JP3231615U - 接続ナットセット - Google Patents

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孝治 三宅
孝治 三宅
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Abstract

【課題】空調配管のような管部材の腐食を抑制できる接続ナットセットを提供する。【解決手段】空調配管1200をユニオン部材1400へ接続するための接続ナットセット1100であって、空調配管が挿入される接続ナット1110と、挿入された空調配管と接続ナットとの間の隙間1150の入り口1151を塞ぐように被せられる接続ナットキャップ1120と、を備え、接続ナットの表面の全部または一部の上には、下地膜が形成され、下地膜の表面の全部または一部の上に、犠牲防食膜が形成されている。【選択図】図5

Description

本考案は、空調配管を所定の部材へ接続するためのナットセットのような接続ナットセットに関する。
空調配管を所定の部材へ接続するための接続ナットセットが、知られている(たとえば、特許文献1参照)。
2010−48373号公報
しかしながら、従来の接続ナットセットについては、空調配管のような管部材の腐食が発生しやすいことがある。
本考案は、上述された従来の課題を考慮し、空調配管のような管部材の腐食を抑制することができる接続ナットセットを提供することを目的とする。
第1の本考案は、管部材を所定の部材へ接続するための接続ナットセットであって、
前記管部材が挿入される接続ナットと、
前記挿入された管部材と前記接続ナットとの間の隙間の入り口を塞ぐように被せられる接続ナットキャップと、
を備え、
前記接続ナットの表面の全部または一部の上には、第一の接続ナット膜が形成されており、
前記第一の接続ナット膜の表面の全部または一部の上には、第二の接続ナット膜が形成されていることを特徴とする接続ナットセットである。
第2の本考案は、前記第一の接続ナット膜は、前記管部材の腐食を抑制するための下地膜であり、
前記第二の接続ナット膜は、前記管部材の腐食を抑制するための犠牲防食膜であることを特徴とする第1の本考案の接続ナットセットである。
第3の本考案は、前記接続ナットキャップは、前記前記管部材が貫通するリングキャップであることを特徴とする第1または第2の本考案の接続ナットセットである。
本考案により、空調配管のような管部材の腐食を抑制することが可能な接続ナットセットを提供することができる。
本考案における実施の形態の接続ナットセットの模式的な左側面図 本考案における実施の形態の接続ナットセットの模式的な斜視図(その一) 本考案における実施の形態の接続ナットセットの模式的な斜視図(その二) 本考案における実施の形態の接続ナットセットの接続ナットの表面近傍の模式的な部分断面図 本考案における実施の形態の接続ナットセットおよびユニオン部材の模式的な部分左側面図 本考案における実施の形態の接続ナットセットおよび継ぎ手部材の模式的な部分断面図 本考案に関連する考案の本実施の形態の空気調和機の設置状態を模式的に示した模式図 図7に示す空気調和機1の室外機の継ぎ手部材と、室内機の継ぎ手部材と、太管部材及び細管部材から構成された冷媒配管との接続を分解し模式的に示した分解模式図 (a):図8に示した接続ナット及び管部材の拡大断面図、(b):図8に示した室外機の継ぎ手部材と、それに接続された接続ナット及び管部材の拡大断面図 本考案に関連する考案の本実施の形態の接続ナットの断面図であり、電食抑制膜(又は、本考案に関連する考案の実施の形態2の犠牲防食膜)が形成されている範囲を示す図 本考案に関連する考案の本実施の形態の接続ナットに電食抑制膜を形成する膜形成工程を示すフローチャート図 (a):本考案に関連する考案の本実施の形態の電食抑制膜を形成する膜形成工程で使用する治具に接続ナットをセットした状態を示す部分断面図、(b):治具にセットされた複数の接続ナットを所定の溶液に浸漬した状態を示す概略図 本考案に関連する考案の実施の形態2における、継ぎ手部材の両端側のそれぞれの開口部に対して、2つの接続ナットを用いて2つの管部材を連結する構成の拡大断面図 本考案に関連する考案の実施の形態2における、継ぎ手セット、及び継ぎ手・配管セットについての構成例と、その構成部材、及びその特性(材質、犠牲防食膜の形成の有無、犠牲防食膜の形成範囲)を一覧表として示した図
以下、図面を参照しながら、本考案における実施の形態について詳細に説明する。
はじめに、図1から4を主として参照しながら、本実施の形態の接続ナットセット1100について具体的に説明する。
ここに、図1は本考案における実施の形態の接続ナットセット1100の模式的な左側面図であり、図2および3は本考案における実施の形態の接続ナットセット1100の模式的な斜視図(その一および二)であり、図4は本考案における実施の形態の接続ナットセット1100の接続ナット1110の表面近傍の模式的な部分断面図である。
接続ナットキャップ1120は、図2においてはまだ被せられていないが、図3においてはすでに被せられている。
下地膜1111は本考案の第一の接続ナット膜の一例であり、犠牲防食膜1112は本考案の第二の接続ナット膜の一例である。
空調配管1200は、本考案の管部材の一例である。
ユニオン部材1400は本考案の所定の部材の一例であり、継ぎ手部材1510も本考案の所定の部材の一例である。
接続ナットセット1100は、空調配管1200を所定の部材へ接続するためのナットセットである。
接続ナット1110は、空調配管1200が挿入されるナットである。
本考案における実施の形態の接続ナットセット1100およびユニオン部材1400の模式的な部分左側面図である図5においては、接続ナット1110はユニオン部材1400と螺合させられており、ユニオン部材1400は空調配管1200を最終的に空調配管1300へ接続するための接続中継部材として機能する。
本考案における実施の形態の接続ナットセット1100および継ぎ手部材1510の模式的な部分断面図である図6においては、接続ナット1110は継ぎ手部材1510と螺合させられており、継ぎ手部材1510は空調配管1200を最終的に空気調和装置1500へ接続するための接続中継部材として機能する。
接続ナットセット1100は、たとえば、冷媒配管のためのアルミニウム合金空調配管である空調配管1200と、空調機器とも呼ばれる空気調和装置1500と、の接続に好適である。
接続ナットキャップ1120は、挿入された空調配管1200と接続ナット1110との間の隙間1150の入り口1151を塞ぐように被せられるナットキャップである。
隙間1150はあまり大きくないが、雨水または塵埃などの侵入に起因する隙間腐食を防ぐことにより、接続ナットキャップ1120は電解質における空調配管1200と接続ナット1110との接触を防ぐことができるので、空調配管1200と接続ナット1110との間の電気的な絶縁性がさらに向上する。
接続ナット1110の表面の全部または一部の上には、下地膜1111が形成されている。
典型的には、下地膜1111は、接続ナット1110の表面の全部の上に形成されているが、接続ナット1110の表面の一部の上に形成されていてもよい。
下地膜1111の表面の全部または一部の上には、犠牲防食膜1112が形成されている。
典型的には、犠牲防食膜1112は、下地膜1111の表面の全部の上に形成されているが、下地膜1111の表面の一部の上に形成されていてもよい。
下地膜1111は、空調配管1200の腐食を抑制するための下地膜である。
犠牲防食膜1112は、空調配管1200の腐食を抑制するための犠牲防食膜である。
犠牲防食膜1112の防食作用がなくなっても、下地膜1111の防食作用があるので、より長い防食期間が確保される。
メカニカルめっきによる下地膜1111が、犠牲防食機能を有する犠牲防食膜1112、およびトップコート被膜とも呼ばれるトップコート膜1113とともに、追加的に利用されるので、後述される傷つき耐食性がさらに向上する。
洗浄工程の後、下地膜1111を形成するためのメカニカルめっき加工工程、犠牲防食膜1112を形成するための犠牲防食加工工程、およびトップコート膜1113を形成するためのトップコート加工工程がこの順番で行われる。
下地膜1111は薄膜であるが、犠牲防食膜1112の膜厚はおよそ10から12マイクロメートルである。危険物質に関する制限令であるRoHS(Restriction of Hazardous Substances)指令などにより規制される環境規制物質を犠牲防食膜1112の形成に使用する必要はなく、酸処理および電解反応は不要であるので、応力腐食割れおよび水素脆化のような現象はほとんど見られず、遅れ破壊は発生しにくい。
接続ナットキャップ1120は、空調配管1200が貫通するリングキャップである。
アルミニウム合金空調配管である空調配管1200と、真鍮のような銅合金の銅接続ナットである接続ナット1110と、の間の絶縁のために、EPDM(Ethylene Propylene Diene Monomer)のようなゴムのカバーキャップである接続ナットキャップ1120が追加的に利用されるので、究極的な腐食対策を具現化する接続ナットセット1100の構成が実現される。
つぎに、図1を主として参照しながら、本実施の形態の接続ナットセット1100についてより具体的に説明する。
電位が相異なる二つの金属が電解質の中で接触すると、卑な金属はアノードとなって腐食と呼ばれるイオン化が助長され、貴な金属はカソードとなってイオン化が抑制される。このようなアノードの側で助長される腐食が、異種金属腐食である。
たとえば、接続ナット1110が真鍮のような銅合金の銅接続ナットであるとき、空調配管1200も真鍮のような銅合金の銅空調配管である場合には空調配管1200の腐食は発生しにくいが、空調配管1200はアルミニウムのアルミニウム空調配管である場合には空調配管1200の腐食がしばしば発生する。これは、銅が貴な金属となってアルミニウムが卑な金属となるからである。
接続ナットセット1100は、かくの如き空調配管1200の腐食の発生を抑制することができる。
すなわち、少なくとも犠牲防食膜1112のナット塗装における亜鉛は卑な金属となるので、その先行的な腐食により、アルミニウム空調配管である空調配管1200の防食が行われる。
さらに、ゴムのカバーキャップである接続ナットキャップ1120が装着されているので、絶縁作用をともなう究極的な異種金属防食ナット構成が実現される。
つぎに、図4を主として参照しながら、本実施の形態の接続ナットセット1100についてさらにより具体的に説明する。
下地膜1111についてさらにより具体的に説明すると、つぎの通りである。
下地膜1111は、たとえば、亜鉛が主な成分であって主要成分元素の数が4以上である合金を利用して形成される。真円度が高い球状の亜鉛合金粉がスチールショット球と混合されて高速で非処理物に投射され、亜鉛合金粒子がこのような投射で発生させられた運動エネルギーにより非処理物の表面に凝着させられることにより、被膜が形成される防錆処理技術が、利用可能である。
薄いのみならず緻密である被膜構造が利用されるので、強い密着力が実現され、曲げおよびかしめに起因する被膜の剥がれはほとんど発生しない。
熱に起因する非処理物の応力の低下はほとんどなく、酸処理および電解反応は必要でないので、水素脆性に起因する遅れ破壊はほとんど全く発生しない
下地膜1111は塗装下地として処理され、傷つき耐食性が向上するのみならず、高い防錆性能も発揮され、機械的特性はショットピーニング効果により向上するので、鉄または非鉄にかかわらず、さまざまな金属が利用される処理への応用が期待される。
下地膜1111のマグネシウム成分による自己修復機能は、上述された傷つき耐食性の向上に寄与する。
すなわち、傷つきが発生すると、下地膜1111のマグネシウム成分を含む酸化物または水酸化物の保護被膜が形成され、このような酸化物または水酸化物の電気絶縁性は高いので、被膜の亜鉛の腐食に起因する腐食電流は抑制される。マグネシウムは、電位の観点からは亜鉛と比べて卑な金属であるが、安定的な腐食生成物を腐食環境のもとで生成するので、亜鉛のガルバニック作用は緩和される。したがって、被膜の亜鉛の溶出は抑制され、下地膜1111は顕著な防食効果を奏する。
犠牲防食膜1112についてさらにより具体的に説明すると、つぎの通りである。
たとえば、亜鉛との電気的な導通が起こる鉄については、亜鉛は鉄と比べて卑な金属であるので、海水などのような導電性を有する電解質水溶液においては、亜鉛が犠牲になって腐食することによって鉄の腐食を抑制する。このような作用が、亜鉛の犠牲防食作用である。
犠牲防食膜1112は、たとえば、シルバーメタリックな外観を有する処理被膜であり、その構造は金属フレークが層状に重なってケイ素無機バインダーのような特殊無機バインダーにより結合されているような構造である。金属製品の防錆が目的であるクロムフリー塗装処理技術が、利用可能である。
このような処理被膜技術は環境対応型の水系の処理液が利用される技術であり、公害が発生する恐れはほとんどない。被膜においてもクロム化合物などは含まれず、さまざまな規制への対応が保証される。
犠牲防食膜1112は、耐塩水噴霧性および耐サイクルテスト性において優れる。極めて優れた防錆性が発揮されることは、JIS Z 2371 塩水噴霧試験方法およびサイクルテストにより保証されたその耐食性能からも明らかである。
相異なる腐食電位の金属または合金の接触に起因するガルバニック腐食は発生しにくく、犠牲防食膜1112はアルミニウムなどとの顕著な異種金属腐食防止効果を奏する。なぜならば、犠牲防食膜1112の被膜の腐食電位がアルミニウムの腐食電位へ近接し、コントロールされた亜鉛の犠牲保護作用が発揮されるので、亜鉛金属の消耗は抑制され、アルミニウムに対する保護効果は永続するからである。
水素脆性の恐れは、ほとんどない。これは、酸処理および電解反応は必要でないので、水素脆性に起因する遅れ破壊はほとんど全く発生しないからである。
かくして、鉄または非鉄にかかわらず、さまざまな金属が利用される処理への応用が期待される。
トップコート膜1113についてさらにより具体的に説明すると、つぎの通りである。
トップコート膜1113は、たとえば、撥水性物質が主な成分である処理液を利用して形成される。犠牲防食膜1112の上へ塗装されたトップコート膜1113は、耐食性能を向上させ、異種金属接触における顕著なガルバニック腐食防止効果を奏する。
以下に、本考案に関連する考案の継ぎ手セット、及び継ぎ手・配管セットの一実施の形態について、図面を用いて説明する。
(本考案に関連する考案の実施の形態1)
本実施の形態では、一例として、家庭用の冷暖房可能な空気調和機において、所定の膜が形成された接続ナットを用いて、管部材と継ぎ手部材とを接続する場合について、先ずその構成を中心に説明する。
図7は、本実施の形態の空気調和機1の設置状態を模式的に示した模式図である。
また、図8は、図7に示す空気調和機1の室外機100の継ぎ手部材110A、110Bと、室内機200の継ぎ手部材210A、210Bと、太管部材300A及び細管部材300Bから構成された冷媒配管300との接続を分解し模式的に示した分解模式図である。
また、図9(a)は、図8に示した接続ナット320及び管部材310の拡大断面図であり、図9(b)は、図8に示した室外機100の継ぎ手部材110Aと、それに接続された接続ナット320及び管部材310の拡大断面図である。なお、図9(a)、図9(b)では、各部の接続状態を見易くするために、継ぎ手部材110Aと接続ナット320は実線で表し、管部材310は二点鎖線で表した。
本実施の形態の空気調和機1は、図7に示す通り、家屋2の屋外に設置された室外機100と、家屋2の室内に設置された室内機200と、室外機100及び室内機200の間で冷媒の循環経路を構成する太管部材300Aと細管部材300Bから構成された冷媒配管300とを備えている。
なお、太管部材300A及び細管部材300Bにおける冷媒の循環方向は、冷房運転時と暖房運転時において逆転する。
また、本実施の形態の空気調和機1では、細管部材300Bは、管径に関連した寸法を除き基本的に太管部材300Aと同じ構成であるので、以下では、太管部材300Aを中心に説明する。また、図中(図8参照)において、細管部材300Bについて、太管部材300Aと同じ構成には同じ符号を付しその説明を省略した。
本実施の形態の太管部材300Aは、図8に示す通り、両端がフレア加工されて漏斗状に拡管されたフレア部311を有する管部材310と、その管部材310の両端側に挿入配置された一対の接続ナット320、320と、一対の接続ナット320、320の間に配置され、管部材310を被覆する筒状の断熱チューブ330とを備えている。
なお、細管部材300Bは、上述した通り、太管部材300Aと同様の構成である。
また、図8に示す通り、管部材310の一方側のフレア部311は、室外機100の継ぎ手部材110A、110Bに螺合される接続ナット320により、室外機100の継ぎ手部材110A、110Bと連結され、他方側のフレア部311は、室内機200の継ぎ手部材210A、210Bに螺合される接続ナット320により、室内機200の継ぎ手部材210A、210Bと連結される構成である。
なお、本実施の形態の空気調和機1では、室外機100の、細管部材300Bと連結される継ぎ手部材110Bは、管部材310の管径に対応した部位の寸法を除き基本的に太管部材300Aと連結される継ぎ手部材110Aと同じ構成である。また、本実施の形態の空気調和機1では、接続ナット320による、一方側のフレア部311と室外機100の継ぎ手部材110A、110Bとの連結構成と、他方側のフレア部311と室内機200の継ぎ手部材210A、210Bとの連結構成とは、同じ構成である。
よって、以下では、接続ナット320による、一方側のフレア部311と室外機100の継ぎ手部材110Aとの連結構成を中心に説明する。
図9(a)に示す通り、接続ナット320は、中心軸321に垂直なA−A断面の外形が六角形であって、両端が開放された筒状体を成している。また、接続ナット320は、図9(a)〜図9(b)に示す通り、(1)筒状体の内部の一端部から他端部の手前までに亘り形成された、継ぎ手部材110Aの外周面上の雄ねじ部111と螺合される雌ねじ部322と、(2)他端部に形成された、管部材310が貫通する貫通部323と、(3)貫通部323の内周壁面323aと雌ねじ部322との間に形成された、管部材310の端部における漏斗状の傾斜面を有するフレア背面311aを継ぎ手部材110Aの開口部の傾斜面を有する外周縁部112に押圧して連結するための押圧部324と、(4)雌ねじ部322と押圧部324との間に形成された、中心軸321に垂直なB−B断面(図9(a)参照)の内周が円形の溝部325と、を有している。
上記構成において、継ぎ手部材110A、管部材310、及び接続ナット320が図9(b)に示す様に配置された状態において、接続ナット320が予め規定されたトルクで締め付けられることにより、管部材310のフレア背面311aが接続ナット320の押圧部324により、継ぎ手部材110Aの開口部の傾斜面を有する外周縁部112に押圧され、その結果、管部材310のフレア内面311bが継ぎ手部材110Aの開口部の傾斜面を有する外周縁部112と確実に密着する構成である。
本明細書では、管部材310は、アルミ純度99.00%以上の純アルミ(本明細書では、単にアルミニウムとも称す)または、純アルミに様々な金属元素を添加したアルミニウム合金であり、一例としてJIS規格表示A3003のアルミニウム合金(Al−Mn系)が挙げられるが、これに限定されるものではない。
一方、本明細書では、接続ナット320、室外機側の継ぎ手部材110A、110B及び室内機側の継ぎ手部材210A、210Bは、黄銅(即ち、真鍮)であり、管部材310とは、主成分が異なる。
一般に、アルミニウム合金の方が、黄銅よりもイオン化傾向が高いので、管部材310と、接続ナット320又は継ぎ手部材110A、110B(210A、210B)とを接触させ、且つ、それらの間に水分が介在すると、アルミニウム合金製の管部材310において、異種金属接触腐食(これを単に、「電食」ともいう)が発生し、冷媒漏れの原因となる。
そこで、本実施の形態では、管部材310の電食を抑制するために、接続ナット320に対して、図10に示す様に、所定の範囲で電食抑制膜400が形成されている。
図10は、本実施の形態の接続ナット320の断面図であり、電食抑制膜400(又は、実施の形態2の犠牲防食膜410)が形成されている範囲を示す図である。
図10に示す様に、電食抑制膜400は、接続ナット320の貫通部323側の前端面326aを基準面として、その基準面から中心軸321に沿って、押圧部324の終端部、即ち、押圧部324と溝部325の境界部324BLに至るまでの範囲Hに含まれる、接続ナット320の内壁及び外壁の全面を覆っている。
即ち、電食抑制膜400は、図10に示す通り、接続ナット320の押圧部324の表面と、その押圧部324の表面に連接する貫通部323の内周壁面323aと、その内周壁面323aに連接する前端面326aと、その前端面326aに連接する外周傾斜面327と、を隙間無く覆うと共に、外周傾斜面327に連接する六角形の外周面329の一定範囲328(側面視で、中心軸321に沿った距離hの範囲)まで覆っている。ここで、一定範囲328は、六角形の外周面329の全体に比べてごくわずかの範囲である。
ここで、電食抑制膜400は、一層目がポリイミド樹脂膜であり、その上に二層目としてフッ素樹脂含有のポリイミド樹脂膜が形成された二層構造を成し、その膜厚は、およそ15μm〜30μmである。また、この電食抑制膜400は、電気絶縁性を有している。
なお、この電食抑制膜400の形成方法については、後述する。
本実施の形態では、一層目のポリイミド樹脂膜だけでは、接続ナット320の角部への塗装膜ののりが良くないので、角部への塗装性に優れたフッ素樹脂含有のポリイミド樹脂を二層目に用いているが、電食抑制膜400は、角部への塗装性が確保できれば二層構造に限定されるものではなく、一層構造であっても良い。
次に、本実施の形態における、管部材310と、接続ナット320または継ぎ手部材110Aとの間における、異種金属接触に起因する電食が抑制される理由について説明する。
即ち、上記構成によれば、継ぎ手部材110A、管部材310、及び電食抑制膜400(図10参照)が形成された接続ナット320が図9(b)に示す様に配置された状態において、電食抑制膜400が形成された接続ナット320が、予め規定されたトルクで締め付けられることにより、管部材310のフレア背面311aは、電食抑制膜400で被覆された押圧部324により、継ぎ手部材110Aの開口部の傾斜面を有する外周縁部112に確実に押圧される。その結果、管部材310のフレア内面311bは、継ぎ手部材110Aの開口部の傾斜面を有する外周縁部112と確実に密着し、管部材310の内部の冷媒が、溝部325の周辺の空間部325a(図9(b)参照)に漏れ出すことは無い。
上記のことから、水分が、貫通部323と管部材310との間に生じる隙間323b(図9(b)参照)から当該空間部325aに浸入することは無い。また、水分が、継ぎ手部材110Aの雄ねじ部111と接続ナット320の雌ねじ部322とが噛み合う部分を通過して、当該空間部325aに浸入することも無い。
よって、そもそも、当該空間部325aに電食を促進させる水分等が浸入することは無いので、フレア加工が施された管部材310の先端部311cと、電食抑制膜400が形成されていない継ぎ手部材110Aの開口部の傾斜面を有する外周縁部112との間において、電食が生じることは無い。
一方、貫通部323と管部材310との間に生じる隙間323b(図9(b)参照)には、水分が浸入し得るが、少なくとも、接続ナット320の押圧部324の表面と、押圧部324の表面に連接する貫通部323の内周壁面323aと、貫通部323の内周壁面323aに連接する前端面326aとが、上述した通り、電気絶縁性を有し密着性に優れた樹脂製の電食抑制膜400により覆われている(図10参照)。
よって、電食抑制膜400が経年劣化したり剥がれたりすることがなければ、アルミニウム合金製の管部材310の外周面と、黄銅製の接続ナット320の金属面とが、電気的に接触することが防止されるので、電食が生じることはない。
以上のことから、太管部材300A及び細管部材300Bを含む冷媒配管300において、従来の様にゴム製防水キャップを被せる必要がないので作業性を低下させることなく、管部材310と接続ナット320との間、及び管部材310と継ぎ手部材110A、110B(210A、210B)との間における、異種金属接触に起因する電食が、管部材310に対して生じることを抑制出来る。
また、図10に示す様に、電食抑制膜400が、接続ナット320の雌ねじ部322に被覆されていないため、接続ナット320を継ぎ手部材110A、110B(210A、210B)に締め付ける際の締め付けトルクに悪影響を及ぼすことが無い。
即ち、接続ナット320の雌ねじ部322に電食抑制膜400が被覆されていると仮定すると、電食抑制膜400の膜厚が所定厚みより厚すぎる場合、規定の締め付けトルクで締め付けても完全に締まらず、また、膜厚が薄すぎる場合、規定の締め付けトルクで締め付けるとネジ部が滑って締まりすぎるという問題が生じ得る。従って、この問題を回避するためには、電食抑制膜400の膜厚が許容範囲に入る様にするための製造工程上の膜厚管理が重要となる。
また、図10に示す様に、電食抑制膜400が、接続ナット320の六角形の外周面329に対しては、一定範囲328を除き、被覆されていない。そのため、仮に、接続ナット320の六角形の外周面329にも電食抑制膜400が被覆されているとした場合、接続ナット320を継ぎ手部材110A、110B(210A、210B)に締め付ける際に、六角レンチが接続ナット320の六角形の外周面329に被覆された膜上を滑って締め付け難くなる場合があるが、本実施の形態では、その様な問題は生じない。
次に、電食抑制膜400の形成方法について図11〜図12(b)を用いて説明する。
図11は、本実施の形態の接続ナット320に電食抑制膜400を形成する膜形成工程を示すフローチャート図である。
また、図12(a)は、治具500に接続ナット320をセットした状態を示す部分断面図であり、図12(b)は、治具500にセットされた複数の接続ナット320を所定の溶液に浸漬した状態を示す概略図である。
図11に示す様に、未被覆の接続ナット320を複数用意し、洗浄液に浸漬して洗浄する(工程S101参照)。
次に、洗浄が完了した複数の未被覆の接続ナット320を治具500にセットする(工程S102参照)。
治具500には、底面視で、m×n個の未被覆の接続ナット320が、縦方向にm個、横方向にn個、格子状に配列されている。
ここで、治具500の構成について、図12(a)〜図12(b)を用いて説明する。
図12(b)に示す様に、治具500は、治具本体501の下面において、先端部に雄ねじ部503が形成された接続ナット固定突起部502が、底面視で格子状(縦方向にm個、横方向にn個)に配置されている。また、雄ねじ部503は、その先端部503aを除き、継ぎ手部材110A(110B)の雄ねじ部111(図9(b)参照)と同一の寸法に設定されており、接続ナット320の雌ねじ部322と完全に螺合可能である。また、雄ねじ部503の先端部503aは、空気抜き用孔部504を除き平坦であり、接続ナット320を接続ナット固定突起部502に締め付けて取り付けた状態で、溝部325(図12(a)参照)の範囲内に突き出さない様に構成されている。空気抜き用孔部504は、接続ナット固定突起部502の先端部503aから根本部に至り、そこから根本部の外周面に向けて屈曲し、大気に開放されている。
また、治具500は、治具昇降装置(図示省略)に昇降可能に固定されており、治具昇降装置は、治具500の初期位置からの下降距離が調整可能に構成されている。
従って、図12(b)に示す様に、浸漬容器600に入れられた所定の溶液610(本実施の形態では、ポリイミド溶液、または、フッ素樹脂を含むポリイミド溶液)に、接続ナット320をその前端面326aから範囲Hまで浸漬させることが出来る。
これにより、電食抑制膜400の被覆範囲を常に安定して確保することが出来る。
なお、雄ねじ部503の先端部503aが、接続ナット320を接続ナット固定突起部502に締め付けて取り付けた状態で、溝部325(図12(a)参照)の範囲内に突き出さない様に構成されていることにより、接続ナット320をその前端面326aから範囲Hまで、所定の溶液610に浸漬させるために治具500を下降させた場合でも、その所定の溶液610により、接続ナット固定突起部502の先端部503aの空気抜き用孔部504の開口部が、閉塞されることはない。
ここで、再び、図11を用いた説明に戻る。
工程S102で治具500にセットされた複数の未被覆の接続ナット320を、治具500を下降させることにより、接続ナット320の前端面326aから範囲Hまで、所定の溶液610(ポリイミド溶液)に浸漬させる(工程S103参照)。
このとき、図12(a)に示す様に、貫通部323から浸入したポリイミド溶液は、空間部325a内の空気を、空気抜き用孔部504を介して外部へ押し出しながら、前端面326aを基準にして範囲Hの高さに至る。
これにより、電食抑制膜400は、図10に示す通り、接続ナット320の押圧部324の表面と、その押圧部324の表面に連接する貫通部323の内周壁面323aと、その内周壁面323aに連接する前端面326aと、その前端面326aに連接する外周傾斜面327と、を隙間無く覆うと共に、外周傾斜面327に連接する六角形の外周面329の一定範囲328(側面視で、中心軸321に沿った距離hの範囲)まで覆っている。
次に、治具500を上昇させ、接続ナット320が取り付けられた状態の治具500を、治具昇降装置から取り外して、乾燥装置(図示省略)に入れて180℃で乾燥させる(工程S104参照)。
次に、乾燥装置から、接続ナット320が取り付けられた状態の治具500を取り出して、再び、治具昇降装置に取り付ける。そして、治具500を下降させることにより、ポリイミド樹脂が被覆された接続ナット320の前端面326aから範囲Hまで、所定の溶液610(フッ素樹脂を含むポリイミド溶液)に浸漬させる(工程S105参照)。
次に、治具500を上昇させ、接続ナット320が取り付けられた状態の治具500を、治具昇降装置から取り外して、焼き付け装置(図示省略)に入れて280℃で焼き付け処理する(工程S106参照)。
次に、焼き付け装置から、接続ナット320が取り付けられた状態の治具500を取り出して、その治具500から接続ナット320を取り外す(工程S107)。
以上により、接続ナット320への電食抑制膜400の形成が完了する。
次に、電食抑制膜400が形成された接続ナット320を用いて、アルミニウム合金製の管部材310を継ぎ手部材110Aに接続させた試料と、電食抑制膜400が形成されていない従来の接続ナットを用いて、アルミニウム合金製の管部材310を継ぎ手部材110Aに接続させた試料とを、それぞれ用意して塩水噴霧試験を行い、電食の発生状況を比較したので、その結果を表1を用いて説明する。
(1)まず、試験対象としての試料について説明する。
2分(管径φ6.35mm)、3分(管径φ9.52mm)、4分(管径φ12.7mm)のアルミニウム合金製の管部材310を用意し、それぞれの管径毎に、電食抑制膜400が形成された黄銅製の接続ナット320により、黄銅製の継ぎ手部材110Aに規定トルクで締め付けて接続させた試料を用意して、それぞれの試料No.を実施例1、実施例2、実施例3とした。
また、従来の接続ナットについても、上記と同様に、2分(管径φ6.35mm)、3分(管径φ9.52mm)、4分(管径φ12.7mm)のアルミニウム合金製の管部材310を用意し、それぞれの試料No.を比較例1、比較例2、比較例3とした。
実施例1〜3、及び比較例1〜3は、いずれも、管部材310の内部、及び継ぎ手部材110Aの内部に試験水が浸入しない様にするために、管部材310の開口部と、継ぎ手部材110Aの開口部は完全に閉塞した。
また、試験試料の配置角度は、エアコン室外機の現実の使用状況に近づけるために、ほぼ垂直に配置した。
なお、実施例1〜3における接続ナット320の電食抑制膜400の形成範囲は、図10で説明した範囲(図10の範囲H参照)に加えて、中心軸321に垂直な平面による断面の外形が六角形の外周面329の全面にも及ぶものとした。但し、雌ねじ部322には電食抑制膜400は形成していない。
(2)次に、塩水噴霧試験の条件について説明する。
・試験規格:JIS Z 2371に規定された中性塩水噴霧試験方法
・試験条件:塩化ナトリウム濃度;50±5g/L
噴霧量;1.5±0.5mL/80cm2/h
試験槽内温度;35±2℃
サンプル数;実施例3個+比較例3個
・試験時間:680時間
(3)次に、試験結果について、表1に基づいて説明する。
Figure 0003231615
表1に示す通り、実施例1〜3の何れについても、電食は確認できなかった。
また、実施例1〜3の何れについても、管部材310のフレア内面311b(図9(a)参照)には、アルミニウム合金の光沢が維持されていた。
また、比較例1〜3については、全ての試料において電食が確認出来た。
特に、比較例1では、管部材310のフレア加工された先端部が、著しい電食により、破断していた。
以上の結果から、本実施の形態の電食抑制膜400が形成された黄銅製の接続ナット320を用いて、アルミニウム合金製の管部材310を、黄銅製の継ぎ手部材110Aに接続させた場合、異種金属接触腐食の発生を防ぐことが出来ることが検証出来た。
なお、本実施の形態では、所定の溶液610に接続ナット320を浸漬させることにより電食抑制膜400を形成する場合について説明したが、これに限らず例えば、接続ナット320に対して、スプレー装置等を用いて所定の溶液610を吹き付けることにより、電食抑制膜400を形成しても良い。また、この場合、接続ナット320の雌ねじ部322にダミーの継ぎ手部材をねじ込むことで、雌ねじ部322の表面に膜が形成されるのを防止出来る。
また、この場合、図11で説明した膜形成工程(S101〜S107)において、浸漬による工程S103及び工程S105に代えて、スプレー装置等を用いて所定の溶液610(例えば、1回目の吹き付け工程では、ポリイミド溶液を用い、2回目の吹き付け工程では、フッ素樹脂を含むポリイミド溶液を用いる)を吹き付ける工程を採用することで、治具500(図12(a)参照)にセットされた複数の接続ナット320の外周壁面及び、雌ねじ部322の表面を除く内周壁面に対して、電食抑制膜400を形成する構成でも良い。また、この場合、2回目の吹き付け工程は省略しても良い。
また、本実施の形態では、電食抑制膜400が形成された黄銅製の接続ナット320を用いて、アルミニウム合金製の管部材310を、黄銅製の継ぎ手部材110Aの片側の端部の開口部に連結する構成例について説明したが(図9(b)参照)、これに限らず例えば、室外機100と室内機200との間を繋ぐ冷媒配管300の長さを延長する場合において、例えば、図13に示す様に、黄銅製の継ぎ手部材110Aの両端側のそれぞれの開口部113、113に対して、2つの接続ナット320、320を用いて2つの管部材310、310を連結する構成においても電食抑制膜400は上記と同様の効果を発揮する。
即ち、この構成において、2つの管部材310、310が共にアルミニウム合金製の場合であれば、電食抑制膜400が形成された2つの接続ナット320、320を用いることで、異種金属接触に起因する電食が抑制されることは言うまでもない。更にまた、この構成において、2つの管部材310a、310bの内、一方の管部材310aがアルミニウム合金製であり、他方の管部材310bが銅製の場合であれば、電食抑制膜400は、2つの接続ナットの内、一方の管部材310aを接続するための第1接続ナット320aに少なくとも形成されておれば良い。ここで、図13は、実施の形態2における、継ぎ手部材110Aの両端側のそれぞれの開口部113、113に対して、2つの接続ナット320、320を用いて2つの管部材310、310を連結する構成の拡大断面図である。なお、図13では、各部の接続状態を見易くするために、継ぎ手部材110Aと接続ナット320は実線で表し、管部材310は二点鎖線で表した。また、上記実施の形態で説明した構成と同じ構成には同じ符号(図9(a)、(b)参照)を付した。
(本考案に関連する考案の実施の形態2)
上記実施の形態1では、異種金属接触腐食を抑制するために、電気絶縁性を有する電食抑制膜400が接続ナットに形成されている構成例について説明したが、本実施の形態2では、異種金属接触腐食を抑制するために、犠牲防食効果を有する犠牲防食膜410が接続ナットに形成されている構成例(図14の構成例1〜3、5、6、8、9参照)、及び異種金属接触腐食を回避する構成例(図14の構成例4、7参照)について説明する。
また、本実施の形態では、図13に示す様に、継ぎ手部材110Aの両側の開口部113、113に対して、2つの接続ナット320、320を用いて管部材310、310をそれぞれ接続する構成を例に挙げて説明する。
本実施の形態における犠牲防食膜410とは、例えば、アルミニウム合金に比べてイオン化傾向が高い金属材料の粉末と樹脂材料とを含む犠牲防食効果を有する皮膜である。
この場合、犠牲防食膜410の例として、例えば、亜鉛の粉末とアルミ材料の粉末をフレーク化したものに、バインダーとしての樹脂を含ませて溶液状にした材料を用いて、接続ナット320に、浸漬方法(図11、図12(a)、(b)参照)またはスプレー装置等で吹き付ける方法により皮膜を形成する。また、接続ナットに対して、犠牲防食膜410を1回の浸漬方式(又はスプレー方式)で形成する1層コート構造であっても良いし、2回目の浸漬(又はスプレー方式)により更にもう1層形成する2層コート構造であっても良い。
ここで、犠牲防食膜410を浸漬方法により形成する場合、一部の工程を次の様に読み替えることにより、基本的には図11で示した方法を用いれば良い。
即ち、工程S103、及び工程S105では、上記所定の溶液610に代えて、亜鉛の粉末とアルミ材料の粉末をフレーク化したものにバインダーとしての樹脂を含ませて溶液状にしたものに浸漬させる。
また、工程S104、及び工程S106では、焼成機又は焼成炉において、約350℃で約20分間の焼成を行う。
なお、2層コート構造の犠牲防食膜410を形成する場合は、工程S101〜工程S107を使用するが、1層コート構造の場合は、工程S105及び工程S106は省略される。
なお、本願明細書では、「アルミ材料」の用語を、純アルミの場合と、アルミニウム合金の場合の両方を含む用語として使用する。
上述した犠牲防食膜410が形成された接続ナット320を用いた場合、接続ナット320と管部材310との異種金属接触に起因する電食が抑制される理由は概ね次の通りである。
ここでは、図13に示す接続状態において、黄銅製の継ぎ手部材110Aの両端側のそれぞれの開口部113、113に対して、犠牲防食膜410が図10で説明した所定範囲(図10の範囲H参照)に形成された、黄銅製の2つの接続ナット320、320を用いて、アルミニウム合金製の2つの管部材310、310を連結する構成を典型例(図14の構成例2参照)として説明する。なお、犠牲防食膜410が形成された所定範囲とは、図10に示す様に、接続ナット320の貫通部323側の前端面326aを基準面として、その基準面から中心軸321に沿って、押圧部324の終端部、即ち、押圧部324と溝部325の境界部324BLに至るまでの範囲Hに含まれる、接続ナット320の内壁及び外壁の全面を覆う範囲である。
即ち、黄銅製の2つの接続ナット320、320の貫通部323と、アルミニウム合金製の2つの管部材310、310との間に生じる隙間323b、323bには、水分が浸入し得ると共に、犠牲防食膜410が形成された、貫通部323の内周壁面323aは、アルミニウム合金製の管部材310の外周面と接触し得る。そして、この犠牲防食膜に含まれるアルミ材料が純アルミの場合は、犠牲防食膜に含まれる全ての金属材料、アルミニウム合金製の管部材310の材料、及び黄銅製の接続ナット320において、イオン化傾向の高い材料から低い材料の順番で並べると、純アルミ、亜鉛、アルミニウム合金、黄銅となる。
従って、黄銅製の接続ナット320を基準として、アルミニウム合金製の管部材310に比べて、イオン化傾向の違いによる電位差のより大きい純アルミを含む犠牲防食膜410の方が先に電食により腐食するため、アルミニウム合金製の管部材310の電食を抑制することが出来る。
また、仮に犠牲防食膜に含まれるアルミ材料が、アルミニウム合金である場合は、黄銅製の接続ナット320を基準として、アルミニウム合金製の管部材310に比べて、イオン化傾向の違いによる電位差のより大きい亜鉛を含む犠牲防食膜410の方が先に電食により腐食するため、アルミニウム合金製の管部材310の電食を抑制することが出来る。
なお、上記実施の形態1で説明した通り、そもそも、図9(b)に示す空間部325aに電食を促進させる水分等が浸入することは無いので、フレア加工が施された管部材310の先端部311cと、犠牲防食膜410が形成されていない継ぎ手部材110Aの開口部の傾斜面を有する外周縁部112との間において、電食が生じることは無い。
なお、本実施の形態の犠牲防食膜410の構成によれば、フレーク化された金属粉末が配向性を持って積層されていると共に、その金属フレークの間に樹脂がバインダーとして介在している。これにより、水分や酸素などが浸入し難いので、犠牲防食膜410の経年劣化を更に抑制出来る。
また、本実施の形態の犠牲防食膜410の上に、更に樹脂膜(トップコート)を形成することで、水分の浸入が抑制されて金属フレーク同士と水との接触が防止されて電気絶縁性を有することになるので、更に防食効果が向上する。
以上のことから、図13に示す様に、黄銅製の継ぎ手部材110Aの両端側のそれぞれの開口部113、113に対して、犠牲防食膜410が図10で説明した所定範囲(図10の範囲H参照)に形成された、黄銅製の2つの接続ナット320、320を用いて、アルミニウム合金製の2つの管部材310、310を連結する「黄銅継ぎ手・アルミ配管セット」(図14の構成例2参照)によれば、犠牲防食膜410(図10参照)が形成された接続ナット320、320(図13参照)を用いることで作業性を低下させることなく、アルミニウム合金製の管部材310、310同士を、黄銅製の継ぎ手部材110Aに簡単に接続することが出来る。これにより、上述した様に、犠牲防食膜410の方がアルミニウム合金製の管部材310より先に電食により腐食するため、管部材310の電食を抑制することが出来るという効果を発揮すると共に、銅管に比べて低価格のアルミニウム合金製の管部材を用いて安価に配管の延長が出来るという効果を発揮する。また、継ぎ手部材110Aは、従来の黄銅製の部材をそのまま利用できるので、管部材の接続の自由度が向上する。
ここで、図14は、実施の形態2における、継ぎ手セット、及び継ぎ手・配管セットについての構成例と、その構成部材、及びその特性(材質、犠牲防食膜410の形成の有無、犠牲防食膜410の形成範囲)を一覧表として示した図である。
なお、図14に示す構成例1の「黄銅継ぎ手セット」は、上記構成例2(「黄銅継ぎ手・アルミ配管セット」)の構成部材から2つのアルミニウム合金製の管部材310、310を備えない構成である。この構成例1によれば、アルミニウム合金製の管部材を連結する場合には、上記構成例2と同様、犠牲防食膜410の方がアルミニウム合金製の管部材より先に電食により腐食するため、管部材の電食を抑制することが出来ると共に作業性を低下させることもないという効果を発揮する。
次に、上述した「黄銅継ぎ手・アルミ配管セット」(図14の構成例2参照)に代えて、2つの管部材の内、一方の管部材310a(図13参照)がアルミニウム合金製であり、且つ、他方の管部材310b(図13参照)が銅管である場合の「黄銅継ぎ手・銅・アルミ配管セット」(図14の構成例3参照)について説明する。
即ち、構成例3の場合、一方の管部材310aのみがアルミニウム合金製であるので、犠牲防食膜410は、2つの接続ナットの内、一方の管部材310aを接続するための黄銅製の第1接続ナット320a(図13参照)に対して、図10で説明した所定範囲(図10の範囲H参照)に形成されており、銅管である他方の管部材310bを接続するための黄銅製の第2接続ナット320b(図13参照)に対しては犠牲防食膜410は形成されていない。
以上のことから、「黄銅継ぎ手・銅・アルミ配管セット」(図14の構成例3参照)によれば、犠牲防食膜410(図10参照)が形成された第1接続ナット320aを用いることで作業性を低下させることなく、アルミニウム合金製の一方の管部材310aを、黄銅製の継ぎ手部材110Aに簡単に接続することが出来、且つ、犠牲防食膜410が形成されていない第2接続ナット320bを用いることで、銅管の他方の管部材310bを、黄銅製の継ぎ手部材110Aに簡単に接続することが出来る。これにより、上述した様に、犠牲防食膜410の方がアルミニウム合金製の一方の管部材310aより先に電食により腐食するため、一方の管部材310aの電食を抑制することが出来るという効果を発揮すると共に、銅管に比べて低価格のアルミニウム合金製の管部材を用いて安価に配管の延長が出来るという効果を発揮する。また、継ぎ手部材110Aは、従来の黄銅製の部材をそのまま利用できるので、管部材の接続の自由度が向上する。また、他方の管部材310bとして従来の銅管を用いることも出来るので管部材の材料の選択の自由度が向上する。
次に、上述した「黄銅継ぎ手・アルミ配管セット」(図14の構成例2参照)に代えて、継ぎ手部材110A(図13参照)の材料と、2つの接続ナット320、320の材料が全てアルミニウム合金であり、且つ、2つの管部材310、310の材料が共にアルミニウム合金である場合の「アルミ継ぎ手・アルミ配管セット」(図14の構成例7参照)について説明する。
従来から、空気調和機等における冷媒配管では、銅管を、黄銅製の継ぎ手部材に対して黄銅製の接続ナットで連結するという技術が定着しており、近年において、管部材の材料としてアルミニウム合金が使用されるようになっても、継ぎ手部材と接続ナットについては、依然として黄銅製が使用されている。これは、所謂当業者にとって、継ぎ手部材や接続ナット等については、従来から使用されている黄銅以外の材料には全く考えが及ばす、黄銅製のものを使用しなければならないという強い固定観念があったためと推測される。
しかしながら、本願考案者は、この様な従来の固定観念にとらわれず、アルミニウム合金製の十分な強度を有する継ぎ手部材と接続ナットを作ることにより、アルミニウム合金製の管部材の接続において、異種金属接触に起因する電食の発生を根本的に回避することが出来ることを思いついた。
以上のことから、上記の「アルミ継ぎ手・アルミ配管セット」(図14の構成例7参照)によれば、全ての構成部材がアルミ合金製であるため、そもそも異種金属接触に起因する電食は発生することが無いので犠牲防食膜410を形成する必要が無く、且つ、銅に比べて低価格で安定供給が可能なアルミニウム合金を材料として用いることで、大幅なコストダウンが可能となる。
なお、図14に示す構成例4の「第1アルミ継ぎ手セット」は、上記構成例7(「アルミ継ぎ手・アルミ配管セット」)の構成部材から2つのアルミニウム合金製の管部材310、310を備えない構成である。この構成例4によれば、アルミニウム合金製の管部材を連結する場合には、上記構成例7と同様、異種金属接触に起因する電食を回避しつつ、大幅なコストダウンが可能となる。
次に、上述した「アルミ継ぎ手・アルミ配管セット」(図14の構成例7参照)に代えて、2つの管部材の内、一方の管部材310a(図13参照)がアルミニウム合金製であり、他方の管部材310b(図13参照)が銅管であり、且つ、2つの接続ナットの内、一方の管部材310aを接続するための第1接続ナット320aがアルミニウム合金製であり、他方の管部材310bを接続するための第2接続ナット320bが黄銅製である場合の「アルミ継ぎ手・銅・アルミ配管セット」(図14の構成例8参照)について説明する。
即ち、構成例8の場合、一方の管部材310a、第1接続ナット320a、及び継ぎ手部材110Aは、全てアルミニウム合金製であるので、異種金属接触に起因する電食は発生しない。
また、他方の管部材310bと第2接続ナット320bは、何れも黄銅製であるので、異種金属接触に起因する電食は発生しない。
これに対して、黄銅製の第2接続ナット320bとアルミニウム合金製の継ぎ手部材110Aとの接続部分では、水分の介在により異種金属接触に起因する電食が発生し得る。
そこで、構成例8では、黄銅よりもイオン化傾向が高いアルミニウム合金製の継ぎ手部材110A側で発生する異種金属接触に起因する電食を抑制するために、犠牲防食膜410は、図13に示す様に、第2接続ナット320bの後端面326bを基準面として、その基準面から中心軸321に沿って前端面326a側に、雌ねじ部322の1〜2ピッチ相当の距離だけ移動した部位に至るまでの範囲Jに含まれる領域として、第2接続ナット320bの六角形の外周面329、後端面326b及び雌ねじ部322の内の該当領域を覆う様に形成されている。
これにより、アルミニウム合金に比べてイオン化傾向が高い金属材料の粉末を含む犠牲防食膜410の方が、アルミニウム合金製の継ぎ手部材110Aよりも先に電食により腐食するため、継ぎ手部材110Aの電食を抑制することが出来る。
なお、第2接続ナット320bにおける犠牲防食膜410が形成された領域での電食は、犠牲防食膜410の厚みよりも深い部位までは進行しないので、黄銅製の第2接続ナット320bの強度が劣化することは無い。
以上のことから、「アルミ継ぎ手・銅・アルミ配管セット」(図14の構成例8参照)によれば、所定範囲(図13の範囲J参照)に犠牲防食膜410が形成された黄銅製の第2接続ナット320bを用いることで作業性を低下させることなく、銅管である他方の管部材310bを、アルミニウム合金製の継ぎ手部材110Aに簡単に接続することが出来、且つ、犠牲防食膜410が形成されていないアルミ合金製の第1接続ナット320aを用いることで、アルミニウム合金製の一方の管部材310aを、アルミニウム合金製の継ぎ手部材110Aに簡単に接続することが出来る。これにより、上述した様に、犠牲防食膜410の方がアルミニウム合金製の継ぎ手部材110Aより先に電食により腐食するため、継ぎ手部材110Aの電食を抑制することが出来るという効果を発揮すると共に、銅に比べて低価格で安定供給可能なアルミニウム合金製の継ぎ手部材110A及び第1接続ナット320を使用することで従来よりも大幅なコストダウンが図れるという効果を発揮する。また、他方の管部材310bとして従来の銅管を用いることも出来るので管部材の材料の選択の自由度が向上する。
なお、図14に示す構成例5の「第2アルミ継ぎ手セット」は、上記構成例8(「アルミ継ぎ手・銅・アルミ配管セット」)の構成部材から一方のアルミニウム合金製の管部材310a、及び他方の銅管の管部材310bを備えない構成である。この構成例5によれば、一方のアルミニウム合金製の管部材310aと他方の銅管の管部材310bとを連結する場合には、上記構成例8と同様の効果を発揮する。
次に、上述した「アルミ継ぎ手・銅・アルミ配管セット」(図14の構成例8参照)に代えて、2つの管部材310、310(図13参照)が共に銅管であり、且つ、2つの接続ナット320、320が共に黄銅製である場合の「アルミ継ぎ手・銅配管セット」(図14の構成例9参照)について説明する。
即ち、構成例9の場合、黄銅製の2つの接続ナット320、320の雌ねじ部322とアルミニウム合金製の継ぎ手部材110Aの両端側の雄ねじ部111との接続部分では、水分の介在により異種金属接触に起因する電食が発生し得ることは、構成例8において説明した通りである。
なお、構成例8の場合は、異種金属接触に起因する電食が発生し得る場所は、継ぎ手部材110Aの片側だけであるのに対して、構成例9の場合は、継ぎ手部材110Aの両端側である点で相違する。
従って、構成例9の場合は、上記構成例8において、第2接続ナット320bに対してのみ形成するものとして説明した犠牲防食膜410を、黄銅製の2つの接続ナット320、320の両方に対して、それぞれ同じ所定範囲(図13の範囲J参照)に形成した。
以上のことから、「アルミ継ぎ手・銅配管セット」(図14の構成例9参照)によれば、所定範囲(図13の範囲J参照)に犠牲防食膜410が形成された黄銅製の2つの接続ナット320、320を用いることで作業性を低下させることなく、銅管である2つの管部材310、310を、アルミニウム合金製の継ぎ手部材110Aに簡単に接続することが出来る。これにより、上述した様に、犠牲防食膜410の方がアルミニウム合金製の継ぎ手部材110Aより先に電食により腐食するため、継ぎ手部材110Aの電食を抑制することが出来るという効果を発揮すると共に、銅に比べて低価格で安定供給可能なアルミニウム合金製の継ぎ手部材110Aを使用することで従来よりもコストダウンが図れるという効果を発揮する。また、管部材310、310として従来の銅管を用いることが出来るので管部材の材料の選択の自由度が向上する。
なお、図14に示す構成例6の「第3アルミ継ぎ手セット」は、上記構成例9(「アルミ継ぎ手・銅配管セット」)の構成部材から銅管である2つの管部材310、310を備えない構成である。この構成例6によれば、銅管である2つの管部材310、310を、アルミニウム合金製の継ぎ手部材110Aを介して連結する場合には、上記構成例9と同様の効果を発揮する。
また、以上説明したことから明らかな様に、材料の異なる2つの管部材、即ち、銅管の管部材とアルミニウム合金製の管部材とを継ぎ手部材を介して接続する場合、犠牲防食膜410が所定範囲に形成された接続ナット、アルミニウム合金製の接続ナット、黄銅製の継ぎ手部材又はアルミニウム合金製の継ぎ手部材を、上述した様に適切に組み合わせて用いることにより(図14の構成例3、8参照)、作業性を低下させることなく簡単に接続が行えて、異種金属接触腐食を抑制することが出来る。また、材料が同じ管部材同士に限らず、材料の異なる管部材、即ち、異種金属の管部材同士を接続することが出来て、管部材の選択の自由度が向上する。また、継ぎ手部材についても、黄銅製又はアルミニウム合金製の何れでも使用可能であるので継ぎ手部材の選択の自由度が向上する。
次に、本実施の形態2の犠牲防食膜410が形成された接続ナットを用いて、アルミニウム合金製の管部材を黄銅製の継ぎ手部材の片側に接続させた実施例としての試料と、犠牲防食膜410が形成されていない従来の接続ナットを用いて、アルミニウム合金製の管部材を黄銅製の継ぎ手部材に接続させた比較例としての試料とを、それぞれ用意して塩水噴霧試験を行い、電食の発生状況を比較したので、その結果を表2を用いて説明する。
なお、用意した実施例は、1層コート構造の犠牲防食膜410が形成されたタイプの第1実施例と、2層コート構造の上に更にトップコートを形成した犠牲防食膜410が形成されたタイプの第2実施例との2種類である。
(1)まず、試験対象としての試料について説明する。
2分(管径φ6.35mm)と3分(管径φ9.52mm)のアルミニウム合金製の管部材310を用意し、それぞれの管径毎に、第1実施例及び第2実施例として5サンプルずつ用意し、また、比較例として3サンプル用意した。
なお、各サンプルについて、端部がフレア加工されたアルミニウム合金製の管部材310は、黄銅製の継ぎ手部材110Aの一方側の開口部113(図13参照)に接続ナット320により規定トルクで締め付けて接続した。
また、各サンプルについて、いずれも、管部材310の内部、及び継ぎ手部材110Aの内部に試験水が浸入しない様にするために、管部材310の開口部と、継ぎ手部材110Aの他方側の開口部113(図13参照)は完全に閉塞した。
また、試験試料の配置角度は、エアコン室外機の現実の使用状況に近づけるために、ほぼ垂直に配置した。
なお、第1実施例及び第2実施例における各サンプルの接続ナット320の犠牲防食膜410の形成範囲は、図10で説明した範囲(図10の範囲H参照)に加えて、中心軸321に垂直な平面による断面の外形が六角形の外周面329の全面にも及ぶものとした。但し、雌ねじ部322には犠牲防食膜410は形成していない。
(2)次に、塩水噴霧試験の条件について説明する。
・試験規格:JIS Z 2371に規定された中性塩水噴霧試験方法
・試験条件:塩化ナトリウム濃度;50±5g/L
噴霧量;1.5±0.5mL/80cm2/h
試験槽内温度;35±2℃
サンプル数;第1実施例10個、第2実施例10個、比較例6個
・試験時間:500時間
(3)次に、試験結果について、表2に基づいて説明する。
なお、表2では、腐食深さ(ピット深さ)の深い試料から順に並べ、腐食深さの数値(単位:mm)を記載した。
また、腐食深さとして1を記載した試料は腐食孔が管部材310の壁面を貫通していた。
Figure 0003231615
上記試験の結果、比較例については、何れのサンプルの管部材310も、接続ナット320の押圧部324の手前の内周壁面323a(図13参照)と接触する部位で著しい腐食が見られ、管部材310の外壁面の減肉が確認出来た。
また、比較例において、管径φが6.35mmと9.52mmのそれぞれ3サンプルずつの内、各1サンプルについて腐食孔が管部材310の壁面を貫通していることが確認出来た。
また、第1実施例と第2実施例については、何れのサンプルの管部材310も、接続ナット320の押圧部324の手前の内周壁面323a(図13参照)と接触する部位及びその周辺に腐食生成物が見られたが、大きな腐食は確認されなかった。
また、第1実施例と第2実施例についての腐食深さの最大値は、第1実施例(1層コート構造)では約200μmであり、第2実施例(2層コート構造)では約160μmであった。
また、第1実施例と第2実施例についての腐食深さの平均値は、第1実施例(1層コート構造)では約180μmであり、第2実施例(2層コート構造)では約100μmであった。
なお、全てのサンプルの管部材310について、接続ナット320との非接触部位における腐食深さを測定した結果、各サンプルについての差異はほとんどなく、最大深さは約50〜70μmの範囲であった。
以上の結果から、本実施の形態2の犠牲防食膜410が形成された黄銅製の接続ナット320を用いて、アルミニウム合金製の管部材310を、黄銅製の継ぎ手部材110Aに接続させた場合、異種金属接触腐食の発生が抑制されることが検証出来た。
また、1層コート構造の第1実施例よりも、2層コート構造の上に更にトップコートを形成した第2実施例の方が、その抑制効果がより高くなることが検証出来た。
なお、上記実施の形態では、電食抑制膜400又は犠牲防食膜410は、図10に示す様に、接続ナット320の貫通部323側の前端面326aを基準面として、その基準面から中心軸321に沿って、押圧部324と溝部325の境界部324BLに至るまでの範囲Hに含まれる、接続ナット320の内壁及び外壁の全面を覆っている場合について説明したが、これに限らず例えば、接続ナット320の押圧部324の表面の全部又は一部と、その押圧部324の表面に連接する貫通部323の内周壁面323aと、その内周壁面323aに連接する前端面326aと、を隙間無く覆う構成であっても良いし、或いは、接続ナット320の押圧部324の表面を除き、その押圧部324の表面に連接する貫通部323の内周壁面323aと、その内周壁面323aに連接する前端面326aと、を隙間無く覆う構成であっても良い。要するに、電食抑制膜400又は犠牲防食膜410は、接続ナット320の壁面の内、少なくとも管部材310と接触する壁面の全部又は一部に形成されておりさえすれば良い。ここで、当該膜を形成する範囲として、接触する壁面の全部でなくても「一部」でも良いという理由は、接触していても水分が浸入又は存在することが無い部位には電食は発生しないからである。
また、上記実施の形態では、犠牲防食膜410は、図13に示す様に、第2接続ナット320bの後端面326bを基準面として、その基準面から中心軸321に沿って前端面326a側に、雌ねじ部322の1〜2ピッチ相当の距離だけ移動した部位に至るまでの範囲Jに含まれる領域として、第2接続ナット320bの六角形の外周面329、後端面326b及び雌ねじ部322の内の該当領域を覆う様に形成されている場合について説明したが、これに限らず例えば、上記該当領域の内、第2接続ナット320bの六角形の外周面329を除き、後端面326b及び雌ねじ部322の全部又は一部を覆う様に形成されていても良い。要するに、犠牲防食膜410は、黄銅製の第2接続ナット320bの壁面の内、少なくともアルミニウム合金製の継ぎ手部材110Aと接触する壁面の全部又は一部に形成されておりさえすれば良い。なお、第1接続ナット320aにおける犠牲防食膜410の形成の範囲については、上述した第2接続ナット320bの場合と全く同じである。ここで、当該膜を形成する範囲として、接触する壁面の全部でなくても「一部」でも良いという理由は、上記と同じである。
また、上記実施の形態では、電食抑制膜400又は犠牲防食膜410は、接続ナット320の限られた範囲に形成されている場合について説明したが、これに限らず例えば、接続ナット320を継ぎ手部材110A、110B(210A、210B)(図8、図13参照)に締め付ける際の締め付けトルク等に悪影響を及ぼすことが無ければ、接続ナット320の内壁面及び外壁面の全面に亘り、電食抑制膜400又は犠牲防食膜410が形成されていても良い。
また、上記実施の形態では、電食抑制膜400又は犠牲防食膜410は、図10に示す様に、範囲Hに含まれる、接続ナット320の内壁及び外壁の全面を覆っている場合について説明したが、これに限らず例えば、接続ナット320の内側の雌ねじ部322(ねじ山及び谷の部分)を除く、接続ナット320の内壁及び外壁の全面に形成されていても良い。
また、上記実施の形態では、電食抑制膜400又は犠牲防食膜410は、図10に示すに、範囲Hに含まれる、接続ナット320の内壁及び外壁の全面を覆っている場合につて説明したが、これに限らず例えば、接続ナット320の内側の雌ねじ部322(ねじ山及び谷の部分)から溝部325に至る部位を除く、接続ナット320の内壁及び外壁の全面、即ち、接続ナット320の押圧部324と内周壁面323aと前端面326aと外周傾斜面327と六角形の外周面329と後端面326bに形成されていても良い。
また、上記実施の形態では、構成例3(図14参照)において、黄銅製の第2接続ナット320b(図13参照)に対しては犠牲防食膜410は形成されていないものとして説明したが、これに限らず例えば、構成例3で説明した、黄銅製の第2接続ナット320bとして、犠牲防食膜410が形成された黄銅製の第1接続ナット320aと同じ仕様の接続ナットを用いても良い。これにより、2つの接続ナットの仕様の共通化を図ることが出来て部品供給の利便性の向上や組み付けミスの防止にもつながる。ここで、黄銅製の第2接続ナット320bとして、犠牲防食膜410が形成された黄銅製の第1接続ナット320aと同じ仕様の接続ナットを用いた場合、銅管である他方の管部材310bと、犠牲防食膜410との接触部分において、水分の介在により犠牲防食膜410に含まれるイオン化傾向の高いアルミ材料又は亜鉛から電食による腐食が進行するが、その腐食は、犠牲防食膜410の厚みより深い部位(黄銅部分)には進行せずあくまで限定的であるため、冷媒の漏れが生じることは無く、また、黄銅製の第2接続ナット320bの強度が劣化することも無い。また、犠牲防食膜410の形成範囲が、例えば、第2接続ナット320bの内壁面及び外壁面の全面に亘る場合であっても、黄銅製の継ぎ手部材110Aと、犠牲防食膜410との接触部分においても、上記の場合と同様に、水分の介在により犠牲防食膜410に含まれるイオン化傾向の高いアルミ材料又は亜鉛から電食による腐食が進行するが、その腐食は、犠牲防食膜410の厚みより深い部位(黄銅部分)には進行せずあくまで限定的であるため問題は無い。
また、上記実施の形態では、構成例4、7(図14参照)において、2つの接続ナット320、320の材料がアルミニウム合金である場合について説明したが、これに限らず例えば、2つの接続ナット320、320の材料を黄銅としても良い。但し、この構成の場合、黄銅製の2つの接続ナット320、320のそれぞれの壁面の内、少なくともアルミニウム合金製の2つの管部材310、310と接触する壁面の全部又は一部(図10の範囲H参照)と、2つの接続ナット320、320のそれぞれの壁面の内、少なくともアルミニウム合金製の継ぎ手部材110Aと接触する壁面の全部又は一部(図13の範囲J参照)とに、犠牲防食膜410を形成する必要がある。これにより、接続ナットの材料の選択の自由度が向上すると共に、アルミニウム合金製の2つの管部材310、310の電食を抑制することが出来、且つ、アルミニウム合金製の継ぎ手部材110Aの電食を抑制することが出来る。
また、上記実施の形態では、構成例5、8(図14参照)において、2つの接続ナットの内、第1接続ナット320aがアルミニウム合金製であり、且つ、第2接続ナット320bが黄銅製である場合について説明したが、これに限らず例えば、第1接続ナット320aも第2接続ナット320bと同様に黄銅製であっても良い。但し、この構成の場合、黄銅製の第1接続ナット320aの壁面の内、少なくともアルミニウム合金製の一方の管部材310aと接触する壁面の全部又は一部(図10の範囲H参照)と、第1接続ナット320aの壁面の内、少なくともアルミニウム合金製の継ぎ手部材110Aと接触する壁面の全部又は一部(図13の範囲J参照)とに、犠牲防食膜410を形成する必要がある。この様に、第1接続ナット320aの少なくとも両端側(図10の範囲H、図13の範囲J参照)に犠牲防食膜410を形成することにより、アルミニウム合金製の一方の管部材310aの電食を抑制することが出来、且つ、アルミニウム合金製の継ぎ手部材110Aの電食を抑制することが出来る。また、この構成の場合、黄銅製の第2接続ナット320bに形成される犠牲防食膜410の領域として、構成例8で説明した範囲J(図13参照)に加えて、第2接続ナット320bの壁面の内、少なくとも他方の管部材310bと接触する壁面の全部又は一部(図10の範囲H参照)にも犠牲防食膜410を形成する構成とすることにより、第1接続ナット320aと第2接続ナット320bの仕様の共通化を図ることが出来る。これにより、2つの接続ナットの仕様の共通化を図ることが出来て部品供給の利便性の向上や組み付けミスの防止にもつながる。また、この構成の場合、上述した様に黄銅製の第2接続ナット320bの、例えば、図10に示す範囲Hと同様の範囲に犠牲防食膜410を形成することにより、銅管である他の管部材310bとの接触部分においても、水分の介在により犠牲防食膜410に含まれるイオン化傾向の高いアルミ材料又は亜鉛から電食による腐食が進行するが、その腐食は、犠牲防食膜410の厚みより深い部位(黄銅部分)には進行せずあくまで限定的であるため問題は無い。
また、上記実施の形態では、電食抑制膜400の形成工程において、ポリイミド溶液、および、フッ素樹脂を含むポリイミド溶液に、接続ナット320を浸漬する場合について説明したが(図11の工程S103、工程S105参照)、これに限らず例えば、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の溶液に接続ナット320を浸漬し、溶液を乾燥させ、所望の膜が得られた後に加熱処理によりイミド化させてポリイミドの膜を形成しても良い。
また、上記実施の形態では、電食抑制膜400の材料として、電気絶縁性を有する樹脂材料の例としてポリイミド樹脂を用いる場合について説明したが、これに限らず例えば、ナイロンや、エチレン−ビニルアルコール共重合などでも良い。
また、上記実施の形態では、電食抑制膜400又は犠牲防食膜410の形成工程において、治具500(図12(a)、図12(b)参照)を用いる場合について説明したが、これに限らず例えば、板状部材の表面に縦方向と横方向に格子状の貫通孔が形成され、それらの貫通孔に接続ナット320の前端面326a側から一定距離だけ差し込んで保持可能とした別の治具(図示省略)を用いて、図12(b)で説明した方法と同様の方法により、所定の溶液610に対して、接続ナット320を、その前端面326aから範囲Hまで浸漬させても良い。
また、上記実施の形態では、接続ナット320(図8、図9参照)、継ぎ手セットや継ぎ手・配管セット等(図14の構成例1〜9参照)を、主として空気調和機の冷媒配管に用いる場合について説明したが、これに限らず例えば、冷凍機(冷凍装置)等の他の装置の配管の接続や配管の延長、或いは、冷凍機以外の他の装置の配管の接続や配管の延長に用いても良い。
また、上記実施の形態では、接続ナット320(図8、図9参照)、継ぎ手セットや継ぎ手・配管セット等(図14の構成例1〜9参照)を、主として空気調和機の冷媒配管に用いる場合について説明したが、これに限らず例えば、上述した接続ナット320、継ぎ手セットや継ぎ手・配管セット等は、冷媒以外の物質(但し、異種金属接触腐食を促進させるものを除く)の循環や搬送に用いる場合に適用しても良い。冷媒以外の物質として、例えば、医療用ガス・液体等が挙げられる。
また、上記実施の形態では、接続ナット320のA−A断面の外形が六角形である場合について説明したが、これに限らず例えば、外形が円形であって且つ対向位置に工具が嵌合するための溝部が設けられた構成であっても良く、要するに、継ぎ手部材に管部材を接続するために締め付けることが出来る構成であれば、A−A断面の外形はどのような形状であっても良い。
また、上記実施の形態では、治具500に空気抜き用孔部504を設け、接続ナット320を所定の溶液610に浸漬させる際に、貫通部323から空間部325aに所定の溶液610が浸入し易い様に、空間部325a内の空気が外部に抜ける様に構成した場合について説明したが、これに限らず例えば、図11に示す工程S104の乾燥工程において、治具500に設けられた空気抜き用孔部504を利用して、接続ナット320の空間部325a内に乾燥空気を送り込む機能をも兼ね備えた構成としても良い。これにより、接続ナット320の空間部325a内の乾燥時間が短縮されると共に、空気抜き用孔部504の詰まりを防止出来る。
なお、本願明細書で用いた「銅製の管部材」又は「銅管」等の用語は、銅の成分が99.96(wt%)以上含まれる純銅製の管部材(例えば、無酸素銅管)の他、リン、或いはその他の成分を含む銅合金製の管部材(例えば、リン脱酸銅管等)をも含む用語として使用した。図14で用いた管部材の材質を示す「銅」の用語も、これと同様であり、銅の成分が99.96(wt%)以上含まれる純銅の他、リン、或いはその他の成分を含む銅合金をも含む用語として使用した。よって、本願明細書では、「銅製の管部材」又は「銅管」等の用語を用いた、銅を材料とする管部材については、純銅製のものから銅合金製のものに至る全ての管部材、即ち、銅を主成分とする全ての管部材が含まれる。
本考案における接続ナットセットは、空調配管のような管部材の腐食を抑制することができ、空調配管を所定の部材へ接続するためのナットセットのような接続ナットセットに利用する目的に有用である。
1 空気調和機
2 家屋
100 室外機
110A 継ぎ手部材
200 室内機
300 冷媒配管
300A 太管部材
300B 細管部材
310 管部材
310a 一方の管部材
310b 他方の管部材
320 接続ナット
320a 第1接続ナット
320b 第2接続ナット
322 雌ねじ部
323 貫通部
323a 内周壁面
324 押圧部
324BL 境界部
325 溝部
326a 前端面
326b 後端面
327 外周傾斜面
328 一定範囲
329 六角形の外周面
400 電食抑制膜
410 犠牲防食膜
1100 接続ナットセット
1110 接続ナット
1111 下地膜
1112 犠牲防食膜
1113 トップコート膜
1120 接続ナットキャップ
1150 隙間
1151 入り口
1200、1300 空調配管
1400 ユニオン部材
1500 空気調和装置
1510 継ぎ手部材

Claims (3)

  1. 管部材を所定の部材へ接続するための接続ナットセットであって、
    前記管部材が挿入される接続ナットと、
    前記挿入された管部材と前記接続ナットとの間の隙間の入り口を塞ぐように被せられる接続ナットキャップと、
    を備え、
    前記接続ナットの表面の全部または一部の上には、第一の接続ナット膜が形成されており、
    前記第一の接続ナット膜の表面の全部または一部の上には、第二の接続ナット膜が形成されていることを特徴とする接続ナットセット。
  2. 前記第一の接続ナット膜は、前記管部材の腐食を抑制するための下地膜であり、
    前記第二の接続ナット膜は、前記管部材の腐食を抑制するための犠牲防食膜であることを特徴とする請求項1に記載の接続ナットセット。
  3. 前記接続ナットキャップは、前記前記管部材が貫通するリングキャップであることを特徴とする請求項1または2に記載の接続ナットセット。
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