JP3242335U - ドリル - Google Patents
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Abstract
【課題】針状体と先端部との連結部分の強度を向上させて針状体の折損を抑制することができるドリルを提供する。【解決手段】本ドリル1は、切れ刃5が形成された先端部8を備え、先端部の先端面8aには軸方向に延びる針状体9が設けられており、針状体は、先端部の先端面に対して段差状に設けられている。さらに、針状体の底端9aは、その外周が先端部の先端面の外周よりも内側に位置するように先端部の先端面と連なっていることが好ましい。【選択図】図2
Description
本考案は、ドリルに関し、更に詳しくは、切れ刃を有する先端部の先端面に軸方向に延びる針状体が設けられたドリルに関する。
従来のドリルとして、切れ刃が形成された先端部を備え、先端部の先端面には軸方向に延びる針状体が設けられているものが知られている(例えば、特許文献1等を参照)。この種のドリルによると、加工対象物に対して針状体が食い付くことで位置ズレを抑制して正確な穴加工を行うことができる。ここで、上記のドリルでは、例えば、図12に示すように、針状体109は先端部108の先端面に対して溝110を介して設けられている形態が多く採用されている。
しかし、上記のドリルでは、針状体109は先端部108の先端面に対して溝110を介して設けられているので、針状体109と先端部108との連結部分の強度が低く、針状体109の長さやテーパ角の大きさ等によっては穴加工中に針状体109が折損してしまう可能性があった。
本考案は、上記問題を解決するためになされたものであり、針状体と先端部との連結部分の強度を向上させて針状体の折損を抑制することができるドリルを提供することを目的とする。
本考案は以下の通りである。
1.切れ刃が形成された先端部を備え、前記先端部の先端面には軸方向に延びる針状体が設けられているドリルであって、
前記針状体は、前記先端部の先端面に対して段差状に設けられていることを特徴とするドリル。
2.前記針状体の底端は、その外周が前記先端部の先端面の外周よりも内側に位置するように前記先端部の先端面と連なっている上記1.に記載のドリル。
3.前記針状体は円錐状に形成されている上記1.に記載のドリル。
4.前記先端部の先端面の外周は円に形成されている上記1.に記載のドリル。
5.前記切れ刃は鋸歯状に形成されている上記1.に記載のドリル。
6.医療用又は歯科用である上記1.に記載のドリル。
7.前記針状体は円錐状に形成されており、
前記先端部の先端面の外周は円に形成されており、
医療用又は歯科用である上記2.に記載のドリル。
8.前記切れ刃は鋸歯状に形成されている上記7.に記載のドリル。
9.前記針状体の長さ(L1)は0.5~3mmであり、
前記針状体のテーパ角(θ1)は10~70°である上記7.又は8.に記載のドリル。
10.前記切れ刃は2枚設けられており、
前記針状体は円錐状に形成されており、
前記先端部の先端面の外周は円に形成されており、
医療用又は歯科用である上記2.に記載のドリル。
11.前記切れ刃は鋸歯状に形成されている上記10.に記載のドリル。
12.前記針状体の長さ(L1)は0.5~3mmであり、
前記針状体のテーパ角(θ1)は10~70°である上記10.又は11.に記載のドリル。
13.前記切れ刃は3枚設けられており、
前記針状体は円錐状に形成されており、
前記先端部の先端面の外周は円に形成されており、
医療用又は歯科用である上記2.に記載のドリル。
14.前記切れ刃は鋸歯状に形成されている上記13.に記載のドリル。
15.前記針状体の長さ(L1)は0.5~3mmであり、
前記針状体のテーパ角(θ1)は10~70°である上記13.又は14.に記載のドリル。
1.切れ刃が形成された先端部を備え、前記先端部の先端面には軸方向に延びる針状体が設けられているドリルであって、
前記針状体は、前記先端部の先端面に対して段差状に設けられていることを特徴とするドリル。
2.前記針状体の底端は、その外周が前記先端部の先端面の外周よりも内側に位置するように前記先端部の先端面と連なっている上記1.に記載のドリル。
3.前記針状体は円錐状に形成されている上記1.に記載のドリル。
4.前記先端部の先端面の外周は円に形成されている上記1.に記載のドリル。
5.前記切れ刃は鋸歯状に形成されている上記1.に記載のドリル。
6.医療用又は歯科用である上記1.に記載のドリル。
7.前記針状体は円錐状に形成されており、
前記先端部の先端面の外周は円に形成されており、
医療用又は歯科用である上記2.に記載のドリル。
8.前記切れ刃は鋸歯状に形成されている上記7.に記載のドリル。
9.前記針状体の長さ(L1)は0.5~3mmであり、
前記針状体のテーパ角(θ1)は10~70°である上記7.又は8.に記載のドリル。
10.前記切れ刃は2枚設けられており、
前記針状体は円錐状に形成されており、
前記先端部の先端面の外周は円に形成されており、
医療用又は歯科用である上記2.に記載のドリル。
11.前記切れ刃は鋸歯状に形成されている上記10.に記載のドリル。
12.前記針状体の長さ(L1)は0.5~3mmであり、
前記針状体のテーパ角(θ1)は10~70°である上記10.又は11.に記載のドリル。
13.前記切れ刃は3枚設けられており、
前記針状体は円錐状に形成されており、
前記先端部の先端面の外周は円に形成されており、
医療用又は歯科用である上記2.に記載のドリル。
14.前記切れ刃は鋸歯状に形成されている上記13.に記載のドリル。
15.前記針状体の長さ(L1)は0.5~3mmであり、
前記針状体のテーパ角(θ1)は10~70°である上記13.又は14.に記載のドリル。
本考案のドリルによれば、針状体は、先端部の先端面に対して段差状に設けられている。これにより、針状体と先端部との連結部分の強度を向上させて針状体の折損を抑制することができる。
本考案について、本考案による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
実施形態に係るドリルの正面図である。
ドリルの刃部の斜視図である。
図1の要部拡大図である。
図3のIV矢視図である。
変形例1に係るドリルの要部正面図である。
図5の要部拡大図である。
図6のVII矢視図である。
変形例2に係るドリルの要部正面図である。
図8の要部拡大図である。
図8のX矢視図である。
他の形態のドリルの先端部及び針状体の正面図であり、(a)は針状体の底部が断面円弧状の外周面を有する形態を示し、(b)は針状体の底部が断面直線状の外周面を有する形態を示す。
従来のドリルの要部正面図である。
ここで示される事項は例示的なものおよび本考案の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本考案の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本考案の根本的な理解のために必要である程度以上に本考案の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本考案の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
以下、図面を用いて実施形態により本考案を具体的に説明する。なお、本実施形態では、本考案に係る「ドリル」として、骨や歯などの加工対象物を切削(具体的に穴加工)するための医療用又は歯科用ドリルを例示する。ただし、ドリルの用途は特に限定されず、例えば、自動車産業、航空機産業、IT産業から医療機器分野などで金属製、樹脂製などの加工対象物を切削するためのドリルとしてもよい。
本実施形態に係るドリル1は、図1及び図2に示すように、刃部2と、刃部2の後方に連なるシャンク部3と、を備えている。刃部2は、2枚の切れ刃5が形成された先端部8を有している。また、刃部2は、先端部8から連なり切削屑を排出するための溝4を有している。さらに、ドリル1の先端角αは、先端部8の先端から後端まで一定の値とされている。
なお、ドリル1の先端角αの大きさは特に限定されないが、例えば30~120°などを採用できる。さらに、先端部8の材質は特に限定されないが、例えば高速度工具鋼(ハイス)、超硬合金、セラミックス、ステンレス、β型チタン合金などを採用できる。
先端部8は、図3及び図4に示すように、切れ刃5、すくい面6及び逃げ面7により構成されている。また、先端部8は、先端に向かって縮径する円錐台状に形成されている。また、先端部8の軸方向の一端には先端面8aが形成されている。先端面8aの外周は円に形成されている。ただし、円とは異なる形状(例えば、楕円環状、多角環状、放射環状など)の外周を持つ先端面8aを採用してもよい。
先端部8の先端面8aには、軸方向に延びる針状体9が設けられている。針状体9は先端に向かって円錐状に形成されている。ただし、角錐状に形成された針状体9を採用してもよい。さらに、先端側が錐状に形成され且つ先端側に連なる部分が柱状に形成された針状体9を採用してもよい。なお、針状体9を備えることで、ドリル1の芯厚が細くなり切削抵抗が低減される。
針状体9の大きさ、形状などは特に限定されない。針状体9の加工対象物への食付き性及び強度などの観点から、針状体9の長さL1が0.5~3mm(特に0.7~2mm)であることが好ましい。さらに、針状体9のテーパ角θ1が10~70°(特に20~60°)であることが好ましい。
針状体9は、先端部8の先端面8aに対して段差状に設けられている。具体的に、ドリル1の軸方向からみて、針状体9の底端9aは、その外周が先端面8aの外周よりも内側に位置するように先端面8aと連なっている。より具体的に、ドリル1の軸方向からみて、針状体9の底端9aの外周と先端面8aの外周とが同心円で配置されている。
次に、上記構成のドリル1の作用効果について説明する。ドリル1で穴加工(例えば、インプラント手術の穴加工)する際に、加工対象物に針状体9が食い付くことで位置ズレが抑制されて正確な穴加工が行われる。
本実施形態のドリル1によると、針状体9は、先端部8の先端面8aに対して段差状に設けられている。これにより、従来のように針状体109と先端部108との間に溝110が設けられたドリル(図12参照)と比べて、針状体9と先端部8との連結部分の強度を向上させることができる。その結果、針状体9の長さL1が比較的長い場合であったり、針状体9のテーパ角θ1が比較的小さい場合であったりしても、針状体9の折損を抑制することができる。
また、本実施形態では、針状体9の底端9aは、その外周が先端部8の先端面8aの外周よりも内側に位置するように先端部8の先端面8aと連なっている。これにより、先端部8の先端面8aに対して針状体9を容易に段差状に設けることができる。
また、本実施形態では、針状体9は円錐状に形成されている。これにより、ドリル1の切削抵抗を低減しつつ針状体9の加工対象物への食付き性を高めることができる。
また、本実施形態では、先端部8の先端面8aの外周は円に形成されている。これにより、ドリル1の切削抵抗を低減しつつ針状体9の加工対象物への食付き性を高めることができる。
さらに、本実施形態では、2枚の切れ刃5を有しているので、ドリル1の切削抵抗を低減できる。
次に、変形例1及び変形例2に係るドリルについて説明するが、上記の実施形態に係るドリルと略同じ構成部位には同符号を付けて詳説を省略する。
<変形例1>
本変形例1に係るドリル1Aは、図5~図7に示すように、刃部2と、刃部2の後方に連なるシャンク部3と、を備えている。刃部2は、3枚の切れ刃5が形成された先端部8を有している。先端部8は、切れ刃5、すくい面6及び逃げ面7により構成されている。先端部8の先端面8aには、軸方向に延びる針状体9が設けられている。針状体9は、先端部8の先端面8aに対して段差状に設けられている。
本変形例1に係るドリル1Aは、図5~図7に示すように、刃部2と、刃部2の後方に連なるシャンク部3と、を備えている。刃部2は、3枚の切れ刃5が形成された先端部8を有している。先端部8は、切れ刃5、すくい面6及び逃げ面7により構成されている。先端部8の先端面8aには、軸方向に延びる針状体9が設けられている。針状体9は、先端部8の先端面8aに対して段差状に設けられている。
以上より、本変形例1のドリル1Aによると、上記の実施形態のドリル1と略同様の作用効果を奏するとともに、3枚の切れ刃5を有しているので、ドリル剛性を高めて難削材の切削加工に適するようにできる。
<変形例2>
実変形例2に係るドリル1Bは、図8~図10に示すように、刃部2と、刃部2の後方に連なるシャンク部3と、を備えている。刃部2は、3枚の切れ刃5が形成された先端部8を有している。先端部8は、切れ刃5、すくい面6及び逃げ面7により構成されている。切れ刃5は鋸歯状に形成されている。具体的に、切れ刃5及びこれに連なる逃げ面7は、多数の溝により鋸歯状に形成されている。また、先端部8の先端面8aには、軸方向に延びる針状体9が設けられている。針状体9は、先端部8の先端面8aに対して段差状に設けられている。なお、ドリル1Bの先端角αは、先端部8の先端から後端に向かって小さくなっている。
実変形例2に係るドリル1Bは、図8~図10に示すように、刃部2と、刃部2の後方に連なるシャンク部3と、を備えている。刃部2は、3枚の切れ刃5が形成された先端部8を有している。先端部8は、切れ刃5、すくい面6及び逃げ面7により構成されている。切れ刃5は鋸歯状に形成されている。具体的に、切れ刃5及びこれに連なる逃げ面7は、多数の溝により鋸歯状に形成されている。また、先端部8の先端面8aには、軸方向に延びる針状体9が設けられている。針状体9は、先端部8の先端面8aに対して段差状に設けられている。なお、ドリル1Bの先端角αは、先端部8の先端から後端に向かって小さくなっている。
以上より、本変形例2のドリル1Bによると、上記の実施形態のドリル1と略同様の作用効果を奏するとともに、3枚の切れ刃5を有しているので、ドリル剛性を高めて難削材の切削加工に適するようにできる。さらに、本変形例2では、切れ刃15は鋸歯状に形成されているので、加工対象物の切り過ぎを抑制することができる。
尚、本考案においては、実施形態に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更することができる。すなわち、上記実施形態、変形例1及び変形例2では、一定のテーパ角θ1を持つ円錐状の針状体9を例示したが、これに限定されず、例えば、図11に示すように、末広がり状の底部11、12を有する針状体9を採用してもよい。
具体的に、底部11は、ドリルの軸方向に沿う断面形状が円弧状の外周面を有している(図11(a)参照)。また、底部12は、針状体9のテーパ角θ1より大きなテーパ角θ2を持つ外周面を有している(図11(b)参照)。なお、底部11、12の軸方向の長さL2は特に限定されないが、針状体9の軸方向の長さL1の50%(好ましくは30%)以下に設定されていることができる。
さらに、上記実施形態、変形例1及び変形例2のドリル1、1A、1Bにおいて、刃枚数、刃の分割形態、リード角、すくい角、芯厚、ねじれ方向などは特に限定されず、穴加工の形態などに応じて適宜選択できる。例えば、2枚又は3枚の切れ刃5を有するドリル1、4A、1Bに限定されず、1枚又は4枚以上の切れ刃5を有するドリル1、4A、4Bを採用してもよい。
本考案は、上記で詳述した実施形態に限定されず、本考案の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。
本考案は加工対象物を切削するドリルとして広く利用される。特に、医療用又は歯科用ドリルとして好適に利用される。
1,1A,1B;ドリル、5;切れ刃、8;先端部、8a;先端面、9;針状体、9a;底端、L1;針状体の長さ、θ1;針状体のテーパ角。
Claims (15)
- 切れ刃が形成された先端部を備え、前記先端部の先端面には軸方向に延びる針状体が設けられているドリルであって、
前記針状体は、前記先端部の先端面に対して段差状に設けられていることを特徴とするドリル。 - 前記針状体の底端は、その外周が前記先端部の先端面の外周よりも内側に位置するように前記先端部の先端面と連なっている請求項1に記載のドリル。
- 前記針状体は円錐状に形成されている請求項1に記載のドリル。
- 前記先端部の先端面の外周は円に形成されている請求項1に記載のドリル。
- 前記切れ刃は鋸歯状に形成されている請求項1に記載のドリル。
- 医療用又は歯科用である請求項1に記載のドリル。
- 前記針状体は円錐状に形成されており、
前記先端部の先端面の外周は円に形成されており、
医療用又は歯科用である請求項2に記載のドリル。 - 前記切れ刃は鋸歯状に形成されている請求項7に記載のドリル。
- 前記針状体の長さ(L1)は0.5~3mmであり、
前記針状体のテーパ角(θ1)は10~70°である請求項7又は8に記載のドリル。 - 前記切れ刃は2枚設けられており、
前記針状体は円錐状に形成されており、
前記先端部の先端面の外周は円に形成されており、
医療用又は歯科用である請求項2に記載のドリル。 - 前記切れ刃は鋸歯状に形成されている請求項10に記載のドリル。
- 前記針状体の長さ(L1)は0.5~3mmであり、
前記針状体のテーパ角(θ1)は10~70°である請求項10又は11に記載のドリル。 - 前記切れ刃は3枚設けられており、
前記針状体は円錐状に形成されており、
前記先端部の先端面の外周は円に形成されており、
医療用又は歯科用である請求項2に記載のドリル。 - 前記切れ刃は鋸歯状に形成されている請求項13に記載のドリル。
- 前記針状体の長さ(L1)は0.5~3mmであり、
前記針状体のテーパ角(θ1)は10~70°である請求項13又は14に記載のドリル。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2023001230U JP3242335U (ja) | 2023-04-12 | 2023-04-12 | ドリル |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
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2023
- 2023-04-12 JP JP2023001230U patent/JP3242335U/ja active Active
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