JP3233200U - 部屋の防音構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】部屋の多層殻状の防音構造につき、その防音性能を保ちながら、広い室内空間を確保することができるとともに、多機能な防音構造を提供する。【解決手段】建築物2の構造躯体に設置する複数の面状部材を重ねて形成する多層殻状の防音構造であって、建築物2の室外側から室内側に向かって、吸音部材1aと、第一の遮音部材1bと、第二の遮音部材1cとが、その順序でそれぞれの面上に重なっている。更に、第二の遮音部材1cの室内側の面上に音緩和部材1dを重ね、音緩和部材1dの室内側の面上に音響調節材1eを重ねるとともに、吸音部材1aと建築物2の殻体との間に空隙1fを設け、空隙1fの室外側には第三の遮音部材1gを設置し、吸音部材1aの室外側の面上に第四の遮音部材1hを重ね、第三の遮音部材1gの室外側の面上には第二の吸音部材1iを重ねる。【選択図】図4

Description

本願考案は、室外の音が室内に侵入するのを防止するとともに、室内の音が室外に漏出するのを防止するための部屋の防音構造に関し、特に既存の建築物の構造躯体に追加的に設置することができる部屋の防音構造であって、複数の面状部材を重ねて形成する部屋の多層殻状の防音構造に関する。
従来、室内空間の静寂さを保ったり、その内部でピアノやドラムセットといった各種の楽器を演奏するために家屋に設置される家庭用音楽室に用いたりすべく複数の面状部材を重ねて形成する部屋の多層殻状の防音構造が提案されてきた。例えば、壁の内部構成材の屋外側又は室内側の側面に断熱用又は防音用板状部材を貼り付けて形成される木造建築における断熱・防音構造であって、これを二層構造とし、該二層構造の板状部材の一方を岩綿等の耐火性板状部材とし、あるいは該二層構造の板状部材を木材繊維パネル又は発泡プラスチックパネルといった固形板状部材とした木造建築における断熱・防音構造が提案されている(例えば、下記の特許文献1を参照。)。
また、従来提案されてきた部屋の多層殻状の防音構造にあっては、各殻を形成する面状部材の間に空隙を設けて音を逃すことによって、部屋に防音性を備えさせようとする提案もある。しかしながら、単純にそのような空隙を設けたのでは該空隙を設けた分だけ殻状部の厚みが増してしまい、それだけ室内空間が狭小になってしまうという問題がある。そこで、2枚の吸音部材と2枚の遮音部材について、それぞれ異なった材質の部材を用い、かつこれを効率よく組み合わせて積層し、各部材の間に空隙を設けない防音壁構造が提案されている(例えば、下記の特許文献2を参照。)。
更に、音には高さや周波数が異なる様々な種類のものがあるところ、部屋の多層殻状の防音構造にあっては、各殻を構成する部材につき、異なる材質から形成される部材を組み合わせて用いることにより、その防音性を向上させることができる。また、異なる材質から形成される部材を組み合わせることにより、部屋の多層殻状の防音構造に防音性だけでなく、断熱性といった他の機能も備えさせることもできる。そこで、無機材料を板状に形成したボードの少なくとも一方の面に複数の凹みを形成してなる遮音ボード部材を、一定の間隔をおいて当該凹みを形成した面が対向するように配置するとともに、該対向配置した遮音ボード部材の間及び少なくとも何れかの外側に、断熱材、遮音材および吸音材から選択される充填部材を配置し、最も外側に下地部材を配置して、これら遮音ボード部材、充填部材及び下地部材を積層一体化した遮音パネルが提案されている(例えば、下記の特許文献3を参照。)。また、異なる厚みを有する2枚の外側金属板と内側金属板との間に断熱材を充填させた断熱パネル及び該断熱パネルの内側に設けられた遮音層を備えた無響室も提案されている(例えば、下記の特許文献4を参照。)。
実開昭55−10865号公報 実開平6−18509号公報 特開2011−17236号公報 特開2018−100496号公報
しかしながら、上記の従来技術に係る部屋の多層殻状の防音構造は、建築物の内壁、床板、又は天井といった内殻の室内側に該多層殻状の防音構造を設けたり、該防音構造を形成する面状部材の数が多くなったり、あるいは該防音構造を形成する面状部材に厚みがあったりすると、室内空間が狭小化してしまうという問題があった。そこで、本願考案の解決しようとする第1の課題は、部屋の多層殻状の防音構造につき、その防音性能を保ちながら、広い室内空間を確保することができる防音構造を提供することにある。
また、上記の従来技術に係る部屋の多層殻状の防音構造は、断熱材としてグラスウール等を使用しているところ、建築物の内部に湿気が籠り易いという問題があった。そのため、カビやダニが発生し易くなって該建築物で生活する者が各種の疾病にかかったり、結露が発生して建築物の柱や土台を傷めたりすることがあった。そこで、本願考案の解決しようとする第2の課題は、部屋の多層殻状の防音構造につき、透湿性を合わせ備えるといった多機能な防音構造を提供することにある。
本願考案は、上記の各課題を解決するために提案されたものであり、以下の構成を有するものである。以下では、本願考案の構成を理解するのを補助するため、本願に添付した図面に表示した番号及び符号をあわせて記載する。
請求項1に係る部屋の多層殻状の防音構造(1)は、建築物(2)の構造躯体に設置する複数の面状部材を重ねて形成する多層殻状の防音構造であって、建築物(2)の室外側から室内側に向かって、吸音部材(1a)と、第一の遮音部材(1b)と、第二の遮音部材(1c)とが、その順序でそれぞれの面上に密着するようにして重ねられている。吸音部材(1a)は、木質繊維により形成された吸音性及び断熱性を備える面状部材であって、建築物(2)の構造躯体に充填される部材である。第一の遮音部材(1b)は、遮音性を備えるシート状の面状部材である。第二の遮音部材(1c)は、遮音性を備える平板状の硬質面状部材である。
請求項2に係る部屋の多層殻状の防音構造(1)は、請求項1に記載した部屋の多層殻状の防音構造に加えて、第二の遮音部材(1c)の室内側の面上に音緩和部材(1d)を密着するようにして重ねている。音緩和部材(1d)は、木質繊維により形成された音を緩和する性質及び断熱性を備える部材であって、平板状の面状部材である。
請求項3に係る部屋の多層殻状の防音構造は、請求項2に記載した部屋の多層殻状の防音構造に加えて、音緩和部材(1d)の室内側の面上に音響調節材(1e)を密着するようにして重ねている。音響調節材(1e)は、吸音加工が施された平板状の面状部材である。また、吸音部材(1a)と建築物(2)の殻体との間には空隙(1f)が設けられており、空隙(1f)の室外側には第三の遮音部材(1g)が設置されている。第三の遮音部材(1g)は、遮音性を備える板状の硬質面状部材である。
請求項4に係る部屋の多層殻状の防音構造は、請求項3に記載した部屋の多層殻状の防音構造に加えて、吸音部材(1a)の室外側の面上に第四の遮音部材(1h)を密着するようにして重ねている。第四の遮音部材(1h)は、遮音性を備える平板状の硬質面状部材である。また、第三の遮音部材(1g)の室外側の面上には第二の吸音部材(1i)が密着するように重ねられている。第二の吸音部材(1i)は、木質繊維により形成された吸音性及び断熱性を備える面状部材であって、建築物(2)の構造躯体に充填される部材である。
請求項5に係る部屋の多層殻状の防音構造は、請求項4に記載した部屋の多層殻状の防音構造であって、第二の遮音部材(1c)及び/又は第三の遮音部材(1g)はそれが二枚以上密着するようにして重ねられている。
本願考案に係る部屋の多層殻状の防音構造は、上記の通りの構成であるから、以下のような効果を奏することができる。
即ち、請求項1に係る部屋の多層殻状の防音構造(1)は、吸音部材(1a)と、第一の遮音部材(1b)と、第二の遮音部材(1c)とから構成される三層構造であり、請求項2に係る部屋の多層殻状の防音構造(1)は、これに更に音緩和部材(1d)を備える四層構造であって、前記の従来技術に係る部屋の多層殻状の防音構造に比べて少ない数の面状部材によって形成されているため、その厚さを薄く形成することができる。また、本願発明に係る部屋の多層殻状の防音構造(1)は、前記の従来技術に係る部屋の多層殻状の防音構造のように、建築物の内壁のような内殻の内側に設置するのではなく、建築物(2)の構造躯体に設置するものである。更に、それぞれ性質の異なる部材を重ねて用いることにより、その厚さを薄く形成しながらも、様々な種類の音を遮断することができる。しかも、部屋の多層殻状の防音構造(1)を構成する各面状部材の間に空隙を設ける必要もない。従って、請求項1及び2に係る部屋の多層殻状の防音構造は、部屋の多層殻状の防音構造につき、その防音性能を保ちながら、広い室内空間を確保することができる防音構造を提供するという本願考案が解決しようとする第1の課題を解決することができる。
また、請求項1に係る部屋の多層殻状の防音構造は、吸音性及び断熱性を備える吸音部材(1a)を用いるとともに、請求項2に係る部屋の多層殻状の防音構造は、音を緩和する性質及び断熱性を備える音緩和部材(1d)を用いている。また、吸音部材(1a)と音緩和部材(1d)とは、いずれも木質繊維によって形成されているところ、前記の従来技術に係る部屋の多層殻状の防音構造で用いられているグラスウール等に比較すると透湿性が高いため、建築物(2)の内部に湿気が籠りにくくなる。従って、本願発明に係る部屋の多層殻状の防音構造は、部屋の多層殻状の防音構造につき、透湿性を合わせ備えるといった多機能な防音構造を提供するという本願考案が解決しようとする第2の課題を解決することができる。
そして、請求項3に係る部屋の多層殻状の防音構造は、音緩和部材(1d)の室内側の面上に音響調節材(1e)を密着するようにして重ねているとともに、吸音部材(1a)と建築物(2)の殻体との間に空隙(1f)を設けて音を逃すことができるようになっていて、空隙(1f)の室外側には第三の遮音部材(1g)が設置されている。また、請求項4に係る部屋の多層殻状の防音構造は、吸音部材(1a)の室外側の面上に第四の遮音部材(1h)を密着するようにして重ねているとともに、第三の遮音部材(1g)の室外側の面上には第二の吸音部材(1i)が密着するように重ねられている。更に、請求項5に係る部屋の多層殻状の防音構造は、第二の遮音部材(1c)及び/又は第三の遮音部材(1g)が二枚以上密着するようにして重ねられている。即ち、請求項3から5までに係る部屋の多層殻状の防音構造によれば、その防音性は更に高まっているところ、需要者がより高度の防音性を所望する際も、適宜これに対応することができ、好適である。
本願考案の第一実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造を示した概略構成図である。 本願考案の第二実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造を示した概略構成図である。 本願考案の第三実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造を示した概略構成図である。 本願考案の第四実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造を示した作用効果説明図である。
以下に、本願考案の第一実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造について添付図面に基づいて説明する。
本願考案の第一実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造(1)は、図1に図示するように、建築物(2)の構造躯体に設置する多層殻状の防音構造であって、建築物(2)の室外側から室内側に向かって、吸音部材(1a)と、第一の遮音部材(1b)と、第二の遮音部材(1c)とが、その順序でそれぞれの面上に密着するようにして重ねられている。図では、部屋全体を取り囲むように本願考案に係る部屋の多層殻状の防音構造にしているが、天井、床、壁といった部屋を構成する要素の一部についてのみ本願考案に係る部屋の多層殻状の防音構造にすることも可能である。
吸音部材(1a)は、図1に図示するように、木質繊維により形成された吸音性及び断熱性を備える面状部材であって、建築物(2)の構造躯体に充填される部材である。ここで、吸音部材(1a)としては、例えばGERMAN HOUSE株式会社の提供に係るソフテック(商標)を用いることができる。吸音部材(1a)は、建築物(2)を形成する壁の室内側に面するように、また、建築物(2)を形成する柱に挟持させるようにして、建築物(2)の構造躯体に充填される。
第一の遮音部材(1b)は、図1に図示するように、遮音性を備えるシート状の面状部材である。ここで、第一の遮音部材(1b)としては、例えば各種公知の建築物用のゴム製遮音シート材や鉛シート材等を用いることができる。第一の遮音部材(1b)は、吸音部材(1a)の室内側の面上に貼り付けられている。
第二の遮音部材(1c)は、図1に図示するように、遮音性を備える平板状の硬質面状部材である。ここで、第二の遮音部材(1c)としては、例えば各種公知の建築物用の石膏ボード、ないしは石膏ボードの芯材にガラス繊維等を混合させて耐火性等を向上させた強化石膏ボード等を用いることができる。第二の遮音部材(1c)は、第一の遮音部材(1b)の室内側の面上に貼り付けられている。尚、美観性を向上させる観点から、需要者の所望により、第二の遮音部材(1c)の室内側の面上に更にクロスを貼り付けてもよい。
本願考案の第一実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造(1)は、上記のように、吸音部材(1a)と、第一の遮音部材(1b)と、第二の遮音部材(1c)とから構成される三層構造であり、前記の従来技術に係る部屋の多層殻状の防音構造に比べて少ない数の面状部材によって形成されているため、その厚さを薄く形成することができる。また、部屋の多層殻状の防音構造(1)は、前記の従来技術に係る部屋の多層殻状の防音構造のように、建築物の内壁といった内殻の内側に設置するものではなく、建築物(2)の構造躯体に設置するものである。更に、それぞれ性質の異なる部材を用いることにより、上記のようにその厚さを薄く形成しながらも、様々な種類の音を遮断することができる。しかも、部屋の多層殻状の防音構造を構成する各面状部材の間に空隙を設ける必要もない。よって、部屋の多層殻状の防音構造(1)は、部屋の多層殻状の防音構造につき、その防音性能を保ちながら、広い室内空間(2a)を確保することができるのである。本願考案者が計測したところによれば、本願考案の第一実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造の遮音等級はDr30dbであり、室外の他人の話し声ないし雨音や風音といった自然音が室内に伝わることを軽減することができる程度の防音性能を備えることが実証されている。
また、吸音部材(1a)は、吸音性及び断熱性を備えているとともに、木質繊維によって形成されているところ、前記の従来技術に係る部屋の多層殻状の防音構造で用いられているグラスウール等に比較すると透湿性があるため、建築物(2)の内部に湿気が籠りにくくなる。更に、木質繊維によって形成されているため、建築物(2)が火災に遭っても有毒ガスを生じる恐れが少なく、また、建て替え等のため建築物(2)を取り壊してこれを廃棄する際も環境に与える負担が比較的少ない。特に、前記のソフテック(商標)は、耐水性、遮熱性、防火性、及び透湿性を備えるとされており、またその一部が損傷した場合には全体を交換するのではなく当該損傷した箇所のみを交換することができるため、吸音部材(1a)として用いるのに好適である。よって、本願発明に係る部屋の多層殻状の防音構造(1)は、部屋の多層殻状の防音構造につき、透湿性を確保するといった多機能な防音構造を提供することができる。
以上が、本願考案の第一実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造についての説明である。以下に、本願考案の第二実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造について添付図面に基づいて説明する。尚、本願発明の第二実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造は、下記の事項以外、前記の第一実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造と同一である。
本願発明の第二実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造(2)は、図2に図示するように、本願考案の第一実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造に加えて、第二の遮音部材(1c)の室内側の面上に音緩和部材(1d)を密着するようにして重ねている。音緩和部材(1d)は、木質繊維により形成された音を緩和する性質及び断熱性を備える部材であって、平板状の部材である。ここで、音緩和部材(1d)としては、例えばGERMAN HOUSE株式会社の提供に係るECOボード(登録商標)を用いることができる。尚、美観性を向上させる観点から、需要者の所望により、更に音緩和部材(1d)の室内側の面上にクロスを貼り付けてもよい。
本願発明の第二実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造(1)は、上記のように、吸音部材(1a)と、第一の遮音部材(1b)と、第二の遮音部材(1c)と、音緩和部材(1d)とから構成される四層構造であり、前記の従来技術に係る部屋の多層殻状の防音構造に比べて少ない数の面状部材によって形成されているため、その厚さを薄く形成することができる。更に、吸音部材(1a)と、第一の遮音部材(1b)と、第二の遮音部材(1c)とは性質の異なる音緩和部材(1d)を合わせて用いることにより、その厚さを薄く形成しながらも、様々な種類の音を遮断することができる。よって、部屋の多層殻状の防音構造(1)は、部屋の多層殻状の防音構造につき、その防音性能を保ちながら、広い室内空間(2a)を確保することができるのである。本願考案者が計測したところによれば、本願考案の第二実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造の遮音等級は、Dr40ないし45dbであり、一般的にピアノルームやオーディオルームに用いられる程度の防音性能を備えることが実証されている。
また、音緩和部材(1d)は、吸音性及び断熱性を備えているとともに、木質繊維によって形成されているところ、前記の従来技術に係る部屋の多層殻状の防音構造で用いられているグラスウール等に比較すると透湿性を備えているため、建築物(2)の内部に湿気が籠りにくくなる。更に、木質繊維によって形成されているため、建築物が火災に遭っても有毒ガスを生じる恐れが少なく、また、建て替え等のため建築物を取り壊してこれを廃棄する際も環境に与える負担が比較的少ない。特に、前記のECOボード(登録商標)は、耐水性、遮熱性、防火性、及び透湿性を備えるとされており、またその一部が損傷した場合には全体を交換するのではなく当該損傷した箇所のみを交換することができるため、音緩和部材(1d)として用いるのに好適である。 よって、部屋の多層殻状の防音構造(1)は、部屋の多層殻状の防音構造につき、透湿性を合わせ備えるといった多機能な防音構造を提供することができる。
以上が、本願考案の第二実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造についての説明である。以下に、本願考案の第三実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造について添付図面に基づいて説明する。尚、本願発明の第三実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造は、下記の事項以外、前記の第一実施形態及び第二実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造と同一である。
本願考案の第三実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造(1)は、図3に図示するように、本願考案の第二実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造に加えて、音緩和部材(1d)の室内側の面上に音響調節材(1e)を密着するようにして重ねている。音響調節材(1e)は、吸音加工が施された平板状の面状部材である。ここで、音響調節材(1e)としては、例えば、木材チップを蒸煮して解繊したものに合成樹脂を加えて成形した中質繊維板(Medium Density Fiberboard:MDF)の表面に、防湿性のあるポリエチレン樹脂を挟んだ複数の層を有するシート部材を貼付した平板状の部材に複数の孔を穿設する等して吸音加工を施した平板状の面状部材といった各種公知の音響調節材を用いることができる。
本願考案の第三実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造(1)は、吸音部材(1a)と建築物(2)の殻体との間には空隙(1f)が設けられており、空隙(1f)の室外側には第三の遮音部材(1g)が設置されている。ここで、建築物(2)の殻体とは、例えば、建築物(2)を形成する壁などである。第三の遮音部材(1g)は、遮音性を備える平板状の硬質面状部材であり、前記の本願考案の第一実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造(1)に用いた第二の遮音部材(1c)と同一の部材を用いることができる。本願考案の第三実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造(1)は、空隙(1f)を設けて音を逃すことができるようになっているとともに、空隙(1f)の室外側には第三の遮音部材(1g)を設置することによって、部屋の遮音性を向上させている。
即ち、本願考案者が計測したところによれば、部屋の多層殻状の防音構造(1)の遮音等級は、Dr45ないし50dbであり、その内部で電子ドラムセットを演奏するための家庭用音楽室によく用いられる程度の防音性能を備えることが実証されている。本願考案者が得た知見によれば、本願考案の第三実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造(1)は、特に空隙(1f)を設けることにより、高音と低音の双方に対する防音性能が向上している。即ち、本願考案の第三実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造によれば、その防音性は更に高まっているところ、需要者が高度の防音性を所望する際も、適宜これに対応することができるのである。
以上が、本願考案の第三実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造についての説明である。以下に、本願考案の第四実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造について添付図面に基づいて説明する。尚、本願発明の第四実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造は、下記の事項以外、前記の第一実施形態ないし第三実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造と同一である。
本願考案の第四実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造(1)は、図4に図示するように、本願考案の第三実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造に加えて、吸音部材(1a)の室外側の面上に第四の遮音部材(1h)を密着するようにして重ねている。第四の遮音部材(1h)は、遮音性を備える平板状の硬質面状部材であり、前記の本願考案の第一実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造(1)に用いた第二の遮音部材(1c)と同一の部材を用いることができる。また、第三の遮音部材(1g)の室外側の面上には第二の吸音部材(1i)が密着するように重ねられている。第二の吸音部材(1i)は、前記の本願考案の第一実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造に用いた吸音部材(1a)と同一の性質を備える部材を用いることができる。
ここで、第二の遮音部材(1c)及び/又は第三の遮音部材(1g)は、それが二枚以上密着するようにして重ねて用いることも可能である。即ち、本願考案の第四実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造(1)では、第二の遮音部材(1c)及び第三の遮音部材(1g)は、それぞれ二枚密着するようにして重ねて用いられている。第二の遮音部材(1c)及び/又は第三の遮音部材(1g)をこのように形成することで、需要者の所望に応じて更に高度の防音性能を備える部屋の多層殻状の防音構造(1)とすることができる。
即ち、本願考案者が計測したところによれば、本願考案の第四実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造の遮音等級は、Dr50ないし55dbであり、その内部でドラムセットあるいはコントラバスのような重低音楽器を演奏するための家庭用音楽室に用いることができる程度の防音性能を備えることが実証されている。即ち、本願考案の第四実施形態に係る部屋の多層殻状の防音構造によれば、その防音性は更に高まっているところ、需要者が高度の防音性を所望する際も、適宜これに対応することができるのである。
1 部屋の多層殻状の防音構造
1a 吸音部材
1b 第一の遮音部材
1c 第二の遮音部材
1d 音緩和部材
1e 音響調節材
1f 空隙
1g 第三の遮音部材
1h 第四の遮音部材
1i 第二の吸音部材
2 建築物
2a 室内空間

Claims (5)

  1. 建築物の構造躯体に設置する複数の面状部材を重ねて形成する多層殻状の防音構造であって、該建築物の室外側から室内側に向かって、吸音部材と、第一の遮音部材と、第二の遮音部材とが、その順序でそれぞれの面上に密着するようにして重ねられており、該吸音部材は木質繊維により形成された吸音性及び断熱性を備える面状部材であって、該建築物の構造躯体に充填される部材であり、該第一の遮音部材は遮音性を備えるシート状の面状部材であり、該第二の遮音部材は遮音性を備える平板状の硬質面状部材であることを特徴とする部屋の多層殻状の防音構造。
  2. 請求項1に記載した部屋の多層殻状の防音構造に加えて、前記第二の遮音部材の室内側の面上に音緩和部材を密着するようにして重ねており、該音緩和部材は、木質繊維により形成された音を緩和する性質及び断熱性を備える部材であって平板状の面状部材であることを特徴とする部屋の多層殻状の防音構造。
  3. 請求項2に記載した部屋の多層殻状の防音構造に加えて、前記音緩和部材の室内側の面上に音響調節材を密着するようにして重ねており、該音響調節材は、吸音加工が施された平板状の面状部材であり、前記吸音部材と前記建築物の殻体との間には空隙が設けられており、該空隙の室外側には第三の遮音部材が設置されていて、該第三の遮音部材は遮音性を備える板状の硬質面状部材であることを特徴とする部屋の多層殻状の防音構造。
  4. 請求項3に記載した部屋の多層殻状の防音構造に加えて、前記吸音部材の室外側の面上に第四の遮音部材を密着するようにして重ねており、該第四の遮音部材は遮音性を備える平板状の硬質面状部材であって、前記第三の遮音部材の室外側の面上には第二の吸音部材が密着するように重ねられており、該第二の吸音部材は木質繊維により形成された吸音性及び断熱性を備える面状部材であって、前記建築物の構造躯体に充填される部材であることを特徴とする部屋の多層殻状の防音構造。
  5. 請求項4に記載した部屋の多層殻状の防音構造であって、前記第二の遮音部材及び/又は前記第三の遮音部材はそれが二枚以上密着するようにして重ねられていることを特徴とする部屋の多層殻状の防音構造。
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