JP3247726B2 - 内部緊締装置を備えたスポーツ靴 - Google Patents

内部緊締装置を備えたスポーツ靴

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JP3247726B2 JP17425292A JP17425292A JP3247726B2 JP 3247726 B2 JP3247726 B2 JP 3247726B2 JP 17425292 A JP17425292 A JP 17425292A JP 17425292 A JP17425292 A JP 17425292A JP 3247726 B2 JP3247726 B2 JP 3247726B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】本発明は、足を通すことができるように前
方へ向けて開いている外胴部を公知の方法で取り付けた
外底を含み、かつ該胴部が例えばひも締めのような閉鎖
装置によって足の上で閉じることのできる種類のスポー
ツ靴（特に、ワンダーフォーゲル用の靴）に関するもの
である。
【０００２】言うまでもなく、この靴胴部は、外部環境
（とりわけ、雨または雪）に対して靴の密封性を確保
し、また崩れ落ちた岩や他の外部の危険物から足を機械
的に保護するとともに、特に傾斜地あるいはでこぼこの
地面において踝の保持と捻挫からの防止とを確保する。
この目的のために、高山登攀用の靴の中には、氷河登攀
のための特殊な条件に耐えるようにプラスチック材料製
の外側胴部を備えた型式のものさえある。
【０００３】足ならびに踵の効果的な保護を確実に行う
ことができるように、この種の靴は、とりわけ胴部に関
しては、一般に比較的厚みが大きくて剛性の高い皮革あ
るいはさらにプラスチックのような非常に強度の高い材
料で作られる。
【０００４】このため、従来のひも締め式装置により足
に対して靴を締め付けるためには、いわゆる胴部区域に
対して強く引っ張る必要がある。
【０００５】材料の剛性に鑑み、緊締応力を配分するこ
とは困難である。このため、一般に締め付け過ぎにな
り、この結果、長距離の歩行あるいは繰り返しステップ
の際に大きな傷を生じるような痛点、圧下点等が発生す
る。
【０００６】さらに、締め付けが不十分な場合には、靴
の内部で足が移動し、これにより足と靴との間に摩擦が
生じ、この結果、「まめ」あるいはさらに焼けるような
傷みさえもが発生する。
【０００７】また、このようなスポーツを行うに当た
り、斜面を下る際に靴内部で足が前方へ摺動する傾向が
あり、その結果、使用者の体重がこの部分へ移動するこ
とにより靴先に足の爪先が押し付けられ、かつ局所的な
疲労ならびに不快な摩擦が生じることも確認されてい
る。
【０００８】例えばフランス特許第２６５１４１４号、
ドイツ特許第４０３２８２６号およびフランス特許第２
５３４４５９号の対象となっているようないくつかのク
ロスカントリー用の靴においては、二重の胴部（すなわ
ち、ひも締め式緊締手段を含み、一部分を包み込む部分
的な内胴部と；寒さ、凍結、ならびに雪または水の侵入
に対して該内胴部のひも締め手段を保護することを主た
る目的とする外胴部あるいはカバーとから成るもの）を
設けることが知られている。
【０００９】このような靴において、満たすべき制約条
件は、主として、足を十分にかつ不快感を生じることな
く蹴り上げることと、最低限の重量が得られるようにす
るための軽さと軟らかさである。したがって、これらの
靴においては、足の良好な機械的保護（すなわち、衝
撃、落下石、捻挫等に対する保護）と、容易かつ制御さ
れた足の緊締とを両立させるという本発明の基礎的な問
題は提起されておらず、また、このような靴において
は、この問題を後験的に解決することはできない。
【００１０】同様に、ドイツ特許第３４３６６７０号明
細書には、土踏まずの支持手段を内部に備えたスポーツ
靴が示されているが、この手段は靴内での足の緊締には
全く寄与するものではない。なぜなら、外部緊締手段が
さらに備えられていて、しかも本発明によって提起され
る問題に対する示唆も解決法も与えるものではないから
である。
【００１１】本発明は、足の保護を確実に行うととも
に、足を効果的に締め付けるための応力の配分を伴なう
制御された単純かつ容易な足の締め付けを靴内で行うこ
とができる十分な剛性をもった歩行兼山歩き用の靴を提
案することによって、これら諸欠点を解消することを目
的とする。
【００１２】本発明の目的は、外部覆い（この場合には
外側胴部）によって確保されている足の保護機能と、内
部緊締装置によって胴部に関係なく行われる足の緊締機
能とを分離することにある。
【００１３】本発明の他の特徴によると、内部緊締装置
は、使用者の足甲部区域で同時に作用する内側と外側の
２の緊締区域から成り、これら２の緊締区域は靴の内側
と外側においてそれぞれの下端部によって固定され、そ
の上部自由端部は、外胴部の下方に配設される固有の連
結兼緊締手段を備えている。
【００１４】このようにして、保護機能が外胴部によっ
てさらに確保されるので、緊締応力の配分がさらに容易
となることが良く理解できる。緊締区域については、足
の形状に適合するさらに柔軟性の高い材料を考えること
ができる。
【００１５】該緊締区域は、足の屈曲襞部と中足骨関節
軸との間で足甲部を包み込むように靴内に配設するのが
好ましい。
【００１６】こうして、足の指はと言えば、これらの指
はある程度自由に動くことができ、この結果、血液循環
や足のしびれや、また、足の或る部分の不必要な圧迫に
関する諸問題も減少する。
【００１７】実際、下記の事項が確認された： − 痙攣は、どちらかと言うと、足甲部に対して垂直方
向に過度の押圧力が加わることによって生じるもののよ
うであり、この垂直方向の押圧力によって土踏まずが押
しつぶされる（筋繊維が伸びる）。 − 足のしびれや「ちくちく」感は、どちらかと言う
と、足前部あるいアキレス腱の両側の踝後部空間に過度
の押圧力が加わることによって生じる血液循環または神
経循環の阻害によるものであろう。
【００１８】さらに、このようにして足甲部よりも足前
部の自由度の方が大きくなることにより、歩行時に足の
運び（蹴り上げ）が容易となる。
【００１９】穿孔を施した柔軟な布で緊締区域を製作し
て靴をより軽量にするとともに、足の締め付けと風通し
をより容易にすると有利である。
【００２０】本発明は、非限定的な例として好ましい一
実施態様を示す添付の概略図を参照して以下の詳細な記
載を読むことにより、さらに良く理解することができ、
また本発明の他の特徴も明かとなろう。
【００２１】図１は、足４を通すことができるように前
方に開く外胴部３を取り付けた外底２を含む型式の山歩
き用靴１を示す。ここでは、靴胴部３は足４の内側に位
置する内側半カバー３ａと足４の外側に位置する別の外
側半カバー３ｂの２つの半カバーから成り、これら２の
半カバー３ａおよび３ｂはファスナー或いは自己密着式
手段のような閉鎖装置５によって互いに連結される。
【００２２】図２は、靴胴部３のこれら半カバー３ａ、
３ｂの各々が、靴底２とつり込み中底６との間に位置す
る「つり代(la prise de montage)」７と呼ばれる接合
区域内で、接着により該つり込み中底６と共に靴底２上
に接着により組み付けられる様子を示す。
【００２３】本発明によれば、この山歩き用靴１は、そ
れ自体足４の機械的保護を確実に行うための胴部３から
独立して、該足４に作用し、靴１の内部で足４の保持を
確実にするための内部緊締装置８を含む。
【００２４】この内部緊締装置８は、使用者の足甲部区
域で同時に作用するとともにそれぞれ靴１の内側と外側
でその下端８ｃ、８ｄの一方を介して固定される内側緊
締区域８ａおよび外側緊締区域８ｂの２の緊締区域によ
り構成される。もう一方の上部自由端部８ｅおよび８ｆ
は、胴部３がその閉鎖装置５によって閉じられるとき、
それら端部に固有で、かつ該胴部３の下方に配設される
連結兼緊締手段９を備えている。
【００２５】これら２の緊締区域８ａ、８ｂにより、該
緊締区域８ａ、８ｂの下端８ｃ、８ｄと靴胴部３の半カ
バー３ａ、３ｂとを同時に介装、接着させた後、靴底２
が接着されるつり込み中底６上に置かれる清潔用敷皮と
呼ばれる底敷（図示せず）に対して使用者の足を押し当
てることができる。
【００２６】もちろん、緊締区域８ａ、８ｂは、接着で
はなく、靴胴部３のつり代７の上部に位置する合わせ縫
い(couture associee)（図示せず）によって該靴胴部３
の半カバー３ａ、３ｂ上に直接にその下端８ｃ、８ｄを
介して接合しても良い。この場合、緊締区域８ａ、８ｂ
はより短くなる。
【００２７】図１および図３に示すように、緊締区域８
ａ、８ｂは足の屈曲襞部４ａと中足骨関節軸４ｂとの間
で足甲部の箇所に配設される。
【００２８】内部緊締装置８の緊締区域８ａ、８ｂは、
上記のような長所を有する穿孔を施した布あるいは網状
の布のような柔軟な材料で製作するのが好ましい。
【００２９】さらに、該緊締区域８ａ、８ｂの上部自由
端部８ｅ、８ｆの連結兼緊締手段９は、ひも締め式装置
によって構成される。
【００３０】もちろん、この代わりに、自己密着式テー
プ或いはそれ自体公知の他の適宜な締め付け手段を用い
ても良い。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に基づく山歩き用靴の側面図である。
【図２】図１の靴の概略横断面図である。
【図３】足が本発明の装置により保持されるとき、靴内
での足の位置を示す、一部を除去した靴の正面図であ
る。
【符号の説明】
１ 靴 ２ 外底 ３ 外胴部 ４ 足部 ４ａ 屈曲襞部 ４ｂ 中足骨関節軸 ５ ファスナー ６ つり込み中底 ７ つり代（連結区域） ８ 緊締装置 ８ａ 内側緊締区域 ８ｂ 外側緊締区域 ８ｃ、８ｄ 下端部 ８ｅ、８ｆ 上部自由端部 ９ 連結兼緊締手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A43B 5/00 304 A43B 7/14 A43B 23/02 104 A43C 11/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 外底（２）と前記外底上に取り付けられ
    る外胴部（３）とから成り、前記胴部は足の挿入を可能
    にするため前方へ向けて開き、またファスナー装置
    （５）により足を閉鎖できる型式のスポーツ靴におい
    て、 靴（１）の内部で足（４）の保持を確実にするための内
    部緊締装置（８）を含み、前記内部緊締装置は足（４）
    の保護を確実に行うために前記外胴部（３）から独立し
    て足（４）に対し作用することを特徴とするスポーツ
    靴。
  2. 【請求項２】 前記内部緊締装置（８）が内側緊締区域
    （８ａ）と外側緊締区域（８ｂ）とから成り、前記内側
    緊締区域（８ａ）と外側緊締区域（８ｂ）は、それぞれ
    の下端部（８ｃ、８ｄ）を介して靴（１）の内側と外側
    に固定され、前記両緊締区域の上部自由端部（８ｅ、８
    ｆ）は連結兼緊締手段（９）を備えることを特徴とする
    請求項１によるスポーツ靴。
  3. 【請求項３】 前記緊締区域（８ａ、８ｂ）の各々が、
    その下端部（８ｃ、８ｄ）を介して、前記胴部（３）の
    つり代（７）の上方に位置する合わせ縫い部により前記
    胴部（３）に直接組み付けられることを特徴とする請求
    項２によるスポーツ靴。
  4. 【請求項４】 前記両緊締区域（８ａ、８ｂ）の組み付
    けが、外底部（２）とつり込み中底（６）の間に、それ
    ぞれの下端部（８ｃ、８ｄ）を介装、接着することによ
    って行われることを特徴とする請求項２によるスポーツ
    靴。
  5. 【請求項５】 前記両緊締区域（８ａ、８ｂ）の下端部
    （８ｃ、８ｄ）が、前記胴部（３）と同時に、前記外底
    部（２）と前記つり込み中底（６）の間に介装、接着さ
    れることを特徴とする請求項４によるスポーツ靴。
  6. 【請求項６】 前記両緊締区域（８ａ、８ｂ）が、足
    （４）の屈曲襞部（４ａ）と中足骨関節軸（４ｂ）の間
    で、足甲部の箇所に配設されることを特徴とする請求項
    １ないし５のいずれか１によるスポーツ靴。
  7. 【請求項７】 前記両緊締区域（８ａ、８ｂ）が柔軟な
    材料で形成されることを特徴とする請求項１ないし６の
    いずれかによるスポーツ靴。
  8. 【請求項８】 前記両緊締区域（８ａ、８ｂ）を形成す
    る柔軟な材料が穿孔を施した布であることを特徴とする
    請求項７によるスポーツ靴。
  9. 【請求項９】 前記両緊締区域（８ａ、８ｂ）の上部自
    由端部（８ｅ、８ｆ）に設ける連結兼緊締手段（９）が
    ひも締め式装置で構成されることを特徴とする請求項２
    によるスポーツ靴。
  10. 【請求項１０】 前記両緊締区域（８ａ、８ｂ）の上部
    自由端部（８ｅ、８ｆ）の連結兼緊締手段（９）が自己
    密着式のバンドで構成されることを特徴とする請求項２
    によるスポーツ靴。
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