JP3248859B2 - 正弦波入力単相整流回路の定サンプリング型電流制御方式 - Google Patents
正弦波入力単相整流回路の定サンプリング型電流制御方式Info
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Description
用される正弦波入力単相整流回路の定サンプリング型電
流制御方式に関する。
使われる場合が多く、商用交流から直流を得るために近
年では半導体を用いた整流回路、なかんずく混合ブリッ
ジ回路を対象とするPWM手法を用いている。この場
合、家電製品や産業用電源機器は高調波発生源であるた
め、その入力電流の正弦波化が期待されている。そし
て、この種の方式としては図7(a)に示す三角波比較
方式と図7(b)に示すヒステリシスコンパレータ方式
が提案されている。
EE PROCEEDINGS−B,Vol.138,
No.5,SEPTEMBER 1991)“Nove
lfull bridge semicontroll
ed switch mode rectifier”
by S. Manias(Fig7)に掲載されたも
ので、電流誤差Δ(t) =i(t) −j(t) と三角波キャリ
ア波とを比較し、交流系統と交直変換器との連系点電圧
vt (t) が下記の条件であるとき、対応する各スイッチ
ングゲートにON動作指令を出すものである。即ち、v
t (t) ≧0のときはXのゲートを、又、vt (t) <0の
ときはYのゲートへ夫々動作指令を出す。
apan,Vol.115−D,No.2,1995)
“ハーフブリッジ形PWMコンバータのキャパシタ容量
低減”の図1に掲載されたもので、図7(a)のキャリ
ア波比較部分が点線部分で示すヒステリシスコンパレー
タにおき換ったもので、その他は同じである。
を混合ブリッジとする各種制御方式が提案されてはいる
が、いずれも波形ひずみを起こす可能性が指摘されてお
り、正弦波入力動作は保証されていない。更に、平成6
年9月30日、資源エネルギー庁による高調波ガイドラ
インの導入に伴ない、高調波の発生が少なく、シンプル
で扱い易いスイッチング型の整流回路(Switch
Mode Rectifier)への期待が高まってい
る。
あり、混合ブリッジ回路において、入力電流をほゞ力率
1とするスイッチングアルゴリズムを達成できる、正弦
波入力単相整流回路の定サンプリング型電流制御方式を
提供することを目的としている。
係る正弦波入力単相整流回路の定サンプリング型電流制
御方式は、2個のスイッチング素子と2個のダイオード
とからなる単相整流回路であって、交流電流が必ずどち
らか1つのスイッチング素子のみを通過するように構成
された混合ブリッジと、前記単相交流系統と前記混合ブ
リッジとを接続する連系点の交流電流値を、予め決めら
れた一定サンプリング周期毎に検出して、正弦波電流指
令値による目標関数との電流誤差を求め、電流の符号と
前記電流誤差の大きさとスイッチングのキャリア信号又
はサンプリング信号とを比較した結果をもとに前記混合
ブリッジのスイッチングモードを決めるようにした。
相整流回路の電流制御方式の実施の形態を示す構成図で
ある。図1においてA点より左側はAC系統側を示し、
eA (t) は交流電圧であり、LS は系統のインダクタン
ス、iP (t) は連系点の交流電流値、CD は平滑用コン
デンサである。B点より右側は装置外を示し、LP は整
流装置内のインダクタンス、ID (t) は負荷電流値、v
(t) はスイッチング電圧である。
って夫々に対してダイオードDX ,DY を並列に接続す
ると共に、前記各主素子には夫々に直列にダイオードD
U ,DV を直列に接続したものを並列接続して混合ブリ
ッジを構成している。即ち、可制御及び非可制御主アー
ムを持つブリッジ接続を有している。要するに混合ブリ
ッジとは2個のスイッチング素子と2個のダイオードと
からなる単相整流回路であって、交流電流が必ずどちら
か1つのスイッチング素子のみを通過するように構成さ
れたものである。ここでCD は平滑用コンデンサである
が、これがコンデンサでなく2次電池であっても使用可
能である。但し、2次電池の場合には装置外に設置され
ることがない。
からのサンプリングパルスを受けて動作する。ここで、
目標関数j(t) を任意の関数とし、主回路の連系点の交
流電流値iP (t) との差Δ(t) (誤差信号)が目標追従
範囲内であるかを一定サンプリング周期毎に判定し、こ
れが目標追従範囲から逸脱したとき、半導体素子からな
る混合ブリッジのスイッチングモードを選択して、連系
点の交流電流値iP (t) を所定範囲内に制御しようとす
るものである。
した。
n (tn −tn-1 =TS :const )毎に、目標関数j
(tn )と電流誤差Δ(tn )(**i(tn )−j(tn ))の
値を読み込み、制御遅れ時間TC (TC ≦TS )後のt
n +tc にて、前記表1に従って混合ブリッジの主素子
に対してゲート指令を出力する。なお、**印は左側に記
載した符号等の明細を表わす記号を示す(以下同じ)。
で、整流装置の場合には図2に示すブロック図にて作成
される。この場合、時刻tでの負荷電流をID (t) [A]
,直流電圧の設定値をVD [V] とする。なお、ここで
はVD >*2EA の場合のみを考える。従って、ここで
の整流装置は昇圧型整流装置である。又、連系点電流i
P(t) の目標力率角をθ[rad] とする。但し、π/2≧
θ>0。なお、*印は数学式のルート記号を示す(以下
同じ)。
点の電圧位相を検出し、これを用いて28にて受電点の
電圧*2sin (ωt−θ)[V] の電圧を作成する。2
1,22からVD −ED をつくり、1次遅れ回路26を
介して(VD −ED )×K/(1+T1 S)を作成す
る。21,23からVD ・ID をつくり1次遅れ回路
27を介してVD ・ID /EA cos θ(1+T2 S)を
作成する。
する。
ここではフィードバック項、はフィードフォワード
項である。
サンプリング型で(サンプリング周期をTS [S] とす
る)、基本的な役目は連系点電流iP (t) を指令値であ
る目標関数j(t) に追従するように制御することであ
る。
〜の条件を満たせば、連系点電流iP (t) は目標関
数j(t) に対して追従誤差幅±je [A] の範囲内で追従
することが論理的に保証される。これらの論理的な証明
については本発明の目的ではないため省略し、後記する
実施の形態においてなされた実験結果が上記した各数式
による理論値に合うことから前記各条件式の証明に代え
る。なお、je は追従誤差幅の目標値で、任意の値を設
定することができる。
する。条件前掲した表に基づくゲートの作動、即ち、
任意のサンプリング時刻tnにおいて、目標関数j
(tn )と電流誤差Δ(tn )とを読み込み、時刻tn +T
Cにて表に基づき、主素子XとYのゲート指令を出す。
値を、下記の不等式を満たすようにする。但し、目標関
数j(t) =*2IA sin (ωt−θ)[A] とし、j
e [A] は前記した通り目標追従誤差幅である。
れ時間TC [S] を、下記の不等式を満たすように定め
る。なお、LS は系統のインダクタンスである。
性的に説明する。先ず、条件は、整流装置が昇圧型に
限定されることを意味する。条件は本発明の中心とな
る部分が定サンプリング型のパルス変調器であることを
意味する。
の上限,下限を定めたことである。即ち、このLP の値
が大き過ぎるとdiP /dtの大きさが小さくなって電
流追従性が悪くなり、一方、LP が小さ過ぎると、受電
電圧が0V付近で、連系点電流iP (t) が早く0に落
ち、遅れ力率である目標関数j(t) に対して誤差を生ず
ることになるからである。
で、この上限値を越えると、電流追従誤差がje 以内と
なることが保証されなくなるためである。
流装置は以下の(イ),(ロ)の効果が、理論的にも実
験的にも保証されることがわかる。
|Δ(tn +TC )|≦je となれば、tn +TC ≦t
となる任意の時刻tで、|Δ(t) |≦je となる。この
ことは追従誤差幅の保証を意味する。 (ロ)装置を起動すると、自動的にあるスイッチング時
刻tn +TC において、|Δ(tn +TC )|≦je と
なる。このことは自動追従開始がなされていることを意
味する。これらについては、前記した通りいずれも数学
的証明は省略する。
り、本装置を起動すると、目標関数j(t) に対する目標
誤差幅je 以内での追従を自動的に開始し、又、目標関
数である正弦波が運転中に変化しても、自動的に新しい
目標への追従を開始するため、安定した制御が可能とな
る。
関数(電流指令)を、j(t) =*2IA sin (ωt−
θ)[A] ,θは力率角,ωは系統角周波数とする。又、
一定サンプリング周期TS [S] ,各サンプリング時刻t
0 ,t1 ,…,tn ,tn-1 (tk −tk-1 =TS :co
nst ),連系点電流iP (t) ,連系点誤差関数Δ(t) **
i(t) −j(t) ,制御遅れ時間TC (TC ≦TS )とす
る。
P (t) を検出し、目標関数であるj(t)との差Δ(t) を
求め、j(t) とΔ(t) とをパルス幅変調器1に入力す
る。パルス幅変調器にはパルス発生器2からのパルスが
入力される。なお、パルス幅変調器には予め定められた
目標追従誤差信号je が入力されている。ここで目標追
従誤差信号とは、目標関数j(t) ±je として設定され
た余裕限界幅を意味する。
V,200Wの整流器を対象とし、目標力率は遅れ0.
99とし、受電点の短絡容量を表わすLS の値を2%程
度のLS =3mH(1.9%)とする。
イッチ,ダイオードの損失を無視すると、P=200
W,Q=28.5Varとなるので目標関数j(t) は
(1)式となる。なお、IA =2.02A,θ=8.6
5°である。
4A(i(t) の振幅の14%)とする。LP の値は以下
に示す(2)式の不等式を満たせばよい。そして(2)
式を計算すると(3)式であればよい。
法から、以下に示す(4)式の不等式を満たせばよく、
(5)式となるので、ここではTS =20μs,TC =
15μsに選定する。
のシミュレーション結果であり、図3では横軸に時間
[ms]を、縦軸に電流[A]をとって示したものであ
る。図3ではt=5msで起動した時の状態を示し、連
系点電流iP (t) は目標関数j(t) にきちんと追従して
おり、起動後の電流誤差は、理論通りに、|Δ(t) |≦
je =0.4Aとなっていることが分かる。
では横軸に時間[ms]を,縦軸に電圧[V]をとって
示したものである。そして上側がXゲート,下側がYゲ
ートであり、ここで電圧値はスイッチング電圧を意味す
る。図4に示されるように、平均スイッチング周波数は
3.6kHzであり、おおよそ7回に1回、指令が出て
いることになる。
80V,200Wの整流器とし、主回路及びPWM制御
法については計算例1と同一とする。この場合、直流電
圧制御法を組み込むものとし、直流側のコンデンサより
CD は公知の手法により、CD =500μF(直流電圧
変動が2%以内となる目標から)とする。
05,T1 =2ms,T2 =2msとする。なお、VD
は前記したように180[V]である。
流負荷が定格の200Wから、1/20の10Wへ急変
した場合の連系点電流,電圧,直流電圧の変化を、直流
負荷電力の変化と共にシミュレーションした図であり、
横軸に時間[ms]を、縦軸に電圧[V]をとって示し
たものである。
点で直流電力200Wから10Wに瞬時に1/20に減
少しても、直流電圧はほゞ一定に保たれており、又、入
力交流電流波形もほゞ正弦波に保たれていることがわか
る。そして制御は直流側,交流側ともに極めて安定して
いる。
ションに示されるように、その理論値とシミュレーショ
ンがほとんど一致していることがわかる。従って本発明
は既に説明した資源エネルギー庁の高調波ガイドライン
に沿ったものであり、極めて有用であることが証明でき
た。
のディジタル制御として説明したが、これに限定される
ものではなく、アナログ方式であってもよい。この場
合、三角波などのキャリア波との比較により、表1のス
イッチングアルゴリズムを実行すればよい。
成図である。図6において、61は第1の比較器で電流
誤差Δ(t) を作成する。即ち、実交流電流iP (t) と目
標関数(指令電流)j(t) とから電流誤差Δ(t) を作成
する。62は第2の比較器で前記目標関数の符号j(t)
≧0か、j(t) <0かを判断する。
電流誤差Δ(t) を入力すると共に、キャリア発生器から
の三角波などを入力する。64は第4の比較器で第1の
比較器61からのΔ(t) とキャリア発生器からの三角波
などを入力する。なお、65はNOT回路である。
入力と第3の比較器63からの入力とが導入され、Δ
(t) ≦キャリア波、かつj(t) ≧0のときにON指令と
し、それ以外ではXゲートはOFFである。又、Yゲー
トは第2の比較器62の反転出力と第4の比較器64の
入力とが導入され、Δ(t) >キャリア波、かつj(t) <
0の時にON指令とし、それ以外ではYゲートはOFF
である。
よっても前記した混合ブリッジの主要素に対して動作指
令を出すことができて、作動することは当然であり、
X,Yゲートの構成(混合ブリッジ)は省略している。
の作成方法は混合ブリッジの主回路に対してのみ適用さ
れるものではなく、一般のフルブリッジ構成の整流回路
においても適用されるものである。ここではフルブリッ
ジそのものは公知のものであるため詳細説明は省略し
た。
回路(TV,エアコンなど)、通信用電源,単相UPS
(Uninteruptive Power Sour
ce)の入力コンバータ,その他各種直流電源装置など
の広汎な用途に適用が可能である。
合ブリッジを用いた単相整流回路においても十分目標追
従誤差幅内に入る制御方式を提供でき、特に家電製品に
適用して効果がある。
プリング型電流制御方式の実施の形態を示す構成図。
ブロック図。
す計算機によるシミュレーション図。
圧,直流電圧の変化を示す図。
Claims (1)
- 【請求項1】 2個のスイッチング素子と2個のダイオ
ードとからなる単相整流回路であって、交流電流が必ず
どちらか1つのスイッチング素子のみを通過するように
構成された混合ブリッジと、前記単相交流系統と前記混
合ブリッジとを接続する連系点の交流電流値を、予め決
められた一定サンプリング周期毎に検出して、正弦波電
流指令値による目標関数との電流誤差を求め、電流の符
号と前記電流誤差の大きさとスイッチングのキャリア信
号又はサンプリング信号とを比較した結果をもとに前記
混合ブリッジのスイッチングモードを決めることを特徴
とする正弦波入力単相整流回路の定サンプリング型電流
制御方式。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15163497A JP3248859B2 (ja) | 1997-05-26 | 1997-05-26 | 正弦波入力単相整流回路の定サンプリング型電流制御方式 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15163497A JP3248859B2 (ja) | 1997-05-26 | 1997-05-26 | 正弦波入力単相整流回路の定サンプリング型電流制御方式 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10337034A JPH10337034A (ja) | 1998-12-18 |
JP3248859B2 true JP3248859B2 (ja) | 2002-01-21 |
Family
ID=15522841
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15163497A Expired - Lifetime JP3248859B2 (ja) | 1997-05-26 | 1997-05-26 | 正弦波入力単相整流回路の定サンプリング型電流制御方式 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3248859B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001073933A1 (fr) | 2000-03-27 | 2001-10-04 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Convertisseur a une seule phase, convertisseur et dispositif pour cycle de refrigeration |
JP4290085B2 (ja) | 2004-07-09 | 2009-07-01 | 三洋電機株式会社 | 電源回路 |
-
1997
- 1997-05-26 JP JP15163497A patent/JP3248859B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
大島正明、斉藤亮治、宇敷修一、山口達史、高野誠治,能動スイッチ数を2とする定サンプル型単相正弦波入力整流回路,電気学会論文誌D,日本,電気関係学会,119/7,958−969 |
大西徳生、萩原茂教,ハーフブリッジ型PWMコンバータのキャパした容量低減,電気関係学会論文D,日本,電気関係学会,115/2,174−175 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10337034A (ja) | 1998-12-18 |
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