JP3236535U - ごみの熱分解システム - Google Patents

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弘一 臼井
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Abstract

【課題】省エネルギーに適した、新しいごみの熱分解システムを提供する。【解決手段】ごみの熱分解システム10は、ごみを熱分解する熱分解炉20と、熱分解炉20からの熱分解ガスを処理する熱分解ガス加熱装置70とを備える。ここでは、熱分解加熱ガス加熱装置70を熱分解炉20の炉本体22の内部に配置する。それにより、炉本体22の内部の第1の加熱源60と、熱分解ガス加熱装置70内の第2の加熱源80との熱を互いに協力し合って有効に活用する。【選択図】図1

Description

この考案は、ごみを熱分解する熱分解炉と、熱分解に伴う熱分解ガスを処理する熱分解ガス加熱装置とを備える、ごみの熱分解システムの技術に関し、特には、熱分解ガス加熱装置を熱分解炉の炉本体の内部に配置した技術に関する。
この種のごみの熱分解システムにおいて、通例、熱分解ガス加熱装置は、熱分解炉とは別に炉本体の外部に配置する。そのような通例の配置の下では、熱分解炉内の第1の加熱源と、熱分解ガス加熱装置内の第2の加熱源とは、それぞれが独立し、それぞれが熱分解用と熱分解ガス加熱用として、別個の役割を果たす。その点、第1の加熱源と第2の加熱源との各熱エネルギーを互いに利用し合う考えは見られない。
出願人の調査によると、上のような通例の配置とは異なり、熱分解ガス加熱装置を熱分解炉の炉本体の内部に配置する技術として、特許文献1を見出すことができる。特許文献1は、熱分解炉の天井部に熱分解ガス加熱装置を配置することにより、熱分解炉の加熱源である第1のヒーターと、熱分解ガス加熱装置の加熱源である第2のヒーターとの互いの熱エネルギーを利用し合う技術を示している。
登録実用新案第3162060号公報
考案者は、省エネルギーの観点から、熱分解炉の第1の加熱源と熱分解ガス加熱装置の第2の加熱源との互いの熱エネルギーを利用し合う考え方に着目し、第1の加熱源と第2の加熱源とを両方ともに熱分解炉の炉本体の内部に配置する技術の開発を企てた。その結果、各種の実験を通して具体的な課題が明らかになった。
第1の課題は、炉本体の外壁が過剰に温度上昇することである。その温度は、ごみの熱分解システムに携わる作業者が外壁に触れた場合、作業者が火傷を生じる恐れがあるほどである。また、第2の課題は、熱分解ガス加熱装置から排気通路を通して外部に排気を排出するとき、水蒸気の発生に伴って白煙が生じるという問題である。
そこで、この考案では、そのような課題を考慮しつつ、省エネルギーに適した、新しいごみの熱分解システムを提供することを目的とする。この考案のさらなる目的については、今後の説明から明らかになるであろう。
この考案のごみの熱分解システムは、炉本体内の下方部分に第1の加熱源があり、その炉本体内でごみを熱分解する熱分解炉と、その熱分解に伴う熱分解ガスを処理する熱分解ガス加熱装置とを備える。この考案では、熱分解ガス加熱装置を熱分解炉の炉本体内に配置し、熱分解炉の第1の加熱源と、熱分解ガス加熱装置の第2の加熱源との熱エネルギーを相互に利用し合うようにする。
熱分解ガス加熱装置は、炉本体の内部にあって、上下方向に配したケーシングと、そのケーシングの内部に位置する第2の加熱源とを含む。この熱分解ガス加熱装置は、炉本体内の下方部分の第1の加熱源よりも上方に位置する。熱分解ガス加熱装置のケーシングには、上方部分に、熱分解ガスを導入する導入口があり、また、導入口とは別に上方部分の異なる部分に、加熱処理後の熱分解ガスの排気の出口がある。
熱分解ガス加熱装置のケーシングには、内部隔壁があり、導入口からケーシングの内部に導入した熱分解ガスを上方側から下方側に流し、さらに下方側から上方側に流し、加熱処理した熱分解ガスを出口から排気通路に送り出す構成である。この場合、熱分解ガス加熱装置における熱分解ガスの気流は、上方から下方、ついで、下方から上方へと180度方向転換することにより、粒子慣性により重量粒子は、ケーシングの底部に滞留する。そこで、好ましい形態では、滞留した粒子(スケール)を炉本体の内部下方に落下させるため、ケーシングの底部にスケール除去ダンパーを備える。
この考案では、排気通路にエジェクターを含む排気手段を配置することにより、排気通路から外部に排気を排出する。エジェクターは、第1の流体をノズルから噴射させるとき、その周囲の圧力が低下することにより第2の流体を吸い込む機能をもつ。ここでは、たとえばターボファンなどにより外気(大気)を高速でノズルから噴出させ、その周囲の圧力低下を利用して特定の流体を吸い込むことによって、排気通路を通して外部に排出する排気の白煙防止を図る。
したがって、排気通路のエジェクターに係る流体は、熱分解ガス加熱装置のケーシングの出口からの排気流と、エジェクター駆動流となる、大気からのノズル噴出流と、ノズル噴出流によって吸い込まれる前記した特定の流体流である。排気流は高温であるが、低温(たとえば、10~35℃)の大気からのエジェクター駆動流に比べて少量であるため、エジェクターによる混合流は、温度低下して結露を生じやすい。
その点、この考案では、熱分解炉の炉本体の外壁外側を取り囲むように外側囲みを設け、その外側囲みと炉本体の外壁との間に囲み空間を設け、その囲み空間の空気をエジェクターに取り込むようにしている。囲み空間内の空気は、炉本体の外壁外側からの熱により温まり、少なくとも大気温よりも高温、たとえば40~60℃である。そのため、そのような囲み空間内の空気をエジェクターに供給することにより、エジェクターによる混合流を、結露しない温度、たとえば120℃以上にすることができ、露点以上の温度で排気、したがって、排気の白煙防止を図ることができる。
外側囲みに設けた吸込み孔から入る外からの空気は、囲み空間内をエアーカーテン状に流れ、炉本体の外壁からの熱を吸収し、それに伴って、囲み空間内の空気を温める。その温めた空気がエジェクターによる混合流の一部となるため、その混合流は露点以上の温度となり、排気の白煙防止のメリットを得る。
好ましい形態において、エジェクターによる混合は二段階である。すなわち、エジェクター駆動流となる、大気からのノズル噴出流と、熱分解ガス加熱装置のケーシングの出口からの排気流との第1の混合段階と、その第1の混合段階による混合流と、前記囲み空間内の空気流との第2の混合段階との二段階である。そのような二段階にわたる混合によって、ノズル噴出流を生じる、たとえばターボファンなどを制御することにより、熱分解ガス加熱装置のケーシングの出口からの排気流を適正化することができる。
実験の結果、炉本体内の上部の温度が熱分解反応にほぼ比例することを確認した。そこで、その上部温度を検知することにより、エジェクターによるノズル噴出流を生じる、ターボファンなどの機器を電気的に制御し、熱分解ガス加熱装置のケーシングの出口からの誘因ガス量、また、熱分解ガス加熱装置内での熱分解ガスの滞留時間を適正に制御することができる。
処理すべきごみの特性に応じて、炉本体内の第1の加熱源の周囲の構成を変えることができる。第1の加熱源の近くには、一般的に、処理すべきごみを載せる火格子の役割をする火格子部材がある。高分子系の廃棄物、プラスチックや紙類などは、熱分解反応が比較的に容易であり、それらの熱分解は火格子部材上で促進するので、火格子部材のすき間を通して下方に落下し炉底に堆積することは少ない。そのようなごみについては、火格子部材のすき間の大きさを比較的に小さくするのが良い。それと同時に、熱分解反応をさらに促進させるため、火格子部材の上面部分に、セラミックボール等の蓄熱機能をもつ、粒状物層と、その層の粒状物を撹拌する撹拌手段とを備えるようにすると良い。なお、粒状物については、たとえば10~15φの単一サイズを用いることもできるし、サイズの異なる混合サイズを用いることもできる。
それに対し、ガラス、陶磁器、非鉄金属などの無機物は熱分解が困難である。そのような無機物については、火格子部材のすき間を大きくし、炉底に落下させるようにするのが好ましい。その場合、火格子部材のすき間を通して、融点の低い処理物(たとえば、軟質プラスチック、ポリエチレン、ポリプロプレンなど)が炉底に堆積する。そのため、そのような炉底の堆積物を再熱分解するよう、炉底に補助加熱源を配置するのが好ましい。
この考案のごみの熱分解システムの全体像を示すシステム図である。 図1のシステムで用いるエジェクターを含む排気通路の部分を示す部分的な説明図である。 この考案のごみの熱分解システムの別の全体像を示すシステム図である。 エジェクターを含む排気通路の部分の別の形態を示す部分的な説明図である。
図1は、この考案を適用したごみの熱分解システムの一実施形態であり、全体像を示すシステム図である。この熱分解システム10の中心は、熱分解炉20である。熱分解システム10は、大型施設で集中的に処理する、今までの一般的なごみの処理とは異なり、小型で複数の個所で分散的に処理する、オンサイト処理向けである。そのため、熱分解炉20の容量は、たとえば200~800リットルほどであり、格子面積は0.5平方メートル以下である。熱分解炉20の炉本体22は筒型(一般的には、断面四角形状であるが、断面円形状も考えられる。)であり、上下方向の高さが横方向の幅よりも大きい。
そのような大きさの熱分解炉20の炉本体22は、保温材を含む外壁24のほか、その外壁24の外側を取り囲む外側囲み26を備える。外側囲み26は、パネル材で構成することができる。外側囲み26は、外壁24から少し離れており、外側囲み26と外壁24との間に、所定の囲み空間28がある。外側囲み26の下部周縁部には、外気取入れ口262があり、また、外側囲み26の上部には、エジェクターを含む排気手段(後で述べる)に関係する空気吸込み口264がある。そのため、囲み空間28には、上部の空気吸込み口264の吸込み力によって、下部の外気取入れ口262から外気が入り込む。その外気は、囲み空間28内を下から上へとエアーカーテン状に流れ、その流れの間、外壁24からの熱を吸収し、外気温よりも暖かい空気流となる。囲み空間28内の空気流は、また、外壁24を取り囲み、外部に露出する外側囲み26の温度上昇を抑える。それにより、外側囲み26は、パネル材による外観映えを生み出すだけでなく、外壁24の熱から作業者を守ることになる。
炉本体22の外壁24の部分に目を向けると、上部部分にごみの投入装置30があり、また、側部の下方部分に上部点検口40および下部点検口42がある。上部点検口40は、炉本体22内の火格子部材50の上部に臨み、また、下部点検口42は、火格子部材50の下部に臨んでいる。
投入装置30は、炉本体22の内部に処理すべきごみを投入するための装置である。投入装置30には、安全性を確保するため、その一部あるいはそれに隣り合う上部壁面に脆弱な壁面を設けることにより、防爆排気の機能をもつようにすること、また、二重扉の構造にすることにより、投入口を開けたとしても炉本体22の内部が投入装置30を通して外気に開口しないようにすることが好ましい。
ごみの投入については、炉本体22の内部温度が熱分解の温度に達した時点で行う。その際、インターロック機構を解除し、外側の上部扉32を開け、ごみを投入装置30の中に入れる。そのごみの投入段階では、投入装置30の内側の下部スライド扉34が閉じたままである。次いで、上部扉32を閉じた後、下部スライド扉34を開いてごみを炉本体22の内部に投入し、投入後に下部スライド扉34を閉じる。
炉本体22の内部において火格子の役割を果たす火格子部材50は、炉本体22の内部を上下に二分し、上部ゾーン220と下部ゾーン222とに区画する。火格子部材50は、通常、一層の配置であるが、二層の配置にし、処理すべきごみの特性に応じて火格子部材50によるすき間の大きさを変えることもできる。熱分解を行う上部ゾーン220は、火格子部材50の下方の下部ゾーン222に比べて大容量である。熱分解のための熱を得る主な熱源として、火格子部材50の上あるいは下の一方、または上下の両方に第1の加熱源としての電熱ヒーターを配置する。図の例では、火格子部材50の下に電熱ヒーター60を配置している。
さらにまた、第1の加熱源としての電熱ヒーター60の下方の炉底に、補助加熱源として炉底電熱ヒーター62を配置している。炉底電熱ヒーター62は、火格子部材50の下方の下部ゾーン222を上部ゾーン220よりも高温(たとえば、700℃~900℃)にする。そのため、火格子部材50を通して炉底に堆積した熱分解による残渣中の未分解有機成分は、その高い温度によりさらに分解し減容する。そのような残渣のさらなる分解には、炉底電熱ヒーター62のほか、その炉底電熱ヒーター62に近接する炉底のセラミックスキャスター622も寄与する。セラミックスキャスター622は、加熱により遠赤外線を発生し、分解をさらに促進する。
この考案のごみの熱分解システム10における一つの特徴は、熱分解炉20による熱分解に伴う熱分解ガスを処理する熱分解ガス加熱装置70の配置および構成にある。第1に、熱分解システム10では、熱分解ガス加熱装置70を熱分解炉20の炉本体22の内部に配置している。その配置により、熱分解ガス加熱装置70がもつ第2の加熱源と、熱分解炉20の第1の加熱源60との熱エネルギーを相互に利用し合うことができる。また、第2に、熱分解ガス加熱装置70の中における処理すべき熱分解ガスの気流の流れを特定方向に規制することにより、処理に伴って生じる粒子(スケール)の処分を容易にする。
熱分解ガス加熱装置70は、縦長のケーシング72を備える。そのケーシング72は、上端が炉本体22の天井部(外壁24の天井部)に達し、下端が火格子部材50の高さ位置に達している。すなわち、ケーシング72は、炉本体22内の上部ゾーン220の全体に行きわたるほどの縦長形状である。図に示すケーシング72の一側面は、炉本体22の外壁24の内面に密接している。その一側面については、炉本体22の外壁24の一部と共通にして構成することもできる。
熱分解ガス加熱装置70のケーシング72には、炉本体22の内側に面する上方部分に、処理すべき熱分解ガスを導入する導入口720があり、また、導入口720とは別に上方部分の異なる部分(外壁24に近い側の部分)に、加熱処理後の熱分解ガスの排気の出口722がある。
また、熱分解ガス加熱装置70のケーシング72の内部には、内部隔壁74がある。内部隔壁74は、ケーシング72の上部天井部から下方の底部に向かって延びることにより、ケーシング72の内部を導入口720により近く連絡する第1室761と、出口722により近く連絡する第2室762とに区画する。この区画により、導入口720からケーシング72の内部に導入した熱分解ガスは、第1室761内を上方側から下方側に流れ、下端で方向転換し、さらに第2室762内を下方側から上方側に流れて、出口722を通して排気通路へと移動する。そして、導入口720により近く連絡する第1室761には、第2の加熱源である電熱ヒーター80が多段にわたって配置されている。それらの電熱ヒーター80により、ケーシング72の内部は、炉本体22内部の上部ゾーン220よりも高温(たとえば、650℃~950℃)になる。そのため、上部ゾーン220における発生ガス、つまりミスト化した熱分解ガスは、ケーシング72の第1室761中でさらに分解され、臭気や煤塵が除去低減される。その結果、スケールが発生するが、そのスケールの多くは、高温のために電熱ヒーター80やケーシング72および内部隔壁74に付着せず、第2室762側に流れる。
ケーシング72の内部の第1室761の空間体積をV1、第2室762の空間体積V2とするとき、V1<V2とするようにするのが好ましい。なぜなら、ケーシング72内に発生するスケールをケーシング72の底部に落下させやすいからである。熱分解ガス加熱装置70における熱分解ガスの気流は、第1室761内を上方から下方、ついで、第2室762内を下方から上方へと180度方向転換する。その際、空間体積のより大きい第2室762内では、第1室761内の気流の速度よりも遅くなり、粒子慣性により重量粒子が、ケーシング72の底部に滞留しやすい。そこで、ケーシング72の底部にスケール除去ダンパー78を設ける。そのスケール除去ダンパー78を手動あるいは自動で開閉することにより、滞留したスケールを炉本体22の内部の下部ゾーン222に落下させることができる。
熱分解ガス加熱装置70のケーシング72の出口722は、炉本体22の外部に連絡する排気通路に通じる。この考案では、その排気通路にエジェクター90を含む排気手段を備える。ターボファン92が、エジェクター90のエジェクター駆動流(つまり、ノズル噴出流)を作り出す。ターボファン92によるエジェクター駆動流によって、エジェクター90は、熱分解ガス加熱装置70のケーシング72の出口722からの排気流を生じ、しかもまた、外壁24と外側囲み26との間の囲み空間28からの空気を吸い込み、それらの両流れを混合して外部に排気する。
エジェクター90は、流れの混合を二段にわたって行うダブルタイプが好ましい。ダブルタイプによれば、ターボファン92の回転数を制御することにより、出口722からの排気流(つまり、排気の吸引量)をより適正に調整することができるからである。また、排気の吸引量の制御により、熱分解ガス加熱装置70における処理ガスの滞留時間を調整できるので、第1室761内での熱分解時間を適切に制御することができる。
図2は、ダブルタイプのエジェクター90を用いた排気手段を含む排気通路周りを示す部分図である。この図2を参照しながら、エジェクター90の構成および機能を説明する。排気通路は、熱分解ガス加熱装置70のケーシング72の出口722から囲み空間28を横断し、外側囲み26の外部に至る径路である。出口722には、先端に第2のノズル902aをもつ中径パイプ902が垂直に立っている。第2のノズル902aは、外側囲み26の上部部分を貫く高さである。そして、大径な排気パイプ904が、第2のノズル902aの周りを取り囲むように立っている。排気パイプ904は、外側囲み26に支持され、その下端内周部に樋904dをもつ。この樋904dによって、排気パイプ904の内周面に付着する水分を集め、集めた水分を図示しないドレインパイプを通して炉本体22の内部に戻すことができる。
また、中径パイプ902の内側には、先端に第1のノズル901aをもつ小径パイプ901が、中径パイプ902と軸心を一にして(同心状に)立っている。この小径パイプ901は、連絡パイプ903を通してターボファン92に連絡する。したがって、ターボファン92が吸い込む大気(たとえば、10~35℃)は、連絡パイプ903を通して小径パイプ901先端の第1のノズル901aから噴出する。その噴出流は、エジェクター90の第1段の駆動流となり、出口722および中径パイプ902を通して、熱分解ガス加熱装置70のケーシング72の内部からの排気流を吸引する。
吸引された排気流は、第1のノズル901aから噴出する大気と混合し、その混合した流れが中径パイプ902の第2のノズル902aから噴出し、その噴出流がエジェクター90の第2段の駆動流となる。第2の駆動流は、囲み空間28内の空気(たとえば、40~60℃)を吸引する。吸引された空気流は、第2のノズル902aからの噴出流と混合し、その混合した流れが排気パイプ904を通して外部に排気される。エジェクター90による二段の混合作用により、出口722からの高温の排気(たとえば、600~700℃)は、たとえば120~150℃程度の温度となり、外部に排気される。この外部への排気は、露点に達しない温度であり、しかも高速で撹拌混合されつつ排気されるので、水蒸気に起因する白煙の発生を有効に減少させることができる。
図3は、この考案のごみの熱分解システムの別の実施形態を示す。この図3の実施形態の熱分解システム100は、一部を除いて、すでに述べた図1の実施形態の熱分解システム10と同様である。そこで、同様の構成部分については、主要な部分について同一の符号を付け、それぞれについての説明は省略する。
図3の実施形態の熱分解システム100は、火格子部材50の周囲の構成に異なる特徴をもつ。熱分解システム100においても、炉本体22の下方部に火格子部材50があるが、ここでは、その火格子部材50の上面に、第1の加熱源である電熱ヒーター60、そしてその電熱ヒーター60を被うようにセラミックスボールの充填層53を配置している。それにより、充填層53は、電熱ヒーター60の熱を受けて高温状態になる。充填層53上に載るごみは、セラミックスボールと密に接触し、熱分解反応を促進することになる。充填層53を構成する粒状のセラミックスボールを撹拌するため、層中に撹拌手段55がある。撹拌手段55としては、ギヤードモーターにより回転する撹拌ブレード、あるいは、充填層53中に配置した振動部材を用いることができる。
この考案については、この考案の考え方の範囲でいろいろな変更を行うことができる。たとえば、図に示す各実施形態においては、一つの炉本体22の中に、一つの熱分解ガス加熱装置70を設けているが、一つの炉本体22の中に、二つあるいは複数の熱分解ガス加熱装置70を設けることもできる。また、熱分解ガス加熱装置70を炉本体22の一方の側面に設けているが、熱分解ガス加熱装置70を炉本体22の全周にわたるように設けることもできる。
さらにまた、図示した実施形態では、一つの炉本体22と一つの熱分解ガス加熱装置70を含む、いわばシングルタイプである。それに対し、そのようなシングルタイプのものを二つ、あるいは4つ背中合わせになるように設けることにより、タンデムタイプあるいはそれ以上の複数タイプの形態にすることもできる。
図2のエジェクターの配置形態とは異なり、ターボファン92を外側囲み26内の囲み空間28の中に配置することもできる。その具体的な形態を図4に示す。囲み空間28内のターボファン92は、囲み空間28内の暖かい空気を吸い込み、それをエジェクター900に運ぶ。このエジェクター900の駆動流は、ノズル901aから噴出する噴出流の一段である。その噴出流は、出口722からの高温の排気と混合し、外部に排気される。この形態では、ターボファン92は、外側囲み26によって外部への騒音発生を抑えるという利点のほか、囲み空間28内の空気が外気よりも高温であるため、白煙防止効果が高まるという利点を得ることができる。なお、囲み空間28内には、ターボファン92のほか、ターボファン92の流れを制御するダンパー92d、酸素導入および酸素濃度調整のための逆止弁28v、酸素濃度調整バルブ28cなどの操作作動機器がある。その点、囲み空間28内の空気は、たえず入れ替わるため、それらの操作作動機器の作動環境は良好である。
10,100 ごみの熱分解システム
20 熱分解炉
22 炉本体
24 外壁
26 外側囲み
28 囲み空間
30 ごみの投入装置
50 火格子部材
53 充填層
55 撹拌手段
60 電熱ヒーター(第1の加熱源)
62 電熱ヒーター(補助加熱源)
70 熱分解ガス加熱装置
72 ケーシング
720 導入口
722 出口
74 内部隔壁
761 第1室
762 第2室
78 スケール除去ダンパー
80 電熱ヒーター(第2の加熱源)
90,900 エジェクター
92 ターボファン

Claims (6)

  1. 炉本体内の下方部分に第1の加熱源があり、その炉本体内でごみを熱分解する熱分解炉と、その熱分解に伴う熱分解ガスを処理するため、炉本体内であって、第1の加熱源よりも上方に位置する部分に熱分解ガス加熱装置とを備える、ごみの熱分解システムであって、次の各構成および条件を満たす、熱分解システム。
    A 前記熱分解炉は、炉本体の外壁外側を取り囲む外側囲みを含み、その外側囲みと炉本体の外壁との間に囲み空間がある。
    B 前記熱分解ガス加熱装置は、炉本体内に、上下方向に配したケーシングと、そのケーシングの内部に位置する第2の加熱源とを含む。
    C 前記ケーシングの上方部分に、熱分解ガスを導入する導入口があり、しかも、ケーシングには内部隔壁があり、ケーシングの内部に導入した熱分解ガスを上方側から下方側に流し、さらに下方側から上方側に流す構成であり、さらに、ケーシングの上部に出口がある。
    D 前記ケーシングの上部の出口は、炉本体の外部に連絡する排気通路に通じ、その排気通路には、排気の流れを生じるエジェクターを含む排気手段がある。
    E 前記エジェクターによる排気に対し、外気温よりも高い前記囲み空間内の空気を供給することにより、前記排気通路を通して外部に排出する排気の白煙防止を図る。
  2. 前記熱分解ガス加熱装置のケーシングは、前記炉本体内において、前記第1の加熱源の高さ位置から、前記炉本体の上面位置にまで行き渡る、請求項1のごみの熱分解システム。
  3. 前記熱分解ガス加熱装置のケーシングは、そのケーシングの底部に、底部内に堆積するスケールを、ケーシングの内部から炉本体の内部に落下させることができるスケール除去ダンパーを備える、請求項1のごみの熱分解システム。
  4. 前記熱分解ガス加熱装置のケーシングの内部は、前記内部隔壁により、前記導入口により近く連絡する第1室と、前記出口により近く連絡する第2室とに区画されており、それら第1室の空間体積をV1、第2室の空間体積をV2とするとき、V1<V2の関係がある、請求項1のごみの熱分解システム。
  5. 前記第1の加熱源、および前記第2の加熱源は、それぞれ電熱ヒーターを備える、請求項1のごみの熱分解システム。
  6. 前記炉本体内の下方部分の第1の加熱源の近くに、火格子部材があり、しかも、次のPあるいはQのいずれかの構成を備える、請求項1のごみの熱分解システム。
    P 前記火格子部材の下方の前記炉本体の底部に補助ヒーターがあり、その補助ヒーターにより、前記火格子部材を通して前記炉本体の底部に落ちる堆積物を再熱分解する構成。
    Q 前記火格子部材の上面部分に、セラミックスボール等の蓄熱機能をもつ、粒状物を含む層と、その層の粒状物を撹拌する撹拌手段とを備える構成。
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