JP3246840B2 - インバータ装置 - Google Patents

インバータ装置

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JP3246840B2
JP3246840B2 JP26230094A JP26230094A JP3246840B2 JP 3246840 B2 JP3246840 B2 JP 3246840B2 JP 26230094 A JP26230094 A JP 26230094A JP 26230094 A JP26230094 A JP 26230094A JP 3246840 B2 JP3246840 B2 JP 3246840B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プレス機械のレシプロ
機構等のようにフライホイールを有する負荷を駆動する
交流電動機に交流電力を供給するインバータ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、プレス機械においては、負荷た
るレシプロ機構を駆動する交流電動機にインバータ装置
により可変電圧可変周波数の交流電力を供給するように
したものがある。この場合、レシプロ機構は、下死点か
ら上死点に上昇(力行)し、更に、上死点から下死点に
下降(回生)するように上下運動を行なうので、急激な
負荷変動を生ずるものである。このため、通常は、レシ
プロ機構の回転軸にフライホイールを設けて、急激な負
荷変動に対して回転速度の変動を抑制するようにしてい
る。
【0003】ところが、このような構成にすると、回生
時の回生エネルギーによりインバータ装置のインバータ
主回路の直流主回路電圧が急上昇するので、インバータ
装置に通常設けられている過電圧保護装置が作動して運
転を停止させてしまう。このため、従来では、負荷たる
フライホイールからの回生エネルギーを発電制動抵抗器
で消費する発電制動装置、或いは、回生エネルギーを電
源に回生する回生制動装置を設けるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の構成では、負荷
からの回生エネルギーをインバータ主回路外に放出する
ために、発電制動装置或いは回生制動装置等の回生エネ
ルギー処理装置を特別に設けているので、それだけ価格
が高くなる不具合があった。又、回生エネルギーは交流
電動機を通して回生電流としてインバータ主回路に戻さ
れるので、回生電流による電動機損失,インバータ主回
路損失が増大し、交流電動機,インバータ主回路の発熱
が大きくなる不具合もあった。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、発電制動装置或いは回生制動装置等の
特別な回生エネルギー処理装置を設けなくても、負荷の
回生エネルギーの処理を行なうことができるインバータ
装置を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のインバー
タ装置は、フライホイールを有する負荷を駆動する交流
電動機に交流電力を供給するインバータ主回路と、この
インバータ主回路の出力電流を検出しその出力電流を座
標変換してトルク電流成分と励磁電流成分とに分離しこ
れらのトルク電流成分と励磁電流成分との乗算によりト
ルク成分を検出するトルク成分検出手段と、前記負荷が
回生状態のときの前記トルク成分検出手段によるトルク
成分の検出値が設定値以上となった場合に前記インバー
タ主回路の出力周波数を増加させる保護手段とを具備し
てなる構成に特徴を有する。
【0007】請求項2記載のインバータ装置は、フライ
ホイールを有する負荷を駆動する交流電動機に交流電力
を供給するインバータ主回路と、このインバータ主回路
の出力電流を検出し、その出力電流を座標変換してトル
ク電流成分と励磁電流成分とに分離し、これらのトルク
電流成分と励磁電流成分との乗算によりトルク成分を検
出するトルク成分検出手段と、前記負荷が回生状態のと
きの前記トルク成分検出手段によるトルク成分の検出値
が設定値以上となった場合に前記インバータ主回路の出
力周波数を増加させ、前記トルク成分の検出値が設定値
未満で且つ前記負荷が力行状態のときの前記トルク成分
検出手段によるトルク成分の検出値が所定値以上の場合
に前記インバータ主回路の出力周波数を減少させ、前記
回生状態でのトルク成分の検出値が設定値未満で且つ前
記力行状態でのトルク成分の検出値が所定値未満の場合
に前記インバータ主回路の出力周波数を現状の出力周波
数に保持し若しくは出力周波数指令値まで戻す保護手段
とを具備してなる構成に特徴を有する。
【0008】請求項3記載のインバータ装置は、トルク
成分検出手段を、励磁電流成分の代わりに励磁電流指令
値を用いて、トルク電流成分と励磁電流指令値との乗算
によりトルク成分を検出するように構成するところに特
徴を有する。
【0009】
【0010】
【0011】
【作用】請求項1記載のインバータ装置によれば、保護
手段は、負荷が回生状態のときのトルク成分の検出値が
設定値以上となった場合にインバータ主回路の出力周波
数を増加させるので、回生エネルギーは再び回転エネル
ギーとしてフライホイールに蓄積されるようになって、
電動機,インバータ主回路には戻されない。
【0012】請求項2記載のインバータ装置によれば、
保護手段は、請求項1と同様の作用を有するとともに、
更に、負荷が回生状態のときのトルク成分の検出値が設
定値未満で且つ前記負荷が力行状態のときのトルク成分
の検出値が所定値以上の場合に、インバータ主回路の出
力周波数を減少させるので、回生エネルギーの処理のた
めにインバータ主回路の出力周波数が増加されたことに
ともなって交流電動機が過負荷状態になった場合に、こ
れを解消することができる。
【0013】又、保護手段は、前記回生状態でのトルク
成分の検出値が設定値未満で且つ力行状態でのトルク成
分の検出値が所定値未満の場合に、インバータ主回路の
出力周波数を現状の出力周波数に保持するか若しくは出
力周波数指令値まで戻すので負荷を安定して制御するこ
とができる。
【0014】請求項3記載のインバータ装置によれば、
トルク成分検出手段は、トルク電流成分と励磁電流指令
値との乗算によりトルク成分を検出するので、実電流検
出の変動による制御の不安定性を改善することができ
る。
【0015】
【0016】
【実施例】以下、本発明をプレス機械に適用した第1の
実施例につき、図1及び図2を参照しながら説明する。
全体の構成を示す図2において、交流電動機1の回転軸
2は、負荷たるレシプロ機構3におけるフライホイール
4の軸5の一端部に連結されており、その軸5の他端部
には、歯車6が固定されている。歯車6と噛合する歯車
7の軸8には、クランク軸9が連結されており、このク
ランク軸9には、ラム10が連接棒11によって連結さ
れている。
【0017】直流電源回路12は、ダイオードを三相ブ
リッジ接続してなる全波整流回路13と、その直流出力
端子間に接続された平滑用コンデンサ14とから構成さ
れており、その全波整流回路13の交流入力端子は、三
相の交流電源に接続されている。インバータ主回路15
は、フリーホイールダイオードを有するトランジスタを
三相ブリッジ接続して構成されたもので、その入力端子
は、平滑用コンデンサ14の両端子に接続され、出力端
子は、給電線16,17及び18を介して交流電動機1
のU,V及びW相入力端子に接続されている。そして、
給電線16及び18には、電流検出器19及び20が配
設されている。
【0018】直流電源回路12及びインバータ主回路1
5とともにインバータ装置を構成する制御装置21は、
マイクロコンピュータを主体として構成されたものであ
るが、図2では、説明の便宜上、主要部分を機能別のブ
ロック線図として示す。以下、この制御装置21につい
て述べる。
【0019】出力周波数(速度)設定器22は、例えば
可変抵抗器により構成されたもので、その出力端子は、
加減速制御回路23の入力端子に接続されている。この
加減速制御回路23は、出力周波数設定器22から与え
られる設定値FRHを基に加速及び減速時間を加味した
出力周波数指令値Frを出力するもので、その出力端子
は、加算器24の一方の正(+)入力端子に接続されて
いる。この加算器24は、他方の正(+)入力端子に後
述するような出力周波数変化量dFが与えられるように
なっていて、出力周波数指令値Frに出力周波数変化量
dFを加算して出力端子から出力周波数制御値F0を出
力するようになっており、その出力端子は、PWM(パ
ルス幅変調)制御回路25の入力端子に接続されてい
る。
【0020】PWM制御回路25は、各出力端子がイン
バータ主回路15の各トランジスタのベースに接続され
ていて、出力周波数制御値F0に基づいた出力周波数及
び出力電圧の交流電力を出力させるべくインバータ主回
路15のトランジスタにPWM制御による通電タイミン
グ信号を与えるようになっている。尚、出力周波数設定
器22,加減速制御回路23,加算器24及びPWM制
御回路25は、速度制御手段26を構成するようになっ
ている。
【0021】さて、前記電流検出器19及び20の出力
端子は、座標変換器27の各入力端子に接続されてい
る。この座標変換器27は、1つの入力端子がPWM制
御回路25の1つの出力端子に接続されて、そのPWM
制御回路25からインバータ出力位相信号θが与えられ
るようになっており、電流検出器19及び20が検出す
るU相出力電流Iu及びW相出力電流Iwをインバータ
出力位相信号θを基に座標変化して、トルク電流成分I
qと励磁電流成分Idとに分離し、これらを2つの出力
端子から出力するようになっている。
【0022】乗算器28は、両入力端子が座標変換器2
7の2つの出力端子に接続されていて、座標変換器27
から与えられるトルク電流成分Iqと励磁電流成分Id
とを乗算することによりその乗算値たるトルク成分Tを
検出して出力端子から出力するようになっている。尚、
電流検出器19,20,座標変換器27及び乗算器28
は、トルク成分検出手段29を構成する。
【0023】一方、保護手段30は、比較変換器31及
び積分器32から構成されている。比較変換器31は、
その入力端子が乗算器28の出力端子に接続されてい
て、負荷たるレシプロ機構3のクランク軸9(ハブ1
0)が下死点から上死点に向かって移動する状態(力行
状態)と上死点から下死点に向かって移動する状態(回
生状態)とによって後述するように出力端子からの出力
信号Outを変化させるようになっている。
【0024】積分器32は、オペアンプ32aの入,出
力端子間にコンデンサ32bが接続され、このコンデン
サ32bに互いに逆方向となる定電圧ダイオード32
c,32dの直列回路が接続されて構成されていて、そ
の入力端子は比較変換器31の出力端子に接続され、出
力端子は加算器24の他方の正(+)入力端子に接続さ
れている。この場合、積分器32は、比較変換器31の
出力信号Outを積分することにより出力周波数変化量
dFを得て出力するようになっている。
【0025】次に、本実施例の作用につき、図1のフロ
ーチャートをも参照しながら説明する。制御装置21
は、出力周波数設定器22により設定値FRHが設定さ
れると制御動作を開始(スタート)し、以下のような制
御を行なう。即ち、加減速制御回路23は、設定値FR
Hに加速時間及び減速時間を加味した出力周波数指令値
Frを出力し、これが加算器24を経て出力周波数制御
値F0としてPWM制御回路25に与えられる。これに
より、PWM制御回路25は、インバータ主回路15の
トランジスタに通電タイミング信号を与えることによ
り、そのインバータ主回路15から交流電動機1に交流
電力を供給して、交流電動機1を設定された加速時間を
もって設定値FRHによって設定された速度まで上昇さ
せる。
【0026】従って、交流電動機1の回転軸2によって
レシプロ機構3のフライホイール4が回転されるととも
に、歯車6及び8を介してクランク軸9が回転されるよ
うになり、連接棒11を介してラム10が上下往復移動
される。この場合、交流電動機1は、クランク軸9(ラ
ム10)が下死点から上死点間で移動する間は動力を多
く必要とする力行状態になり、逆に、クランク軸9が上
死点から下死点間で移動する間に動力をそれほど必要と
しない回生状態になる。そして、この回生状態において
は、フライホイール4の回生エネルギーが交流電動機1
に伝達されて、交流電動機1が回生電流を生ずる状態に
なる。
【0027】交流電動機1が負荷たるレシプロ機構3を
駆動するようになると、制御装置21は「トルク検出」
の処理ステップS1に移行する。この処理ステップS1
では、制御装置21の座標変換器27は、電流検出器1
9及び20を介してインバータ主回路15のU相出力電
流Iu及びW相出力電流Iwを検出し、これらのU相出
力電流Iu及びW相出力電流IwをPWM制御回路25
からの位相信号θを基にトルク電流成分Iqと励磁電流
成分Idに分離し、これらのトルク電流成分Iq及び励
磁電流成分Idを乗算器28に与える。乗算器28にお
いては、トルク電流成分Iqと励磁電流成分Idとを乗
算してその乗算値たるトルク成分Tを出力し、これを比
較変換器31に与える。
【0028】制御装置21は、次に、「回生トルク設定
値以上か?」の判断ステップS2に移行する。この判断
ステップS2では、比較変換器31は、トルク成分Tが
レシプロ機構3(交流電動機1)が力行状態であるか回
生状態であるかを判別し、その回生状態におけるトルク
成分Tの検出値が設定値Ta以上か否かを判断する。そ
して、比較変換器31において、判断ステップS2で
「YES」(T≧Ta)と判断したときには、「出力周
波数を上げる」の処理ステップS3に移行し、ここで
は、出力信号Outを一定の正(+)信号とする。これ
により、積分器32は、正(+)信号の出力信号Out
を積分してその積分値たる出力周波数変換量dFを出力
し、これを加算器24に与える。
【0029】従って、加算器24は、加減速制御回路2
3からの出力周波数指令値Frに出力周波数変換量dF
を加算して出力周波数制御値F0(=Fr+dF)を出
力し、これをPWM制御回路25に与えるようになる。
このPWM制御回路25は、出力周波数制御値F0が前
回よりも出力周波数変換量dF分だけ増加したことによ
り、その増加分だけインバータ主回路15の出力周波数
が増加するようにそのインバータ主回路15のトランジ
スタに対するPWM制御による通電タイミング信号を変
化させる。この結果、交流電動機1の回転速度が上昇
し、負荷たるレシプロ機構3の回生エネルギーは、フラ
イホイール4の回転エネルギーとして蓄積されるように
なる。そして、制御装置21は、次のステップに移行す
る。
【0030】制御装置21は、次に「回生トルク設定値
以上か?」の判断ステップS2になったときに、「N
O」(T<Ta)と判断した場合には、「力行トルク所
定値以上か?」の判断ステップS4に移行する。この判
断ステップS4では、比較変換器31は、レシプロ機構
3(交流電動機1)の力行状態でのトルク成分Tの検出
値が所定値Tb以上か否かを判断し、YES(T≧T
b)と判断したときには「出力周波数を下げる」の処理
ステップS5に移行する。そして、比較制御器31は、
ここでは、出力信号Outを一定の負(−)信号とす
る。これにより、積分器32は、負(−)信号の出力信
号Outを積分してその積分値たる出力周波数変換量d
Fを出力し、これを加算器24に与える。
【0031】従って、加算器24は、加減速制御回路2
3からの出力周波数指令値Frに出力周波数変換量dF
を加算して出力周波数制御値F0(=Fr−dF)を出
力し、これをPWM制御回路25に与えるようになる。
このPWM制御回路25は、出力周波数制御値F0が前
回よりも出力周波数変換量dF分だけ減少したことによ
り、その減少分だけインバータ主回路15の出力周波数
が減少するようにそのインバータ主回路15のトランジ
スタに対するPWM制御による通電タイミング信号を変
化させる。この結果、交流電動機1の回転速度が下降
し、交流電動機1の回転速度上昇によるその交流電動機
1の過負荷状態(トルク不足)を解消するようになる。
【0032】制御装置21は、次に判断ステップS4で
「NO」(T<Tb)と判断したときには、「出力周波
数が出力周波数指令値と同一か?」の判断ステップS6
に移行する。この判断ステップS6では、比較制御器3
1は、出力信号Outを零とするようになり、積分器3
2は出力周波数変化量dFを零とする。従って、加算器
24は、加減速制御回路23からの出力周波数指令値F
rを出力周波数制御値F0として出力してPWM制御回
路25に与えるようになり、インバータ主回路15の出
力周波数(交流電動機1の回転速度)は現状の出力周波
数(回転速度)に保持される。
【0033】制御装置21は、次に判断ステップS6に
移行したときに「NO」と判断したときには、「出力周
波数を徐々に出力周波数指令値に戻す」の処理ステップ
S7に移行する。判断ステップS7で「NO」と判断し
たときには、インバータ主回路15の出力周波数は、本
来の出力周波数指令値Frが示す出力周波数になってい
なくて、増加若しくは減少していることであり、比較変
換器31を介して積分器32は、出力周波数変化量dF
を負(−)方向に増大させるか若しくは正(+)方向に
増大させて、インバータ主回路15の出力周波数を本来
の出力周波数指令値Frに徐々に一致させるようにな
る。
【0034】このように、本実施例によれば、制御装置
21はインバータ主回路15の2相の出力電流たるU相
出力電流Iu及びW相出力電流Iwから交流電動機1の
トルク成分Tを検出して、回生状態でのトルク成分Tの
検出値が設定値Ta以上のときには、インバータ主回路
15の出力周波数を増加させて交流電動機1の回転速度
を上昇させるようにした。従って、負荷たるレシプロ機
構3の回生エネルギーはフライホイール4の回転エネル
ギーとして蓄積されるように処理される。
【0035】これにより、従来のような発電制動装置,
回生制動装置等の回生エネルギー処理装置を用いなくて
も、レシプロ機構3の回生エネルギーを処理できるの
で、それだけ価格を安くすることができる。又、回生エ
ネルギーがフライホイール4の回転エネルギーとして蓄
積されるので、交流電動機1が回生電流を発生すること
は極力抑制され、回生電流がインバータ主回路15に流
れることも極力抑制されることになって、交流電動機1
の損失及びインバータ主回路15の損失がほとんどなく
なり、これらの交流電動機1及びインバータ主回路15
の発熱が小さくなる。
【0036】更に、制御装置21は、回生状態でのトル
ク成分Tの検出値が設定値Ta未満で且つ力行状態での
トルク成分Tの検出値が所定値Tb以上のときには、イ
ンバータ主回路15の出力周波数を減少させるようにし
たので、回生エネルギー処理のためにインバータ主回路
15の出力周波数が増加されたことにともなって交流電
動機1が過負荷状態になった場合には、これを解消する
ことができる。
【0037】そして、制御装置21は、回生状態でのト
ルク成分Tの検出値が設定値Ta未満で且つ力行状態で
のトルク成分Tの検出値が所定値Tb未満のときには、
インバータ主回路15の出力周波数を現状の出力周波数
に保持するか若しくは出力周波数指令値Frに徐々に戻
すようにしたので、回生エネルギーの処理を電気的なソ
フトウエアにより行なっても、レシプロ機構3を安定し
て制御することができる。
【0038】図3は本発明の第2の実施例であり、図2
と同一部分には同一符号を付して示し、以下、異なる部
分について説明する。即ち、乗算器28においては、そ
の一方の正(+)入力端子には、座標変換器27からの
トルク電流成分Iqが与えられるが、他方の正(+)入
力端子には、励磁電流成分Idの代わりに一定の励磁電
流指令値Id*が与えられるようになっている。そし
て、乗算器28は、トルク電流成分Iqと励磁電流指令
値Id*とを乗算してトルク成分T´を出力するように
なっている。このトルク成分T´は比較変換器31に代
わる比較変換器33の入力端子に与えられるようになっ
ており、この比較変換器33は、比較変換器31のトル
ク成分Tをトルク成分T´に置き換えてその比較変換器
31と同様の動作を行なうようになっている。尚、この
場合には、トルク成分検出手段29は、単なるトルク電
流成分検出手段として作用することになる。
【0039】従って、この第2の実施例によれば、前記
第1の実施例と同様の作用効果が得られるとともに、特
に、実電流による励磁電流成分Idの代わりに一定の励
磁電流指令値Id*を用いたことによって、実電流検出
の変動による制御の不安定性を改善することができる利
点がある。
【0040】図4は本発明の第3の実施例であり、図2
と同一部分には同一符号を付して示し、以下、異なる部
分について説明する。即ち、比較変換器34は、比較変
換器31に代わるもので、回生状態でのトルク成分Tの
検出値が設定値Ta以上となったときには、その検出値
の大きさに比例して正(+)方向に直線的に増加する出
力信号Outを出力し、力行状態でのトルク成分Tの検
出値が所定値Tb以上となったときには、その検出値の
大きさに比例して負(−)方向に直線的に増加する出力
信号Outを出力するように設定されている。これによ
り、積分器32は、トルク成分Tの検出値に応じた量の
出力周波数変化量dFを出力するようになる。
【0041】従って、この第3の実施例によれば、前記
第1の実施例と同様の作用効果が得られるとともに、特
に、出力周波数変化量dFがトルク成分Tの検出値の大
きさに応じた量となるので、負荷たるレシプロ機構3の
変動の大小の変化に対応し易くなる利点がある。
【0042】図5は本発明の第4の実施例であり、図2
と同一部分には同一符号を付して示し、以下、異なる部
分について説明する。この第4の実施例では、乗算器2
8を省略するとともに、座標変換器27からのトルク電
流成分Iqを比較変換器31に代わる比較変換器35の
入力端子に与えるようにしたものである。この比較変換
器35は、比較変換器31のトルク成分Tをトルク電流
成分Iqに置き換えてその比較変換器31と同様の動作
を行なうものである。尚、この場合にも、トルク成分検
出手段29は、単なるトルク電流成分検出手段として作
用する。
【0043】この比較変換器35の動作を概略的に述べ
れば、次の通りである。即ち、回生状態のときのトルク
電流成分Iqの検出値が設定値Ia´以上となった場合
には、インバータ主回路15(図2参照)の出力周波数
を増加させ、回生状態でのトルク電流成分Iqの検出値
が設定値Ia´未満で且つ力行状態でのトルク電流成分
Iqの検出値が所定値Ib´以上の場合には、前記イン
バータ主回路15の出力周波数を減少させ、前記回生状
態でのトルク電流成分Iqの検出値が設定値Ia´未満
で且つ前記力行状態でのトルク電流成分Iqの検出値が
所定値Ib´未満の場合には、前記インバータ主回路1
5の出力周波数を現状の出力周波数に保持し若しくは出
力周波数指令値Fr(図2参照)まで戻すようになる。
【0044】従って、この第4の実施例によっても、前
記第1の実施例と同様の作用効果が得られ、特に、この
第4の実施例においては、乗算器28(図2参照)の乗
算処理が不必要になるので、ソフトウエアの処理が簡単
になる利点がある。
【0045】尚、本発明は、上記し且つ図面に示す各実
施例に限定されるものではなく、次のような拡張,変形
が可能である。第3の実施例の比較変換器34を第1の
実施例の比較変換器31の代わりに用いてもよく、又、
比較変換器34の技術を第2及び第4の実施例の比較変
換器33及び35に応用してもよい。制御装置21は、
マイクロコンピュータを主体としたソフトウエアのもの
でなくとも、ハードウエアによって構成してもよい。プ
レス機械のみならず、負荷にフライホイールを有するも
の全般に適用可能である。
【0046】
【発明の効果】本発明は、以上説明した通りであるの
で、次のような効果を奏する。請求項1記載のインバー
タ装置によれば、保護手段は、負荷が回生状態のときの
トルク成分の検出値が設定値以上となった場合に、イン
バータ主回路の出力周波数を増加させるので、回生エネ
ルギーは、再び回転エネルギーとしてフライホイールに
蓄積されるようになって、電動機,インバータ主回路に
は戻されることがない。したがって、従来のような発電
制動装置,回生制動装置等のような特別な回生エネルギ
ー処理装置を設けなくて済み、価格を安くすることがで
きる。又、回生電流による電動機損失及びインバータ主
回路損失を極力少なくなし得て、交流電動機及びインバ
ータ主回路の発熱を極力防止することができる。
【0047】請求項2記載のインバータ装置によれば、
保護手段は、請求項1と同様の作用を有するとともに、
更に、負荷が回生状態のときのトルク成分の検出値が設
定値未満で且つ前記負荷が力行状態のときのトルク成分
の検出値が所定値以上の場合に、インバータ主回路の出
力周波数を減少させるので、回生エネルギーの処理のた
めにインバータ主回路の出力周波数が増加されたことに
ともなって交流電動機が過負荷状態になった場合に、こ
れを解消することができる。
【0048】又、保護手段は、前記回生状態でのトルク
成分の検出値が設定値未満で且つ力行状態でのトルク成
分の検出値が所定値未満の場合に、インバータ主回路の
出力周波数を現状の出力周波数に保持するか若しくは出
力周波数指令値まで戻すので負荷を安定して制御するこ
とができる。
【0049】請求項3記載のインバータ装置によれば、
トルク成分検出手段は、トルク電流成分と励磁電流指令
値との乗算によりトルク成分を検出するので、実電流検
出の変動による制御の不安定性を改善することができ
る。
【0050】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す作用説明用のフロ
ーチャート
【図2】全体の構成図
【図3】本発明の第2の実施例を示す要部の構成図
【図4】本発明の第3の実施例を示す図3相当図
【図5】本発明の第4の実施例を示す図3相当図
【符号の説明】
図面中、1は交流電動機、3はレシプロ機構(負荷)、
4はフライホイール、15はインバータ主回路、26は
速度制御手段、27は座標変換器、28は乗算器、29
はトルク成分検出手段(トルク電流成分検出手段)、3
0は保護手段、31は比較変換器、32は積分器、33
乃至35は比較変換器を示す。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フライホイールを有する負荷を駆動する
    交流電動機に交流電力を供給するインバータ主回路と、 このインバータ主回路の出力電流を検出し、その出力電
    流を座標変換してトルク電流成分と励磁電流成分とに分
    離し、これらのトルク電流成分と励磁電流成分との乗算
    によりトルク成分を検出するトルク成分検出手段と、 前記負荷が回生状態のときの前記トルク成分検出手段に
    よるトルク成分の検出値が設定値以上となった場合に前
    記インバータ主回路の出力周波数を増加させる保護手段
    とを具備してなるインバータ装置。
  2. 【請求項2】 フライホイールを有する負荷を駆動する
    交流電動機に交流電力を供給するインバータ主回路と、 このインバータ主回路の出力電流を検出し、その出力電
    流を座標変換してトルク電流成分と励磁電流成分とに分
    離し、これらのトルク電流成分と励磁電流成分との乗算
    によりトルク成分を検出するトルク成分検出手段と、 前記負荷が回生状態のときの前記トルク成分検出手段に
    よるトルク成分の検出値が設定値以上となった場合に前
    記インバータ主回路の出力周波数を増加させ、前記トル
    ク成分の検出値が設定値未満で且つ前記負荷が力行状態
    のときの前記トルク成分検出手段によるトルク成分の検
    出値が所定値以上の場合に前記インバータ主回路の出力
    周波数を減少させ、前記回生状態でのトルク成分の検出
    値が設定値未満で且つ前記力行状態でのトルク成分の検
    出値が所定値未満の場合に前記インバータ主回路の出力
    周波数を現状の出力周波数に保持し若しくは出力周波数
    指令値まで戻す保護手段とを具備してなるインバータ装
    置。
  3. 【請求項3】 トルク成分検出手段は、励磁電流成分の
    代わりに励磁電流指令値を用いて、トルク電流成分と励
    磁電流指令値との乗算によりトルク成分を検出するよう
    に構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載
    のインバータ装置。
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