JP3241626U - 快眠ボックス - Google Patents

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琢人 奥野
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Abstract

【課題】本考案は、安眠を妨害する周囲の騒音に対して、防音機能の提供を目的とする。睡眠時において、耳栓だけでは防音が不十分な場合があり、壁・床・天井の防音加工・工事といった手間・費用を掛けずに頭部の防音を行うことを目的とする。【解決手段】本考案は、吸音用掛け布団1と箱部3の防音密閉空間により頭部を覆うことで、睡眠時における防音機能を提供する睡眠用補助器具である。密閉空間において呼吸を行うとCO2濃度が高まるため、布団外部に静音ファン5を置いて、ドレンホース4による吸気・排気を行うことで空間内のCO2濃度を抑えることができる。また、耳栓のような既存の対処法に追加する形で安価に防音機能を提供できる。【選択図】図1

Description

本考案は、睡眠時における防音を目的とした睡眠用補助器具である。
睡眠時における周囲の騒音は安眠を防ぎ、長期的には多大なストレスと健康被害に繋がる重要な問題である。集合住宅の多い昨今では、多くの人がこうした睡眠時の騒音に悩まされている。睡眠時における防音を効果的に行うには、(i)耳栓を使用する(ii)イヤーマフを使用する(iii)ホワイトノイズ発生装置を使う(iv)壁・天井・床に全て防音材を適用する、といった様々な対処法がある。しかし、(ii)は寝返りがうてず睡眠時に蒸れるといった欠点があり推奨されない。(iv)は賃貸物件では困難であり、費用も非常に大きくなる。(i・iii)は安価で有効であるが、60dBを超えるような様々な騒音に対しては(ii・iv)のような追加の対処が必要となり、安価かつ快適に防音機能を提供する何らかの器具が望まれる。
実全昭53-116190 睡眠用防音カバ- 実全昭57-090498 睡眠箱 特開平02-209158 安眠ボックス 実全平03-036620 騒音防止用安眠具 特開2002-065411 安眠キュービクル 実全昭55-153971 カプセル型ベッド
技術背景にある課題に対して、頭部を覆う小空間を作り出すことで騒音を防止しようという先行技術が多数存在する(先行技術文献1~5)。本考案もこれに沿ったものであるが、先行技術では実際の騒音を防止する機能は残念ながら低いと言わざるを得ない。これらの先行技術では5dBの騒音低減も怪しいと考えられる。これは(i)十分な防音材で覆っていない(ii)開口部が外部とつながっている、もしくはカーテン状の物では防音の体を成していないためである。(先行技術文献6)のように体を全て覆ってしまう器具も密閉した空間を作る上で有効と考えられるが、このような器具を安価に実現することは困難だと考えられる。
防音を効果的に行うためには、多重の吸音材・遮音材を組み合わせる必要があり、開口部が広いもしくは薄い素材を使用すると、そこから音が侵入して防音機能が無駄になってしまう難しさがある。そこで本考案では(i)頭部を入れる箱部をシンサレート掛け布団のような吸音材で覆い外部から遮断する(ii)箱の開口部は高さ調整可能な遮音シート・吸音スポンジの蓋で可能な限り覆う(iii)箱の壁と天井は外部遮音シート・壁材・内部遮音シート・内部吸音スポンジの構成で強力に防音を行う(iv)床は遮音シートとしてその上に枕(吸音材)その下に布団・マットレス(吸音材)の構成で防音を行う。このような密閉空間で呼吸を行うとCO2濃度が高まるため(v)静音ファンとドレンホースにより吸気・排気を行い、CO2濃度上昇を抑える。
本考案は、耳栓に追加して安価に睡眠時の防音機能を高めることができる。耳栓単独でも30dB程度の高い防音効果があるが、本考案はこれに追加して10~20dB程度の防音効果を得られる。箱内の天井・壁方向からの騒音に対して20dB(A特性)程度、開口部において10dB(A特性)程度の騒音削減が観測された。耳栓と合わせると40~50dB程度の騒音を削減でき、周辺騒音をかなりカットできる。開口部は横に広く、高さを調節して寝返りも打てるためイヤーマフより快適である。素材は手持ちの掛け布団を流用でき、器具も1万円以下で構築可能である。
付随する機能として、遮光・防寒機能も提供する。吸音用掛け布団と蓋・箱材により一定度の遮光が可能であり、冬季においては密閉空間により室内よりも4~5度程度高い箱内気温が観測された。相対湿度はおおよそ室内と同様となる。CO2濃度は室内よりも500~1000ppm程度高い数値をキープすることができた。吸気を行わない場合は10分程度で4000ppmを超えて息苦しくなるため、吸気により効果的にCO2濃度を抑えることが可能である。
なお、排気の方が空気循環を強力に行えるため、夏季において箱内気温を下げたい場合やCO2濃度を室内と同レベルに抑えたい場合は、吸気ではなく排気にて対応可能である。
本考案の全体概要図 本考案の正面図(蓋なし) 本考案の横断面図
図1のように、箱部3は敷布団・ベッドマットレスの上の枕Aの位置に配置し、開口部を身体用掛け布団B側にする。そして枕Aを箱内の遮音シート11の上に配置する。次に静音ファン5を敷布団・ベッドから離れた場所に配置して、ドレンホース4の先端を箱内の枕Bと吸音スポンジ6の間付近に挟み込んで吸気口とする。睡眠時に使用する毛布や掛け布団Bを敷いたのち、箱部3を包むように吸音用掛け布団1を覆いかぶせる。
睡眠時は、最初に静音ファン5の電源を入れて吸気・排気を開始する。箱部3の開口部が見えるように吸音用掛け布団1を箱上に手繰り寄せ、身体を掛け布団Bに潜り込ませる。そして箱の蓋2を上げて、頭を枕Aに乗せた後、蓋2を下げる。箱上に寄せた吸音用掛け布団1を手で戻して密閉した空間を作り睡眠を開始する。
起床時は、吸音用掛け布団1を箱部3の上に手ではねのけた後、箱の蓋2を上げて頭を箱部3から出して起床する。その後、静音ファン5の電源を切る。
清掃時は、枕Aを箱部3から取り出し、箱部3と蓋2を日光や紫外線照射などにより消毒する。咳などによる付着物がある場合は、吸音スポンジ6を取り外して水洗いする。
1 掛け布団(吸音材)
2 快眠ボックス(蓋部分)
3 快眠ボックス(本体)
4 ドレンホース
5 静音ファン
6 吸音スポンジ
7 遮音シート(蓋部分)
8 遮音シート(壁・天井内側)
9 壁・天井材(ダンボール・プラスチック等)
10 遮音シート(壁・天井外側)
11 遮音シート(床)

Claims (2)

  1. 防音材(遮音材及び吸音材)に覆われ、頭部と枕を収容できる内容積1m以下の箱状のもので、頭部を入れるための開口部は高さ調整可能な防音材の蓋を持つ。その箱状のものを吸音材となる掛け布団にて覆い、完全に外部から遮断した空間を持つ。そしてドレンホースと静音ファンにより、外部から吸気及び排気を行うことで、防音かつ長期的に呼吸可能な密閉空間を安価に提供する睡眠用防音器具。
  2. 密閉空間を作ることによる付随する機能として、遮光、防寒機能を安価に提供する睡眠用補助器具。
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