JP3238778B2 - 液体貯蔵容器及び液体噴射記録装置 - Google Patents

液体貯蔵容器及び液体噴射記録装置

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JP3238778B2
JP3238778B2 JP2942993A JP2942993A JP3238778B2 JP 3238778 B2 JP3238778 B2 JP 3238778B2 JP 2942993 A JP2942993 A JP 2942993A JP 2942993 A JP2942993 A JP 2942993A JP 3238778 B2 JP3238778 B2 JP 3238778B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリンタや情報処理装
置(ワープロ,パソコン,ワークステーション等)や複
写機、ファクシミリ等の事務機器に適用可能なインク等
の液体供給用の液体貯蔵容器及び該容器に貯蔵されたイ
ンクによって記録を行う液体噴射記録装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来から、インクジェットプリンタとし
て知られているような液体噴射記録装置やプロッター等
においては、インクを一時的又は、長期的に保有し、記
録部に対してインクを供給するインクタンクが用いられ
ている。近年では、インクタンクが記録ヘッドに対して
一体化されているものが主流製品となっている。
【0003】この一体化インクタンクは、記録ヘッドと
共に変換されるために比較的小さいものの記録ヘッドの
耐久を満足するようなインク収容量が収納できるものと
なっている。このため、記録ヘッド部がインクタンクの
30分の1〜50分の1の大きさとなるものが多い。
【0004】この種のインクタンク内にスポンジで代表
される連続多孔質体を圧縮して収納する構成をもつもの
が多いが、この多孔質体中に供給できずに残存するイン
クが多いために、これを改善する各種の発明が提案され
ている。例えば記録ヘッド側からこの多孔質体内に圧入
する進入量を考慮した発明やインクタンク内壁に沿って
外気を案内するためのリブ構造を規定した発明が知られ
ている。
【0005】液体記録装置が実用化され、市場のニーズ
に応じて各種の対応に対して上記発明は効果的なもので
あったが、極めてコンパクトなプリンターユニットを構
成してみると、従来では認識していず不安定要因とされ
ていた各部の構成の相互関係が意外にも技術的な意味を
もつようになっていることが、本発明者達によって解明
されることになった。
【0006】特に、プリンタ部をパソコン等の情報処理
装置に対して一体的に組み込んで装置全体を小型化した
ものにあっては、特に有効な要素となった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来では個
別に考えられていた、供給管の多孔質体内への圧接状態
と液体貯蔵容器内への多孔質体の圧縮状態との関係を関
連したものとした観点からなされ、これが多孔質体内に
収納された液体を均一な液体移動状態を左右できるもの
となることを解明し、結果的に供給管端部の多孔質体へ
の密着状態をより安定化し、供給不良を防止することが
できる発明を提供することを第1の課題とする。
【0008】又、本発明の第2の課題は、第1の課題と
は別の観点から要因をさらに見い出し、臨界的なファク
ターとして好ましい条件をもった液体貯蔵容器を提供す
ることにある。
【0009】
【0010】本発明のさらに好ましい構成は、以下の説
明より理解できる課題を夫々個々に或は組合せ構成によ
る相互作用により、より効果的な発明を提供するもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧縮収納され
た連続多孔質体の液体供給側(長さ方向の中心よりも液
体供給側)で、液体の移動状態を左右するファクターが
供給側の端部フィルタ圧接がなされる当接部の中心に対
して全体周辺がどのような構造体になっているかが、以
外にも重要視されるべきものであることに着目してなさ
れたものである。 すなわち、本発明は、記録に使用され
る液体を貯蔵する液体貯蔵容器を構成する容器本体と、
前記容器本体の一側面に配され、貯蔵する液体を外部に
供給するための液体供給口と、前記容器本体内部に収納
された前記液体を保持する連続多孔質体と、前記容器本
体内を大気と連通する大気連通口と、前記連続多孔質体
と当接された状態で前記液体供給口部分に配されたフィ
ルタと、を備えて構成される液体貯蔵容器において、前
記容器本体の前記液体供給口を備えた前記液体供給口よ
り大きな面積を有する端面に対して連接される前記フィ
ルタと前記連続多孔質体との当接部の中心に対して対称
に配された側面と、前記フィルタとの関係が、前記フィ
ルタと前記連続多孔質体との当接部の周囲から前記側面
の内壁までの最短距離が前記フィルタの直径の半分以下
の条件を満足することを特徴とする液体貯蔵容器であ
る。この対称面は、正三角柱の容器で中心部に当接域を
もっていれば3個の対称面となり、円柱容器では無限個
となる。この対称面は、上記当接部に向かっての全体か
ら集中してくる液体の分布を当接域に対して均等分布化
する要素として機能し、従来は全く考慮されていない構
成である。この発明によれば、液体の供給に伴って発生
する多孔質体内部の気体の分布が一部に集中することが
なくなり、全体のバランスを良好に保つことができる。
特に、この発明は、正三角柱もしくは一辺が20mm以下
の多角面の端部域の断面とする容器にはその効果が
著となるので、特に最適である。
【0012】また、容器の内壁と圧縮多孔質体との接触
部分の不安定要因があって端部フィルタの圧縮部となる
多孔質体領域が全体に対して支配的な状態となり、安定
供給を実行できるもので、そのため最短距離が端部フィ
ルタの圧接部(当接部)の直径の半分以下、且つ当接部
の周囲から内壁までの最長距離が、この直径半分の値の
近傍(直径の半分×1.3以内)であると、その効果は
極めて安定したものであった。
【0013】また、この発明においては、より具体化し
たパラメータとして見ることができる当接部面積と、そ
こにおける多孔質体全体の断面積との比率関係を3.0
倍以上6.5倍以下の範囲内にすれば、不要気体の移動
を許容しつつ、必要液体の当接部側への集中移動状態を
確保できる。特にこの数値が、4.0倍以上6.0倍
以下の範囲内になると、多少の断面部での周囲の形状バ
ラツキがあっても、これを吸収して、より安全性の高い
液体供給を達成でき
【0014】
【0015】
【0016】本発明のさらなる特徴や、本発明に具体的
に応用することで、好ましい部分構成は以下の説明で理
解できよう。
【0017】本発明でいう端部フィルタの境界部や面積
の計算は、フィルタの実質的な液体流通範囲として有効
値を用いることはいうまでもない。
【0018】
【実施例】本発明夫々の構成をすべて適用した不図示の
大気連通口を介して大気圧したで供給を行う容器の最適
実施例を図1を用いて説明するが、本発明でいう「端部
フィルタ」の多孔質体に対する圧接部、当接部は、常時
得られている本実施例以外に、記録ヘッドの装着によっ
て形成される場合も含むものである。
【0019】図1(a)は、端部フィルタFが連続多孔
質体SPに圧接している当接部における周囲状況を説明
する図、図1(b)は、図1(a)の当接部中心であり
端部フィルタFの中心でも或る中心部Oを通り、容器内
の液体供給方向に関しての1つの対称面におけるX方向
断面図を示しており、図1(c)は、この中心部0を通
り、容器内の液体供給方向に関して別の対称面における
Y方向断面図を示している。図1でRは(c)でわかる
ように多孔質体SPの長手方向の長さよりもフィルタF
側に長く形成されたリブで、左右面のみに夫々の3本づ
つ設けられている。図1で示す液体貯蔵容器は、上記中
心部0を通り、多孔質体SPの長手方向に関する断面に
おいて、対称面を2個(即ち、複数個)備えた構成であ
る。フィルタFは本例多孔質体に圧接した状態で、容器
内に固定されている。この構成は、容器内の多孔質体に
外圧変動を加えることがないので液体供給体制が極めて
安定している。Cは、液体供給を受ける記録ヘッド等の
部材に傾向するためのクリップで、後述のヘッド側クリ
ップ222に代えて設けたものである。Bは、後述する
構成で、記録ヘッド連結部を密閉するように付勢され、
連結部材としての供給管端部の挿入等によって移動し、
多孔管体SPと外部との連通状態を形成する弁機構であ
る。BRは、多孔質体長手方向の他端部に当接するバッ
クリブである。STは、フィルタFを端部にボールド
し、弁機構B側へフィルタFが移動することを阻止する
ストッパで、図23(a),(b)に示すような形状を
している。
【0020】図23(b)で示す(F)はフィルタFが
支持される部位を示している。図1のフィルタFのメッ
シュサイズよりも大きな貫通孔P2の12個がフィルタ
の中心部0を中心として同心円の周上に孔中心を有する
ように等角度配置し、その中心部0に対応して同様の貫
通孔P1を有している。ストッパSPはフィルタFの周
辺から中心に向かって遠ざかるような円すい状になって
おり、この円すい空間領域に一時的に液体を保持するよ
うな機能をなす。尚、R1は、フィルタの変位を抑制す
るリブである。
【0021】ここで、対称面(b),(c)夫々におけ
る対称の意味について説明する。
【0022】上記当接域は、円形でかつ容器の中心部に
その円の中心を一致させるように形成されている。その
ため、各対称面である図1(b),(c)それぞれで
は、当接部の周境界から、対向する壁部夫々に対して最
短距離が上,下、夫々が同一X,Yとなっている。
た、当接部面積と、そこにおける多孔質体全体の断面積
との比率関係であるが、これを3.0倍以上6.5倍以
下の範囲内にすると、不要気体の移動を許容しつつ、必
要液体の当接部側への集中移動状態を確保できる。特
この数値が、4.0倍以上6.0倍以下の範囲内に
なると、多少の断面部での周囲の形状バラツキがあって
も、これを吸収して、より安全性の高い液体供給を達成
でき。この範囲を外れると、フィルタから遠い位置に
存在するインクに対して吸収体の状態のバラツキが作用
し、インクの供給性に関して本発明で規定した範囲内に
ある場合より劣るものとなる。
【0023】本例の吸収体である多孔質体は、単位をmm
として図1(a)に示す寸法で、幅28×高さ30の直
方形断面が、当接部を含む断面域に存在することで幅
(13.8〜15.8)×高さ16.4に周囲全体から
圧縮されており、図1(b)に示すようにフィルタ圧接
によって、挿入前の長さ35が23に圧縮されている。
【0024】従って、圧縮比は、幅13.5〜15.8
/28,高さ16.4/30,長さ23/35になって
いる。これらは、本願の圧縮の割合の条件に照らすと、
長さ方向の圧縮比が幅・高さの夫々の圧縮比よりも小さ
く、又、幅・高さの夫々の圧縮比がほぼ同等であり、
又、本願でいう圧縮比の長さ方向と周囲とでの差が0.
09以上0.18以下の範囲に入っており、又、幅,高
さ方向夫々も同等の圧縮状態と見なせる範囲である。従
って、この容器を用いることで、従来には内画期的な効
果が得られた。
【0025】図2乃至図13は、本発明の液体貯蔵容器
の特定のキャリッジに対する装着操作にとって有効な部
分構成の説明図である。図において、200は電気信号
によりインクを吐出させる記録ヘッド、201はインク
を収納しておき記録ヘッド200に供給するインクタン
ク、203は記録ヘッド200およびインクタンク20
1を保持・走査する記録装置本体に設けられたキャリ
ア、204は記録ヘッドの保持・解除を行うヘッドレバ
ー、205はインクタンク201の着脱を行うインクタ
ンクレバー、207はキャリア203に記録ヘッド20
0を固定しておくためのヘッドホルダバネ、208はイ
ンクタンク201を保持しているタンクケース、であり
これらの各部によって記録装置のヘッドカートリッジ部
およびキャリア部が構成される。
【0026】図2は本発明の実施例に関する記録装置の
記録ヘッド200およびインクタンク201を示した模
式的斜視図である。同図において、220はインクタン
ク201から記録ヘッドにインクを供給する通路となる
インク被供給孔、221はインクタンク201から記録
ヘッド200にインクを供給するインク供給孔、222
は記録ヘッド200とインクタンク201を一体化する
場合に両者をガイドして保持するための結合爪、223
は結合爪222と係合する結合爪ガイド溝、232は記
録ヘッド200をキャリアから取り出す際に、取り出し
操作を容易にするためのヘッドタブであり、これらの各
部によってヘッドカートリッジ202が構成される。
【0027】記録ヘッド200は、インクを吐出するた
めに利用される熱エネルギを発生する複数の電気熱変換
素子およびこれを駆動するための駆動回路が形成された
基板と、この基板上に上記複数の電気熱変換素子の各々
に対応した吐出口および液路、さらには各液路に連通す
る共通液室を構成するための天板が積層されており、さ
らには前記駆動回路に記録装置本体から信号を与える為
の電気的接点が設けられている。さらに、ヘッドの状態
を記録装置本体から検知するためのセンサを記録ヘッド
200内に配することもでき、具体的には、前記電気熱
変換素子近傍の温度を検知する為の温度検知センサ、イ
ンクの供給がなくなり前述の共通液室内からインクがな
くなった場合にこれを検知するインク残量検知センサ、
あるいは、ヘッドカートリッジ内のインクの種類やヘッ
ドの種類が違う物を交換しながら使用する場合にヘッド
カートリッジの種類を特定するヘッド種類判別センサ、
等である。これらのセンサからの信号を記録装置本体で
判断し、前期電気熱変換素子に印加する信号を制御して
印字状態を最適にすることが出来る。
【0028】そして、このようにして構成された記録ヘ
ッドの吐出口を配列した吐出口面が記録媒体に対向する
ように記録装置に搭載される。
【0029】インクタンク201は、インクを保持しな
がら記録により消費されたインクを補うために適宜記録
ヘッド200にインクを供給するためのタンクであり、
インクタンク201単体で存在するときにはインク供給
孔221からインクがもれないように図示せざる封止手
段によって封止されている。この封止手段は記録ヘッド
200と一体化された時点で自動的あるいは手動で開放
され、インク流路が形成される。封止手段は、たとえば
金属球をゴム栓にバネで押圧しておく機構で実現するこ
とが出来る。
【0030】また、インクの消費により減少するインク
体積に応じて外部から大気を導入するような機構を備え
ていてもよい。さらには、記録ヘッドに供給するインク
の圧力をわずかに負圧に保つ機構を内部に持つことで、
印字品位を向上させインク漏れを防止することも出来
る。
【0031】本実施例に於いては、インクタンク201
内部に図示せざる可撓性の袋を持っており、その中にイ
ンクが収められ、インク供給孔221につながるように
構成されている。インクタンク201内の残りの空間は
空気で満たされているが、空気圧は記録動作状態に於い
て図示せざる圧力調節弁により調節されており、さらに
具体的には、所定範囲の負圧状態が発生・保持されるよ
うになっている。
【0032】あるいはさらに簡単な機構で上記の圧力調
節機構を実現するために、インクタンク201内部にス
ポンジ状のインク吸収体を入れておき、インク吸収体に
インクを保持させておくこともできる。この場合はイン
ク吸収体自身の毛細管現象によってインクを保持しよう
とする力が働くため、そこからインクを取りだそうとす
ると自動的に負圧状態を発生・保持することができる。
またこの場合には、使用したインクの体積分だけインク
タンク201外から取り込むための大気連通口をインク
タンク201に設けてある。
【0033】記録ヘッド200とインクタンク201は
一体化したヘッドカートリッジ202の状態で記録動作
中の記録装置上で使用されるが、次に両者を一体化する
方法を説明する。
【0034】基本的に記録ヘッド200とインクタンク
201はインク被供給孔220とインク供給孔221を
結合することによって一体化されるため、この部分はイ
ンクの漏れ、あるいはインク流路への気体の侵入を防止
する形になっている。本実施例においては図21に示さ
れるように、剛体のパイプと弾性体の栓を利用する方式
を採っている。すなわち、インク被供給孔220はモー
ルド部材で筒状に成形されており、これに対向するイン
ク供給孔221はゴム材により成型された円筒穴の開い
た部材である。インク被供給孔220の外径はインク供
給孔221の内径よりもわずかに大きく作られている。
そこでインク被供給孔220をインク供給孔221に圧
入すると、インク供給孔221は半径方向にわずかに変
形しながらインク被供給孔220に密着して一体化され
る。
【0035】なお、結合部は剛体と弾性体の組合わせに
は限定されず、シール機能を持ったものであれば良いの
で、例えば、モールドのパイプとモールドの穴の組合わ
せでモールドの微少変形による弾性を利用してシールし
てもよいし、あるいは穴の開いていないゴム製のシール
部材と注射針状のパイプで構成してもよい。
【0036】記録ヘッド200とインクタンク201の
一体化においては、上述のインク被供給孔220とイン
ク供給孔221の結合だけでもよいのであるが、ヘッド
カートリッジ202の取扱時において予期せざる外力が
加わった場合に簡単に外れないようにするため、あるい
は一体化する場合に容易に一体化できるガイドとなるよ
うに、本実施例においては結合爪222と結合爪ガイド
溝223によって結合をより強固なものとしている。す
なわち、インク被供給孔220と一体にモールドで成形
され、弾性的に変形することが出来る結合爪222は、
先端に突起が設けられており、この突起の高さの分だけ
弾性的に変形しながら結合爪ガイド溝223に係合して
いき、結合爪ガイド溝223の奥に設けられた溝が深く
なった部分に結合爪222の突起が到達した時点で係合
が完了するものである。
【0037】さらに結合爪222は記録ヘッド200と
インクタンク201の結合時にインク被供給孔220と
インク供給孔221が容易に位置合せされるように、ガ
イドとしての役割も持っている。すなわち結合爪222
はインク被供給孔220よりも長くなっており、インク
被供給孔220がインク供給孔221に接する前に結合
爪222がインクタンク201に接触するようになって
いる。ここで結合爪222の先端は斜めに切り取られて
おり、斜めの部分が結合爪ガイド溝に図18矢印a方向
のガイドとなって容易に係合されうる。また、結合爪2
22の先端に設けられた突起も斜めに切り取られており
図2矢印b方向のガイドとなって容易な係合を助けてい
る。
【0038】なお、本実施例においては結合爪を記録ヘ
ッド側に設けたが、これには拘束されず、インクタンク
201側、あるいは記録ヘッド200とインクタンク2
01の両方に設けることも出来る。
【0039】次に、記録ヘッド200をキャリア203
に機械的、電気的に接続する方法を説明する。
【0040】図3にキャリア203への記録ヘッド20
0の接続部分を示す断面図を、図4に取り付け順序を示
した模式的斜視図を示す。
【0041】同図において225はキャリア203に固
定され記録ヘッド200に設けられた穴に係合して図4
矢印a、矢印b方向の位置決めをする位置決めピン、2
26はキャリア203に固定され、図3a方向に押し付
けられる記録ヘッド200を受け止めるストッパ、21
1は記録装置本体と記録ヘッド200とを電気的に接続
するためのフレキシブルケーブル、211aはフレキシ
ブルケーブル211に設けられた位置決め穴a、211
bはフレキシブルケーブル211に設けられた位置決め
穴b、212はフレキシブルケーブル211とキャリア
203の間に挟まれフレキシブルケーブル211を弾性
的に支持するフレキシブルケーブルパッド、212aは
フレキシブルケーブルパッド212に設けられた位置決
め穴a、212bはフレキシブルケーブルパッド212
に設けられた位置決め穴b、212cはコンタクト部へ
のインクの侵入を防ぐインクバリア、227は記録ヘッ
ド200に設けられ記録ヘッド200内のヒーター部と
電気的に接続されたヘッドコンタクト部、227aはヘ
ッドコンタクト部227に設けられた位置決め穴a、2
27bはヘッドコンタクト部227に設けられた位置決
め穴b、227cはストッパ226の端面が当たるスト
ッパ当接場所、である。
【0042】記録ヘッド200はヘッドホルダバネ20
7から図示せざるレバーを介してa方向に押し付けられ
ており、その位置は記録ヘッド200に設けられた穴と
位置決めピン225との係合、およびストッパ226と
の干渉により一意に決まる。このようにして記録ヘッド
200とキャリア203は機械的に接続される。
【0043】また、記録ヘッド200に設けられたヘッ
ドコンタクト部227とフレキシブルケーブル211の
端面には相対する位置に複数の電気的な接点が設けられ
ており、これらを所定の圧力をもって押圧することによ
り記録装置本体と記録ヘッド200が電気的に接続され
る。この際に複数の電気的接点を一度に圧接する必要が
あるので、これらを均一に圧接するために弾性材料で出
来たフレキシブルケーブルパッド212を押圧部に入れ
ている。フレキシブルケーブルパッド212の材質は例
えばシリコンゴムなどを用いており、前述の電気的接点
に対応した位置に複数の突起を持って、押圧の応力が接
点に集中するように構成している。さらに、フレキシブ
ルケーブル211に設けられた前述の電気的接点は、押
圧された際の応力をさらに集中させて接続を確実なもの
にするために突起状に構成してもよい。
【0044】また、押圧された時に発生する反力は記録
ヘッド200を押さえつけているヘッドホルダバネ20
7の力よりはるかに小さくなるように構成されている
為、フレキシブルケーブルパッド212からの反力によ
り記録ヘッド200の位置がずれてしまうことはない。
【0045】また、キャリア203、フレキシブルケー
ブルパッド212、フレキシブルケーブル211、ヘッ
ドコンタクト部227およびヘッドカートリッジ203
は確実な電気的接続や良好な記録品位を得るために互い
に正確に位置決めされている必要があるが、その為に以
下のように構成している。
【0046】すなわち、キャリア203の2本の位置決
めピン225を基準として、片方の位置決めピン225
が位置決め穴a212a、位置決め穴a211aおよび
位置決め穴a227aに共通に嵌合し、またもう一方の
位置決めピン225が位置決め穴b212b、位置決め
穴b211bおよび位置決め穴b227bに共通に嵌合
して図4a方向および図4b方向の位置を決定してい
る。
【0047】さらにストッパ226の端面がヘッドコン
タクト部227のストッパ当接場所227cに当接する
まで図3a方向から押圧してやることにより、記録ヘッ
ド200の図4c方向の位置も正確に決定することが出
来る。
【0048】さらには、電気的な接触面すなわちフレキ
シブルケーブル211とヘッドコンタクト部227の間
に、なんらかの原因でインクが侵入すると電気的に短絡
してしまう可能性があるので、これを防止する必要があ
る。そのために本実施例ではフレキシブルケーブルパッ
ド212の一部を突起状にしてインクバリア212cと
し、記録ヘッド200の端面に押圧するようにしてヘッ
ド200の吐出口から出たインクの侵入を防止してい
る。
【0049】なお、本実施例においては電気的あるいは
機械的な結合部を記録ヘッド側に設けたが、これには拘
束されず、インクタンク201側、あるいは記録ヘッド
200側とインクタンク201側の両方に設けるように
するか、また、どちらかに電気的結合部と機械的結合部
を分けて設けるようにしてもよい。
【0050】次に記録ヘッド200およびインクタンク
201の取扱方法、すなわちインクが無くなったインク
タンク201を新しいインクタンク201に交換する場
合や、何らかの原因によって使用不能となった記録ヘッ
ド200を交換する場合の方法について説明する。
【0051】第1の形態として、記録ヘッド200とキ
ャリア203の固定を解除して、キャリア203から記
録ヘッド200とインクタンク201を一体化したまま
の状態で取り出し、キャリア203から外れた状態(以
下、オフキャリア状態と呼ぶ)で記録ヘッド200とイ
ンクタンク201を分離したり一体化したりする方法が
ある。
【0052】図5にキャリア203から記録ヘッド20
0とインクタンク201を一体としたままで取り出す場
合の模式的斜視図を示す。この場合、ヘッドレバー20
4を図5a方向に回転させこのような位置まで引き起こ
すことにより、ヘッドレバー204に設けられたカム
が、記録ヘッド200を押圧していたレバーに設けられ
た軸を移動させることによってヘッドホルダバネ207
による記録ヘッド200への押圧力を解除している。
【0053】この際にキャリア203内のタンクケース
208が、その突起をインクタンク201の記録ヘッド
200側端面に係合したまま移動するので、記録ヘッド
200とインクタンク201は一体化したままで図5b
方向に移動する。これにより位置決めピン225と記録
ヘッド200の穴との係合も外れるので、記録ヘッド2
00とインクタンク201は一体のまま図5c方向に移
動させることができ、キャリアから取り出せ、オフキャ
リア状態とすることが出来る。この際に、記録ヘッド2
00に取り付けられたヘッドタブ232をつまみ、持上
げることによってヘッドカートリッジ202全体を容易
に取り出すことができる。なお、このヘッドタブ232
は可撓性の材料(例えばポリエステル)でできており、
フレキシブルケーブル211と接する面は、少なくとも
電気的に絶縁性の部材で構成されている。そして、記録
時には、ヘッドタブ232がヘッドレバー205とフレ
キシブルケーブル211との間に介在して、フレキシブ
ルケーブル211の保護と外部からの電気的絶縁とを行
っている。オフキャリア状態にした後は、記録ヘッド2
00とインクタンク201を一体化した際の結合方向と
は反対方向に力を加えることにより両者を分離すること
が出来る。そして、交換したい方を新しいものとし、前
述の一体化の方法により両者を一体化して逆の手順でキ
ャリア203に収納することにより交換作業が終了す
る。
【0054】なお、本実施例においてはヘッドレバー2
04を用いて記録ヘッド200の押圧力を解除している
が、これには拘束されず、記録ヘッド200を押圧する
レバーを直接移動するように構成してもよい。また、記
録ヘッドの固定方法にヘッドホルダバネ207を用いて
押圧しているがこれには拘束されず、バネ性を持ったラ
ッチフックなどを用いて固定するように構成してもよ
い。
【0055】第1の形態を採った場合、以下のような効
果がある。
【0056】すなわち、記録ヘッドあるいはインクタン
クのどちらか一方に交換が必要となった場合、交換が必
要な方だけ交換すればよいので、経済性が向上する。
【0057】第2の形態として、記録ヘッド200とキ
ャリア203の固定をしたままで、記録ヘッド200と
インクタンク201の分離をキャリア上で行い(以下、
オンキャリア状態)、インクタンク201のみを取り外
す方法がある。
【0058】図6にキャリア203上で記録ヘッド20
0からインクタンク201を分離した状態の模式的斜視
図を示す。この場合、タンクレバー205を図6a方向
に回転させこのような位置まで引き起こすことにより、
タンクレバー205に設けられた図示せざるカムによっ
てタンクケース208が図6b方向に移動する。タンク
ケース208に設けられた突起がインクタンク201の
記録ヘッド200側端面に係合してインクタンク201
を図6b方向に移動させる。この時、記録ヘッド200
の固定は、インクタンク201と共に移動することはな
いので、記録ヘッド200とインクタンク201の係合
部がはずれ、分離することが出来る。さらにインクタン
ク201を図6c方向に移動させることによりキャリア
203から外すことが出来る。
【0059】また、インクタンク201の装着において
は、逆の手順によってタンクケース208の中にインク
タンク201を挿入し、タンクレバー205を操作す
る。これによって、タンクケース208がインクタンク
201の端部を押圧するので、その圧力により記録ヘッ
ド200とインクタンク201を結合することができ
る。
【0060】なお、このとき本実施例のように記録ヘッ
ド200をヘッドホルダバネ207によって弾性的に押
圧している場合には分離の際の力のかかりかたによって
ヘッドの固定が外れてしまう可能性があるので以下のよ
うに構成するとよい。図7に力のかかり方を示す模式的
平面図を示す。同図において記録ヘッド200はヘッド
ホルダバネ207によってf1の力でキャリア203に
押圧されている。また、記録ヘッド200とインクタン
ク201を分離するため、結合爪222と結合爪ガイド
溝223の係合およびインク被供給孔220とインク供
給孔221の係合を外すのにf2の力が必要であるとす
る。この時、力の大きさをf1>f2としておくこと
で、分離作業中に記録ヘッド200の固定が外れてしま
うことを防止することが出来る。
【0061】なお、本実施例においてはタンクレバー2
05を用いてf2に相当する力を出して分離している
が、これには拘束されず、直接インクタンク201を持
って図23中のb方向に引っ張り記録ヘッド200とイ
ンクタンク201を分離するように構成してもよい。
【0062】第2の形態を採った場合には第1の形態の
場合に加えて以下のような効果がある。すなわち、タン
クレバー205のカム形状を適当に設計することによっ
て分離する際の引き抜き速度をコントロールすることが
出来、インク被供給孔220やインク供給孔221から
のインクの飛散を防止することが出来る。
【0063】また、記録ヘッド200を直接手で持つ必
要がないので記録ヘッド200のインク吐出口付近を手
で触ることがなく、印字に悪影響を及ぼす無用な汚染を
防ぐことが出来る。
【0064】また、インクタンク201の力のかかる部
分が特定されるため、その部分だけ力に耐える構造にす
れば良いので、他の部分は薄肉にでき軽量化、内容積の
増加、などの効果がある。
【0065】次に、インクタンク201をキャリア20
3内のタンクケース208に挿入する際の誤挿入防止に
ついて説明する。インクタンク201は記録ヘッド20
0と接続するためのインク供給口221が付いた端面
と、そうでない端面があり、また結合爪222や結合爪
ガイド溝223の方向により、挿入方向はある程度規制
する必要がある。そこで本実施例においてはタンクケー
ス208側に凸形状、インクタンク201側に凹形状を
設けることにより挿入方向の規制を行っている。
【0066】図9にタンクケース208の構成を表す模
式的斜視図を示す。同図において、208aはタンクケ
ース208の内側でインクタンク201が挿入される所
に突出したタンクケースエンド突起、208bはタンク
ケース208の端部を規制しインクタンク201をキャ
リア203に挿入する際にインクタンク201を押圧す
るためのタンクケースエンドであり、これらの各部によ
りタンクケース208が構成される。また、タンクケー
スエンド突起208aは高さH2,長さがW2,厚さが
T2の略直方体形状である。なお、形状は略直方体に限
定されるものではない。
【0067】図10にインクタンク208の記録ヘット
200取り付け側と反対の方向から見た場合の模式的斜
視図を示す。同図において、201aはインクタンク2
01の内側に向かって切込まれたインクタンクスリット
である。また、インクタンクスリット201aは高さが
H1,長さがW1,隙間がT2の略直方体のスリットで
ある。なお、形状は略直方体に限定されるものではな
い。
【0068】上記のタンクケースエンド突起208aと
インクタンクスリット201aにより挿入方向を規制し
ている。正しい方向にインクタンク201が挿入された
場合には、タンクケースエンド突起208aがインクタ
ンクスリット201aにはまり込みタンクケース208
内に収めることができる。しかし誤った方向にインクタ
ンク201を入れた場合にはタンクケースエンド突起2
08aがインクタンク201の外形部と干渉して、正規
の位置までインクタンク201をはめ込むことができな
い。これにより操作者は誤った挿入方向にインクタンク
201を挿入したことに気付くので、誤方向への無理な
挿入などによる機械の破損や故障を防止することができ
る。
【0069】次に、タンクケース208,インクタンク
201に関する寸法上の制約について記す。図11はタ
ンクケース208とインクタンク201に必要な寸法を
示す模式的平面図である。同図において、位置Oはイン
クタンク201の反記録ヘッド200側を回転させた時
(矢印c方向)の回転中心、位置Aはインクタンク20
1の反記録ヘッド200側の下角部、位置Bはタンクケ
ースエンド208bのインクタンク201に接する側の
上角部、長さL1は位置Oから位置Aまでの距離、長さ
L2は位置Oから位置Bまでの距離である。
【0070】図12はタンクケース208とインクタン
ク201に必要な寸法を示す模式的正面図である。同図
において、長さT3はインクタンク201の側面からイ
ンクタンクスリット201aまでの距離、長さT4はタ
ンクケース208内側面からタンクケースエンド突起2
08aまでの距離、長さT5はインクタンク201の
幅、長さT6はタンクケース208の内のり幅、長さT
7はT3と反対の側面からインクタンクスリット201
aまでの距離、長さT8はT4と反対のタンクケース2
08内側面からタンクケースエンド突起208aまでの
距離である。
【0071】図11において、 (長さL1)<(長さL2) とすることにより、従来インクタンク201をまっすぐ
上方にしか引き抜けなかったものが、回転運動によって
も取り出すことができるようになり、操作性を向上させ
ることができる。しかし、長さL2を余りにも大きくと
りすぎると操作性はよくなるがキャリア203が大きく
なり、ひいては装置の大型化を招く。そこでさらに長さ
L2は以下の関係を満たすことが望ましい。 (長さL2)<(インクタンク201の主走査方向長
さ)×2 またタンクケースエンド突起208aの深さと、インク
タンクスリット201aの長さの関係は、 (長さW1)>(長さW2) とすることにより、誤挿入防止の突起の有無にかかわら
ずインクタンク201の端部をタンクケースエンド20
8bで押すことができるので、つねに安定した押圧力を
与えられ、インクタンク201と記録ヘッド200の装
着動作が円滑である。長さH1と長さH2の関係につい
ては後述する。
【0072】図12において、インクタンク201がタ
ンクケース208の中に入るためには(長さT5)<
(長さT6)でなければならないが、さらに挿入の際に
タンクケースエンド突起208aにインクタンク201
が干渉せずに円滑に挿入できるようにするには以下の式
を満たす必要がある。すなわち、 (長さT2)+(長さT4)<(長さT1)+(長さT
3) かつ (長さT2)+(長さT8)<(長さT1)+(長さT
7) とすることにより、タンクケースエンド突起208aは
インクタンクスリット201aに円滑に挿入されるよう
になる。
【0073】次にヘッドカートリッジ202とキャリア
203に関する寸法上の制約を示す。図13はヘッドカ
ートリッジ202とキャリア203に必要な寸法を示す
模式的正面図である。同図において、208cはタンク
ケース208の端部にありインクタンク201の端部と
係合するタンクケース突起、206cはヘッドホルダ2
06の端部にあり記録ヘッド200を押圧するヘッドホ
ルダ突起、位置Oは図50で回転中心となったタンクケ
ース208の上端である。
【0074】同図はヘッドカートリッジ202をキャリ
ア203内に装着する(あるいは取り外す)途中の状態
を示すものであり、ヘッドカートリッジ202を矢印C
方向にθ°まで回転させつつ上下して抜き差しするもの
である。あるいは、回転動作を伴わずに上下方向の移動
のみによって抜き差しすることも可能である。
【0075】図13において、回転動作を伴って抜き差
しする場合を考慮すると、図11にて述べたH1とH2
の関係は、 (長さH1)×cosθ>(長さH2) を満たしていれば、ヘッドカートリッジ202の抜き差
し動作に際してタンクケースエンド突起208aとイン
クタンク201が干渉することがない。
【0076】また、ヘッドカートリッジ202の抜き差
しに際しては、記録ヘッド200のインク吐出口付近に
インクがたまっている場合に、そのインクがフレキシブ
ルケーブル211のコンタクト部分に付着して電気的な
ショートを引き起こす可能性がある。そのために記録ヘ
ッド200の先端とフレキシブルケーブル211の隙間
dを抜き差し操作中でも0以上になるように配置してお
くことが望ましい。抜き差し操作中は、タンクケース突
起208cとヘッドホルダ突起206aは図52の記録
ヘッド200の斜線で示した部分のみを通過することが
できるので、位置Oからフレキシブルケーブル211の
コンタクト面までの距離Loと、記録ヘッド200の主
走査方向の長さLhの関係を、 (長さLo)−(長さLh)>0 とし、さらに位置Oの高さHoとフレキシブルケーブル
211のコンタクト面の最大高さHcの関係を、 (長さHo)+(長さLh)×sinθ>(長さHc) としておくことによりインク付着を防止することができ
る。
【0077】次に、図14ないし図18(a),
(b),(c)を用いて、図1の液体貯蔵容器の供給部
機構を中心に、記録ヘッド3−1の向きをインクタンク
3−3装着方向側へ吐出するタイプとした例として説明
するが、記録ヘッド3−1自体の吐出方向は、いずれの
方向でも良いことは言うまでもないことである。これら
の図において、特に本発明の液体充填方法においては、
後述する回復用吸引手段による吸引量の関係はより好ま
しいものであるが必須なものではない。
【0078】その関係を請求項的表現をとると以下のよ
うになる。
【0079】液体を記録剤として用いて記録を行うとと
もに、吸引手段による吸引動作に応じて前記液体の排出
を行う記録手段に接続可能で、前記記録手段に供給すべ
き液体を貯蔵する液体貯蔵容器において、前記記録手段
側の液体導入路と接続され、前記液体の貯留部から前記
液体を前記液体導入路に向けて供給するための液体導出
路を有する連結部を具備し、前記液体導出路の容積と前
記液体導入路の液体導入口から前記液体の排出を行う部
分までの容積との和が、前記吸引動作の1回あたりに排
出されるインク量より小であるように前記液体導出路の
容積を定めてあることを特徴とする。
【0080】また、別の構成としては、液体を記録剤と
して用いて記録を行うとともに、吸引手段による吸引動
作に応じて前記液体の排出を行う記録手段に接続可能
で、前記記録手段に供給すべき液体を貯蔵する液体貯蔵
容器において、フィルタを有する前記記録手段側の液体
導入路と接続され、前記液体の貯留部から前記液体を前
記液体導入路に向けて供給するための液体導出路を有す
る連結部を具備し、前記液体導出路の容積と前記液体導
入路の液体導入口から前記フィルタまでの容積との和
が、前記吸引動作の1回あたりに排出されるインク量よ
り小であるように前記液体導出路の容積を定めてあるこ
とを特徴とする。
【0081】以上において、前記連結部は、前記記録手
段との接続時にのみ前記液体の導出を可とする弁機構を
前記液体導出路に有するものとすることができる。
【0082】また、前記弁機構は前記液体導出路を開閉
する弁体と、該弁体の上流に設けられたフィルタとを有
するものとすることができる。
【0083】さらに、前記記録手段は、前記液体を吐出
するために利用されるエネルギを発生する素子として、
前記液体に膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生する素
子を有するものとすることができる。
【0084】加えて、前記吸引手段は、前記吐出口を覆
うためのキャップと、該キャップを介して吸引を行うた
めのポンプとを有するものとすることができる。
【0085】本図の上記関係では、液体貯蔵容器の記録
手段との液体(インク)流路接続を行う流路体積を以下
のように設定する。
【0086】Cv<Pv−Hv Pv:液体噴射記録装置のポンプ等吸引手段1動作当り
の流量 Hv:記録ヘッド内の流路体積 フィルタがない場合:流路入口からオリフィスまでの流
路体積 フィルタがある場合:流路入口からフィルタまでの流路
体積 Cv:液体貯蔵容器内の流路体積 これにより、インクジェット記録装置の回復ポンプの1
回当りの吸引設定値を上げる必要がない液体貯蔵容器を
実現でき、従ってまた小型でインク使用効率の高い廉価
な液体貯蔵容器、該容器を一体に有してなる記録ヘッド
ユニットおよび液体噴射記録装置を提供できる。
【0087】(吸引実施例1)図14は、本発明による
インクタンク一体型記録ヘッドユニットの構成例を示
し、具体的には図1のようなインクジェット記録装置
(詳細は後述する)に適用可能なものである。インクジ
ェット記録ヘッド3−1には通常インク中のごみを除去
するためのフィルタ3−2が流路の途中に設けられてお
り、その有効空孔径は5ミクロン〜20ミクロンであ
る。インクジェット記録ヘッド3−1と本実施例のイン
クカートリッジ3−3とはインクカートリッジ3−3か
ら突き出た矢尻状の接合機構3−4がインクジェット記
録ヘッド3−1の受け入れ部3−5と係合することで結
合される。結合と同時にインクジェット記録ヘッドのイ
ンク供給パイプ3−15はインクカートリッジの弁機構
に係合し、弁3−6を図中右方向に後退させることによ
り、インクカートリッジからインクの供給が可能とな
る。同時にOリング3−7がインク供給パイプと弁機構
との接続部の密封を行う。インクカートリッジ内、弁機
構の最上流にはカートリッジフィルタ3−8が設けられ
ている。
【0088】カートリッジフィルタの上流にはインク溜
め3−9がある。この実施例のインク溜めは圧縮収納さ
れた多孔質体3−10にインクが含浸されてなる構造を
有するものである。一般にインクジェット記録装置の性
能を安定させるためにはインクジェット記録ヘッドの吐
出口に作用するインクの圧力を負に保つ必要がある。そ
のためにはインクカートリッジのインクを負圧にするこ
とが一般的である。本実施例では多孔質体の毛細管力を
利用してインクを負圧に制御している。弁3−6はゴム
等の弾性部材で形成されおり、弁機構3−11内部を摺
動可能である。図15に示すようにインクジェット記録
ヘッド3−1とインクカートリッジ3−3とを分離した
時は、スプリング3−12の反発力により、弁の封止部
3−13と弁の受け部3−14とが密着することにより
インクカートリッジのインク密封を行う。
【0089】このようなインク供給手段を有したインク
ジェット記録ヘッドとインクカートリッジとは使用者が
任意に分離,再結合可能である。もし何らかの理由で分
離と結合とが何回も繰り返された場合、外気は少しずつ
インクジェット記録ヘッドおよびインクカートリッジの
弁機構部へ導入される。この状態では安定してインクジ
ェット記録ヘッドにインクを供給できなくなるため、記
録を継続することが極めて困難となる。本実施例では、
弁機構のインク流路の容積を非常に小さく設計してあ
り、従ってインクジェット記録装置のポンプ流量設定値
Pvが小さくても、ポンプ動作を行うことにより容易に
復帰できる。例えばインクの消費を少なくしてランニン
グコストをおさえるためには、1回当りのポンプ容量は
0.1cc以下が望ましいが、本実施例の弁機構部容積
Cvとインクジェット記録ヘッド流路のフィルタに至る
までの容積Hvとの和は前述のポンプ容量よりもさらに
少なく設計してある。その量は望ましくは0.05cc
以下である。すなわち Pv>(Cv+Hv)または Cv<(Pv−Hv) (1) であればよい。
【0090】このような設計を実施した場合のポンプ作
動時のインクの流れを以下図7にて説明する。
【0091】図14(a)はポンプ作動する前の状態を
表す。ここでインクジェット記録ヘッド3−1およびイ
ンクカートリッジ3−3の弁機構3−11内部のインク
流路は殆ど空気であり、この状態で正常な記録はできな
いものとする。
【0092】図14(b)にて最初のポンプ動作を行う
べく、吸引キャップ4−4を介してポンプ吸引を行うこ
とで、前述の式の関係によりインク溜めのインクは速や
かにインクジェット記録ヘッドのフィルタを越えた位置
まで充填される。ただしこの状態ではまだ、インクジェ
ット記録ヘッドの吐出口までインクは到達していない。
図14(c)は次のポンプ動作が行われる間のインクの
動作を示す。
【0093】最初のポンプ動作が終了したとき、ポンプ
装置は次の動作を行うために復帰動作を行うが、このと
き吸引キャップはインクジェット記録ヘッドから一旦分
離する。このときインクジェット記録ヘッドのインク流
路途中まで充填されたインクは、負圧のインク溜め3−
9に戻ろうとする。しかし、インクはインクジェット記
録ヘッドのフィルタの持つ表面張力により、このフィル
タより上流には戻らない。
【0094】図14(d)は再度ポンプ動作が行われた
場合の動作を示す。この図で明らかなように再度ポンプ
が行われるときは、インクはインクジェット記録ヘッド
のフィルタからオリフィスまでの短い区間を充填すれば
十分である。
【0095】(吸引実施例2)図15は本発明の第2の
吸引実施例を示す。この実施例ではインクジェット記録
ヘッド3−1のフィルタ5−2はインクジェット記録ヘ
ッドの供給パイプの最も上流に配置されている。従って
このインクジェット記録ヘッド3−1に組み合わせられ
るインクカートリッジ3−3の弁機構3−11の容量は
次式の関係を満足すればよい。
【0096】すなわちHv=0であるから(1)式は Cv<Pv となる。
【0097】従って本実施例のCvは第1の実施例のC
vよりも大きい値をとることが可能である。またよりP
vの少ないポンプ量を設定できるため、よりランニング
コストの低いインクジェット記録装置を実現できる。
【0098】(弁機構の実施例)図16を用いて、本発
明に用いられる弁機構部の詳細実施例とその動作を説明
する。
【0099】図16(a)は記録ヘッドが未接続の状態
における弁機構部を表す破断斜視図である。この状態で
は、弁3−6は圧縮スプリング3−12の反発力によ
り、弁機構の壁面に抑えられているため、インクが外部
へ漏れることはない。
【0100】図16(b)は弁が外部より抑えられ、弁
機構の中で動作した状態を示す。この状態で、インク溜
3−10のインクは、フィルタ3−8を通り、フィルタ
背面のテーパ部6−7、複数個設けられた連通口6−
3、および弁機構内壁の細管を経て外部へ流出可能とな
る。さらにフィルタが変形して、テーパ部を閉塞しない
ように、リブ6−8が配置されている。
【0101】このような構造を採用することで、インク
の流路抵抗を上げることなく、弁の可動範囲を最小限に
維持したまま高い信頼性で機構内部のインク流路の容積
を最小限にすることが可能となる。
【0102】図16(c)は図16(b)と同じ状態で
あるが、記録ヘッドの供給パイプ3−15が係合されて
いる状態を示す。供給パイプ3−5には、例えば上記実
施例2ではその先端面にフィルタ5−2が前述の理由で
配置されているが、フィルタと対向する弁が図16
(a)または図16(b)で示されるような形状を採用
しているため、インクの流れを妨げることはないことは
明らかである。
【0103】ここで、図1の液体貯蔵容器内部のインク
吸収体(連続多孔質スポンジ)に対してキャリッジ移動
方向の載置面に対して垂直な面(左右面)に設けられて
いるリブRについて説明する。このリブRは、本発明の
ヘッド側供給管の端部フィルタあるいは、上述したタン
ク内フィルタの当接部に対して、その周囲の圧力分布を
同心円状に均一化し、遠ざかる方向に関して同心円状に
均等な圧力を徐々に変化させるための内部スポンジ変形
を形成することにも貢献している。その一方で、リブR
自体の構造は単独で、以下に説明する有効な作用をもっ
ている。
【0104】即ち、吐出エネルギー発生手段へ供給する
ためのインクを保持するインク吸収体が収納されたイン
ク収容部を有するインクジェットカートリッジであっ
て、リブが大気連通口から始まり、インク排出部の方向
に伸びており、大気連通口から供給とりいれられた空気
が多孔体の大気連通口側以外の少なくとも1面に行き渡
るようにし、インクを吸収した多孔質体への大気の供給
を円滑にすることにより、インク吸収体から吐出エネル
ギー発生部へのインクの供給を円滑にしたことを特徴と
したインクジェットカートリッジである。
【0105】(リブ実施例1)次に、本発明のリブ実施
例を図面に基づいて説明する。
【0106】図19はインクタンク102の斜視図であ
る。以下、本発明にとって有利な構成付加部であるリブ
構成を図19を中心に説明し、合わせて参照する図面に
ついては括弧内にその図面番号を記す。
【0107】記録液滴を形成するエネルギー発生部を有
するインクジェット記録ヘッド部101と、インクを収
納するインクタンク部102が着脱可能であり、モーる
ド成形されたインクタンク102の内部にはウレタンフ
ォーム等の材質の多孔体103が圧入されている。図1
9に示した斜視図の左右の側面に具備された側面リブ1
04に多孔体103は圧接している。105は大気連通
口であり本実施例の斜視図には示さないが空気の通路は
複雑になっており、もしインクタンク102に異常が生
じ、多孔体103に保持されていたインクが多孔体10
3外に出てきたとしても大気連通口105を通りインク
タンク外に出て行きにくい構造になっている。106は
インクタンク後部に具備された後部リブであり、この後
部リブ106にも多孔体103が圧接している。この後
部リブには大気連通口105から取り入れられた空気を
多孔体103の後部の面全体に行き渡らせるためきりか
き107が付いている。このとき後部リブ106により
できた空間を利用し、多孔体103中に含まれたインク
が何らかの異常で多孔体103外に出てしまった場合の
インクを貯めるバッファ室として使用することもでき
る。本実施例に於ては側面リブと後部リブの配置されて
いる位相がずれるようになっている。側面リブ104は
インクタンク後部より大気連通口105から供給される
空気を取り込むのに十分な位置からインクタンク102
内に具備された多孔体中のインクをインクジェット記録
ヘッド101に供給するためのインク排出口108の有
る面まで続いている。そうすることにより、インクタン
ク102の後部に設けられた大気連通口105から供給
された空気は後部リブ106によりインクタンク102
の内壁と多孔体103の間に設けられた空間を通り、ま
た側面リブ104によりインクタンク102の内壁と多
孔体103の間に設けられた空間を通ることにより多孔
体103の大気連通口105のある方の面と側面2面に
完全に行き渡ることになる。このとき側面リブ104の
幅、高さ、配置のピッチ等は多孔体103の側面全体に
行き渡るに十分なものであればよい。(図19の大気連
通口と平行な面でのリブ断面)上記のようなインクタン
ク構造にすることにより多孔体103内のインクと空気
の交換が容易になされ、インクタンク内の残留インクを
減少させ、効率良く使用できることになる。
【0108】表1に側面リブの長さによるインクタンク
内のインクの残量の検討結果を示した。ここで、インク
タンクの全長が40mmであり、リブの長さをxとし
て、タンク内に占めるリブの割合毎にその結果を示して
いる。表1からリブの長さはタンク全長に対して70%
程度以上であればインク残量が1g以下となり良好な結
果を示した。
【0109】
【表1】
【0110】(リブ実施例2)第2の実施例を示した図
が図20である。
【0111】図20に於いて、大気連通口105から取
り入れられた空気は後部リブ106によりインクタンク
102内に具備された多孔体103の後部面全体に行き
渡るようにしてある。多孔体103の後部面全体に行き
渡った空気はインクタンク102の内側上下に具備され
た上下リブ201によって多孔体103の上下2面全体
に行き渡るようになっている。このとき上下リブ201
はインクタンク後部は十分空気を取り入れられるところ
から、インクジェット記録ヘッド101に届くところま
で伸びている。このようにすることによってもインクを
効率良く使用することができる。
【0112】(リブ実施例3)第3の実施例を示した図
が図21であり、直方体のインクタンクでインク排出口
と大気連通口が対向するそれぞれ異なる面に設けられた
ものにおいて、インク排出口108の有る面と平行な面
でインクタンクを切った断面図である。本実施例はイン
クタンク102の内面上下、左右にリブ301、30
2、303、304が付いているものである。上記リブ
は言うまでもなく大気連通口から供給された空気が今回
は図示しない後部リブによりできたインクタンク102
の内壁と多孔体103との空間を通り、多孔体103の
インク排出口側先端迄とどくな長さが有る。本実施例の
ような場合は、リブを4面に設けてインクタンク102
中に挿入される多孔体103の体積が多少小さくなって
も問題ないような、比較的大きなインクタンクの場合に
用いるとよい。本来インクタンク102の内壁と多孔体
103が接している面は少なければ少ないほど多孔体1
03内のインクと空気の置換が行なわれやすくなり、多
孔体103内のインクの残量が少なくなるのである。本
実施例のようにインクタンク102の内面上下、左右に
リブが配置されている場合は多孔体103のインク排出
口側の面を除く全ての面に空気が行き渡るようになり、
インクタンク内のインクの使用率が非常にあがることに
なる。上記リブに於てリブ301、302、303、3
04の各々の幅、高さ等の形状を変えてもよい。例えば
図4で言うと、インクタンク102の下側にあるリブ3
02の高さを低くする。前記のリブ形状にすることによ
り、何かの異常が生じ多孔体103中に吸収されたイン
クが多孔体103外に出てしまった場合インクタンク内
の低部にたまるが、再度多孔体103内に吸収され易い
ようにインクタンクの底面と多孔体103との間隔を狭
くしておくためである。また301、302、303、
304の各リブの高さを変え、大気連通口からインク排
出口の方向にリブにテーパー(高さの差)を付けること
によりインクタンク102内の多孔体103の圧縮率に
分布を設け多孔体103中に含まれるインクの分布を一
部分に集めることができる。
【0113】(リブ実施例4)図22は、第4のリブ実
施例を示すインクタンクの断面図である。
【0114】本実施例に於て501はリブを表し、この
リブはインクタンク102内部の上下、左右どちらに付
いていてもよい。本実施例に於て注目するところはリブ
501に設けられたテーパー部502である。このテー
パーを設けることにより、インクジェットカートリッジ
製造時に於てインクタンク102内に多孔体103を挿
入する際に、インク排出口側の503を蓋とすると、前
記テーパー502により、多孔体103がリブ501に
ひっかかることなく、スムーズにかつ多孔体103がか
たよることなく挿入することができるのである。またこ
のテーパー部は必ずしもインクタンク102中の多孔体
103よりも全体がインク排出口側に出ている必要はな
く、インク使用効率に問題なく多孔体103表面に空気
が行き渡るようであれば、テーパー部が多孔体103の
下まで来ていてもよい。
【0115】ここで図24(a),(b)は、本発明の
液体充填方法を説明するための説明図で、(a)は上述
した図1の実施例の液体貯蔵容器3−3に、前述した記
録ヘッドと同様な接続構造部TFを有する充填用容器に
よって弁機構Bを密閉状態から開状態へ変位させる前の
状態を示し、(b)は、充填用容器を接続部を中心に回
転させて充填している状態を示す。BBはボールバルブ
で、図24(a)では大気と内部インクを遮断し、図2
4(b)では大気と内部インクを連通せしめる。上述し
た接続構造部TFは、前述記録ヘッドと同様の作用で弁
機構BとフィルタFとの間に空間を形成できる。従っ
て、本発明の充填方法による効果が達成される。
【0116】尚、容器の回復用吸引手段による前述の関
係式の構成が用いられることは、この充填方法には好適
である。
【0117】
【発明の効果】本発明は、従来の液体貯蔵容器内に圧縮
多孔質体を収納する上で、個々に考えられていた部分構
成の少なくとも複数の関係夫々又はその組合せに着目
し、その技術的な作用が相乗し合って予想もできない範
囲、水準の効果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a),(b),(c)は本発明インクタン
クの第1実施例を示す模式的概要図で、(a)は吸収体
とフィルタの圧接部使用図,(b)はタンクの縦断面
図,(c)はタンクの横断面図である。
【図2】 第1実施例のヘッドカートリッジ部を示す模
式的斜視図である。
【図3】 第1実施例のキャリア部の部分的拡大図を示
す模式的断面図である。
【図4】 第1実施例のキャリア部とヘッドカートリッ
ジ部の結合方法を示す模式的斜視図である。
【図5】 第1実施例の第1形態の交換方式を示す模式
的斜視図である。
【図6】 第1実施例の第2形態の交換方式を示す模式
的斜視図である。
【図7】 第1実施例の力のかかり方を表わす模式的平
面図である。
【図8】 第1実施例の自動給紙部を示す全体斜視図で
ある。
【図9】 第1実施例のキャリアからインクタンクを取
り外した状態の模式的斜視図である。
【図10】 第1実施例のインクタンクを反記録ヘッド
取付け側から見た模式的斜視図である。
【図11】 第1実施例のタンクケースのサイズを示す
した模式的正面図である。
【図12】 第1実施例のタンクケースとインクタンク
のサイズを示した模式的平面図である。
【図13】 第1実施例のキャリアとヘッドカートリッ
ジのサイズを示した模式的正面図である。
【図14】 本発明の第1の吸引実施例によるインクタ
ンク一体型記録ヘッドユニットの断面図である。
【図15】 そのインクカートリッジと記録ヘッドとを
分離した状態を示す断面図である。
【図16】 (a)〜(d)は本発明の第1の吸引実施
例における動作説明図である。
【図17】 本発明の第2の吸引実施例を示す断面図で
ある。
【図18】 (a)〜(c)は本発明の各吸引実施例に
適用できる弁機構部の詳細およびその動作を示す説明図
である。
【図19】 本発明における第1のリブ実施例の斜視図
(インクタンク部)である。
【図20】 本発明における第2のリブ実施例の斜視図
である。
【図21】 本発明における第3のリブ実施例の斜視図
である。
【図22】 本発明における第4のリブ実施例の斜視図
である。
【図23】 図1の実施例に適用されたフィルタ用のス
トッパ(流体抵抗)である。
【図24】 本発明の液体充填方法を説明する説明図で
ある。
【符号の説明】
2−1 インクタンク 3−1 インクジェット記録ヘッド 3−2 フィルタ 3−3 インクカートリッジ 3−4 接合機構 3−5 インクジェット記録ヘッドの受け入れ部 3−6 弁 3−7 Oリング 3−8 フィルタ 3−9 インク溜め 3−10 多孔質体 3−11 弁機構部 3−12 スプリング 3−13 弁の封止部 3−14 弁の受け部 3−15 インク供給パイプ 4−4 吸引キャップ 6−3 連通口 6−8 リブ 6−4 供給パイプ 6−7 フィルタ背面のテーパ部 102 インクタンク 103 多孔体 104 側面リブ 105 大気連通口 106 後部リブ 107 きりかき 108 インク排出口 304,302,301,303 リブ 200 記録ヘッド 201 インクタンク 201a インクタンクスリット 202 ヘッドカートリッジ 203 キャリア 204 ヘッドレバー 205 タンクレバー 206 ヘッドホルダ 206 ヘッドホルダ突起 207 ヘッドホルダバネ 208 タンクケース 208a タンクケースエンド突起 208b タンクケースエンド 208c タンクケース突起 209 リードピン 210 リードピンバネ 211 フレキシブルケーブル 211a 位置決め穴a 211b 位置決め穴b 212 フレキシブルケーブルパッド 212a 位置決め穴a 212b 位置決め穴b 212c インクバリア 213 リードスクリュー 213a 位置決め穴a 213b 位置決め穴b 220 インク被供給孔 221 インク供給孔 222 結合爪 223 結合爪ガイド溝 225 位置決めピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小瀧 靖夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 佃 圭一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 須釜 定之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 堤 孝義 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−198861(JP,A) 特開 平3−136861(JP,A) 特開 平2−34354(JP,A) 特開 昭63−13749(JP,A) 特開 平5−16385(JP,A) 特開 平3−101971(JP,A) 特開 平2−214665(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/175

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録に使用される液体を貯蔵する液体貯
    蔵容器を構成する容器本体と、 前記容器本体の一側面に配され、貯蔵する液体を外部に
    供給するための液体供給口と、 前記容器本体内部に収納された前記液体を保持する連続
    多孔質体と、 前記容器本体内を大気と連通する大気連通口と、 前記連続多孔質体と当接された状態で前記液体供給口部
    分に配されたフィルタと、 を備えて構成される液体貯蔵容器において、 前記容器本体の前記液体供給口を備えた前記液体供給口
    より大きな面積を有する端面に対して連接される前記フ
    ィルタと前記連続多孔質体との当接部の中心に対して対
    称に配された側面と、前記フィルタと、の関係が、前記
    フィルタと前記連続多孔質体との当接部の周囲から前記
    側面の内壁までの最短距離が前記フィルタの直径の半分
    以下の条件を満足することを特徴とする液体貯蔵容器。
  2. 【請求項2】 前記フィルタと前記連続多孔質体との当
    接部の断面積に対して前記当部における側面によって
    囲まれた前記連続多孔質体の断面積が3.0倍以上6.
    5倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の液体
    貯蔵容器。
  3. 【請求項3】 上記容器本体の内壁には、貯蔵された液
    体の供給方向に沿った方向であって、前記連続多孔質体
    の配置領域よりも大きな範囲に延在して内方突出して
    設けられたリブを備えていることを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の液体貯蔵容器。
  4. 【請求項4】 上記請求項1乃至請求項のいずれかに
    記載の液体貯蔵容器に対して、前記液体を受ける記録ヘ
    ッドを前記フィルタを介して装着した状態で記録を行う
    液体噴射記録装置。
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