矯正
されるのである。
【0046】
【0047】
【0048】
【発明の効果】 以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の脊椎関節矯正用補助ブロックによれば、ズレが生
じた関節の片側の椎骨の横突起部を接触子間の間隔が変
化するように構成された一対の接触子で押圧することに
より、脊椎の関節の円運動を可能にしながら椎骨の動き
を拘束することができるので、施術者の技術レベルや患
者の体格等により影響されることなく、人体が本来持つ
復元力を利用した矯正動作を正確かつ確実に行なうこと
ができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての脊椎関節矯正用補
助ブロックの構成を示す斜視外観図である。
【図2】本発明の一実施形態としての脊椎関節矯正用補
助ブロックの構成を示す図であり、(a)は上面図、
(b)は側面図〔図2(a)のIB矢視図〕,(c)は
側面図〔図2(a)のIC矢視図〕である。
【図3】本発明の一実施形態としての脊椎関節矯正用補
助ブロックの構成を示す図であり、(a)は図2(a)
のIIA−IIA矢視断面図、(b)は図2(a)のIIB−
IIB矢視断面図である。
【図4】脊椎の構成を示す模式図である。
【図5】本発明の一実施形態としての脊椎関節矯正用補
助ブロックの使用方法とその作用を説明するための図で
ある。
【図6】本発明の一実施形態としての脊椎関節矯正用補
助ブロックの使用方法とその作用を説明するための図で
ある。
【図7】本発明の一実施形態としての脊椎関節矯正用補
助ブロックの具体的な使用方法の一例を説明するための
図である。
【図8】本発明の一実施形態としての脊椎関節矯正用補
助ブロックの具体的な使用方法の他の例を説明するため
の図である。
【図9】本発明の一実施形態としての脊椎関節矯正用補
助ブロックの変形例の構成を示す断面図であり、(a)
は図2(a)のIIA−IIA矢視断面図に対応する図、
(b)は図2(a)のIIB−IIB矢視断面図に対応する
図である。
【符号の説明】
1 脊椎関節矯正用補助ブロック 10 台座 11,12 ガイド溝 11a,12a 挿入孔 11b,12b 嵌入溝 2,3 可動接触子(接触子) 20,30 接触部 21,22,31,32 摺動部 23,24,33,34 摺動孔 4,5 接触子案内棒 50 関節 51,51A,51B 椎骨 52A,52B,53A,53A 横突起 54A,54B 棘突起 55 椎間板 60 仙骨(仙椎)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭47−44987(JP,A) 特開 平5−220180(JP,A) 実開 昭57−113120(JP,U) 実開 昭57−95121(JP,U) 実開 昭61−121825(JP,U) 実開 平6−21612(JP,U) 実開 昭55−143831(JP,U) 実開 昭56−1632(JP,U) 登録実用新案3007584(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61F 5/01 A61H 39/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脊椎の椎骨の棘突起部を挟んで該棘突起
    部の両脇の横突起部に押圧され一対の接触子と、ガイド溝が形成され、該ガイド溝内を該接触子の摺動部
    が移動できるように該接触子が組みつけられるととも
    に、施術者が手で加えた力を該接触子へ伝達する携帯可
    能な 台座とを備え、 該一対の接触子のうちの少なくとも一方が該ガイド溝に
    沿って摺動可能とされることにより該接触子間の間隔が
    変化するように構成されるとともに該脊椎の関節の円運
    動を可能にしながら該一対の接触子によって該椎骨の動
    きを拘束するように構成されていることを特徴とする、
    脊椎関節矯正用補助ブロック。
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