JP3243049U - 金属棒付きナット - Google Patents

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尚樹 村上
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Abstract

【課題】工具を使用することなく、ボルトへの締め付け時間を短縮することが可能なナットを提供すること。【解決手段】金属棒付きナットであり、ナット11、12の側面に、ハンドル用金属棒2a、2bを立設した。【選択図】図2

Description

本考案は、ボルトにナットを締め付ける際、作業時間を短縮できる金属棒付きナットに関する。
従来、ボルトにナットを締め付ける際、最初に手でナットをボルトネジに入れ込み、その後、スパナ等の工具を使用する必要があった。このため、工具の準備時間や工具の締め付け時間を要するという問題があった。標準的なボルト、ナットの締め付けは、ボルトの首下まで締め付ける必要があり、時間を要していた。
これを解決するものとして、クランプナットがある。クランプナットを使用することで、ボルトの首下までナットを回す時間は短縮できるものの、依然として、工具の準備時間や工具の締め付け時間を要するという問題は解決できないままであった。なお、工具とは、スパナレンチ、モンキーレンチ、ラチェットレンチ、コンビネーションレンチ、ハンドルレンチ、六角棒レンチ等が挙げられる。
従って、本考案の目的は、工具を使用することなく、ボルトへの締め付け時間を短縮することが可能なナットを提供することにある。
上記課題は、以下の本考案により解決される。すなわち、本考案(1)は、ナットの側面に、金属棒を立設したことを特徴とする金属棒付きナットを提供するものである。
本考案(2)は、該金属棒は、金属丸棒であることを特徴とする前記の金属棒付きナットを提供するものである。
また、本考案(3)は、該ナットの側面と金属棒の軸芯が直交することを特徴とする前記の金属棒付きナットを提供するものである。
また、本考案(4)は、該立設が、ネジ止め又は溶接による固定であることを特徴とする前記の金属棒付きナットを提供するものである。
また、本考案(5)は、該ナットが、クランプナットであることを特徴とする前記の金属棒付きナットを提供するものである。
本考案によれば、工具を使用することなく、ボルトへの締め付け時間を短縮することが可能な金属棒付きナットを提供できる。
本考案の実施の形態における金属棒付きナットの分解図である。 本考案の実施の形態における金属棒付きナットの斜視図である。 本考案の実施の形態における金属棒付きナットの他の斜視図である。 本考案の他の実施の形態における金属棒付きナットの斜視図である。
本考案において、ナットとしては、ボルトネジにねじ込まれるナットであれば、特に制限されず、例えば、単管ナット、クランプナット等が挙げられる。また、ナット寸法(適合ネジ)としては、M3.0~M40.0ナット、好適にはM3.0~M20.0ナットが挙げられる。ナットの側面は、通常、例えばスパナレンチを使用する場合、スパナレンチで挟まれる面(当接面)を言う。また、第1ナットとロックナットである第2ナットからなるダブルナットの場合、ナットの側面としては、第1ナットの側面又は第2ナット側面、あるいは第1ナットの側面と第2ナット側面の両面が挙げられる。また、一つのナットにおいて、ロック側面に立設される金属棒は、1又は2以上であり、好ましくは1つである。金属棒1つであっても、ナットの締め付けにおいて、十分なトルクを付与することが可能である。ロック側面に立設される金属棒が複数の場合、異なる面、特に対峙する面に各々、立設することが好ましい。
本考案において、金属棒としては、鉄棒が挙げられる。また、金属棒の形状としては、特に制限されず、丸棒、角棒などが使用できる。この内、丸棒が、入手し易く、且つ指当たりが良い点で好ましい。金属棒の寸法としては、立設箇所(ナットと金属棒の接続部)の直径が1mm以上、且つ立設対象ナットの厚みの80%以下、好適には3mmである。棒の直径がナットの厚みの80%を超える場合、金属棒が少し曲がっただけで金属棒同士が干渉し、締め付け難くなる恐れがある。長さは、使用場所により適宜選択され、周辺に金属棒に干渉する他の機器がない場合は15~30mm、好適には20mmである。短すぎると、締め付けに強い作用力が必要となり、長過ぎると、締め付けは容易となるものの、他の機器や装置の邪魔になることがある。また、溝内など奥まった場所に配置されているねじに適用する場合、金属棒が回動可能なスペースを考慮しつつ、上記数値範囲に拘わらず、長くしてもよい。また、金属棒をナットにねじ込みで固定する場合、不使用時(使用後)には、取り外すこともでき、この場合、ねじ込み時に他の機器や装置の邪魔にならない限り最大長さを問わない。
本考案において、金属棒は、ナットの側面に立設される。金属棒は、ボルトへの締め付けの際、ナットを締め付け方向に回すハンドルとなるものである。従って、ナットの側面と金属棒の軸芯が直交するものが好ましく、特に、金属棒の軸芯が、ナットの中心を通るように立設することが好ましい。金属棒をナットの側面に立設する方法としては、ネジ止めによる固定方法及びナット側面に金属棒を溶接により固定する方法が挙げられる。
次に、本考案の金属棒付きナットの使用方法について説明する。先ず、一般的な単管ナットの場合、ボルトに対してナットを嵌め込む、次いで、金属棒に指を掛け、金属棒を締め付け方向に回す。この際、金属棒の長さがあるため、大きなトルクが得られるため、小さな作用力でナットを早く回すことができる。ナットがボルトの首下まで来たら、強く締め付けることで、ボルトへのナットの締め付けが完了する。このため、工具を使用することなく、ボルトへの締め付け時間を短縮することができる。
クランプナットの場合、ボルトの端部にナットを嵌め込み、ボルトの首下までナットを一気に落とし込む。次いで、金属棒に指を掛け、金属棒を締め付け方向に回し、強く締め付ける。これにより、ボルトへのナットの締め付けが完了する。このため、工具を使用することなく、ボルトへの締め付け時間を短縮することができる。
次に、本考案の実施の形態について、図1~図3を参照して説明する。図1の金属丸棒付きナット10Aは、クランプナット1に対して、金属丸棒2を取り付ける直前の状態を示したものである。クランプナット1は、六角形を形成する6面の内、一つの面部が開口部14となったものであり、先行ナットとなる第1ナット11と、ロックナットとなる第2ナット12のダブルナットである。金属丸棒付きナット10Aにおいて、ナット11の側面111及びナット12の側面121には金属丸棒2が嵌るネジ穴13が形成されている。また、金属丸棒2のナット側の先端には、ネジ穴13に螺合するネジ21が切られている。第1ナット11の側面111、又は第2ナット12の側面121は、図1の通り、六角形を形成する一面であり、本例では反開口部側の側面である。これにより、金属丸棒付きナット10Aを使用する際、ボルトに嵌め易く、且つ締め付けが容易となる。
図2及び図3は、図1の状態からクランプナット1に金属丸棒2がねじ込みで固定されたものであり、第1ナット11と第2ナット12の双方に金属丸棒2a、2bが付設されている。なお、図1においては、金属丸棒2bの記載が省略されている。図2及び図3の金属丸棒付きナット10Aにおいて、第1ナット11と第2ナット12は、独立して互いに回動自在である。
次いで、図1~図3の金属丸棒付きナット10Aの使用方法の一例について説明する。先ず、金属棒2a、2bが上下に対峙する図2の状態で、第1ナットが先行となるようにセットし、ボルトの端部に、ナットの開口部を嵌め込み、次いで、クランプナット1をボルトの首下まで一気に落とし込む。次いで、金属棒2aを締め付け方向に回し、第1ナット11を締め付ける。次いで、第2ナット12の金属棒2bに指を掛け、締め付け方向に回し、ロックする。これにより、ボルトへの金属丸棒付きナット10Aの締め付けが完了する。このため、工具を使用することなく、ボルトへの締め付け時間を短縮することができる。
次に、図4の金属棒付きナット10Bについて説明する。図4の金属丸棒付きナット10Bにおいて、図1~図3の金属丸棒付きナット10Aと同一構成要素には同一符号を付してその説明を省略し、異なる点について主に説明する。すなわち、図4の金属丸棒付きナット10Bにおいて、図1~図3の金属丸棒付きナット10Aと異なる点は、先行する第1ナット11の金属棒2aを省略したことにある。すなわち、金属丸棒付きナット10Bにおいては、第2ナット12に金属丸棒2bを付設し、第1ナット11は、金属丸棒の設置はなく、そのままである。
次いで、図4の金属丸棒付きナット10Bの使用方法の一例について説明する。金属丸棒付きナット10Aと同様、先ず、第1ナットが先行となるようにセットし、ボルト3の端部に、ナットの開口部14を嵌め込み、次いで、クランプナット1をボルト3の首下まで一気に落とし込む。次いで、金属棒2bを締め付け方向に強く回し第2ナット12を強く締め付ける。これにより、第1ナット11も強く締め付けられ、ボルトへの金属丸棒付きナット10Bの締め付けが完了する。このため、金属丸棒付きナット10Bにおいても、金属丸棒付きナット10Aと同様、工具を使用することなく、ボルトへの締め付け時間を短縮することができる。
本考案の金属棒付きナットは、ナットの側面に、金属棒を立設したため、工具を使用することなく、ボルトへの締め付け時間を短縮することができる。
本考案の金属棒付きナットは、金属棒が、金属丸棒であるため、入手が容易で、且つ締め付け易い。
本考案の金属棒付きナットは、ナットの側面と金属棒の軸芯が直交するため、操作性が良く、締め付けに要する作用力は小さくて良い。
本考案の金属棒付きナットは、立設が、ネジ止め又は溶接による固定であるため、市販のナットと市販の金属棒を使用して、容易に作製できる。
本考案の金属棒付きナットは、ナットが、クランプナットであるため、ボルトへの締め付け時間を更に、短縮することができる。
次に、実施例を挙げて更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本考案を制限するものではない。
(金属丸棒付きナットの作製)
使用したクランプナットを図1に示す。図1のクランプナット1は、市販品であり下記の仕様のものである。
・適合ネジ;M8
・材質;焼入れ鋼(亜鉛メッキ)
・高さ;10.5mm
・SW(対峙する面-面長さ);19mm
クランプナット1は、6角形の一辺がくり抜かれた開口部14を有し、ボルトの首下まで一気に通すことが可能である。なお、クランプナット1において、第1ナット11の反開口部側の面111の中心部に、M3のタップで深さ2.5mmのネジ孔13を形成した。また、同様に、第2ナット12の反開口部側の面121の中心部に、M3のタップで深さ2.5mmのネジ孔13を形成した。
使用した金属棒を図1に示す。図1の金属丸棒2は、直径3mm、長さ22mmの鉄製であった。また、金属丸棒2の一方の端部に、M3×2mmのネジ山21を形成した。次に、クランプナット1の2つのネジ孔13に、2本の金属丸棒2をそれぞれ螺合により接続、固定し、図2に示す金属丸棒付きナット10Aを得た。
(ボルト締め作業時間の測定)
次に、M8、首下40mmのボルトに対し、金属丸棒付きナット10Aを嵌め、締め付けまでの時間を測定した。金属丸棒付きナット10Aは、ボルトの首下まで一気に嵌め込み、次いで、2つの金属丸棒をほぼ同時に回すことで、締め付けた。金属丸棒付きナット10Aのボルトへの嵌め込み開始から締め付け完了までに要した時間は、3秒であった。
比較例
(ナットの準備)
金属丸棒の使用を省略した以外は、実施例と同様の方法で行った。すなわち、ナットは、市販品のクランプナット1をそのまま使用した。
(ボルト締め作業時間の測定)
次に、M8、首下40mmのボルトに対し、クランプナット1を嵌め、締め付けまでの時間を測定した。クランプナット1は、ボルトの首下まで一気に嵌め込み、次いで、スパナレンチを使用して、締め付けた。クランプナット1のボルトへの嵌め込み開始から締め付け完了までに要した時間は、30秒であった。
実施例及び比較例によれば、本考案の金属丸棒付きナットは、従来の工具を使用したものに比して、ボルトへの締め付け時間を大幅に短縮することが可能となった。また、スパナレンチ等の工具が不要となり、工具の準備や片付けの時間を考慮すると、作業効率が大幅に改善できた。
本考案によれば、工具を使用することなく、ボルトへの締め付け時間を短縮可能であり、作業効率を改善できる。
10A、10B 金属丸棒付きナット
1 クランプナット
2、2a、2b 金属棒(金属丸棒)
3 ボルト
11 第1ナット
12 第2ナット(ロックナット)
13 ネジ孔
14 開口部

Claims (5)

  1. ナットの側面に、金属棒を立設したことを特徴とする金属棒付きナット。
  2. 該金属棒は、金属丸棒であることを特徴とする請求項1に記載の金属棒付きナット。
  3. 該ナットの側面と金属棒の軸芯が直交することを特徴とする請求項1又は2に記載の金属棒付きナット。
  4. 該立設が、ネジ止め又は溶接による固定であることを特徴とする請求項1~3に記載の金属棒付きナット。
  5. 該ナットが、クランプナットであることを特徴とする請求項1~4に記載の金属棒付きナット。


















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