JP3245749U - 階段用被覆材 - Google Patents
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Abstract
【課題】夜間における災害発生時において、階段の昇降いずれの場合でも安全に避難することができる階段用被覆材を提供する。【解決手段】階段の踏み面、段鼻および蹴り上げ面を被覆する階段用被覆材1であって、踏み面部21と蹴り上げ面部22を備える硬質の基台2に、踏み面部21の表面の長手方向に第一溝部23および第二溝部24を、蹴り上げ面部22の表面の長手方向に第三溝部25を形成し、第一溝部23、第二溝部24および第三溝部25に、シール層、蓄光層、基材層および接着層を有する蓄光材からなる第一蓄光部31、第二蓄光部32および第三蓄光部33を備える。【選択図】図3
Description
新規性喪失の例外適用申請有り
本考案は、階段に貼着することにより津波等の自然災害発生時に、階段を安全に昇降して避難することができる階段用被覆材に関する。
階段に蓄光顔料を含んだ物を貼着等することにより、夜間の災害時または停電により周囲が暗くなった場合でも、蓄光顔料を含んだ当該物が燐光を発するため、利用者が階段を視認できるようになる。これにより、利用者は、階段を昇降することが可能となる。例えば、階段に設けられる蓄光材を備えるものとして、以下の特許文献1がある。
特許文献1の蓄光標識体は、階段の踏み面上の段鼻近くに設けられるものであって、物の上面に蓄光材を備えるものである。
しかしながら、特許文献1で開示されている蓄光標識体は、物の上面にしか蓄光材が設けられていないので、低所から高所に向かって階段を昇るときには階段を視認し難いという問題があった。このため、夜間に災害が発生したときには、安全に避難することができないという問題もあった。
そこで、本考案が解決しようとする課題は、夜間における災害発生時において、階段の昇降いずれの場合でも安全に避難することができる階段用被覆材を提供することにある。
本考案の階段用被覆材は、階段の踏み面、段鼻および蹴り上げ面を被覆する階段用被覆材であって、踏み面部と蹴り上げ面部を備えるアルミニュウム合金製の基台に、上記踏み面部の表面の長手方向に第一溝部および第二溝部を、上記蹴り上げ面部の表面の長手方向に第三溝部を、形成し、上記第一溝部、上記第二溝部および上記第三溝部に、シール層、蓄光層、基材層および接着層を有する蓄光材からなる第一蓄光部、第二蓄光部および第三蓄光部を備える、ことを特徴とする。
本考案の階段用被覆材は、前記シール層が再帰反射フィルムからなる、ことが好ましい。
本考案の階段用被覆材は、前記基台がアルミニュウム合金を用いた押し出し加工成形により製造された、ことが好ましい。
本考案の階段用被覆材は、前記蹴り上げ面部に対向する裏蹴り上げ面部が、前記踏み面部に対向する裏踏み面部側に傾いている、ことが好ましい。
本考案によれば、夜間における災害発生時において、階段の昇降いずれの場合でも安全に避難することができる階段用被覆材を提供することができる。
以下、本考案に係る階段用被覆材の例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施形態に係る基台、蓄光材および階段用被覆材の説明)
図1~図5は、本考案に係る基台および蓄光材からなる階段用被覆材の実施形態を示す。以下では、この実施形態に係る基台および蓄光材の構成について説明し、次にこれらからなる階段用被覆材およびその使用態様について説明する。
図1~図5は、本考案に係る基台および蓄光材からなる階段用被覆材の実施形態を示す。以下では、この実施形態に係る基台および蓄光材の構成について説明し、次にこれらからなる階段用被覆材およびその使用態様について説明する。
(実施形態に係る基台2の説明)
基台2は、アルミニュウム合金を金型から押し出した成形品であり、所定断面形状の長尺材を設置される階段の長さに応じた寸法に切断して形成される。
基台2は、アルミニュウム合金を金型から押し出した成形品であり、所定断面形状の長尺材を設置される階段の長さに応じた寸法に切断して形成される。
基台2は、図2に示すように、階段の踏み面に対応する踏み面部21と、階段の蹴り上げ面に対応する蹴り上げ面部22が設けられている。また、蹴り上げ面部22は、踏み面部21の先端である階段の段鼻近傍から下方に向かってほぼ垂直方向(直交方向)に延設されており、階段用被覆材1全体として断面視略L字形状に形成されている。
踏み面部21は、後述する第一蓄光部31を設けるための第一溝部23、第二蓄光部32を設けるための第二溝部24、階段の利用者が階段を昇降する際に足のつま先を階段用被覆材1に引っ掛けること等の事故を防止するための傾斜部26および雨などにより踏み面部21の上に溜まった水を排出等するための略V字状の小溝である細溝部21a、細溝部21b、細溝部21cならびに細溝部21dが夫々設けられている。
蹴り上げ面部22は、後述する第三蓄光部33を設けるための第三溝部25が設けられている。また、蹴り上げ面部22は、踏み面部21と比べて、肉厚に形成されている。このため、階段用被覆材1の前方下方により重みが掛かることになるので、階段用被覆材1を階段により安定して設置することができる。
基台2の裏面は、踏み面部21に対向する裏踏み面部27、階段の段鼻と接触する段鼻接触部28および蹴り上げ面部22に対向する裏蹴り上げ面部29からなる。段鼻接触部28は、裏踏み面部27の先端と裏蹴り上げ面部29の先端からなる所謂角部である。
裏踏み面部27には複数の略波形の凹凸からなる裏踏み面凹凸部27aが設けられている。また、裏蹴り上げ面部29は、完全な垂直(90度)ではなく、裏踏み面部27側に傾いている。傾きは、この実施形態では裏踏み面部27に対して約8度である。これにより、裏踏み面凹凸部27aによる踏み面部21裏面の表面積の増加と相まって、階段用被覆材1を階段により確実に設置することができる。
(実施形態に係る蓄光材3の説明)
蓄光材3は、図3に示すように、最表面に設けられた再帰反射フィルムからなるシール層3a、各種照明器具や太陽から発せられる光を吸収することにより燐光を発する蓄光層3b、蓄光層3b下の白色の基材層3cおよび所望の物に蓄光材3を接着するための接着層3dからなる。また、蓄光材3は、帯状材であり(図示省略)、設置される物の長さに応じた寸法に切断して使用される。
蓄光材3は、図3に示すように、最表面に設けられた再帰反射フィルムからなるシール層3a、各種照明器具や太陽から発せられる光を吸収することにより燐光を発する蓄光層3b、蓄光層3b下の白色の基材層3cおよび所望の物に蓄光材3を接着するための接着層3dからなる。また、蓄光材3は、帯状材であり(図示省略)、設置される物の長さに応じた寸法に切断して使用される。
蓄光材に使用される蓄光顔料には、青色で発光する青色蓄光顔料と黄緑色で発光する黄緑色蓄光顔料がある。この実施形態における蓄光層3bは、黄緑色蓄光顔料を用いたものであるが、青色蓄光顔料を用いることもできる。また、蓄光層3bの厚さは、所望の輝度に応じて決定されるべきであるが、この実施形態においては、約2mm程度である。
蓄光層3bは、励起光の条件としてキセノンランプで400μW/cm2の光を60分間(励起時間)照射後にJIS Z9097(津波避難誘導標識システムに関する規格)で定める試験により残光輝度(燐光輝度)を測定したときの12時間後の燐光輝度が11mcd/m2以上となるように、蓄光顔料が調合されている。これにより、夜の時間が長い冬季であっても、蓄光材が十分に燐光を発することができる。
(実施形態に係る階段用被覆材1の説明)
階段用被覆材1は、図3および図4に示すように、基台2と、蓄光材3と、からなる。なお、図3における蓄光材3の各層に関する図示は、理解を用意にするため省略する。
階段用被覆材1は、図3および図4に示すように、基台2と、蓄光材3と、からなる。なお、図3における蓄光材3の各層に関する図示は、理解を用意にするため省略する。
階段用被覆材1は、基台2の第一溝部23、第二溝部24および第三溝部25の夫々に、基台2の長さに合わせて切断された蓄光材3の接着層3dが貼り付けられることにより、第一蓄光部31、第二蓄光部32および第三蓄光部33が形成されている。第一蓄光部31および第二蓄光部32の幅は、踏み面部21の幅の約1/5である。また、第三蓄光部33の幅は蹴り上げ面部22の幅の約1/4である。これらにより、利用者は、各蓄光部を容易に視認することができる。
この実施形態において、第一蓄光部31は踏み面部21の前方から約2/5の位置、第二蓄光部32は同約4/5の位置に夫々設けられている。これにより、利用者が階段を上から下に降りる際に、確実かつ容易に階段の踏み面を確認することができる。また、第三蓄光部33は、蹴り上げ面部22の上方から約4/3の位置に設けられている。これにより、利用者が階段を下から上に昇る際に、確実かつ容易に階段の段鼻を確認することができる。
(実施形態に係る階段用被覆材1の使用態様の説明)
以下、この実施形態に係る階段用被覆材1の使用等について図5を基に説明する。なお、図5における蓄光材3の各層に関する図示は、理解を用意にするため省略する。
以下、この実施形態に係る階段用被覆材1の使用等について図5を基に説明する。なお、図5における蓄光材3の各層に関する図示は、理解を用意にするため省略する。
この実施形態の階段用被覆材1は、図5に示すように、踏み面部21が階段4の踏み面41に、蹴り上げ面部22が同蹴り上げ面43に夫々対応するような向きにする。次に、段鼻接触部28が階段4の段鼻42と接触するに位置を合わせ、接着材5により階段用被覆材1を階段4に貼着する。これにより、階段4の踏み面41の一部、段鼻42および蹴り上げ面43の一部が、階段用被覆材1の踏み面部21および蹴り上げ面部22に夫々被覆される。なお、階段用被覆材1の長さ(長手方向の長さ)は、階段4の長手方向の幅に合わせた所望の長さである(図示省略)。
この実施形態の接着材5は、表裏両面に粘着材が設けられた両面テープである。これにより、基台2に複数の孔を設けてネジ等により階段4に固定することに比べて、施工が容易である。なお、階段用被覆材1が使用に耐えるよう接地できるものであれば、接着材5は、両面テープに限定されない。
この実施形態のように、階段用被覆材1を階段4に貼着して被覆すると、第一蓄光部31、第二蓄光部32および第三蓄光部33の夫々に含有されている蓄光顔料が、太陽光を受けて励起され、夜間や災害時の停電により周囲が暗くなった際に、第一蓄光部31、第二蓄光部32および第三蓄光部33から燐光が発せられる。これにより、利用者は、それらを視認することにより、階段4の踏み面41、段鼻42および蹴り上げ面43を確認しながら階段4を昇降して安全に避難することができる。特に、第一蓄光部31、第二蓄光部32および第三蓄光部33は帯状に形成されているので、階段4の広い領域を視認することができる。このため、利用者は、階段の踏み外し、または躓きをすることなく階段を安全に昇降することができる。
(実施形態に係る階段用被覆材1の効果の説明)
この実施形態係る階段用被覆材1は、以上の構成、作用からなり、以下、その効果について説明する。
この実施形態係る階段用被覆材1は、以上の構成、作用からなり、以下、その効果について説明する。
この実施形態に係る階段用被覆材1は、階段の踏み面、段鼻および蹴り上げ面を被覆する階段用被覆材であって、踏み面部21と蹴り上げ面部22を備える硬質の基台2に、踏み面部21の表面の長手方向に第一溝部23および第二溝部24を、蹴り上げ面部22の表面の長手方向に第三溝部25を形成し、第一溝部23、第二溝部24および第三溝部25に、シール層3a、蓄光層3b、基材層3cおよび接着層3dを有する蓄光材3からなる第一蓄光部31、第二蓄光部32および第三蓄光部33を備えるものである。この結果、この実施形態に係る階段用被覆材1は、夜間における災害発生時において、階段の昇降いずれの場合でも安全に避難することができる。
しかも、この実施形態に係る階段用被覆材1は、シール層3aが再帰反射フィルムからなるものである。この結果、この実施形態に係る階段用被覆材1は、懐中電灯等の少ない光であっても、蓄光材3に届いた光が光源に反射するため、より視認性を向上させることができる。
また、この実施形態に係る階段用被覆材1は、基台2がアルミニュウム合金を用いた押し出し加工成形により製造されたものである。この結果、この実施形態に係る階段用被覆材1は、軽量かつ耐食性ならびに耐候性を向上させることができる。
この実施形態に係る階段用被覆材1は蹴り上げ面部22に対向する裏蹴り上げ面部29が踏み面部21に対向する裏踏み面部27側に傾いているものである。この結果、この実施形態に係る階段用被覆材1は、階段4に設定する際に、より確実かつ強固に階段用被覆材1を階段4に設置することができる。
(実施形態以外の例の説明)
本考案は、上述の実施形態に限定されるものではない。すなわち、本考案の技術的思想の範囲内であれば、様々な変形が可能である。
本考案は、上述の実施形態に限定されるものではない。すなわち、本考案の技術的思想の範囲内であれば、様々な変形が可能である。
例えば、直状の階段用被覆材1を示したが、形状はこれに限定さない。階段の状態や形状に応じた様々な形状を採用することができる。
また、上述の実施形態における基台2の材質について上述したが、材質はこれに限定されない。使用に耐えうること、および人体に害をなさないこと等の所望の条件を満たすものであれば、別の材質を採用することができる。
さらに、上述の実施形態では3つの蓄光部、第一蓄光部31、第二蓄光部32および第三蓄光部33を備える階段用被覆材1を示したが、蓄光部の数はこれに限定されない。利用者が安全かつ確実に階段の昇降ができるものであれば、蓄光部を3つ以上設けること、また、第一蓄光部31、第二蓄光部32および第三蓄光部33は、帯状のではなく、様々な形状のものを採用することもできる。
1 階段用被覆材
2 基台
21 踏み面部
21a~d 細溝部
22 蹴り上げ面部
23 第一溝部
24 第二溝部
25 第三溝部
26 傾斜部
27 裏踏み面部
27a 裏踏み面凹凸部
28 段鼻接触部
29 裏蹴り上げ面部
3 蓄光材
3a シール層
3b 蓄光層
3c 基材層
3d 接着層
31 第一蓄光部
32 第二蓄光部
33 第三蓄光部
4 階段
41 踏み面
42 段鼻
43 蹴り上げ面
5 接着材
2 基台
21 踏み面部
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22 蹴り上げ面部
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27a 裏踏み面凹凸部
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4 階段
41 踏み面
42 段鼻
43 蹴り上げ面
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Claims (3)
- 階段の踏み面、段鼻および蹴り上げ面を被覆する階段用被覆材であって、
踏み面部と蹴り上げ面部を備えるアルミニュウム合金製の基台に、
上記踏み面部の表面の長手方向に第一溝部および第二溝部を、
上記蹴り上げ面部の表面の長手方向に第三溝部を、形成し、
上記第一溝部、上記第二溝部および上記第三溝部に、シール層、蓄光層、基材層および接着層を有する蓄光材からなる第一蓄光部、第二蓄光部および第三蓄光部、を備えることを特徴とする階段用被覆材。 - 前記シール層は、再帰反射フィルムからなる、ことを特徴とする請求項1に記載の階段用被覆材。
- 前記蹴り上げ面部に対向する裏蹴り上げ面部は、前記踏み面部に対向する裏踏み面部側に傾いている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の階段用被覆材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2023004569U JP3245749U (ja) | 2023-12-21 | 2023-12-21 | 階段用被覆材 |
Applications Claiming Priority (1)
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2022162293 Continuation | 2022-10-07 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3245749U true JP3245749U (ja) | 2024-02-22 |
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2023
- 2023-12-21 JP JP2023004569U patent/JP3245749U/ja active Active
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