JP3232753B2 - 水素化脱硫廃触媒からの有価金属の回収方法 - Google Patents

水素化脱硫廃触媒からの有価金属の回収方法

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JP3232753B2 JP6139793A JP6139793A JP3232753B2 JP 3232753 B2 JP3232753 B2 JP 3232753B2 JP 6139793 A JP6139793 A JP 6139793A JP 6139793 A JP6139793 A JP 6139793A JP 3232753 B2 JP3232753 B2 JP 3232753B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミナを主成分
として含む担体を用いた水素化脱硫廃触媒からの有価金
属の回収方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルミナ、もしくはアルミナに少量のシ
リカなどを添加したものからなる担体にモリブデン、ニ
ッケル、コバルトなどを活性金属として担持させた触媒
に有機化学工業界において汎用されている水素化脱硫触
媒がある。この水素化脱硫触媒は使用中に処理油から搬
入されるバナジウム、ニッケルなどの重金属類に被毒さ
れ、次第に触媒活性が低下する。そして所定時間使用さ
れた後、いわゆる廃触媒として廃棄されている。
【0003】しかし、これら廃触媒中には処理油中から
無秩序に廃棄することは環境汚染のみならず、省資源お
よび資源再利用の面からも問題が多く、このような問題
を回避するために廃触媒から有価金属を回収することは
必須の課題とされており、以前よりこの課題を解決すべ
く廃触媒から有価金属を回収するための種々の方法が検
討され、提案され、その一部が実施されている。
【0004】これら従来提案されている方法は大別し
て、バナジウムとモリブデンのみを回収する方法と、バ
ナジウム、モリブデン、ニッケルおよびコバルトを回収
対象とする方法とがある。前者に属するものとして米国
特許第4,087,510号および特開昭47−318
92号公報記載の方法がある。例えば米国特許第4,0
87,510号記載の方法は、廃触媒に苛性ソーダある
いは炭酸ソーダを添加し、焙焼してバナジウムとモリブ
デンを水可溶性のソーダ塩とし、これらを水で浸出して
浸出液からバナジウムとモリブデンを分別回収するもの
であり、特開昭47−31892号公報記載の方法は、
廃触媒を酸化焙焼した後、得られた焼成物に苛性ソーダ
や炭酸ソーダを添加し、ソーダ焙焼し、得られたバナジ
ウムとモリブデンを水可溶性のソーダ塩とし、これらを
水で浸出して浸出液からバナジウムとモリブデンを分別
回収するものである。
【0005】これらの2つの方法は高温で加熱焙焼する
ことにより廃触媒中のニッケルやコバルトがアルミナと
複合酸化物を形成するか、アルミナ自体がγ−Al
からα−Al(別名:コランダム)に結晶構造
が変換し、酸やアリルカリに対して極めて安定化するた
めに浸出液中に選択的にバナジウムとモリブデンとが浸
出されることになる。このためバナジウムとモリブデン
のみを回収するという視点からは、上記2つの方法は極
めて理想的なものといえるが、すべての有価金属の回収
という視点からは好ましくない方法であるといえる。
【0006】後者のバナジウム、モリブデン、ニッケル
およびコバルトを回収対象とする方法は近年の全ての有
価金属を回収するという視点にかなうものであり、この
課題を解決するための方法として提案されているもの
に、特開昭47−21387号公報、特開昭54−10
7801号公報および特開昭51−73998号公報記
載の方法がある。
【0007】例えば、特開昭47−21387号公報記
載の方法は、廃触媒を酸化焙焼して、これに含有されて
いる有機物および硫黄などを除去した後、アンモニア水
を用いて常圧〜加圧下で浸出することによって廃触媒に
含有されているバナジウム、モリブデン、ニッケルおよ
びコバルトなどを浸出し回収するものであり、特開昭5
4−107801号公報記載の方法は、廃触媒を300
〜1000℃程度で酸化焙焼した後、さらに塩素ガスを
添加し、廃触媒に含有されているバナジウム、モリブデ
ン、ニッケルおよびコバルトなどを塩素化して水可溶性
塩化物とし、この塩化物を浸出するものであり、特開昭
51−73998号公報記載の方法は、廃触媒を水蒸気
雰囲気下で焙焼し、これに付着している有機物などを除
去した後、高濃度の酸を用いて廃触媒に含有されている
バナジウム、モリブデン、ニッケルおよびコバルトなど
を浸出し回収するものである。しかしこれらの方法では
いずれもニッケルやコバルトの浸出が不十分であり、加
えて中途半端にアルミナが溶解される結果、バナジウ
ム、モリブデン、ニッケルおよびコバルトを含むアルミ
ニウム溶液が浸出液として得られることになる。
【0008】しかし、このようなアルミニウム溶液から
バナジウム、モリブデン、ニッケルおよびコバルトを分
別回収しようとすると、アルミニウムがこれらの元素の
抽出操作時に妨害物質として作用するなどの弊害があ
り、また各金属の中途半端な分配も手伝って有効な分別
回収ができない。このような状況であるので、未だ現状
では廃触媒からのバナジウム、モリブデン、ニッケル、
コバルトおよびアルミニウムを工業的に効率的に分別回
収する方法は確立されていないといえる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる実情
に鑑みなされたものであり、新規でかつ工業的に効率的
に実施可能な廃触媒からのバナジウム、モリブデン、ニ
ッケル、コバルトおよびアルミニウムの分離回収方法を
提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、アルミナを主成分として含む水素化脱硫廃触
媒からの有価金属の回収方法であって、(a)アルミナ
を主成分とする担体を用いた廃触媒を脱油処理した後、
400〜1000℃で焙焼して焼成物を得る前処理工程
と、(b)前記焼成物をアルミニウム、ニッケル及びコ
バルトから選ばれた1種以上の溶解促進用触媒金属と共
に硫酸溶液中に還元溶解して溶解液を得る還元溶解工程
と、(c)前記溶解液を抽出原液とし、該抽出原液をp
H0〜4に維持してこれに所定量の一般式R1−NH−
R2で示され、R1及びR2がそれぞれ独立に炭素数1
2〜13のアルキル基である第2級アミンの少なくとも
1種からなるモリブデン抽出剤を含むモリブデン抽出有
機液を接触させてモリブデン含有有機相とモリブデン抽
出残液とを得るモリブデン抽出工程と、(d)アルカリ
溶液を用いて前記モリブデン含有有機相からモリブデン
を逆抽出することによりモリブデン酸溶液を得ると共に
再生モリブデン抽出有機液を回収し、前記モリブデン酸
溶液からはモリブデンを回収し、一方前記再生モリブデ
ン抽出有機液はモリブデン抽出工程に還流させるモリブ
デン逆抽出工程と、(e)前記モリブデン抽出工程で得
られたモリブデン抽出残液をpH1〜4に調整維持し
て、これに所定量の2−エチルヘキシルスルホン酸モノ
−2−エチルヘキシルをバナジウム抽出剤として含むバ
ナジウム抽出有機液と接触させてバナジウム含有有機相
とバナジウム抽出残液を得るバナジウム抽出工程と、
(f)鉱酸溶液を用いて前記バナジウム含有有機相から
バナジウムを逆抽出してバナジウム含有溶液を得ると共
に再生バナジウム抽出有機液を回収し、該再生バナジウ
ム抽出有機液を前記バナジウム抽出工程に還流させるバ
ナジウム逆抽出工程と、(g)前記バナジウム抽出工程
で得られた前記バナジウム抽出残液を硫化水素ガスと接
触させて該バナジウム抽出残液中に含まれるニッケル及
びコバルトをそれぞれの硫化物として回収し、前記硫化
物回収後の最終残液をキレート樹脂と接触させて前記最
終残液中に残存する微量のニッケル及びコバルトを前記
キレート樹脂中に吸着分離させることにより、前記残液
を高純度アルミニウム溶液として回収し、一方前記キレ
ート樹脂中に吸着されたニッケル及びコバルトは、硫酸
を添加することによりそれぞれの硫化物として回収し、
またこれにより得られた遊離液を前記還元溶解工程に還
流させるニッケル及びコバルトの回収工程とからなる水
素化脱硫廃触媒からの有価金属の回収方法を特徴とする
ものである。
【0011】上記した本発明の廃触媒からの有価金属の
回収方法における好ましい実施態様としては、前記還元
溶解工程においては、焼成物の溶解を非酸化雰囲気中
で、70〜100℃、好ましくは80〜90℃の温度で
行い、溶解促進用触媒金属としては金属アルミニウム、
金属ニッケル、金属コバルトのうち少なくとも1種を用
い、前記モリブデン回収工程においては、モリブデンの
抽出は、前記抽出原液のpHを4以下とし、前記モリブ
デン抽出用有機溶液としては、抽出剤として一般式R
−NH−Rで示され、RおよびRがそれぞれ独立
に炭素数12〜13のアルキル基である第2級アミンの
少なくとも1種、好ましくはN−ドデセニル(トリアル
キルメチル)アミンおよび/またはN−ラウリル(トリ
アルキルメチル)アミンからなる化合物を用い、希釈剤
として芳香族炭化水素およびパラフィン系炭化水素のう
ちの少なくとも1種を用いて前記抽出剤と前記希釈剤と
を5:95〜20:80の重量比で混合したものを用
い、前記モリブデン逆抽出工程においては、モリブデン
逆抽出液として0.5〜5モル/リットルの苛性アルカ
リ溶液のうち少なくとも1種、または0.5〜5モル/
リットル以上のアンモニア水を用い、前記バナジウム抽
出工程においては、前記モリブデン抽出残液のpHを1
〜4とし、抽出剤として2−エチルヘキシルスルホン酸
モノ−2−エチルヘキシルを用い、希釈剤として芳香族
炭化水素およびパラフィン系炭化水素のうち少なくとも
1種を用いて前記抽出剤と前記希釈剤とを20:80〜
60:40の重量比で混合したものを用い、前記バナジ
ウム逆抽出工程においては、バナジウム逆抽出液として
0.05〜2モル/リットルの鉱酸溶液を用い、前記ニ
ッケルおよびコバルトの回収工程においては、ニッケル
およびコバルトのキレート樹脂への吸着は、キレート交
換樹脂としてイミノジ酢酸交換基タイプとアミノカルボ
ン酸タイプのものを併用してSV10〜20で行い、キ
レート樹脂中に吸収されたニッケルおよびコバルトの硫
酸による分離には、5〜20重量%硫酸を用いて同様の
SVで行うようにするのが適当である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明の廃触媒からの有価
金属の回収方法の詳細について、工程順に説明する。前処理工程 本発明の廃触媒からの有価金属の回収方法において対象
となる触媒は担体としてアルミナを主成分とするもので
あり、水素化脱硫に際しての反応条件や水素化脱硫装置
から系外へ排出されるときの条件によって多量の油分を
含む場合があるが、この様な場合に油分を除去すること
なく廃触媒を焙焼すると焙焼温度の制御が困難となるの
で、予め油分を実質的に問題がなくなる程度まで除去し
ておくことが好ましい。この油分の除去処理方法として
は揮発し易い低分子の有機溶媒を用いて洗浄する方法を
採用してもよく、中性雰囲気あるいは非酸化性雰囲気下
で加熱して蒸発除去させてもよい。
【0013】本発明においては、前処理工程として廃触
媒を400℃以上、1000℃未満で焙焼するのである
が、この焙焼は廃触媒中に含まれる炭素分の除去と回収
の対象とする有価金属を酸化物の形態にすることを主目
的とするものであるが、当然含まれる少量の油分や硫黄
分の除去、あるいは硫黄分の硫酸化も目的とする。なお
含有油分の量が多い場合には、必要に応じて焙焼前に前
記したような油分の除去処理を行っでおけばより効果的
である。
【0014】廃触媒の焙焼を400℃以上の温度で行う
のは、これより低い温度で焙焼を行うと有価金属および
硫黄分の酸化の速度が遅くなり、酸化を十分に行うため
の時間が長くなって経済的でないからである。また焙焼
温度の上限を1000℃にするのは、焙焼温度が100
0℃を超えると廃触媒中の有価金属、炭素分、硫黄分な
どの酸化速度が早くなり、かつ酸化が確実になるもの
の、得られた酸化物のうち、例えばモリブデン酸化物な
どが揮発飛散する割合が高くなるからである。さらに有
価金属とアルミナ担体との反応による複合酸化物の生成
が助長され、このような複合酸化物が生成するとつぎの
還元溶解工程における溶解速度が小さくなり、効率上好
ましくないからである。
【0015】還元溶解工程 還元溶解工程においては、上記の前処理工程で得られた
焼成物を溶解用触媒金属とともに硫酸に溶解するが、こ
の時に水酸化物の生成による沈殿を生ずると好ましくな
いので、液のpHは4以下とすることが好ましい。これ
はpHが高いとアルミニウムなどが加水分解し、水酸化
物として沈殿するからである。とはいえpHを過度に小
さくすると酸を大量に使用することとなり経済性を損な
うばかりでなく、つぎのモリブデン抽出工程でのモリブ
デンの抽出時にアルカリを加えてpHを0以上にしなけ
ればならないので生産効率上からも好ましくない。
【0016】焼成物の溶解用触媒金属としてはアルミニ
ウム、スズ、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、コバルト、マグ
ネシウムなどが考えられるが、本発明の回収対象金属を
考慮すれば、溶解用触媒金属はアルミニウム、ニッケ
ル、コバルトのうち少なくとも1種とすることが好まし
く、このうち特にアルミニウムは、価格の経済性、入手
の容易性からいって最も好ましい。
【0017】また溶解温度を70〜100℃に限定した
理由については、厳密には使用する硫酸の濃度によって
変わるが、一般的にいえば70℃未満では溶解速度が低
下し、焼成廃触媒の溶解が不十分となり、一方100℃
を超える高温になると焼成廃触媒の溶解には好影響を与
えるが、一方において触媒として加えられた金属の溶解
量も多くなり、結果的に必要とされる溶解用触媒金属と
硫酸の添加量を増やさざるを得なくなり、経済的に不利
である上に、作業環境も悪化しさらに装置も特殊な高温
用の材質のものを使用しなければならなくなるからであ
る。
【0018】還元溶解工程での焼成廃触媒の溶解方法
は、特に限定はされるものではないが、効率的に廃触媒
中の有価金属およびアルミナ担体の十分な溶液を行うた
めには、例えば並流式または向流式の反応装置または撹
拌装置付きの連続反応装置を用いて溶解することにより
均一な溶液を連続的に取得する方法を採用することが望
ましい。
【0019】モリブデン抽出工程 上記のようにして得られた溶解液中にはモリブデンが6
価のモリブデンとして存在するので溶解液ははそのまま
モリブデン抽出用原液として使用することができる。前
記モリブデン抽出用原液はpHを0〜4の範囲で適当に
調整することが望ましい。これはpHが低すぎると抽出
効率が悪化し、一方pHが高すぎると原液中のアルミニ
ウムやバナジウムが加水分解を起こし水酸化物の沈殿が
生ずるからである。この範囲にpHを維持する限り、第
3相やクラッド発生などによる液−液分離に支障となる
現象を起こすことはない。
【0020】また本発明においては抽出剤として一般式
−NH−Rで示され、RおよびRがそれぞれ
独立に炭素数12〜13のアルキル基である第2級アミ
ンを用いるのが好ましい。これは前記第2級アミンは抽
出操作時に第3相やクラッドの発生が防止できるからで
ある。特に前記第2級アミンとしてN−ドデセニル(ト
リアルキルメチル)アミンおよび/またはN−ラウリル
(トリアルキルメチル)アミンを用いるときはより一層
の抽出状態の改善が図られる。また希釈剤として芳香族
炭化水素およびパラフィン系炭化水素のうち少なくとも
1種を用いるが、これは抽出剤に対する溶解性が高く、
かつ還元性の硫酸溶液との相分離性が良好なためであ
る。
【0021】モリブデン抽出に際しては、前記抽出剤と
前記希釈剤とを5:95〜20:80の重量比で混合し
たものを抽出用有機液として用いる。その混合割合が上
記の範囲を逸脱したもの、例えば抽出剤がこれより少な
い場合には抽出効率が低下し経済性を損ない、また抽出
剤が多い場合には抽出後の有機相の粘性が著しく増加
し、このために相分離に極めて長時間かかるので、やは
り経済性を損なうことになるからである。
【0022】モリブデン逆抽出工程 上記の工程によって抽出原液からモリブデンを抽出した
有機相からアルカリ溶液を使用してモリブデンの逆抽出
を行いモリブデンを回収する工程であって、アルカリ水
溶液としては苛性アルカリ溶液またはアンモニア水が用
いられる。苛性アルカリ溶液を用いる場合には、その濃
度を0.5〜5モル/リットルの範囲とすれば、逆抽出
効率が良好で、また粘性の点からもこの範囲であれば相
分離が容易に行い得る。特にアルカリ水溶液として0.
5〜5モル/リットルの濃度のアンモニア水を用いるこ
とが望ましい。この場合にアンモニア濃度が高いと逆抽
出液中にモリブデン酸アンモニウムを生成するが、この
モリブデン酸アンモニウムは有機相を巻き込むことなく
反応容器底に沈降するので逆抽出操作に支障を与えるこ
となく逆抽出操作を遂行することができる。本工程にお
いていずれのアルカリ溶液を選定するかは最終的に得ら
れるモリブデン酸塩の形態により定めればよく、例え
ば、モリブデン酸アンモニウムを取得するのであれば当
然アンモニア水が用いられ、モリブデン酸ナトリウムを
取得するのであれば苛性ソーダ溶液が用いられる。
【0023】バナジウム抽出工程 上記の工程でモリブデンを逆抽出した後のモリブデン抽
出残液中には、バナジウムが4価の形態で硫酸バナジル
として含まれている。
【0024】本工程では必要に応じてモリブデン抽出残
液のpHを1〜4に調整することが望しい。何となれば
バナジウムの抽出時のpHが低すぎると抽出効率が悪化
し、一方高すぎるとモリブデン抽出残液中に同時に含ま
れるアルミニウムが加水分解を起こし水酸化アルミニウ
ムとして析出沈殿してくるので、液−液分離に支障をき
たすからである。モリブデン抽出残液のpHを上記した
範囲に保つ限り、上記したような第3相やクラッドの発
生など液−液分離に支障をきたすような現象は起こらな
い。なお先のモリブデン抽出工程において、常時添加硫
酸量を調節することによりモリブデン抽出残液のpH調
整の操作を省略することも可能である。
【0025】バナジウムの抽出に際しては抽出剤として
2−エチルヘキシルスルホン酸モノ一2−エチルヘキシ
ルを用いるのが好ましい。これはこの抽出剤を用いるこ
とによりつぎのバナジウム逆抽出工程において低い酸濃
度でバナジウムの逆抽出を行うことができ、これによっ
て第3相やクラッドの発生を防止できるからである。ま
た希釈剤として芳香族炭化水素およびパラフィン系炭化
水素のうち少なくとも1種を用いるが、これは抽出剤に
対する溶解性が良好でかつ硫酸溶液との相分離性もよい
からである。
【0026】前記の抽出剤と希釈剤とは20:80〜6
0:40の重量比で混合してバナジウム抽出用有機液と
するが、これは上記範囲を逸脱する場合、例えば抽出剤
がこれより低い量比である場合には、抽出効率が低下し
て経済性が損なわれるからであり、また高い量比である
場合には抽出後の有機相の粘性が著しく増加し、相分離
に時間がかかりすぎて経済性が損なわれるばかりでな
く、得られた有機相中に多量の不純物が混入するからで
ある。
【0027】バナジウム逆抽出工程 本発明においては上記の工程によりバナジウムを抽出し
て得たバナジウム含有有機相からのバナジウムの回収
は、該有機相中に硫酸、塩酸のような鉱酸を添加して、
有機相中のバナジウムを逆抽出することによって行われ
るのであるが、この際に鉱酸の濃度を0.05〜2モル
/リットルとするのは、先のモリブデン逆抽出の場合と
同様の理由、つまり逆抽出効率の向上と適切な粘性によ
る相分離の容易性を確保するためである。
【0028】なお鉱酸によるバナジウムの逆抽出には、
特に限定されるものではないがパルスカラム、ミキサー
セトラー、遠心抽出式液−液接触装置などを用いればバ
ナジウムの逆抽出を連続的に行うことが可能である。
【0029】ニッケルおよびコバルトの回収工程 バナジウム抽出後の残液中には、ニッケル、コバルトお
よびアルミニウムと微量の銅、鉄およびヒ素を含んでい
る。したがって先ず該バナジウム抽出残液を硫化水素ガ
スと接触させ、前記バナジウム抽出残液中に含まれるニ
ッケルおよびコバルトをそれぞれの硫化物として回収す
る。
【0030】本発明においてバナジウム抽出残液に硫化
水素を用いてニッケルおよびコバルトを硫化物とするの
は、バナジウム抽出残液中に共存する微量の銅、ヒ素お
よび鉄を同時に硫化物として沈殿除去することにより、
残液として高純度硫酸アルミニウムを回収することがで
きるからであり、またつぎに行われるイオン交換樹脂中
へのニッケル、コバルトの吸着に際しての負荷を軽減さ
せるためである。なお、硫化水素によりニッケルとコバ
ルトを硫化物として得る方法は長い歴史を持つ既知の方
法であるので詳細な条件などの説明は省略する。
【0031】上記のようにしてニッケルおよびコバルト
を硫化物として回収した後最終残液をキレート樹脂と接
触させて前記最終残液中に残留する微量のニッケルおよ
びコバルトを前記キレート樹脂中に吸着分離させること
により、前記残液を高純度のアルミニウム溶液として回
収し、一方前記キレート樹脂中に吸収させたニッケルお
よびコバルトは、硫酸を添加することによりそれぞれの
硫化物として回収する。ニッケルおよびコバルトの吸着
に用いられるキレート交換樹脂としてはイミノジ酢酸交
換基タイプとアミノカルボン酸タイプのものを併用する
ことが好ましく、これらの樹脂はそれぞれ単独で用いて
もよく、また混合し用いてもよい。
【0032】前記イミノジ酢酸交換基タイプの樹脂は、
2価の原子価を有するニッケル、コバルト、鉄、銅、バ
ナジウムを選択的に吸着し、前記アミノカルボン酸タイ
プの樹脂は、モリブデン、バナジウムおよび3価の鉄を
選択的に吸着する効果を有する上にこれらの樹脂からの
金属の溶離には硫酸を用いることができるので、これを
廃触媒の還元溶解工程にリサイクルすることができ、運
転コストの節減に資することができる。
【0033】上記キレート樹脂への金属の吸着および脱
着の条件はSVを10〜20とし、脱着に際しての硫酸
濃度は5〜20重量%とすることが吸脱着効率上最も好
適である。
【0034】なお上記の各工程において上記した以外の
操作条件は、それぞれの単位工程において通常常識とさ
れる範囲内で任意に選択すればよい。以上述べた本発明
の方法を採用すれば、廃触媒中のモリブデン、バナジウ
ムはそれぞれ塩として、またニッケル、コバルトはそれ
ぞれ硫化物として回収することができ、またアルミニウ
ムは高純度の硫酸アルミニウムとして回収することがで
さる。なお本発明においてモリブデン、バナジウムなど
の抽出に際しての抽出液のpH調整のためのpH調整剤
としては、炭酸カルシウム、水酸化カルシウムなどのカ
ルシウム化合物を用いることが推奨される。これは炭酸
ナトリウム、水酸化ナトリウムなどのナトリウム化合物
を用いたときは硫酸酸性の還元性抽出液中にナトリウム
が混入し、回収される有価金属製品の純度を低下する恐
れがあるからである。これに引き換えカルシウム化合物
を用いる場合は、生成する硫酸カルシムは抽出液中に沈
殿するので簡単な固液分離法で容易に除去することが可
能であるので回収される有価金属製品の純度に悪影響を
及ぼすことがないという利点があるからである。
【0035】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明の方法をさらに
詳しく説明する。なお実施例中で特に断りのない限り%
は重量基準による。 実施例1 この実施例では、予め脱油処理したアルミナを主成分と
した担体を用いた金属含有脱硫廃触媒の2種類を用いて
廃触媒からの有価金属の回収を行った。 (前処理焙焼工程) 前記2種類の廃触媒と銅触媒とを混合して外熱式ロータ
リーキルンに装入し、焙焼温度550℃で2時間加熱し
て焼成物を得た。該焼成物の分析値は次の通りであっ
た。 Ni:3.15%、Co:1.22%、Mo:5.81%、V:7.80%、 S :1.06%、Cu:2.89%、Fe:0.55%、Al:30.8%、 C :0.11%
【0036】(還元溶解工程) 上記焼成物140gと、溶解用触媒金属としての金属ア
ルミニウム材(廃アルミニウム缶材)を短冊状に切断し
た片1gとを溶解槽中で10%硫酸溶液560ミリリッ
トルを加えて炭酸ガスを通気しながら温度90℃で加熱
し完全溶解した。さらにこれに水を加えて全量を100
0ミリリットルとした。溶解槽における撹拌速度は30
0rpmであった。これにより得られた溶解液の分析
値、pH値および標準酸化還元電位はつぎの通りであっ
た。 Ni:4.4%、Co:1.7%、Mo:8.1%、V:11.1%、 Cu:4.0%、Fe:0.7%、Al:43.6% pH値:1.5 標準酸化還元電位:157mV
【0037】(モリブデン抽出工程) 上記の溶解液をモリブデン抽出原液とし、これにN−ラ
ウリル(トリアルキルチル)アミンを5%の割合で含む
キシレン溶液を用いたモリブデン抽出用有機液をそれぞ
れの割合が1:1になるようにして混合し、5分間振盪
してモリブデンを有機相中に抽出した。抽出完了後モリ
ブデン抽出残液中のモリブデン濃度はつぎの通りであっ
た。 モリブデンイオン濃度:0.01g/リットル未満 つまり、上記の結果は溶解液中のモリブデンはほぼ完全
に有機相中に抽出されることを示す。なおモリブデン抽
出剤としてN−ドデセニル(トリアルキルメチル)アミ
ンを同様の割合で含むモリブデン抽出用有機液を用い
て、同様の操作を行ったところ、モリブデン抽出残液中
のモリブデンイオン濃度は同様に0.01g/リットル
未満であり同様の抽出効果が得られることが分かった。
【0038】(モリブデン逆抽出工程) 有機相中に抽出されたモリブデンの逆抽出を2モル/リ
ットルのアンモニア水を使用して行ったところ有機相中
のモリブデンはモリブデン酸アンモニウムとして水相中
に逆抽出され、有機相を巻き込むことなく反応槽底に沈
殿した。モリブデン逆抽出完了後の有機残液は、再生モ
リブデン抽出用有機液として回収しモリブデン抽出工程
に繰り返し使用のために還流させた。
【0039】(バナジウム抽出工程) つぎに前記したモリブデン抽出工程において得られたモ
リブデン抽出残液に炭酸カルシウムを加えてpHを2〜
3の間に調整し、その際生じた硫酸カルシウムを濾過し
て固液分離した。これにより得られた濾液をバナジウム
抽出原液とし、抽出剤として2−エチルヘキシルスルホ
ン酸モノ−2−エチルヘキシルを希釈剤として50%の
割合でキシレン溶液を含むバナジウム抽出用有機液をそ
れぞれ1:1の割合で混合し、5分間振盪してバナジウ
ムを有機相中に抽出した。これにより生じたバナジウム
抽出残液中のバナジウムイオイン濃度は0.02g/リ
ットル未満であった。このことは上記の抽出操作により
モリブデン抽出残液中に含まれるバナジウムは、ほぼ完
全に有機相中に抽出されていることを示すものである。
【0040】(バナジウム逆抽出工程) ついで有機相中のバナジウムの逆抽出を5%濃度の硫酸
溶液中で行ったところ硫酸バナジウムが水相中に逆抽出
された。バナジウム逆抽出完了後の有機残液は、再生バ
ナジウム抽出用有機液として回収しバナジウム抽出工程
に繰り返し使用のために還流させた。
【0041】(バナジウム抽出工程) 前記したバナジウム抽出工程において得られたバナジウ
ム抽出残液を40℃に加熱して硫化水素ガスを通気し、
生成した硫化物を濾過により固液分離し硫化物スライム
を回収した。固液分離後の濾液、すなわち最終残液中の
ニッケル、コバルルト、銅、鉄の濃度はつぎの通りであ
った。 ニッケル:0.51g/リットル コバルト:0.10g/リットル 銅 :0.01g/リットル未満 鉄 :0.01g/リットル未満 上記の結果から回収された硫化物は十分にニッケル製錬
原料として使用可能であることが分かった。
【0042】つぎに前記最終残液をイミノジ酢酸交換基
を持つ樹脂とタイプとアミノカルボン酸タイプを持つ樹
脂との混床としてスミキレートMC30とスミキレート
MC75(住友化学社製:スミキレートは商標名)混床
であるH型タイプのキレート樹脂を充填した充填塔にS
V=15で通液し、液中に含まれる微量重金属を該樹脂
中に吸着させた。吸着後の通過液(硫酸アルミニウム)
の分析値はつぎの通りであり、殆ど他の金属原子を含ま
ない高純度の硫酸アルミニウムであることが分かる。 アルミニウム:49.1g/リットル ニッケル :<0.001g/リットル コバルト :<0.001g/リットル モリブデン :<0.001g/リットル バナジウム :<0.001g/リットル 銅 :<0.001g/リットル 鉄 :<0.001g/リットル
【0043】つぎに前記キレート樹脂に吸着したニッケ
ル、コバルトおよびその他の微量重金属類を脱着溶離す
るために10%硫酸溶液をSV=15で通過させたたと
ころニッケル、コバルトの溶離はほぼ完全に行われた。
溶離後の硫酸溶液は還元溶解工程に還流させた。
【0044】以上の工程において再生モリブデン抽出有
機液および再生バナジウム抽出有機液をそれぞれモリブ
デン抽出工程およびバナジウム抽出工程に繰り返し使用
し、キレート樹脂の溶離後硫酸溶液を還元溶解工程に繰
り返し使用して10回の繰返し試験を行い操業上の問題
点の検討を行ったが、いずれの抽出工程でも相分離状態
は良好であり、第3相やクラッドの生成は認められなか
った。また還元溶解工程では常に焼成物の溶解が完全に
行われていた。つぎに上記実施例での繰り返し試験によ
り回収された有価金属の平均回収率を下記に示す。 モリブデン :98.5% (製品の形態:モリブデン酸アンモニウム) バナジウム :99.5%以上(製品の形態:硫酸バナジル) アルミニウム:100% (製品の形態:硫酸アルミニウム[Al= 8.1%]の水溶液) ニッケル :100% (製品の形態:非鉄製錬用NiSスライムの形態) コバルト :100% (製品の形態:非鉄製錬用CoSスライムの形態) 銅 :100% (製品の形態:非鉄製錬用CuSスライムの形態)
【0045】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、アル
ミナを主成分とする廃触媒からのモリブデン、バナジ
ム、ニッケル、コバルト、アルミニウムなどの有価金属
の回収をクラッドや第3相の生成なく容易かつ極めて高
収率で行うことができ、さらに本発明の方法はクローズ
ド・システムにより行うことが可能であるので公害防止
上からも有効であるなどその利点は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C22B 3/26 C22B 34/22 23/00 34/34 34/22 3/00 J 34/34 23/04 (72)発明者 柴 山 治 雄 茨城県 那珂郡 東海村 舟石川 747 −53 (72)発明者 清 水 昌 明 茨城県 勝田市 高野 1400−2 (56)参考文献 特開 昭59−56535(JP,A) 特開 昭62−211597(JP,A) 特開 昭54−68720(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22B 1/00 - 61/00 B01J 20/26 C01G 1/00 - 57/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナを主成分として含む水素化脱硫
    廃触媒からの有価金属の回収方法であって、 (a)アルミナを主成分とする担体を用いた廃触媒を脱
    油処理した後、400〜1000℃で焙焼して焼成物を
    得る前処理工程と、 (b)前記焼成物をアルミニウム、ニッケル及びコバル
    トから選ばれた1種以上の溶解促進用触媒金属と共に硫
    酸溶液中に還元溶解して溶解液を得る還元溶解工程と、 (c)前記溶解液を抽出原液とし、該抽出原液をpH0
    〜4に維持してこれに所定量の一般式R1−NH−R2
    で示され、R1及びR2がそれぞれ独立に炭素数12〜
    13のアルキル基である第2級アミンの少なくとも1種
    からなるモリブデン抽出剤を含むモリブデン抽出有機液
    を接触させてモリブデン含有有機相とモリブデン抽出残
    液とを得るモリブデン抽出工程と、 (d)アルカリ溶液を用いて前記モリブデン含有有機相
    からモリブデンを逆抽出することによりモリブデン酸溶
    液を得ると共に再生モリブデン抽出有機液を回収し、前
    記モリブデン酸溶液からはモリブデンを回収し、一方前
    記再生モリブデン抽出有機液はモリブデン抽出工程に還
    流させるモリブデン逆抽出工程と、 (e)前記モリブデン抽出工程で得られたモリブデン抽
    出残液をpH1〜4に調整維持して、これに所定量の2
    −エチルヘキシルスルホン酸モノ−2−エチルヘキシル
    をバナジウム抽出剤として含むバナジウム抽出有機液と
    接触させてバナジウム含有有機相とバナジウム抽出残液
    を得るバナジウム抽出工程と、 (f)鉱酸溶液を用いて前記バナジウム含有有機相から
    バナジウムを逆抽出してバナジウム含有溶液を得ると共
    に再生バナジウム抽出有機液を回収し、該再生バナジウ
    ム抽出有機液を前記バナジウム抽出工程に還流させるバ
    ナジウム逆抽出工程と、 (g)前記バナジウム抽出工程で得られた前記バナジウ
    ム抽出残液を硫化水素ガスと接触させて該バナジウム抽
    出残液中に含まれるニッケル及びコバルトをそれぞれの
    硫化物として回収し、前記硫化物回収後の最終残液をキ
    レート樹脂と接触させて前記最終残液中に残存する微量
    のニッケル及びコバルトを前記キレート樹脂中に吸着分
    離させることにより、前記残液を高純度アルミニウム溶
    液として回収し、一方前記キレート樹脂中に吸着された
    ニッケル及びコバルトは、硫酸を添加することによりそ
    れぞれの硫化物として回収し、またこれにより得られた
    遊離液を前記還元溶解工程に還流させるニッケル及びコ
    バルトの回収工程とからなることを特徴とする水素化脱
    硫廃触媒からの有価金属の回収方法。
  2. 【請求項2】 前記還元溶解工程においては、焼成物の
    溶解を非酸化雰囲気中で、70〜100℃の温度で行
    い、溶解促進用触媒金属として金属アルミニウを用い、
    前記モリブデン抽出工程におけるモリブデン抽出用有機
    溶液としては、前記モリブデン抽出剤に希釈剤として芳
    香族炭化水素およびパラフィン系炭化水素のうちの少な
    くとも1種を加えて、前記抽出剤と前記希釈剤とを5:
    95〜20:80の重量比で混合したものを用い、前記
    モリブデン逆抽出工程においては、モリブデン逆抽出液
    として0.5〜5モル/リットルの濃度の苛性アルカリ
    溶液またはアンモニア水のうちの少なくとも1種を用
    い、前記バナジウム抽出工程におけるバナジウム抽出用
    有機溶液としては、前記バナジウム抽出剤に希釈剤とし
    て芳香族炭化水素およびパラフィン系炭化水素のうちの
    少なくとも1種を加えて前記抽出剤と前記希釈剤とを2
    0:80〜60:40の重量比で混合したものを用い、
    前記バナジウム逆抽出工程においては、バナジウム逆抽
    出液として0.05〜2モル/リットルの鉱酸溶液を用
    い、前記ニッケルおよびコバルトの回収工程において
    は、ニッケルおよびコバルトのキレート樹脂への吸着
    は、キレート交換樹脂としてイミノジ酢酸交換基タイプ
    とアミノカルボン酸タイプのものを併用してSV10〜
    20で行い、キレート樹脂中に吸収されたニッケルおよ
    びコバルトの硫酸による分離には、5〜20重量%硫酸
    を用いて同様のSVで行うことを特徴とする請求項1記
    載の水素化脱硫廃触媒からの有価金属の回収方法。
  3. 【請求項3】 前記モリブデン抽出工程において、モリ
    ブデンの抽出剤としてN−ドデセニル(トリアルキルメ
    チル)アミンおよび/またはN−ラウリル(トリアルキ
    ルメチル)アミンを用いることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の水素化脱硫廃触媒からの有価金属の回収方
    法。
  4. 【請求項4】 前記モリブデン逆抽出工程において、逆
    抽出液として0.5〜5モル/リットルの濃度のアンモ
    ニア水を用いることを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れか1項記載の水素化脱硫廃触媒からの有価金属の回収
    方法。
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