JP3233382U - 可撓性管部材巻回装置及び巻回可撓性管部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】スプリンクラー接続管材などの可撓性管部材を巻回状態に維持すると共に、コンパクトに梱包することも可能な可撓性管部材巻回装置と巻回可撓性管部材を提供する。【解決手段】管端部固定構造12によってスプリンクラー接続管材4の一方の端部がターンテーブル7上の中央部近傍で固定された状態で、ターンテーブルが回転されると、ローラコンベヤ17や押付機構19によって伸長状態に案内されるスプリンクラー接続管材が、ターンテーブル上にとぐろ状の巻回可撓性管部材として巻回される。次に結束帯巻付け機構23によってフィルム巻回体11を、隙間9を通じて、ターンテーブルの中央部と外周部の径方向外側とに亘り且つターンテーブルの上下に回転移動させると、フィルム巻回体から引き出されたフィルム10が巻回可撓性管部材に巻付けられる。【選択図】図3
Description
本考案は、可撓性管部材巻回装置及び巻回可撓性管部材、特に、スプリンクラー接続管材などの金属製で可撓性を有する金属管を巻回する装置とその巻回可撓性管部材に関する。
火災発生時、例えば建築物内に散水して消火を図るスプリンクラー設備では、例えば室内天井に配置されたスプリンクラーヘッドと、天井の裏側に配設されている消火配管をスプリンクラー接続管材で接続する。このスプリンクラー接続管材の主要部は、例えば下記特許文献1に記載されるような金属製蛇腹管で構成されており、管体は可撓性を有する。こうしたスプリンクラー接続管材を用いてスプリンクラー設備を施工する場合には、上記天井裏側の消火配管後、この消火配管にスプリンクラー接続管材を接続しておき、その後の天井施工時に、スプリンクラー接続管材の天井側先端部にスプリンクラーヘッドを取付ける。なお、スプリンクラー接続管材にスプリンクラーヘッドを取付ける際には、スプリンクラー接続管材の天井側先端部を、例えば天井裏側に配設される軽量鉄骨部材に固定し、その軽量鉄骨部材の両端部を建築物の躯体構造体に固定する。また、スプリンクラー接続管材の消火配管接続側端部には、一般に、両者を接続するための回転ニップルが予め設けられている。
上記天井裏側の消火配管にスプリンクラー接続管材を接続してから天井を施工してスプリンクラーヘッドを接続するまでの間、スプリンクラー接続管材は消火配管側だけが接続されて天井側先端部は自在な状態なので、例えば、他の施工の邪魔にならないように、作業者が、スプリンクラー接続管材を消火配管側、すなわち天井裏側に巻取り、その後、紐やテープなどの結束部材によって結束して巻回状態としている。これは、スプリンクラー接続管材を構成する金属管が可撓性を有することにより、巻回状態に結束せず、単に巻取っただけの状態では、自重で垂れ下がってしまうからである。そして、現状では、このスプリンクラー接続管材の巻取りと結束を施工現場で行っているが、対象が金属管であることからやや曲げにくく、その作業は煩雑で手間がかかる。
また、スプリンクラー接続管材はコンパクトに折りたたむこともできず、複数のスプリンクラー接続管材を梱包する際、それらを収容する梱包用の箱が大型化する傾向にあり、搬送の費用が増大するという問題もある。
本考案は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、スプリンクラー接続管材などの可撓性管部材を的確に巻取ることができる可撓性管部材巻回装置及び巻取り状態(巻回状態)が的確に維持され、施工性に優れる巻回可撓性管部材を提供することにある。
上記目的を達成するための可撓性管部材巻回装置は、
スプリンクラー給水用の可撓性を有する可撓性管部材を巻回する可撓性管部材巻回装置であって、上部に略水平面を有し且つ所定方向に回転駆動されるターンテーブルと、前記ターンテーブルの中央部から径方向に外周縁部まで切り欠かれて形成された切欠き部と、前記切欠き部の領域以外で前記ターンテーブル上の中央部近傍領域に設けられ、前記可撓性管部材の一方の端部を固定可能な管端部固定構造と、前記管端部固定構造による前記固定状態で前記可撓性管部材を所定の方向に伸長させて案内する案内機構と、該案内状態で、前記ターンテーブルが回転駆動されることによって該ターンテーブル上で巻回された巻回可撓性管部材に前記切欠き部の領域にて結束帯を巻付ける結束帯巻付け機構と、を備えたことを特徴とする。
スプリンクラー給水用の可撓性を有する可撓性管部材を巻回する可撓性管部材巻回装置であって、上部に略水平面を有し且つ所定方向に回転駆動されるターンテーブルと、前記ターンテーブルの中央部から径方向に外周縁部まで切り欠かれて形成された切欠き部と、前記切欠き部の領域以外で前記ターンテーブル上の中央部近傍領域に設けられ、前記可撓性管部材の一方の端部を固定可能な管端部固定構造と、前記管端部固定構造による前記固定状態で前記可撓性管部材を所定の方向に伸長させて案内する案内機構と、該案内状態で、前記ターンテーブルが回転駆動されることによって該ターンテーブル上で巻回された巻回可撓性管部材に前記切欠き部の領域にて結束帯を巻付ける結束帯巻付け機構と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、管端部固定構造によって可撓性管部材の一方の端部がターンテーブル上で固定された状態で、ターンテーブルが回転されると、案内機構によって伸長状態で案内されている可撓性管部材が、ターンテーブル上で巻回されてゆく。ここで、ターンテーブルには切欠き部が設けられており、この切欠き部の上下の空間を利用して、結束帯巻付け機構によって結束帯が巻回可撓性管部材に巻付けられる。したがって、この可撓性管部材巻回装置では、可撓性管部材がとぐろ状に巻回され、更に、その一部に結束帯が巻付けられて結束される。したがって、現場での煩雑な可撓性管部材の巻回、結束作業を省略することが可能となる。
この装置によって巻回された巻回可撓性管部材は、全体がコンパクトにまとめられ、且つ結束帯で結束された状態にあり、それらを容易な作業で容積効率よく上下に重ねることが可能となり、これにより管部材の梱包が効率化される。更に、上記巻回可撓性管部材を設置現場にて巻回状態で使用することにより、それを巻回状態のままで設置することができ、例えば、上記スプリンクラー接続管材の取付作業の施工性も向上される。
また、上記問題を解決するための巻回可撓性管部材は、可撓性管部材が単一平面上でとぐろ状に巻回されて構成され且つその内周部及び外周部に亘って結束帯が巻付けられてなることを特徴とする。
この構成によれば、可撓性管部材がとぐろ状に巻回された巻回可撓性管部材は内周部及び外周部に亘って結束帯で結束された状態に維持される。このように巻回された巻回可撓性管部材は、全体がコンパクトにまとめられ且つ結束された状態にあり、それらを容易な作業で容積効率よく積載することが可能となり、これにより管部材の梱包が効率化される。更に、上記巻回可撓性管部材を設置現場にて巻回状態で使用することにより、それを巻回状態のままで設置することができ、例えば、上記スプリンクラー接続管材の取付作業の施工性も向上される。
また、上記巻回可撓性管部材の他の構成は、前記可撓性管部材がスプリンクラー接続管材であり、該スプリンクラー接続管材の端部に予め取付けられ且つ消火配管に接続される回転ニップルが前記巻回された可撓性管部材のとぐろ状の外側に配置されたことを特徴とする。
この構成によれば、スプリンクラー接続管材を消火配管に接続する際、スプリンクラー接続管材をとぐろ巻き状態のままで容易に接続することができる。
以上説明したように、本考案によれば、可撓性管部材がとぐろ状に巻回され且つその内周部から外周部に亘って結束帯で結束された巻回可撓性管部材が、煩雑な作業を伴うことなく、自動的に得られ、スプリンクラー接続管材などの可撓性管部材を巻回状態に維持して提供することができる。また、このように巻回された巻回可撓性管部材は、積載することで、複数の可撓性管部材をコンパクトに梱包することが可能となり、施工現場では巻回された状態で仮設置状態とすることができ、配管作業の施工性も向上する。
以下、本考案の可撓性管部材巻回装置及び巻回可撓性管部材の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、この実施の形態の可撓性管部材巻回装置1の斜視図であり、図2は、図1の巻回装置1で巻取られる可撓性管部材の正面図である。はじめに、図2に示す可撓性管部材について説明する。この実施の形態では、巻回対象となる可撓性管部材は、スプリンクラー接続管材4を例として説明する。このスプリンクラー接続管材4は、その大部分が金属製のフレキシブルパイプ42で構成されている。
このフレキシブルパイプ42は、特許文献1に記載される金属製蛇腹管で構成され、その外側に金属網製のメッシュ43が被覆され、フレキシブルパイプ42の両端部でカシメリング44によってフレキシブルパイプ42に固定されている。このメッシュ43は、フレキシブルパイプ42の伸び(径方向、長手方向)を規制している。このフレキシブルパイプ42の図示右方端部には、天井裏に配設されている消火配管に接続するための回転ニップル45が取付けられている。
フレキシブルパイプ42の図示左方端部には、スプリンクラー接続管材4の取り回しのために天井裏側に配設されている角バーと呼ばれる軽量鉄骨部材からなる構造体にスプリンクラー接続管材4を固定するための鋼製管部材41がフレキシブルパイプ42と一体的に接続されている。この管部材41の図示左方端部には、図示しないスプリンクラーヘッドを接続するためのねじ穴49が形成されており、その外側に二面幅形状を持ったリング部材46が取付けられている。そして、管部材41の外周面には、周方向に沿って、凸部47と凹部48が交互に設けられており、これら凸部47及び凹部48が軽量鉄骨部材にスプリンクラー接続管材4を固定するための図示しない固定具との係合部を構成している。これらの凸部47と凹部48のそれぞれは、完全に連結されているわけではないが、管部材41の長手方向にある程度連続して形成され、それが管体長手方向に並べて設けられている。これらの凸部47と凹部48は、管部材41の管肉を押圧して凹部48を塑性加工することによって凸部47を盛り上げ形成している。
図1に示す巻回装置1は、このスプリンクラー接続管材4を巻取るものであり、箱型の筐体5の天板6の部分に主要な装備を有する。この筐体5の天板6の中央部には、略水平な上面を有する円板状のターンテーブル7が設けられている。このターンテーブル7は、筐体5内の図示しない電動モータによって上面を略水平に維持して回転駆動される。このターンテーブル7は、電動モータの回転方向を変更することにより、何れに方向にも回転可能であるが、少なくともスプリンクラー接続管材4の巻取り時には、図1における平面視で時計回り方向に回転される。このターンテーブル7の上面には、後述のように、とぐろ状に巻取られたスプリンクラー接続管材4が搭載される。
したがって、ターンテーブル7の上面は、とぐろ状に巻取られたスプリンクラー接続管材4の巻回可撓性管部材3が搭載可能な面積を有する(図5参照)。また、ターンテーブル7の径方向中央部の周囲には、短尺な円筒面で構成される内径規制壁8が略鉛直方向上方に向けて立設されている。この内径規制壁8の外周面の径方向外側にスプリンクラー接続管材4がとぐろ状に巻取られる。したがって、内径規制壁8の外周面の半径は、スプリンクラー接続管材4、より具体的には凡そフレキシブルパイプ42の湾曲可能な曲率半径より大きな半径に設定される。
ターンテーブル7は、円板状であると記述したが、実際には、半割り状態に分断されており、両者の間には、隙間(切欠き部)9が設けられている。隙間9は、外形が円形のターンテーブル7の直径方向に伸長している。この隙間9は、後述するように、伸縮性が有るフィルム(ストレッチフィルム)10の巻回体11をターンテーブル7の上下の領域でターンテーブル7の径方向中央部と外周部の径方向外側とに亘って回転移動させるために必要な隙間9である。この実施の形態では、とぐろ状に巻取られたスプリンクラー接続管材4の巻回可撓性管部材3の直径方向の2か所に結束帯としてフィルム10を巻付けるために、円板状のターンテーブル7を半割り状態にして、その隙間9の部分でフィルム10の巻回体11を夫々、ターンテーブル7の直径方向の2カ所で前述のように回転移動させる。したがって、このフィルム10の巻回体11を移動させるために必要な空間を構成するためには、ターンテーブル7の径方向中央部から径方向に外周縁部までを切欠いた切欠き部であればよい。すなわち、この実施の形態では、フィルム10を巻付けるために必要な直径方向の2か所に設けるべき切欠き部が互いに連結されて半割りのターンテーブル7の間の隙間9となっている。なお、以下でも、ターンテーブル7全体は円板状であるものとして説明する。また、結束帯としては、ストレッチフィルム10に代えて、ビニル紐や粘着性のあるテープなども適用可能である。
ターンテーブル7の上面における径方向中央部には、内径規制壁8の径方向内側部分の隙間9の領域以外の部分に、スプリンクラー接続管材4の管部材41を固定可能な管端部固定構造12が設けられている。管部材41の固定方向は、管部材41の伸長方向がターンテーブル7の径方向と平行になるように設定されている。この管端部固定構造12は、ターンテーブル7の上面に固定された直方体形状の下半体13と、その上方に取付けられる同じく直方体形状の上半体14からなり、両者はターンテーブル径方向外側部分がヒンジ機構15で開閉自在に連結されている。下半体13の上面及び上半体14の下面のそれぞれには、円筒外周面を有する管部材41を収容するための断面半円形の凹陥部が設けられており、下半体13の凹陥部と上半体14の凹陥部で管部材41の円筒外周面を挟むようにして固定する。下半体13と上半体14を連結するヒンジ機構15の反対側の面には、両者を係合するストライカ−ラッチ構造などの係合機構16が設けられており、下半体13の上面に上半体14の下面が当接されると両者が半自動的に係合され、その係合を手動で解除すると両者を離間することができる。すなわち、管部材41の円筒外周面を挟むようにして下半体13の上に上半体14を押し付けると係合機構16が係合して管部材41、すなわちスプリンクラー接続管材4の一方の端部が固定され、係合機構16の係合を解除すると、上半体14を下半体13から離間してスプリンクラー接続管材4を取り出すことができる。
また、この実施の形態では、スプリンクラー接続管材4を伸長方向に案内しながら搭載するローラコンベヤ17が筐体5の天板6に連続して設けられている。図では、ローラコンベヤ17を下方から支持する架台部が省略されているが、実際には、図示しない架台部の上部にローラコンベヤ17が取付けられている。なお、ローラコンベヤ17におけるローラ配設方向の両側には案内壁部18が設けられている。また、このローラコンベヤ17とターンテーブル7の間には、ローラコンベヤ17の対向する案内壁部18のうち、図示奥方の案内壁部18にスプリンクラー接続管材4をその伸長方向と直交方向に向けて押し当てて位置決めする押付機構19が設けられている。この押付機構19は、筐体5の天板6に沿って配設され、長手方向の中央部が回転自在に天板6に支持されたアーム部材20と、このアーム部材20のターンテーブル7側で且つローラコンベヤ17の図示奥方の案内壁部18側の端部に回転自在に取付けられ且つ回転軸が略鉛直方向に設定されたガイドローラ21と、ガイドローラ21とは反対側のアーム部材20の端部に取付けられ、アーム部材20及びガイドローラ21をローラコンベヤ17の図示奥方の案内壁部18側に付勢するリターンスプリング22を備えて構成される。
したがって、ローラコンベヤ17上にスプリンクラー接続管材4を伸長状態に搭載して管部材41を管端部固定構造12の下半体13と上半体14の間に挟んで固定すると、図3に示すように、スプリンクラー接続管材4の管途中部が押付機構19のガイドローラ21に当接する。このガイドローラ21は、リターンスプリング22によってローラコンベヤ17の図示奥方側の案内壁部18側に付勢されているので、この付勢力によってスプリンクラー接続管材4はローラコンベヤ17の図示奥方側の案内壁部18に押し当てられ、これにより後述するターンテーブル回転時のスプリンクラー接続管材4全体の回転、いわゆる供回りを規制し且つ管巻取り時にスプリンクラー接続管材4が管伸長方向に案内される。したがって、ローラコンベヤ17、案内壁部18、及び押付機構19が案内機構を構成している。
また、ターンテーブル7に設けられた隙間9の部分には、フィルム10の巻回体11を回転移動させるための結束帯巻付け機構23が設けられている。この実施の形態では、汎用のフィルム巻回装置を結束帯巻付け機構23として用いた。こうした結束帯巻付け機構23としては、一例として、伊藤敏株式会社製のオープンリング型フィルム巻き機がある。この結束帯巻付け機構23は、板面が、ターンテーブル7の隙間9の位置で、その隙間9の伸長方向と平行で且つ筐体5の天板6の板面方向と垂直な基板27に設けられている。この基板27は、ターンテーブル7の回転移動部分が切り欠かれており、ターンテーブル7の回転を阻害しないようにしてある。この結束帯巻付け機構23は、前述のように、ターンテーブル7上にとぐろ状に巻取られたスプリンクラー接続管材4の巻回可撓性管部材3にフィルム10を巻き付けるものである。したがって、フィルム10の巻回体(以下、フィルム巻回体)11はターンテーブル7の上下の領域でターンテーブル7の径方向中央部及び外周部の径方向外側に亘って回転移動される。そのため、基板27には、フィルム巻回体11の回転移動方向に沿って円弧状に伸長し且つ全円周の一部が切欠かれたレール部材24が基板27の板面に沿って移動自在に取付けられている。また、このレール部材24は、基板27上で案内ローラ25に案内されて、自身の円弧形状の延長方向に回転移動可能とされている。
すなわち、このレール部材24の円弧の周回軌跡がフィルム巻回体11の回転移動軌跡となる。また、レール部材24の内周面に設けられた内歯ギヤ24aには、レール部材24の直径方向に配設された2つの駆動ギヤ26が噛合している。このレール部材24にフィルム巻回体11を取付け、基板27上に配置された複数の案内ローラ25でレール部材24を案内しながら、2つの駆動ギヤ26を同期回転させることでレール部材24が回転移動する。したがって、フィルム巻回体11から引き出されたフィルム10をとぐろ状に巻取られたスプリンクラー接続管材4に巻掛けておけば、その内周部と外周部に亘って巻回可撓性管部材3の表裏(上下)にフィルム10が巻付けられる。なお、駆動ギヤ26は、基板27の図示裏面側に設けられた図示しない電動モータで同期回転される。また、後述するスプリンクラー接続管材4の巻取り時には、レール部材24の切欠き部分がターンテーブル7の上面領域になるようにレール部材24が配置される。また、この実施の形態では、巻付け開始時におけるフィルム10の巻回可撓性管部材3への巻掛けや、巻付け完了後のフィルム10の切断が自動的に行われるものとした。このフィルム10の巻掛けや切断を手動で行うようにすることも可能である。
この巻回装置1には、装置自体を制御するための制御部2が設けられている。この制御部2は、図示しないコンピュータシステムを搭載して構成される。このコンピュータシステムは、既存のコンピュータシステムと同様に、高度な演算処理が可能な演算処理装置と共に、データやプログラムを記憶することが可能な記憶装置、外部のスイッチやセンサ、或いは駆動源などと信号を入出力可能な入出力装置を備えて構成される。こうしたコンピュータシステムとしては、プログラマブルロジックコントローラが挙げられる。
図4は、制御部2で行われる演算処理のフローチャートである。この演算処理は、予め設定された所定のサンプリング周期毎にタイマ割込み処理で実行される。この演算処理では、まずステップS1で、管端部固定構造12による管部材41の固定(図ではチャック)が完了したか否かを判定し、管部材41の固定が完了した場合にはステップS2に移行し、そうでない場合には復帰する。この管部材41の固定(チャック)の完了は、スイッチやセンサで下半体13と上半体14が当接されたことを検出したり、或いは、管部材41の固定作業完了時に作業者がスイッチ操作したりすることで判定することができる。
ステップS2では、ターンテーブル7を一定速度で回転する。
次にステップS3に移行して、ターンテーブル7によるスプリンクラー接続管材4の巻取りが完了したか否かを判定し、巻取りが完了した場合にはステップS4に移行し、そうでない場合にはステップS2に移行する。このスプリンクラー接続管材4の巻取り完了は、ターンテーブル7の回転回数が巻取り完了に相当する所定転回数以上となったことや、一定速度で回転されるターンテーブル7の回転駆動時間が巻取り完了に相当する所定時間以上経過したことで判定することができる。
ステップS4では、フラグnを1にセットする。
次にステップS5に移行して、結束帯巻付け機構23を作動することによりフィルム巻回体11を回転移動し、これによりフィルム10をスプリンクラー接続管材4の巻回可撓性管部材3に巻付ける。
次にステップS6に移行して、結束帯巻付け機構23によるフィルム10の巻付け回数が所定回数に達したか否かを判定し、フィルム10の巻付け回数が所定回数に達した場合にはステップS7に移行し、そうでない場合にはステップS5に移行する。このフィルム10の巻付け回数が所定回数に達したことは、円弧状のレール部材24が所定回数回転したことで判定することができる。
ステップS7では、フラグnが1であるか否かを判定し、フラグnが1である場合にはステップS8に移行し、そうでない場合にはステップS10に移行する。
ステップS8では、ターンテーブル7を半回転させてからステップS9に移行する。
ステップS9では、フラグnを2にセットしてからステップS5に移行する。
一方、ステップS10では、フラグnを0にリセットしてから終了する。
この演算処理によれば、スプリンクラー接続管材4の管端部固定後、ターンテーブル7が一定速度で回転されてスプリンクラー接続管材4が巻取られる。このとき、スプリンクラー接続管材4は、ターンテーブル7の上面上で巻取られる、すなわち単一平面上で巻取られるので、図5に示すように、その巻回可撓性管部材3はとぐろ状になる。スプリンクラー接続管材4の巻取りが完了したら、結束帯巻付け機構23が作動されるので、図6に示すように、フィルム巻回体11が隙間9を通ってターンテーブル7の上下領域でターンテーブル7の径方向中央部及び外周部の径方向外側に亘って回転移動され、これに伴ってフィルム10が巻回可撓性管部材3に巻付けられる。巻回可撓性管部材3の周方向の1カ所でフィルム10の巻付けが完了したらターンテーブル7が半回転され、再び、結束帯巻付け機構23によるフィルム10の巻付けが行われ、結果として、巻回可撓性管部材3の直径方向の2カ所にフィルム10が巻付けられて結束される。
図7は、図1の巻回装置1によってとぐろ状の巻回可撓性管部材3として巻取られ且つ直径方向の2カ所で巻回可撓性管部材3にフィルム10が巻付けられて結束されたスプリンクラー接続管材4である。この実施の形態では、管部材41がとぐろ巻きの内側に、回転ニップル45がとぐろ巻きの外側になるようにしてスプリンクラー接続管材4が巻取られている。前述のように、回転ニップル45が天井裏側の消火配管に接続されるので、とぐろ巻きの外側に回転ニップル45があることで、それをとぐろ巻きのまま消火配管に接続しやすい。また、消火配管への接続後もフィルム10を巻付け状態にしておけば、スプリンクラー接続管材4は消火配管側にとぐろ状に巻取られた状態に維持される。
また、とぐろ状に巻取られたスプリンクラー接続管材4は厚さが小さい、すなわち薄い。前述のように、スプリンクラー接続管材4の主要部は金属製のフレキシブルパイプ42であるから、それを湾曲する際の湾曲可能な曲率が限られている。そのため、スプリンクラー接続管材4を折り曲げることはできず、多くの場合、それをコイル状に巻回しているが、コイル巻きは厚さが大きく、巻回可撓性管部材3としての所要容積が大きい。これに対して、とぐろ状に巻取られたスプリンクラー接続管材4は薄いので、これを上下に重ねても容積が大きくなりにくい。したがって、複数のスプリンクラー接続管材4を梱包する際、それを収容する梱包用の箱が小さくて済み、その分だけ、搬送に係るコストを低廉化することができる。
このように、この実施の形態の可撓性管部材巻回装置1によれば、管端部固定構造12によってスプリンクラー接続管材4の一方の端部がターンテーブル7上で固定された状態で、ターンテーブル7が回転されると、ローラコンベヤ17や案内壁部18、押付機構19によって伸長状態で案内されるスプリンクラー接続管材4が、ターンテーブル7上で巻回される。然る後、隙間(切欠き部)9の上下の空間を利用して、結束帯巻付け機構23によってフィルム10がスプリンクラー接続管材4の巻回可撓性管部材3に巻付けられる。したがって、この巻回装置1では、スプリンクラー接続管材4がとぐろ状に巻回され、その直径方向の2カ所にフィルム10が巻付けられて結束される。
このようにとぐろ状に巻回されたスプリンクラー接続管材4の巻回可撓性管部材3は、全体がコンパクトにまとめられ且つ結束された状態にあり、それらを容易な作業で容積効率よく積載することが可能となり、これにより管部材の梱包が効率化される。更に、巻回可撓性管部材3を設置現場にて巻回状態で使用することにより、それを巻回状態のままで設置することができることから、スプリンクラー接続管材4の取付作業の施工性も向上される。
また、消火配管に接続される回転ニップル45がとぐろ巻きの外側に位置するようにスプリンクラー接続管材4が巻取られることにより、スプリンクラー接続管材4を消火配管に接続する際、スプリンクラー接続管材4をとぐろ巻き状態のままで容易に接続することができる。
以上、実施の形態について説明したが、本考案の構成はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、考案の要旨の範囲内で種々変形が可能である。例えば、実施の形態では、スプリンクラー接続管材4の管端部を固定した後の巻取り及び結束が全自動で行われるように構成したが、これらは、巻取り工程、結束工程のそれぞれを作業者がスイッチ操作して行われるように構成することも可能である。
また、実施の形態では、とぐろ状に巻取られたスプリンクラー接続管材4の巻回可撓性管部材3の直径方向の2カ所をフィルム10で結束する構成としたが、この結束箇所や結束箇所数はこれに限定されるものではない。
また、結束帯巻付け機構23に用いられるフィルム巻回機は一例であり、同様の機能を有するその他の結束帯巻付け機構23を用いることも勿論可能である。
また、実施の形態では、スプリンクラー接続管材4を可撓性管部材として巻取り及び結束したが、巻取り及び結束対象となる可撓性管部材は、可撓性を有する管体であれば、如何様なものも適用可能である。
1 巻回装置
2 制御部
3 巻回可撓性管部材
4 スプリンクラー接続管材(可撓性管部材)
7 ターンテーブル
9 隙間(切欠き部)
10 フィルム(結束部材)
11 巻回体
12 管端部固定構造
17 ローラコンベヤ(案内機構)
18 案内壁部(案内機構)
19 押付機構
23 結束帯巻付け機構
42 金属製蛇腹管
45 回転ニップル
2 制御部
3 巻回可撓性管部材
4 スプリンクラー接続管材(可撓性管部材)
7 ターンテーブル
9 隙間(切欠き部)
10 フィルム(結束部材)
11 巻回体
12 管端部固定構造
17 ローラコンベヤ(案内機構)
18 案内壁部(案内機構)
19 押付機構
23 結束帯巻付け機構
42 金属製蛇腹管
45 回転ニップル
Claims (3)
- スプリンクラー給水用の可撓性を有する可撓性管部材を巻回する可撓性管部材巻回装置であって、
上部に略水平面を有し且つ所定方向に回転駆動されるターンテーブルと、
前記ターンテーブルの中央部から径方向に外周縁部まで切り欠かれて形成された切欠き部と、
前記切欠き部の領域以外で前記ターンテーブル上の中央部近傍領域に設けられ、前記可撓性管部材の一方の端部を固定可能な管端部固定構造と、
前記管端部固定構造による前記固定状態で前記可撓性管部材を所定の方向に伸長させて案内する案内機構と、
該案内状態で、前記ターンテーブルが回転駆動されることによって該ターンテーブル上で巻回された巻回可撓性管部材に前記切欠き部の領域にて結束帯を巻付ける結束帯巻付け機構と、を備えたことを特徴とする可撓性管部材巻回装置。 - 可撓性管部材が単一平面上でとぐろ状に巻回されて構成され且つその内周部及び外周部に亘って結束帯が巻付けられてなることを特徴とする巻回可撓性管部材。
- 前記可撓性管部材がスプリンクラー接続管材であり、該スプリンクラー接続管材の端部に予め取付けられ且つ消火配管に接続される回転ニップルが前記巻回された可撓性管部材のとぐろ状の外側に配置されたことを特徴とする請求項2に記載の巻回可撓性管部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021002042U JP3233382U (ja) | 2021-05-28 | 2021-05-28 | 可撓性管部材巻回装置及び巻回可撓性管部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021002042U JP3233382U (ja) | 2021-05-28 | 2021-05-28 | 可撓性管部材巻回装置及び巻回可撓性管部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3233382U true JP3233382U (ja) | 2021-08-05 |
Family
ID=77057336
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2021002042U Active JP3233382U (ja) | 2021-05-28 | 2021-05-28 | 可撓性管部材巻回装置及び巻回可撓性管部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3233382U (ja) |
-
2021
- 2021-05-28 JP JP2021002042U patent/JP3233382U/ja active Active
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