JP3235576U - 収納容器及び陳列什器 - Google Patents

収納容器及び陳列什器 Download PDF

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Abstract

【課題】収納容器の手前若しくは前方となる位置を収納対象物の取出位置とし、所定の操作で収納対象物を取出位置に繰り出し可能に設けて取り出しできる収納容器と、これを用いた陳列什器を提供する。【解決手段】転動可能な外周形状を備えた収納対象物Gを案内する傾斜角度の案内部と、その前端部で収納対象物Gの転動を規制するストッパ部26とを有する容器本体30と、容器本体の内外に延在して前後が上下に揺動可能なアーム部材28を含む操作手段29とにより収納容器12が構成されている。収納容器は陳列什器のケースに出し入れ可能に設けられている。アーム部材28の前端部に取出位置を形成する操作部39を備え、この操作部を押し下げることで、アーム部材の後端側が収納対象物を押し上げて当該アーム部材側に転動させるようになっている。【選択図】図2

Description

本考案は収納容器及び陳列什器に係り、更に詳しくは、転動可能な外周形状を備えた筆記用具、化粧用具等、棒状若しくは軸状をなす収納対象物の収納に適合するとともに、所定の操作を介して取出位置まで収納対象物を転動させてこれを取り出すことができる収納容器と、この収納容器を所定のケース内に出し入れ可能に設けてショップ内で商品陳列に利用することができる陳列什器に関する。
棒状若しくは軸状をなす筆記用具等を文具ショップ内で販売するための収納容器若しくは陳列什器としては、例えば、特許文献1に示されているように、上端が開口する複数の角筒状の収納部を備えた箱状のケースを用いたものが知られている。同文献1における各収納部には、当該収納部毎に筆記用具が複数本ずつ立て掛けた姿勢で収納され、購入する際には、消費者が所望の筆記用具を収納部から抜き出すものとなっている。
収納対象物の収納姿勢が異なる他のタイプの収納容器若しくは陳列什器としては、例えば、特許文献2に開示されたものが知られている。
実用新案登録第3203440号公報 特開2018−2278号公報
特許文献2記載の収納容器は、円形断面を有する収納対象物(缶)を転がり動く姿勢で収容する容器本体を含み、当該容器本体の内部空間を上下2つの収容室に仕切るとともに連続する通路を形成する仕切板を備え、上側の収容室の前端部を収納対象物の補充口とする一方、下側の収容室の前端部を収納対象物の取出口として形成されている。この収納容器は、収納対象物が上側の収容室から下側の収容室に転がって取出口に位置することで、収納容器の前端部から一つずつ取り出し可能とされている。
しかしながら、特許文献2記載の収納容器は、収納対象物の外周形状を利用することで、当該収納対象物を取出口に位置させる点で特許文献1と異なるに過ぎず、例えば、収納対象物の残りが少なくなったときには、当該収納対象物が下側の収容室の途中で止まって取出口に位置させることができなくなるような不都合を生じ得る。
また、特許文献2の収納容器は、上側の収容室から下側の収容室に収納対象物を転がるようにしただけであって、消費者による操作で取出位置に収納対象物を位置させるような構造は採用されていない。
[考案の目的]
本考案は、収納容器の手前若しくは前方となる位置を収納対象物の取出位置とし、当該収納対象物を容易且つ確実に取り出しできるとともに、前記取出位置まで収納対象物を転動して繰り出す操作を消費者において行うようにした収納容器と、当該収納容器を用いた陳列什器を提供することにある。
また、本考案の他の目的は、デザイン、機能に関して、従来にない斬新性を付与することで、ショップ内での陳列レイアウト等に多様性を付与することが期待できる収納容器及び陳列什器を提供することにある。
本考案の更に他の目的は、常時は収納対象物が収納容器内に収納された状態を維持する一方、必要とする場合にのみ取出位置に収納対象物を位置させることで、収納対象物に埃等が堆積してしまうような不都合を回避することができる収納容器及び陳列什器を提供することにある。
また、本考案の他の目的は、従来の収納容器との相違を顕著なものとして販売促進という副次的効果を狙った収納容器及び陳列什器を提供することにある。
前記目的を達成するため、本考案は、実用新案登録請求の範囲記載の構成を採用したものである。具体的には、左右の側壁と、前壁と、後壁とを有する周壁と、当該周壁の内側に設けられるとともに、転動可能な外周形状を備えた棒状の収納対象物を後壁側に向って転動させた後に前壁側に転動方向を転回させる傾斜角度に設けられた案内部と、当該案内部の最終位置を形成する前端部に設けられて収納対象物の転動を規制するストッパ部とを有する容器本体と、
前記容器本体の前記前壁側で内外に延在するとともに前後が上下方向に交互に変位するように揺動可能に支持されたアーム部材を含む操作手段とを備え、
前記操作手段は、前記アーム部材の前端側に前記収納対象物の取出位置を形成する操作部を備えている一方、後端側に前記収納対象物の押し上げ部を備え、
前記操作部を下方に押圧して前記押し上げ部を上方に変位させることで、前記ストッパ部で転動規制された最先の収納対象物がストッパ部を乗り越えて前記アーム部材上の前記取出位置まで転動可能に設けられる、という構成を採っている。
本考案において、前記案内部は、後部が前部よりも低い傾斜角度の上段案内部と、この上段案内部の後端から前記収納対象物を受け取り可能に設けられているとともに、前部が後部よりも低い傾斜角度を有し、且つ、前記上段案内部の中間部下方に前記前端部が位置する前後長さに設けられた下段案内部とを備え、
前記アーム部材は、前記操作部を前壁の前方に位置させる一方、後端側が前記下段案内部の下方に達する長さを備えているとともに前記押し上げ部が前記下段案内部と干渉することなく上方に変位可能に設けられる、という構成を採ることが好ましい。
また、前記上段案内部は前壁内面から後壁の手前まで延びて前記収納対象物の中央領域を転動可能に案内する中央案内部と、当該中央案内部の左右両側で当該中央案内部の途中まで延びて前記収納対象物の端部領域を転動可能に案内する端部案内部とを備え、
前記下段案内部は前記後壁の左右両側内面から前壁方向に延びて収納対象物の端部領域を案内する左右一対をなし、これら下段案内部の前端部に前記ストッパ部がそれぞれ設けられ、
前記アーム部材は、前記下段案内部に対応して左右一対に設けられているとともに、これらアーム部材は、連結部材を介して相互に連結される、という構成とすることが好ましい。
更に、前記下段案内部は、前記ストッパ部よりも前記後壁側で前記収納対象物の転動を規制する段部を更に備え、前記連結部材は前記段部で転動規制された収納対象物を押し上げて前記ストッパ部側に転動させる片部材を後端側に備えた構成を採用することができる。
また、前記案内部上を転動する収納対象物の長さに応じて案内幅を規制する左右一対のガイド片を更に含み、これらガイド片は、前記案内部に設けられた取付部に着脱可能に設けられる、という構成を採ることもできる。
更に、本考案に係る陳列什器は、前述した収納容器と、当該収納容器を前後方向に出し入れ可能に設けたケースとを備えた陳列什器であって、
前記ケースは前部開放型の箱状に設けられているとともに、前記収納容器を収容した状態で前記収納容器の前壁がケースの前面側を形成し、
前記前壁は、その下端と前記ケースの底壁若しくは棚板との間に空間が形成される上下寸法とされて前記操作手段が前壁の下方を通って前記ケースの内外に延在する、という構成を採っている。
また、前記陳列什器におけるケースは、前記収納容器を上下方向及び又は左右方向に複数列配置可能に設けられ、当該収納容器の前壁面には、収納される収納対象物の種別若しくは特性等の表示部が設けられる、という構成を採ることが好ましい。
本考案によれば、前記操作手段の操作部を下方に押圧して前記押し上げ部を上方に変位させることで収納容器内の最先の収納対象物をアーム部材が受け取り、次いで、当該アーム部材の前端側の取出位置まで収納対象物を転動させて繰り出すように設けられているため、従来にない楽しい操作感を伴って収納対象物を取り出すことができる。
また、収納容器の前部側から収納対象物を収納できるとともに、収納容器の前壁よりも手前で収納対象物を取り出しできる構成としたから、収納対象物の補充や取り出しが容易となる。しかも、デザイン及び機能において斬新性を付与することができ、収納対象物の陳列レイアウト等に多様性を付与することも可能となる。
更に、常時は収納対象物が収納容器内に収納されている一方で、必要とするときに、収納対象物を取出位置に位置させればよいものであるから、収納対象物に埃等が堆積してしまうような不都合も防止することができる。
また、前記案内部を構成する下段案内部の前端部に、収納対象物の転動を規制するストッパ部が設けられる構成を採用しているため、操作手段を操作するまでは収納対象物を収納容器内に待機させた状態を確実に維持することができ、必要とする場合にのみ操作手段の取出位置に収納対象物を繰り出すように転動させることができる。
更に、前記ストッパ部に対して後壁側で収納対象物の転動を規制する段部を更に備えた構成によれば、収納対象物を停止させる位置を二段階にでき、収納対象物を一つずつ確実に取出位置に位置させることができる。
なお、前記ガイド片を案内部に着脱可能に設けた構成によれば、収納対象物の長さに応じて案内幅を調整できるので、収納対象物の転動方向に直進性が保たれた状態で収納対象物を転がすことができる。
実施形態に係る収納容器を備えた陳列什器の要部外観斜視図。 収納容器の概略斜視図。 収納容器を構成する容器本体の平面図。 容器本体の側面図。 容器本体の正面図。 操作手段の概略斜視図。 操作手段の平面図。 操作手段の正面図。 操作手段の側面図。 操作手段の動作説明図。 図10の次の段階を示す動作説明図。
以下、本考案の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
なお、本明細書における位置若しくは方向を示す用語は、特に明示しない限り、図1に示す陳列什器を正面(A方向)に見た状態を基準とする。従って、例えば、「前」、「後」は、陳列什器の手前側と奥行側に関して用いられ、「左」、「右」は陳列什器を正面からみた場合について用いるものである。これらの用語は、本考案の理解を容易にするために用いられたものであって本考案を限定するものではなく、陳列什器を見る位置によって決定される相対的なものと理解されるべきものである。
図1において、陳列什器10は、ケース11と、当該ケース11の前部側で出し入れ可能に設けられた収納容器12とを備えて構成されている。この陳列什器10は、好ましい実施形態によれば、適宜なボックス若しくはフレーム等を用いた支持体13上に載置して利用される。ケース11及び収納容器12は、例えば、アクリル等の樹脂を成形素材として成形されているとともに、収納容器12の内側を透かして見ることができる透光性を備えて構成されている。
なお、本実施形態における収納容器12は、特に限定されるものではないが、転動可能な外周形状を備えた棒状のゲルインキボールペンの替え芯G(図2参照)を収納対象物として収納するようになっている。
前記ケース11は、それぞれ略方形の平面形状を備えた天板14、底板15、側板16、背板17及び棚板18を備え、概して前端開放型の箱状に設けられ、天板14、底板15及び棚板18には、収納容器12の収納幅を規制する直線状に延びる突条部19が前後方向にそれぞれ設けられ、これにより、収納容器12が一般的な引き出しと同じように前後に出し入れ可能となっている。
前記天板14、底板15及び棚板18には、それらの前端中央部に平面視で凹状をなす切欠部14A、15A、18Aがそれぞれ設けられており、これら切欠部14A、15A、18Aにより、収納容器12を前方に少し引き出して替え芯Gを収納するときや、収納容器12がケース11内に完全に収容された状態でも替え芯Gを取り出す際の指先のアクセスが妨げられないようになっている。
前記収納容器12は、図2ないし図5に示されるように、左右(図3中上下)の側壁21と、これら側壁21の前端間及び後端間にそれぞれ位置する前壁22及び後壁23とを含む周壁と、前壁22の内面側に連設されるとともに、前記替え芯Gを後壁23側に向って転動させた後に前壁22側の方向に転回させる傾斜角度に設けられた上下二段の案内部25(図4参照)と、当該案内部25において替え芯Gの転動を規制するストッパ部26とを備えた容器本体30と、前壁22の下部を通過して前後が上下方向に交互に変位するように支持手段27(図10参照)を介して揺動可能に支持されたアーム部材28を含む操作手段29とを備えて構成されている。
ここで、前壁22及び後壁23は、それらの上下幅寸法が側壁21の上下幅寸法よりも小さくされ、下方が前後方向に開通するように設けられており、これにより、前壁22の下方を通って操作手段29のアーム部材28が容器本体30の内外に延在するようになっている。
前記案内部25は、図3、図4に示されるように、後部(図3、4中右側)が前部(同左側)よりも低い傾斜角度の上段案内部32と、この上段案内部32の後端と後壁23との間を通って下方に落ちる替え芯Gを受け取り可能に設けられているとともに、前部が後部よりも低い傾斜角度を有し、且つ、前記上段案内部32の中間部下方に前端部が位置する前後長さに設けられた下段案内部33とにより構成されている。
上段案内部32は、図3に示されるように、前壁22の内面から後壁23の手前まで延びて替え芯Gの中央領域を転動可能に案内する中央案内部32Aと、この中央案内部32Aの左右両側(図3中上下両側)で当該中央案内部32Aの途中まで延びて替え芯Gの端部領域を転動可能に案内可能な端部案内部32Bとを備えている。端部案内部32Bは、前壁22の上端側から曲面を経て中央案内部32Aの上面に連なるように設けられている。
前記下段案内部33は、後壁23の左右両側内面から前壁22方向に延びて替え芯Gの端部領域を案内する左右一対をなし、これら下段案内部33の前端部に前記ストッパ部26が設けられている。下段案内部33は、図4に示されるように、後壁23側に湾曲部33Aと、これの前方に連なる平面部33Bとからなる。平面部33Bの前部側は、左右幅(図3中上下幅)が小さい幅狭部33Cを形成するように側壁21側が平面視L字状に切り欠かれた形状とされている。そして、この切り欠いて形成された空間Sにより、操作手段29の後述する押し上げ部44が下段案内部33と位置的な干渉を生ずることなく上下方向への変位が許容されるようになっている。また、空間Sの下方には、図2に示されるように、操作手段29の後端側の下方変位限を形成する下平面部34が位置するように形成されている。
また、本実施形態では、前記幅狭部33Cと平面部33Bとの境界を段部33Dとして幅狭部33Cが平面部33Bに対して高い位置となるように設けられ、これにより、前記ストッパ部26に対して転動方向の上流側すなわち後壁23側においても替え芯Gの転動が規制されるようになっている。
前記上段案内部32を構成する中央案内部32Aの幅方向(図3中上下方向)両側すなわち左右両側の端部にはリブ35が設けられているとともに、下段案内部33における内側の端部と、幅狭部33Cの幅方向両側の端部にはリブ36が設けられ、これらのリブ35、36に替え芯Gが接して転動するように設けられている。従って、替え芯Gの転がり抵抗は小さく保たれる一方、中央案内部32A、下段案内部33に剛性を付与することができる。
なお、中央案内部32Aの下面側における左右方向(幅方向)両側には、前後に延在する垂下片32Cが形成されている。これら垂下片32Cにおいて、前記幅狭部33Cの上方位置には、上方に凹む前後二つの湾曲縁32C1、32C2が形成されており、これら湾曲縁によって、替え芯Gの押し上げ動作がスムースに行えるようになっている。
前記ストッパ部26は、下段案内部33における前記幅狭部33Cの幅方向両側の端部に位置するリブ36の前端部を爪状に立ち上がらせることによって形成され、これにより、替え芯Gの転動を規制する最終位置が下段案内部33の前端部に形成される。
前記容器本体30の前壁22中央部には、収納対象物としての替え芯Gの種別、例えば色や太さ等の特性の他、価格等を表示する図示しないシート片を上端から差し込みできるポケット22Aが形成されている。
前記操作手段29は、図6ないし図9に示されるように、前記一対の下段案内部33に対応して設けられた左右一対のアーム部材28と、これらアーム部材28間に位置して当該アーム部材28を相互に連結する連結部材38と、アーム部材28の前端側にそれぞれ設けられて替え芯Gの取出位置を形成する操作部39とを備えて構成されている。
左右のアーム部材28は前記操作部39を前壁22の前方に位置させる一方、後端側が前記下段案内部33の下方に達する長さを備えている(図10参照)とともに相互に同一面上に位置する板状をなし、後端側には段落ち部40を介して後方に向けられた舌片状部41が連設されている。また、アーム部材28は、その幅方向両側に替え芯Gが転動するリブ42を備えて形成されている。
アーム部材28の後端側となる前記舌片状部41の左右方向外側には、リブ42に連なる片状の押し上げ部44が形成され、当該押し上げ部44は、その面を前後方向に向け、且つ、略垂直面上に位置する形状とすることで、前記下段案内部33と干渉することなく前記空間S内で上下に変位可能とされている。
また、前記連結部材38の後端側は、段差45を介して片部材からなる延長片46を備えた形状とされ、当該延長片46は、下段案内部33の段部33Dで転動が規制される替え芯Gを幅狭部33Cの上面側に押し上げるよう作用する。段差45の手前側となる連結部材38の左右両側、すなわち実質的にアーム部材28の後部内側にも内側押し上げ部44Aが形成されており、当該内側押し上げ部44Aと、前記押し上げ部44のいずれか一方により、ストッパ部26で転動規制される最先の替え芯Gを押し上げて当該ストッパ部26の前方となるアーム部材28上に乗り移らせるようになっている。また、軸長が短い替え芯Gを収納対象としたときは、内側押し上げ部44Aが替え芯Gの押し上げを行えるようになっている。
なお、上記において、内側押し上げ部44Aと、押し上げ部44のいずれか一方で替え芯Gを押し上げるとしたのは、替え芯Gの一端側すなわち芯が位置する側の径が細くなっており、押し上げ部44との間に隙間が生じるためである。
前記アーム部材28及び連結部材38の下面側には、図6、図7に示されるように、軸47を左右方向に挿抜可能とする軸受部48が形成されており、当該軸受部48に支持される軸47は操作手段29の両端から突出する長さを備え、当該突出した部分が、収納容器12の側壁21の内面に設けられた軸受50に支持され、これにより、操作手段29の前後が上下に変位するように揺動可能となっている。ここにおいて、前記軸47、軸受部48及び軸受50により、操作手段29を収納容器12に揺動可能に支持する支持手段27が構成されている。
なお、操作手段29のアーム部材28は、前記支持手段27の位置に対する前後各端部までの長さ、重さの相違により、後端側が前端側に対して下方に変位するようにバランス設定されているが、アーム部材28の後端に設けられた舌片状部41が下平面部34に当接する位置を下降限として設定されているため、アーム部材28の前端側が後端側に対して相対的に低くなる傾斜姿勢は常に維持されることとなる。
また、前記操作部39は、アーム部材28の前端に連なって替え芯Gの取出位置を形成する立ち上げ面39Aと、当該立ち上げ面39Aの上端から前方に向けられて操作面として作用する屈曲面39Bとを含み、側面視で略L字状となるように設けられている。
前記操作手段29は、操作部39の操作面39Bに下向きの押圧力を付与しない状態では、アーム部材28の後端側に設けられた舌片状部41が前記下平面部34に接する位置となるように保たれる。
なお、図2中符号55は、替え芯Gの長さに応じて案内幅を規制するガイド片を示し、当該ガイド片55は容器本体30内の左右両側に配置されて一対をなすものである。このガイド片55の下端側前後には、前部突片56及び後部突片57が設けられており、前部突片56は、上段案内部32における端部案内部32Bに設けられた取付部としての複数のスリット58に選択的に嵌合する一方、後部突片57は、下段案内部33に設けられた複数の取付部としてのスリット59に選択的に嵌合して着脱可能に設けられている。
本実施形態では、ガイド片55を用いる必要のない軸長を有する替え芯Gを収納対象としているが、軸長の短い替え芯Gを収納対象とした場合にはガイド片55を装着することで案内幅が狭められて替え芯Gの転動する方向の直進性が担保される。この場合には、アーム部材28における押し上げ部44による替え芯Gの押し上げに替えて、内側押し上げ部44Aによって押し上げが行われることとなる。
また、ガイド片55の面内には、その面を貫通する穴55Aが形成されている。この穴55Aには、操作手段29を揺動可能に支持する前述の軸47が挿通可能となっており、操作手段29の上下を反転させるともに前後の向きを逆転させた姿勢としたときに、当該操作手段29が容器本体30内に収まるようになっている。従って、収納容器12を工場出荷するようなとき等において、当該容器本体30の内側に操作手段29を収めて梱包可能となり、梱包体積を小型化できる、という効果を得ることができる。
次に、前記替え芯Gの収納と、取出し操作要領について、図10及び図11をも参照して説明する。
収納容器12に替え芯Gを収納する場合には、陳列什器10を構成するケース11の前端から収納容器12の前部側を若干引き出して行うことができる。この引き出し量は、ケース11の前端と容器本体30の前壁22との間に替え芯Gを入れることができる間隔が形成できる程度でよい。
これにより、替え芯Gは、上段案内部32を経て下段案内部33まで転動し、最先の替え芯Gが下段案内部33の段部33Dで位置規制されて替え芯Gが連続して並び、これにより、収納容器12内への替え芯Gの収納を完了することができる(図10参照)。
このようにして替え芯Gの収納を完了した後に、収納容器12を陳列什器のケース11内に完全に押し込めばよい。
前記替え芯Gを取り出すときは、操作手段29の操作部39に指先を当てて押下げるように押圧すればよい。これにより、前記連結部材38の後端側に位置する延長片46が上方に変位して替え芯Gを押し上げ、当該替え芯Gがストッパ部26による転動規制位置まで転がって停止する。この一方、最先の替え芯Gに続く次の替え芯Gは段部33Dによって転動規制されることとなる。
次いで、操作部39を再度押下げると、ストッパ部26で停止している最先の替え芯Gは、アーム部材28の後端側に設けられた押し上げ部44によって押し上げられ、ストッパ部26を乗り越えてアーム部材28上に転がり、操作部39の立ち上げ面39Aに当接する取出位置まで転動し、これにより、替え芯Gを取り出すことが可能となる。
以後同様の操作により、順次替え芯Gの取り出しを行うことができる。
なお、替え芯Gの押し上げに際し、操作部39を強く押し下げてしまうようなことがあっても、中央案内部32Aの垂下片32Cに湾曲縁32C1、32C2が形成されていることで、替え芯Gの押し上げはスムースに行われ、その後の前方移動を支障なく行うことができる。
従って、このような実施形態によれば、アーム部材28の前端側となる取出位置まで替え芯Gを転動させて繰り出してこれを取り出すことができ、既存の収納容器にない操作感を伴って収納対象物を取り出すことが可能となる。
また、収納容器12をケース11の前方に僅かに引き出すだけで替え芯Gの補充作業を容易且つ迅速に行うことが可能な陳列什器10を提供することができる。
本考案を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本考案は、これに限定されるものではない。
すなわち、本考案は、特定の実施の形態に関して特に図示し、且つ、説明されているが、本考案の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上に述べた実施形態に対し、形状、位置若しくは方向、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記記載は、本考案の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本考案を限定するものではないから、それらの形状などの限定の一部若しくは全部を他の形状等に変更しても、本考案と実質的に同一であって、本考案の思想に含まれるものとなる。
例えば、前記実施形態では収納対象物としてゲルインキボールペンの替え芯Gを図示、説明したが、転動する外周形状を備えたその他の筆記具等の文具、棒状の化粧用具(例えば、アイブローペンシル)等を収納対象物とすることができる。
また、前記案内部25や、操作手段29も図示構成例に限定されるものではなく、収納対象物を転動させて収納容器12内の所定位置で停止するように設ける一方で、操作手段29により収納対象物を受け取って取出位置に位置させることができるものであればよい。従って、案内部25や操作手段29の形状若しくは構造は、上記作用を奏する限り、種々変更することができる。
更に、陳列什器10のケース11は、図示構成例に限らず、1又は2個の収納容器を出し入れする大きさのケース等、その他のものが採用可能である。
10 陳列什器
11 ケース
12 収納容器
13 支持体
14 天板
14A 切欠部
15 底板
15A 切欠部
16 側板
17 背板
18 棚板
18A 切欠部
19 突条部
21 側壁
22 前壁
22A ポケット
23 後壁
25 案内部
26 ストッパ部
27 支持手段
28 アーム部材
29 操作手段
30 容器本体
32 上段案内部
32A 中央案内部
32B 端部案内部
32C 垂下片
32C1、32C2 湾曲縁
33 下段案内部
33A 湾曲部
33B 平面部
33C 幅狭部
33D 段部
34 下平面部
35、36、42リブ
38 連結部材
39 操作部
39A 立ち上げ面
39B 屈曲面
40 段落ち部
41 舌片状部
44 押し上げ部
44A 内側押し上げ部
45 段差
46 延長片(片部材)
47 軸
48 軸受部
50軸受
55 ガイド片
55A 穴
56 前部突片
57 後部突片
58、59 スリット(取付部)
G 替え芯(収納対象物)
S 空間

Claims (7)

  1. 左右の側壁と、前壁と、後壁とを有する周壁と、当該周壁の内側に設けられるとともに、転動可能な外周形状を備えた棒状の収納対象物を後壁側に向って転動させた後に前壁側に転動方向を転回させる傾斜角度に設けられた案内部と、当該案内部の最終位置を形成する前端部に設けられて収納対象物の転動を規制するストッパ部とを有する容器本体と、
    前記容器本体の前記前壁側で内外に延在するとともに前後が上下方向に交互に変位するように揺動可能に支持されたアーム部材を含む操作手段とを備え、
    前記操作手段は、前記アーム部材の前端側に前記収納対象物の取出位置を形成する操作部を備えている一方、後端側に前記収納対象物の押し上げ部を備え、
    前記操作部を下方に押圧して前記押し上げ部を上方に変位させることで、前記ストッパ部で転動規制された最先の収納対象物がストッパ部を乗り越えて前記アーム部材上の前記取出位置まで転動可能に設けられていることを特徴とする収納容器。
  2. 前記案内部は、後部が前部よりも低い傾斜角度の上段案内部と、この上段案内部の後端から前記収納対象物を受け取り可能に設けられているとともに、前部が後部よりも低い傾斜角度を有し、且つ、前記上段案内部の中間部下方に前記前端部が位置する前後長さに設けられた下段案内部とを備え、
    前記アーム部材は、前記操作部を前壁の前方に位置させる一方、後端側が前記下段案内部の下方に達する長さを備えているとともに前記押し上げ部が前記下段案内部と干渉することなく上方に変位可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載の収納容器。
  3. 前記上段案内部は前壁内面から後壁の手前まで延びて前記収納対象物の中央領域を転動可能に案内する中央案内部と、当該中央案内部の左右両側で当該中央案内部の途中まで延びて前記収納対象物の端部領域を転動可能に案内する端部案内部とを備え、
    前記下段案内部は前記後壁の左右両側内面から前壁方向に延びて収納対象物の端部領域を案内する左右一対をなし、これら下段案内部の前端部に前記ストッパ部がそれぞれ設けられ、
    前記アーム部材は、前記下段案内部に対応して左右一対に設けられているとともに、これらアーム部材は、連結部材を介して相互に連結されていることを特徴とする請求項1又は2記載の収納容器。
  4. 前記下段案内部は、前記ストッパ部よりも前記後壁側で前記収納対象物の転動を規制する段部を更に備え、前記連結部材は前記段部で転動規制された収納対象物を押し上げて前記ストッパ部側に転動させる片部材を後端側に備えていることを特徴とする請求項2又は3記載の収納容器。
  5. 前記案内部上を転動する収納対象物の長さに応じて案内幅を規制する左右一対のガイド片を更に含み、これらガイド片は、前記案内部に設けられた取付部に着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の収納容器。
  6. 請求項1ないし5の何れかに記載した収納容器と、当該収納容器を前後方向に出し入れ可能に設けたケースとを備えた陳列什器であって、
    前記ケースは前部開放型の箱状に設けられているとともに、前記収納容器を収容した状態で前記収納容器の前壁がケースの前面側を形成し、
    前記前壁は、その下端と前記ケースの底壁若しくは棚板との間に空間が形成される上下寸法とされて前記操作手段が前壁の下方を通って前記ケースの内外に延在することを特徴とする陳列什器。
  7. 前記ケースは、前記収納容器を上下方向及び又は左右方向に複数列配置可能に設けられ、当該収納容器の前壁面には、収納される収納対象物の種別若しくは特性等の表示部が設けられていることを特徴とする請求項6記載の陳列什器。
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