JP3242179U - 洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システムおよび電力システム - Google Patents
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Abstract
【課題】地理的な制約がなく、ガス貯蔵装置の建設コストを低減し、ガス貯蔵の空間を拡大し、最寄りのソース側の洋上風力発電を直接に結合する効果を有する洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システムおよび電力システムを提供する。【解決手段】洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システムは、出力端が洋上複合ガス貯蔵装置の入力端に接続される空気圧縮システム、出力端が空気膨張システムの入力端に接続される洋上複合ガス貯蔵装置、および空気膨張システムを含み、洋上複合ガス貯蔵装置は、第1のガス貯蔵キャビティを含むタワーシェルと、水中に固定的にまたは浮遊的に設置されており、第1のガス貯蔵キャビティに連通する第2のガス貯蔵キャビティを備える水中ガス貯蔵装置とを含む。本考案は、従来の圧縮空気エネルギー貯蔵の技術が地下洞窟の地理的条件によって制限され、地上ガス貯蔵装置の建設コストが高くなるという問題を解決することができる。【選択図】図1
Description
本考案は、圧縮空気エネルギー貯蔵の技術分野に関して、具体的に、洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システムおよび電力システムに関するものである。
圧縮空気エネルギー貯蔵技術は、風力エネルギー、太陽エネルギーなどの再生可能エネルギー発電の間欠、不安定性を解決する重要な技術手段である。安定した風況、突風状況、緩やかな風況など、洋上風況は変化しやすいため、洋上風力発電機セットは、発電量が風况に影響されるため、風力発電に間欠性、変動性および制御不可能性があり、風力発電の系統連系の変動は送電網に衝撃を与える。したがって、従来技術では、圧縮空気エネルギー貯蔵装置は、送電網の不安定性やピーク負荷シフトの調整に用いられる。具体的に、地下洞窟の空間が形成する天然密閉貯蔵媒体や、その内壁に柔軟なガス密閉型ポリマーフィルムを敷いて高圧空気を貯蔵したり、直接地上に貯蔵装置を使用して高圧空気を貯蔵したりすることが行われている。送電網の供給が需要より多い場合は、圧縮空気サブシステムで電気エネルギーを機械エネルギーに変換し、圧力ポテンシャルエネルギーと熱エネルギーに変換して空気貯蔵装置と熱貯蔵装置にそれぞれ貯蔵し、送電網の供給が需要より少ない場合は、空気膨張サブシステムで空気貯蔵装置と熱貯蔵装置の圧力ポテンシャルエネルギーと熱エネルギーを機械エネルギーに変換して外部に出力する。
しかし、既存の方式では、地下洞窟には、塩の洞窟、地下帯水層、硬岩盤の洞窟、天然の塩岩洞窟、放棄された天然ガスや石油の貯蔵室などがあり、地上ガス貯蔵には、金属貯蔵タンク/パイプ、熱可塑性パイプなどがあり、これらのガス貯蔵装置は、地理的条件によって制限され、または高価的であり、一方で、長い気体送電線を敷設する必要があり、建設費が高く、また、現在、適用されている圧縮空気エネルギー貯蔵プロジェクトは、すべて送電網側の不安定な電源を調整し、圧縮空気エネルギー貯蔵システムや風力、太陽光などのソース側の電源系統連系は、すべて長い送配電線を敷設する必要があり、コストが高価になる。
本考案が解決しようとする技術的課題は、従来の技術における地下洞窟の地理的制約、地上ガス貯蔵装置の高建設コスト、エアパイプラインや送電線の高コストという欠点を克服し、海岸沿いの高価な土地スペースを占有せず、洋上風力タービンタワーシェルと水中ガス貯蔵装置を複合ガス貯蔵装置として直接使用する洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システムおよび電力システムを提供することを目的とし、ここで、風力タービンタワーシェルは、固定式風力タービンタワーシェルと浮体式風力タービンタワーシェルを含む。
上記課題を解決するために、本考案の一局面は、出力端が洋上複合ガス貯蔵装置の入力端に接続される空気圧縮システムと、出力端が空気膨張システムの入力端に接続される洋上複合ガス貯蔵装置と、空気膨張システムとを含み、ここで、洋上複合ガス貯蔵装置は、第1のガス貯蔵キャビティを含むタワーシェルと、水中に固定的にまたは浮遊的に設置されており、第1のガス貯蔵キャビティに連通する第2のガス貯蔵キャビティを備える水中ガス貯蔵装置とを含む洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システムを提供した。
任意選択で、タワーシェルは、軸方向に個別に設置される複数のタワーシェルセクションを含み、第1のガス貯蔵キャビティは、1つまたは複数のタワーシェルセクションに設けられる。
任意選択で、タワーシェルは、径方向に覆設される外シェル体と内シェル体を備え、外シェル体と内シェル体の間の環状隙間は、第1のガス貯蔵キャビティを構成している。
任意選択で、水中ガス貯蔵装置は、海底に固定的に設置される貯蔵タンクを含み、貯蔵タンクは、その内部チャンバーで第2のガス貯蔵キャビティを構成し、タワーシェルの下に設置され、タワーシェルの底部は、貯蔵タンクと貫通して連通し、または、第1のガス貯蔵キャビティは、パイプラインを介して第2のガス貯蔵キャビティに連通する。
任意選択で、タワーシェルセクションには、ガス貯蔵ユニットが1つまたは複数設置されており、複数のガス貯蔵ユニットは、タワーシェルセクションの内周の回りに離間して設置され、パイプラインを介して連通される。
任意選択で、貯蔵タンクは、コンクリート製または耐食鋼製であり、タワーシェルの底部と一体化して設置される。
任意選択で、タワーシェルは、複数であり、貯蔵タンクは、複数であり、複数の貯蔵タンクは、タワーシェルの底部に1対1対応で設けられ、複数の第1のガス貯蔵キャビティは、複数の第2のガス貯蔵キャビティと1対1対応で連通する。
任意選択で、タワーシェルは、複数であり、貯蔵タンクは、1つであり、複数のタワーシェルの第1のガス貯蔵キャビティは、パイプラインを介して貯蔵タンクの第2のガス貯蔵キャビティに連通する。
任意選択で、水中ガス貯蔵装置は、内部チャンバーが第2のガス貯蔵キャビティを構成する水中に浮遊するエアバッグを備え、タワーシェルには、ポートがあり、エアバッグのエアノズルとタワーシェルのポートを、パイプラインを介して接続することによって、第1のガス貯蔵キャビティを第2のガス貯蔵キャビティに連通させる。
任意選択で、エアバッグは、複数であり、タワーシェルの外周の回りに離間して散在し、複数のエアバッグの第2のガス貯蔵キャビティは、パイプラインを介してタワーシェルの第1のガス貯蔵キャビティに連通する。
任意選択で、エアバッグは、複数であり、タワーシェルは、複数であり、複数のタワーシェルの第1のガス貯蔵キャビティは、複数のエアバッグの第2のガス貯蔵キャビティに連通する。
任意選択で、エアバッグは、1つであり、タワーシェルは、複数であり、複数のタワーシェルの第1のガス貯蔵キャビティは、パイプラインを介してエアバッグの第2のガス貯蔵キャビティに連通する。
任意選択で、空気圧縮システムは、順次直列に接続される多段圧縮機を含み、隣接する圧縮機間には、冷却器が接続され、空気膨張システムは、順次直列に接続される多段ガス膨張機を含み、隣接するガス膨張機間には、再熱器が接続され、圧縮機と洋上複合ガス貯蔵装置間には、冷蔵熱交換器が接続され、洋上複合ガス貯蔵装置は、入力端が冷蔵熱交換器の出力端に接続され、出力端が冷蔵熱交換器の入力端に接続される。
任意選択で、空気圧縮システムと洋上複合ガス貯蔵装置の間には、減圧装置が設けられ、空気圧縮システムの出力端は、減圧装置の入力端に接続され、減圧装置の出力端は、洋上複合ガス貯蔵装置の入力端に接続され、洋上複合ガス貯蔵装置と空気膨張システムの間には、入力端が洋上複合ガス貯蔵装置の出力端に接続され出力端が空気膨張システムの入力端に接続される加圧装置が設けられている。
本考案の別の一局面は、送電網、洋上風力発電機セットおよび以上の技術的手段のいずれか1項に記載の洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システムを含み、空気圧縮システムは、送電網に電気的に接続され、または、空気圧縮システムは、洋上風力発電機セットに電気的に接続され、空気膨張システムは、送電網に電気的に接続される電力システムを提供した。
本考案は、以下の利点を有する。
1.本考案の洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システムによれば、エネルギーを貯蔵する際には、空気を空気圧縮システムにより洋上複合ガス貯蔵装置に圧縮して蓄え、エネルギーを放出する際には、洋上複合ガス貯蔵装置内の圧縮空気を放出して空気膨張システムに出力し、膨張仕事によって発電を行う。
第1のガス貯蔵キャビティが設けられ、自体の空間をエネルギー貯蔵空間の一部として利用するタワーシェルと、第1のガス貯蔵キャビティに連通する第2のガス貯蔵キャビティが設けられる水中ガス貯蔵装置とを備える洋上複合ガス貯蔵装置を設けることにより、水中ガス貯蔵装置とタワーシェルとの複合ガス貯蔵を実現するため、地下空間の構築に比べて、洋上圧縮空気のエネルギー貯蔵空間を拡大することが可能であり、海岸沿いの高価な土地空間を占有せず、送電線の長さを短縮し、建設コストを削減することができ、また、タワーシェルと水中ガス貯蔵装置の複合により、洋上圧縮空気のエネルギー貯蔵空間を拡大することができる。
第1のガス貯蔵キャビティと第2のガス貯蔵キャビティのエネルギー貯蔵容量は、当所の風場、深海条件などの実際のエネルギー貯蔵要件に従って柔軟に割り当てることができる。
水中ガス貯蔵装置は、水中に固定的にまたは浮遊的に設置されているために、水の静圧を利用して洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システムの定圧動作を保持し、圧力変化による空気圧縮システムおよび空気膨張システムの設計作業条件からの非効率な動作を回避し、システムのエネルギー変換効率を向上させる。
2.タワーシェルは、軸方向に設置される1つまたは複数のタワーシェルセクションを備え、第1のガス貯蔵キャビティは、1つまたは複数のタワーシェルセクションに設けられ、または、タワーシェルは、外シェル体と内シェル体を備え、両者間の環状隙間は、第1のガス貯蔵キャビティを構成し、タワーシェルの実際の状況に応じて、第1のガス貯蔵キャビティの設置形態を柔軟に選択でき、タワーシェル自体がパイプラインのような鋼製貯蔵タンク構造なので、従来の地下ガス貯蔵空間の代わりに、タワーシェルの内部空間構造を最適化して利用することによって、地下または地上のガス貯蔵空間の建設コストを削減することができる。
3.空気圧縮システムは、直列に接続される多段圧縮機を設置し、かつ、各段圧縮機の後に冷却器を接続し、エネルギーを貯蔵する際には、空気を多段で圧縮冷却し、圧力位置エネルギーおよび温度熱エネルギーをそれぞれ洋上複合ガス貯蔵装置および集熱器に蓄え、空気膨張システムは、直列に接続される多段ガス膨張機を設置し、かつ、各段ガス膨張機の後に再熱器を接続し、エネルギーを放出する際には、洋上複合ガス貯蔵装置中の高圧空気を集熱器で昇温させ、高圧高温空気にして、ガス膨張機に注入して膨張仕事を行う。空気圧縮システムおよび空気膨張システムは、空気を超臨界状態に圧縮し、システムの効率を大幅に向上させ、ガス貯蔵の占有空間を削減することもできるし、空気を非超臨界状態圧縮し、洋上風力発電所または送電網の谷間電力に必要な電気エネルギーを蓄える電力および時間長に応じて、洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システムの特定のガス貯蔵状態を柔軟に選択できる。
4.本考案の電力システムを利用して、洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システムを、風速が比較的高く安定した洋上風力発電所に結合することにより、分散型エネルギー貯蔵および地域マイクロ送電網を実現し、沿岸の負荷中心の近くに、送配電コストの削減が可能になる。
5.電力システムでは、洋上複合ガス貯蔵装置のほかに、残りは洋上に配置することによって、エアパイプラインを短縮することができるし、陸上に配置し、長距離送ガスを長距離送電に代えることによって、圧縮熱を十分に利用し、エネルギーの無駄を省き、システム効率を向上できる。
本考案の具体的な実施形態または先行技術における技術的ソリューションをより明確に説明するために、以下に具体的な実施形態または先行技術の記載で使用する必要のある添付図面を簡単に説明するが、以下の説明における添付図面は、本考案の実施形態の一部であり、創造的な活動を行うことなく、それらに基づいて他の図面を得ることができることが当該技術分野における当業者にとって明らかであろう。
図1は、本考案の実施例が提供する洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システムの構造模式図を示す。
図2は、本考案が提供する洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システムにおけるタワーシェルの第1の実施例の構造模式図を示す。
図3は、本考案が提供する洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システムにおけるタワーシェルの第2の実施例の構造模式図を示す。
図4は、本考案が提供する洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システムにおけるタワーシェルの第3の実施例の構造模式図を示す。
図5は、本考案が提供する洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システムにおける洋上複合ガス貯蔵装置の第1の実施例の構造模式図を示す。
図6は、本考案が提供する洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システムにおける洋上複合ガス貯蔵装置の第2の実施例の構造模式図を示す。
図7は、本考案が提供する洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システムにおける洋上複合ガス貯蔵装置の第3の実施例の構造模式図を示す。
図8は、本考案が提供する洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システムにおける洋上複合ガス貯蔵装置の第4の実施例の構造模式図を示す。
図9は、本考案が提供する洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システムにおける洋上複合ガス貯蔵装置の第5の実施例の構造模式図を示す。
図10は、本考案が提供する洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システムにおける洋上複合ガス貯蔵装置の第6の実施例の構造模式図を示す。
図11は、本考案が提供する電力システムの第1の実施例の構造模式図を示す。
図12は、本考案が提供する電力システムの第2の実施例の構造模式図を示す。
図13は、本考案実施例が提供する洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システムにおける複数の貯蔵タンクに接続される複数のタワーシェルの構造模式図を示す。
図14は、本考案実施例が提供する洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システムにおける1つの貯蔵タンクに接続される複数のタワーシェルの構造模式図を示す。
図15は、本考案実施例が提供する洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システムにおける複数のエアバッグに接続される複数のタワーシェルの構造模式図を示す。
図16は、本考案実施例が提供する洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システムにおける1つのエアバッグに接続される複数のタワーシェルの構造模式図を示す。
以下、図面と併せて、本考案の技術的ソリューションを明確かつ完全に説明するが、上記の実施例は、本考案における実施例の一部であり、それらのすべてではないことが明らかである。当該技術分野における当業者の場合、本考案の実施例に基づき、創造的な活動を行うことなく得た他の実施例は、すべて本考案の保護範囲に属する。
本考案の記載において、用語「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「内」、「外」などで示される向きや位置関係は、図面に示されたものに基づくものであって、考案の説明を容易にするか、簡略化するにすぎず、言及された装置や要素が特定の向きを有し、特定の向きで構成または動作しなければならないことを示したり示唆するものではないため、本考案を制限すると解釈してはならないものである。さらに、「第1」、「第2」、「第3」という用語は、記載のためにのみ使用され、相対的な重要性を示したり示唆するものとして理解されるものではない。
本考案の記載において、明示的な指定や制限がない限り、「取付け」、「連なる」、「接続」という用語は、例えば、固定的な接続や、着脱可能な接続であっても、または一体的な接続であってもよく、機械的接続であっても、または電気的接続であってもよく、直接的に接するものであっても、または中間体を介して間接的に連なるものであってもよく、2つの素子の内部で連なっているものであってもよいように、広義に理解されることに留意されたい。当該技術分野における当業者であれば、具体的な状況に従って、本考案における上記の用語の具体的な意味を理解することができる。
なお、以下に記載する本考案の異なる実施形態に係る技術的特徴は、互いに矛盾しない限り、互いに組み合わせることができる。
以下、考案の技術的手段の理解を容易にするために、添付図面及び具体的な実施例と併せて詳細に説明するが、実施例は考案を限定するものと考えるべきではない。
実施例1
図1~図10を参照すると、出力端が洋上複合ガス貯蔵装置2の入力端に接続される空気圧縮システム1と、出力端が空気膨張システム3の入力端に接続される洋上複合ガス貯蔵装置2と、空気膨張システム3とを含み、ここで、洋上複合ガス貯蔵装置2は、第1のガス貯蔵キャビティ214を含むタワーシェル21と、水中に固定的にまたは浮遊的に設置されており、第1のガス貯蔵キャビティ214に連通する第2のガス貯蔵キャビティ223を備える水中ガス貯蔵装置22とを含む洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システム100である。
本考案の洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システム100によれば、エネルギーを貯蔵する際には、空気を空気圧縮システム1により洋上複合ガス貯蔵装置2に圧縮して蓄え、エネルギーを放出する際には、洋上複合ガス貯蔵装置2内の圧縮空気を放出して、空気膨張システム3に出力し、膨張仕事によって発電を行う。
第1のガス貯蔵キャビティ214が設けられ、自体の空間をエネルギー貯蔵空間の一部として利用するタワーシェル21と、第1のガス貯蔵キャビティ214に連通する第2のガス貯蔵キャビティ223が設けられる水中ガス貯蔵装置22とを備える洋上複合ガス貯蔵装置2を設けることにより、水中ガス貯蔵装置22とタワーシェル21との複合ガス貯蔵を実現するため、地下空間の構築に比べて、洋上圧縮空気のエネルギー貯蔵空間を拡大することが可能であり、海岸沿いの高価な土地空間を占有せず、送電線の長さを短縮し、建設コストを削減することができ、また、タワーシェル21と水中ガス貯蔵装置22の複合により、洋上圧縮空気のエネルギー貯蔵空間を拡大することができる。
第1のガス貯蔵キャビティ214と第2のガス貯蔵キャビティ223のエネルギー貯蔵容量は、当所風場、深海条件などの実際のエネルギー貯蔵要件に従って柔軟に割り当てることができ、具体的に、タワーシェル21の第1のガス貯蔵キャビティ214の容積が大きく、実際のエネルギー貯蔵需要が小さい場合、水中ガス貯蔵装置22の容積を適切に縮小して、水中ガス貯蔵装置22の建設コストを低減することができ、タワーシェル21の第1のガス貯蔵キャビティ214の容積が小さく、実際のエネルギー貯蔵需要が大きい場合、洋上圧縮空気エネルギー貯蔵需要を満たすように、水中ガス貯蔵装置22の容積を適切に拡大することができる。設計者は、実際の状況に応じて第1のガス貯蔵キャビティ214と第2のガス貯蔵キャビティ223のエネルギー貯蔵容量を柔軟に割り当てることができる。
水中ガス貯蔵装置22は、水中に固定的にまたは浮遊的に設置されているために、水の静圧を利用して洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システム100の定圧動作を保持し、圧力変化による空気圧縮システム1および空気膨張システム3の設計作業条件からの非効率な動作を回避し、システムのエネルギー変換効率を向上させる。
具体的には、空気圧縮システム1の出力端は、空気圧縮システム1における気体を出力するポートを指し、出気端とも言える。洋上複合ガス貯蔵装置2の入力端は、洋上複合ガス貯蔵装置2における圧縮空気を入力するポートを指し、入気端とも言える。洋上複合ガス貯蔵装置2の出力端は、圧縮空気を出力するポートを指し、出気端とも言える。空気膨張システム3の入力端は、空気膨張システム3における圧縮空気を入力するポートを指し、入気端とも言える。
任意選択で、図2は、タワーシェル21の第1の実施例の構造模式図を提供し、タワーシェル21は、軸方向に個別に設置される複数のタワーシェルセクション211を含み、第1のガス貯蔵キャビティ214は、1つまたは複数のタワーシェルセクション211に設けられている。具体的に、タワーシェル21の軸方向に沿って、タワーシェルセクション211の接続端にフランジを設け、隣接する2つのタワーシェルセクション211同士をボルトで連結する。タワーシェルセクション211は、内径が下から漸減するため、複数のタワーシェルセクション211内の第1のガス貯蔵キャビティ214の容量も下から漸減する。任意選択で、ガス貯蔵タンクは、タワーシェルセクション211内に設けられ、その内部チャンバーが第1のガス貯蔵キャビティ214を構成している。
任意選択で、タワーシェルセクション211には、ガス貯蔵ユニットが1つまたは複数設置されており、複数のガス貯蔵ユニットは、タワーシェルセクション211の内周の回りに離間して設置され、パイプラインを介して連通される。内径の大きいタワーシェルセクション211には、ガス貯蔵ユニットが複数であり、タワーシェルセクション211の内周の回りに離間して配置されている。任意選択で、複数のガス貯蔵ユニットは、タワーシェルセクション211の内周の回りに均一に分布される。隣接するタワーシェルセクション211間のガス貯蔵ユニットは、パイプラインを介して相互に連通している。具体的に、ガス貯蔵ユニットは、ガス貯蔵タンクであってよく、すなわち、タワーシェルセクション211には、1つまたは複数のガス貯蔵タンクが設けられている。設計者は、実際の状況に応じてガス貯蔵ユニットの形状、数、容積などを選択することができ、ここに制限はない。
任意選択で、タワーシェルセクション211には、点検のためにタワーシェル21への進出を容易にするように、マンホール215が設けられる。
図3および図4を参照すると、任意選択で、タワーシェル21は、径方向に覆設される外シェル体212と内シェル体213を備え、外シェル体212と内シェル体213間の環状隙間は、第1のガス貯蔵キャビティ214を構成している。図3を参照すると、タワーシェル21の第2の実施例として、内シェル体213の長さは、外シェル体212の長さよりも短くし、内シェル体213の外壁と外シェル体212の内壁との間に囲まれた空間は、第1のガス貯蔵キャビティ214を構成している。図4を参照すると、タワーシェル21の第3の実施例として、内シェル体213の長さは、外シェル体212の長さと等しく、内シェル体213と外シェル体212間の環状隙間は、第1のガス貯蔵キャビティ214を構成している。
以上の2つの第1のガス貯蔵キャビティ214の設置形態は、設計者がタワーシェル21の実際の状況およびエネルギー貯蔵需要に応じて柔軟に選択することで、タワーシェル21の内部空間を十分に利用することができる。
図5~図7を参照すると、任意選択で、水中ガス貯蔵装置22は、海底に固定的に設置される貯蔵タンク221を含み、貯蔵タンク221は、その内部チャンバーで第2のガス貯蔵キャビティ223を構成し、タワーシェル21の下に設置され、タワーシェル21の底部は、貯蔵タンク221と貫通して連通しており、すなわち、貯蔵タンク221をタワーシェル21の底部の基礎として用いることができ、タワーシェル21の底部を貯蔵タンク221に貫通し、そして、タワーシェル21の内部チャンバーを貯蔵タンク221の内部チャンバーに直接に連通する。
洋上複合ガス貯蔵装置2の第1の実施例は、図5に示されるように、上記の第1の実施例のタワーシェル21を貯蔵タンク221に連結管216で連結するように構成され、タワーシェル21の第1のガス貯蔵キャビティ214は、貯蔵タンク221の第2のガス貯蔵キャビティ223に連結管216で連通され、連結管216は、直径がタワーシェル21よりも小さい。
洋上複合ガス貯蔵装置2の第2の実施例は、図6に示されるように、上記の第2の実施例のタワーシェル21を貯蔵タンク221に連結管216で連結するように構成され、タワーシェル21の第1のガス貯蔵キャビティ214は、貯蔵タンク221の第2のガス貯蔵キャビティ223に連結管216で連通され、連結管216は、直径がタワーシェル21よりも小さい。
洋上複合ガス貯蔵装置2の第3の実施例は、図7に示されるように、上記の第3の実施例のタワーシェル21を貯蔵タンク221に連結管216で連結するように構成され、タワーシェル21の第1のガス貯蔵キャビティ214は、貯蔵タンク221の第2のガス貯蔵キャビティ223に連結管216で連通され、連結管216は、直径がタワーシェル21と等しい。
もちろん、置換可能な接続形態の1つとして、タワーシェル21の底部を貯蔵タンク221に接続するが、貫通させず、第1のガス貯蔵キャビティ214は、パイプラインを介して第2のガス貯蔵キャビティ223に連通する。具体的に、タワーシェル21は、第1のガス貯蔵キャビティ214に連通する第1のポートが設けられ、貯蔵タンク221には、第2のガス貯蔵キャビティ223に連通する第2のポートが設けられ、第1のポートと第2のポートは、パイプラインを介して互いに接続され、第1のガス貯蔵キャビティ214を第2のガス貯蔵キャビティ223に連通させる。
任意選択で、貯蔵タンク221は、コンクリート製または耐食鋼製であり、タワーシェル21の底部と一体化して設置される。一方、貯蔵タンク221は、コンクリート製または耐食鋼製であるため、貯蔵タンク221は、剛性で、追加のバラストを必要とせずに海水中に設置され、他方、貯蔵タンク221は、タワーシェル21の底部と一体化して設置されるため、タワーシェル21の基礎として使用でき、したがって、タワーシェル21の建設と共に一緒に建設されて、洋上複合ガス貯蔵装置2の建設コストをさらに低減できる。
図13を参照すると、任意選択で、タワーシェル21は、複数であり、貯蔵タンク221は、複数であり、複数の貯蔵タンク221は、タワーシェル21の底部に1対1対応で設けられ、複数の第1のガス貯蔵キャビティ214は、複数の第2のガス貯蔵キャビティ223と1対1対応で連通する。洋上には通常、複数の風力タービンがアレイ状に設置されているために、洋上にも複数のタワーシェル21が設けられ、それに伴って、貯蔵タンク221も複数設けられ、複数のタワーシェル21が複数の貯蔵タンク221に1対1対応で接続され、すなわち複数の第1のガス貯蔵キャビティ214が複数の第2のガス貯蔵キャビティ223と1対1対応で連通する。
図14を参照すると、任意選択で、いくつかの他の実施例において、タワーシェル21は、複数であり、貯蔵タンク221は、1つであり、複数のタワーシェル21の第1のガス貯蔵キャビティ214は、パイプラインを介して貯蔵タンク221の第2のガス貯蔵キャビティ223に連通する。
図8~10を参照すると、任意選択で、水中ガス貯蔵装置22は、内部チャンバーが第2のガス貯蔵キャビティ223を構成する水中に浮遊するエアバッグ222を備え、タワーシェル21にはポートが設けられ、エアバッグ222のエアノズルとタワーシェル21のポート間は、第1のガス貯蔵キャビティ214を第2のガス貯蔵キャビティ223に連通するように、パイプラインを介して接続されている。
図15を参照すると、任意選択で、タワーシェル21は、複数であり、エアバッグ222は、複数であり、複数のエアバッグ222は、複数のタワーシェル21に1対1対応で接続され、すなわち、複数の第1のガス貯蔵キャビティ214は、複数の第2のガス貯蔵キャビティ223と1対1対応で連通する。
図16を参照すると、任意選択で、タワーシェル21は、複数であり、エアバッグ222は、1つであり、複数のタワーシェル21は、パイプラインを介してエアバッグ222に接続され、すなわち、複数の第1のガス貯蔵キャビティ214は、1つの第2のガス貯蔵キャビティ223に連通する。
図8に示されるように、洋上複合ガス貯蔵装置2の第4の実施例は、上記の第1の実施例のタワーシェル21をエアバッグ222に連結管216で連結するように構成され、タワーシェル21の第1のガス貯蔵キャビティ214は、エアバッグ222の第2のガス貯蔵キャビティ223に連結管216で連通され、連結管216は、直径がタワーシェル21よりも小さい。
図9に示されるように、洋上複合ガス貯蔵装置2の第5の実施例は、上記の第2の実施例のタワーシェル21をエアバッグ222に連結管216で連結するように構成され、タワーシェル21の第1のガス貯蔵キャビティ214は、エアバッグ222の第2のガス貯蔵キャビティ223に連結管216で連通され、連結管216は、直径がタワーシェル21よりも小さい。
図10に示されるように、洋上複合ガス貯蔵装置2の第6の実施例は、上記の第3の実施例のタワーシェル21をエアバッグ222に連結管216で連結するように構成され、タワーシェル21の第1のガス貯蔵キャビティ214は、エアバッグ222の第2のガス貯蔵キャビティ223に連結管216で連通され、連結管216は、直径がタワーシェル21と等しい。
任意選択で、エアバッグ222は、複数であり、1つのタワーシェル21の外周の回りに離間して散在し、複数のエアバッグ222の第2のガス貯蔵キャビティ223は、パイプラインを介してタワーシェル21の第1のガス貯蔵キャビティ214に連通する。
エアバッグ222を用いることによって、浮体式の洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システム100を実現し、近海の限を突破し、多機能干渉を回避することができるため、大型浮体式の風力発電機セットに適し、洋上風力発電機セットのユニット容量の継続的増大などの発展需要を満たしている。
圧縮空気の貯蔵状態には、気体状態と、液体状態および超臨界状態を含む非気体状態がある。
図1を参照すると、洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システム100の第1の実施例として、空気圧縮システム1は、順次直列に接続される多段圧縮機11を備え、各段圧縮機11の後に冷却器12が接続され、具体的に、冷却器12は、2つの圧縮機11間に設置される中間冷却器および端末の圧縮機11の下流に設置される最終冷却器を備える。空気膨張システム3は、順次直列に接続される多段ガス膨張機31を備え、各段ガス膨張機31の後に再熱器32が接続され、空気圧縮システム1と洋上複合ガス貯蔵装置2の間、空気膨張システム3と洋上複合ガス貯蔵装置2の間には、冷蔵熱交換器6が接続され、空気圧縮システム1の出力端は、冷蔵熱交換器6の第1の入力端に接続され、冷蔵熱交換器6の第1の出力端は、洋上複合ガス貯蔵装置2の入力端に接続され、洋上複合ガス貯蔵装置2の出力端は、冷蔵熱交換器6の第2の入力端に接続され、冷蔵熱交換器6の第2の出力端は、空気膨張システム3に接続される。
動作原理:多段圧縮機11および段間冷却器12は、エネルギーを貯蔵する際には、空気を、多段の圧縮と冷却によって圧縮し、洋上複合ガス貯蔵装置2に蓄え、圧縮空気の貯蔵状態は、気体状態になり、エネルギーを放出する際には、圧縮空気をガス膨張機31に注入し、多段で加熱膨張し、膨張仕事を出力する。
洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システム100の第2の実施例として、空気圧縮システム1と洋上複合ガス貯蔵装置2の間には、冷蔵熱交換器6が設けられ、空気圧縮システム1は、冷蔵熱交換器6と洋上複合ガス貯蔵装置2間に設けられる減圧装置4を備える。冷蔵熱交換器6は、第1の入り口、第1の排出口、第2の入り口、および第2の排出口を有する。圧縮機11の出力端は、冷蔵熱交換器6の第1の入り口に接続され、冷蔵熱交換器6の第1の排出口は、減圧装置4の入力端に接続され、減圧装置4の出力端は、洋上複合ガス貯蔵装置2の入力端に接続される。エネルギーを貯蔵する際には、高圧気体は、多段圧縮機11と段間冷却器12によって圧縮冷却され、冷蔵熱交換器6によって熱交換され、再び冷却され、減圧装置4により減圧後、洋上複合ガス貯蔵装置2に大気圧で貯蔵され、圧縮空気の貯蔵状態は、非気体状態になっっている。任意選択で、減圧装置4は、液体膨張機41または絞り弁を含む。
任意選択で、空気膨張システム3は、入力端が洋上複合ガス貯蔵装置2の出力端に接続され出力端が冷蔵熱交換器6の第2の入り口に接続される加圧装置5が設けられており、冷蔵熱交換器6の第2の排出口は、ガス膨張機31の入力端に接続される。エネルギーを放出する際には、洋上複合ガス貯蔵装置2内の圧縮空気を加圧装置5で加圧し、次に冷蔵熱交換器6で常温まで加熱後、多段ガス膨張機31と段間再熱器32により膨張・加熱して、最終的に出力する。任意選択で、加圧装置5は、クライオポンプ51を含む。
動作原理:
エネルギーを貯蔵する際には、多段圧縮機11および冷却器12は、空気を多段で圧縮冷却し、高圧空気を熱交換して減圧後、超臨界状態または液体状態で貯蔵し、エネルギーを放出する際には、超臨界状態または液体状態の空気を加圧して熱交換後、多段で加熱膨張させ、外に仕事を出力する。空気圧縮システム1および空気膨張システム3は、空気を超臨界状態まで圧縮できるため、システムの効率を有意に向上させることができるし、空気を液体状態まで圧縮し、洋上風力発電所または送電網の谷間電力に必要な電気エネルギーを蓄える電力および時間長に応じて、エネルギー貯蔵システムの特定のガス貯蔵状態を柔軟に選択できる。例えば、電力使用ピークまたは風力が小さいなどの他の要因により、エネルギー貯蔵が需要よりも低い場合、超臨界状態の空気は非超臨界状態の空気よりも占有空間が少ないため、空気を超臨界状態まで圧縮することで、従来の洋上複合ガス貯蔵装置2の容積を増やし、実際のエネルギー貯蔵需要を満たすことができる。
任意選択で、洋上複合ガス貯蔵装置2と空気圧縮システム1間、および洋上複合ガス貯蔵装置2と空気膨張システム3間には、共にバッファ装置8が設けられている。具体的に、エネルギー貯蔵回路には、減圧装置4、バッファ装置8、および洋上複合ガス貯蔵装置2を順次接続し、エネルギー放出回路には、洋上複合ガス貯蔵装置2、バッファ装置8、および加圧装置5を順次接続する。圧縮空気は、洋上複合ガス貯蔵装置2に出入りする際に、最初に、いずれもバッファ装置8でバッファされる。任意選択で、バッファ装置8は、バッファタンクからなる。
任意選択で、エネルギー貯蔵回路のバッファ装置8とエネルギー放出回路のバッファ装置8は、この2つを1つにして1つのバッファ装置8を共有する。
任意選択で、洋上複合ガス貯蔵装置2の入力端と出力端は、1つのポートを共有し、エアパイプラインを介してバッファ装置8に接続され、制御弁9をエアパイプラインに設けることにより、洋上複合ガス貯蔵装置2とバッファ装置8との双方向連通、すなわち、エネルギー貯蔵中バッファ装置8から洋上複合ガス貯蔵装置2への連通と、エネルギー放出中洋上複合ガス貯蔵装置2からバッファ装置8への連通が達成されている。
任意選択で、洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システム100は、集熱器10をさらに含む。空気圧縮システム1における各冷却器12の放熱端は、複数のパイプラインを介して集熱器10の熱入口に並列に接続され、空気膨張システム3における各再熱器32の吸熱端は、複数のパイプラインを介して集熱器10の熱出口に並列に接続される。この設置により、空気の圧縮中発生する熱を、集熱器10に回収し、空気膨張中、集熱器10内の熱を空気の加熱に用いることによって、システムの熱交換効率を高め、エネルギーロスを低減することができる。任意選択で、集熱器10は、ヒートタンクからなる。
その圧縮形態の一つとして、低圧空気を超臨界状態に圧縮し、多段中間冷却器および最終冷却器で常温まで冷却後、冷蔵熱交換器6に蓄えられた冷熱エネルギーにより等圧冷却して液化し、絞り弁または液体膨張機41で減圧後、洋上複合ガス貯蔵装置2に大気圧で貯蔵すると同時に、空気圧縮熱を回収してヒートタンクに貯蔵する。
任意選択で、洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システム100は、蓄冷装置20をさらに含む。空気膨張システム3における各再熱器32の放冷端は、複数のパイプラインを介して蓄冷装置20の冷入口に並列に接続され、空気圧縮システム1における各冷却器12の吸冷端は、複数のパイプラインを介して蓄冷装置20の冷出口に並列に接続される。この設置により、空気の膨張中放出される冷熱エネルギーを、蓄冷装置20に回収し、空気圧縮中、空気の冷却に用いることによって、システムの熱交換効率を高め、エネルギーロスを低減することができる。任意選択で、蓄冷装置20は、コールドタンクからなる。
任意選択で、空気圧縮システム1は、先端に設けられたフィルタ7をさらに含み、このフィルタ7により空気中の砂利、粒子、固形物、不純物などをろ過して、圧縮機11に入る空気が清浄であるようにし、洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システムの寿命を保証することができる。
実施例2
図11および図12を参照すると、送電網200、洋上風力発電機セット300および実施例1の洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システム100を含み、空気圧縮システム1は、送電網200に電気的に接続され、または、洋上風力発電機セット300に電気的に接続され、空気膨張システム3は、送電網200に電気的に接続される電力システムである。洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システム100を、送電網200、洋上風力発電機セット300に結合し、洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システム100の駆動電力を送電網200でも提供してよく、洋上風力発電機セット300でも提供してよい。
本考案の電力システムによれば、洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システム100を最寄りのソース側洋上風力発電所電源に直接に結合することによって、分散型エネルギー貯蔵および地域マイクロ送電網200を実現し、沿岸の負荷中心の近くに、送配電コストの削減が可能になる。
電力システムにおける、洋上複合ガス貯蔵装置2のほかに、残りは洋上に配置することによって、エアパイプラインを短縮することができるし、陸上に配置し、長距離送ガスを長距離送電に代えることによって、圧縮熱を十分に利用し、エネルギーの無駄を省き、システム効率を向上できる。
動作原理:
空気貯蔵状態は、電気エネルギーを蓄える電力と時間長に応じて選ばれるために、以下では、超臨界状態における貯蔵を例として説明する。
エネルギーを貯蔵する際には、洋上風力発電機セット300または送電網200の負荷の谷間の余剰の電気エネルギーで多段圧縮機11を駆動し、低圧空気を超臨界状態に圧縮し、多段冷器で常温まで冷却後、冷蔵熱交換器6に蓄えられた冷熱エネルギーにより等圧冷却して液化し、減圧装置4で減圧後、洋上複合ガス貯蔵装置2に大気圧で貯蔵すると同時に、空気圧縮熱を回収して集熱器10に貯蔵する、
エネルギーを放出する際には、洋上複合ガス貯蔵装置2の超臨界状態である空気を加圧装置5で加圧し、次に冷蔵熱交換器6で常温まで加熱し、多段再熱器32を通過させて、集熱器10中の圧縮熱を吸収し、最後に、多段ガス膨張機31で膨張させ、外に仕事を出力すると同時に、空気膨張冷熱エネルギーを回収して蓄冷装置20に貯蔵する。
エネルギーを放出する際には、洋上複合ガス貯蔵装置2の超臨界状態である空気を加圧装置5で加圧し、次に冷蔵熱交換器6で常温まで加熱し、多段再熱器32を通過させて、集熱器10中の圧縮熱を吸収し、最後に、多段ガス膨張機31で膨張させ、外に仕事を出力すると同時に、空気膨張冷熱エネルギーを回収して蓄冷装置20に貯蔵する。
本実施例が提供する電力システムは、水の静圧を利用してシステムの定圧動作を保持するため、圧力変化による空気圧縮システム1および空気膨張システム3の設計作業条件からの非効率な動作を回避し、システムのエネルギー変換効率を向上させる。
上記の実施例は、実施形態を制限するのではなく、明確にするための単なる例にすぎないことが明らかである。当該技術分野における当業者であれば、上記の説明に基づいて、様々な形態で変形または変更も可能である。ここですべての実施形態を網羅する必要もないし、可能性もない。そこから導入された明らかな変形または変更は、依然として考案の保護範囲に含まれる。
1、空気圧縮システム、11、圧縮機、12、冷却器、2、洋上複合ガス貯蔵装置、21、タワーシェル、211、タワーシェルセクション、212、外シェル体、213、内シェル体、214、第1のガス貯蔵キャビティ、215、マンホール、216、連結管、22、水中ガス貯蔵装置、221、貯蔵タンク、222、エアバッグ、223、第2のガス貯蔵キャビティ、3、空気膨張システム、31、ガス膨張機、32、再熱器、4、減圧装置、41、液体膨張機、5、加圧装置、51、クライオポンプ、6、冷蔵熱交換器、7、フィルタ、8、バッファ装置、9、制御弁、10、集熱器、20、蓄冷装置、100、洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システム、200、送電網、300、洋上風力発電機セット。
Claims (10)
- 出力端が洋上複合ガス貯蔵装置(2)の入力端に接続される空気圧縮システム(1)と、出力端が空気膨張システム(3)の入力端に接続される洋上複合ガス貯蔵装置(2)と、空気膨張システム(3)とを含み、
前記洋上複合ガス貯蔵装置(2)は、
第1のガス貯蔵キャビティ(214)を含むタワーシェル(21)と、
水中に固定的にまたは浮遊的に設置されており、前記第1のガス貯蔵キャビティ(214)に連通する第2のガス貯蔵キャビティ(223)を備える水中ガス貯蔵装置(22)と
を含むことを特徴とする
洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システム。 - 前記タワーシェル(21)は、軸方向に個別に設置される複数のタワーシェルセクション(211)を備え、前記第1のガス貯蔵キャビティ(214)は、1つまたは複数の前記タワーシェルセクション(211)に設置され、
または、前記タワーシェル(21)は、径方向に覆設される外シェル体(212)および内シェル体(213)を備え、前記外シェル体(212)と前記内シェル体(213)の間の環状隙間は、前記第1のガス貯蔵キャビティ(214)を構成していることを特徴とする
請求項1に記載の洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システム。 - 前記タワーシェルセクション(211)には、ガス貯蔵ユニットが1つまたは複数設置されており、複数の前記ガス貯蔵ユニットは、前記タワーシェルセクション(211)の内周の回りに離間して設置され、パイプラインを介して連通されることを特徴とする
請求項2に記載の洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システム。 - 前記水中ガス貯蔵装置(22)は、海底に固定的に設置される貯蔵タンク(221)を含み、前記貯蔵タンク(221)は、その内部チャンバーにより前記第2のガス貯蔵キャビティ(223)を構成し、前記タワーシェル(21)の下に設置され、前記タワーシェル(21)の底部は、前記貯蔵タンク(221)と貫通して連通し、または、前記第1のガス貯蔵キャビティ(214)は、パイプラインを介して前記第2のガス貯蔵キャビティ(223)に連通することを特徴とする
請求項2または3に記載の洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システム。 - 前記貯蔵タンク(221)は、コンクリート製または耐食鋼製であり、前記タワーシェル(21)の底部と一体化して設置されることを特徴とする
請求項4に記載の洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システム。 - 前記タワーシェル(21)は複数であり、前記貯蔵タンク(221)は複数であり、複数の前記貯蔵タンク(221)は前記タワーシェル(21)の底部に1対1対応で設けられ、複数の前記第1のガス貯蔵キャビティ(214)は、複数の前記第2のガス貯蔵キャビティ(223)に1対1対応で連通し、
または、前記タワーシェル(21)は複数であり、前記貯蔵タンク(221)は1つであり、複数の前記タワーシェル(21)の第1のガス貯蔵キャビティ(214)は、パイプラインを介して前記貯蔵タンク(221)の第2のガス貯蔵キャビティ(223)に連通することを特徴とする
請求項4に記載の洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システム。 - 水中ガス貯蔵装置(22)は、内部チャンバーが前記第2のガス貯蔵キャビティ(223)を構成する水中に浮遊するエアバッグ(222)を備え、前記タワーシェル(21)には、ポートがあり、前記エアバッグ(222)のエアノズルと前記タワーシェル(21)のポートを、パイプラインを介して接続することによって、前記第1のガス貯蔵キャビティ(214)を前記第2のガス貯蔵キャビティ(223)に連通させることを特徴とする
請求項1に記載の洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システム。 - 前記エアバッグ(222)は、複数であり、前記タワーシェル(21)の外周の回りに離間して散在し、複数の前記エアバッグ(222)の第2のガス貯蔵キャビティ(223)は、パイプラインを介して前記タワーシェル(21)の第1のガス貯蔵キャビティ(214)に連通し、
または、前記エアバッグ(222)は、複数であり、前記タワーシェル(21)は、複数であり、複数の前記タワーシェル(21)の第1のガス貯蔵キャビティ(214)は、複数の前記エアバッグ(222)の第2のガス貯蔵キャビティ(223)に連通し、
または、前記エアバッグ(222)は、1つであり、前記タワーシェル(21)は、複数であり、複数の前記タワーシェル(21)の第1のガス貯蔵キャビティ(214)は、パイプラインを介して前記エアバッグ(222)の第2のガス貯蔵キャビティ(223)に連通することを特徴とする
請求項7に記載の洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システム。 - 前記空気圧縮システム(1)と前記洋上複合ガス貯蔵装置(2)の間には、入力端が前記空気圧縮システム(1)の出力端に接続され出力端が前記洋上複合ガス貯蔵装置(2)の入力端に接続される減圧装置(4)が設けられており、
前記洋上複合ガス貯蔵装置(2)と前記空気膨張システム(3)の間には、入力端が前記洋上複合ガス貯蔵装置(2)の出力端に接続され出力端が前記空気膨張システム(3)の入力端に接続される加圧装置(5)が設けられていることを特徴とする
請求項1~3のいずれか1項に記載の洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システム。 - 送電網(200)、洋上風力発電機セット(300)および請求項1~3のいずれか1項に記載の洋上圧縮空気エネルギー貯蔵システムを含み、前記空気圧縮システム(1)は、前記送電網(200)に電気的に接続され、または、前記洋上風力発電機セット(300)に電気的に接続され、前記空気膨張システム(3)は、前記送電網(200)に電気的に接続されることを特徴とする
電力システム。
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