JP3231737U6 - 内視鏡用飛沫飛散防止器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】内視鏡検査を行う際に、患者からのウイルスの飛沫やエアロゾル及び吐血などの飛散から医療従事者への被曝を防護し安全に廃棄できる飛沫飛散防止器具を提供する。
【解決手段】蠅帳のような釣鐘型の四角錐様骨格を棒状部材1で形成し、構成される面は隙間なくビニール膜2で覆われ、一面には逆T字型の切れ込み4を有する開口部を有し横臥した患者の頭部を開口部を介して骨格部の略中央に案内した状態で患者に対して貫通口5を介して内視鏡装置6を挿入し検査を行う。検査時は第二の貫通口7から吸引チューブ8を接続して持続的に吸引し装置内部を軽度の陰圧状態にすることで飛沫やエアロゾルの飛散を低減する。使用後は蠅帳のように折畳み小さくコンパクトにして廃棄することができる。
【選択図】図2

Description

本考案は、医療における内視鏡検査の際に、ウイルスなどの上気道感染症を有する患者からの飛沫やエアロゾル飛散から医療従事者を防護すること、および、吐血した患者への内視鏡検査を行う際に飛散する血液や吐物などから医療従事者を防護するための防護装置に関する。
21世紀になり我々人類は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS−CoV)、中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS−CoV)、そして新型コロナウイルス(SARS−CoV−2)による感染症(COVID−19)などの世界的な流行を経験している。また、新型コロナウイルスが鎮静化されたとしても、航空網の発達と国際化により、世界のどこかで更なる新型ウイルス感染症が発生した場合には、新型コロナウイルスのように短期間で世界的な流行を引き起こしてしまう可能性が考えられる。
これらのウイルスの感染経路として、一般的には接触感染と飛沫感染が主であると言われている。このうち飛沫感染は、感染者の飛沫(くしゃみ、咳、つばなど)と一緒にウイルスが放出され、近くにいる周囲の人がそのウイルスを口や鼻などから吸い込んで感染するものをいう。また、真偽は定かではないが、長時間空気中を漂う飛沫核(エアロゾルの一種)にウイルスなどの病原体が混じったものを吸い込むことにより感染する空気感染も新型コロナウイルスの感染経路の原因となり得るとの報告もある。
医療従事者は防護服などを着用の上、患者への処置や治療を行うが、その中でも飛沫、エアロゾル発生の高リスクとなるものがあり、内視鏡検査はその一つである。また、吐血している患者に内視鏡検査を行う場合には、血液が飛散し、C型肝炎ウイルスなどのウイルス感染を有する患者へ内視鏡検査を行う場合には医療従事者への被曝の危険性が少なからず存在する。このような事態への対応策として、特許文献1には、患者に切れ込みのあるマスクをして内視鏡を行うことで医療従事者を守るという内視鏡検査用マスクが開示されている。また、特許文献2には、直方体の枠とビニール袋を用いた内視鏡用飛沫エアロゾル飛散防止装置が開示されている。
実用新案登録第3227464号公報 実用新案登録第3229195号公報
新型コロナウイルスは感染力が強いとされ世界的な大流行を認め、全世界的な社会問題となっている。このような患者に内視鏡検査を行う際には、咳嗽、嘔吐をきたしやすく、飛沫、エアロゾル飛散の高リスクの検査とされる。それを解決する方法として、特許文献1のように内視鏡検査中の被験者の咽頭反射やくしゃみによる飛沫の拡散の防止を目的とした内視鏡検査用マスクが提案されている。これにより一部の飛沫は防ぐことができるかもしれないが、マスク内の空間は狭い上に内視鏡通過用の穴が空いているため、くしゃみや咳嗽時のマスク内の圧力が高くなり、口腔と内視鏡通過用の穴が近接しており、圧の逃げ道として内視鏡通過用の穴から飛沫やエアロゾルが逃げてしまうことは否定できない。マスク外に飛散したエアロゾルはマスクがない場合と同様に空気中を漂ってしまう。また、本考案者が先に提案した特許文献2の内視鏡用飛沫エアロゾル飛散防止装置は、飛散防止効果は高いものの、骨格の組み立てやすさと廃棄のしやすさなど使いやすさにおいては改善の余地がある。
本考案の目的は、飛沫等の飛散防止効果が高く、かつ組み立てやすく廃棄しやすい、ディスポーザブルな内視鏡用飛沫飛散防止器具を提供することにある。
この課題を解決するために本考案では少なくとも3本、好ましくは4本の棒状部材を有し、これらの棒状部材の一端を互いに近接させた状態で回動可能に保持する支持部材を用いて、棒状部材が支持部材を支点として折り畳めるように構成する。また、棒状部材の他端が所定の多角形、好ましくは正方形の頂点を形成するように棒状部材を支持部材に対して回動させて展開させ、この多角形が底面となるような状態で、それぞれの棒状部材間及び前記の多角形を透明ビニール膜で覆うことにより閉空間が形成されるようにする。そして、この透明ビニール膜には前記の閉空間の底部に横臥した患者の頭部を導くための切込み及び患者に内視鏡装置を挿入するための貫通口を設ける。
また、本考案では上述の棒状部材に替え、内部に空気を充填できるチューブを用いることにより、上述の支持部材を用いずとも空気が充填されたチューブ自体で自立する構造とすることもできる。
さらに、ビニール膜の底面付近であって、患者が導入された際にその頭部の前下方に袋状の受けを設け、吐血などの吐物を収容可能とする構成としてもよい。この袋の底部には吸引チューブを接続できるよう貫通口が設けられる。
本考案によれば、簡単な構造と操作によって、内視鏡検査時に患者からの飛沫やエアロゾル飛散を最小限に抑えることが可能となった。一例として、吐血患者の内視鏡治療の際に、従来の防護装置なしの方法では、患者の吐血により内視鏡術者のスコープを握る手袋や着ているガウンに血液が付着する事が多い。これに対し、本考案に係る器具を用いて内視鏡治療を行ったところ、ビニール膜で構成される閉空間内に血しぶきが閉じ込められ、内視鏡術者の手袋やガウンには肉眼的に血液の付着はほとんど認められなかった。また、使用済みの本考案器具を廃棄する時には、内視鏡挿入部分及び患者導入用の切込み部分をガムテープ等で閉じることで血液を外に飛散させる事なく廃棄することができた。ウイルス、飛沫、エアロゾルは肉眼的に簡単に捉えにくいものであり、感染を絶無にすることは困難と思われるが、大きく低減していると思われる。
本考案では、閉空間の枠となる棒状部材を折り畳むことができるので保管に便利であるとともに、使用後は折り畳んだ状態で廃棄容易でありディスポーザブルであると言う特徴を有する。内視鏡検査終了直後は、検査機器等を片付けつつ同時に患者に気を配らなければならない看護師などコ・メディカルにおいても被曝の危険性が高まるタイミングであるが、本考案にかかる飛散防止器具を折り畳み式のディスポーザブルとすることにより、被曝の危険性の低減が期待できる。
本考案ではさらに吐血に対する受けとなる袋状の受けを設置し、それにつながる様に吸引チューブを連結できるようにしているため、内視鏡検査中に患者が嘔吐や吐血した際の吐物を受けとなる袋に集まり、持続吸引することで血液を含めた吐物による被曝から医療従事者を守ることが期待できる。
なお、アクリル板を患者と医師間に設置した防護装置も防護の点では非常に有用と思われ検討してみたが、一度使った後に次の患者に使う前に消毒しなければならないので、頻回の使用には向いていない。その防護装置をアルコールなど消毒液を含む布で拭く場合は、ウイルスは目に見えないため完全に拭き切れているか、消毒が十分であるかどうかを判断することは難しく、それをコ・メディカルのスタッフに任せることも負担が大きい。
また、病院内においてクーパー(医療用ハサミ)、鑷子(ピンセット)など、何度も繰り返し使うリユースの道具については、オートクレーブ(滅菌装置)で滅菌したのちに使用することがある。一般的にオートクレーブ滅菌の温度は摂氏121度で20分処理という形で行われるが、アクリル樹脂は摂氏80度から100度程度で軟化変形し始めると言われており、素材に関して耐熱性を上げるなどの工夫が必要と考えられる。しかし、耐熱性をクリアしたとしても防護装置は体が入る分の大きさとなるため、必ずしもオートクレーブ内には入らない医療施設もあるかもしれず、また、度重なる滅菌を行う場合には従来の業務を圧迫することにもつながる。もしもアクリル板防護装置をたくさん作って準備する場合には広い保管スペースをとってしまい、また使用後の消毒待ちの装置も場所をとってしまう。本考案者が従事する病院では、アクリル素材の滅菌方法として、微生物を不活化する滅菌剤として過酸化水素を前駆物質として利用した低温プラズマ滅菌法であるステラッド滅菌を実施している。これは低温度滅菌法であるものの、肩が入るくらいの大きな装置は同滅菌装置には入らなかった。
以上の諸事項を勘案すると、医療現場としては、使用する前は小さく折り畳まれており、使用するときに装置を大きく展開でき、また、使い捨て可能なディスポーザブルで安全に廃棄できる形態を有する本考案を採用する効果は大きいものと考える。
本考案の一実施例を示す図。 図1の実施例を横臥した患者に適用した状態を示す図。 図1の実施例に袋状の受け10と第2の吸引チューブ12を接続した状態を示す図。 図3の実施例を横臥した患者に適用した状態を示す図。 図3、4の袋状の受け10の拡大図で、第2の吸引チューブとの連結部11が閉じている状態を示す図。 図3、4の袋状の受け10の拡大図で、連結部11に第2の吸引チューブ12を連結している状態を示す図。 (A)図3、4の袋状の受け10の他の案である蛇腹状受け13の折畳み時の図。(B)図3、4の袋状の受け10の他の案である蛇腹状受け13の展開時の図。(A)、(B)のいずれも第2の吸引チューブとの連結部11が閉じている状態を示す図。 図3、4の袋状の受け10の他の案である蛇腹状受け13の展開時で、連結部11に第2の吸引チューブ12を連結している状態を示す図。 図1に示す実施例の頂部付近の構造を示す図(折畳み時)。 図1に示す実施例の頂部付近の構造を示す図(展開時)。 図9、図10の内筒18の断面図ではじき19の構造を示す図。 図9、図10の内筒18の断面図で手39で押して、はじき19を内筒18の内部に収納している図。 本考案の他の実施例における頂部付近の構造の平面図(展開時)。 (A)図13の正面図(展開時)。(B)図13のA−A’断面図(展開時)。 (A)図13の正面図(折畳み時)。(B)図13のA−A’断面図(折畳み時)。 図13に示す実施例の要部斜視図。 本考案の他の実施例における頂部付近の構造の平面図(展開時)。 図17のB−B’断面図(展開時)。 図17のB−B’断面図(折畳み時)。 図17に示す実施例の要部斜視図。 本考案の図1に示す実施例の内視鏡検査終了後の処置を示す図。 本考案の図1に示す実施例の内視鏡検査終了後の廃棄前処置を示す図。 本考案の他の実施例において用いられるチューブ28の構造を示す図。 図23の部材を用いた本考案の他の実施例の構成を示す図。 頂部空気注入口29の拡大断面図で栓30が開いた図。 頂部空気注入口29の拡大断面図で栓30が閉じた図。 頂部空気注入口29の拡大断面図で、手で摘んでチューブ内の空気を抜いている図。 頂部空気注入口29の拡大断面図で、棒で押してチューブ内の空気を抜いている図。 頂部空気注入口29を切断してチューブ内の空気を抜いている図。 図24に示す実施例器具を使用後に安全に廃棄する状況を示す図。 図24に示した実施例の更に他の実施例を示す図。
以下、図面を用いて本考案を実施するための形態を説明する。
図1、図2において、4本の棒状部材である親骨1により立体形状の骨格部が構成される。骨格を構成する親骨1の素材はしなやかに湾曲するプラスチックや金属を用いる。この骨格部の大きさが、あまりに大きすぎると内視鏡ベッドなどに収まらなくなる。一般的に内視鏡用ベッドの幅は65cm程度で、救急用ストレッチャーの幅は55〜61cm程度であり、これに収まるように親骨1の端部3A、3B、3C、3Dで構成される骨格底面の四角形の一辺は50cm程度が望ましい。
これらの素材は骨格を形成するため丈夫である必要があるが、ディスポーザブルであることと運び易くするために安価で軽い材質であることが望ましい。
図示のように展開された状態で隣接する親骨間、及び親骨1の端部3A、3B、3C、3Dで作られる四角形を透明ビニール膜2で覆うことにより閉空間が形成される。ビニール膜2の一面に切込み4があり、そこから患者9に頭部が略中央に位置するように骨格内に入ってもらう。この切込み4の一つの例として、図示したように逆T字型の切込みとすることにより広い開放部が得られる。
そして、上記患者に対してビニール膜に設けられた第一の貫通口5から内視鏡装置6を挿入して内視鏡検査を行う。内視鏡検査中は、ビニール膜に設けられた第二の貫通口7から吸引チューブ8を接続し、持続吸引することで骨格内は陰圧に保たれるため、切込み4から本装置内に新鮮な空気がもたらされ、さらに内視鏡検査中に患者がくしゃみ、咳嗽、嘔吐をしても本装置外には拡散しにくい状態を作り出すことができる。
図3、図4は図1、図2の患者の頭部の前下方の稜に、袋状の受け10を設置したタイプである。吐血を来している患者に内視鏡検査下に止血術を行うことがあるが、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスなどの感染症に罹患している患者が、内視鏡検査中に噴出するように吐血を来すことがあり、医療従事者は感染力のある血液の被曝を受けることがある。図1、2の構造でも被曝を防ぐことができるが、特にその吐血などの嘔吐物を袋状の受け10で受けることができる。
図5は袋状受け10の拡大図であり、第三の貫通口となる袋状受けの連結部11を有し、連結部を閉じて袋状の受けとして使用することができる。さらに、吐血量が多い場合は、連結部11を開き吸引チューブ12を接続し持続吸引することである程度液体状の血液や嘔吐物は吸引することができる。この袋状の受け10は吸引チューブ12から吸引するため、その吸引力に打ち勝つ材質または構造とする。一例としては、この部分の材料を硬質プラスチックとして図5、図6に示す形状を形作る。また、その一例としては、図7、図8に示すような蛇腹状受け13を用いる。受けとして使用しない時は、図7(A)のように折畳んだ状態であるが、図7(B)のように蛇腹状受け13を展開して吐物をためておくことができる。また、図8のように連結部11から、第2の吸引チューブ12で持続吸引することができ、吐血など液体状の吐物を吸引することができる。
図9、図10は、図1から図4に示す親骨を骨格が蠅帳や傘のような形態で展開または折りたたむ機構を示すものであり、図1から図4の頂部3E付近の構造の拡大図である。図9、図10において、内筒18の下端には補助棒状部材である受骨20の一端が回動可能に連結されており、受骨20の他端はだぼ17によって親骨1に回動可能に連結されている。内筒18の上端にはひも15が繋がっており、ひも15の端部につまみ14が連結されている。親骨1の根本は外筒16に回動可能に連結されており、この外筒16を片方の手で支持した状態で、つまみ14を上方に引っ張ることで、受骨20が親骨1に作用して蠅帳や傘の様に骨格が展開していく。内筒18は外筒16内を摺動し、図10のように内筒18が外筒16にすっぽりと収納された段階で、ストッパー21とはじき19からなる係止機構により親骨1が展開された状態を維持することができる。
はじき19の仕組みを図11、図12に示す。はじき19は板バネの構造であり、その反発力により普段は内筒18の外側に突き出ている。はじき19を内筒18の内部に向かって手39で押しこむと、図12のようにはじき19は内筒18の中に収納され、また、手を離すと図11のようにはじき19の一部は内筒から外側に突き出た状態となる。図10の様に親骨1が展開した状態から閉じるには、はじき19を手で押し込み内筒18表面を平らな状態とし、その状態で外筒16内で内筒18を摺動させ、さらに離間させることにより、図9のように折り畳んだ状態に戻すことができる。
図13から図16は、頂部3E付近の構造の他の実施例を示している。図13はその平面図(展開時)であり、4本の親骨1が最頂部の十字形支持体22に回動用ピン23で連結され、回動可能なヒンジ構造となっている。十字形支持体22と親骨1には、それぞれ固定用凹形状部24と固定用凸状部25を設けている。図14(A)は図13の展開している状態の正面図であり、図14(B)は図13のA−A’断面図、図16は展開時の斜視図である。親骨1が、ストッパー21により可動域が制限されて固定され、さらに前記の固定用凹形状部24と固定用凸状部25がパチッと噛み合うことで固定される。内視鏡検査施行後は、固定用凹形状部24と固定用凸状部25を軽度の力で解除することができ、図15(A)に示す図13の正面図や、図15(B)に示す図13のA−A’断面図の様に折り畳むことができる。
図17から図20は、頂部3E付近の構造のさらに他の実施例を示している。図17はその平面図(展開時)であり、4本の親骨1が最頂部の十字形支持体22に蝶番様連結装置26で連結され、回動可能なヒンジ構造となっている。十字形支持体22と親骨1には、それぞれ固定用凹形状部24と固定用凸状部25を設けている。図18は図17のB−B’断面図で親骨を展開している状態を示しており、図20は展開時の斜視図である。親骨1が、ストッパー21により可動域が制限されて固定され、また前記の固定用凹形状部24と固定用凸状部25がパチッと噛み合うことで固定される。内視鏡検査施行後は、凹形状部24と固定するための凸状部25を軽度の力で解除することができ、図19に示す図17のB−B’断面図の様に折り畳むことができる。
本考案の実施例器具を用いて内視鏡検査を終了した後に安全に廃棄する方法を説明する。図21のように内視鏡装置を挿入する第一の貫通口5と切込み4をテープ27で塞ぎ、装置内の飛沫やエアロゾルが飛散しないようにしておき、図22のように親骨1を閉じながら、第二の貫通口7から吸引チューブ8で骨格内の空気を吸引しながら小さく潰していく。このような操作により、内容物が飛散しないように安全に廃棄することができ、ディスポーザブルに向いている。
図24は図1から図4の実施例における骨格を形成する親骨1の部材が図23に示すチューブ28で構成されている場合を示している。このチューブ28の素材はビニールやタイヤで用いるようなゴムなどを用いる。このチューブ28で構成される骨格38は図24のように、閉空間を構成する立体形状の各稜全てを形成するようにし、その稜で構成される各多角形を各稜に固着された透明ビニール膜2で覆うことにより閉空間を形成する。頂部空気注入部29は、浮き輪などの空気注入口や自転車のタイヤの空気注入口のような形状を呈している。この注入部からチューブに空気を入れることにより、チューブが骨格として機能し、支持体22を用いずとも図1から図4で示したと同様の装置を形成することができる。また、チューブ28とビニール膜2をビニールシート材料から一体に成形することも可能である。このようにすれば、本器具の製造工程が簡略化される効果がある。
図25は頂部空気注入部29の拡大図であり、注入口32近傍には逆流防止弁33があるため、入れた空気は容易に抜けないようになっている。空気が十分入り骨格を形成できたら図26に示すように栓30を閉める。使用後は栓30を開けて、図27で示すように空気注入口29の側面を手39で押すと、弁33の切れ込み34が開き空気が抜けていく。また、図28に示すように注入口32から爪楊枝などの棒35で押して、弁の切れ込み34を開くようにしても良い。さらに、図29で示すように頂部空気注入部29をハサミ36で切断すれば、短時間でチューブ内の空気を抜くことができる。
骨格の強度の面からは空気注入部が頂部3E付近に位置しない方が良い場合も想定される。その場合は、空気注入部が図24に示す側部空気注入部31のような位置にあっても良い。
チューブ28を用いた骨格による実施例の内視鏡検査終了後は、図30のように内視鏡装置を挿入する第一の貫通口5と切込み4をテープ27で塞ぎ、骨格内の飛沫やエアロゾルが飛散しないようにする。そして図29に示すように頂部空気注入部29をハサミ36で切断することにより、より効率よくチューブ内の空気を抜くことができる。その後は、図30に示すように第二の貫通口7から吸引チューブ8で装置内の空気を吸引しながら小さく潰していくことで内容物が飛散しないように安全に廃棄することができ、ディスポーザブルに向いている。
前述した蠅帳や傘のような形態やヒンジ式の支持体を用いる実施例と比べ、チューブで骨格を形成する場合は、様々な形態を形作ることができる。図31にその例を示すように、(A)は四角錐状、(B)は直方体状または長方体形状、(C)はアーチ状の例であり、様々な使いやすい形状や大きさに変えて実現することができる。ただ、図24に示す実施例のように、屋根部分にアーチ2つをクロスして設置する形状にすることにより、骨格を構成するチューブ28がそもそも材質としての強度が低い場合、またはチューブ内の空気量がやや少なめで強度が低い場合であっても、他の形態に比べて骨格が安定して保たれやすいという利点はあるものと考える。
患者への処置や治療において飛沫やエアロゾル発生の高リスクの処置がある。上部消化管内視鏡検査などもその一つで、検査時の咳嗽、嘔吐などがその原因である。しかしながら吐血など緊急性の高い患者などには内視鏡検査を行う必要があり、医療従事者は飛沫やエアロゾル飛散による被曝の不安を抱えながら日常診療に励んでいる。この悩みは日本国内のみならず全世界の内視鏡医の悩みと考えられる。この内視鏡時に発生する飛沫やエアロゾルをできるだけ飛散させずに封じ込め、そして検査終了後は安全に捨てることができる道具として本考案を開発した。本考案にかかる器具は、一度使用したら使い捨てのディスポーザブルであり、検査後は安全に廃棄することができるため、感染拡大防止に寄与し、日本中、全世界の内視鏡医のニーズに合致したものと考えられる。
1 親骨
2 透明ビニール膜
3A、3B、3C、3D 親骨の端部
3E 親骨の頂部
4 切込み
5 第一の貫通口
6 内視鏡装置
7 第二の貫通口
8 吸引チューブ
9 横臥した患者
10 袋状の受け
11 袋状受けの連結部
12 第2の吸引チューブ
13 蛇腹状受け
14 つまみ
15 ひも
16 外筒
17 だぼ
18 内筒
19 はじき
20 受骨
21 ストッパー
22 十字形支持体
23 回動用ピン
24 固定用凹形状部
25 固定用凸形状部
26 蝶番様連結装置
27 テープ
28 チューブ
29 頂部空気注入部
30 栓
31 側部空気注入部
32 注入口
33 逆流防止弁
34 弁の切れ込み
35 棒
36 ハサミ
37 ハサミ36で切断された頂部空気注入部29
38 チューブ27で形成される親骨
39 手

Claims (6)

  1. 少なくとも3本の棒状部材と、
    前記棒状部材の一端を互いに近接させた状態で回動可能に保持する支持部材と、
    前記棒状部材をそれらの他端が所定の多角形を形成するように展開させた状態でそれぞれの棒状部材間及び前記多角形を覆うことにより閉空間を形成するように前記棒状部材に固着された透明ビニール膜とを有し、
    前記透明ビニール膜は前記閉空間に横臥した患者の頭部を導くための切込み及び前記患者に内視鏡装置を挿入するための第一の貫通口を有することを特徴とする飛沫飛散防止器具。
  2. 内部に空気が注入されることにより所定の立体形状の輪郭部を形成する柔軟な材料で構成されたチューブと、
    前記チューブに空気が注入された状態で規定される立体形状の各面を覆うことにより閉空間を形成するように前記チューブに固着された透明ビニール膜とを有し、
    前記透明ビニール膜は前記閉空間に横臥した患者の頭部を導くための切込み及び前記患者に内視鏡装置を挿入するための第一の貫通口を有し、
    前記チューブは空気を注入する空気注入口を有することを特徴とする飛沫飛散防止器具。
  3. 請求項1又は2において、前記透明ビニール膜は前記閉空間内部を陰圧状態にするための吸引器を挿入する第二の貫通口を有することを特徴とする飛沫飛散防止器具。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記透明ビニール膜は前記閉空間の下部に袋状に突出した受け部を有し、前記受け部の底部に前記受け部内部を陰圧状態にするための吸引器を挿入する第三の貫通口を有することを特徴とする飛沫飛散防止器具。
  5. 請求項1において、前記支持部材は外周部において前記棒状部材の一端を回動可能に保持する外筒と、前記外筒内を摺動可能に配置され前記外筒の端部において前記外筒との位置関係を固定するための係止機構を有する内筒とを有し、
    さらに前記内筒と前記棒状部材のそれぞれとに連結され前記内筒の摺動に応じて前記内筒及び前記棒状部材に対して回動可能な補助棒状部材とを有し、
    前記内筒が前記外筒に前記係止機構により固定された状態で、前記補助棒状部材によって前記棒状部材の位置が固定されるように構成したことを特徴とする飛沫飛散防止器具。
  6. 請求項1において、前記支持部材は前記棒状部材のそれぞれの一端を回動可能に保持するヒンジ機構を有し、かつ前記棒状部材が前記閉空間を形成するように位置した状態で前記棒状部材を固定する係止部材を有することを特徴とする飛沫飛散防止器具。
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