JP3238295U - パネルユニット - Google Patents

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憲市 吉永
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Abstract

【課題】パーティションによって隔てられた二つの領域の間での飛沫の到達を抑制しながら、これら二つの領域の間で音が聞こえやすくなるパネルユニットを提供する。【解決手段】パネルユニット1は、第一領域R1及び第二領域R2を隔てるパーティション100の上端の上側に間隔をあけて位置し、第一領域R1からパーティション100の上方に向かう音波を反射して第二領域R2に向けて伝播させる反射面21を有する音響パネル2と、音響パネル2が少なくともパーティション100の上端の上側に間隔をあけて位置するように音響パネル2を支持する支持体3と、を備える。【選択図】図1

Description

本考案は、パネルユニットに関する。
近年、各種ウィルスの飛沫感染を防ぐために、複数の人が居る領域(例えば音楽スタジオ、舞台、食堂、会議室など)を、板状のパーティション(例えば特許文献1参照)で区分けすることが行われている。
実用新案登録第3231413号公報
しかしながら、パーティションによって隔てられた二つの領域の間では、声などの音が聞こえにくい、という問題がある。例えば、音楽スタジオや舞台において演奏者同士(例えば歌手)の間にパーティションが設けられていると、演奏者同士の音が聞こえにくいため、アンサンブルがやりにくい。また、舞台において、演奏者と観客との間にパーティションが設けられていると、演奏者が発する音が観客に届きにくい。
なお、二つの領域の間で音が聞こえやすくなるように、パーティションの下端部に二つの領域同士をつなぐ開口を形成することも考えられる。しかし、人から発せられた飛沫は、上方よりも下方に向かう傾向が強いため、パーティションの下端部に開口を形成することは好ましくない。
本考案は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、パーティションによって隔てられた二つの領域の間での飛沫の到達を抑制しながら、これら二つの領域の間で音が聞こえやすくなるパネルユニットを提供することを目的とする。
本考案の一態様は、第一領域及び第二領域を隔てるパーティションの上端の上側に間隔をあけて位置し、前記第一領域から前記パーティションの上方に向かう音波を反射して前記第二領域に向けて伝播させる反射面を有する音響パネルと、前記音響パネルが少なくとも前記パーティションの上端の上側に間隔をあけて位置するように前記音響パネルを支持する支持体と、を備えるパネルユニットである。
本考案によれば、パーティションによって隔てられた二つの領域の間での飛沫の到達を抑制しながら、これら二つの領域の間で音が聞こえやすくなる。
本考案の第一実施形態に係るパネルユニットを示す側断面図である。 図1をII方向から見た正面図である。 図1,2のパネルユニットをパーティションから取り外して分解した状態を示す斜視図である。 本考案の第二実施形態に係るパネルユニットを示す側断面図である。 図4のパネルユニットの変形例を示す斜視図である。 本考案の第三実施形態に係るパネルユニットを示す側断面図である。 図6のVII-VII矢視断面図である。 本考案の第四実施形態に係るパネルユニットを示す側断面図である。 本考案の他の実施形態に係るパネルユニットを示す斜視図である。 本考案の他の実施形態に係るパネルユニットを示す斜視図である。 本考案のパネルユニットの別の使用例を示す側断面図である。
〔第一実施形態〕
以下、図1~3を参照して本考案の第一実施形態について説明する。
図1,2に示すように、本実施形態のパネルユニット1は、二つの領域R1,R2(第一領域R1及び第二領域R2)を隔てるパーティション100に対して設けられる。図1,2に示すパーティション100は、基準面RP(例えば床面)から上方に延びる平板状に形成されている。第一領域R1と第二領域R2とは、パーティション100を介して当該パーティション100の板厚方向に並ぶ。
以下の説明では、基準面RPに直交する方向(Z軸方向)を上下方向と呼ぶことがある。また、基準面RPに沿って第一領域R1と第二領域R2とが並ぶ方向(X軸方向)を前後方向と呼ぶことがある。また、上下方向及び前後方向に直交する方向(Y軸方向)を左右方向と呼ぶことがある。
パネルユニット1は、音響パネル2と、支持体3と、を備える。
音響パネル2は、支持体3によってパーティション100の上端の上側に間隔をあけて位置する。音響パネル2は、音波を反射する反射面21を有する。音響パネル2は、反射面21が下方に向くように配置されている。これにより、反射面21は、第一領域R1から上方に向かう音波を反射して第二領域R2に向けて伝播させることができる。また、反射面21は、第二領域R2から上方に向かう音波を反射して第一領域R1に向けて伝播させることができる。
図1において、符号PP1は、第一領域R1から音響パネル2の反射面21に至る音波の第一伝播経路を示している。また、符号PP2は、反射面21において反射して第二領域R2に向かう音波の第二伝播経路を示している。図1では、音波の第一、第二伝播経路PP1,PP2により、第一領域R1に居る人物201(第一人物201)から発せられた声などの音波が、音響パネル2の反射面21において反射して第二領域R2に居る人物202(第二人物202)に到達する様子を示している。
本実施形態において、反射面21は一つの平坦面によって形成されている。また、音響パネル2は平板状に形成されている。音響パネル2は、平坦な反射面21が上下方向に対して直交するように配置されている。平坦な反射面21は、前後方向や左右方向に対して平行してもよいが、傾斜してもよい。音響パネル2は、第一領域R1と第二領域R2とにわたって配置されている。すなわち、音響パネル2の反射面21が、第一、第二領域R1,R2の両方に跨っている。
図1,2に示すように、支持体3は、音響パネル2がパーティション100の上端の上側に間隔をあけて位置するように音響パネル2を支持する。本実施形態において、支持体3は、パーティション100に対して着脱可能に取り付けられる。また、支持体3は、上下方向における音響パネル2の反射面21の高さ位置を調整する高さ調整部を含む。
以下、本実施形態の支持体3について、具体的に説明する。
図1~3に示すように、本実施形態の支持体3は、本体部31と、調整用ブロック33と、を有する。
本体部31は、上下方向を長手方向とするブロック状に形成されている。本体部31は、溝311を有する。溝311は、本体部31の下端から上方に延びて形成されている。溝311は、左右方向において本体部31を貫通している。溝311の上端は、本体部31の上端(後述する支持面312)よりも低く位置する。本体部31の溝311には、パーティション100が配置される。本体部31は、パーティション100の上部に取り付けられる。これにより、支持体3の本体部31をパーティション100に対して着脱可能に取り付けることができる。
本体部31は、その上端に形成されて音響パネル2を支持する支持面312を有する。支持面312は、音響パネル2の反射面21が面接触するように平坦に形成されている。図1~3に例示する本体部31の支持面312では、その面積が小さい。このため、支持体3には、支持面312を拡張するための拡張用突起32が設けられている。拡張用突起32は、本体部31に対して前後方向の一方側に突出している。拡張用突起32は、本体部31の支持面312に連なる拡張支持面322を有する。拡張支持面322は、本体部31の支持面312と同様に音響パネル2を支持する面である。これら本体部31の支持面312と拡張用突起32の拡張支持面322とにより、音響パネル2を安定に支持することができる。
調整用ブロック33は、溝311の上端と溝311に配置されたパーティション100の上端との間に設けられる部材である。調整用ブロック33を溝311に設けた状態では、調整用ブロック33を溝311に設けない場合と比較して、支持体3の支持面312及び拡張支持面322が高い位置に配置される。これにより、溝311に対する調整用ブロック33の設置の有無を選択することで、上下方向における音響パネル2の反射面21の高さ位置を調整することができる。すなわち、調整用ブロック33は、本実施形態における高さ調整部として機能する。
支持体3は、例えば、上下方向の寸法が異なる複数の調整用ブロック33を有してよい。また、溝311には、例えば複数の調整用ブロック33が上下方向に並ぶように設置されてよい。これにより、音響パネル2の反射面21の高さ位置を細かく調整することができる。
図2に示すように、支持体3は、左右方向において間隔をあけて複数(図2では二つ)並んでいる。これにより、個々の支持体3の大きさ(特に支持面312、拡張支持面322の大きさ)が小さくても、複数の支持体3によって音響パネル2を安定に支持することができる。また、各支持体3の左右方向の寸法を小さくすることで、パーティション100の上端と音響パネル2との隙間を左右方向において広げることができる。
以上説明したように、第一実施形態のパネルユニット1では、下方に向く音響パネル2の反射面21が、パーティション100の上端の上側に間隔をあけて位置する。これにより、第一領域R1(又は第二領域R2)から上方に向かう音波を、反射面21で反射させて、第二領域R2(又は第一領域R1)に到達させることができる。したがって、パーティション100によって隔てられた二つの領域R1,R2(第一領域R1及び第二領域R2)の間で音が聞こえやすくなる。例えば、音楽スタジオや舞台において演奏者同士の間にパーティション100が設けられていても、演奏者同士の音を聞き取りやすくなり、アンサンブルがやりやすくなる。
また、第一実施形態のパネルユニット1では、音波は第一領域R1からパーティション100の上方を通して第二領域R2に伝わる。これにより、第一領域R1と第二領域R2との間での飛沫の到達を抑制することができる。
また、第一実施形態のパネルユニット1では、音響パネル2の反射面21が一つの平坦面によって形成されている。反射面21が一つの平坦面で形成される音響パネル2は、反射面が曲面、あるいは多数の平面の組み合わせで構成された疑似的な曲面である音響パネルと比較して、安価に製造することができる。
また、第一実施形態のパネルユニット1では、音響パネル2の反射面21が、第一領域R1と第二領域R2とにわたって配置される。これにより、二つの領域R1,R2の間で音を効率よく伝えることができる。
また、第一実施形態のパネルユニット1は、音響パネル2を支持する支持体3を備える。これにより、音響パネル2を支持体3によって所定の位置に安定に保持することが可能となる。
また、第一実施形態のパネルユニット1では、支持体3が音響パネル2の反射面21の高さ位置を調整する高さ調整部(調整用ブロック33)を有する。音響パネル2の反射面21の高さ位置を調整できることで、反射面21において反射した音波が向かう方向を適宜調整することができる。これにより、二つの領域R1,R2の間で音がより聞こえやすくなる。
また、第一実施形態のパネルユニット1では、支持体3がパーティション100に取り付けられる。このため、音響パネル2を天井から吊り下げる場合と比較して、音響パネル2を簡単に設置することが可能となる。
また、第一実施形態のパネルユニット1では、音響パネル2が、支持体3の支持面312、拡張支持面322上に載置される、すなわち、音響パネル2は支持体3に対して着脱可能となっている。音響パネル2を支持体3に対して着脱することで、二つの領域R1,R2の間で音が聞こえやすくなる状態と、二つの領域R1,R2の間で音が聞こえにくくなる状態とに、簡単に切り換えることができる。
〔第二実施形態〕
次に、図4を参照して本考案の第二実施形態について説明する。第二実施形態においては、第一実施形態と同様の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
図4に示すように、第二実施形態のパネルユニット1Aは、第一実施形態のパネルユニット1と同様に、音響パネル2Aと支持体3Aとを備える。
音響パネル2Aは、第一実施形態と同様に、パーティション100の上端の上側に間隔をあけて位置し、第一領域R1(又は第二領域R2)から上方に向かう音波を反射させて、第二領域R2(又は第一領域R1)に到達させる反射面21Aを有する。また、反射面21Aは、一つの平坦面によって形成されている。
ただし、第二実施形態の音響パネル2Aは、第一領域R1の上方と第二領域R2の上方とにそれぞれ配置され、パーティション100の上端の直上には位置しない。すなわち、音響パネル2Aは、第一実施形態のように第一領域R1及び第二領域R2にわたって配置されていない。
音響パネル2Aを支持する支持体3Aは、第一実施形態と同様に、パーティション100に取り付けられる。ただし、第二実施形態の支持体3Aは、パーティション100に取り付けられる本体部31Aと、音響パネル2Aと本体部31Aとを連結する連結部34Aと、を有する。本体部31Aは、パーティション100に固定されている。連結部34Aは、音響パネル2Aを本体部31Aに対して回転自在に連結する。連結部34Aの回転軸は、パーティション100に取り付けられた本体部31Aの上端において左右方向に延びている。
これにより、音響パネル2Aは、支持体3Aに対して使用位置P1と収納位置P2との間で移動可能とされている。音響パネル2Aの使用位置P1は、第一領域R1(又は第二領域R2)から反射面21Aに向けて伝播し、反射面21Aにおいて反射して第二領域R2(又は第一領域R1)に伝播する音波の伝播経路を形成する位置である。音響パネル2Aの収納位置P2は、上記した音波の伝播経路が形成されない位置である。図4における収納位置P2は、音響パネル2Aが前後方向においてパーティション100と重なる位置である。図4における符号PP1,PP2は、音響パネル2Aを使用位置P1に配置した状態で、第一領域R1から第二領域R2に至る音波の伝播経路の一例を示している。
また、第二実施形態の支持体3Aは、音響パネル2Aの使用位置P1の範囲内において、音響パネル2Aを支持体3Aの本体部31Aに対して所望の回転位置に保持するように構成されている。これにより、音響パネル2Aの使用位置P1の範囲内において、反射面21Aの向きを適宜調整することができる。すなわち、第二実施形態の支持体3Aは、音響パネル2Aの反射面21Aの向きを調整する向き調整部35Aを含んでいる。
第二実施形態のパネルユニット1Aによれば、第一実施形態と同様の効果を奏する。
また、第二実施形態のパネルユニット1Aでは、第一領域R1から上方に向かう音波を、第一領域R1上又は第二領域R2上に位置する音響パネル2Aの反射面21Aで反射させることで、第二領域R2に到達させることができる。同様に、第二領域R2から上方に向かう音波を、第二領域R2上又は第一領域R1上に位置する音響パネル2Aの反射面21Aで反射させることで、第一領域R1に到達させることができる。すなわち、音響パネル2Aが二つの領域R1,R2にわたって配置されていなくても、これら二つの領域R1,R2の間で音を伝えることができる。
また、第二実施形態のパネルユニット1Aでは、支持体3Aが音響パネル2Aの反射面21Aの向きを調整する向き調整部35Aを有する。音響パネル2Aの反射面21Aの向きを調整できることで、反射面21Aにおいて反射した音波が向かう方向を適宜調整することができる。これにより、二つの領域R1,R2の間で音がより聞こえやすくなる。
また、第二実施形態のパネルユニット1Aでは、音響パネル2Aが、第一領域R1(又は第二領域R2)から上方に向かう音波を反射面21Aで反射させて第二領域R2(又は第一領域R1)に至る伝播経路を形成する使用位置P1と、当該伝播経路を形成しない収納位置P2との間で移動可能となっている。これにより、二つの領域R1,R2の間で音が聞こえやすくなる状態と、二つの領域R1,R2の間で音が聞こえにくくなる状態とに、簡単に切り換えることができる。
第二実施形態において、音響パネル2Aは、例えば第一領域R1及び第二領域R2のうち一方の上方のみに配置されてもよい。
第二実施形態において、音響パネル2Aを支持する支持体3Aは、第一領域R1及び第二領域R2を前後方向に隔てるパーティション100(以下、第一パーティション101と呼ぶ。)に取り付けられることに限らず、例えば図5に示すように、左右方向において第一、第二領域R1,R2の隣に設けられた第二パーティション102に取り付けられてもよい。なお、前述した第一実施形態においても、支持体3(図1,2参照)が上記の第二パーティション102に取り付けられてもよい。
図5に例示する構成では、支持体3Aの連結部34Aの回転軸が第二パーティション102の上方において前後方向に延びている。このため、収納位置P2に配置された音響パネル2Aは、左右方向において第二パーティション102と重なるように配置される。すなわち、音響パネル2Aは、第一、第二領域R1,R2を隔てる第一パーティション101と重ならない。これにより、第一パーティション101が透明な部材である場合に、音響パネル2Aを収納位置P2に配置しても、第一パーティション101を通して第一、第二領域R1,R2の互いの領域を見やすい状態に保つことができる。なお、音響パネル2Aが透明な部材であっても、当該音響パネル2Aが図4に例示したように第一パーティション101と重なった場合、第一パーティション101を通して第一領域R1(又は第二領域R2)から第二領域R2(又は第一領域R1)に至る光の透過率は、音響パネル2Aの分だけ低下する。このため、第一、第二領域R1,R2は互いに見え難くなる。
上記したように第二パーティション102に取り付けられる音響パネル2Aは、例えば図5に示したように、左右方向において第一、第二領域R1,R2の両側に位置する二つの第二パーティション102のうち一方のみに取り付けられてもよいし、例えば二つの第二パーティション102の両方に取り付けられてもよい。
音響パネル2Aが二つの第二パーティション102のうち一方のみに取り付けられる場合、当該音響パネル2Aは、使用位置P1に配置された状態で、図5に例示するように、第一領域R1(あるいは第二領域R2)の上方のうち一部に配置されてもよいし、例えば第一領域R1(あるいは第二領域R2)の上方の全体に配置されてもよい。また、音響パネル2Aが二つの第二パーティション102の両方に取り付けられる場合、各々の第二パーティション102に取り付けられた二つの音響パネル2Aは、使用位置P1に配置された状態で、例えば第一領域R1(あるいは第二領域R2)の上方において左右方向に並ぶように配置されてよい。
図5に例示したように第二パーティション102に取り付けられる音響パネル2Aは、使用位置P1に配置された状態で、例えば第一実施形態と同様に、第一領域R1と第二領域R2とにわたって配置されてもよい。
第二実施形態において、支持体3Aの本体部31Aは、例えば第一実施形態の支持体3の本体部31と同様に溝311(図3参照)を有してもよい。すなわち、第二実施形態の支持体3Aは、例えばパーティション100に対して着脱可能であってもよいし、高さ調整部を有してもよい。
〔第三実施形態〕
次に、図6,7を参照して本考案の第三実施形態について説明する。第三実施形態においては、第一実施形態と同様の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
図6,7に示すように、第三実施形態のパネルユニット1Bは、第一実施形態のパネルユニット1と同様に、音響パネル2Bと支持体3Bとを備える。
音響パネル2Bは、第一実施形態と同様に、パーティション100の上端の上側に間隔をあけて位置し、第一領域R1(又は第二領域R2)から上方に向かう音波を反射させて、第二領域R2(又は第一領域R1)に到達させる反射面21Bを有する。また、音響パネル2Bは、第一実施形態と同様に、第一領域R1と第二領域R2とにわたって配置されている。
ただし、第三実施形態において、音響パネル2Bの反射面21Bは、第一領域R1から反射面21Bに向けて伝播し、当該反射面21Bにおいて反射した音波を第二領域R2において収束させるように形成されている。また、反射面21Bは、第二領域R2から反射面21Bに向けて伝播し、当該反射面21Bにおいて反射した音波を第一領域R1において収束させるようにも形成されている。
具体的に、音響パネル2Bの反射面21Bは、楕円の長軸23Bを中心に回転させた回転楕円面の一部である。この音響パネル2Bをパーティション100の上端の上側に配置した状態では、反射面21Bである回転楕円面の回転軸(楕円の長軸23B)上に位置する楕円の二つの焦点FP1,FP2(第一焦点FP1、第二焦点FP2)が、第一領域R1と第二領域R2とに位置する。また、楕円の二つの焦点FP1,FP2は、パーティション100の上端よりも下方に位置する。
第三実施形態において、音響パネル2Bを支持する支持体3Bは、音響パネル2Bを天井300に接続する天井接続部材36Bを有する。音響パネル2Bは、天井接続部材36Bによって天井300から吊り下げられている。天井接続部材36Bは、紐や綱、鎖などであってよい。
第三実施形態のパネルユニット1Bによれば、第一実施形態と同様の効果を奏する。
また、第三実施形態のパネルユニット1Bでは、音響パネル2Bの反射面21Bが、楕円の長軸23Bを中心に回転させた回転楕円面の一部となっている。さらに、音響パネル2Bは、反射面21Bである回転楕円面の回転軸(長軸23B)上に位置する楕円の二つの焦点FP1,FP2が、第一領域R1と第二領域R2とに位置するように配置されている。
これにより、第一領域R1に位置する楕円の第一焦点FP1から放射された音波は、反射面21Bにおいて反射して第二領域R2に位置する楕円の第二焦点FP2に収束しやすくなる。すなわち、第一領域R1から放射された音波が、第二領域R2において集音されやすくなる。同様に、第二領域R2から放射された音波が、第一領域R1において集音されやすくなる。すなわち、第一領域R1(又は第二領域R2)から上方に向かう音波を反射面21Bで反射させて第二領域R2(又は第一領域R1)において収束させることができる。これにより、パーティション100によって隔てられた二つの領域R1,R2の間で、互いの声や音がさらに聞き取りやすくなる。また、二つの領域R1,R2の周囲の音が聞こえにくくなるという利点もある。
また、第三実施形態のパネルユニット1Bでは、音響パネル2Bを支持する支持体3Bが、音響パネル2Bを天井300から吊り下げる天井接続部材36Bを有する。音響パネル2Bを天井300から吊り下げることで、音響パネル2Bを照明器具の笠(ランプシェード)としても機能させることができる。
第三実施形態において、天井接続部材36Bは、例えば第一、第二実施形態のパネルユニット1,1Aに適用されてもよい。すなわち、第一、第二実施形態の音響パネル2,2Aが、天井接続部材36Bによって天井300から吊り下げられてもよい。
第三実施形態において、天井接続部材36Bを有する支持体3Bは、音響パネル2Bの反射面21Bの高さ位置を調整する高さ調整部を有してよい。高さ調整部は、例えば紐状あるいは鎖状の天井接続部材36Bを巻き取ったり繰出したりするリールであってよい。この構成では、リールによって天井接続部材36Bを巻き取ったり繰出したりすることで、音響パネル2Bの反射面21Bの高さ位置を調整することができる。
第三実施形態において、音響パネル2Bは、例えば第一、第二実施形態と同様に、パーティション100に取り付けられた支持体3,3A(図1,4等参照)によって支持されてもよい。
第三実施形態において、反射した音波を第一領域R1や第二領域R2で収束させる反射面21Bは、回転楕円面に限らず、少なくとも一つの焦点を有する二次曲線回転面(所定の軸線を中心に二次曲線を回転させた面)であればよい。この場合、音響パネル2Bは、反射面21Bである二次曲線回転面の焦点が第一領域R1や第二領域R2に位置するように配置されればよい。このような構成では、反射面21Bで反射した音波を第一領域R1や第二領域R2に位置する二次曲線回転面の焦点に収束させることができる。
第三実施形態において、回転楕円面(二次曲線回転面)に形成された音響パネル2Bの反射面21Bは、図6,7に例示したように一つの滑らかな曲面であってもよいし、例えば多数の平坦面で近似された面であってもよい。
第三実施形態において、音響パネルは、図6,7に例示した音響パネル2Bの一部によって構成されてよい。例えば、音響パネルは、図6,7に例示した音響パネル2Bのうち左右方向の端部のみ、あるいは、左右方向の中間部のみによって構成されてよい。このような構成であっても、前述した第三実施形態の効果を奏する。
〔第四実施形態〕
次に、図8を参照して本考案の第四実施形態について説明する。第四実施形態においては、第三実施形態と同様の構成要素について同一符号を付す等して、その説明を省略する。
図8に示すように、第四実施形態のパネルユニット1Cは、第三実施形態のパネルユニット1Bと同様に、音響パネル2Cと支持体3Cとを備える。
音響パネル2Cは、第三実施形態と同様に、パーティション100の上端の上側に間隔をあけて位置し、第一領域R1(又は第二領域R2)から上方に向かう音波を反射させて、第二領域R2(又は第一領域R1)に到達させる反射面21Cを有する。反射面21Cは、楕円の長軸23Bを中心に回転させた回転楕円面の一部である。
ただし、第四実施形態の音響パネル2Cは、第一領域R1の上方と第二領域R2の上方とにそれぞれ配置され、パーティション100(図8では第一パーティション101)の上端の直上には位置しない。すなわち、音響パネル2Cは、第一実施形態のように第一領域R1及び第二領域R2にわたって配置されていない。
二つの音響パネル2Cが後述する支持体3Cによって使用位置P1に配置された状態において、二つの音響パネル2Cの反射面21Cは、同一の長軸23Bを中心に回転させた同一の回転楕円面の一部を形成している。このため、二つの音響パネル2Cを使用位置P1に配置した状態では、第三実施形態と同様に、長軸23B上に位置する楕円の二つの焦点FP1,FP2(第一焦点FP1、第二焦点FP2)が、第一領域R1と第二領域R2とに位置する。
第四実施形態において、音響パネル2Cを支持する支持体3Cは、パーティション100に取り付けられる。支持体3Cは、パーティション100に取り付けられる本体部31Cと、音響パネル2Cと本体部31Cとを連結する連結部34Cと、を有する。本体部31Cは、例えば第一、第二実施形態の支持体3,3Aの本体部31,31Aと同様であってよい。連結部34Cは、音響パネル2Cを本体部31Cに対して回転自在に連結する。連結部34Cの回転軸は、パーティション100の上端において左右方向に延びている。
図8に例示するパネルユニット1Cでは、連結部34Cが前後方向において第一、第二領域R1,R2を隔てる第一パーティション101から離れて位置する。これにより、二つの音響パネル2Cが各々の回転に伴って互いに干渉することを防いでいる。このため、本体部31Cは、左右方向において第一、第二領域R1,R2の両側に設けられた第二パーティション102に取り付けられる。
音響パネル2Cが支持体3Cの本体部31Cに対して回転自在であることで、音響パネル2Cは、支持体3Cに対して使用位置P1と収納位置P2との間で移動可能とされている。音響パネル2Cの使用位置P1は、第一領域R1(又は第二領域R2)から反射面21Cに向けて伝播し、反射面21Cにおいて反射して第二領域R2(又は第一領域R1)に伝播する音波の伝播経路を形成する位置である。一方、音響パネル2Cの収納位置P2は、上記した音波の伝播経路が形成されない位置である。図8における符号PP1,PP2は、音響パネル2Cを使用位置P1に配置した状態で、第一領域R1から第二領域R2に至る音波の伝播経路の一例を示している。
第四実施形態のパネルユニット1Cによれば、第二、第三実施形態と同様の効果を奏する。
第四実施形態において、音響パネル2Cは、例えば第一領域R1及び第二領域R2のうち一方の上方のみに配置されてもよい。
以上、本考案について詳細に説明したが、本考案は上記実施形態に限定されるものではなく、本考案の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
本考案においては、例えば図9に示すように、音響パネル2Dがパーティション100によって隔てられた三つ以上の領域R1,R2にわたって配置されてもよい。図9においては、第一パーティション101によって前後方向に隔てられた第一、第二領域R1,R2の組が、第二パーティション102で隔てられるように左右方向に三つ並んでいる。そして、音響パネル2Dは、これら第一、第二パーティション101,102の上側においてこれら六つの領域R1,R2全てにわたって配置されている。図9に例示する音響パネル2Dの反射面は、第三実施形態の音響パネル2Bと同様に回転楕円面(二次曲線回転面)の一部となっているが、例えば第一実施形態の音響パネル2と同様に一つの平坦面であってもよい。
このような構成では、パーティション100を隔てて左右方向や前後方向に並ぶ二つの領域R1,R2の間で音が聞こえやすくなる。さらに、上下方向から見て斜め方向(前後方向及び左右方向の両方に傾斜する方向)に並ぶ二つの領域R1,R2の間でも音が聞こえやすくなる。また、所定の領域の両側に位置する二つの領域(図9において例えば左右方向の両端に位置する第一領域R1と第二領域R2)の間でも音が聞こえやすくなる。
本考案においては、例えば図10に示すように、音響パネル2Eを、パーティション101,102に対して互いに直交する二つの回転軸37E,38Eを中心に回転させることで、使用位置P1と収納位置P2との間で移動可能とされてよい。使用位置P1は、音響パネル2Eが第一パーティション101の上方に間隔をあけて配置された位置である。収納位置P2は、音響パネル2Eが左右方向において第二パーティション102と重なる位置である。
図10に例示する構成では、第一パーティション101の上端に間隔をあけて位置するように音響パネル2Eを支持する支持体3Eが、互いに直交する二つの回転軸37E,38Eを有している。第一回転軸37Eは、第二パーティション102の上方において前後方向に延びている。第二回転軸38Eは、左右方向に延びており、第一回転軸37Eに接続されている。
例えば、音響パネル2Eを使用位置P1から収納位置P2まで移動させる際には、はじめに、使用位置P1に位置する音響パネル2Eを、第一回転軸37Eを中心に回転させて中途位置P3まで移動させる。中途位置P3は、音響パネル2Eが第一回転軸37Eから左右方向に向く第二パーティション102の面に沿って上方に延びるように、音響パネル2Eが配置される位置である。
次いで、中途位置P3に位置する音響パネル2Eを、第二回転軸38Eを中心に回転させて収納位置P2まで移動させる。ここで、第二回転軸38Eを中心とする音響パネル2Eの回転の軌跡は、第二パーティション102の面に沿う。このため、音響パネル2Eを第二パーティション102に対して第一、第二領域R1,R2の外側に張り出させることなく、音響パネル2Eを中途位置P3から収納位置P2まで移動させることができる。すなわち、図10に例示した構成では、図5に例示した構成と比較して、よりコンパクトな空間で音響パネル2Eを使用位置P1と収納位置P2との間で移動させることができる。
また、図10に例示した構成では、図5に例示した構成と同様に、第一パーティション101が透明な部材である場合に、音響パネル2Eを収納位置P2に配置しても、第一パーティション101を通して第一、第二領域R1,R2を互いに見やすい状態に保つことができる、という効果を奏する。
図10に例示した音響パネル2Eでは、第一、第二実施形態の音響パネル2,2Aと同様に反射面が一つの平坦面によって形成されているが、例えば、第三、第四実施形態の音響パネル2B,2Cと同様に反射面が回転楕円面(二次曲線回転面)によって形成されてもよい。
本考案において、パネルユニットの音響パネルは、例えば折り畳み可能に構成されてよい。この場合、音響パネルは、例えば可撓性を有するシートや、折り畳み可能に連結された複数の板材によって構成されてよい。
本考案において、パネルユニットは、例えば傘のような形をしていてもよい。この場合、音響パネルは傘のキャノピーによって構成され、支持体は柄(あるいは支柱)を含む傘のフレームによって構成されてよい。この場合、支持体はパーティション100に取り付けられてもよいし、パーティション100と同様に基準面RP上に載置されてもよい。
本考案において、パネルユニットは、例えば折り畳み式の庇のような形をしていてもよい。この場合には、例えば、音響パネルが可撓性を有するシートによって構成され、支持体がシート状の音響パネルを巻き取り及び繰り出し可能な部材(例えば円筒状あるいは円柱状の部材)によって構成されてよい。このようなパネルユニットは、例えば音響パネルを巻き取ったり繰り出したりするための操作ハンドルをさらに備えてもよい。
本考案のパネルユニットは、図1等に例示したように床面(基準面RP)に設置された背が高いパーティション100(例えば人物201,202が立った状態で使用する態様)に適用されることに限らず、例えば図11に示すように、机500の上面(基準面RP)に設置された背が低いパーティション100(例えば人物201,202が座った状態で使用する態様)に適用されてもよい。なお、図11に示す例では、図1~3に例示したパネルユニット1が適用されているが、図4~10に例示したパネルユニットなどが適用されてもよい。
本考案のパネルユニットは、音楽演奏に限らず、例えば対面での食事や接客など、様々な用途に適用することが可能である。
1,1A,1B,1C…パネルユニット、2,2A,2B,2C,2D,2E…音響パネル、3,3A,3B,3C,3E…支持体、21,21A,21B,21C…反射面、23B…長軸、33…調整用ブロック(高さ調整部)、35A…向き調整部、36B…天井接続部材、100…パーティション、300…天井、P1…使用位置、P2…収納位置、R1…第一領域、R2…第二領域

Claims (13)

  1. 第一領域及び第二領域を隔てるパーティションの上端の上側に間隔をあけて位置し、前記第一領域から前記パーティションの上方に向かう音波を反射して前記第二領域に向けて伝播させる反射面を有する音響パネルと、
    前記音響パネルが少なくとも前記パーティションの上端の上側に間隔をあけて位置するように前記音響パネルを支持する支持体と、を備えるパネルユニット。
  2. 前記反射面は、一つの平坦面によって形成されている請求項1に記載のパネルユニット。
  3. 前記反射面は、反射した音波を前記第二領域において収束させるように形成されている請求項1に記載のパネルユニット。
  4. 前記反射面は、楕円の長軸を中心に回転させた回転楕円面の一部である請求項1に記載のパネルユニット。
  5. 前記音響パネルは、前記第一領域の上方に配置される請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のパネルユニット。
  6. 前記音響パネルは、前記第一領域と前記第二領域とにわたって配置される請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のパネルユニット。
  7. 前記支持体は、前記パーティションの上端に対する前記音響パネルの反射面の高さ位置を調整する高さ調整部を有する請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のパネルユニット。
  8. 前記支持体は、前記音響パネルの反射面の向きを調整する向き調整部を有する請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のパネルユニット。
  9. 前記音響パネルは、前記支持体に対して、前記第一領域から前記反射面に向けて伝播し、当該反射面において反射して前記第二領域に伝播する音波の伝播経路を形成する使用位置と、前記伝播経路を形成しない収納位置との間で移動可能とされている請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のパネルユニット。
  10. 前記支持体は、前記パーティションに取り付けられる請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のパネルユニット。
  11. 前記支持体は、前記パーティションの上部に取り付けられる本体部を備え、
    前記本体部は、前記音響パネルを支持する支持面を有する
    請求項10に記載のパネルユニット。
  12. 前記本体部には、当該本体部から突出して前記支持面を拡張する拡張用突起が設けられ、
    前記拡張用突起は、前記支持面に連なり、前記音響パネルを支持する拡張支持面を有する請求項11に記載のパネルユニット。
  13. 前記支持体は、前記音響パネルが天井から吊り下げられるように前記音響パネルを前記天井に接続する天井接続部材を有する請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のパネルユニット。
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