JP3238748B2

JP3238748B2 - 養毛剤

Info

Publication number: JP3238748B2
Application number: JP16043492A
Authority: JP
Inventors: 章光趙
Original assignee: 藤井株式会社
Priority date: 1992-05-26
Filing date: 1992-05-26
Publication date: 2001-12-17
Anticipated expiration: 2016-12-17
Also published as: JPH05331026A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、養毛剤に関し、特に外
用塗着の養毛剤に関する。

【０００２】

【従来の技術】諸国において、頭髪の脱毛に悩んでいる
人は多い。古来から、多数の育毛剤や養毛剤が開発さ
れ、商品が販売されてきた。しかし、脱毛症で悩んでい
る人にとって、十分に満足できるものでない。

【０００３】脱毛の多くは、神経過敏による血行虚弱が
原因で、肌、皮膚、髪に栄養が行き届かないために脱毛
する。そして、一般に脱毛症には、頭部が全面的に脱毛
した全禿、広く脱毛した普禿、脂性による脂溢性脱毛、
円形状態に脱毛した斑禿に分類できる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】その中で、特に脂溢性
脱毛で悩んでいる人が多く、かつ顕著な治療効果を挙げ
ることが難しかった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
点に鑑みたもので、上記の課題を解決するために、頭部
の禿部や薄毛部の血行状態を改良するために、毛根部を
刺激する乾姜、川椒を含む温裏薬１０〜１５％と、風寒
湿の邪を除く羌活を含む解表薬５〜１０％と、血流の留
滞を除去して血液の流れを阻滞させない田三七、紅花を
含む理血薬１５〜３０％と、虚を補養して養血、補血す
る人参、黄耆、何首鳥、補骨脂、骨砕補を含む補益薬４
０〜５０％と、邪毒を消除する苦参を含む清熱薬５〜２
０％を含有することを特徴とする養毛剤を提供するにあ
る。

【０００６】

【作用】本発明によれば、頭部の禿部や薄毛部に本養毛
剤を塗着すると、乾姜、川椒を含む温裏薬１０〜１５％
によって毛根部を刺激するとともに毛細血管を拡張し、
また羌活を含む解表薬５〜１０％によって風寒湿の邪の
留滞を行散して痺証を治療する。そしてまた、田三七、
紅花を含む理血薬１５〜３０％によって頭部に血流が停
滞するのを防いで血行を良くし、人参、黄耆、何首鳥、
補骨脂、骨砕補を含む補血薬４０〜５０％によって血虚
を補充して補血をはかったり、栄養を与え、虚を補養し
て補気して頭部の充血状態を持続し、さらに苦参を含む
清熱薬５〜２０％によって湿を除いて痒みを止め、頭髪
の養毛、育毛、発毛を促進し、特に脂溢性脱毛に有効で
ある。

【０００７】

【実施例】以下、本発明を実施例にもとづいて説明す
る。本発明の養毛剤は、頭部の禿部や薄毛部の血行状態
を改良するために、毛根部を刺激する乾姜、川椒を含む
温裏薬１０〜１５％と、風寒湿の邪を除く羌活を含む解
表薬５〜１０％と、血流の留滞を除去して血液の流れを
阻滞させない田三七、紅花を含む理血薬１５〜３０％
と、虚を補養して養血、補血する人参、黄耆、何首鳥、
補骨脂、骨砕補を含む補益薬４０〜５０％と、邪毒を消
除する苦参を含む清熱薬５〜２０％を含有することを特
徴とするもので、これらの生薬の粉末や、細切れ、顆粒
等を５０〜９０％のエチルアルコ−ル等の薬用アルコ−
ルに浸漬し、１〜４日間にわたって適宜に攪拌し、ろ過
して精製している。（それぞれ重量％である。以下、同
じ）。

【０００８】本実施例では、温裏薬を１３％、解表薬を
５％、理血薬を１５％、補益薬を５０％、清熱薬を９
％、その他に平肝熄風薬を８％を付加している。

【０００９】たとえば、温裏薬として乾姜５．０％、川
椒８．０％、解表薬として羌活５．０％、理血薬として
田三七９．０％、紅花６．０％、補益薬として人参１
９．０％、黄耆７．０％、何首烏８．０％、補骨脂８．
０％、骨砕補８．０％、清熱薬として苦参９．０％、平
肝熄風薬として天麻８．０％を配合して、８０％エチル
アルコ−ルで上記したように養毛剤を精製することがで
きる。

【００１０】

【試験例】上記養毛剤を、特に脂溢性脱毛の治験者の患
部に塗布した結果を、表１に示す。表１の通り、本養毛
剤は、脂溢性脱毛症のほとんどの人に硬毛が発生し、非
常に有効であった。

【００１１】表１脱毛症に対する治療結果

【表１】

【００１２】従来より、種々の養毛剤について試験して
いるが、脂溢性脱毛症に対して、２種以上の温裏薬を配
合するのが好ましく、また理血薬、補益薬についても同
様に好ましい。

【００１３】上記実施例で、温裏薬の番椒、解表薬の防
風、荊芥、桂枝、理血薬の丹参、桃仁、川きゅう、補益
薬の当帰、旱蓮草、菟絲子、清熱薬の白蘇皮、木瓜など
を適宜に付加したり、代替するなど、病症に対応して配
合することができる。

【００１４】実施例は、いずれも生薬の粉末、細切れ、
顆粒を薬用エチルアルコ−ルの有機溶媒に浸漬して有効
成分を抽出するようにしたが、公知のメタノ−ル、イソ
プロパノ−ル、エチレングリコ−ルなどの有機溶媒やこ
れらの混合溶液、またこれらの含水有機溶媒で抽出する
こともできるものである。また、これらの有機溶媒や含
水有機溶媒で抽出した抽出益や有効成分を濃縮凝固して
形成した粉末状等を精製水や香料、ミツロウ、ワセリ
ン、流動パラフィン等と混合し、ヘヤ−トニック、ヘヤ
−クリ−ム等として使用することもできる。

【００１５】本発明の上記した実施例は限定的なもので
なく、公知の頭髪用に有益な薬効成分やビタミンＢ₂、
Ｂ₆、Ｂ₁₆、Ｅ類、殺菌剤、香料等を添加配合するのを
除外するものではなく、本発明の趣旨に基づいてこれら
を付加したりして改良することができる。

【００１６】

【発明の効果】以上のように本発明にあっては、乾姜、
川椒を含む温裏薬によって頭部の毛根部を効果的に刺激
して毛細血管を拡張し、田三七、紅花を含む理血薬によ
って患部の血流が留滞するのを防いで血行を良くすると
ともに、羌活を含む解表薬によって風寒湿の邪の留滞を
行散して痺証を治療し、人参、黄耆、何首鳥、補骨脂、
骨砕補を含む補益薬によって、血虚の補充や補養をはか
って頭部の充血状態を維持でき、苦参を含む清熱薬によ
って痒みを効果的に防止でき、これらの相乗効果により
特に脂溢性脱毛に対してほとんどの人に硬毛が発生する
という顕著な治療効果を奏するものである。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】頭部の禿部や薄毛部の血行状態を改良す
るために、毛根部を刺激する乾姜、川椒を含む温裏薬１
０〜１５％と、風寒湿の邪を除く羌活を含む解表薬５〜
１０％と、血流の留滞を除去して血液の流れを阻滞させ
ない田三七、紅花を含む理血薬１５〜３０％と、虚を補
養して養血、補血する人参、黄耆、何首鳥、補骨脂、骨
砕補を含む補益薬４０〜５０％と、邪毒を消除する苦参
を含む清熱薬５〜２０％を含有することを特徴とする養
毛剤。