JP3233549U - 組立式コマ - Google Patents

Abstract

【課題】 組立が容易で、幼児や児童の興味を引く視覚効果を有し、かつ、雑誌、書籍の付録等に供するための利便性に優れた組立式コマを提供する。【解決手段】 組立式コマ１は、一枚のシート材を折り曲げて形成され、はめ合わせにより結合されて組み立てられるコマ本体部２および軸部３と、一枚のシート材で構成され、はめ合わせによりコマ本体部２に着脱可能に取り付けられてコマ本体部２と一体に回転する異なる色彩１０ａ、１０ｂを有する視覚効果部４とを備えている。組立式コマ１が回転すると、目視される色彩は、色彩１０ａ、１０ｂの中間色に変化する。視覚効果部４をコマ本体部２に着脱、交換することにより、容易に種々の色彩の変化を体験することができる。組立式コマ1は、全ての構成部品を一枚の厚紙上に形成することができ、組立が容易で、かつ、雑誌、書籍の付録等に供するための利便性に優れる。【選択図】 図２

Description

本考案は、一枚のシート材から組立可能な組立式コマに関するものである。

従来から、幼児や児童の玩具あるいは学習教材としてコマが使用されている。玩具としてのコマには、例えば特許文献1に記載されているように、幼児や児童が容易に組み立てられるようにした組立式のものや、表面に色彩や模様を付して、回転により目視される色彩や模様が変化する視覚効果を生じるものがある。

特開２０１１−５６１２４号公報

このような玩具あるいは学習教材に供するコマにおいては、組立の容易性、幼児や児童の興味を引く視覚効果はもとより、雑誌、書籍の付録等に供するための利便性の要求もある。

本考案は、上記の点に鑑みてなされたものであり、組立が容易で、幼児や児童の興味を引く視覚効果を有し、かつ、雑誌、書籍の付録等に供するための利便性に優れた組立式コマを提供することを目的とする。

上記の課題を解決するために、請求項1に係る考案の組立式コマは、シート材を折り曲げて形成され、はめ合わせにより結合されて組み立てられるコマ本体部および軸部と、シート材で構成され、はめ合わせにより前記コマ本体部に着脱可能に取り付けられて、該コマ本体部と一体に回転して視覚効果を生じる視覚効果部と、を備えることを特徴とする。
請求項２に係る考案は、請求項１の組立式コマにおいて、前記コマ本体部は、一枚のシート材が放射状の折線に沿って山折り、谷折りされて形成される錐体状であることを特徴とする。
請求項３に係る考案は、請求項１又は２の組立式コマにおいて、前記視覚効果部は、前記軸部が挿通される開口部を有する円板状であり、回転により目視される色彩が変化するように表面に複数色の色彩が施されていることを特徴とする。
請求項４に係る考案は、請求項１又は２の組立式コマにおいて、前記視覚効果部は、シート材が筒状に形成された筒状体と、該筒状体の側面の内面に円周方向に沿って描かれた複数の連続画と、前記筒状体の側面に前記連続画のそれぞれに対向する位置に設けられた複数のスリットと、を備えることを特徴とする。
請求項５に係る考案は、請求項１乃至４のいずれか1項に記載の組立式コマにおいて、前記コマ本体部、前記軸部、及び前記視覚効果部は、一枚の厚紙上にミシン目によって切り離し可能に一体に形成されていることを特徴とする。

請求項1に係る考案によれば、組立式コマを構成する各部品であるコマ本体部、軸部及び視覚効果部は、一枚のシート材から構成され、はめ合わせにより結合されるので、容易に組み立てることができる。また、組立式コマを一枚の厚紙を打ち抜いて作成することが可能になり、雑誌、書籍の付録等に供するための利便性を高めることができる。
視覚効果部は、コマ本体部に着脱可能であるから、視覚効果部を交換することにより、幼児や児童の興味を引く様々な視覚効果を発揮することができる。
請求項２に係る考案によれば、一枚のシート材から容易に尖った接地点を有する錐体状のコマ本体を作成することができる。
請求項３に係る考案によれば、円板状の視覚効果部をコマ本体部に着脱、交換することにより、容易に種々の色彩の変化を体験することができる。
請求項４に係る考案によれば、コマを回転させ、スリットを通して連続画を目視すると、残像現象によって連続画が動作しているように見え、いわゆるゾードロープ（回転覗き絵）を体験することができる。
請求項５に係る考案によれば、組立式コマを構成する全ての部品が一枚のシート上に一体に形成されているので、雑誌、書籍の付録等に供するための利便性を高めることができる。

本考案の一実施形態に係る組立式コマのコマ本体部、軸部及び視覚効果部を構成するシート材を示す平面図である。 図１の組立式コマの視覚効果部の着脱状態を示す斜視図である。 図１の組立式コマの他の視覚効果部を構成するシート材の平面図である。 図３の視覚効果部の着脱状態を示す組立式コマの斜視図である。 図４の組立式コマの回転中にスリットを通して目視される連続画を示す説明図である。

以下、本考案の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図２に示されるように、本実施形態に係る組立式コマ１は、下面に接地点となる尖端部を有する錐体状のコマ本体部２と、コマ本体部２の上面の中心から突出する軸部３と、コマ本体部２の上面に装着される円板状の視覚効果部４とを備えている。

図１（Ａ）に示されるように、コマ本体部２は、一枚のシート材から構成され、丸い形状の外周部に規則的な凹凸が形成された輪花状を呈している。コマ本体部２は、その中心から等間隔で放射状に延びる複数（図示の例では８本）の折線５が交互に谷折、山折されることにより、図２（Ａ）に示されるように、下面に接地点となる尖端部を有する錐体状に形成される。コマ本体部２には、その中心を挟んで等しい距離に一対の円弧状の切込み６が設けられている。一対の円弧状の切込み６は、その外周側が互いに対向するように配置されている。
なお、コマ本体部２は、この他、例えば、扇形のシート材の両端の二辺を互いに結合して錐体状（円錐状）とすることもできる。

図１（Ｂ）に示されるように、軸部３は、一枚のシート材から構成され、中央部に直線状の摘み部３ａが形成され、摘み部３ａの両端部に摘み部３ａよりも幅広の矩形のベース部３ｂ、３ｃが形成されている。一方のベース部３ｂには差込部片７が突出されて、他方のベース部３ｃには、差込片７が差し込まれる差込部８（切込）が形成されている。そして、軸部３は、図２（Ａ）に示されるように、摘み部３ａ及びベース部３ｂ、３ｃの中央部が折り曲げられ、差込片７が差込部８に差し込まれて、ベース部３ｂ、３ｃを底面とする側面視略二等辺三角形の環状体となっている。この軸部３は、二等辺三角形の底面となるベース部３ｂ、３ｃの両端部がコマ本体部２の一対の切込部６、６に差し込まれて、コマ本体部２に取り付けられる。

図1（Ｃ）示されるように、視覚効果部４は、一枚のシート材から構成され、中心部に長方形の開口部９を有する円板状の部材である。視覚効果部４は、図２（Ａ）、（Ｂ）に示されるように、開口部９に軸部３の摘み部３ａが挿入、嵌合され、幅広のベース部３ｂ、３ｃに当接してコマ本体部２に回転しないように着脱可能に固定される。視覚効果部４の表面には、等間隔で放射状に交互に異なる色彩１０ａ、１０ｂが施されている。異なる色彩１０ａ、１０ｂは、例えば黄と赤、黄と青、あるいは青と赤であってもよい。

以上のように構成された組立式コマ１の作用について次に説明する。
組立式コマ１は、軸部３の摘み部３ａを摘まんで容易に回転させることができる。そして、視覚効果部４がコマ本体部２と共に回転することにより、目視される色彩は、放射状に交互に施された異なる色彩１０ａ、１０ｂが混ざり合って別の色彩に変化する。このとき、回転により目視される混ざり合った色彩は、その中間色となり、例えば、異なる色彩１０ａ、１０ｂが赤と黄の場合は橙、黄と青の場合は緑、青と赤の場合は紫になる。そして、異なる色彩を有する種々の視覚効果部４を用意し、これをコマ本体部２に着脱、交換することにより、様々な色彩の混合を体験することができる。

これにより、組立式コマ１は、例えば、色彩の混合についての教育、学習に役立てることができる。また、回転前の模様、色彩から回転による変化を予想することにより、幼児や児童の興味を引くことができる。なお、視覚効果部４の模様、色彩は、上述の放射状及び二色に限らず、回転により、色彩、模様、その動きの変化等の視覚的効果が得られるものであれば、他の模様、三色以上の色彩であってもよい。

組立式コマ１を構成するコマ本体部２、軸部３及び視覚効果部４は、全て一枚のシート材から構成され、はめ合わせによって結合し、組み立てることができるので、はさみ、糊等が不要で組立てが容易であり、幼児や児童の使用に適している。また、これらの部品は、一枚の厚紙上にミシン目によって切り離し可能なように作成することができ、このようにした場合、雑誌、書籍の付録等に供するための利便性を高めることができる。更に、不要になった場合の廃棄も容易であり、かつ、再生可能で環境保護に資することができる。
なお、シート材は、容易に折り曲げて成形できるものであれば、紙製のほか合成樹脂等の柔軟な素材で構成してもよい。

次に、上述の組立式コマ１に、視覚効果部４に代えて図４（Ａ）に示す他の視覚効果部２０を装着する場合について、図３乃至図５を参照して説明する。
なお、以下の説明においては、図１及び図２に示すもの対して、同様の部分には同じ参照符号を用いて、適宜説明を省略し、異なる部分についてのみ詳細に説明する。

図３及び図４に示すように、視覚効果部２０は、円板状のベース板２１と、ベース板２１上に立設される筒状体２２とを備えている。
ベース板２１は、一枚のシート材から構成され、中心部に軸部３の摘み部３ａが挿入、嵌合される長方形の開口部２３が設けられている。ベース板２１の外周部には、円周方向に沿って所定の間隔で複数（図示の例では６つ）の差込部２４（切込）が設けられている。

筒状体２２は、一枚の長尺のシート材から構成され、このシート材を等間隔で折り曲げて、端面視正多角形状（図示の例では正十角形状）に形成されている。筒状体２２は、下端部に複数の差込片２５が所定の間隔で突出されており、これらの差込片２５をベース板２１の対応する差込部２４に差し込むことによって、ベース板２１に固定される。

筒状体２２の各内側面には、一連の動作（図示の例では、人が走る動作）を表す連続画２６が過程毎に順番に描かれている。各内側面の間には、スリット２７が開口されている。各スリット２７は、対応する連続画２６の１つに対向するように配置されており、図５に示されるように、各スリット２７を通して対応する連続画の１つが目視できるようになっている。
なお、筒状体２２を円筒状にして、その内周面に等間隔で複数の連続画２６及びスリット２７を配置するようにしてもよい。

このように構成したことにより、視覚効果部２０は、上述の視覚効果部４と同様、ベース板２１の開口部２３に、軸部３の摘み部３ａを挿通、嵌合することにより、コマ本体部２に着脱可能に固定される。

そして、組立式コマ１を回転させて、筒状体２２を側方から目視すると、スリット２７及びスリット２７を通して見える連続画２６が次々と入れ替わることにより、残像現象が生じて、スリット２７を通して見える視界が広がり、連続画２６が動作しているように（図示の例では人が走っているように）見える。これにより、いわゆるゾードロープ（回転覗き絵）を体験することができる。

１…組立式コマ、２…コマ本体部、３…軸部、４…視覚効果部、５…折線、９…開口部、１０ａ…色彩、１０ｂ…色彩、２０…視覚効果部、２２…筒状体、２６…連続画、２７…スリット

Claims (5)

1. シート材を折り曲げて形成され、はめ合わせにより結合されて組み立てられるコマ本体部および軸部と、
   シート材で構成され、はめ合わせにより前記コマ本体部に着脱可能に取り付けられて、該コマ本体部と一体に回転して視覚効果を生じる視覚効果部と、を備えることを特徴とする組立式コマ。
2. 前記コマ本体部は、一枚のシート材が放射状の折線に沿って山折り、谷折りされて形成される錐体状であることを特徴とする請求項1に記載の組立式コマ。
3. 前記視覚効果部は、前記軸部が挿通される開口部を有する円板状であり、回転により目視される色彩が変化するように表面に複数色の色彩が施されていることを特徴とする請求項１又は２に記載の組立式コマ。
4. 前記視覚効果部は、シート材が筒状に形成された筒状体と、該筒状体の側面の内面に円周方向に沿って描かれた複数の連続画と、前記筒状体の側面に前記連続画のそれぞれに対向する位置に設けられた複数のスリットと、を備えることを特徴とする請求項１又は２に記載の組立式コマ。
5. 前記コマ本体部、前記軸部、及び前記視覚効果部は、一枚の厚紙上にミシン目によって切り離し可能に一体に形成されていることを特徴とする請求項１乃至４のいずれか1項に記載の組立式コマ。

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