JP3234372U - 冷感ナイロンプリント生地およびこの生地を用いた衣料 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷感ナイロンプリント生地およびこの生地を用いた衣料を提供する。【解決手段】ナイロン樹脂中に冷感材料を含んだ冷感ナイロン糸と、スパン糸との混合糸にて構成されているとともに、プリント染料図案8が施されている冷感ナイロンプリント生地であって、丸編平地組織にて構成されている。正面ループ1の円弧3と正面ループ縦線4とがなす角が45°〜60°の範囲であり、正面ループとは反対側の裏面ループの円弧は裏面ループの横列と同じ方向に配列されている。【選択図】図1
Description
本考案は冷感ナイロンプリント生地およびこの生地を用いた衣料に関する。
ナイロン繊維は、ポリアミド繊維とも呼ばれており、応用範囲は非常に広範で、普通の化学繊維や天然繊維と比べて良好な耐磨耗性と強い伸び性とを持つものである。その他に、ナイロン繊維の熱伝導率は一般的な繊維の熱伝導率よりも高いという性質を有する。つまり、ナイロン繊維を用いた衣料は、一定の接触冷感あるいは接触涼感を持つ。
ナイロン繊維の染色性能は、ウールの染色性能と似ている。すなわち、ナイロン繊維は、酸性染料、分散染料、活性染料、中性染料などで染色できる。酸性染料は、強いイオン結合と静電気作用とによりナイロン高分子の端部のアミノ酸と結合できて、より良い染色効果をもたらす。このため、酸性染料は、ナイロン繊維を染色するための優先染料になる。
酸性染料は、イオン染料に属し、その化学構造に酸性基を持つ水溶性染料の一種である。酸性染料は、主に酸性媒質によって染色作用を発揮する。多くの酸性染料は、硫黄酸ナトリウム塩を含み、水に溶けることができ、色鮮やかで、しかも、色の種類がそろっている、手触りが柔らかい、といったメリットがある。
一方、衣料の一種として、冷感衣料が知られている。公知の冷感衣料は、たとえばこの衣料を構成する糸に後処理としての後加工方式やコーティング方式を適用することで、この糸の表面に冷感材料を付与することによって、実現されている(特許文献1)。
しかし、繊維などに後加工方式やコーティング方式を適用した場合は、衣料の手触りや通気性に影響を与えるだけでなく、洗濯時に冷感材料が減少して冷感効果が弱まるなどの問題点がある。
本考案は、このような背景技術における問題点を解決することができる冷感ナイロンプリント生地およびこの生地を用いた衣料を提供することを目的とする。
この目的を達成するため本考案の冷感ナイロンプリント生地は、ナイロン樹脂中に冷感材料を含んだ冷感ナイロン糸と、スパン糸との混合糸にて構成されているとともに、プリント染料図案が施されていることを特徴とする。
本考案の冷感ナイロンプリント生地は、丸編平地組織にて構成されていることが好適である。
本考案の丸編平地組織にて構成された冷感ナイロンプリント生地によれば、正面ループの円弧と正面ループ縦線とがなす角が45°〜60°の範囲であり、正面ループとは反対側の裏面ループの円弧は前記裏面ループの横列と同じ方向に配列されていることが好適である。このような構成であると、正面ループすなわち表面ループは、明るくてフラットな状態となる。これに対し反対側ループすなわち裏面ループは、光に対して小さな反射作用しか有さず、暗い。
本考案の冷感ナイロンプリント生地は、平織組織にて構成されていることも好適である。
本考案の冷感ナイロンプリント生地は、酸性染料によるプリント染料図案が施されていることが好適である。
本考案の冷感ナイロンプリント生地によれば、生地における冷感ナイロン糸の質量割合が50〜95%であるとともに、生地におけるスパン糸の質量割合が5〜50%であり、かつ両者の合計が100質量%であることが好適である。
本考案の冷感ナイロンプリント生地によれば、冷感ナイロン糸の番手が30〜200Dであるとともに、スパン糸の番手が10〜40Dであることが好適である。
本考案の衣料は、上記の冷感ナイロンプリント生地にて構成されていることが好適である。
本考案の冷感ナイロンプリント生地によれば、ナイロン樹脂中に冷感材料を含んだ冷感ナイロン糸と、スパン糸との混合糸にて構成されているとともに、プリント染料図案が施されているため、すなわち、特にナイロン樹脂中に冷感材料を含んだ冷感ナイロン糸を用いて構成されているものであるため、衣料を構成する糸に後処理としての後加工方式やコーティング方式を適用することで、この糸の表面に冷感材料を付与させたものと比べて、衣料の手触りや通気性に影響を与えることが少なく、また洗濯時に冷感材料が減少して冷感効果が弱まるなどの問題点も発生しにくいという利点がある。しかも混合糸は冷感ナイロン糸のほかにスパン糸を含んでいるため、スパン糸を含まない場合に比べてストレッチ性を向上させることができる。また本考案の冷感ナイロンプリント生地によれば、樹脂中に冷感材料を含んだ冷感ナイロン糸が用いられたものであり、糸表面に冷感材料が付与されたものではないため、生地の表面に鮮やかなプリントの色が現れる。また、この生地を使って作った衣料すなわち服は、着ている人に涼しく、また軽量性や滑らかさを感じさせる。同時に伸び性、吸汗速乾性、UVカット性などの特徴がある。
本考案の実施の形態の冷感ナイロンプリント生地は、図1および図2に示す編地の構成である。染料を用いたプリントの種類は、酸性プリントである。このため、この生地は、「冷感ナイロン酸性プリント生地」と称することもできる。なお、本考案の冷感ナイロンプリント生地は、編地に代えて、織物にて構成することもできる。
生地が編地にて構成される場合は、この編地は、図示の丸編平地組織であることが好ましい。丸編平地組織であることで、プリントを乗せやすく、また平地組織であることで、着用者の皮膚が接触したときに冷たく感じやすいためである。この生地は、冷感ナイロン糸とスパン糸とで編み立てしたものである。
冷感ナイロン糸は、ナイロン樹脂中に冷感材料を含ませたものである。このうち、ナイロン樹脂としては、適宜のものを使用することができる。冷感材料としては、雲母、玉石、石英、水晶、珪酸塩、大理石、メントールなどを挙げることができる。冷感材料は、ナノメータ〜マイクロメータ・サイズの粒子となるように粉砕したうえで、溶融状態のナイロン樹脂に添加して混練するなどの手法によって、ナイロン樹脂中に含ませることができる。具体的には、冷感材料の粒子直径は2μmくらいであることが好適である。ナイロン樹脂中における冷感材料の含有割合は、冷感ナイロン糸の製糸性を確保したうえで所要の冷感性能を発揮させるために、0.1〜3質量%の範囲であることが好適である。
本考案においては、スパン糸として、詳細には、ポリウレタン糸などを使用することができる。冷感ナイロン糸のほかにスパン糸を用いるのは、生地のストレッチ性を向上させるためである。本考案の生地においては、冷感ナイロン糸の質量割合が50〜95%であるとともに、スパン糸の質量割合が5〜50%であり、かつ両者の合計が100質量%であることが好適である。冷感ナイロン糸は衣料の着用者に冷感を与えるためにこの範囲の質量割合であることが好適であり、スパン糸は、生地のストレッチ性を向上させるためにこの範囲の質量割合であることが好適である。また、冷感ナイロン糸の番手が30〜200Dであるとともに、スパン糸の番手が10〜40Dであることが好適である。冷感ナイロン糸の番手がこの範囲であることにより、柔らかくて、風合い(肌触り)がよいという利点がある。またスパン糸の番手がこの範囲であることにより、ストレッチの強さが適度で、本考案の生地を用いた衣料を使用者が着たり脱いだりすることに影響がないという利点がある。
図1および図2に示すように、本考案の実施の形態の冷感ナイロンプリント生地は、上述のような丸編平地組織を呈する。この組織は、図示のように、正面ループ1と裏面ループ2との二つの部分で組み立てる。正面ループ1において、5は上方ループ、6は下方ループである。4は、正面ループ縦線であって、丸編みされた上下の上方ループ5の円弧どうしの接線にて構成される上下方向の直線にて構成されている。この正面ループ1の円弧3と正面ループ縦線4とは角度θが60°であるように配置される。正面ループ1は明るくてフラットである。正面ループ1とは反対側の裏面ループ2の円弧7は、この裏面ループ2の横列と同じ方向に配置される。裏面ループ2は、光に対して小さな反射作用しか有さず、暗い。
図示した生地の表面には、酸性のプリント染料図案8が付着している。この酸性のプリント染料図案8は、ロータリースクリーンプリントや、フラットスクリーンプリントなどによって形成することができる。生地を構成する糸が、ナイロンを素材とする冷感ナイロン糸を含んでいるため、酸性染料を用いて、鮮やかな色彩で染色することができる。
本考案の衣料は、上述の冷感ナイロンプリント生地を用いて作られたものである。このため、上述の冷感ナイロンプリント生地が有するすべての利点を、本考案の衣料も持つことができる。
本考案の生地は、上述のように織物にて構成することもできる。織物の場合は、平織組織とすることで、編地の場合の丸編平地組織と同様の効果を呈することができる。
本考案の実施例の冷感ナイロンプリント生地について説明する。本考案の実施例の冷感ナイロンプリント生地は、図1および図2に示すような、丸編平地組織で、ナイロン樹脂に冷感材料としての粒子直径が2μm程度の玉石を2質量%含ませた冷感ナイロン糸と、ポリウレタンにて形成されたスパン糸とで編み立てしたものである。この生地を構成する編組織は、正面ループと裏面ループとの二つの部分で組み立てたものである。この生地の表面には、ロータリースクリーンプリントまたはフラットスクリーンプリントによる酸性のプリント染料図案を付着させた。酸性プリント柄であるために、鮮やかで、色の堅牢度が良好であった。
正面ループの円弧と正面ループ縦線とは角度50°に配置され、正面ループは明るくてフラットであった。裏面ループとしての反対側ループの円弧はループの横列と同じ方向に配置され、反対側ループは光に対して小さな反射作用しか有さず、暗いものであった。
ループの組成材料における冷感ナイロンの質量割合は80%、スパン糸の質量割合は20%であった。生地の組成材料における冷感ナイロンの番手は50Dであり、スパン糸の番手は20Dであった。
本実施例の冷感ナイロン酸性プリント生地は、様々な衣料に展開できるものであった。
本実施例の冷感ナイロン酸性プリント生地の接触冷感について説明する。
接触冷感とは、一般的に「接触冷感係数Q−MAX」という概念で、人体が生地に接触する際の瞬間熱量流失の最大値であり、生地の単位面積が瞬時に持ち運べる最大の熱量でもある。この数値は生地の瞬間的な冷感性能(涼感性能)の指標であり、単位はW/cm2である。数値が大きいほど冷感が大きい、すなわち冷たく感じる。
ここでは、精密な速熱物性測定装置(Profid社製、Thermo LaboII)を採用した。そして、まず重畳センサーと加熱板とを加熱して、試料との温度差ΔT=20℃が安定してから、センサーをすばやく軽く試料に移動し、瞬間の伝達熱(W/cm2)を測定した。測定結果を表1に示す。
表1の結果より、本実施例の冷感ナイロンプリント生地の瞬間熱伝達量は0.321W/cm2であり、良好な接触冷感性能を持っているものであった。
1 正面ループ
2 裏面ループ
2 裏面ループ
Claims (8)
- ナイロン樹脂中に冷感材料を含んだ冷感ナイロン糸と、スパン糸との混合糸にて構成されているとともに、プリント染料図案が施されていることを特徴とする冷感ナイロンプリント生地。
- 丸編平地組織にて構成されていることを特徴とする請求項1記載の冷感ナイロンプリント生地。
- 正面ループの円弧と正面ループ縦線とがなす角が45°〜60°の範囲であり、正面ループとは反対側の裏面ループの円弧は前記裏面ループの横列と同じ方向に配列されていることを特徴とする請求項2記載の冷感ナイロンプリント生地。
- 平織組織にて構成されていることを特徴とする請求項1記載の冷感ナイロンプリント生地。
- 酸性染料によるプリント染料図案が施されていることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載の冷感ナイロンプリント生地。
- 生地における冷感ナイロン糸の質量割合が50〜95%であるとともに、生地におけるスパン糸の質量割合が5〜50%であり、かつ両者の合計が100質量%であることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項記載の冷感ナイロンプリント生地。
- 冷感ナイロン糸の番手が30〜200Dであるとともに、スパン糸の番手が10〜40Dであることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項記載の冷感ナイロンプリント生地。
- 請求項1から7までのいずれか1項記載の冷感ナイロンプリント生地にて構成されていることを特徴とする衣料。
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