JP3239416B2 - 内燃機関の蒸発燃料処理装置 - Google Patents

内燃機関の蒸発燃料処理装置

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JP3239416B2
JP3239416B2 JP02395092A JP2395092A JP3239416B2 JP 3239416 B2 JP3239416 B2 JP 3239416B2 JP 02395092 A JP02395092 A JP 02395092A JP 2395092 A JP2395092 A JP 2395092A JP 3239416 B2 JP3239416 B2 JP 3239416B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は蒸発燃料(ベーパ)をキ
ャニスタに蓄え、機関運転状態に応じて吸気系に放出
(パージ)して処理する内燃機関の蒸発燃料処理装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、特開昭61−19962号公
報に記載の如く、吸入空気量を検出して、この吸入空気
量に応じてパージ弁のデューティー比を制御することに
より、パージによる空燃比の変動を抑制するものがあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、系内の通気抵
抗等により、パージ流量の変化によるキャニスタ内圧が
変化してから燃料タンク内圧が変化するまでには時間的
なずれがある。
【0004】例えば、キャニスタにほとんどベーパが蓄
えられてない状態でパージ流量が多くなるとキャニスタ
内圧が下がり、燃料タンクからキャニスタにベーパが大
量に流入し、このベーパが次に吸気系へパージされるた
め、空燃比がリッチとなる。またパージ流量が少なくな
ると、キャニスタより燃料タンクへベーパがバックパー
ジされてキャニスタのベーパが吸気系へパージされるた
め、空燃比がリーンとなる。このようにパージ流量の変
化によってベーパ濃度が不安定となり空燃比が不安定に
なるという問題点があった。
【0005】本発明は、上記の点に鑑みなされたもの
で、吸入空気量の変化に拘らずパージ流量を一定とする
ことにより、パージされるベーパ濃度が安定して空燃比
の乱れを生じることのない内燃機関の蒸発燃料処理装置
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の内燃機関
の蒸発燃料処理装置は、図1の原理図に示す如く、燃料
タンクで発生した蒸発燃料を一時的にキャニスタM1に
蓄え、機関の所定運転時に前記キャニスタM1に蓄えた
蒸発燃料をパージ制御弁M2でパージ量を制御しつつ吸
気通路にパージして処理する内燃機関の蒸発燃料処理装
置において、機関の運転状態を検出する運転状態検出手
段M4と、機関運転状態の変化に拘らず蒸発燃料を含ん
だ空気のパージ流量が一定となるよう検出された運転状
態に応じて上記パージ制御弁を制御するパージ流量制御
手段M5を有する。請求項2記載に記載の発明は、請求
項1記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置において、パー
ジ流量制御手段M5は、前記吸気通路にパージする蒸発
燃料の濃度を算出する濃度算出手段を有し、前記濃度算
出手段により濃度が算出されると前記パージ流量制御手
段によるパージ流量の一定制御を実行する。請求項3記
載に記載の発明は、請求項2記載の内燃機関の蒸発燃料
処理装置において、パージ流量制御手段M5は、前記濃
度算出手段による蒸発燃料の濃度算出回数を検出する濃
度算出回数検出手段を有し、前記濃度算出回数検出手段
により検出される濃度算出回数が大きくなるに従って前
記パージ流量制御手段によるパージ流量を大きくする。
請求項4に記載の発明は、請求項1記載の内燃機関の蒸
発燃料処理装置において、前記パージ流量制御手段M5
は、前記吸気通路にパージする蒸発燃料の濃度を算出す
る濃度算出手段を有し、前記濃度算出手段により濃度が
算出されるまでは、吸入空気量に対するパージ量の比を
一定とするパージ率一定制御を実行する。請求項5に記
載の発明は、請求項4記載の内燃機関の蒸発燃料処理装
置において、パージ流量制御手段M5は、前記吸入空気
量に対するパージ量の比である目標パージ率を算出する
目標パージ率算出手段と、機関運転状態に応じて定めら
れる最大パージ率を基準パージ率として設定する基準パ
ージ率設定手段とを有し、前記基準パージ率に対する前
記目標パージ率の割合に応じて前記パージ制御弁の開閉
を制御する。
【0007】
【作用】本発明においては、燃料タンクで発生した蒸発
燃料を一時的にキャニスタM1に蓄え、機関の所定運転
時に前記キャニスタM1に蓄えた蒸発燃料をパージ制御
弁M2でパージ量を制御しつつ内燃機関M3の吸気通路
にパージして処理する。
【0008】運転状態検出手段M4は、機関の運転状態
を検出する。
【0009】パージ流量制御手段M5は、機関運転状態
の変化に拘らずパージ流量が一定となるよう検出された
運転状態に応じて上記パージ制御弁M2を制御する。
度算出手段は、前記吸気通路にパージする蒸発燃料の濃
度を算出し、パージ流量制御手段M5は、前記濃度算出
手段により濃度が算出されると前記パージ流量制御手段
によるパージ流量の一定制御を実行する。 濃度算出回数
検出手段は、前記濃度算出手段による蒸発燃料の濃度算
出回数を検出し、パージ流量制御手段M5は、前記濃度
算出回数検出手段により検出される濃度算出回数が大き
くなるに従って前記パージ流量制御手段によるパージ流
量を大きくする。 濃度算出手段は、前記吸気通路にパー
ジする蒸発燃料の濃度を算出し、パージ流量制御手段M
5は、前記濃度算出手段により濃度が算出されるまで
は、吸入空気量に対するパージ量の比を一定とするパー
ジ率一定制御を実行する。 目標パージ率算出手段は、前
記吸入空気量に対するパージ量の比である目標パージ率
を算出し、基準パージ率設定手段は、機関運転状態に応
じて定められる最大パージ率を基準パージ率として設定
し、パージ流量制御手段M5は、前記基準パージ率に対
する前記目標パージ率の割合に応じて前記パージ制御弁
の開閉を制御する。
【0010】
【実施例】図2は本発明装置の一実施例の構成図を示
す。同図中、1は機関本体、2は吸気枝管、3は排気マ
ニホルド、4は各吸気枝管2に夫々取付けられた燃料噴
射弁を示す。各吸気枝管2は共通のサージタンク5に連
結され、このサージタンク5は吸気ダクト6及びエアフ
ローメータ7を介してエアクリーナ8に連結される。吸
気ダクト6内にはスロットル弁9が配置される。また、
に示されるように内燃機関は活性炭10を内蔵した
キャニスタ11を具備する。このキャニスタ11は活性
炭10の両側に夫々燃料蒸気室12と大気室13とを有
する。燃料蒸気室12は一方では導管14を介して燃料
タンク15に連結され、他方では導管16を介してサー
ジタンク5内に連結される。導管16内には電子制御ユ
ニット20の出力信号により制御されるパージ制御弁1
7が配置される。燃料タンク15内で発生した燃料蒸気
は導管14を介してキャニスタ11内に送り込まれて活
性炭10に吸着される。パージ制御弁17が開弁すると
空気が大気室13から活性炭10内を通って導管16内
に送り込まれる。空気が活性炭10内を通過する際に活
性炭10に吸着されている燃料蒸気が活性炭10から脱
離され、斯くして燃料蒸気を含んだ空気、即ちベーパが
導管16を介してサージタンク5内にパージされる。
【0011】電子制御ユニット20はディジタルコンピ
ュータからなり、双方向性バス21によって相互に接続
されたROM(リードオンリメモリ)22,RAM(ラ
ンダムアクセスメモリ)23,CPU(マイクロプロセ
ッサ)24,入力ポート25および出力ポート26を具
備する。エアフローメータ7は吸入空気量に比例した出
力電圧を発生し、この出力電圧がAD変換器27を介し
て入力ポート25に入力される。スロットル弁9にはス
ロットル弁9がアイドリング開度のときにオンとなるス
ロットルスイッチ28が取付けられ、このスロットルス
イッチ28の出力信号が入力ポート25に入力される。
機関本体1には機関冷却水温に比例した出力電圧を発生
する水温センサ29が取付けられ、この水温センサ29
の出力電圧がAD変換器30を介して入力ポート25に
入力される。排気マニホルド3にはO2 センサ31が取
付けられ、このO2 センサ31の出力信号がAD変換器
32を介して入力ポート25に入力される。更に入力ポ
ート25にはクランクシャフトが例えば30度回転する
毎に出力パルスを発生するクランク角センサ33が接続
される。CPU24ではこの出力パルスに基づいて機関
回転数が算出される。一方、出力ポート26は対応する
駆動回路34,35を介して燃料噴射弁4およびパージ
制御弁17に接続される。
【0012】図に示す内燃機関では基本的には次式に
基いて燃料噴射時間TAUが算出される。
【0013】TAU=TP・K・〔1+(FAF−1)
+(FLRN−1)+FPG〕 ここで各係数は次のものを表わしている。
【0014】TP:基本燃料噴射時間 K:補正係数 FAF:フィードバック補正係数 FLRN:実際の吸入空気量に対する空燃比学習値 FPG:パージA/F補正係数 基本燃料噴射時間TPは空燃比を目標空燃比とするのに
必要な実験により求められた噴射時間であってこの基本
燃料噴射時間TPは機関負荷Q/N(吸入空気量Q/機
関回転数N)及び機関回転数Nの関数として予めROM
22内に記憶されている。
【0015】補正係数Kは暖機増量係数や加速増量係数
を一まとめにして表わしたもので増量補正する必要がな
いときにはK=となる。
【0016】パージA/F補正係数FPGはパージが行
われたときに噴射量を補正するためのものであり、従っ
てパージが行われていないときはFPG=0となる。
【0017】フィードバック補正係数FAFはO2 セン
サ31の出力信号に基いて空燃比を目標空燃比に制御す
るためのものである。目標空燃比としてはどのような空
燃比を用いてもよいがこの実施例では目標空燃比が理論
空燃比とされており、従って以下目標空燃比を理論空燃
比とした場合について説明する。なお、目標空燃比が理
論空燃比であるときにはO2 センサ31として排気ガス
中の酸素濃度に応じ出力電圧が変化するセンサが使用さ
れる。このO2 センサ31は空燃比が過濃側のとき、即
ちリッチのとき0.9 (V)程度の出力電圧を発生し、空
燃比が稀薄側のとき、即ちリーンのとき0.1 (V)程度
の出力電圧を発生する。まず初めにこのO2 センサ31
の出力信号に基いて行われるフィードバック補正係数F
AFの制御について説明する。
【0018】図3はフィードバック補正係数FAFの算
出ルーチンを示しており、このルーチンは例えばメイン
ルーチン内で実行される。
【0019】同図中、まず初めにステップ37において
2 センサ31の出力電圧Vが0.45(V)よりも高いか
否か、即ちリッチであるか否かが判別される。V≧0.45
(V)のとき、即ちリッチのときにはステップ38に進
んで前回の処理サイクル時にリーンであったか否かが判
別される。前回の処理サイクル時にリーンのとき、即ち
リーンからリッチに変化したときにはステップ39に進
んでフィードバック補正係数FAFがFAFLとされ、
ステップ40に進む。ステップ40ではフィードバック
補正係数FAFからスキップ値Sが減算され、従って図
4に示されるようにフィードバック補正係数FAFはス
キップ値Sだけ急激に減少せしめられる。次いでステッ
プ41ではFAFLとFAFRの平均値FAFAVが算
出される。
【0020】次にステップ42でフィードバック補正係
数トータル平均FAFTAVを次式にて算出する。
【0021】 FAFTAV=FAFAV+(FLRN−1) ここでFLRNは実際の吸入空気量Qに対する空燃比学
習値である。更にステップ43でフィードバック補正係
数トータルFAFTを次式にて算出して処理サイクルを
終了する。
【0022】FAFT=FAF+(FLRN−1) 一方、ステップ38において前回の処理サイクル時には
リッチであったと判別されたときはステップ45に進ん
でフィードバック補正係数FAFから積分値K(K≪
S)が減算され、ステップ43に進む。従って図4に示
されるようにフィードバック補正係数FAFは徐々に減
少せしめられる。
【0023】一方、ステップ37においてV<0.45
(V)であると判断されたとき、即ちリーンのときには
ステップ46に進んで前回の処理サイクル時にリッチで
あったか否かが判別される。前回の処理サイクル時にリ
ッチのとき、即ちリッチからリーンに変化したときには
ステップ47に進んでフィードバック補正係数FAFが
FAFRとされ、ステップ48に進む。ステップ48で
はフィードバック補正係数FAFにスキップ値Sが加算
され、従って図4に示されるようにフィードバック補正
係数FAFはスキップ値Sだけ急激に増大せしめられ
る。次いでステップ41でFAFLとFAFRの平均値
FAFAVが算出され、ステップ42,43でフィード
バック補正係数トータル平均FAFTAV及びフィード
バック補正係数トータルFAFTが算出される。一方、
ステップ46において前回の処理サイクル時にはリーン
であったと判別されたときはステップ49に進んでフィ
ードバック補正係数FAFに積分値Kが加算され、ステ
ップ43に進む。従って図4に示されるようにフィード
バック補正係数FAFは徐々に増大せしめられる。
【0024】リッチとなってFAFが小さくなると燃料
噴射時間TAUが短かくなり、リーンとなってFAFが
大きくなると燃料噴射時間TAUが長くなるので空燃比
が理論空燃比に維持されることになる。なお、パージ作
用が行われていないときには図4に示すようにフィード
バック補正係数FAFは1.0 を中心として変動する。ま
た、ステップ41において算出された平均値FAFAV
はフィードバック補正係数FAFの平均値を示してい
る。
【0025】図4からわかるようにフィードバック補正
係数FAFは積分定数Kでもって比較的ゆっくりと変化
せしめられるので多量のパージベーパが急激にサージタ
ンク5内にパージされて空燃比が急激に変動するともは
や空燃比を理論空燃比に維持することができない、斯く
して空燃比が変動することになる。従って本実施例では
空燃比が変動するのを阻止するためにパージを行うとき
にはパージ率からパージ率を徐々に増大させるようにし
ている。このようにパージ率を徐々に増大させるとパー
ジ量の増大中であってもフィードバック補正係数FAF
によるフィードバック制御によって空燃比は理論空燃比
に維持され、斯くして空燃比が変動するのを阻止するこ
とができる。
【0026】ところが例えばパージ中に加速運転が行わ
れると冒頭で述べたように吸入空気中のパージベーパ濃
度が大幅に変動し、従って空燃比が大幅に変動するため
にただ単にパージ量を徐々に増大させても空燃比が変動
することになる。そこでこのような過度運転時における
空燃比の変動を阻止するために機関運転状態により定ま
る基準パージ率である最大パージ率を用いてパージ量を
制御するようにしている。次にこのパージ量の制御方法
について説明する。
【0027】最大パージ率MAXPGはパージ制御弁1
7を全開にしたときのパージ量と吸入空気量との比を表
わしている。この最大パージ率MAXPGの例が下記の
表1に示されている。
【0028】
【表1】
【0029】表1からわかるようにこの最大パージ率M
AXPGは機関負荷Q/Nと機関回転数Nとの関数であ
り、この最大パージ率MAXPGは機関負荷Q/Nが低
くなるほど大きくなり、機関回転数Nが低くなるほど大
きくなる。パージを行う際にはまず初めに目標パージ率
TGTPGを一定割合でゆっくりと増大せしめた後に目
標パージ率が一定値に達すると目標パージ率を一定に維
持し、最大パージ率MAXPGに対する目標パージ率T
GTPGの割合に応じてパージ制御弁17の開弁割合が
制御される。この実施例ではパージ制御弁17の開弁時
間のデューティー比を制御するようにしているのでこの
場合には最大パージ率MAXPGに対する目標パージ率
TGTPGの割合に応じてパージ制御弁17の開弁時間
のデューティー比が制御される。
【0030】即ち、パージガス中の蒸発燃料の量はわか
らないのでパージ制御弁17を全開したときに吸入空気
中のパージベーパ濃度がどの位になるかはわからない。
しかしながらキャニスタ11の活性炭10への燃料蒸気
の吸着量が同じ場合には吸入空気中のパージベーパ濃度
は最大パージ率MAXPGに比例する。従って吸入空気
中のパージベーパ濃度を一定とするためには最大パージ
率MAXPGが小さくなるほどパージ制御弁17の開度
を大きくしてパージ量を増大させなければならない。云
い換えると目標パージ率TGTPGが一定に維持されて
いる場合には最大パージ率MAXPGに対する目標パー
ジ率TGTPGの割合に応じてパージ制御弁17の開弁
割合を制御すれば、即ち最大パージ率MAXPGが小さ
くなるほどパージ制御弁17の開度を大きくすれば機関
運転状態にかかわらずに吸入空気中のパージベーパ濃度
は一定となり、従って過渡運転時であっても空燃比は変
動しないことになる。一方、目標パージ率TGTPGが
徐々に増大せしめられている間は吸入空気中のパージベ
ーパ濃度は目標パージ率TGTPGに比例して増大し、
このとき過度運転が行われたとしても吸入空気中のパー
ジベーパ濃度は目標パージ率TGTPGに比例する。即
ち、目標パージ率TGTPGが同一であればパージベー
パ濃度は機関運転状態の影響を全く受けない。従って目
標パージ率TGTPGが増大せしめられているときに加
速運転が行われたとしても空燃比は変動せず、フィード
バック補正係数FAFによるフィードバック制御によっ
て空燃比は理論空燃比に維持され続けることになる。
【0031】パージ作用が開始されると通常は目標パー
ジ率TGTPGと共に増大する実際のパージ率PRGが
徐々に増大せしめられる。次いで加速運転が行われて吸
入空気量Qが増大すると最大パージ率MAXPGが小さ
くなり、パージ制御弁17に対するデューティー比PG
DUTYが増大せしめられる。その結果、上述したよう
に吸入空気中のパージベーパ濃度はパージ率PGRの増
大に比例して増大し、斯くして空燃比が変動しないこと
になる。
【0032】一方、パージ作用が開始されると空燃比を
理論空燃比に維持すべくフィードバック補正係数FAF
は小さくなり、フィードバック補正係数FAFの平均値
FAFAVはパージ作用が開始されると徐々に小さくな
る。この場合、吸入空気中のパージベーパ濃度が高いほ
どフィードバック補正係数FAFの減少量が増大し、こ
のときフィードバック補正係数FAFの減少量は吸入空
気中のパージベーパ濃度に比例するのでフィードバック
補正係数FAFの減少量から吸入空気中のパージベーパ
濃度がわかることになる。この場合、上述したようにパ
ージベーパ濃度は過度運転の影響を受けず、過度運転時
であってもパージベーパ濃度は目標パージ率TGTPG
に比例し、単位目標パージ率当りのパージベーパ濃度と
目標パージ率との積は過度運転が行われたとしても目標
パージ率TGTPGに比例する。従ってフィードバック
補正係数FAFが減少したときにパージベーパ濃度、或
いは単位パージ率当りのパージベーパ濃度と目標パージ
率との積に基いて燃料噴射量を補正すれば過度運転時で
あろうとなかろうと空燃比を理論空燃比に維持できるこ
とになる。
【0033】次にパージベーパ濃度に基く噴射量の補正
についてより詳細に説明する。
【0034】パージが行われるとフィードバック補正係
数FAFは吸入空気中のパージベーパ濃度に対応する値
まで減少する。しかしながら他の原因、例えばエアフロ
ーメータ7による計量誤差によってもフィードバック補
正係数FAFは減少する。従ってフィードバック補正係
数FAFの変動がパージによるものか否かを判断しなけ
ればならない。ところがパージによるフィードバック補
正係数FAFの減少量は他の原因によるフィードバック
補正係数FAFの減少量に比べて大きくなる。しかしな
がらフィードバック補正係数FAFを固定してオープン
ループ制御をする場合のことを考えるとフィードバック
補正係数FAFは大きく減少させることはできない。そ
こでフィードバック補正係数FAFの平均値FAFAV
が或る程度低下したときにはフィードバック補正係数F
AFが低下するのを抑制し、フィードバック補正係数F
AFの低下が抑制された後は単位目標パージ率当りのパ
ージベーパ濃度を表わす係数FPGAを用いてパージベ
ーパ濃度を求めるようにしている。
【0035】次のこの係数FPGAについて説明する。
本実施例では、フィードバック補正係数FAFを下限し
きい値(FBA−X)よりもできる限り減少させないよ
うにしている。フィードバック補正係数FAFが下限し
きい値(FBA−X)よりも小さくなり、かつリッチの
ときに単位目標パージ率当りのパージベーパ濃度係数F
PGAを増大せしめる。前述したパージA/F補正係数
FPGは単位目標パージ率当りのパージベーパ濃度係数
FPGAと、目標パージ率TGTPGに対応するパージ
率PRGとの積の負(FPG=−FPGA・PRG)の
形で表わされ、従って単位目標パージ率当りのパージベ
ーパ濃度係数FPGAが増大すると前述した燃料噴射時
間TAUの計算式からわかるように燃料噴射量が減少せ
しめられる。云い換えると単位目標パージ率当りのパー
ジベーパ濃度係数FPGAが大きくなると燃料噴射量が
減少せしめられるのでフィードバック補正係数FAFの
減少作用が抑制されることになる。
【0036】図2に示す内燃機関では機関減速運転時に
燃料噴射弁4からの燃料噴射が停止される。燃料噴射が
停止されたときに蒸発燃料をパージすると、この蒸発燃
料は燃焼することなく排気マニホルド3内に排出され
る。従って燃料噴射が停止されたときにはパージ作用を
停止しなければならない。燃料噴射を停止すべきときに
はカットフラグがセットされ、このカットフラグにセッ
トされたときにはパージ作用が停止せしめられる。
【0037】図5に示すカットフラグ処理ルーチンは例
えばメインルーチン内で実行される。
【0038】まず初めにステップ50においてカットフ
ラグがセットされているか否かが判別される。カットフ
ラグがセットされていないときにはステップ51に進ん
でスロットルスイッチ28がオンであるか否か、即ちス
ロットル弁9がアイドリング開度であるか否かが判別さ
れる。スロットル弁9がアイドリング開度であるときに
はステップ52に進んで機関回転数Nが一定値、例えば
1200r.p.m 以上であるか否かが判別される。N≧1200r.
p.m のときにはステップ53に進んでカットフラグがセ
ットされる。即ち、スロットル弁9がアイドリング開度
であってN≧1200r.p.m のときは減速運転時であると判
断し、カットフラグがセットされる。
【0039】カットフラグがセットされるとステップ5
0からステップ54に進んでスロットルスイッチ28が
オンであるか否か、即ちスロットル弁9がアイドリング
開度であるか否かが判別される。スロットル弁9がアイ
ドリング開度であるときにはステップ56に進んで機関
回転数Nが1000r.p.m よりも低いか否かが判別される。
N≦1000r.p.m のときにはステップ57に進んでカット
フラグがリセットされる。一方、N>1000r.p.m でもス
ロットル弁9が開弁せしめられればステップ54からス
テップ57にジャンプしてカットフラグがリセットされ
る。カットフラグがセットされると燃料噴射が停止せし
められる。
【0040】図6はイグニッションスイッチ(図示せ
ず)がオンにされたときに実行されるパージ制御のイニ
シャライズ処理ルーチンを示している。
【0041】まず初めにステップ60においてパージカ
ウント値PGCがクリアされ、次いでステップ61では
タイマカウント値Tがクリアされる。次いでステップ6
2ではパージ制御弁17に対する駆動デューティー比P
GDUTYが零とされ、次いでステップ63ではパージ
率PRGが零とされる。次いでステップ64ではパージ
ベーパ濃度係数FPGAが零とされ、ステップ65でベ
ーパ濃度算出回数CFPGAが零とされる。次いでステ
ップ66ではパージ制御弁17が閉弁せしめられ、次い
で処理サイクルを完了する。
【0042】図7から図10はパージ制御ルーチンを示
しており、このルーチンは1msec毎の割込みによって実
行される。
【0043】図7において、まず初めにステップ70に
おいてタイマカウント値Tが1だけインクリメントされ
る。次いでステップ71ではタイマカウント値Tがパー
ジ制御弁17の開閉周期である100 msecに対応した100
であるか否かが判別される。T=100 のときにはステッ
プ72に進む。従ってステップ72には100 msec毎に進
むことになる。ステップ72ではタイマカウント値Tが
クリアされ、次いでステップ73に進む。ステップ73
ではパージカウント値PGCが1より大きいか否かが判
別される。イグニッションがオンにされた後に始めてス
テップ73に進んだときにはパージカウント値PGCは
零であるので図8に示すステップ74に進む。
【0044】ステップ74ではパージ制御を開始すべき
条件が成立したか否かが判別される。機関冷却水温70
℃でありかつ空燃比のフィードバック制御が開始されて
おりかつフィードバック補正係数FAFのスキップ処理
が5回以上行われたときはパージ制御を開始すべき条件
が成立したと判断される。パージ制御を開始すべき条件
が成立していないときは処理サイクルを完了する。これ
に対してパージ制御を開始すべき条件が成立したときは
ステップ75に進んでパージカウント値PGCが1とさ
れる。次いでステップ76では図3に示すルーチンにお
いて算出されたフィードバック補正係数トータル平均値
FAFTAVがFBAとされる。従ってFBAはパージ
制御を開始すべき条件が成立したときのフィードバック
補正係数トータルFAFTの平均値FAFTAVを表わ
していることになる。次いで処理サイクルを完了する。
【0045】パージ制御を開始すべき条件が成立したと
判断されたときには図7のステップ73においてパージ
カウント値PGC≧1であると判断されるのでステップ
77に進む。ステップ77ではカットフラグがセットさ
れているか否か、即ち燃料噴射が停止されているか否か
が判別される。カットフラグがセットされていないとき
にはステップ78に進んで空燃比のフィードバック制御
中であるか否かが判別される。フィードバック制御中で
あればステップ79でパージカウント値PGCが1だけ
インクリメントされ、次いでステップ80ではパージカ
ウント値PGCが6以上か否かが判別される。パージカ
ウント値PGC≧6であると判別されると、即ちパージ
制御を開始すべき条件が成立してから500 msecが経過す
ると図9のステップ82に進む。PGC<6のときは図
10のステップ95に進む。
【0046】次に図9のステップ82からステップ93
では、パージベーパ濃度を算出する。ステップ82では
パージカウンタPGCが156であるか否かが判別され
る。パージ制御が開始されてから始めてステップ82に
進んだときにはPGC=6であるのでステップ83に進
む。ステップ83ではフィードバック補正係数トータル
FAFTがFBAと比較され、FAFT≧FBAの場合
はステップ84に進み、FAFT<FBAの場合はステ
ップ87に進む。ステップ84ではフィードバック補正
係数トータルFAFTが上限しきい値(FBA+X)よ
りも大きいか否かが判別される。ここでFBAは前述し
たようにパージ制御開始時におけるフィードバック補正
係数トータル平均値FAFTAVであり、Xは小さな一
定値である。FAFT<(FBA+X)のときは図10
のステップ95に進む。
【0047】ステップ87ではフィードバック補正係数
トータルFAFTが下限しきい値(FBA−X)よりも
小さいか否かが判別され、FAFT>(FBA−X)の
ときは図10のステップ95に進む。これに対してFA
FT≦(FBA−X)のときはステップ88に進んでO
2 センサ31の出力電圧Vが0.45(V)よりも高い
か否か、即ちリッチであるか否かが判別される。リーン
のときは図10のステップ95に進む。これに対してリ
ッチのときはステップ89に進んでパージベーパ濃度係
数FPGAに一定値Yが加算され、次いで図10のステ
ップ95に進む。従ってFAFT≦(FBA−X)であ
ってかつリッチのときにはパージベーパ濃度係数FPG
Aが一定値Yずつ増大せしめられることになる。
【0048】一方、ステップ84においてFAF≧(F
BA+X)のときはステップ85に進んでO2 センサ3
1の出力電圧Vが0.45(V)よりも低いか否か、即
ちリーンであるか否かが判別される。リッチのときには
図10のステップ95に進む。これに対してリーンのと
きにはステップ86に進んでパージベーパ濃度係数FP
GAから一定値Yが減算され、図10のステップ95に
進む。従ってフィードバック補正係数FAFTが上限あ
きい値(FBA+X)よりも大きくかつリーンのときに
はパージベーパ濃度係数FPGAが一定値Yずつ減少せ
しめられる。このようにするとFAFTが上限しきい値
(FBA+X)を越えた後に空燃比が変動しなくなる。
【0049】一方、ステップ82においてPGC=156
であると判断されると、即ち初めてステップ82に進ん
だ後15秒経過するとステップ90に進んで次式に基き
パージベーパ濃度係数FPGAが算出される。
【0050】FPGA=FPGA−(FAFTAV−F
BA)/(パージ率PRG・2) 即ち現在のフィードバック補正係数トータル平均値FA
FTAVとパージ開始時のフィードバック補正係数平均
値FBAとの単位パージ率PRG当りの偏差の半分がパ
ージベーパ濃度係数FPGAから減算される。云い換え
ると単位パージ率PRG当りのFAFの変化量の半分が
FPGAから減算される。FAFTAVがFBAよりも
小さくなるとパージベーパ濃度係数FPGAが増大せし
められる。次いでステップ91ではパージカウントPG
Cが6とされる。従って15秒毎にステップ90に進む
ことがわかる。次いでステップ92ではステップ90の
FPGAの算出が完了したことを示す算出フラグPGF
が1にセットされ、次にステップ93でベーパ濃度算出
回数CFPGAが1だけインクリメントされ、図10の
ステップ95に進む。
【0051】図10のステップ95では機関1回転当り
の吸入空気量Q/Nつまり負荷によって図11に示すマ
ップを参照して最大パージ流量MAXPQを算出する。
図11のマップは機関の負荷Q/Nに対するパージ制御
弁17の全開流量を予め設定したものである。
【0052】次のステップ96では次式にて最大パージ
流量MAXPGと吸入空気量Qとの比率である最大パー
ジ率MAXPGを算出する。
【0053】MAXPG(MAXPQ/Q)・100 この後、ステップ97でパージ流量制御しても良いか否
かを判別する。パージ流量制御しても良い条件とは、
ベーパ濃度算出回数CFPGAが10以上でパージベー
パ濃度を定常的に読取った時で、かつパージベーパ濃
度係数FPGAが1.2以下でパージA/F補正が過大
とならない時である。
【0054】上記のパージ流量制御条件が不成立の場合
はステップ98に進み、パージ率PGAに予め定められ
た一定のパージ変化率PGA(例えば0.2%)を加算
することによって目標パージ率TGTPGを算出する。
従って、目標パージ率TGTPGは100msec毎に
PGAずつ増大する。この目標パージ率TGTPGはス
テップ99で最大目標パージ率PGX(例えば4%)と
比較され、目標パージ率TGTPGが大なる場合はステ
ップ100で目標パージ率TGTPGを最大目標パージ
率PGXで置換えてガードする。次いでステップ101
では次式に基いてパージ制御弁17の駆動デューティー
比PGDUTYが算出される。
【0055】なお、上記のステップ97,98〜101
が請求項4,5のパージ率一定制御に対応する。 PGDUTY=(TGTPG/MAXPG)・100 ステップ97でパージ流量制御条件が成立した場合はス
テップ102に進み、ベーパ濃度算出回数CFPGAで
図12の実線に示すマップを参照して目標流量mQPを
算出する。このマップはベーパ濃度算出回数VFPGA
の最大に伴ってパージA/D補正が安定するのでキャニ
スタ12からパージを充分に行うために目標流量mQP
を段階的に大きくしている。なお、上記のステップ10
2が請求項3に対応する。
【0056】次のステップ103では現在のパージ流量
Qpに一定の流量変化量qを加算した値が目標流量mQ
P以上か否かを判別し、Qp+q≧mQPの場合はステ
ップ104で目標パージ流量QPaに目標流量mQPを
セットし、Qp+q<mQPの場合はステップ105で
目標パージ流量QPaにQp+qをセットする。これに
よって目標流量mQPが変化するときの目標パージ流量
Qpの変化を流量変化量q以内に抑えて図12の破線に
示す如く目標パージ流量Qpの急激な変化を防止してい
る。
【0057】次のステップ106では次式に基いてパー
ジ制御弁17の駆動デューティー比PGDUTYが算出
される。
【0058】 PGDUTY=(Qpa/MAXPQ)×100なお、上記のステップ97,102〜106が請求項2
のパージ流量の一定制御に対応する。 上記のステップ1
01又は106によりデューティー比を算出した後、ス
テップ108でデューティー比PGDUTYが101以
上、即ち101%以上か否かが判別される。PGDUT
Y≦100のときはステップ110にジャンプし、PG
DUTY>100のときはステップ109に進んでデュ
ーティー比PGDUTYを100とした後にステップ1
10に進む。ステップ110ではパージ制御弁17を閉
弁するときのタイマカウント値Taがデューティー比P
GDUTYとされる。次いでステップ111では次式に
基いて実際のパージ流量QPが算出される。
【0059】 QP=(PGDUTY・MAXPQ)/100 次いでステップ112では次式に基いて実際のパージ率
PRGが算出される。 PRG=(MAXPG・PGDUTY)/100 次いでステップ113ではデューティー比PGDUTY
が1よりも大きいか否かが判別される。PGDUTY<
1のときにはステップ114に進んでパージ制御弁17
が閉弁せしめられ、次いで処理サイクルを完了する。こ
れに対してPGDUTY≧1のときはステップ115に
進んでパージ制御弁17が開弁せしめられ、次いで処理
サイクルを完了する。
【0060】一方、図7のステップ71でタイマカウン
ト値Tが100でないと判別されると、ステップ120
に進んでカットフラグがセットされているか否かが判別
される。カットフラグがセットされていないときはステ
ップ121に進んでパージカウンタPGCが2以上か否
かが判別される。PGC≧2の場合はステップ122に
進んでタイマカウント値TがTaよりも大きいか否かが
判別される。T<Taのときには処理サイクルを完了
し、T≧Taになるとステップ123でパージ制御弁1
7が閉弁せしめられる。従ってPGCが2よりも大きく
なると、即ちパージ制御が開始されてから100mse
cを経過するとパージ制御弁17が開弁してパージガス
の供給が開始される。
【0061】一方、図7のステップ77又はステップ1
20においてカットフラグがセットされたと判断された
ときはステップ124に進んでパージカウントPGCが
1とされる。次いでステップ125においてパージ率P
RGが零とされ、次いでステップ123においてパージ
制御弁17が閉弁せしめられる。また、ステップ121
でパージカウンタが1の場合はステップ125でパージ
率PRGが零とされ次のステップ123でパージ制御弁
17が閉弁せしめられる。即ち、カットフラグがセット
されるとパージ作用が停止され、パージカウンタPGC
が2になるまで待った後に再びパージ作用が開始され
る。
【0062】図13は燃料噴射時間の算出ルーチンを示
しており、このルーチンは一定クランク角度毎の割込み
によって実行される。
【0063】ステップ200 でパージカウンタPGCが6
以上か否か判別し、PGC≧6の場合はステップ201 に
進み算出フラグPGFがセットされているか否かが判別
される。算出フラグPGFがセットされていないときは
ステップ205 にジャンプする。算出フラグPGFがセッ
トされているときはステップ202 に進んで現在のフィー
ドバック補正係数トータル平均値FAFTAVとパージ
制御開始時のフィードバック補正係数平均値FBAの偏
差の半分がフィードバック補正係数FAFから減算され
る。算出フラグPGFがセットされるのは15秒おきで
あるから15秒おきにこの処理が実行される。FAFT
AVがFBAよりも小さくなるとフィードバック補正係
数FAFの減少量の半分だけFAFが増大せしめられ
る。即ちFAFは15秒毎にFAFの減少量の半分だけ
上昇せしめられ、このときFAFの増大量に対応する分
だけパージベーパ濃度係数FPGAが増大せしめられる
ことになる。
【0064】次いでステップ203 ではFAFを変化させ
た分だけFAFTAVを変化させるためにFAFTAV
から(FAFTAV−FBA)/2が減算される。次い
でステップ204 において算出フラグPGFがリセットさ
れ、ステップ205 に進む。ステップ205 では次式に基づ
いてパージA/F補正係数FPGが算出される。
【0065】パージA/F補正係数FPG=−(パージ
ベーパ濃度係数FPGA・パージ率PRG) ステップ200でPGC<6の場合はステップ206に
進んでパージA/F補正係数FPGを零とする。つまり
パージ再開直後500msecまでは目標パージ率にパ
ージ制御するが、ベーパが吸気系に到達するまでの遅れ
を考慮してパージA/D補正を行わない。
【0066】ステップ205又は206を実行した後、
ステップ210に進んで実際の吸入空気量Qに対するA
/F学習値FLRNを算出する。この後ステップ211
ではA/F学習データを取込んだか否かを判別し、既に
取込んでいる場合にのみステップ212で上記のA/F
学習値FLRNをFBAにセットする。
【0067】次のステップ213では基本燃料噴射時間
TPが算出され、次にステップ214で補正係数Kが算
出される。この後、ステップ215では次式に基づいて
燃料噴射時間TAUが算出される。
【0068】TAU=TP・K・〔1+(FAF−1)
+(FLRN−1)+FPG〕 ここで、図14に示す如く、時点t1 を過ぎ時点t2
前において、パージ条件が成立すると、パージ率が零か
ら除々に増加して目標パージ率となるよう制御される。
この間にパージ制御弁17の閉弁から開弁までのフィー
ドバック補正係数FAFのずれ量を一定のパージ率当り
のベーパ濃度に取込み、実際のパージ率に応じたパージ
A/F補正係数FPGによりA/F補正を行う。
【0069】その後、時点t7 を過ぎ、時点t8 以前に
おいて、ベーパ濃度を定常的に取込み、パージ率が急変
してもA/F補正を正しく行えるようになると、パージ
流量を一定に制御してパージ濃度の変化を抑える。ここ
で、時点t7 〜t8 間の加速時には図14に示す吸入空
気量Qから求めた負荷Q/Nを図11におけるa1とす
ると、そのときの最大パージ流量MAXPQはb1であ
り、目標パージ流量cとなるように制御するにはパージ
制御弁17のデューティー比をc/b1としている。ま
た、時点t8 〜t9 間の定常時に負荷Q/Nが図11の
a2であるとすると、最大パージ流量はb2であり、目
標パージ流量cとなるようにデューティー比をc/b2
とし、同様に時点t9 〜t10のアイドル時に、負荷Q/
Nが図11のa3であるとすると、最大パージ流量はb
3であり、目標パージ流量cとなるようにデューティー
比をc/b3とする。ここで図15により従来の吸入空
気量比例パージと本発明の一定流量パージとのFAF制
御性を比較する。
【0070】図15の左側に示す吸入空気量比例パージ
では、加速時の吸入空気量Qの増加に伴って、パージ流
量を比例させるためデューティー比は大きくなる。この
とき吸気系のインテークマニホールドの圧力P0と共に
キャニスタ内圧力P1は低くなり、燃料タンク内圧力P
2は除々にキャニスタ内圧力P1に近づく。このため、
燃料タンク内のベーパはキャニスタを通って吸気系に吸
入され、空燃比がリッチとなりフィードバック補正係数
FAFはf1の如く乱れる。
【0071】逆に吸入空気量Qが減少してパージ流量が
減少したときは、キャニスタから燃料タンク方向にベー
パが流れ、吸気系に流入するパージ流量が減少して空燃
比がリーンとなりFAFはf2,f3の如く乱れる。つ
まり吸入空気量比例パージを行っても過渡時にベーパ量
の比例関係がずれ空燃比が乱れる。
【0072】これに対して、図15の右側に示す一定流
量パージでは、ベーパ濃度を正確に取込んだ後、加減速
に拘らず、吸気系に流入するパージ流量を一定に制御す
るため、吸気系の圧力P0の変化に関係なくキャニスタ
内圧力P1及び燃料タンク内圧力P2が一定に保たれ、
キャニスタと燃料タンクから一定の割合で安定したベー
パが吸気系に吸入される。従ってパージ量、吸入空気量
比で正確なA/F補正を行うことができ、フィードバッ
ク補正係数FAFは乱れがなく安定する。
【0073】更に、始動時から一定流量パージの制御を
行うと、まだ単位パージ率あたりのベーパ濃度が正確に
把握されていないため、パージ率の急変にフィードバッ
ク補正係数FAFの補正が追随できず空燃比が乱れるた
めにパージ量を大きくとることができない。しかし、本
実施例の如く、単位パージ率あたりのベーパ濃度の取込
みが不完全なとき等は、パージ率が一定になるよう制御
することで、吸入空気量に対し、ベーパ量が略比例する
ようになり、空燃比の乱れを防止できる。またパージに
よるフィードバック補正係数FAFのずれ量が安定する
ので早期にベーパ濃度を取込むことができ、パージA/
F補正係数FPGを早期に正確な値とすることができ
る。
【0074】
【発明の効果】上述の如く、本発明の内燃機関の蒸発燃
料処理装置によれば、パージされるベーパ濃度が安定し
て空燃比の乱れを生じることがなく、実用上きわめて有
用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理図である。
【図2】本発明装置の全体図である。
【図3】フィードバック補正係数を算出するためのフロ
ーチャートである。
【図4】フィードバック補正係数の変化を示す線図であ
る。
【図5】カットフラグを制御するためのフローチャート
である。
【図6】パージ制御のイニシャライズ処理を行うための
フローチャートである。
【図7】パージ制御を行うためのフローチャートであ
る。
【図8】パージ制御を行うためのフローチャートであ
る。
【図9】パージ制御を行うためのフローチャートであ
る。
【図10】パージ制御を行うためのフローチャートであ
る。
【図11】最大パージ流量のマップである。
【図12】目標流量のマップである。
【図13】燃料噴射時間を算出するためのフローチャー
トである。
【図14】本発明のパージ制御のタイムチャートであ
る。
【図15】吸入空気量比例パージと一定流量パージのタ
イムチャートである。
【符号の説明】
4 燃料噴射弁 9 スロットル弁 11,M1 キャニスタ 17,M2 パージ制御弁 31 O2 センサ M3 内燃機関 M4 運転状態検出手段 M5 パージ流量制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木所 徹 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 実開 平4−134657(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 25/08 301

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料タンクで発生した蒸発燃料を一時的
    にキャニスタに蓄え、機関の所定運転時に前記キャニス
    タに蓄えた蒸発燃料をパージ制御弁でパージ量を制御し
    つつ吸気通路にパージして処理する内燃機関の蒸発燃料
    処理装置において、 機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、 機関運転状態の変化に拘らず蒸発燃料を含んだ空気の
    ージ流量が一定となるよう検出された運転状態に応じて
    上記パージ制御弁を制御するパージ流量制御手段を有す
    ることを特徴とする内燃機関の蒸発燃料処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の内燃機関の蒸発燃料処理
    装置において、 前記パージ流量制御手段は、前記吸気通路にパージする
    蒸発燃料の濃度を算出する濃度算出手段を有し、 前記濃度算出手段により濃度が算出されると前記パージ
    流量制御手段によるパージ流量の一定制御を実行するこ
    とを特徴とする内燃機関の蒸発燃料処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の内燃機関の蒸発燃料処理
    装置において、 前記パージ流量制御手段は、前記濃度算出手段による蒸
    発燃料の濃度算出回数を検出する濃度算出回数検出手段
    を有し、 前記濃度算出回数検出手段により検出される濃度算出回
    数が大きくなるに従って前記パージ流量制御手段による
    パージ流量を大きくすることを特徴とする内燃機関の蒸
    発燃料処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の内燃機関の蒸発燃料処理
    装置において、 前記パージ流量制御手段は、前記吸気通路にパージする
    蒸発燃料の濃度を算出する濃度算出手段を有し、 前記濃度算出手段により濃度が算出されるまでは、吸入
    空気量に対するパージ量の比を一定とするパージ率一定
    制御を実行することを特徴とする内燃機関の蒸発燃料処
    理装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の内燃機関の蒸発燃料処理
    装置において、 前記パージ流量制御手段は、前記吸入空気量に対するパ
    ージ量の比である目標パージ率を算出する目標パージ率
    算出手段と、 機関運転状態に応じて定められる最大パージ率を基準パ
    ージ率として設定する基準パージ率設定手段とを有し、 前記基準パージ率に対する前記目標パージ率の割合に応
    じて前記パージ制御弁の開閉を制御することを特徴とす
    る内燃機関の蒸発燃料処理装置。
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