JP3244455U - ペン先およびこのペン先を備える塗布具または筆記具 - Google Patents

ペン先およびこのペン先を備える塗布具または筆記具 Download PDF

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Abstract

【課題】塗布具又は筆記具を構成する軸体や保持具に着脱可能に構成され、軸体や保持具をインクなどの液体(液剤)で汚すことがないペン先およびペン先を備える塗布具又は筆記具を提供する。【解決手段】ペン先2は、塗布又は筆記を行うためのもので、長尺体からなるペン先主体で構成され、前記ペン先主体は、少なくともその軸線方向後端側の外周面上に所要の厚さで形成された外層を有し、前記外層は、液体の浸透又は透過を防止することができる材料で構成されている。【選択図】図1

Description

この考案は、ペン先と、このペン先を備える塗布具または筆記具に関するものである。
より詳しくは、塗布具または筆記具を構成する軸体や保持具に着脱可能に構成され、かつ前記軸体や保持具をインクなどの液体で汚すことがないペン先、およびこのペン先を備え、かつ化粧具などの各種用途に利用可能な塗布具または筆記具に関するものである。
従来、マーキングペンやサインペン、筆ペンなどの筆記具や、アイライナーなどの化粧具等の用途として、軸体の先端にペン先が装着された塗布具が知られている。
このような塗布具の例が、特許文献1及び2に開示されている。
実開平7-4075号公報(特許文献1)においては、穂先の先端が使用不能となった際は、筆軸からこの穂先を外し、予備の穂先と簡単に差し替えることができる筆先が交換可能であることにより、長期使用が可能となって経済的であると共に、使用者が好みに合わせて筆先の種類を選択することが可能となる交換装置付毛筆が提案されている。
この交換装置付毛筆は、従来の書道用、又はその他の毛筆は、穂先の根元が筆軸の先端部に挿入し固定され、これらは穂先の先端が摩耗、損耗、又は脱毛、或いは変形することにより使用不能となった際、毛筆自体を破棄しなければならなかったところ、
筆軸はその侭で、交換用の穂先を取り替えることにより、新しい毛筆としての機能を発揮できるようにしたものである。
さらに、実開昭55-29207号公報(特許文献2)においては、ペン先の挿脱時、手、指をインクで汚すことなく衛生的に取扱い易くできると共に、ペン先の腰を強くして安定した画き味のよい繊維つけペンが提案されている。
この繊維つけペンは、含侵性のよい繊維材料のペン先の一部に金属またはプラスチックの管状のリング部材を取付け、このペン先をリング部材でもってペン軸に挿脱可能に装着できるようにしたものである。
実開平7-4075号公報(実用新案登録請求の範囲,図1及び2) 実開昭55-29207号公報(実用新案登録請求の範囲,図1~4)
従来、ペン先を交換可能に構成した筆記具や塗布具が提案されているが、ペン先を軸体や保持具に挿入する際に、軸体や保持具のペン先と接する部分が汚れる、という問題や、ペン先の交換の際には、両手でペン先を掴む必要があるため、インクなどの液体で手指が汚れる、という問題があった。
前記特許文献1に開示されている交換装置付毛筆では、穂先が吸収したインクないし墨汁が筆軸に付着して、この筆軸が汚れてしまう、という問題や、穂先の交換の際に手指が汚れてしまう、という問題があった。
前記特許文献2に開示されている繊維つけペンでは、ペン先が吸収したインクが手指に付着する問題はある程度改善されている。
しかしながら、ペン先とペン軸との嵌合部が汚れないようにする点について更なる改善が求められる。
さらに、この繊維つけペンのペン先の交換については、その容易さにおいて、更なる改善が求められる。
この考案はかかる現状に鑑み、塗布具又は筆記具を構成する軸体や保持具に着脱可能に構成され、かつ前記軸体や保持具をインクなどの液体(液剤)で汚すことがないペン先、およびこのペン先を備え、かつ化粧具などの各種用途に利用可能な塗布具又は筆記具を提供せんとするものである。
前記目的を達成するため、この考案にかかる請求項1に記載の考案は、
塗布又は筆記を行うためのペン先であって、
前記ペン先は、長尺体からなるペン先主体で構成され、
前記ペン先主体は、少なくともその軸線方向後端側の外周面上に所要の厚さで形成された外層を有し、
前記外層は、液体の浸透又は透過を防止することができる材料で構成されていること
を特徴とするペン先である。
この考案の請求項2に記載の考案は、
請求項1に記載のペン先において、
前記液体の浸透又は透過を防止することができる材料は、
合成樹脂及び金属から選択され、
前記ペン先主体は、
長手方向に引き揃えた所望の繊維の束を、加熱圧縮したものに合成樹脂を用いて接着固定したもの、或いは長手方向に引き揃えた所望の繊維の束を、合成樹脂を用いて接着固定したものを加熱圧縮したもので構成されていること
を特徴とするものである。
この考案の請求項3に記載の考案は、
請求項1に記載のペン先において、
前記ペン先主体は、
エラストマー又はプラスチックで構成されていること
を特徴とするものである。
この考案の請求項4に記載の考案は、
請求項1に記載のペン先と、
前記ペン先と着脱可能に構成された軸体と、で構成され、
前記ペン先は、前記軸体の先端側に設けられた所要の大きさの貫通孔からなる被嵌入部に嵌脱可能に装着されていること
を特徴とする塗布具又は筆記具である。
この考案の請求項5に記載の考案は、
請求項4に記載の塗布具又は筆記具において、
前記軸体は、
その先端側に保持具を備え、
前記ペン先は、
前記保持具の先端側に貫通形成された所要の大きさの貫通孔からなる被嵌入部に嵌脱可能に装着されていること
を特徴とするものである。
この発明の請求項6に記載の発明は、
請求項4に記載の塗布具又は筆記具において、
前記軸体は、
その軸線方向の両端が開口する筒状体で構成されることにより、その内部に、軸線方向に沿って延び、かつ前記被嵌入部と連通する所要の大きさの空間を有し、前記空間内に前記ペン先の排出手段を備え、
前記ペン先の排出手段は、
前記軸体の内部を、その軸線方向に沿って前後方向に摺動する摺動部と、前記摺動部の先端側に配設されかつ前記摺動部の摺動に伴って前記被嵌入部内を前後方向に摺動する押圧部と、を備え、
前記押圧部が前記ペン先と当接してこれを押圧することにより前記ペン先が前記被嵌入部から外部に排出されるよう構成されていること
を特徴とするものである。
この考案の請求項7に記載の考案は、
請求項6に記載の塗布具又は筆記具において、
前記ペン先の排出手段は、
さらに、前記摺動部に対して、その先端側から弾性付勢力を作用させるように前記軸体内に配設される弾性部材を備え、
前記摺動部は、
その後端側に、排出操作手段としてのボタン部を備え、
前記弾性部材は、
圧縮コイルばねであり、
前記ボタン部を押圧すると、前記押圧部が前記ペン先と当接してこれを押圧することにより、前記ペン先が前記被嵌入部から外部に排出されるよう構成されていること
を特徴とするものである。
この考案の請求項8に記載の考案は、
請求項6に記載の塗布具又は筆記具において、
前記ペン先は、
前記被嵌入部に対して圧接状態で装着されていること
を特徴とするものである。
この考案の請求項9に記載の考案は、
請求項6に記載の塗布具又は筆記具において、
前記被嵌入部は、
その先端側の開口部の径方向長さが前記ペン先の後端部の径方向長さと略同一になるように形成されるとともに、前記開口部から後端側に向かうに従って縮径するテーパー状に形成されているか、或いはその径方向長さが、開口部から後端縁に亘って、前記ペン先の後端部の径方向最小長さと略同一になるように形成されるとともに、前記ペン先の後端部の外周部が、後端側に向かうに従って縮径するテーパー状に形成されていること
を特徴とするものである。
この考案にかかるペン先は、塗布又は筆記を行うためのもので、長尺体からなるペン先主体で構成され、前記ペン先主体は、少なくともその軸線方向後端側の外周面上に所要の厚さで形成された外層を有している。
さらに、前記外層は、液体の浸透又は透過を防止することができる材料、好ましくは合成樹脂及び金属から選択されるもので構成されている。
したがって、このペン先によれば、前記ペン先が吸収したインクなどの液体(液剤)が、前記ペン先が装着される軸体(軸筒など)や保持体(ペン先用ホルダー等)に付着することを抑制又は防止することが可能となる。
さらに、前記ペン先を交換する際、例えば、前記ペン先にインクをつけて塗布や筆記等を行った後、このインクとは別のインクを使って塗布や筆記等を行うために新しいペン先と交換する際、前記ペン先が吸収したインクなどの液体で手指が汚れることも抑制又は防止することが可能である。
前記ペン先において、これを構成するペン先主体については、長手方向に引き揃えた所望の繊維の束を、加熱圧縮したものに合成樹脂を用いて接着固定したもの、或いは長手方向に引き揃えた所望の繊維の束を、合成樹脂を用いて接着固定したものを加熱圧縮したもので構成することができる。
このような構成によって、前記ペン先は、インクなどの液体(ないし液剤)の吸収性力が高く、一度吸収したインクで長い距離の塗布ないし筆記線を描くことを可能にするものとなる。
さらに、このようなペン先を備える塗布具又は筆記具においては、優れた塗布ないし筆記感が得られる。
前記ペン先において、前記ペン先主体については、エラストマー又はプラスチックで構成することができる。
前記ペン先主体をプラスチックで構成した場合には、前記ペン先主体で構成されるペン先は、比較的硬い塗布ないし筆記感を有するものとなり、強度や、耐久性、耐摩耗性などにおいて優れたものとなる。
前記ペン先主体をエラストマーで構成した場合には、前記ペン先主体で構成されるペン先は、その素材に起因する柔軟性及び弾力性と防滑性とを兼ね備えた塗布ないし筆記感を有するものとなる。
前記ペン先と、前記ペン先と着脱可能に構成された軸体と、を組み合わせて塗布具又は筆記具を構成することができる。
その際、前記塗布具又は筆記具を、前記ペン先が、前記軸体の先端側に設けられた所要の大きさの貫通孔からなる被嵌入部に嵌脱可能に装着されるように構成することができ、或いは、前記軸体の先端側に保持具を配設し、前記保持具の先端側に貫通形成された所要の大きさの貫通孔からなる被嵌入部に前記ペン先が嵌脱可能に装着されるように構成することができる。
前記塗布具又は筆記具については、紙やプラスチック、肌等の対象に対して塗布や筆記、描画等(以下、「塗布等」という。)を行う各種塗布具又は筆記具として利用することができる。
前記塗布具又は筆記具において、前記軸体を、その軸線方向の両端が開口する筒状体で構成することにより、その内部に、軸線方向に沿って延び、かつ前記被嵌入部と連通する所要の大きさの空間を形成し、前記空間内に前記ペン先の排出手段を設けることができる。
その際、前記ペン先の排出手段を、前記軸体の内部を、その軸線方向に沿って前後方向に摺動する摺動部と、前記摺動部の先端側に配設されかつ前記摺動部の摺動に伴って前記被嵌入部内を前後方向に摺動する押圧部と、を備えるように構成し、前記押圧部が前記ペン先と当接してこれを押圧することにより前記ペン先が前記被嵌入部から外部に排出されるよう構成することができる。
このような構成によれば、前記摺動部を前方、すなわち前記ペン先に向けて摺動させると、前記押圧部も被嵌入部内を前方、すなわちペン先に向けて摺動し、さらに、前記押圧部が前記ペン先と当接してこれを押圧しつつ、前記被嵌入部の外側の開口縁部近傍まで摺動するため、前記被嵌入部に着脱可能に装着されていた前記ペン先が外部に押し出され、排出される。
したがって、前記ペン先を、簡単な操作、特にワンタッチで容易に取り外すことが可能であり、ペン先を取り外す際には、手指などを汚すことがない。
前記塗布具又は筆記具において、前記ペン先の排出手段には、前記摺動部に対して、その先端側から弾性付勢力を作用させるように前記軸体内に配設される弾性部材、特に圧縮コイルばねを備えさせることができる。
このような構成によれば、前記ペン先の排出後には、前記弾性部材の付勢力によって、前記摺動部は、前記軸体内の後端側に向かって摺動し、これに伴って、前記押圧部も、被嵌入部内の後端側に向かって摺動するため、前記押圧部は、ペン先が装着される位置から離れた位置に固定される。
したがって、前記ペン先の排出後、速やかに軸体に新たなペン先を装着することが可能となる。
前記塗布具又は筆記具において、前記ペン先を、前記被嵌入部に対して圧接状態で装着されることができる。
その際、前記被嵌入部を、その先端側の開口部の径方向長さが前記ペン先の後端部の径方向長さと略同一になるように形成するとともに、前記開口部から後端側に向かうに従って縮径するテーパー状に形成し、或いはその径方向長さが、開口部から後端縁に亘って、前記ペン先の後端部の径方向最小長さと略同一になるように形成するとともに、前記ペン先の後端部の外周部が、後端側に向かうに従って縮径するテーパー状に形成することができる。
このような構成によって、前記ペン先は前記被嵌入部にしっかりと固定されるので、前記軸体からの不用意な脱離がより確実に防止される。
この考案にかかる塗布具の一例を示す説明図であって、軸線方向に平行する方向の断面を示す断面図である。 図1に示す塗布具を構成するペン先の一例を示す説明図であって、斜視図を示すものである。 図2に示すペン先の左側面図である。 図3に示すペン先のA-A’断面を示す断面図である。 図3に示すペン先のB-B’断面を示す断面図である。 図1に示す塗布具を構成する軸筒(軸体)の一例を示す説明図であって、操作部としてのボタン部分を押圧操作していない状態を示すものである。 図1に示す塗布具を構成する軸筒(軸体)の一例を示す説明図であって、操作部としてのボタン部分を押圧操作した状態を示すものである。
以下、この考案にかかる筆記具又は塗布具の実施の形態を、添付の図面に基づいて具体的に説明する。
なお、この考案の筆記具又は塗布具は、図示の実施例に限定されるものではなく、考案の要旨を変更しない範囲内で改良を加えることができるものである。
図1は、この考案にかかる塗布具の一例を示すものである。
図1において、前記塗布具1は、ペン先2と、このペン先2を着脱可能に保持する軸筒(軸体)3と、で構成されている。
前記ペン先2は、紙やプラスチック、肌等、塗布や筆記、描画等(以下、「塗布等」という。)の対象と接触して、塗布等を行うことを可能にするもので、軸筒3の軸方向先端側に着脱可能に装着されるものである。
前記ペン先2は、図2~4に示すように、軸線方向Xに延びる長尺体からなるペン先主体21で構成されている。
前記ペン先主体21の大きさについては、用途に応じて選択すればよく、特段の制限はない。
例えば、前記ペン先主体21を、その横断面視において、長手方向の長さ:短手方向の長さが60~1:1、好ましくは60~2:1、かつ太さないし厚さが0.5~12.0mm程度になるよう構成することができる。
前記ペン先主体21を構成する材料としては、特段の制限はない。
前記材料として、例えば、樹脂素材、ポリエステル繊維やアクリル繊維、ナイロン繊維、植物繊維、動物繊維、天然繊維などの繊維素材などの各種素材に加えて、金属やセラミックなどの素材(硬質素材)を、用途などに応じて適宜選択することができる。
前記ペン先主体21を構成する材料として樹脂素材を選択する場合において、この樹脂素材としては、例えば、プラスチックやエラストマーなどを挙げることができる。
例えば、前記ペン先主体21を、前記樹脂素材を、射出成型や押出成形などの公知の成形方法によって成形することにより製造することができる。
前記プラスチックとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABSなどの汎用プラスチック;ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、超硬分子量ポリエチレン樹脂などに代表されるエンジニアリングプラスチックや;四フッ化エチレン樹脂などのフッ素樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、液晶ポリマー樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などに代表されるスーパーエンジニアリングプラスチックなどが選択される。
前記素材として、プラスチックを選択した場合には、ペン先は、比較的硬い塗布ないし筆記感を有するものとなり、強度や、耐久性、耐摩耗性などにおいて優れたものとなる。
前記エラストマーとしては、例えば、ポリエステルエラストマー、ナイロンエラストマー、ポリウレタンエラストマー、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマーなどが選択される。
前記素材として、エラストマーを選択した場合には、ペン先は、その素材に起因する柔軟性及び弾力性と防滑性とを兼ね備えた塗布ないし筆記感を有するものとなる。
前記繊維素材としては、例えば、ポリエステル繊維や、アクリル繊維、ナイロン繊維などの熱可塑性樹脂繊維が選択される。
前記素材として、繊維素材を選択した場合には、対象に対して塗布等をするに際しては、優れた塗布ないし筆記感が得られ、高い耐久性を有するものとなる。
前記素材を、長手方向に引き揃えて束ねて筆状のものとして使用することができる。
さらに、前記素材として、長手方向に引き揃えた所望の繊維の束(繊維束)を、合成樹脂(繊維束固定のための合成樹脂)、好ましくは接着用樹脂を用いて接着固定したものを使用することができる。
前記接着固定された繊維束は、高い耐久性を有する多孔質体であるので、この繊維束で構成されたペン先主体では、インクなどの液体(ないし液剤)の吸収性力が高く、一度吸収したインクで長い距離の塗布ないし筆記線を描くことを可能にする。
また、このペン先主体で構成されたペン先を備える塗布具又は筆記具等においては、優れた塗布ないし筆記感が得られる。
なお、前記ペン先主体の材質や気孔率を調整することによって、ペン先の塗布ないし筆記時の感触(塗布ないし筆記感)や、弾性、反発力を調整することも可能である。
前記繊維束を構成する繊維としては、前記繊維素材と同様のものを選択することができ、好ましくはナイロン繊維が選択される。
ナイロン繊維は、高い極性表面を有するので、接着用樹脂と強固に接着する。
したがって、長期に亘って繰り返し折り曲げ、使用される場合であってもバラケることがないか抑えられるので、ペン先において高い耐久性が得られ、長期に亘って柔軟性と弾力性と防滑性とを兼ね備えた塗布ないし筆記感が実現される。
さらに、ペン先として、小さく、かつ形状に精密さが要求されるものであっても、容易に製造することができる。
前記合成樹脂(繊維束固定のための合成樹脂)としては、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素ホルマリン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などを選択することができる。
好ましくはイソシアネート化合物を含む硬化剤を含有するポリウレタン系接着用樹脂、イソシアネート化合物を含む硬化剤を含有する変性エポキシ系接着用樹脂(例えば、エポキシ系接着剤の主剤であるエポキシ樹脂に対して水酸基などの反応性基を導入したものに、イソシアネート化合物を硬化剤として硬化反応させて得られる変性エポキシ系接着用樹脂)、反応性基としてエポキシ基を有するエポキシ樹脂から選択される。
これらの合成樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて、使用することができる。
なお、前記繊維としてナイロン繊維が選択される場合には、前記合成樹脂として、より好ましくはイソシアネート基を有する化合物を含む合成樹脂、さらに好ましくはイソシアネート化合物を含む硬化剤を含有するポリウレタン系接着用樹脂が選択される。
ナイロン繊維は、その分子構造にアミド基を有するため、イソシアネート化合物が有するイソシアネート基と強固に結着する。
したがって、ペン先において、より高い耐久性が得られ、より長期に亘って柔軟性と弾力性と防滑性とを兼ね備えた塗布ないし筆記感が実現される。
さらに、前記合成樹脂として、ポリウレタン系接着用樹脂を選択する場合には、主剤として含まれているポリウレタン樹脂の硬度を適宜調整することで、用途に合わせたペン先主体21で構成されるペン先2を製造することができる。
例えば、前記ポリウレタン系接着用樹脂としては、軟質のポリウレタン系接着用樹脂を使用することができる。
ナイロン繊維は適度な柔軟性を有するものであるが、これを、軟質のポリウレタン樹脂を主剤として含む接着用樹脂と併用した場合には、ペン先において、軟質でフレキシブルな塗布ないし筆記感が実現され、塗布等に際してはスティックスリップ現象が生じやすいので適度な防滑性が得られる。
したがって、このようにして得られたペン先2を備える塗布具又は筆記具等によれば、使用者に対して、比較的重い使用感を与えることが可能となる。
さらに、対象(塗布等の対象)が合成樹脂(プラスチックなど)である場合には、その表面が平滑であるにもかかわらず、紙に書いたときに近い塗布ないし筆記感を与えるなどの優れた効果が発揮され得る。
一方、硬く耐久性のあるペン先にしたい場合には、前記ポリウレタン系接着用樹脂として、硬質のポリウレタン樹脂を主剤として含む接着用樹脂を選択すればよい。
前記長手方向に引き揃えた所望の繊維の束ないし所望の繊維素材を長手方向に引き揃えて得られる繊維収束体については、加熱圧縮処理に付すことができる。
この場合において、前記加熱圧縮処理については、前記繊維の束ないし繊維収束体を、合成樹脂(繊維束固定のための合成樹脂)を用いて接着固定、例えば、合成樹脂の含侵により接着固定した後に行うことができ、或いは接着固定する前に行うこともできる。
前記加熱圧縮するに際しては、前記接着固定する前又は後に、前記繊維束の束ないし繊維収束体を、パイプ状のダイに通過させて行うことができる。
前記ダイの形状については、用途等に応じて選択すればよく、特段の制限はないが、例えば、丸形状、異形形状などを選択することができる。
前記ダイの形状として異形形状を選択する場合、異形ダイの断面形状については、用途等に応じて選択すればよく、特段の制限はないが、例えば、楕円形状、矩形状若しくはその四隅のうち少なくとも1つの角を丸めたもの、三角形状、水滴形状を選択することができる。
前記ペン先主体21については、所要の毛細管力を有するように構成することができる。
前記ペン先主体21を所要の毛細管力を有するように構成することで、前記ペン先主体21は、液体の吸収保持が可能な多孔質体を構成することが可能となる。
前記ペン先主体21が所要の毛細管力を有するように構成する方法については、特段の制限はないが、例えば、前記ペン先主体21が樹脂素材で構成されている場合には、前記ペン先主体21を構成している周壁(外郭部)に複数の構造体部分(例えば、リブ)を形成することにより前記ペン先主体21が所要の毛細管力を有する流路を備えるように構成することによって、前記ペン先主体21が所要の毛細管力を有するように構成することができる。
また、前記ペン先主体21が繊維素材及び合成樹脂で構成されている場合には、繊維素材の密度や合成樹脂の量を調整し、気孔率を例えば33%~88%、好ましくは50~80%に設定することで、前記ペン先主体21が所要の毛細管力を有するように構成することができる。
前記ペン先主体21の形状については、特段の制限はない。
前記ペン先主体21を、例えば、円柱状、扁平状、棒状ないし柱状の長尺体で構成することができる。
なお、この実施例において、前記ペン先主体21は、長手方向に直交する断面の形状(横断面形状)を円形状とした長尺体(円柱体)で構成されている。
前記ペン先主体21の先端縁には、塗布等の対象と接触し得る塗布部(又は筆記部)21aが形成される。
前記ペン先主体21の塗布部21aの形状については、特段の制限はない。
また、前記ペン先主体21の塗布部21aについては、研磨ないし切削加工や打ち抜き加工などの所定の加工を施すことによって、所望の形状になるよう構成することができる。
この考案において、前記ペン先主体21の後端側の、少なくとも外周面上には、所要の厚さの外層22が形成されている。
前記外層22は、インクなどの液体の浸透ないし透過を防止することができる材料で構成されている。
このような構成によって、前記ペン先2が吸収したインクなどの液体(液剤)が軸筒3(軸体)や保持体(ペン先用ホルダーなどの保持具)に付着することを抑制又は防止することが可能となる。
さらに、前記ペン先2を交換する際には、前記ペン先2が吸収したインクなどの液体で手指が汚れることが抑制又は防止される。
図1~4において、前記外層22は、前記ペン先主体21の後端部を囲繞するように、前記ペン先主体21の後端縁から先端側に向かって所定の長さで外周面の全周に亘って形成されている。
前記外層22の形成範囲については、インクなどの液体の浸透ないし透過を防止できるように形成されている限りにおいて特段の制限はない。
例えば、前記外層22については、前記ペン先主体21の後端側に周方向に沿って断続的(非連続的)に形成してもよく、また、前記ペン先主体21の後端面を含む後端縁全体が覆われるように形成してもよい。
前記外層22の厚さについては、特段の制限はない。
例えば、前記ペン先主体21の少なくとも後端側の外周面上に、前記外層22を、0.1~2mm程度の厚さで形成することができる。
なお、図2~4において、前記外層22の厚さは、0.3~1.0mm程度である。
前記外層22を構成する材料については、液体の浸透ないし透過を防止することができる材料である限りにおいて、特段の制限はない。
前記材料として、例えば、プラスチックなどの合成樹脂素材(外層22を構成する合成樹脂素材)や、金属などの素材を、用途などに応じて適宜選択することができる。
前記外層22の形成方法については、前記ペン先主体21の少なくとも後端側の外周面上に所要の厚さの層(被覆層)が形成されている限りにおいて特段の制限はない。
したがって、前記外層22を、例えば、前記ペン先主体21の後端側に所要の厚さを有する被覆層として形成する方法や、前記ペン先主体21の後端側に前記外層22と同一の材質で構成された中実の部材を延設する方法によって、形成することができる。
例えば、前記ペン先主体21の少なくとも後端側の外周面上に所要の厚さの層(被覆層)を形成する方法として、前記ペン先主体が前記繊維束を合成樹脂(繊維束固定のための合成樹脂)を用いて接着固定したもので構成されている場合には、このペン先主体の少なくとも後端部の外周面上を覆うように熱収縮性の合成樹脂(外層を構成する合成樹脂)製のチューブを装着・固定する方法や、前記ペン先主体がエラストマー樹脂で構成されている場合には、このペン先主体の少なくとも後端部の外周面上を合成樹脂(外層を構成する合成樹脂)で被覆する方法などを挙げることができる。
前記ペン先主体21によって構成されるペン先2については、前記ペン先2の後端側と嵌合可能に構成された所定の軸体(軸筒)と組み合わせて使用することができる。
前記軸体(軸筒)は、塗布等を行う際に手などで握られるもので、図1に示すように、略棒状又は筒状の長尺体で構成することができる。
例えば、前記ペン先主体21については、その後端側が、直接、前記軸体(詳しくはその軸線方向先端側)に装着(嵌合)可能となるように構成することができ、また、他の適当な部材(例えば、ホルダーなどの保持部材)を介して軸体に装着可能となるように構成することができる。
なお、図1において、ペン先2は、前記軸体としての軸筒3に、ホルダー4を介して装着されている。
図1において、前記軸筒3は、軸線方向Xの両端が開口する長尺の筒状体で構成されている。
なお、前記軸筒3の形状については、特段の制限はなく、例えば、軸線方向に直交する断面が円形や楕円形状、三角形や四角形などの多角形状であるものを選択することができる。
図1、6及び7において、前記軸筒3は、円筒体で構成されているが、角筒体などの筒体で構成することもできる。
図1において、前記軸筒3の軸線方向Xの一端(先端)側には、ホルダー4を介してペン先2が装着されている。
前記ホルダー4は、その先端側に前記ペン先2が装着され、後端側に軸筒3が装着されることによって塗布具又は筆記具等を構成するもので、図1に示すように、棒状のホルダー主体41で構成されている。
前記ホルダー主体41は、その後端部を前記軸筒3の前端の開口部に挿入するだけで、前記ホルダー4と前記軸体3とが軸線方向にしっかりと嵌合するように構成されている。
図1において、前記ホルダー主体41は、略円柱状、すなわち軸線方向Xに直交する方向の断面の形状が円形になるよう構成されているが、この形状については、特段の制限はない。
前記ホルダー4は、径方向中央部に、軸線方向に沿って延びるよう貫通形成された所要の大きさの貫通孔を有しており、この貫通孔が、前記ペン先2(詳しくはその後端部、特に外層22が形成されている部分)が挿入(圧入)される被嵌入部41aを構成している。
前記被嵌入部41aは、ペン先2との嵌合部として機能するもので、前記ペン先2の後端部(詳しくは外層22が形成されている部分)と嵌脱可能に構成されている。
前記被嵌入部41aの長手方向(軸方向)に直交する断面の形状(横断面形状)については、特段の制限はない。
例えば、前記ペン先主体21の後端部の軸線方向(この実施例において長手方向)に直交する断面の形状に応じて選択することができる。
前記被嵌入部41aの大きさ(特に径方向長さ)については、特段の制限はなく、前記ペン先主体21の後端部の大きさなどに応じて適宜選択することができる。
前記被嵌入部41aについては、好ましくは、この被嵌入部41aに前記ペン先2の後端部を挿入(又は圧入)するだけで、前記ペン先2が前記ホルダー4を介して前記軸体3と軸線方向にしっかりと嵌合するように構成される。
より好ましくは、前記ペン先2は、前記被嵌入部41aに対して圧接状態で装着される。
かかる圧接状態での装着方法については、特段の制限はなく、例えば、前記ペン先2の太さよりも前記被嵌入部41aの少なくとも一部の径方向長さ(直径)を若干小さくする方法や、前記ペン先2の太さを前記被嵌入部41aの径方向長さと同等若しくはこれよりも若干大きくする方法などを選択することができる。
図1において、前記被嵌入部41aは、その先端縁、すなわち開口部の径方向長さが前記ペン先2の後端部の径方向長さとほぼ同一になるように形成されるとともに、前記開口部から後端側に向かうに従って縮径するテーパー状に形成されている。
したがって、前記ペン先2は前記被嵌入部41aに(前記ホルダー4を介して軸筒3に)しっかりと固定されるので、前記軸体4からの不用意な脱離がより確実に防止される。
なお、前記ペン先2の後端部の外周部を、後端側に向かうに従って縮径するテーパー状に形成する一方、前記被嵌入部41aを、その径方向長さが、開口部から後端縁に亘って、ペン先2の後端部の径方向最小長さとほぼ同一になるように構成する方法によっても、同様の作用効果が得られるので、このような構成としてもよい。
前記ペン先2は、図1に示すように、少なくともその先端側の塗布部21aが前記軸筒3の先端側から外方に常時突出した状態になるように、その後端部が前記被嵌入部41a内に挿入(又は圧入)される。
この実施例において、前記軸筒3には、装着された前記ペン先2を外部に排出するための排出機構が備えられている。
図1において、前記軸筒3は、軸線方向X(前後方向)の両端が開口する筒状体で構成されることにより、その内部に、軸線方向Xに沿って延びる所要の大きさの空間3aを有している。
前記軸筒3の内部空間3aは、図1に示すように、その前端側において前記被嵌入部41aと略同心状に連通するよう形成され、かつこの被嵌入部41aよりも径方向の長さ(軸線方向に対して直交する方向の長さ)が大きくなるよう形成されている。
前記空間3aには、図1に示すように、ホルダー4に装着された状態にあるペン先2を外部に排出するための排出手段5が配設されている。
前記排出手段5は、前記空間3a内を前記軸体3の軸線に沿って前後方向に移動(摺動)する摺動部51と、前記ペン先2を押し出し排出する際に前記ペン先2と当接してこれを押圧する押圧部52と、を備えている。
前記押圧部52は、前記被嵌入部41a内に位置するよう、前記摺動部51の前端縁から延設され、かつ前記被嵌入部41aの径方向長さよりも小さい径方向長さを有する棒状の軸部材53を介して前記摺動部51の前端部に備えられている。
なお、符号41bは、前記被嵌入部41aの後端縁外周部から内方に向かって突出するように延設された環状のフランジ部で、前記軸部材53を保持するとともに、前記摺動部51の軸筒3からの脱落を防止するものである。
このような構成によって、前記押圧部52は、前記摺動部51の摺動に伴って前記被嵌入部41a内を前後方向に摺動可能となっているので、前記摺動部51を前方(図1において左方)、すなわち前記ペン先2に向かって摺動させると、前記押圧部52も被嵌入部41a内を前方、すなわちペン先2に向かって摺動する。
したがって、前記摺動部51を前方に向かって摺動させていくと、前記押圧部52が前記ペン先2と当接してこれを押圧しつつ、前記被嵌入部41aの外側の開口縁部近傍まで摺動する。
その結果、前記被嵌入部41aに着脱(嵌脱)可能に装着されていた前記ペン先2が、前記押圧部52によって外部に押し出されるので、前記ペン先2を排出する(取り外す)ことができる。
なお、図1において、前記押圧部52は、前記被嵌入部41aの横断面(軸方向に直交する方向の断面)とほぼ同形状かつこれよりも小さい径の横断面を有するように構成されるとともに、前記ペン先2との当接面が平滑で、前記ペン先2の後端面と同程度の大きさとなるように構成されている。
前記摺動部51の後端部には、前記ペン先2の排出操作を行う際の操作手段としてのボタン部6が備えられている。
したがって、前記ボタン部6を前記軸筒3の軸線方向先端側(ペン先2が装着されている側)、すなわちペン先2に向かって押圧することで、前記ペン先2を排出することができる。
なお、図1、6及び7において、操作手段ないし操作部については、ボタン部、すなわち押しボタン(押圧部材)で構成されているが、スライド部材(ないしスライド移動可能に構成された部材)やレバー部材など、押しボタン以外の公知の操作手段ないし操作部材で構成することも可能である。
図1、6及び7において、前記空間3a内には、弾性部材7が装着されている。
具体的には、前記弾性部材7は、一定量圧縮した状態で、前記軸筒3の軸線方向Xに対して平行になるように、前記空間3a内の、前記摺動部51の先端縁と前記ホルダー4の後端縁との間に挿入されている。
前記弾性部材7は、その一端側(図1、6及び7においては後端部)が前記摺動部51の先端面に当接する一方、他端側(図1、6及び7においては先端部)が前記ホルダー4の後端面に当接するもので、これによって、前記弾性部材7の付勢力が前記ボタン部6を備える排出手段5(詳しくは摺動部51)に作用する。
そのため、前記排出手段5は、前記弾性部材7の付勢力によって外方(前記軸筒3の後端側)に向かって付勢される。
したがって、前記ペン先2の排出後には、前記摺動部51は、直ちに元の位置に戻るように後方に摺動し、これに伴って、前記押圧部52も後方に摺動し、前記ペン先2から離れた位置に戻るので、新たなペン先2との交換を行うことができる。
さらに、前記排出手段5が備える操作部としてのボタン部6は、前記軸筒3の後端側の開口部から突出した状態になる。
なお、図1、6及び7において、前記弾性部材7は、前記摺動部51の先端縁と前記ホルダー4の後端縁との間に挿入されているが、この構成に限られることはない。
例えば、前記ペン先2が、前記ホルダー4を介することなく、前記軸筒3に直接装着される場合には、前記弾性部材7の他端側が、前記軸筒3の先端側に、必要に応じて適当な保持部材を利用して、保持されるように前記軸筒3を構成することができる。
この実施例において、前記弾性部材7は、圧縮コイルばねで構成されているが、前記弾性部材としては、板バネなどの圧縮コイルばね以外の各種ばね、又はゴムなどの弾性体、或いは各種シリンダ装置などを用いることができる。
その際、前記弾性部材7の付勢力は、操作部としてボタン部6が選択されている場合において、前記ボタン部6が前記軸筒3の後端側から所定長さ突出する程度のものであればよい。
かかる構成の軸筒3による排出機構、すなわち片手で簡単に操作することができ、ペン先2の外部への排出を容易に行うことによりペン先2の交換を容易に行うことができるメカニズムについて説明する。
図6において、前記軸筒3(詳しくは操作手段としてのボタン部6)は何ら操作されておらず、通常の状態にある。
通常の状態では、弾性部材7の付勢力が摺動部51に伝達されるため、この付勢力によって、前記摺動部51は、空間3a内を軸線方向Xに沿ってペン先(図示せず)から離れる方向(図6において右方)、すなわち空間3a内の後端側に位置する。
これによって、前記摺動部51の先端側(図6において左方)に軸部材53を介して設けられた押圧部52も、被嵌入部41a内の後端側に位置し、ペン先から離れた状態(ペン先と当接していない状態)にある。
したがって、この状態においては、前記ペン先は、前記軸筒3に対して、少なくともその塗布部が前記軸筒3の先端側から突出するように装着されている。
一方、図7において、前記摺動部51に取り付けられたボタン部6を操作(押圧操作)し、前記弾性部材7の付勢力に抗して前記ボタン部6を前記軸筒3内に押し込むと、前記摺動部51が、前記空間3a内を軸筒3の軸線に沿って前方(図7において左方)に(ペン先に向かって)摺動し、これに伴って、前記摺動部51の先端側に設けられている押圧部52も被嵌入部41a内を軸筒3の軸線に沿って前方に(ペン先に向かって)摺動することになる。
したがって、前記押圧部52が前記ペン先と当接してこれを押圧しつつ、前記押圧部52の先端縁が前記被嵌入部41aの外側の開口縁部近傍まで摺動するため、前記ペン先を外部に押し出し、排出することができる。
かくして、前記ペン先の排出を、片手による簡単な操作(特にワンタッチの操作)で、容易に行うことができる。
なお、前記ボタン部6への操作(押圧)を解除すると、前記したように前記弾性部材7の付勢力によって、前記摺動部51は、空間3a内を軸線方向Xの後端側(図6において右方)に向かって摺動し、これに伴って、前記押圧部52も、被嵌入部41a内の後端側に向かって摺動するため、前記押圧部52は、ペン先が装着される位置から離れた位置に固定されることとなる。
その後、軸筒3(被嵌入部41a)に、新しいペン先を装着することで、ペン先の交換が完了する。
したがって、前記ペン先2の前記軸筒3からの着脱は極めて容易であるので、前記ペン先2の交換も極めて容易である。
しかも、前記ペン先2の交換に際して、手指が汚れることを抑制又は防止することが可能となっている。
特に、ペン先2にインクなどの液体をつけて塗布等を行った後、このインクとは別のインクを使って塗布等を行うために新しいペン先と交換する等の場合において、前記ペン先2の交換は極めて容易であり、手指が汚れることが抑制又は防止され得る。
なお、排出したペン先については、廃棄する(使い捨てにする)ことができ、また、洗浄して再利用することもできる。
なお、この実施例においては、ホルダー4を介してペン先2が軸筒3に装着される例について説明したが、軸筒(軸体)とホルダーとを一体的に形成する等、ホルダーなどのペン先の保持部材を別体として設けることなく、軸筒3に直接ペン先2が装着される構成としてもよい。
その場合には、前記軸筒3(詳しくはその軸線方向Xの先端側)に、前記被嵌入部41aと同様のものが設けられるように構成すればよい。
前記軸体3を構成する材料としては、特段の制限はなく、例えば、樹脂や、金属、木材などの各種素材を、用途などに応じて適宜選択することができる。
この考案においては、紙や肌等の対象と接触する前記ペン先2を、その後端側から、軸筒3又は軸筒3の先端側に配された所定の部材(例えばホルダーなどの保持部材)が備える被嵌入部に挿入し、前記ペン先2の後端部を軸筒3又は所定の部材に圧入状態で接続させることにより、塗布具(又は筆記具)1を構成することができる。
したがって、このような筆記具又は塗布具もこの考案に含まれる。
かかる塗布具(又は筆記具)1は、マーキングペンやサインペン、筆ペンなどの各種筆記具(筆記用の塗布具を含む)や、アイライナーなどの化粧用の塗布具などの各種塗布具など、紙や肌等の対象に対して塗布や筆記、描画等を行う各種塗布具や筆記具として利用することができる。
以下に、実施例を挙げてこの考案を詳細に説明するが、この考案はこれら実施例により制限されることはない。
<実施例1>
(1)ポリエステルエラストマーを押出成型して、外径φ2.2mm程度の長尺棒状の合成樹脂成型体を得た。
(2)(1)で得られた合成樹脂成型体の後端部に、合成樹脂で被覆することによって、この後端部外周を囲繞する厚さ0.5mm程度の合成樹脂層(外層)を形成した。
(3)(2)で得られた、合成樹脂層(外層)を有する合成樹脂成型体を、所定の長さになるよう裁断し、その先端部を所望の形状になるよう研削加工して、ペン先を得た。
(4)(3)で得られたペン先を、図1に示す軸筒3と同じ構成の軸筒のホルダー(具体的には、その被嵌入孔)に取り付けて、塗布具を得た。
<実施例2>
(1)繊維太さ2.0dtexのナイロン繊維を集束させて、集束体を形成した。
(2)(1)で得られた集束体を加熱圧縮成形して、外径φ2.0mm程度の円柱状の繊維束を得た。
(3)(2)で得られた繊維束体を、ウレタン樹脂溶液に含侵させ、熱風乾燥させて樹脂を硬化させ、長尺棒状の繊維束体を得た。
(4)(3)で得られた繊維束体を、所定の長さになるよう裁断し、その先端部を所望の形状になるよう研削加工して、ペン先を得た。
(5)(4)で得られたペン先の後端部に、熱収縮性の合成樹脂からなるチューブを装着し、このチューブを加熱して収縮させることによって、ペン先の後端部外周を囲繞する厚さ0.4mm程度の合成樹脂層(外層)を形成した。
(6)(5)で得られたペン先を、図1に示す軸筒3と同じ構成の軸筒のホルダーに取り付けて、塗布具を得た。
<比較例1>
実開平7-4075号公報に記載されている交換装置付毛筆と同様のものを、比較例1の塗布具とした。
<比較例2>
市販の毛筆を比較例2とした。
[評価例]
上記実施例1及び2において得られた液体塗布具、並びに比較例1及び2の塗布具について、利便性、操作性、衛生面の評価を行った。
その結果を表1に示す。
<利便性の評価の基準>
〇:ペン先ないし筆先の交換が容易である
△:ペン先ないし筆先の交換に手間を要する
×:ペン先ないし筆先の交換ができない(異なる色で塗布を行う際には洗浄する必要がある)
<操作性の評価の基準>
〇:片手でペン先ないし筆先の取り外しが可能である
△:片手での操作が可能であるが、ペン先ないし筆先の洗浄、或いは塗布具ないし筆自体の持ち替えや交換が必要となる
×:ペン先ないし筆先の取り外しを両手で行う必要がある
<衛生面の評価の基準>
〇:手指が汚れることがない
×:手指が汚れるおそれがある
<結 果>
表1から、実施例1及び2において得られた塗布具は、手指を汚すことなく、片手でペン先ないし筆先の取り外しと交換が可能であるので、操作性、利便性及び衛生面において優れていることが分かる。
これらに対して、比較例1にかかる塗布具は、両手で筆先を交換する必要があり、筆先の交換の際に手指が汚れるおそれがある。したがって、利便性においてやや優れていたものの、操作性と衛生面において不十分なものであった。
比較例2にかかる塗布具は、異なる色で塗布を行う場合には、塗布具(筆)自体を交換することが可能なもので、その操作については片手で行うことができることから、操作性においてやや優れているといえるものであったが、その場合には、塗布具自体を多数準備しておくことや、交換用の塗布具を置いておくスペースを必要とするものである。また、塗布具の塗布部(筆先)を洗浄する方法もあるが、その場合には、手指が汚れるおそれがある。したがって、利便性と衛生面において不十分なものであった。
以上のことから、この考案にかかる塗布具(又は筆記具)によれば、ペン先の交換を、手指を汚すことなく、片手で簡単に行うことができるので、極めて優れたものであることは、明らかである。
この考案にかかるペン先は、長尺体からなるペン先主体で構成され、前記ペン先主体は、少なくともその軸線方向後端側の外周面上に所要の厚さで形成された外層を有し、前記外層は、液体の浸透又は透過を防止することができる材料で構成されている。
したがって、このペン先によれば、前記ペン先が吸収したインクなどの液体(液剤)が、前記ペン先が装着される軸体(軸筒など)や保持体(ペン先用ホルダー等)に付着することや、新しいペン先と交換する際に、前記ペン先が吸収したインクなどの液体で手指が汚れることが抑制又は防止される。
さらに、このペン先を、軸体と組み合わせて塗布具や筆記具を構成する際に、この軸体として、前記ペン先を排出するための手段を備える軸体が選択される場合には、前記ペン先の排出を、片手による簡単な操作、特にワンタッチで、容易に行うことができるので、前記ペン先の交換も極めて容易である。
よって、このペン先は、塗布や、筆記、描画などを目的とする塗布具又は筆記具の構成部材として、また、このペン先を備える塗布具又は筆記具は、各種の塗布具又は筆記具として使用可能なもので、広い用途での使用が可能なものである。
1 塗布具
2 ペン先
21 ペン先主体
21a 塗布部(又は筆記部)
22 外層
3 軸筒(軸体)
3a 空間
4 ホルダー(ペン先の保持具)
41 ホルダー主体
41a 被嵌入部
41b フランジ部
5 排出手段(ペン先の排出手段)
51 摺動部
52 押圧部
53 軸部材
6 ボタン部(操作手段)
7 弾性部材
X 軸線方向

Claims (9)

  1. 塗布又は筆記を行うためのペン先であって、
    前記ペン先は、長尺体からなるペン先主体で構成され、
    前記ペン先主体は、少なくともその軸線方向後端側の外周面上に所要の厚さで形成された外層を有し、
    前記外層は、液体の浸透又は透過を防止することができる材料で構成されていること
    を特徴とするペン先。
  2. 前記液体の浸透又は透過を防止することができる材料は、
    合成樹脂及び金属から選択され、
    前記ペン先主体は、
    長手方向に引き揃えた所望の繊維の束を、加熱圧縮したものに合成樹脂を用いて接着固定したもの、或いは長手方向に引き揃えた所望の繊維の束を、合成樹脂を用いて接着固定したものを加熱圧縮したもので構成されていること
    を特徴とする請求項1に記載のペン先。
  3. 前記ペン先主体は、
    エラストマー又はプラスチックで構成されていること
    を特徴とする請求項1に記載のペン先。
  4. 請求項1に記載のペン先と、
    前記ペン先と着脱可能に構成された軸体と、で構成され、
    前記ペン先は、前記軸体の先端側に設けられた所要の大きさの貫通孔からなる被嵌入部に嵌脱可能に装着されていること
    を特徴とする塗布具又は筆記具。
  5. 前記軸体は、
    その先端側に保持具を備え、
    前記ペン先は、
    前記保持具の先端側に貫通形成された所要の大きさの貫通孔からなる被嵌入部に嵌脱可能に装着されていること
    を特徴とする請求項4に記載の塗布具又は筆記具。
  6. 前記軸体は、
    その軸線方向の両端が開口する筒状体で構成されることにより、その内部に、軸線方向に沿って延び、かつ前記被嵌入部と連通する所要の大きさの空間を有し、前記空間内に前記ペン先の排出手段を備え、
    前記ペン先の排出手段は、
    前記軸体の内部を、その軸線方向に沿って前後方向に摺動する摺動部と、前記摺動部の先端側に配設されかつ前記摺動部の摺動に伴って前記被嵌入部内を前後方向に摺動する押圧部と、を備え、
    前記押圧部が前記ペン先と当接してこれを押圧することにより前記ペン先が前記被嵌入部から外部に排出されるよう構成されていること
    を特徴とする請求項4に記載の塗布具又は筆記具。
  7. 前記ペン先の排出手段は、
    さらに、前記摺動部に対して、その先端側から弾性付勢力を作用させるように前記軸体内に配設される弾性部材を備え、
    前記摺動部は、
    その後端側に、排出操作手段としてのボタン部を備え、
    前記弾性部材は、
    圧縮コイルばねであり、
    前記ボタン部を押圧すると、前記押圧部が前記ペン先と当接してこれを押圧することにより、前記ペン先が前記被嵌入部から外部に排出されるよう構成されていること
    を特徴とする請求項6に記載の塗布具又は筆記具。
  8. 前記ペン先は、
    前記被嵌入部に対して圧接状態で装着されていること
    を特徴とする請求項6に記載の塗布具又は筆記具。
  9. 前記被嵌入部は、
    その先端側の開口部の径方向長さが前記ペン先の後端部の径方向長さと略同一になるように形成されるとともに、前記開口部から後端側に向かうに従って縮径するテーパー状に形成されているか、或いはその径方向長さが、開口部から後端縁に亘って、前記ペン先の後端部の径方向最小長さと略同一になるように形成されるとともに、前記ペン先の後端部の外周部が、後端側に向かうに従って縮径するテーパー状に形成されていること
    を特徴とする請求項6に記載の塗布具又は筆記具。
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