JP3232321B2 - 聴覚訓練方法および聴覚訓練用音処理方法および聴覚訓練用音処理装置ならびに聴覚訓練用記録媒体 - Google Patents

聴覚訓練方法および聴覚訓練用音処理方法および聴覚訓練用音処理装置ならびに聴覚訓練用記録媒体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、言語習慣の異なる
環境に育った人間が、言語習慣の異なる環境の他の言語
や音楽を習得する場合に、修得の障害となっている聴覚
認知を飛躍的に高め改善することによって、効果的な訓
練を行うことができる、聴覚訓練方法および聴覚訓練用
音処理方法および聴覚訓練装置ならびに聴覚訓練用処理
音を記録した聴覚訓練用記録媒体に関する。また、本発
明は、難聴や耳鳴りの治療、音楽療法など医学的領域に
用いることができる、聴覚訓練方法および聴覚訓練用音
処理方法および聴覚訓練装置ならびに聴覚訓練用処理音
を記録した聴覚訓練用記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
「聴覚について」人の聴覚は、万人に共通な構造を持つ
ものではなく、日常生活で使用している言語によって聴
覚の構造が特徴付けられる。すなわち、人の聴覚の構造
は、日常生活で使用している言語を聞き取るのに都合の
よいように発達している。ここで、聴覚の構造とは、母
音や子音の認識能力、音の減衰の認識能力などを含んで
いる構造を言う。
【0003】日本語は、単語や文節が、例えば2000
Hz以上の高い周波数成分を多く含む子音で終了するこ
とは極めて少なく、低い周波数成分を多く含む母音を減
衰させた形態で終わることが多い。また、日本人がとく
に敏感に認知する音声は、母音であること。さらに、特
異な現象として、日本人は、母音に含まれる残響(周波
数が低いほど残響として残りやすい)に対して非常に敏
感であることが解ってきた。この日本語の周波数帯域上
の特徴や、日本人の残響音や減衰音に対する敏感さなど
から、日本人は、語尾の音に意識が集中する傾向がある
といえる。
【0004】すなわち、日本語を使用する人には、日本
語を聴き話しするのに適した固有の聴覚構造が形成され
ているので、固有の聴覚構造からはずれた音声、例えば
2000Hz以上の周波数成分を音として認識しにくく
なっており、また、発音形態や文法構造の異なる言語ほ
ど、その言葉を聞き取りにくくなる傾向がある。さら
に、加齢によって高周波領域の音声を聞き取りにくくな
る。
【0005】他方、ヨーロッパの言語、英語、ドイツ
語、ラテン語などでは、2000Hz以上の成分が多く
含まれ、6000Hz以上に達することもある。すなわ
ち、西洋の言語の言語的特徴として、日本語とは反対に
母音は付属的なものとさえ言われるくらいであり、子音
に含まれるエネルギーの大きさ、立ち上り形状、太さ、
語尾における子音の切り方などによる子音の認識に加え
て、さらに、文法から起因する抑揚や強弱、アクセント
等によって言語を認識し、言葉を聞き分けていること
が、2000Hz以下の周波数成分を減少させた音声を
聞かせても会話を理解していることによってわかる。
【0006】このようなことから、日本人は、日本語の
環境の中で、存在する子音を認識せず、存在しない母音
を聴いたと認識してしまう傾向が形成されているといえ
る。例えば、日本人は、聴いた音の高周波成分を聞き分
ける能力や子音の立上りを認識する能力が低いと指摘さ
れている。英語の「L,R」、「M,N」などの子音を
聞き分ける能力が低いのは良く知られた例である。ま
た、“McDonald”を「マクドナルド」として、
“Seven Eleven”を「セブンイレブン」と
して聴きとり、発音も母音を付加して行っている。つま
り、日本人が発声する「マクドナルド」や「セブンイレ
ブン」は、日本語の聴覚構造に従って構成されている。
【0007】このような音の高周波成分を聞き分ける能
力や子音の立上りを認識する能力が低ければ、発音にお
いても高周波成分を付加しようとせず子音の立上りを明
確にしようとする能力が低くなる。当然、上記のような
日本語の聴覚構造を持ったままでは、異なる言語習慣を
有する言語を正確に聞き取ることも、ネイティブと同様
に発音することもで困難となっている。
【0008】上述のような、日本語による聴覚構造の形
成を理解するために、発明者は、音声を加工して低い周
波数成分を減少させ、特定の周波数帯域成分を強調した
言語を繰返し聞かせる実験を行った結果、後述するよう
な認識を得ることができた。さらに、実験を続けた結
果、加工した言語に代えて未加工のままの言語を聞かせ
るときには、すぐさま日本人としての聴覚構造に切り替
わってしまうというデータも得られた。つまり、聴覚構
造は、民族によって“認知周波数”が違うということ、
すなわち民族によって、鼓膜は振動していても“認知し
ない周波数”があるということが言える。この認識しな
い音声は、どの周波数領域を認識する能力が低いのか、
どのような訓練をすればこの能力を高めることができる
のかは未だに解決されていない。
【0009】一方、言語の特徴を上に述べたが、“会話
する”ということの特徴を捕らえると、さらに意外な事
実が見えてくる。つまり、会話という行為は、相手の話
している内容について意味のみを聞いているだけでな
く、聞き手は、その内容から相手が何を話してくるかと
いう予想を常に立てながら自分の対応を決めている。つ
まり言葉の持っている意味以外に、相手の態度や口調、
息の流れ、顔の表情など微妙なニュアンスを嗅ぎ分けな
がら言語を聴き、判断し相手から受ける印象を元にして
予想している。その予想は、聞き手の経験や知識、洞察
力などの範疇であることは当然である。このように、会
話は言葉の持っている意味以外に相手から受ける感情を
元に、会話の方向性を探りながら受け応えているのであ
るが、その言語以外の要素は60%を超えるのではない
かと考えられる。
【0010】民族ごとの言語習慣の違い等から、音声に
含まれているその言語固有の周波数成分を意識の中で認
識しようとする能力(ここでは“認知周波数”と呼ぶ)
が民族によって変化してしまうことは上述のとおりであ
る。このことは、民族によって聴覚器感の構造が異なり
聞き取れる周波数帯域に相違が生じるということではな
く、聞き取ろうとする聞き手の意識の相違、意識の問題
であると言える。
【0011】そして、外国語による会話は、聞き手が外
国語の言語習慣によって形成された聴覚を持っていない
こと、言語以外の要素が大きく欠けていることから、言
語環境の相違や文化の相違などに基づいて双方の思い込
みにすれ違いが生じ、単なる誤解に留まらずパニックに
陥ることさえある。
【0012】そこで、外国語を正確に聞き取るり習得す
るには、母国言語の習慣や予測から構成された聴覚構造
を打ち砕く必要がある。そのためには、学習する言語の
音自体をなんらかの方法で処理することは言語学習とし
ては有効な手段となる。
【0013】「音楽について」一方、音楽は、スキャッ
トや声楽などのように、言語の客観的要素とみることが
でき、言語を発展させた性格を持っているので、言語以
上の想像や思い込みで成り立っていると言える。そこ
で、外国の音楽例えば西洋音楽を練習するには、言語習
慣の異なる環境によって形成された聴覚構造を打ち砕
き、日本語の思考の働きをとめる手立てを講じること
は、西洋音楽を学習する際に効果的に訓練することが期
待できる。
【0014】「従来の訓練方法について」従来の、語学
のヒヤリングの訓練においては、CDなどのメディア
や、対面方式などを用いて、ネイティブスピーカーの発
音を繰り返し聞かせ、ネイティブな発音を学習する方法
がほとんどを占めている。さらに、ビデオなどの直接視
覚に訴える映像を伴うメディアを用いてヒアリングなど
を行うことによって、さらに学習効果を上げる方法が提
案されている。また、コンピュータの発達に伴い、学習
者がストーリーを決め、モニタに示されたスペルと同じ
に打鍵しながら単語を覚えさせる、ゲーム感覚で行える
ソフトなどもある。また、特公昭60−159776号
公報に示されるような、聞き取りにくい英語をスローモ
ーションで再生させて訓練する方法、登録実用新案公報
第30003950号に示されるように、聞き取りにく
い周波数の発音を強調して聞かせる装置、特開平2−1
96272号公報に示されるように、英語を左右いずれ
かの片チャンネルにいれ、音楽を残りの反対チャンネル
に入れて脳を活性化させる装置、特開平6−67596
号公報に示されるように、一部には、聞き取り難い英語
を周波数処理して反復して聞かせるかまたは音楽の中に
混入させて聞かせる方法等が提案されている。さらに、
特開昭48−98698号公報に示されるように、聴覚
障害者の聴力欠陥を補うため、聞き取りにくい周波数域
を取り出し、増幅を行う装置が提案されている。
【0015】一方、打楽器のリズムや音楽のリズムに乗
って言語を学習させる方法などは、古くからある。新し
い技術としては、図形や音楽、体の動きなどを伴い、イ
メージトレーニング的に総合的に覚えさせるという特殊
な方法も考案されている。
【0016】現在、語学教育の方法のほとんどは、ネイ
ティブスピーカーによる言語を聞かせることにより理解
させようということで外国人講師がもてはやされる中、
さまざまなアイディアで理解させ学習効率を高めるとい
う方法論を提示している。しかし、残念ながらそれら独
創的と思えるアイディアも、その根底にあるものは、い
ずれも繰り返しと慣れによる学習であるということから
脱しているとは思えない。例えば、英語等の外国語の聞
き取りを容易にするために周波数処理したパルスや合成
音あるいは音楽を聞かせるという方法については、暗闇
の中で光を見たときに残像が残るように、単に一時的に
高周波に慣らさせるという感じが拭えない。調査の結果
としてその結果は永続的なものとは思えないし、また訓
練としては疑問を抱かざるを得ない。
【0017】英語等西洋の言語には、高い周波数が含ま
れていることは事実であるが、これまでの発明者の研究
によれば、高周波が聞こえれば認識できるというような
単純な構造で聴覚が成り立っているものとはとてもいえ
ない。なぜならば、高周波が聞こえることと音を認知で
きるということとはまったく別の問題を含んでいるから
である。
【0018】また、聴覚障害者の聴力欠陥を補うための
増幅装置に関しては耳鼻科的にいう、いわゆる正常な聴
覚を失った、あるいは欠落している患者に対して行うも
ので、欠損した周波数帯域を選択的に補うための装置に
すぎない。
【0019】以下に開発の動機やその目的、問題点など
を明らかにしていくことにより、本発明が従来の技術や
方法と根本的相違があることを同時に説明していくこと
になる。上記従来技術は、外国語を取得する際、聞き取
りにくい音声部分に含まれる周波数成分を強調するもの
であるため、一時的に聞き取る能力を高めるものであ
る。そのため、母国語を聞くと聴覚が元に戻ってしまう
ことになり、その効果は永続的なものではないため、繰
り返しと成れに頼らざるをえず、訓練に長期間要する。
認知周波数を変化させれば、言語学習に極めて有効であ
る。そのためには、日常の習慣や母国語を話すときの予
想等を断ち切る必要がある。
【0020】外国語を聞き取る能力は単に周波数のみの
問題ではなく、以下のような観点を持つことが必要であ
る。 1)加齢によって、高周波領域が聞き取りにくくなる年
齢の問題。 2)日本人が聞き取りにくい高周波に関して、その帯域
が具体的にどのような帯域であるのか、また、高周波を
聞き取る訓練法については未だに知られていない。 3)言語は、リズム、流れ、抑揚、タイミング、言語習
慣の違いなどをもっと総合的にとらえ理解すべきであ
る。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上記問題に鑑み、本発
明は、認知周波数を変化させるために有効な周波数帯域
を特定すること、および、母国言語の持つ慣習と予想を
断ち切ることによって、言語学習の効果を飛躍的に高め
る、聴覚訓練方法および聴覚訓練用音処理方法および聴
覚訓練装置ならびに聴覚訓練用処理音を記録した聴覚訓
練用記録媒体を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、原音を処理した音を聴取することによっ
て、聴覚を訓練する聴覚訓練方法において、原音に対し
所定の周波数領域を減衰させた領域減衰処理音を被訓練
者に聴かせるようにした。
【0023】また本発明は、上記聴覚訓練方法におい
て、原音に対し所定の周波数領域を減衰させた領域減衰
処理音を連続して被訓練者に聴かせるか、または、領域
減衰処理音を原音と交互に被訓練者に聴かせるか、また
は、領域減衰処理音を無音部と交互に被訓練者に聴かせ
るか、または、領域減衰処理音を原音および無音部と交
互に被訓練者に聴かせるようにした。さらに、領域減衰
処理音と交互に聴かせる原音は領域減衰処理を施す原音
と異なる原音であってよい。
【0024】本発明は、上記聴覚訓練方法において、原
音に対して減衰処理を施す領域を、1800Hz〜70
00Hzの間にある所定の周波数以下の領域とした。ま
た、原音に対して減衰処理を施す領域を、2000Hz
〜7000Hzの間にある所定の周波数以上の領域とし
た。
【0025】さらに本発明は、原音に対して減衰処理を
施す領域を、1800Hz〜7000Hzの間にある所
定の周波数以下の領域と2000Hz〜7000Hzの
間にある所定の周波数以上の領域の二つの領域とした。
【0026】さらに、本発明にかかる聴覚訓練方法は、
上記複数種類の領域減衰処理から一つを選んで、複数の
周波数に対して行うようにした。また、本発明にかかる
聴覚訓練方法は、上記複数種類の領域減衰処理を二つ以
上の組み合わせて行うようにした。
【0027】本発明は、上記聴覚訓練方法において、領
域減衰処理を、複数の異なる周波数を対象として行い、
その周波数および処理時間をランダムに設定して時間的
に配列した。
【0028】上記課題を解決するために、本発明は、原
音を処理した2チャンネル以上の音を聴取することによ
って、聴覚を訓練する聴覚訓練方法において、一方のチ
ャンネルの原音の振幅を減衰処理した振幅減衰処理音を
一方のチャンネルに出力し、一方のチャンネルの原音の
振幅を減衰処理した振幅減衰処理音を他方のチャンネル
の原音に重畳して他方のチャンネルに出力するパンポッ
ト処理を施したパンポット処理音を、パンポット処理を
施さない音と交互に被訓練者に聴かせるようにした。
【0029】本発明は、上記パンポット処理を行う聴覚
訓練方法において、パンポット処理を、一つのチャンネ
ル信号について、一方のチャンネルに出力される振幅減
衰処理音と他方のチャンネルに出力される振幅減衰処理
音の和を一定になるように行うようにした。
【0030】本発明は、上記パンポット処理を行う聴覚
訓練方法において、パンポット処理を複数の異なる処理
パターンで実行し、その処理パターンおよび処理時間を
ランダムに設定するとともに、パンポット処理を時間的
に配列した。
【0031】上記課題を解決するために、本発明は、原
音を処理した音を聴取することによって、聴覚を訓練す
る聴覚訓練方法において、原音に対し位相を反転させる
位相反転処理を施した位相反転処理音を、原音と交互に
被訓練者に聴かせるようにした。
【0032】本発明は、上記位相反転処理を用いた聴覚
訓練方法において、位相反転処理は、その処理時間をラ
ンダムに設定するとともに時間的に配列した。
【0033】上記課題を解決するために、本発明は、聴
覚訓練方法において、上記領域減衰処理と上記パンポッ
ト処理を組み合わせた。
【0034】また、本発明は、上記聴覚訓練方法におい
て、上記領域減衰処理と位相反転処理を組み合わせた。
【0035】さらに、本発明は、上記聴覚訓練方法にお
いて、上記パンポット処理と位相反転処理を組み合わせ
た。また、本発明は、上記領域減衰処理と上記パンポッ
ト処理と位相反転処理を組み合わせた。本発明は、上記
聴覚訓練方法において、原音を、自然音または人工音、
あるいは、音声または非音声音、あるいは、楽音または
騒音のいずれか一つとした。
【0036】また、本発明は、上記聴覚訓練方法におい
て、原音を、自然音または人工音、あるいは、音声また
は非音声音、あるいは、楽音または騒音のいずれかを2
以上組み合わせた。自然音には人工的に発せられた音以
外の全ての音が含まれる。音声には、人間が発声した音
声の全てが含まれ、非音声音には、音声以外の全ての音
が含まれる。また、楽音には騒音以外の全ての音が含ま
れ、騒音には楽音以外の雑音を含む全ての音が含まれ
る。
【0037】本発明は、上記聴覚訓練方法において、処
理音に言語を組み合わせた音を被訓練者に聴かせて言語
ヒアリング能力を訓練する言語ヒアリング訓練に用い
た。本発明は、上記言語訓練用聴覚訓練方法において、
原音に対し所定の周波数領域を減衰させた領域減衰処理
音を言語のバックグラウンドとして被訓練者に聴かせ
た。領域減衰処理音は、言語であってよく、また、言語
以外の音であってもよい。
【0038】本発明は、上記言語訓練用聴覚訓練方法に
おいて、領域減衰処理音を、連続して小さな振幅で流し
て、言語のバックグラウンドとした。
【0039】また、本発明は、上記言語訓練用聴覚訓練
方法において、領域減衰処理音を、非連続して流して言
語のバックグラウンドとした。
【0040】本発明は、上記言語訓練用聴覚訓練方法に
おいて、領域減衰処理音を、1800Hz〜7000H
zの間にある所定の周波数以下の領域を減衰させた低域
減衰処理音とした。
【0041】また、本発明は、上記言語訓練用聴覚訓練
方法において、2000Hz以上の特定の周波数以上の
領域を減衰させた高域減衰処理音とした。
【0042】さらに、本発明は、上記言語訓練用聴覚訓
練方法において、領域減衰処理音を、1800Hz〜7
000Hzの間にある所定の周波数以下の領域を減衰さ
せた低域減衰処理音と、2000Hz以上の特定の周波
数以上の領域を減衰させた高域減衰処理音の組み合わせ
とした。
【0043】本発明は、上記言語訓練用聴覚訓練方法に
おいて、領域減衰処理を、複数の異なる周波数に対して
実行し、その周波数および処理時間をランダムに設定す
るとともに、時間的に配列した。
【0044】本発明は、上記原音を領域減衰処理した領
域減衰処理音を用いた聴覚訓練方聴覚訓練方法におい
て、領域減衰処理によって減衰した処理音に対して振幅
を増幅する処理を施した。振幅の増幅は、領域減衰処理
によって減衰した振幅を元に戻す程度の増幅であってよ
く、また、元以上の振幅に増幅しても、元の振幅以下に
増幅するものであってもよい。
【0045】上記課題を解決するために、本発明は、原
音を処理した音を聴取することによって、聴覚を訓練す
る聴覚訓練方法に用いる聴覚訓練用音処理方法おいて、
原音に対し所定の周波数領域を減衰させる領域減衰処理
を施した。
【0046】本発明は、上記聴覚訓練用音処理方法にお
いて、原音に対して減衰処理を施す領域を、1800H
z〜7000Hzの間にある所定の周波数以下の領域と
した。
【0047】また、本発明は、上記聴覚訓練用音処理方
法において、原音に対して減衰処理を施す領域を、20
00Hz〜7000Hzの間にある所定の周波数以上の
領域とした。
【0048】また、本発明は、上記聴覚訓練用音処理方
法において、原音に対して減衰処理を施す領域を、18
00Hz〜7000Hzの間にある所定の周波数以下の
領域と2000Hz〜7000Hzの間にある所定の周
波数以上の領域の二つの領域とした。
【0049】また、本発明は、上記聴覚訓練用音処理方
法において、原音に対して減衰処理を施す領域を、18
00Hz〜7000Hzの間にある所定の周波数以下の
領域と、2000Hz〜7000Hzの間にある所定の
周波数以上の領域の組み合わせとした。
【0050】また、本発明は、上記聴覚訓練用音処理方
法において、原音に対して減衰処理を施す領域を、18
00Hz〜7000Hzの間にある所定の周波数以下の
領域と、1800Hz〜7000Hzの間にある所定の
周波数以下の領域と2000Hz〜7000Hzの間に
ある所定の周波数以上の領域の二つの領域の組み合わせ
とした。
【0051】また、本発明は、上記聴覚訓練用音処理方
法において、原音に対して減衰処理を施す領域を、20
00Hz〜7000Hzの間にある所定の周波数以上の
領域、1800Hz〜7000Hzの間にある所定の周
波数以下の領域と2000Hz〜7000Hzの間にあ
る所定の周波数以上の領域の二つの領域の組み合わせと
した。
【0052】また、本発明は、上記聴覚訓練用音処理方
法において、原音に対して減衰処理を施す領域を、18
00Hz〜7000Hzの間にある所定の周波数以下の
領域と、2000Hz〜7000Hzの間にある所定の
周波数以上の領域と、1800Hz〜7000Hzの間
にある所定の周波数以下の領域と2000Hz〜700
0Hzの間にある所定の周波数以上の領域の二つの領域
の組み合わせとした。
【0053】本発明は、上記聴覚訓練用音処理方法にお
いて、領域減衰処理を、複数の異なる周波数を対象とし
て実行し、その周波数および処理時間をランダムに設定
するとともに、時間的に配列した。
【0054】上記課題を解決するために、本発明は、原
音を処理した2チャンネル以上の音を聴取することによ
って、聴覚を訓練する聴覚訓練方法に用いる聴覚訓練用
音処理方法において、一方のチャンネルの原音の振幅を
減衰処理した振幅減衰処理音を一方のチャンネルに出力
し、一方のチャンネルの原音の振幅を減衰処理した振幅
減衰処理音を他方のチャンネルの原音に重畳して他方の
チャンネルに出力するパンポット処理を施した。このパ
ンポット処理は、それぞれのチャンネルに独自に施すこ
とができる。
【0055】本発明は、聴覚訓練用音処理方法におい
て、パンポット処理を施したパンポット処理音をパンポ
ット処理を施さない音と交互に出力するようにした。
【0056】本発明は、聴覚訓練用音処理方法におい
て、パンポット処理を、一つのチャンネル信号につい
て、一方のチャンネルに出力される振幅減衰処理音と他
方のチャンネルに出力される振幅減衰処理音の和が一定
になるように処理した。
【0057】本発明は、聴覚訓練用音処理方法におい
て、パンポット処理を、複数の異なる処理パターンで処
理し、その処理パターンおよび処理時間をランダムに設
定するとともに、時間的に配列した。
【0058】さらに、本発明は、上記課題を解決するた
めに、原音を処理した音を聴取することによって、聴覚
を訓練する聴覚訓練方法における聴覚訓練用音処理方法
において、原音に対し位相を反転させる位相反転処理を
施した。
【0059】本発明は、上記位相反転処理を施す聴覚訓
練用音処理方法において、位相反転処理を、その処理時
間をランダムに設定した。
【0060】上記課題を解決するために、本発明は、上
記聴覚訓練用音処理方法において、領域減衰処理方法と
パンポット処理方法を組み合わせた。
【0061】また、本発明は、領域減衰処理方法と位相
反転処理方法を組み合わせた。
【0062】また、本発明は、上記聴覚訓練用音処理方
法において、パンポット処理方法と位相反転処理方法を
組み合わせた。
【0063】また、本発明は、上記聴覚訓練用音処理方
法において、領域減衰処理方法とパンポット処理方法と
位相反転処理方法を組み合わせた。
【0064】本発明は、上記聴覚訓練用音処理方法にお
いて、原音を、自然音または人工音、あるいは、音声ま
たは非音声音、あるいは、楽音または騒音のいずれか一
つとした。自然音には人工的に発せられた音以外の全て
の音が含まれる。音声には、人間が発声した音声の全て
が含まれ、非音声音には、音声以外の全ての音が含まれ
る。また、楽音には騒音以外の全ての音が含まれ、騒音
には楽音以外の雑音を含む全ての音が含まれる。
【0065】また、本発明は、上記聴覚訓練用音処理方
法において、原音を、自然音または人工音、あるいは、
音声または非音声音、あるいは、楽音または騒音を組み
合わせた。
【0066】上記課題を解決するために、本発明は、上
記聴覚訓練用音処理方法において、処理音に音声を組み
合わせて言語ヒアリング訓練に用いた。
【0067】上記課題を解決するために、本発明は、原
音を処理した音を聴取することによって、聴覚を訓練す
る聴覚訓練方法に用いる聴覚訓練装置おいて、原音に対
し所定の周波数領域を減衰させる帯域減衰手段と、該帯
域減衰手段の出力と原音とを選択して出力するスイッチ
手段とを備えた。
【0068】本発明は、上記聴覚訓練装置おいて、帯域
減衰手段を、複数の帯域減衰手段と該帯域減衰手段から
の出力を選択して出力する選択手段とから構成した。
【0069】本発明は、上記聴覚訓練装置おいて、帯域
減衰手段を、1800Hz〜7000Hzの間にある所
定の周波数以下の領域を減衰させる低域減衰手段とし
た。
【0070】本発明は、上記聴覚訓練装置おいて、帯域
減衰手段を、2000Hz〜7000Hzの間にある所
定の周波数以上の領域を減衰させる高域減衰手段とし
た。
【0071】本発明は、上記聴覚訓練装置おいて、帯域
減衰手段を1800Hz〜7000Hzの間にある所定
の周波数以下の領域と2000Hz〜7000Hzの間
にある所定の周波数以上の領域の二つの領域を減衰させ
る2領域減衰手段とした。
【0072】本発明は、上記聴覚訓練装置おいて、帯域
減衰手段を、1800Hz〜7000Hzの間にある所
定の周波数以下の領域を減衰させる低域減衰手段と、2
000Hz〜7000Hzの間にある所定の周波数以上
の領域を減衰させる高域減衰手段の組み合わせとした。
【0073】本発明は、上記聴覚訓練装置おいて、帯域
減衰手段を、1800Hz〜7000Hzの間にある所
定の周波数以下の領域を減衰させる低域減衰手段と、1
800Hz〜7000Hzの間にある所定の周波数以下
の領域と2000Hz〜7000Hzの間にある所定の
周波数以上の領域の二つの領域を減衰させる2領域減衰
手段の組み合わせとした。
【0074】本発明は、上記聴覚訓練装置おいて、帯域
減衰手段を、1800Hz〜7000Hzの間にある所
定の周波数以下の領域を減衰させる低域減衰手段と、2
000Hz〜7000Hzの間にある所定の周波数以上
の領域を減衰させる高域減衰手段と、1800Hz〜7
000Hzの間にある所定の周波数以下の領域と200
0Hz〜7000Hzの間にある所定の周波数以上の領
域の二つの領域を減衰させる2領域減衰手段の組み合わ
せとした。
【0075】本発明は、上記聴覚訓練装置において、帯
域減衰手段を、複数の異なる周波数および処理時間をラ
ンダムに設定した。
【0076】上記課題を解決するために、本発明は、原
音を処理した2チャンネル以上の音を聴取することによ
って、聴覚を訓練する聴覚訓練方法に用いる聴覚訓練装
置おいて、一方のチャンネルの原音の振幅を減衰処理し
た振幅減衰処理音を一方のチャンネルに出力し、一方の
チャンネルの原音の振幅を減衰処理した振幅減衰処理音
を他方のチャンネルの原音に重畳して他方のチャンネル
に出力するパンポット処理手段を設けた。このパンポッ
ト処理手段は、それぞれのチャンネルに独自に設けるこ
とができる。
【0077】本発明は、上記聴覚訓練装置おいて、パン
ポット処理手段を、4個以上の可変減衰手段と2個以上
の加算手段から構成し、各可変減衰手段を減衰係数によ
って減衰量が制御される可変手段とするとともに、各加
算手段には、一方のチャンネルの可変減衰手段の出力と
他方の可変減衰手段の出力を入力した。
【0078】本発明は、上記聴覚訓練装置おいて、パン
ポット処理手段を、一つのチャンネル信号について、一
方のチャンネルに出力される振幅減衰信号と他方のチャ
ンネルに出力される振幅減衰信号の和が一定になるよう
に構成した。
【0079】本発明は、上記聴覚訓練装置おいて、パン
ポット処理手段を、複数の異なるパターンで処理し、そ
の処理パターンおよび処理時間をランダムに設定した。
【0080】上記課題を解決するために、本発明は、原
音を処理した音を聴取することによって、聴覚を訓練す
る聴覚訓練方法に用いる聴覚訓練装置おいて、原音に対
し所定のパターンで位相を反転させる位相反転処理手段
を設けた。
【0081】本発明は、上記聴覚訓練装置おいて、位相
反転処理手段を、原音に対し所定のパターンで位相を反
転させる位相反転手段と、該位相反転手段の出力と原音
とを位相反転制御信号に基づいて選択して出力する選択
手段とから構成した。
【0082】上記課題を解決するために、本発明は、原
音を処理した音を聴取することによって、聴覚を訓練す
る聴覚訓練方法に用いる聴覚訓練装置おいて、原音に対
し所定の周波数領域を減衰させる帯域減衰手段および該
帯域減衰手段の出力と原音とを選択して出力するスイッ
チ手段を備えて構成した。
【0083】本発明は、原音を処理した音を聴取するこ
とによって、聴覚を訓練する聴覚訓練方法に用いる聴覚
訓練装置おいて、一方のチャンネルの原音を振幅減衰処
理した音声信号を他方のチャンネルの原音に重畳するパ
ンポット処理手段を備えて構成した。
【0084】本発明は、原音を処理した音を聴取するこ
とによって、聴覚を訓練する聴覚訓練方法に用いる聴覚
訓練装置おいて、原音に対し所定のパターンで位相を反
転させる位相反転処理手段を備えて構成した。
【0085】本発明は、原音を処理した音を聴取するこ
とによって、聴覚を訓練する聴覚訓練方法に用いる聴覚
訓練装置おいて、原音に対し所定の周波数領域を減衰さ
せる帯域減衰手段および該帯域減衰手段の出力と原音と
を選択して出力するスイッチ手段と、一方のチャンネル
の原音を振幅減衰処理した音声信号を他方のチャンネル
の原音に重畳するパンポット処理手段を備えて構成し
た。
【0086】本発明は、原音を処理した音を聴取するこ
とによって、聴覚を訓練する聴覚訓練方法に用いる聴覚
訓練装置おいて、一方のチャンネルの原音を振幅減衰処
理した音声信号を他方のチャンネルの原音に重畳するパ
ンポット処理手段と、原音に対し所定のパターンで位相
を反転させる位相反転処理手段を備えて構成した。
【0087】本発明は、原音を処理した音を聴取するこ
とによって、聴覚を訓練する聴覚訓練方法に用いる聴覚
訓練装置おいて、原音に対し所定の周波数領域を減衰さ
せる帯域減衰手段および該帯域減衰手段の出力と原音と
を選択して出力するスイッチ手段と、一方のチャンネル
の原音を振幅減衰処理した音声信号を他方のチャンネル
の原音に重畳するパンポット処理手段と、原音に対し所
定のパターンで位相を反転させる位相反転処理手段を備
えて構成した。
【0088】上記課題を解決するために、本発明は、聴
覚訓練用記録媒体において、上記聴覚訓練用音処理方法
によって処理された処理音を記録した。
【0089】本発明は、上記記録媒体を、コンパクトデ
ィスク(CD)、光磁気記録媒体(MD)、フロッピー
ディスクおよび磁気テープなど磁気記録媒体、半導体R
AMおよび半導体ROMなどの半導体メモリなどの記録
媒体とした。
【0090】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。この実施の形態は、被訓練者に、音源に特定の処
理を施した音声を聴かせることによって、音楽や他国語
を聞くときに母国語の音声的な特徴である母音を強調し
て聞き取り子音を無視して聞き取ってしまう習慣や残響
を強調して聞き取る習慣から解き放つ聴覚訓練方法であ
る。ここで、本明細書において、音とは、自然音または
人工音、あるいは、音声または非音声音、あるいは、楽
音または騒音などのすべての音を言う。自然音には人工
的に発せられた音以外の全ての音が含まれる。音声に
は、人間が発声した音声の全てが含まれ、非音声音に
は、音声以外の全ての音が含まれる。また、楽音には騒
音以外の全ての音が含まれ、騒音には楽音以外の雑音を
含む全ての音が含まれる。また、原音とは本発明による
処理を施す前の音を言い、処理音とは本発明による処理
を施した後の音を言う。また、処理を複数段重ねるとき
には、後段の処理においては、前段で処理された処理音
を原音という。さらに、音源とは原音の供給源をいい、
主にCD(コンパクトディスク)を使用することがで
き、音源の内容は、音楽、自然音、サンプリング音、合
成音、電波を可聴音域に落した音、パルス状の音、語学
用CDからの言語などを用いることができる。
【0091】聴覚訓練の対象が定まっている場合には、
本発明による処理を施した処理音を記録した記録媒体、
例えばCD、MD(光磁気ディスク)またはフロッピー
ディスクもしくは磁気テープなどの磁気記録媒体、例え
ば半導体RAMもしくは半導体ROMなどの半導体メモ
リなどを再生することによって、聴覚訓練を行うことが
できる。
【0092】本発明においては、以下の数点の基本的な
処理パターンを組み合わせることによって構成される。 一方のチャンネルの原音の振幅を減衰させた振幅減
衰音を一方のチャンネルに出力するとともに、一方のチ
ャンネルの原音の振幅を減衰させた振幅減衰を、他のチ
ャンネルの原音に重畳して出力する処理を施すパター
ン。この処理を、本明細書では、パンポット処理とい
い、パンポット処理された音をパンポット処理音とい
う。 原音をフィルターを通過させるなどによって、特定
の周波数領域を減衰させる処理を施すパターン。この処
理を本明細書では、領域減衰処理といい、領域減衰処理
された音を領域減衰処理音という。 原音に対し、左右いずれかのチャンネルにおいて位
相を反転させる処理を施すパターン。この処理を本明細
書では、位相反転処理といい、位相反転処理された音を
位相反転処理音という。 上記〜の処理を任意に組み合わせる処理パター
ン。
【0093】このような処理を施した処理音は、語学学
習用聴覚訓練の場合は、会話のバックグランドとして使
用され、音楽などの聴覚訓練用としては、処理音自体を
聴取する。
【0094】以下、パンポット処理の内容を右チャンネ
ルの音源に対するパンポット処理を例に取って説明す
る。パンポット処理は、左右のチャンネルのそれぞれ音
源の一部を他のチャンネルの音源に重畳して出力する処
理である。右チャンネルのパンポット処理量0%のとき
には、右チャンネルの原音はそのまま右チャンネルのみ
から出力され、左チャンネルには、右チャンネルの原音
は出力されない。
【0095】右チャンネルのパンポット処理量50%の
ときには、右チャンネルには原音を50%減衰した処理
音が出力され、左チャンネルには右チャンネルの原音を
50%減衰した処理音が出力される。この場合、右チャ
ンネルの原音は、左右チャンネルの中央にモノラル音と
して聞こえることとなる。
【0096】右チャンネルのパンポット処理量75%の
ときには、右チャンネルには原音を75%減衰した処理
音が出力され、左チャンネルには右チャンネルの原音の
75%の音量の出力すなわち右チャンネルの原音を25
%減衰した処理音が出力される。このとき、右チャンネ
ルの原音は右チャンネルと左チャンネルの中間から左チ
ャンネル側に多少移動した様に聞こえる。
【0097】右チャンネルのパンポット処理量100%
のときには、右チャンネルには原音を100%減衰した
音が出力され、すなわち右チャンネルには、右チャンネ
ルの原音は出力されず、左チャンネルに右チャンネルの
原音がまったく減衰されずに出力される。このとき、右
チャンネルの原音は、左チャンネルに移動して聞こえ
る。
【0098】このようなパンポット処理の例を図1およ
び図2を用いて説明する。図1はパンポット処理前の原
音の振幅波形を示す図であり、時間軸を横軸に振幅を縦
軸に取っている。図2はパンポット処理後の振幅波形を
示す図であり、時間軸を横軸に振幅を縦軸に取ってい
る。図2において、実線で囲んだ領域がパンポット処理
を施した領域であり、上下方向の広がりはパンポット処
理量を、左右の広がりはパンポット処理時間を示してい
る。図に示すように、パンポット処理は左右のチャンネ
ルにそれぞれ独自に施され、その処理音はそれぞれ相手
のチャンネルに影響を与えている。さらに、パンポット
処理を施すことによって、一方のチャンネルの出力は減
衰し、他方のチャンネルの出力は増大している。
【0099】パンポット処理形態には、以下のようなパ
ターンがある。第1の処理パターンは、「山形」と呼ぶ
形態であり、パンポット処理量(パンポット量)を開始
時から一定の割合で増加させ、所定の値に達すると、一
定の割合で減少させる処理形態である。この形態は図の
(1)に示されている。パンポット量を元の値から一定
値までまたは一定値から元の値まで変化させる時間は、
最大5秒までとし、処理時間は、最小0.1秒以上、最
大10秒程度とすることが好ましく、処理回数は、1分
間当たり両チャネル合わせて1回から45回が好まし
い。
【0100】第2の処理パターンは、「台形垂直型」と
呼ぶ形態であり、パンポット量を一定の速度で増加させ
た後、所定の値で一定時間保持し、その後直ちに元の値
に戻す形態である。この形態は、図の(2)に示されて
いる。パンポット量を元の値から一定値まで変化させる
時間は、最大5秒までとし、一定の保持時間は、最小
0.1秒程度、最大15秒程度とすることが好ましい。
【0101】第3の処理パターンは、「直角型」と呼ぶ
形態であり、パンポット量を一定値まで直ちに変化さ
せ、所定の値で一定時間保持し、その後直ちに元の値に
戻す形態である。この形態は図の(3)に示されてい
る。処理時間は、最小0.1秒程度、最大15秒程度と
することが好ましい。
【0102】第4の処理パターンは、「台形対称型」と
呼ぶ形態であり、パンポット量を一定の速度で増加させ
た後、パンポット量を所定の値で一定時間保持し、その
後一定の速度で減少させて元の値に戻す形態である。パ
ンポット量を元の値から一定値までまたは一定値から元
の値まで変化させる時間は、最大5秒程度までとし、一
定の保持時間は、最小0.1秒程度、最大15秒程度と
することが好ましい。
【0103】上記いずれの処理パターンにおいても、パ
ンポット量の最小値は50%であり最大値は100%で
あるが、パンポット量100%は奇異に感じるので多用
しないことが望ましい。また、反対にパンポット量が5
0%を下回ると聴覚改善の効果が薄れる。上記パンポッ
ト処理においては、処理パターンの種類に関わらず処理
開始時間から最大値までの時間が3秒を超えると十分な
効果を発揮しにくくなる。同様に、処理最大値から元の
値に戻す時間は同じく3秒を超えると十分な効果を発揮
しにくくなる。この処理において最大の効果を発揮させ
るには、徐々に立ち上がる処理や徐々に元の値に戻る処
理(例えば山形や台形型処理)を加えないことが有効で
あるが、急激な処理のみ多用すると目眩などの症状を起
こすことになる。したがって、これらの処理を一部混ぜ
ることによって、急激な処理をより効果的に使用するこ
とにもなる。
【0104】以下、領域減衰処理パターンの例を図3を
用いて説明する。図において横軸は時間を表し、図の上
下に横に延びる波形は音源の波形を模式的に示し、中心
線から上下は領域減衰処理の内容を示している。この例
の領域処理の内容には、原音のままの無処理と、原音に
対して、2000Hz以下、2500Hz以下、300
0Hz以下、4000Hz以下、5000Hz以下をそ
れぞれ減衰させる処理と、5000Hz以上を減衰させ
る処理がランダムに行われる。
【0105】図に示すように、左チャンネルでは、2秒
強の無処理、2秒強の2500Hz以下の減衰、1.5
秒の無処理、2秒強の4000Hz以下の減衰、1秒の
無処理、0.5秒の4000Hz以下の減衰、2秒の無
処理、1秒の3000Hz以下の減衰……のように、ラ
ンダムな継続時間で特定の波数領域を減衰させている。
同様に右チャンネルでは、2.5秒の無処理、1秒弱の
2500Hz以下の減衰、0.5秒強の無処理、1秒の
2500Hz以下の減衰、0.5秒強の無処理、2秒の
4000Hz以下の減衰、1秒の無処理、0.5秒の4
000Hz以下の減衰、2病弱の無処理、5秒強の30
00Hz以下の減衰……のように、ランダムな継続時間
で特定の波数領域を減衰させている。
【0106】この領域減衰処理は、最小0.1秒程度、
最大7秒程度が好ましく、領域減衰処理回数は、1分間
に両チャンネル合わせて1〜60回程度が好ましい。
【0107】上記領域減衰処理の例では、特定の周波数
以下を減衰させるか、特定の周波数以上を減衰させるか
のいずれかの処理を行ったが、特定の周波数から他の周
波数までの特定の周波数領域のみを減衰させ他の周波数
領域を残す処理、上下の周波数領域を減衰させ中間の周
波数領域のみを残す処理を併せて施すこともできる。さ
らに、領域減衰処理を施された領域減衰処理音はその振
幅が減少しているので、増幅処理を施して振幅を元に戻
すことが望ましい。また、上記した領域減衰処理では、
処理を非連続に行ったが、領域減衰処理を所定の周波数
で連続して実行することができ、また、周波数を変化さ
せながら連続して領域減衰処理を実行することもでき
る。このような処理を施すことによって、ランダムに低
い周波数成分が低減されたり、高い周波数成分が強調さ
れることとなり、残響を聞き取ったり母音を強調して聞
き取るなどの影響や予測を低くする働きを有すると考え
られる。
【0108】以下、位相反転処理を説明する。位相反転
処理は、左右チャンネルのいずれかの原音に対して、所
定の期間位相を反転させる処理を施し、聴覚の刺激を得
るものである。右チャンネルを位相反転させることと、
左チャンネルを位相反転させることでは、技術的な差は
あるものの聴感上は同じであることから、位相反転処理
はチャンネルの左右こだわらずに行うことができる。位
相反転処理時間の最小は0.1秒、最大は10秒であ
る。位相反転処理の回数は、1分当たり両チャンネル合
わせて最小1回であり、最大は600回とすることが好
ましい。位相反転処理を施すタイミングおよび時間とも
ランダムとすることができる。位相反転処理は、パンポ
ット処理や高域減衰処理と同様に、低域減衰処理を施し
た後、聴覚訓練に使用する。低域減衰処理法はパンポッ
ト処理及び高域減衰処理と同じである。この位相反転処
理は、単独に、もしくはパンポット処理や高域減衰処理
と組み合わせて用いることができる。
【0109】本発明による訓練方法は、上記した,
,の単純な処理を組み合わせることによって、様々
な処理形態を得ることができる。
【0110】(実施例)以下、領域減衰処理と、パンポ
ット処理の組み合わせの具体的な実施例を説明する。こ
の実施例では、領域減衰処理を施す周波数(処理周波
数)を、1800Hz〜7000Hzの間に設定し、そ
れぞれ周辺に位置する処理周波数より500Hz以上離
れた周波数を対象として、処理周波数以下の領域を減衰
させた。このように、処理周波数以下の周波数領域に対
して減衰処理を施す処理を、本明細書においては、“低
域減衰処理”という。この低域減衰処理は、原音に対し
て、それぞれの処理周波数の約65%の周波数で−6d
Bから−10dB、65%以下の周波数で−20dBと
なるように減衰させる。例えば、処理周波数が2000
Hzの場合は、2000Hzからその65%の1300
Hzまでを−10dBに設定し、1300Hz以下を−
20dB以下とする減衰処理を実行する。低域減衰処理
を施す最小の時間は0.1秒、最大の時間は約7秒が効
果的である。この低域減衰処理は、左右チャンネル合わ
せて1分間に最小1回、最大60回とすることが好まし
い。
【0111】低域減衰処理は、上記異なる周波数領域に
対する低域減衰処理を複数重畳した階層的な処理とする
こともできる。すなわち、2000Hzと2500Hz
における低域減衰処理を階層的に重ねた場合、2500
Hz以上は無処理となり、2000Hz〜2500Hz
は−10dBの減衰処理が施され、1625Hz〜20
00Hzは−20dB、1300Hz〜1625Hzは
−30dB、1300Hz以下は−40dBの減衰処理
が施されることになる。このような階層的重複処理は、
低い周波数領域を減衰させることに聴覚訓練としての一
つの意味を持つが、低い周波数領域を若干残して聞き易
すい処理音とすることが、聴覚訓練効果とは別に、この
訓練を持続させるために有効となる。そのため、最も減
衰が大きな周波数領域でも、減衰量を−30dB程度に
納めることが理想的である。このように、異なった周波
数に対する重複処理は、それぞれの処理周波数の処理時
間が同一時間帯に50%以上重複しないように行う。
【0112】一方、2000Hzから7000Hzの間
の処理周波数に対して、その処理周波数以上の領域を減
衰させる処理がある。この処理を、“高域減衰処理”と
いう。高域減衰処理を低域減衰処理の間に挿入すること
によって、聴覚訓練の効果を高めることができる。この
高域減衰処理は低域減衰処理と異なり、処理周波数から
直接大きな減衰とすることが必要であり、減衰量は、−
10dBより大きくすることができ、好ましくは、−2
0dBより大きな減衰量とする。高域減衰処理を挿入す
る場合は、その回数は、最大で両チャンネル合わせて1
分に対して2回また50回が望ましい。
【0113】さらに、1800Hzから7000Hzの
間の処理周波数に対して、その処理周波数以下の領域を
減衰させる処理と、2000Hz〜7000Hzの間の
周波数に対して、その周波数以上の領域を減衰させる処
理を重ねて施す処理がある。この処理を、“2領域減衰
処理”という。2領域減衰処理を高域減衰処理や低域減
衰処理の間に挿入することによって、聴覚訓練の効果を
さらに高めることができる。
【0114】この実施の態様では、次いで、低域減衰処
理を施した処理音に対してパンポット処理を施す。さら
に、パンポット処理を施した後、高域減衰処理を施し
た。高域減衰処理は、2000Hzから7000Hzま
でであり、近隣の処理周波数より500Hz以上離し
た。このような混合処理における低域減衰処理、パンポ
ット処理、高域減衰処理、位相反転処理は、合わせて1
分間に最小左右4回以上最大60回程度とする。
【0115】以下、語学取得時すなわち言語ヒアリング
訓練時における本発明の適用を説明する。この適用は、
語学取得時に本発明による処理音をバックグランドとし
て使用するものである。スピーカーのネイティブな発音
の聞き取りをよくするため、もしくは聞き取りの訓練を
するための処理音の使用方法には二つの方法がある。一
番目は、スピーカーのネイティブな言語の音声を含まな
い上記処理を施した処理音を被訓練者に聴かせて、聴覚
の訓練を行う方法である。2番目は、スピーカーのネイ
ティブな発音に上記処理を施した処理音をバックグラウ
ンドとして重畳した音を被訓練者に聴かせて、語学の取
得を行う方法である。
【0116】バックグランドに使用する音源としては、
自然音または人工音、あるいは、音声または非音声、あ
るいは、楽音または騒音のいずれをも用いることがで
き、これらの音を単独で、他はこれらの音を任意に組み
合わせて用いることができる。バックグランドに使用す
る原音は、上記した、低域減衰処理、パンポット処理、
位相反転処理のいずれか、もしくは、これらの処理の組
み合わせによる処理が施されている。語学学習用のバッ
クグラウンド用処理の特徴は、音源に低域減衰処理のみ
を施した音を使用することによって訓練効果を上げるこ
とができる点である。とくに、学習用における低域減衰
処理は、1800Hzから6000Hzの間の周波数に
対して領域減衰処理を施し、連続してバックグラウンド
とすることが好ましい。バックグランド用処理では、語
学の聞き取り易さは、処理の種類によって各人各様であ
るが、永続的な訓練効果は、非連続的な低域減衰処
理、非連続的な低域減衰処理とパンポット処理の組合
わせ、非連続的な低域減衰処理とパンポット処理と位
相反転処理の組み合わせ、非連続的な高域減衰処理と
パンポット処理と位相反転処理の組み合わせ、連続的
な低域減衰処理、連続的な低域減衰処理とパンポット
処理の組合わせ、連続的な低域減衰処理とパンポット
処理と位相反転処理の組み合わせ、各種の処理の混合
の順に効果を上げることができる。
【0117】この方法では、スピーカーのネイティブな
音声として、上記いずれの処理をも施さない無処理の原
音を使用する。また、この方法では、バックグラウンド
として、これまで処理した各種の処理音を用いる。さら
に、この方法では、前記スピーカーの原音と前記処理音
を混合した音とを聴覚訓練および言語取得に用いる。バ
ックグラウンドとしての処理音は、語学の音量に比較し
て−8dBから−20dBの範囲に減衰させて混合する
ことが効果的である。低域減衰処理は、2000Hzか
ら6000Hzあたりまでが効果的であるが、より効果
的な周波数として、スピーカーが女声の場合は4000
Hz前後、男声の場合は3000Hz前後を処理周波数
とすることがより効果的である。しかしながら、この周
波数は、スピーカーの声の質に左右されることから、特
定の値に定めることは難しい。この方法は、一番自然な
状態でスピーカーのネイティブな発音を聞き取ることが
できる。
【0118】バックグラウンドとしての処理音は、原音
を処理して出力する方法であって良く、また、原音を処
理した処理音をCDや磁気テープなどの記録媒体に記録
し、この記録媒体を再生することによって得たものとす
ることもできる。また、スピーカーの発音に原音を処理
した処理音を重畳した音をCDや磁気テープなどの記録
媒体に記録し、この記録媒体を再生することによって語
学の取得に使用することができる。
【0119】次ぎに、上記した聴覚訓練方法を実現する
聴覚訓練装置について説明する。図4は、本発明にかか
る聴覚訓練装置の構成の概略を示す回路ブロック図であ
る。聴覚訓練装置1は、左右2チャンネルの系統から構
成され、音源10と、左右チャンネルに対応して設けら
れた帯域減衰処理手段20と、左右チャンネルに対応し
て設けられたスイッチ手段30と、左右チャンネルの信
号が入力されるパンポット処理手段40と、左右チャン
ネルの信号が入力される位相反転処理手段50と、左右
チャンネルに対応して設けられた音声増幅手段60と、
左右チャンネルに対応して設けられた音声出力手段70
と、制御手段80とランダム時間発生手段85と、記録
再生手段90とから構成されている。
【0120】音源10は、CD、MD、磁気記録媒体、
半導体メモリなどの記録媒体からの再生音、シンセサイ
ザーからの合成音、マイクロホンからの自然音などが用
いられ、その内容は、音楽、自然音、サンプリング音、
合成音、電波を可聴音域に落した音、パルス状の音、語
学学習用CDからの言語など任意の音源を用いることが
できる。さらに、音源10は、一つに限らず2以上の音
源であってもよい。この場合、一方の音源からの原音を
なんらの処理を施さない原音として用い、他の音源から
の原音を処理した処理音を選択的して出力するようにし
てもよい。音源10からの原音は、帯域減衰処理手段2
0と、スイッチ手段30の一方の入力へ出力される。
【0121】帯域減衰処理手段20は、入力された原音
に対して、特定の周波数領域を、所定の時間、所定の量
だけ減衰させる処理を実行する手段であり、制御手段8
0によって制御される。帯域減衰処理手段20は、左右
のチャンネル毎に独立したパターンで領域減衰処理を施
す。帯域減衰処理手段20から出力される領域減衰処理
音は、スイッチ手段30の他方の入力へ出力される。
【0122】スイッチ手段30は、制御手段80によっ
て制御され、音源10からの原音と帯域減衰処理手段2
0からの領域減衰処理音のいずれかを選択して、パンポ
ット処理手段40へ出力する。
【0123】パンポット処理手段40は、制御手段80
によって制御され、スイッチ手段30から入力された左
右のチャンネルの原音もしくは領域減衰処理音に対して
所定の分配処理を施し、左右のチャンネルに交差させて
出力するもので、パンポット処理音は、位相反転処理手
段50へ出力される。
【0124】位相反転処理手段50は、制御手段80に
よって制御され、パンポット処理手段40からのパンポ
ット処理音の左右チャネルのいずれかに対して、位相反
転処理を施す。位相反転手段50の出力は、音声増幅手
段60で所望の音量に増幅され、スピーカーもしくはヘ
ッドホンなどの音声出力手段70から出力される。ま
た、位相反転手段50の出力は、記録再生手段90に出
力され、記録媒体95に記録することもできる。
【0125】制御手段80は、聴覚訓練装置1全体を制
御する手段であり、ランダム時間発生手段85からのタ
イミングに基づいて、帯域減衰処理手段20の領域減衰
処理の制御、スイッチ手段30の選択制御、パンポット
処理手段40のパンポット処理制御、位相反転処理手段
50の位相反転処理制御などを実行する。
【0126】図5を用いて、帯域減衰処理手段20の構
成の例を説明する。帯域減衰処理手段20は、複数の領
域減衰手段21−1〜21−4と、該領域減衰手段の出
力を選択して出力する選択手段22とから構成される。
領域減衰手段21は、複数の低領域減衰手段21−1〜
21−2と、複数の2領域減衰手段21−3と、複数の
高域減衰手段21−4とを有している。
【0127】低域減衰手段21−1,21−2は、例え
ば複数のハイパスフィルタの組み合わせで構成され、処
理周波数fl以下の帯域を減衰させる働きを有している。
低域減衰手段21−1,21−2は、処理周波数flから
所定の周波数 fl´(例えば処理周波数 fl を0.65
倍した周波数 : fl´=0.65 fl)までを−10d
B、該所定の周波数 fl´以下を−20dB減衰するよ
うなパターンもしくは、処理周波数 fl から所定の周波
数 fl´まで0dBから−20dBまで任意に変化する
パターンを有することが望ましい。処理周波数は、50
0Hz単位で設定されることが望ましく、1800〜6
000Hzに設定される。
【0128】2領域減衰手段21−3は、例えばハイパ
スフィルタとローパスフィルタを組み合わせて構成さ
れ、所定の周波数帯域の信号のみを通過させ、高い周波
数領域および低い周波数領域を減衰させる働きを有して
いる。
【0129】高域減衰手段21−4は、例えばローパス
フィルタから構成され 処理周波数fh 以上の周波数領域
を所定のパターンで減衰させる働きを有している。
【0130】選択手段22は、制御手段80からの帯域
選択制御信号に基づいて、上記各領域減衰手段21−1
〜21−4の出力のいずれかもしくは複数出力の組み合
わせを選択して、領域減衰処理音を出力する。
【0131】図6を用いて、パンポット処理手段40の
構成の例を説明する。パンポット処理手段40は、4個
の可変減衰手段41〜44と、係数発生手段45と、2
個の加算手段46,47とから構成される。各可変減衰
手段41〜44は、係数発生手段45が発生する減衰係
数によってその減衰量が制御される。可変減衰手段LL
41と可変減衰手段LR42への減衰係数は、加算した
ときに100%となるように設定されており、同様に可
変減衰手段RL43と可変減衰手段RR44への減衰係
数は、加算したときに100%となるように設定され
る。
【0132】左チャンネル入力は、可変減衰手段LL4
1と、可変減衰手段LR42に入力される。右チャンネ
ル入力は、可変減衰手段RL43と、可変減衰手段RR
44に入力される。可変減衰手段LL41と可変減衰手
段RL43の出力は、加算手段46へ出力されてパンポ
ット処理左チャンネル出力とされ、可変減衰手段LR4
2と可変減衰手段RR44の出力は、加算手段47に出
力されてパンポット処理右チャンネル出力とされる。
【0133】係数発生手段45は、制御手段80から出
力される係数発生制御信号に基づいて、各可変減衰手段
41〜44への減衰係数を、ランダムな時間間隔で、所
定のパンポット処理パターンとなるように出力する。係
数発生手段45が発生する減衰係数のパターンの例を図
6に示す。左チャンネル信号が入力される可変減衰手段
LL41への減衰係数はαで示され、可変減衰手段LR
42への減衰係数は100−αで示される。右チャンネ
ル信号が入力される可変減衰手段RL43への減衰係数
は100−βで示され、可変減衰手段RR44への減衰
係数はβで示されている。図示したように、減衰係数は
ランダムに変化し、その大きさも変化の形態もランダム
に表れている。さらに右チャンネルと左チャンネルで
は、減衰係数の発生パターンが異なっている。
【0134】図8を用いて、位相反転処理手段50の構
成の例を説明する。位相反転処理手段50は、入力信号
の位相を反転させる位相反転手段51と、二つの入力の
うち一方の入力を選択して出力する選択手段52とから
構成される。この位相反転処理は、右チャンネルまたは
左チャンネルのいずれか一方の入力に対して施せばよ
い。例えば、左チャンネル信号は位相反転手段51と選
択手段52の一方の入力に入力され、右チャンネル信号
は位相反転処理を施されないままの状態で出力される。
選択手段52には、位相変転手段51からの位相反転処
理を施した信号と、位相反転処理手段50に入力された
ままの位相反転処理が施されていない信号が入力され、
制御手段80からの位相反転制御信号に基づいていずれ
かの入力信号を選択して出力する。
【0135】以下、この聴覚訓練装置の動作を説明す
る。音源10から入力された原音は、帯域減衰処理手段
20において左右のチャンネル毎に帯域選択制御信号に
基づいて所定のタイミングおよびパターンで領域減衰処
理を施されて領域減衰処理信号とされ、スイッチ手段3
0の一方の入力端へ出力される。さらに、音源10から
入力された原音は、スイッチ手段30の他方の入力端へ
入力される。スイッチ手段30は、領域減衰処理パター
ンに基づいて入力信号のいずれかを選択してパンポット
処理手段40へ出力する。パンポット処理手段40は、
係数発生制御信号に基づいて所定のタイミングおよび所
定のパターンで入力信号に対してパンポット処理を施
し、パンポット処理信号として位相反転処理手段50へ
出力する。位相反転処理手段50は、位相反転制御信号
に基づいて所定のタイミングでパンポット処理手段40
からの信号に対して位相反転処理を施し、音声増幅手段
60へ出力する。音声増幅手段60は、位相反転処理手
段50からの信号を増幅してスピーカーなどの音声出力
手段70へ音声信号を出力する。音声信号は、音声出力
手段70で音響信号に変換され音声として出力される。
以上の説明に示した領域減衰処理、パンポット処理、位
相反転処理の順序は、この順序に捕らわれることなく、
任意の順序とすることができ、さらに、上記処理の少な
くとも1以上を具備するだけでよい。
【0136】以上の説明では、本発明は、処理音のみを
用いて聴覚訓練する手法を示したが、処理音を映像と組
み合わせることによって、聴覚をより一層効果的に訓練
することができる。さらに、本発明によって得られた聴
覚訓練用音処理方法を施した音を記録した記録媒体を通
常の再生装置を用いて再生して、聴覚訓練することがで
きる。
【0137】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる聴
覚向上用音声処理方法によって得られた処理音を用いる
ことによって、音楽や音声などの原音に領域減衰処理を
施した領域減衰処理信号を被訓練者に聴取させることに
よって、日本語の持つ特性によって形成された、母音を
無意識に強調して聞き取るとともに子音を無意識に聴き
逃したり、本来存在しない残響を予測して聞き取ってし
まうなどの習慣すなわち日本人の音に対する感性が取り
除かれ、子音が強調される外国語を正確に聞き取ること
ができる様になり、語学の学習効果を高めることができ
るようになる。また、音楽を学ぶ場合にも、日本語の特
性によって形成された日本人の感性から離れて音楽を聴
き取ることができるようになり、演奏する場合も日本人
の感性に捕らわれることなく演奏することができるよう
になる。
【0138】さらに、本発明にかかる聴覚向上用音声処
理を行う聴覚訓練装置は、上記方法に適した処理音を提
供することができるので、語学学習や音楽学習に役立て
ることができる。
【0139】本発明にかかる音声処理方法によって得ら
れた処理音を記録媒体に記録することによって、再生装
置を用いてこの記録媒体から自由に処理音を再生して聴
覚を訓練することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるパンポット処理が施される原音
の波形を示す図。
【図2】本発明にかかるパンポット処理の施されたパン
ポット処理音の波形を示す図。
【図3】本発明にかかる領域減衰処理の内容を説明する
図。
【図4】本発明にかかる聴覚訓練装置の構成を示すブロ
ック図。
【図5】帯域減衰処理手段の構成を示すブロック図。
【図6】パンポット処理手段の構成を示すブロック図。
【図7】パンポット処理の具体例を説明する図。
【図8】位相反転処理装置の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1 聴覚訓練装置 10 音源 20 帯域減衰処理手段 21 領域減衰手段 22 選択手段 30 スイッチ手段 40 パンポット処理手段 41〜44 可変減衰手段 45 係数発生手段 46,47 加算手段 50 位相反転処理手段 51 位相反転手段 52 選択手段 60 音声増幅手段 70 音声出力手段 80 制御手段 85 ランダム時間発生手段 90 記録再生手段 95 記録媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G09B 5/00 - 7/12 G09B 15/00 G09B 19/00 G09B 19/04 - 19/08 G11B 5/00

Claims (38)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原音を処理した2チャンネル以上の音を
    聴取することによって、聴覚を訓練する聴覚訓練方法に
    おいて、一方のチャンネルの原音の振幅を減衰処理した振幅減衰
    処理音を一方のチャンネルに出力し、一方のチャンネル
    の原音の振幅を減衰処理した振幅減衰処理音を他方のチ
    ャンネルの原音に重畳して他方のチャンネルに出力する
    パンポット処理を施したパンポット処理音を、パンポッ
    ト処理を施さない音と交互に被訓練者に聴かせる ことを
    特徴とする聴覚訓練方法。
  2. 【請求項2】 パンポット処理は、一つのチャンネル信
    号について、一方のチャンネルに出力される振幅減衰処
    理音と他方のチャンネルに出力される振幅減衰処理音の
    和が一定になるようになされる処理である請求項1記載
    の聴覚訓練方法。
  3. 【請求項3】 パンポット処理は、複数の異なる処理パ
    ターンで処理され、その処理パターンおよび処理時間が
    ランダムに設定されて時間的に配列されている請求項2
    記載の聴覚訓練方法。
  4. 【請求項4】 原音を処理した音を聴取することによっ
    て、聴覚を訓練する聴覚訓練方法において、 原音に対し位相を反転させる位相反転処理を施した位相
    反転処理音を、原音と交互に被訓練者に聴かせることを
    特徴とする 聴覚訓練方法。
  5. 【請求項5】 位相反転処理は、その処理時間がランダ
    ムに設定されて時間的に配列されている請求項4記載の
    聴覚訓練方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5に記載された聴
    覚訓練方法のうち少なくとも2以上の処理を組み合わせ
    た処理音を被訓練者に聴かせることを特徴とする聴覚訓
    練方法。
  7. 【請求項7】 原音が、自然音または人工音、あるい
    は、音声または非音声音、あるいは、楽音または騒音の
    いずれか一つ以上である請求項1ないし請求項6のいず
    れかに記載の聴覚訓練方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7のいずれかに記
    載された聴覚訓練方法において、処理音に言語を組み合わせた音を被訓練者に聴かせて言
    語ヒアリング能力を訓練する ことを特徴とする聴覚訓練
    方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載された聴覚訓練方法にお
    いて、 原音に対し所定の周波数領域を減衰させた領域減衰処理
    音をバックグラウンドとすることを特徴とする 聴覚訓練
    方法。
  10. 【請求項10】 領域減衰処理音を、連続してバックグ
    ラウンドとするか、または、領域減衰処理音を連続させ
    ずにバックグラウンドとしたことを特徴とする請求項9
    記載の聴覚訓練方法。
  11. 【請求項11】 領域減衰処理音は、1800Hz〜7
    000Hzの間にある所定の周波数以下の領域を減衰さ
    せた低域減衰処理音、または、2000Hz以上の特定
    の周波数以上の領域を減衰させた高域減衰処理音のいず
    れか、もしくは、これらの組み合わせである請求項
    いし請求項10のいずれかに記載の聴覚訓練方法。
  12. 【請求項12】 領域減衰処理音は、複数の異なる周波
    数に対してなされ、その周波数および処理時間がランダ
    ムに設定されて時間的に配列されている請求項10記載
    聴覚訓練方法。
  13. 【請求項13】 請求項6ないし請求項8のいずれかに
    記載された聴覚訓練方法において、領域減衰処理によっ
    て減衰した処理音に対して振幅を増幅する処理を施す
    とを特徴とする聴覚訓練方法。
  14. 【請求項14】 原音を処理した音を聴取することによ
    って、聴覚を訓練する聴覚訓練方法に用いる訓練用音処
    理方法おいて、 原音に対し所定の周波数領域を減衰させる領域減衰処理
    を施す ことを特徴とする聴覚訓練用音処理方法
  15. 【請求項15】 原音に対して減衰処理を施す領域が
    1800Hz〜7000Hzの間にある所定の周波数以
    下の領域、または、2000Hz〜7000Hzの間に
    ある所定の周波数以上の領域、もしくは、1800Hz
    〜7000Hzの間にある所定の周波数以下の領域と2
    000Hz〜7000Hzの間にある所定の周波数以上
    の領域の二つの領域であり、領域減衰処理は、これらの
    領域のいずれか一つ、もしくは、二つ以上の組み合わせ
    でなされる請求項14記載の聴 覚訓練用音処理方法。
  16. 【請求項16】 領域減衰処理音は、複数の異なる周波
    を対象としてなされ、その周波数および処理時間がラ
    ンダムに設定されて時間的に配列されている請求項15
    記載の聴覚訓練用音処理方法
  17. 【請求項17】 原音を処理した2チャンネル以上の音
    を聴取することによって、聴覚を訓練する聴覚訓練方法
    に用いる聴覚訓練用音処理方法において、 一方のチャンネルの原音の振幅を減衰処理した振幅減衰
    処理音を一方のチャンネルに出力し、一方のチャンネル
    の原音の振幅を減衰処理した振幅減衰処理音を他方のチ
    ャンネルの原音に重畳して他方のチャンネルに出力する
    パンポット処理を施す ことを特徴とする聴覚訓練用音処
    理方法
  18. 【請求項18】 パンポット処理を施したパンポット処
    理音をパンポット処理を施さない音と交互に出力するよ
    うにした請求項17記載の聴覚訓練用音処理方法。
  19. 【請求項19】 パンポット処理は、一つのチャンネル
    信号について、一方のチャンネルに出力される振幅減衰
    処理音と他方のチャンネルに出力される振幅減衰処理音
    の和が一定になる処理である請求項17または請求項1
    8記載の聴覚訓練用音処理方法。
  20. 【請求項20】 パンポット処理は、複数の異なる処理
    パターンで処理され、その処理パターンおよび処理時間
    がランダムに設定されて時間的に配列されている請求項
    17ないし請求項19のいずれか記載の聴覚訓練用音処
    理方法。
  21. 【請求項21】 原音を処理した音を聴取することによ
    って、聴覚を訓練する聴覚訓練方法における聴覚訓練用
    音処理方法において、原音に対し位相を反転させる位相反転処理を施す ことを
    特徴とする聴覚訓練用音処理方法。
  22. 【請求項22】 位相反転処理は、その処理時間がラン
    ダムに設定されている請求項21記載の聴覚訓練用音処
    理方法。
  23. 【請求項23】 請求項14ないし請求項22に記載さ
    れた聴覚訓練用音処理方法のうち少なくとも2以上の処
    理を組み合わせることを特徴とする聴覚訓練用音処理方
    法。
  24. 【請求項24】 原音が、自然音または人工音、あるい
    は、音声または非音声音、あるいは、楽音または騒音の
    いずれか一つ以上である請求項14ないし請求項23の
    いずれか記載の聴覚訓練用音処理方法。
  25. 【請求項25】 請求項14ないし請求項24のいずれ
    かに記載された聴覚訓練用音処理方法において、処理音に音声を組み合わせる ことを特徴とする聴覚訓練
    用音処理方法。
  26. 【請求項26】 原音を処理した音を聴取することによ
    って、聴覚を訓練する聴覚訓練方法に用いる聴覚訓練装
    置おいて、 原音に対し所定の周波数領域を減衰させる帯域減衰手段
    と、該帯域減衰手段の出力と原音とを選択して出力する
    スイッチ手段とを備えることを特徴とする聴覚訓練装
  27. 【請求項27】 帯域減衰手段が、複数の帯域減衰手段
    と該帯域減衰手段からの出力を選択して出力する選択手
    段を備えた請求項26記載の聴覚訓練装置
  28. 【請求項28】 帯域減衰手段が、1800Hz〜70
    00Hzの間にある所定の周波数以下の領域を減衰させ
    る低域減衰手段、または、2000Hz〜7000Hz
    の間にある所定の周波数以上の領域を減衰させる高域減
    衰手段、もしくは、1800Hz〜7000Hzの間に
    ある所定の周波数以下の領域と2000Hz〜7000
    Hzの間にある所定の周波数以上の領域の二つの領域を
    減衰させる2領域減衰手段のいずれか、もしくは、これ
    らの組み合わせである請求項27記載の聴覚訓練装置
  29. 【請求項29】 帯域減衰手段は、複数の異なる周波数
    に対する帯域減衰手段であり、その処理時間がランダム
    に設定されている請求項28記載の聴覚訓練装置
  30. 【請求項30】 原音を処理した2チャンネル以上の
    を聴取することによって、聴覚を訓練する聴覚訓練方法
    に用いる聴覚訓練装置おいて、一方のチャンネルの原音の振幅を減衰処理した振幅減衰
    処理音を一方のチャンネルに出力し、一方のチャンネル
    の原音の振幅を減衰処理した振幅減衰処理音を他方のチ
    ャンネルの原音に重畳して他方のチャンネルに出力する
    パンポット処理手段を設けた ことを特徴とする聴覚訓練
    装置。
  31. 【請求項31】 パンポット処理手段は、4個以上の可
    変減衰手段と2個以上の加算手段を有しており、各可変
    減衰手段は減衰係数によって減衰量が制御される可変手
    段であり、各加算手段には、一方のチャンネルの可変減
    衰手段の出力と他方の可変減衰手段の出力が入力される
    請求項30記載の聴覚訓練装置。
  32. 【請求項32】 パンポット処理手段は、一つのチャン
    ネル信号について、一方のチャンネルに出力される振幅
    減衰信号と他方のチャンネルに出力される振幅減衰信号
    の和が一定になるように構成された請求項31記載の聴
    覚訓練装置。
  33. 【請求項33】 パンポット処理手段は、複数の異なる
    パターンで処理し、その処理パターンおよび処理時間が
    ランダムに設定されている請求項32記載の聴覚訓練装
    置。
  34. 【請求項34】 原音を処理した音を聴取することによ
    って、聴覚を訓練する聴覚訓練方法に用いる聴覚訓練装
    置おいて、原音に対し所定のパターンで位相を反転させる位相反転
    処理手段 を設けたことを特徴とする聴覚訓練装置。
  35. 【請求項35】 位相反転処理手段が、原音に対し所定
    のパターンで位相を反転させる位相反転手段と、該位相
    反転手段の出力と原音とを位相反転制御信号に基づいて
    選択して出力する選択手段とから構成された請求項34
    記載の聴覚訓練装置。
  36. 【請求項36】 原音を処理した音を聴取することによ
    って、聴覚を訓練する聴覚訓練方法に用いる聴覚訓練装
    置おいて、 原音に対し所定の周波数領域を減衰させる帯域減衰手段
    および該帯域減衰手段の出力と原音とを選択して出力す
    るスイッチ手段と、 一方のチャンネルの原音を振幅減衰処理した音声信号を
    他方のチャンネルの原音に重畳するパンポット処理手段
    と、 原音に対し所定のパターンで位相を反転させる位相反転
    処理手段のいずれか2以上の手段を備えることを特徴と
    する 聴覚訓練装置。
  37. 【請求項37】 請求項14ないし請求項25のいずれ
    かに記載された聴覚訓練用音処理方法によって処理され
    た音を記録した聴覚訓練用記録媒体
  38. 【請求項38】 記録媒体が、コンパクトディスク(C
    D)、光磁気記録媒 (MD)、磁気記録媒体、半導体メモ
    リなどの記録媒体である請求項37記載の聴覚訓練用記
    録媒体
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