JP3242510B2 - 工作機械用アーム部材及びそれを用いたワイヤ放電加工機 - Google Patents
工作機械用アーム部材及びそれを用いたワイヤ放電加工機Info
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- JP3242510B2 JP3242510B2 JP29844293A JP29844293A JP3242510B2 JP 3242510 B2 JP3242510 B2 JP 3242510B2 JP 29844293 A JP29844293 A JP 29844293A JP 29844293 A JP29844293 A JP 29844293A JP 3242510 B2 JP3242510 B2 JP 3242510B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、工作機械用アーム部
材及びそれをワイヤガイド保持アームとして用いたワイ
ヤ放電加工機に関するものである。
材及びそれをワイヤガイド保持アームとして用いたワイ
ヤ放電加工機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、工作機械例えばワイヤ放電加
工機や産業用ロボットなどアーム部品を備えてなるもの
が多数使用されている。例えば、図13は、従来のワイ
ヤ放電加工機の全体図であり、図12は、図13のA部
を詳細に示したもので、図12において、(10)はワーク
を加工するワイヤ電極、(11)はワイヤ電極(10)及び加工
するワーク(14)を冷却する加工液(水を使用)、(12)はワ
イヤ電極(10)をワークに導くワイヤガイド、(15)はワイ
ヤガイド(12)を固定するワイヤガイド保持アームであ
る。ここで、従来、ワイヤガイド保持アーム(15)の材質
としては鉄系低膨張鋳物が使用されている。また、(13)
はワーク(14)を保持する定盤である。図1は、ワイヤガ
イド保持アームを示す概略図である。
工機や産業用ロボットなどアーム部品を備えてなるもの
が多数使用されている。例えば、図13は、従来のワイ
ヤ放電加工機の全体図であり、図12は、図13のA部
を詳細に示したもので、図12において、(10)はワーク
を加工するワイヤ電極、(11)はワイヤ電極(10)及び加工
するワーク(14)を冷却する加工液(水を使用)、(12)はワ
イヤ電極(10)をワークに導くワイヤガイド、(15)はワイ
ヤガイド(12)を固定するワイヤガイド保持アームであ
る。ここで、従来、ワイヤガイド保持アーム(15)の材質
としては鉄系低膨張鋳物が使用されている。また、(13)
はワーク(14)を保持する定盤である。図1は、ワイヤガ
イド保持アームを示す概略図である。
【0003】次に、動作について説明する。加工するワ
ーク(14)は、ワイヤ放電加工機内の定盤(13)に取り付け
られる。また、ワイヤ電極(10)は、ワイヤガイド保持ア
ーム(15)及びワイヤガイド(12)を通り、機械の上部へ導
かれる。この時、ワイヤ電極(10)は、加工するワーク(1
4)の中に導かれ、放電効果によってワーク(14)が溶かさ
れて加工されていく。この際、加工液(11)は、加工時に
発生する熱を低減させる目的で使われる。
ーク(14)は、ワイヤ放電加工機内の定盤(13)に取り付け
られる。また、ワイヤ電極(10)は、ワイヤガイド保持ア
ーム(15)及びワイヤガイド(12)を通り、機械の上部へ導
かれる。この時、ワイヤ電極(10)は、加工するワーク(1
4)の中に導かれ、放電効果によってワーク(14)が溶かさ
れて加工されていく。この際、加工液(11)は、加工時に
発生する熱を低減させる目的で使われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のワイヤガイド保
持アーム(15)は以上のように構成されているので、ワー
ク(14)の加工精度を向上させるためには、アームの剛性
を高めることが必要で、このため、アームの重量が重く
なるという問題点があった。また、加工時に放電により
加工液の温度が上昇するため、アームの材質として熱膨
張率の小さい高価な素材を使用する必要があった。更
に、加工液として使用する水により、電蝕が発生し、そ
のまま使用すると折損等の事故を発生させる恐れがあ
り、このため耐蝕塗料を施すなどの対策が必要であっ
た。
持アーム(15)は以上のように構成されているので、ワー
ク(14)の加工精度を向上させるためには、アームの剛性
を高めることが必要で、このため、アームの重量が重く
なるという問題点があった。また、加工時に放電により
加工液の温度が上昇するため、アームの材質として熱膨
張率の小さい高価な素材を使用する必要があった。更
に、加工液として使用する水により、電蝕が発生し、そ
のまま使用すると折損等の事故を発生させる恐れがあ
り、このため耐蝕塗料を施すなどの対策が必要であっ
た。
【0005】この発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたもので、工作機械用アーム部材の剛性
を高め、熱膨張率を小さくすることにより、アームの加
工精度を向上させると共に、電蝕の発生を低減させ、更
に、アーム部材の重量を軽量化することにより、組立性
を改善することができる工作機械用アーム部材並びにそ
れをワイヤガイド保持アームとして用いたワイヤ放電加
工機を提供することを目的とする。
るためになされたもので、工作機械用アーム部材の剛性
を高め、熱膨張率を小さくすることにより、アームの加
工精度を向上させると共に、電蝕の発生を低減させ、更
に、アーム部材の重量を軽量化することにより、組立性
を改善することができる工作機械用アーム部材並びにそ
れをワイヤガイド保持アームとして用いたワイヤ放電加
工機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る工作機械
用アーム部材は、補強繊維及び下記の積層用エポキシ樹
脂組成物から選択されるエポキシ樹脂から構成されるパ
イプ状複合材料成形体よりなることを特徴とする。
用アーム部材は、補強繊維及び下記の積層用エポキシ樹
脂組成物から選択されるエポキシ樹脂から構成されるパ
イプ状複合材料成形体よりなることを特徴とする。
【0007】更に、この発明に係るワイヤ放電加工機
は、ワイヤガイド保持アームとして上記工作機械用アー
ム部材を使用してなることを特徴とし、これによりワイ
ヤガイド保持アームの剛性を高め、熱膨張率を小さくす
ることができ、ワークの加工精度を向上したものであ
る。また、アーム部材の重量を軽量化することにより組
立性を改善することもできる。
は、ワイヤガイド保持アームとして上記工作機械用アー
ム部材を使用してなることを特徴とし、これによりワイ
ヤガイド保持アームの剛性を高め、熱膨張率を小さくす
ることができ、ワークの加工精度を向上したものであ
る。また、アーム部材の重量を軽量化することにより組
立性を改善することもできる。
【0008】
【作用】この発明における工作機械用アーム部材は、補
強繊維とエポキシ樹脂から構成されるパイプ状複合材料
成形体であり、該複合材料成形体の縦弾性率は現在使用
されている鉄系低膨張鋳物のそれよりも2倍以上向上す
る。また、比重も鉄系低膨張鋳物が7.8であるのに対
し、該複合材料のそれは1.6であり、重量が約1/5
程度に軽減される。更に、パイプ状複合材料成形体は補
強繊維とエポキシ樹脂とから構成されているため、固有
抵抗が大きく、電蝕の改善を図ることができる。
強繊維とエポキシ樹脂から構成されるパイプ状複合材料
成形体であり、該複合材料成形体の縦弾性率は現在使用
されている鉄系低膨張鋳物のそれよりも2倍以上向上す
る。また、比重も鉄系低膨張鋳物が7.8であるのに対
し、該複合材料のそれは1.6であり、重量が約1/5
程度に軽減される。更に、パイプ状複合材料成形体は補
強繊維とエポキシ樹脂とから構成されているため、固有
抵抗が大きく、電蝕の改善を図ることができる。
【0009】本発明の工作機械用アーム部材に使用され
る複合材料は、補強繊維40〜65体積%及びエポキシ
樹脂60〜35体積%より構成されるものである。ここ
で、補強繊維の割合が40体積%未満すなわちエポキシ
樹脂の割合が60体積%を超えると剛性が低下するため
に好ましくなく、また、補強繊維の割合が65体積%を
超えるすなわちエポキシ樹脂の割合が35体積%未満で
あると欠陥が増加し、強度低下を招くために好ましくな
い。
る複合材料は、補強繊維40〜65体積%及びエポキシ
樹脂60〜35体積%より構成されるものである。ここ
で、補強繊維の割合が40体積%未満すなわちエポキシ
樹脂の割合が60体積%を超えると剛性が低下するため
に好ましくなく、また、補強繊維の割合が65体積%を
超えるすなわちエポキシ樹脂の割合が35体積%未満で
あると欠陥が増加し、強度低下を招くために好ましくな
い。
【0010】なお、補強繊維としては炭素繊維、アラミ
ド繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、窒化珪素繊維、炭
化珪素繊維等を使用することができ、これらは単独で使
用しても、2種以上を併用してもよい。例えば、パイプ
状複合材料成形体の内部補強繊維として主として炭素繊
維を用い、表層部の補強繊維としてガラス繊維を用いた
構造とすることにより、炭素繊維の高剛性と、ガラス繊
維の絶縁性を活かす構成とすることができ、また、内部
補強繊維として主としてアラミド繊維を用い、表層部の
補強繊維としてガラス繊維を用いた構成することによ
り、アラミド繊維の優れた性能と、ガラス繊維の絶縁
性、耐吸湿性を活かす構成とすることができる。なお、
アラミド繊維は吸湿性が大きいため、アラミド繊維を使
用する場合には、ガラス繊維等の耐吸湿性に優れた繊維
を表層部に使用することが好ましい。
ド繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、窒化珪素繊維、炭
化珪素繊維等を使用することができ、これらは単独で使
用しても、2種以上を併用してもよい。例えば、パイプ
状複合材料成形体の内部補強繊維として主として炭素繊
維を用い、表層部の補強繊維としてガラス繊維を用いた
構造とすることにより、炭素繊維の高剛性と、ガラス繊
維の絶縁性を活かす構成とすることができ、また、内部
補強繊維として主としてアラミド繊維を用い、表層部の
補強繊維としてガラス繊維を用いた構成することによ
り、アラミド繊維の優れた性能と、ガラス繊維の絶縁
性、耐吸湿性を活かす構成とすることができる。なお、
アラミド繊維は吸湿性が大きいため、アラミド繊維を使
用する場合には、ガラス繊維等の耐吸湿性に優れた繊維
を表層部に使用することが好ましい。
【0011】また、エポキシ樹脂としては積層用エポキ
シ樹脂組成物例えばエポキシワニスを使用することがで
きる。本発明に使用することができる積層用エポキシ樹
脂組成物は例えば
シ樹脂組成物例えばエポキシワニスを使用することがで
きる。本発明に使用することができる積層用エポキシ樹
脂組成物は例えば
【化8】 (式中、RはHまたはCH3であり、nは0または1から
5までの整数を示す)で示される多官能エポキシ化合物
20〜80重量%と、一分子中に2個のエポキシ基を有
するエポキシ化合物80〜20重量%とを配合してなる
組成物(A)に、該組成物(A)中のエポキシ基末端1当量
当たり活性水素0.3〜0.8当量の割合で芳香族ジアミ
ノ化合物を配合した組成物(B)100重量部に対し、
0.5〜10重量部のジシアンジアミド及び1〜100
重量部の直鎖状高分子を配合したものである。なお、エ
ポキシ樹脂は構造用接着剤として種々の優れた特性を有
する以外に、吸水性が比較的小であるため、ワイヤ放電
加工機のワイヤガイド保持アームのような水と接触する
状態で使用する用途において、アーム部材として優れた
吸水による寸法安定性を提供することができる。
5までの整数を示す)で示される多官能エポキシ化合物
20〜80重量%と、一分子中に2個のエポキシ基を有
するエポキシ化合物80〜20重量%とを配合してなる
組成物(A)に、該組成物(A)中のエポキシ基末端1当量
当たり活性水素0.3〜0.8当量の割合で芳香族ジアミ
ノ化合物を配合した組成物(B)100重量部に対し、
0.5〜10重量部のジシアンジアミド及び1〜100
重量部の直鎖状高分子を配合したものである。なお、エ
ポキシ樹脂は構造用接着剤として種々の優れた特性を有
する以外に、吸水性が比較的小であるため、ワイヤ放電
加工機のワイヤガイド保持アームのような水と接触する
状態で使用する用途において、アーム部材として優れた
吸水による寸法安定性を提供することができる。
【0012】なお、上記積層用エポキシ樹脂組成物にお
いて、芳香族ジアミノ化合物としては、ジアミノジフェ
ニルエーテル、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジ
フェニルスルホン、ジアミノベンズアニリド、p−フェ
ニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ジブロムジ
アミノジフェニルメタン、ジクロルジアミノフェニルメ
タン、ジアミノベンゾグアナミン、テトラブロムジアミ
ノジフェニルメタン等を例示することができる。
いて、芳香族ジアミノ化合物としては、ジアミノジフェ
ニルエーテル、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジ
フェニルスルホン、ジアミノベンズアニリド、p−フェ
ニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ジブロムジ
アミノジフェニルメタン、ジクロルジアミノフェニルメ
タン、ジアミノベンゾグアナミン、テトラブロムジアミ
ノジフェニルメタン等を例示することができる。
【0013】また、直鎖状高分子としては、分子量が
3,000以上のポリエーテルスルホン、ポリスルホ
ン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイ
ド、ポリエステル、フェノキシ樹脂等を例示することが
できる。
3,000以上のポリエーテルスルホン、ポリスルホ
ン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイ
ド、ポリエステル、フェノキシ樹脂等を例示することが
できる。
【0014】更に、積層用エポキシ樹脂組成物として
は、エポキシ樹脂が、
は、エポキシ樹脂が、
【化9】 (式中、RはHまたはCH3であり、mは0または1から
5までの整数を示す)で表される多官能エポキシ樹脂(α
1)に対し、
5までの整数を示す)で表される多官能エポキシ樹脂(α
1)に対し、
【化10】 (式中、nは0以上の整数、Xは臭素またはHであり、
aは1から4の整数である)で表されるビスフェノール
A型エポキシ樹脂(α2)を重量比で100:0〜30:
70に配合したエポキシ樹脂組成物(α)に、
aは1から4の整数である)で表されるビスフェノール
A型エポキシ樹脂(α2)を重量比で100:0〜30:
70に配合したエポキシ樹脂組成物(α)に、
【化11】 (式中、bは1〜4の整数である)で表されるブロム化ビ
スフェノールA(β)を上記エポキシ樹脂組成物(α)のエ
ポキシ基末端1当量に対し、上記ブロム化ビスフェノー
ルA(β)の水酸基が0.05〜0.5当量となる割合で配
合した組成物をエポキシ基と水酸基の反応率が80%以
上になるまで反応させて得られる多官能エポキシ樹脂
(A)と、ビスフェノールAとホルムアルデヒドとの重縮
合物である分子量1,000以上で10,000以下のフ
ェノール樹脂(B)を、上記多官能エポキシ樹脂(A)のエ
ポキシ基末端1当量に対し、上記フェノール樹脂(B)の
水酸基が0.7〜1.2当量となる割合で配合した組成物
(I)100重量部に対し、この組成物(I)に相溶する分子
量5,000以上で100,000以下の直鎖状高分子
(II)を1〜60重量部配合したものを使用することが
でき、それによってパイプ状複合材料成形体に耐吸湿
性、耐水性、低吸湿膨張性を付与することができる。
スフェノールA(β)を上記エポキシ樹脂組成物(α)のエ
ポキシ基末端1当量に対し、上記ブロム化ビスフェノー
ルA(β)の水酸基が0.05〜0.5当量となる割合で配
合した組成物をエポキシ基と水酸基の反応率が80%以
上になるまで反応させて得られる多官能エポキシ樹脂
(A)と、ビスフェノールAとホルムアルデヒドとの重縮
合物である分子量1,000以上で10,000以下のフ
ェノール樹脂(B)を、上記多官能エポキシ樹脂(A)のエ
ポキシ基末端1当量に対し、上記フェノール樹脂(B)の
水酸基が0.7〜1.2当量となる割合で配合した組成物
(I)100重量部に対し、この組成物(I)に相溶する分子
量5,000以上で100,000以下の直鎖状高分子
(II)を1〜60重量部配合したものを使用することが
でき、それによってパイプ状複合材料成形体に耐吸湿
性、耐水性、低吸湿膨張性を付与することができる。
【0015】なお、上記直鎖状高分子(II)として上述
と同様のものを使用することができる。
と同様のものを使用することができる。
【0016】また、積層用エポキシ樹脂組成物として
は、エポキシ樹脂が、
は、エポキシ樹脂が、
【化12】 (式中、RはHまたはCH3であり、XはBrまたはHで
あり、mは0または1から5までの整数である)で示さ
れる多官能エポキシ樹脂(α)に、
あり、mは0または1から5までの整数である)で示さ
れる多官能エポキシ樹脂(α)に、
【化13】 (式中、aは1から4までの整数である)で表されるブロ
ム化ビスフェノールA(β1)及び
ム化ビスフェノールA(β1)及び
【化14】 で表されるビスフェノールA(β2)のうちの少なくとも
1種を配合した組成物(β)を、上記多官能エポキシ樹脂
(α)のエポキシ基末端1当量に対し、上記組成物(β)の
水酸基が0.05〜0.5当量となる割合で配合した組成
物をエポキシ基と水酸基の反応率が80%以上になるま
で反応させて得られる多官能エポキシ樹脂(A)と、ビス
フェノールAとホルムアルデヒドとの重縮合物である分
子量1,000以上で10,000以下のフェノール樹脂
(B)を、上記多官能エポキシ樹脂(A)のエポキシ基末端
1当量に対し、上記フェノール樹脂(B)の水酸基が0.
7〜1.2当量となる割合で配合した組成物(I)100重
量部に相溶する分子量5,000以上で100,000以
下の直鎖状高分子(II)を1〜60重量部配合したもの
を使用することができ、それによってパイプ状複合材料
成形体の難燃性を向上することができる。
1種を配合した組成物(β)を、上記多官能エポキシ樹脂
(α)のエポキシ基末端1当量に対し、上記組成物(β)の
水酸基が0.05〜0.5当量となる割合で配合した組成
物をエポキシ基と水酸基の反応率が80%以上になるま
で反応させて得られる多官能エポキシ樹脂(A)と、ビス
フェノールAとホルムアルデヒドとの重縮合物である分
子量1,000以上で10,000以下のフェノール樹脂
(B)を、上記多官能エポキシ樹脂(A)のエポキシ基末端
1当量に対し、上記フェノール樹脂(B)の水酸基が0.
7〜1.2当量となる割合で配合した組成物(I)100重
量部に相溶する分子量5,000以上で100,000以
下の直鎖状高分子(II)を1〜60重量部配合したもの
を使用することができ、それによってパイプ状複合材料
成形体の難燃性を向上することができる。
【0017】本発明の工作機械用アーム部材に使用する
複合材料成形体は、例えばプリプレグを使用するシート
ワインデング成形法、またはフィラメントワインデング
成形法により補強繊維を所定の積層構造に積層したパイ
プ形状の成形体である。なお、補強繊維の積層構造は、
特に限定されるものではない。
複合材料成形体は、例えばプリプレグを使用するシート
ワインデング成形法、またはフィラメントワインデング
成形法により補強繊維を所定の積層構造に積層したパイ
プ形状の成形体である。なお、補強繊維の積層構造は、
特に限定されるものではない。
【0018】上述のような構成を有する本発明の工作機
械用アーム部材は、例えばワイヤ放電加工機のワイヤガ
イド保持アーム、ロボットのアーム、その他の工作機械
のアームとして好適に使用できるものである。
械用アーム部材は、例えばワイヤ放電加工機のワイヤガ
イド保持アーム、ロボットのアーム、その他の工作機械
のアームとして好適に使用できるものである。
【0019】
実施例1.以下、この発明の一実施態様を図について説
明する。図1は、ワイヤガイド放電加工機のワイヤガイ
ド保持アームの概略図であり、ワイヤガイド保持アーム
は、パイプ状複合材料成形体(1)、ステンレス鋼製フラ
ンジ(2)及びセラミック製絶縁板(3)より構成されてい
る。複合材料成形体(1)に対し、ステンレス鋼製フラン
ジ(2)及びセラミック製絶縁板(3)が接着剤により固着さ
れている。ワイヤ放電加工機への取り付け状態を図11
に示す。
明する。図1は、ワイヤガイド放電加工機のワイヤガイ
ド保持アームの概略図であり、ワイヤガイド保持アーム
は、パイプ状複合材料成形体(1)、ステンレス鋼製フラ
ンジ(2)及びセラミック製絶縁板(3)より構成されてい
る。複合材料成形体(1)に対し、ステンレス鋼製フラン
ジ(2)及びセラミック製絶縁板(3)が接着剤により固着さ
れている。ワイヤ放電加工機への取り付け状態を図11
に示す。
【0020】次に、シートワインデング法によるパイプ
状複合材料成形体の製造法について説明する。まず、カ
ーボンファイバーを織布し、ロール状の基材とする。こ
の基材を連続して積層用エポキシ樹脂組成物[請求項1
に記載の積層用エポキシ樹脂組成物(1)であって、芳
香族ジアミノ化合物がジアミノジフェニルメタンであ
り、組成物(B)100重量部に対するジシアンジアミ
ドの配合量が2.5重量部、直鎖状高分子として使用す
るフェノキシ樹脂の配合量が6重量部のものである]に
含浸させ、乾燥塔を通して積層用エポキシ樹脂組成物の
溶剤を蒸発させると同時に樹脂の硬化を進め、B状態
(半硬化状態)のプリプレグを作る。次に、このB状態
のプリプレグを仕様の布目方向になるように所定の寸法
に切断する。このプリプレグを仕様に従って慣用のシー
トワインディング成形装置で積層するが、その方法は図
2に示すようにプリプレグを巻回するマンドレル(4)
を2本のロール(5、6)の上に乗せて回転させ、マン
ドレル(4)−ロール(5、6)間で圧力を加えながら
積層する。この積層体に更に熱収縮テープ(例えばポリ
エステルテープ)を均一に巻回したあと、慣用の条件下
で硬化炉中で硬化する。なお、熱収縮テープを巻回する
のはテープの熱収縮力により硬化時に積層体の密度向上
と均一化を図るためである。
状複合材料成形体の製造法について説明する。まず、カ
ーボンファイバーを織布し、ロール状の基材とする。こ
の基材を連続して積層用エポキシ樹脂組成物[請求項1
に記載の積層用エポキシ樹脂組成物(1)であって、芳
香族ジアミノ化合物がジアミノジフェニルメタンであ
り、組成物(B)100重量部に対するジシアンジアミ
ドの配合量が2.5重量部、直鎖状高分子として使用す
るフェノキシ樹脂の配合量が6重量部のものである]に
含浸させ、乾燥塔を通して積層用エポキシ樹脂組成物の
溶剤を蒸発させると同時に樹脂の硬化を進め、B状態
(半硬化状態)のプリプレグを作る。次に、このB状態
のプリプレグを仕様の布目方向になるように所定の寸法
に切断する。このプリプレグを仕様に従って慣用のシー
トワインディング成形装置で積層するが、その方法は図
2に示すようにプリプレグを巻回するマンドレル(4)
を2本のロール(5、6)の上に乗せて回転させ、マン
ドレル(4)−ロール(5、6)間で圧力を加えながら
積層する。この積層体に更に熱収縮テープ(例えばポリ
エステルテープ)を均一に巻回したあと、慣用の条件下
で硬化炉中で硬化する。なお、熱収縮テープを巻回する
のはテープの熱収縮力により硬化時に積層体の密度向上
と均一化を図るためである。
【0021】次に、硬化した積層体を脱芯機によりマン
ドレルより引き抜く。次に、積層体の外周寸法を引き出
すため、研磨機により外表面を研磨し、次いで、積層体
の長さ寸法を決めるため、両端を切断加工する。更に、
この積層体に表面処理用の樹脂をコーティングし、乾燥
炉にて乾燥してパイプ状複合材料成形体とする。なお、
得られた成形体の補強繊維の割合は55体積%であり、
エポキシ樹脂の割合は45体積%である。
ドレルより引き抜く。次に、積層体の外周寸法を引き出
すため、研磨機により外表面を研磨し、次いで、積層体
の長さ寸法を決めるため、両端を切断加工する。更に、
この積層体に表面処理用の樹脂をコーティングし、乾燥
炉にて乾燥してパイプ状複合材料成形体とする。なお、
得られた成形体の補強繊維の割合は55体積%であり、
エポキシ樹脂の割合は45体積%である。
【0022】本実施例による積層構造を表1及び図3に
示す。 (表1) 積層角度 積層数 縦弾性値 撓み(10kgf) 第1層 ±10度 8 第2層 90度 1 28600kg/mm2 13μm 第3層 ±10度 8 第4層 90度 2
示す。 (表1) 積層角度 積層数 縦弾性値 撓み(10kgf) 第1層 ±10度 8 第2層 90度 1 28600kg/mm2 13μm 第3層 ±10度 8 第4層 90度 2
【0023】なお、得られたパイプ状複合材料成形体の
寸法は、外径100.0mm、内径90.0mm、長さ5
22mmである。これを、ステンレス鋼製フランジ(2)
及びセラミックス製絶縁板(3)と、接着剤により固着し
て図1に示す形状のワイヤガイド保持アームとして組立
てた。得られたワイヤガイド保持アームの全重量は71
00gであった。このアームはワイヤ放電加工中冷却水
噴射のため、アーム先端部には約10kg程度の繰返し
圧力が掛かり、アームに撓みを生じる。本実施例による
ワイヤガイド保持アーム部品の撓み量は、垂直方向で1
3μmであった。現在使用されている鉄系低膨張鋳物の
撓み量は45μmである。実際に、加工精度に影響を与
えるのは、垂直方向に対し、90度方向であるため、上
記値よりは小さくなる。この状態を片持ち荷重としてモ
デル化した試験法を図4に示す。
寸法は、外径100.0mm、内径90.0mm、長さ5
22mmである。これを、ステンレス鋼製フランジ(2)
及びセラミックス製絶縁板(3)と、接着剤により固着し
て図1に示す形状のワイヤガイド保持アームとして組立
てた。得られたワイヤガイド保持アームの全重量は71
00gであった。このアームはワイヤ放電加工中冷却水
噴射のため、アーム先端部には約10kg程度の繰返し
圧力が掛かり、アームに撓みを生じる。本実施例による
ワイヤガイド保持アーム部品の撓み量は、垂直方向で1
3μmであった。現在使用されている鉄系低膨張鋳物の
撓み量は45μmである。実際に、加工精度に影響を与
えるのは、垂直方向に対し、90度方向であるため、上
記値よりは小さくなる。この状態を片持ち荷重としてモ
デル化した試験法を図4に示す。
【0024】更に、ワイヤ放電加工機内は温度制御を行
っているが、通常加工時の発熱によって、液温が1〜2
℃程度変動することが避けられない。例えば、加工液温
度が2℃変動した場合、現在使用されている鉄系低膨張
鋳物(500mm長の場合)では、熱膨張係数が5×10
-6/℃であるため、5μmアーム長が変動する。これに
対し、補強繊維としてカーボン繊維を使用したパイプ状
複合材料成形体の熱膨張係数は3×10-6/℃であるた
め、3μmの変化に抑制することができる。
っているが、通常加工時の発熱によって、液温が1〜2
℃程度変動することが避けられない。例えば、加工液温
度が2℃変動した場合、現在使用されている鉄系低膨張
鋳物(500mm長の場合)では、熱膨張係数が5×10
-6/℃であるため、5μmアーム長が変動する。これに
対し、補強繊維としてカーボン繊維を使用したパイプ状
複合材料成形体の熱膨張係数は3×10-6/℃であるた
め、3μmの変化に抑制することができる。
【0025】ワイヤ放電加工機の加工精度は、上述のア
ームの撓み、液温変動等の加算されたものであるが、ミ
クロンオーダの加工精度が要求されるワイヤ放電加工機
にとって、本実施例によるアーム部材をワイヤガイド保
持アームとして使用すれば、製品の加工精度が著しく向
上することは明らかである。また、アームをパイプ状複
合材料成形体としたため、全体重量は鉄系低膨張鋳物の
22kgから約1/3に軽減され、組立作業性も同時に
改善される。
ームの撓み、液温変動等の加算されたものであるが、ミ
クロンオーダの加工精度が要求されるワイヤ放電加工機
にとって、本実施例によるアーム部材をワイヤガイド保
持アームとして使用すれば、製品の加工精度が著しく向
上することは明らかである。また、アームをパイプ状複
合材料成形体としたため、全体重量は鉄系低膨張鋳物の
22kgから約1/3に軽減され、組立作業性も同時に
改善される。
【0026】実施例2. 次に、第2の実施例を説明する。積層用エポキシ樹脂組
成物として請求項1に記載の積層用エポキシ樹脂組成物
(2)であって、組成物(I)100重量部に対するフ
ェノキシ樹脂の配合量が6重量部のものを使用した以
外、パイプ状複合材料成形体の製造法は実施例1と同様
であるが、積層構造を以下の表2及び図5に記載するよ
うに変更したものである。
成物として請求項1に記載の積層用エポキシ樹脂組成物
(2)であって、組成物(I)100重量部に対するフ
ェノキシ樹脂の配合量が6重量部のものを使用した以
外、パイプ状複合材料成形体の製造法は実施例1と同様
であるが、積層構造を以下の表2及び図5に記載するよ
うに変更したものである。
【0027】 (表2) 積層角度 積層数 縦弾性値 撓み(10kgf) 第1層 0度 5 第2層 90度 2 第3層 0度 5 32,000kg/mm2 12μm 第4層 90度 2 第5層 0度 5 第6層 90度 2
【0028】この積層構造を採った場合、カーボンファ
イバーが同材質のものであっても、縦弾性率は実施例1
の28,600kg/mm2から32,000kg/mm2
へと向上する。この結果、実施例1とは同一条件で測定
した撓み量は12μmと更に向上する。従って、パイプ
状複合材料成形体の形状寸法を実施例と同一とした場合
はワイヤ放電加工時の製品精度は一段と向上する。ま
た、製品精度を実施例1と同様とする場合は、安価なカ
ーボンファイバーを使用することが可能である。なお、
得られた成形体の補強繊維の割合は55体積%であり、
エポキシ樹脂の割合は45体積%である。
イバーが同材質のものであっても、縦弾性率は実施例1
の28,600kg/mm2から32,000kg/mm2
へと向上する。この結果、実施例1とは同一条件で測定
した撓み量は12μmと更に向上する。従って、パイプ
状複合材料成形体の形状寸法を実施例と同一とした場合
はワイヤ放電加工時の製品精度は一段と向上する。ま
た、製品精度を実施例1と同様とする場合は、安価なカ
ーボンファイバーを使用することが可能である。なお、
得られた成形体の補強繊維の割合は55体積%であり、
エポキシ樹脂の割合は45体積%である。
【0029】実施例3.この実施例は、上記実施例1の
シートワインディング法により積層されたパイプ状複合
材料成形体の外周部に、更に、電気絶縁性の優れたガラ
スファイバー織布を基材としたプリプレグを積層したも
のである。表3及び図6に示すこの積層構造によれば、
上記実施例1で表面処理として用いた樹脂コーティング
を省略することが可能で、製品のコストを安価とするこ
とが可能である。
シートワインディング法により積層されたパイプ状複合
材料成形体の外周部に、更に、電気絶縁性の優れたガラ
スファイバー織布を基材としたプリプレグを積層したも
のである。表3及び図6に示すこの積層構造によれば、
上記実施例1で表面処理として用いた樹脂コーティング
を省略することが可能で、製品のコストを安価とするこ
とが可能である。
【0030】 (表3) 積層角度 積層数 縦弾性値 撓み(10kgf) 第1層 ±45度 2 第2層 ±10度 8 第3層 90度 1 28,600kg/mm2 13μm 第4層 ±10度 8 第5層 90度 2
【0031】実施例4. この実施例は、上記実施例と同一積層構造において、補
強繊維をアルミナ繊維としたものである。なお、本実施
例においては、積層用エポキシ樹脂組成物として請求項
1に記載の積層用エポキシ樹脂組成物(3)であって、
組成物(I)100重量部に対してフェノール樹脂6重
量部を配合したものを使用した。この実施例における積
層構造を以下の表4及び図7に記載する。
強繊維をアルミナ繊維としたものである。なお、本実施
例においては、積層用エポキシ樹脂組成物として請求項
1に記載の積層用エポキシ樹脂組成物(3)であって、
組成物(I)100重量部に対してフェノール樹脂6重
量部を配合したものを使用した。この実施例における積
層構造を以下の表4及び図7に記載する。
【0032】 (表4) 積層角度 積層数 縦弾性値 撓み(10kgf) 第1層 ±10度 8 第2層 90度 1 第3層 ±10度 8 23,900kg/mm2 16μm 第4層 90度 2
【0033】本実施例では、剛性の高いアルミナ繊維を
使用することにより、優れた撓み特性が得られると同時
にセラミックス繊維のため、固有抵抗が1014Ω・cm
と大きく、実施例3で行ったように表層部に電気絶縁処
理のためのガラス繊維を配置する必要がなく、優れた耐
電蝕性を得ることができる。
使用することにより、優れた撓み特性が得られると同時
にセラミックス繊維のため、固有抵抗が1014Ω・cm
と大きく、実施例3で行ったように表層部に電気絶縁処
理のためのガラス繊維を配置する必要がなく、優れた耐
電蝕性を得ることができる。
【0034】実施例5.この実施例は、上記実施例1と
同一積層構造において、補強繊維を窒化珪素繊維とした
ものである。なお、本実施例では、ポリカルボシランを
出発原料とした直径5〜20μmの繊維を使用した。固
有抵抗は1016Ω・cm程度を有するものである。ま
た、本実施例においては、積層用エポキシ樹脂組成物と
して実施例1と同様のものを使用した。この実施例にお
ける積層構造を以下の表5及び図8に記載する。
同一積層構造において、補強繊維を窒化珪素繊維とした
ものである。なお、本実施例では、ポリカルボシランを
出発原料とした直径5〜20μmの繊維を使用した。固
有抵抗は1016Ω・cm程度を有するものである。ま
た、本実施例においては、積層用エポキシ樹脂組成物と
して実施例1と同様のものを使用した。この実施例にお
ける積層構造を以下の表5及び図8に記載する。
【0035】 (表5) 積層角度 積層数 縦弾性値 撓み(10kgf) 第1層 ±10度 8 第2層 90度 1 第3層 ±10度 8 12,600kg/mm2 30μm 第4層 90度 2
【0036】実施例6.この実施例は、上記実施例1と
同一積層構造において、補強繊維を炭化珪素繊維とした
ものである。なお、本実施例では、ポリカルボシランを
出発原料とした直径5〜20μmの繊維を使用した。た
だし、固有抵抗は102Ω・cm程度であるため、実施
例3と同様に表層部への絶縁処理を施した。また、本実
施例においては、積層用エポキシ樹脂組成物として実施
例2と同様のものを使用した。この実施例における積層
構造を以下の表6及び図9に記載する。
同一積層構造において、補強繊維を炭化珪素繊維とした
ものである。なお、本実施例では、ポリカルボシランを
出発原料とした直径5〜20μmの繊維を使用した。た
だし、固有抵抗は102Ω・cm程度であるため、実施
例3と同様に表層部への絶縁処理を施した。また、本実
施例においては、積層用エポキシ樹脂組成物として実施
例2と同様のものを使用した。この実施例における積層
構造を以下の表6及び図9に記載する。
【0037】 (表6) 積層角度 積層数 縦弾性値 撓み(10kgf) 第1層 ±45度 2 第2層 ±10度 8 第3層 90度 1 12,600kg/mm2 30μm 第4層 ±10度 8 第5層 90度 2
【0038】実施例7.実施例3において、補強繊維と
してアラミド繊維を使用してパイプ状複合材料成形体を
作成したところ、アラミド繊維の優れた諸特性を活かし
つつ、耐吸湿性に優れた成形体を得ることができた。
してアラミド繊維を使用してパイプ状複合材料成形体を
作成したところ、アラミド繊維の優れた諸特性を活かし
つつ、耐吸湿性に優れた成形体を得ることができた。
【0039】実施例1〜7において、90度層を一定間
隔ごとに配置したが、これはシートワインディング成形
時の内部応力を緩和して成形割れを回避するためと、パ
イプ状複合材料成形体につぶし強度をもたせるためであ
る。
隔ごとに配置したが、これはシートワインディング成形
時の内部応力を緩和して成形割れを回避するためと、パ
イプ状複合材料成形体につぶし強度をもたせるためであ
る。
【0040】実施例8.図10は、フイラメントワイン
デング法によるパイプ状複合材料成形体の成形法を示す
図である。補強繊維材のロービング(7)をレジンバス(8)
で積層用エポキシ樹脂組成物(実施例1と同様のもの)を
含浸しながらマンドレル(9)に巻回して成形し、硬化
後、マンドレル(9)を外し、成形体を得る。この実施例
では、積層構造を実施例1と同様としたが、繊維含有率
が高く、信頼性の高い高性能成形体が得られる特長を有
する。
デング法によるパイプ状複合材料成形体の成形法を示す
図である。補強繊維材のロービング(7)をレジンバス(8)
で積層用エポキシ樹脂組成物(実施例1と同様のもの)を
含浸しながらマンドレル(9)に巻回して成形し、硬化
後、マンドレル(9)を外し、成形体を得る。この実施例
では、積層構造を実施例1と同様としたが、繊維含有率
が高く、信頼性の高い高性能成形体が得られる特長を有
する。
【0041】なお、上記実施例では、フランジ部を角板
状のもので示したが、円板状のものなど他の形状でもよ
く、材質も耐電蝕性を対処すれば、鋳鉄等安価な素材を
用いることも可能である。また、パイプ状複合材料成形
体の先端部に固着したセラミックス製絶縁板としてはア
ルミナ質セラミックスの例を示したが、絶縁性を有する
他のセラミックスまたはガラス繊維を補強繊維とする複
合材料であってもよい。
状のもので示したが、円板状のものなど他の形状でもよ
く、材質も耐電蝕性を対処すれば、鋳鉄等安価な素材を
用いることも可能である。また、パイプ状複合材料成形
体の先端部に固着したセラミックス製絶縁板としてはア
ルミナ質セラミックスの例を示したが、絶縁性を有する
他のセラミックスまたはガラス繊維を補強繊維とする複
合材料であってもよい。
【0042】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、補強
繊維及び特定の積層用エポキシ樹脂組成物を含有してな
るパイプ状複合材料成形体を工作機械用アーム部材とし
て用いることにより、剛性の増加、熱膨脹係数の低減等
を図ることができると共に工作機械用アーム部材の用途
に応じて優れた耐吸水性、低吸湿膨脹性、難燃性等をア
ーム部材に付与することができ、例えばワイヤ放電加工
機のワイヤガイド保持アームに該部材を使用するとワイ
ヤ放電加工時の精度を向上させることができる。また、
絶縁構造体のため電蝕性も向上する効果がある。更に、
請求項4に記載された構成とすることにより、パイプ状
複合材料成形体の表面に樹脂コーティングを施さなくて
も優れた電気絶縁性を有する工作機械用アーム部材を安
価に提供することができる。また、請求項5に記載され
た構成とすることにより、吸湿性が大きいが、その他の
性能が特に優れているアラミド繊維を使用した工作機械
用アーム部材を提供することができる。更に、本発明に
よりアーム部材の重量が大幅に軽減されることにより、
組立時の作業性の向上、機械全体の負荷が軽減される効
果もある。
繊維及び特定の積層用エポキシ樹脂組成物を含有してな
るパイプ状複合材料成形体を工作機械用アーム部材とし
て用いることにより、剛性の増加、熱膨脹係数の低減等
を図ることができると共に工作機械用アーム部材の用途
に応じて優れた耐吸水性、低吸湿膨脹性、難燃性等をア
ーム部材に付与することができ、例えばワイヤ放電加工
機のワイヤガイド保持アームに該部材を使用するとワイ
ヤ放電加工時の精度を向上させることができる。また、
絶縁構造体のため電蝕性も向上する効果がある。更に、
請求項4に記載された構成とすることにより、パイプ状
複合材料成形体の表面に樹脂コーティングを施さなくて
も優れた電気絶縁性を有する工作機械用アーム部材を安
価に提供することができる。また、請求項5に記載され
た構成とすることにより、吸湿性が大きいが、その他の
性能が特に優れているアラミド繊維を使用した工作機械
用アーム部材を提供することができる。更に、本発明に
よりアーム部材の重量が大幅に軽減されることにより、
組立時の作業性の向上、機械全体の負荷が軽減される効
果もある。
【図1】ワイヤ放電加工機用ワイヤガイド保持アームの
構成を示す概略図である。
構成を示す概略図である。
【図2】シートワインデング成形装置における、マンド
レルとロールの構成を示す図である。
レルとロールの構成を示す図である。
【図3】実施例1によるパイプ状複合材料成形体の積層
構造を示す断面図である。
構造を示す断面図である。
【図4】ワイヤガイド保持アームの片持ち荷重モデル図
である。
である。
【図5】実施例2によるパイプ状複合材料成形体の積層
構造を示す断面図である。
構造を示す断面図である。
【図6】実施例3によるパイプ状複合材料成形体の積層
構造を示す断面図である。
構造を示す断面図である。
【図7】実施例4によるパイプ状複合材料成形体の積層
構造を示す断面図である。
構造を示す断面図である。
【図8】実施例5によるパイプ状複合材料成形体の積層
構造を示す断面図である。
構造を示す断面図である。
【図9】実施例6によるパイプ状複合材料成形体の積層
構造を示す断面図である。
構造を示す断面図である。
【図10】フィラメントワインデング成形装置の概略図
である。
である。
【図11】本発明によるワイヤガイド保持アームの取り
付け状態を示す図である。
付け状態を示す図である。
【図12】従来のワイヤガイド保持アームの取り付け状
態を示す図である。
態を示す図である。
【図13】ワイヤ放電加工機の全体図である。
1 パイプ状複合材料成形体 2 ステンレス製フランジ 3 セラミックス製絶縁板 4 マンドレル 5 ロール 6 ロール 7 ロービング 8 レジンバス 9 マンドレル 10 ワイヤ電極 11 加工液 12 ワイヤガイド 13 定盤 14 ワーク 15 ワイヤガイド保持アーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 63/00 C08L 63/00 A //(C08L 63/00 (C08L 63/00 101:00) 101:00) (72)発明者 池田 千尋 鎌倉市上町屋325番地 三菱電機株式会 社 鎌倉製作所内 (72)発明者 当金 彦宏 鎌倉市上町屋325番地 三菱電機株式会 社 鎌倉製作所内 (72)発明者 宇都宮 真 鎌倉市上町屋325番地 三菱電機株式会 社 鎌倉製作所内 (56)参考文献 特開 昭62−264818(JP,A) 特開 平3−166218(JP,A) 特開 平3−166223(JP,A) 特開 平3−79621(JP,A) 特開 平3−311522(JP,A) 特許2743790(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/38 C08G 59/50 C08G 59/62 C08L 63/00 - 63/04 C08J 5/24 B23H 7/02
Claims (6)
- 【請求項1】 補強繊維及び下記の積層用エポキシ樹脂
組成物から選択されるエポキシ樹脂から構成されるパイ
プ状複合材料成形体よりなることを特徴とする工作機械
用アーム部材: 積層用エポキシ樹脂組成物(1) 【化1】 (式中、RはHまたはCH 3 であり、nは0または1か
ら5までの整数を示す)で示される多官能エポキシ化合
物20〜80重量%と、一分子中に2個のエポキシ基を
有するエポキシ化合物80〜20重量%とを配合してな
る組成物(A)に、該組成物(A)中のエポキシ基末端
1当量当たり活性水素0.3〜0.8当量の割合で芳香
族ジアミノ化合物を配合した組成物(B)100重量部
に対し、0.5〜10重量部のジシアンジアミド及び1
〜100重量部の直鎖状高分子を配合してなる積層用エ
ポキシ樹脂組成物; 積層用エポキシ樹脂組成物(2) 【化2】 (式中、RはHまたはCH 3 であり、mは0または1か
ら5までの整数を示す)で表される多官能エポキシ樹脂
(α 1 )に対し、 【化3】 (式中、nは0以上の整数であり、Xは臭素またはHで
あり、aは1から4の整数である)で表されるビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂(α 2 )を重量比で100:0
〜30:70に配合したエポキシ樹脂組成物(α)に、 【化4】 (式中、bは1〜4の整数である)で表されるブロム化
ビスフェノールA(β)を上記エポキシ樹脂組成物
(α)のエポキシ基末端1当量に対し、上記ブロム化ビ
スフェノールA(β)の水酸基が0.05〜0.5当量
となる割合で配合した組成物をエポキシ基と水酸基の反
応率が80%以上になるまで反応させて得られる多官能
エポキシ樹脂(A)と、ビスフェノールAとホルムアル
デヒドとの重縮合物である分子量1,000以上で1
0,000以下のフェノール樹脂(B)を、上記多官能
エポキシ樹脂(A)のエポキシ基末端1当量に対し、上
記フェノール樹脂(B)の水酸基が0.7〜1.2当量
となる割合で配合した組成物(I)100重量部に対
し、この組成物(I)に相溶する分子量5,000以上
で100,000以下の直鎖状高分子(II)を1〜6
0重量部配合した積層用エポキシ樹脂組成物;及び 積層用エポキシ樹脂組成物(3) 【化5】 (式中、RはHまたはCH 3 であり、XはBrまたはH
であり、mは0または1 から5までの整数である)で示
される多官能エポキシ樹脂(α)に、 【化6】 (式中、aは1から4までの整数である)で表されるブ
ロム化ビスフェノールA(β 1 )及び 【化7】 で表されるビスフェノールA(β 2 )のうちの少なくと
も1種を配合した組成物(β)を、上記多官能エポキシ
樹脂(α)のエポキシ基末端1当量に対し、上記組成物
(β)の水酸基が0.05〜0.5当量となる割合で配
合した組成物をエポキシ基と水酸基の反応率が80%以
上になるまで反応させて得られる多官能エポキシ樹脂
(A)と、ビスフェノールAとホルムアルデヒドとの重
縮合物である分子量1,000以上で10,000以下
のフェノール樹脂(B)を、上記多官能エポキシ樹脂
(A)のエポキシ基末端1当量に対し、上記フェノール
樹脂(B)の水酸基が0.7〜1.2当量となる割合で
配合した組成物(I)100重量部に相溶する分子量
5,000以上で100,000以下の直鎖状高分子
(II)を1〜60重量部配合した積層用エポキシ樹脂
組成物。 - 【請求項2】 補強繊維が炭素繊維、アラミド繊維、ガ
ラス繊維、アルミナ繊維、窒化珪素繊維及び炭化珪素繊
維からなる群から選択される1種または2種以上である
請求項1記載の工作機械用アーム部材。 - 【請求項3】 補強繊維及びエポキシ樹脂から構成され
るパイプ状複合材料成形体が、補強繊維の織布よりなる
プリプレグを用いたシートワインデング法により製造さ
れたものである請求項1記載の工作機械用アーム部材。 - 【請求項4】 パイプ状複合材料成形体の内部補強繊維
が主として炭素繊維であり、表層部補強繊維がガラス繊
維である請求項1記載の工作機械用アーム部材。 - 【請求項5】 パイプ状複合材料成形体の内部補強繊維
が主としてアラミド繊維であり、表層部補強繊維がガラ
ス繊維である請求項1記載の工作機械用アーム部材。 - 【請求項6】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
の工作機械用アーム部材を、ワイヤ放電加工機のワイヤ
ガイド保持アームとして使用することを特徴とするワイ
ヤ放電加工機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29844293A JP3242510B2 (ja) | 1993-11-29 | 1993-11-29 | 工作機械用アーム部材及びそれを用いたワイヤ放電加工機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29844293A JP3242510B2 (ja) | 1993-11-29 | 1993-11-29 | 工作機械用アーム部材及びそれを用いたワイヤ放電加工機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07156020A JPH07156020A (ja) | 1995-06-20 |
JP3242510B2 true JP3242510B2 (ja) | 2001-12-25 |
Family
ID=17859767
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29844293A Expired - Fee Related JP3242510B2 (ja) | 1993-11-29 | 1993-11-29 | 工作機械用アーム部材及びそれを用いたワイヤ放電加工機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3242510B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TWI354002B (en) * | 2003-12-24 | 2011-12-11 | Sumitomo Chemical Co | Epoxy compounds and cured epoxy resin obtained by |
JP5057714B2 (ja) * | 2006-07-07 | 2012-10-24 | 三菱レイヨン株式会社 | 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物および繊維強化複合材料中間体 |
KR100830345B1 (ko) * | 2007-09-21 | 2008-05-20 | 주식회사 로보스 | 다관절 로봇암 |
-
1993
- 1993-11-29 JP JP29844293A patent/JP3242510B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH07156020A (ja) | 1995-06-20 |
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