JP3231397B2 - 自動焦点調節装置 - Google Patents

自動焦点調節装置

Info

Publication number
JP3231397B2
JP3231397B2 JP12350992A JP12350992A JP3231397B2 JP 3231397 B2 JP3231397 B2 JP 3231397B2 JP 12350992 A JP12350992 A JP 12350992A JP 12350992 A JP12350992 A JP 12350992A JP 3231397 B2 JP3231397 B2 JP 3231397B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
speed
calculation
moving object
moving
integration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP12350992A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05142463A (ja
Inventor
昌広 中田
Original Assignee
旭光学工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 旭光学工業株式会社 filed Critical 旭光学工業株式会社
Priority to JP12350992A priority Critical patent/JP3231397B2/ja
Publication of JPH05142463A publication Critical patent/JPH05142463A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3231397B2 publication Critical patent/JP3231397B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Focusing (AREA)
  • Automatic Focus Adjustment (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学機器の焦点検出お
よび自動焦点調節装置に係り、より具体的には、被写体
が動体であるかどうかを判断し、動体であるときには、
その動体に追従合焦でき、また、被写体が低コントラス
トのときでもより高精度の焦点検出ができる焦点検出装
置に関する。さらに、レンズ駆動系のバックラッシュ駆
動を制御できる自動焦点装置に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】被写体が移動していると
きには、所定時間後に被写体が移動しているであろう位
置を予測して、その予測位置に対して合焦動作を行なう
動体予測AFモードを備えたカメラの焦点検出装置(自
動焦点装置)が知られている。この動体予測AFモード
を備えた従来の自動焦点装置は、上記動体予測AFモー
ドと、被写体が移動しているといないとにかかわらず、
測距した時点の被写体に対して合焦動作を行なう通常の
AFモードとを切換える構成であった。したがって、例
えば、スポーツ撮影においては、通常、被写体である選
手が常時静止していることも、常時移動していることも
ないので、その選手の状態の変化に応じてAFモードを
切り替えなければならなかった。しかし、被写体に応じ
てその都度AFモードを切換えるのは面倒であった。し
かも、通常のAFモードで撮影をしていたときに、撮影
対象の被写体が不意に動き始めたとき、あるいはその逆
の場合等にAFモードを切換える余裕がない場合があ
る。
【0003】また、従来の動体予測AFモードは、被写
体が移動しているときには、所定時間後に被写体が移動
しているであろう位置を予測して、その予測位置に対し
て合焦動作を行なう動体予測AFモードを備えたカメラ
の自動焦点装置が知られている。この動体予測AFモー
ドを備えた従来の自動焦点装置は、移動量を予測して先
送りしたり、後から追いかける構成であった。しかし、
従来の動体予測AFモードにおける演算処理は複雑なの
で、処理が遅くなって追従能力が悪いといった問題や、
演算能力を上げるには高価なCPUが必要になるという
問題があった。
【0004】
【発明の目的】本発明は、被写体が動体のときには、そ
の移動速度に合わせてレンズを駆動できる自動焦点調節
装置を提供することを目的とする。
【0005】
【発明の概要】この目的を達成するために本発明は、合
焦用レンズ群を有する光学系と、この光学系により形成
される特定被写体像を所定時間積分し、積分結果に基づ
いてデフォーカス量を測定するデフォーカス量測定手段
と、このデフォーカス量測定手段により測定されたデフ
ォーカス量に基づいて上記合焦用レンズ群を合焦位置ま
で駆動するレンズ駆動手段とを備えた自動焦点調節装置
であって、上記デフォーカス量測定手段の上記積分間隔
と各デフォーカス量に基づいて、上記特定被写体の像が
上記光学系の光軸に沿った方向に移動している動体かど
うかを判定する動体判定手段、上記デフォーカス量測定
手段の上記積分間隔と各デフォーカス量に基づいて、上
記合焦用レンズ群が移動していない状態における上記特
定被写体像の上記光学系の光軸に沿った移動速度および
該移動速度で移動する上記特定被写体像を合焦位置に保
持できる上記合焦用レンズ群の追従速度を演算する演算
手段;上記デフォーカス量測定手段および上記演算手段
に上記デフォーカス量測定および演算処理を繰り返し実
行させながら、上記積分中および上記演算中も上記レン
ズ駆動手段を駆動する制御手段;を備え、上記制御手段
は、上記動体判定手段が動体と判断すると、上記演算手
段に上記特定被写体像の移動速度および追従速度を演算
させ、該演算終了直後から上記演算の基礎となる積分間
隔、積分時間の1/2の時間および演算時間の和の1/
2の時間、上記演算で求められた追従速度の所定倍の速
度で上記レンズ駆動手段を駆動させ、該所定倍の速度で
の駆動が終了した後は、上記デフォーカス量検出手段の
積分中および上記演算手段の演算中は上記演算手段が算
出した上記追従速度で上記レンズ駆動手段を駆動させる
こと、に特徴を有する。
【0006】この構成によれば、特定被写体が動体であ
ると判断したときは、特定被写体像の移動速度を求め
て、その移動速度の所定倍の追従速度でレンズ駆動手段
を演算の基礎となる積分間隔、積分時間の1/2の時間
および演算時間の和の1/2の時間、駆動するので、こ
の駆動によって合焦用レンズ群を、合焦状態乃至合焦に
近い状態となる位置まで移動することができる。その後
は、求めた被写体像の移動速度に対応する追従速度で駆
動を継続するので、合焦状態を維持することができる。
【0007】
【実施例】以下図示実施例に基づいて本発明を説明す
る。図1は、本発明を適用した自動焦点(AF)一眼レ
フカメラの主要構成を示したブロック図である。このA
F一眼レフカメラは、カメラボディ11と、このカメラ
ボディ11に着脱可能な撮影レンズ51とを備えてい
る。撮影レンズ51からカメラボディ11内に入射した
被写体光束は、大部分がメインミラー13によりファイ
ンダ光学系を構成するペンタプリズム15に向かって反
射され、さらに反射光の一部が測光用IC17の受光素
子(図示せず)に入射する。一方、メインミラー13の
ハーフミラー部14に入射した被写体光束の一部はここ
を透過し、サブミラー19で下方に反射されて測距用C
CDセンサユニット21に入射する。
【0008】測光用IC17は、被写体光束を受光する
受光素子を備えていて、この受光素子が受光量に応じて
発生する電気信号を対数圧縮し、周辺部制御用回路23
を介してメインCPU35にてA/D 変換する。メインC
PU35は、測光信号およびフィルム感度情報に基づい
て所定の露出演算を実行し、露出用の適正シャッタ速度
および絞り値を算出する。そして、これらのシャッタ速
度および絞り値に基づいてレリーズ、つまり、露光機構
(シャッタ機構)25および絞り機構27を駆動してフ
ィルムに露光する。さらに周辺部制御用回路23は、レ
リーズに際し、モータドライブ回路29を介してミラー
モータ31を駆動してメインミラー13のアップ/ダウ
ン処理を行ない、露光終了後には巻上モータ33を駆動
してフィルムを巻上げる。
【0009】測距用CCDセンサユニット21は、いわ
ゆる位相差方式の測距センサであって、図示しないが、
被写体光束を二分割する分割光学系と、二分割された被
写体光束をそれぞれ受光して積分(光電変換およびその
電荷を蓄積)するCCDラインセンサを備えている。そ
して測距用CCDセンサユニット21は、CCDライン
センサが積分した積分データを、制御手段としてのメイ
ンCPU35に出力する。なお、測距用CCDセンサユ
ニット21は、メインCPU35と、周辺部制御用回路
23により駆動制御される。CCDセンサユニット21
はモニタ素子を備えていて、周辺部制御用回路23は、
このモニタ素子を介して被写体輝度を検出し、その検出
結果に応じて積分時間を変更する。
【0010】メインCPU35は、測距用CCDセンサ
ユニット21から出力される積分データに基づいて所定
の演算(プレディクタ演算)によりデフォーカス量を算
出し、そのデフォーカス量に基づいて、AFモータ39
の回転方向および回転数(エンコーダ41のパルス数)
を算出する。そしてメインCPU35は、その回転方向
およびパルス数に基づき、AFモータドライブ回路37
を介してAFモータ39を駆動する。さらにメインCP
U35は、AFモータ39の回転に応じてエンコーダ4
1が出力するパルスを検知し、カウントしてカウント値
が上記パルス数に達したらAFモータ39を停止させ
る。この駆動に際してメインCPU35は、通常はDC
駆動し、停止前にはエンコーダ41の出力パルスの間隔
に基づいてAFモータ39を低速で一定速度制御ができ
る。なお、AFモータ39の回転は、カメラボディ11
のマウント部に設けられたジョイント47と撮影レンズ
51のマウント部に設けられたジョイント57との接続
を介して撮影レンズ51側に伝達される。なお、本実施
例のDC駆動とは、AFモータ39をほぼ直流で駆動す
ることを意味する。一定速度制御とは、AFモータ39
を一定速度で駆動する制御のことであり、本実施例では
いわゆるPWM制御を実行している。
【0011】またメインCPU35は、プログラム等を
メモリしたROM35a、演算用、制御用の所定のデー
タを一時的にメモリするRAM35b、計時用の基準タ
イマー35cおよびハードカウンタ35dを内蔵し、外
部メモリ手段としてのE2PROM43が接続されている。こ
のE2PROM43には、カメラボディ11特有の各種定数の
ほかに、本発明の動体予測AF演算に必要な各種関数、
定数などがメモリされている。
【0012】さらにメインCPU35には、レリーズボ
タン(図示せず)の半押しでオンする測光スイッチSW
Sおよび全押しでオンするレリーズスイッチSWR、自
動焦点スイッチSWAF、メインCPU35や周辺機器
等への電源をON/OFFするメインスイッチSWMが接続さ
れている。メインCPU35は、設定されたAF、露
出、撮影などのモード、シャッタ速度、絞り値などを表
示装置45に表示する。表示装置45は、通常、カメラ
ボディ11の外面およびファインダ視野内の2か所に設
けられる。なお、図中46は、電子ブザー(PCV)で
ある。
【0013】このメインCPU35は、カメラシステム
全体を総括的に制御する制御手段として機能するほか
に、合焦判断手段、動体判断手段として機能し、CCD
センサユニット21および周辺部制御用回路23等とで
測距手段を構成し、AFモータ39等とでレンズ駆動手
段を構成する。
【0014】一方撮影レンズ51には、合焦用レンズ群
53を光軸方向に駆動する焦点調節機構55、撮影レン
ズ51のマウント部に設けられ、カメラボディ11のジ
ョイント47と連結してAFモータ39の回転を焦点調
節機構55に伝達するレンズ側ジョイント57と、撮影
レンズ51の各種データを算出するレンズCPU61と
を備えている。レンズCPU61は、電気接点群59、
49の接続を介してカメラボディ11の周辺部制御用回
路23と接続されていて、この周辺部制御用回路23を
介してのメインCPU35との間で通信により所定のデ
ータ通信を実行する。レンズCPU61から周辺部制御
用回路23に伝達されるデータとしては、開放絞り値A
v 、最大絞り値Av 、焦点距離、Kバリュー情報などが
ある。なおKバリュー情報とは、撮影レンズにより結像
された像面を単位距離(例えば1mm)移動させるために
必要なエンコーダ41のパルス数(AFモータ39の回
転数)データである。
【0015】次に、本実施例のAF動作について、さら
に図2〜図7を参照して説明する。この一眼レフカメラ
は、測光スイッチSWSがオンされるとAF処理を開始
する。AF処理では、先ず測距用CCDセンサユニット
21が積分を始める。積分終了後、メインCPU35
は、その積分データを入力し、そのデータに基づいてデ
フォーカス量、駆動パルス数を算出し、この駆動パルス
数に基づいてAFモータ39を駆動する。本実施例のA
Fモードは、被写体が静止しているときには通常のAF
モードと同様に機能するが、被写体が動くときには、そ
の被写体の移動に追従する動体予測AFモードとして機
能する。さらに本実施例では、被写体が動かないときに
は、その被写体に一旦合焦するとAFロックできるAF
シングルモード、および合焦しなければレリーズできな
いフォーカス優先AFモードも備えている。
【0016】動体追従AF処理(動体予測AFモード)
に入るまでの動作について、図2および図3を参照して
説明する。図2および図3は、合焦用レンズ53の位置
を基準とした被写体像(像面)位置と、フィルムと等価
な面の位置(ピント位置)との関係を示したグラフであ
る。図において、被写体像位置がピント位置よりも上に
位置しているときにはいわゆる後ピン状態であり、これ
らの図は、被写体がカメラに接近している場合を表わし
ている。また、図中、Iは積分、Cは演算、Mはレンズ
駆動を表わしている。
【0017】測光スイッチSWSがオンされてAF処理
に入ると、1回目の積分Iおよび演算Cにより求められ
た駆動量(駆動パルス数)に基づいてレンズ駆動(AF
モータ39の駆動)を行なう。本実施例では、測光スイ
ッチSWSがオンされて1回目の積分および演算の結
果、デフォーカス量(または駆動パルス数)が一定量よ
りも大きいときには、上記レンズ駆動中も積分および演
算を繰り返す継続処理を行なう。そして、その繰り返し
中にデフォーカス量が一定値よりも小さくなったときに
は、その後の積分および演算を中止し、直前(最新)の
積分および演算により求めた駆動パルス数に基づいてレ
ンズ駆動をする。なお以下、積分および演算処理を測距
処理ともいう。
【0018】この1回目のレンズ駆動が終了すると、再
び積分および演算を実行して合焦したかどうかをチェッ
クする。合焦していれば被写体は移動していないと考え
られるが、動体である可能性もあるので、所定時間待っ
て再度測距処理および必要に応じてレンズ駆動処理を行
なう。この所定時間待っている間にレリーズスイッチS
WRのオンによる割込みが入ればレリーズ処理を行な
い、割込みが入らなければ、測光スイッチSWSがオン
されている間は上記測距処理およびレンズ駆動処理を繰
り返す。
【0019】また、測距およびレンズ駆動の継続処理に
おいて、連続して複数回(本実施例では3回)一度も合
焦しなかったときには、被写体が移動している(動体)
と判断して、動体予測AFモードに入る(図3参照)。
なお、測光スイッチSWSがオンされている間は測距お
よびレンズ駆動処理を継続し、一度合焦した後に測距お
よびレンズ駆動処理を行なっても3回連続して非合焦状
態が続いたときに動体予測AF処理に入る構成にしても
よい。
【0020】『動体予測AFモード』次に、本実施例の
動体予測AFモードについて概説する。図4および図5
は、動体予測AFモード処理における動作の一例を示し
たグラフである。動体が被写体であると判断したときの
積分Iの結果に基づいた演算Cによりデフォーカスパル
ス数DPが得られると、このデフォーカスパルス数DP
に基づいてレンズ駆動Mを行なう。
【0021】レンズ駆動Mが終了すると、再び積分I1
を行ない、その時のデフォーカスパルス数DP1 を算出
し、さらに前回の積分Iの中間点から今回の積分I1
中間点までの時間T1 とから被写体像面の移動速度(被
写体追従速度)S1 を演算C1 において算出する。そし
て、被写体像面をフィルム面に短時間で一致させるため
に、被写体追従速度S1 の所定倍(本実施例では2倍)
の速度で時間T1 の間、一定速度制御(倍速レンズ駆
動)M1 を行なう。この2倍速レンズ駆動M1 が終了し
た後、積分I2 が行なわれている間は、被写体追従速度
1 で一定速度制御(レンズ駆動)M2 を行なう。な
お、被写体像面の移動速度とは、撮影レンズ51により
結像された被写体像面が光軸方向に移動する速さをい
う。
【0022】積分I2 が終了すると、レンズ駆動M2
停止して、演算C2 を行なう。この演算C2 では、今回
のデフォーカスパルス数DP2 、計算上の被写体の移動
パルス数MP1 および積分I1 、I2 間の時間T2 に基
づいて被写体追従速度S2 が算出される。そして、演算
2に要した時間t2 分、被写体追従速度S2 の2倍速
で倍速レンズ駆動M3 を行なう。そして、この倍速レン
ズ駆動M3が終了すると積分I3 を開始し、この積分I3
の間は被写体追従速度S2 で追従レンズ駆動M4 を行
なう。
【0023】また、倍速レンズ駆動により合焦用レンズ
53が行き過ぎること(先回りしすぎること)がある。
例えば、図4では、倍速レンズ駆動M3 によりデフォー
カスパルス数DP3 だけ行き過ぎている。この先回り量
(デフォーカスパルス数DP3 )が所定値以下の場合に
は被写体が移動を継続しているとみなしても問題はない
ので、演算C3 が終了した後に、被写体追従速度S3
倍速レンズ駆動M5 を行なう。
【0024】しかし、所定量以上行き過ぎた場合には、
被写体の移動速度が遅くなった場合、停止した場合ある
いは移動方向が変わった場合等があるので、例えば図5
に示すように、レンズ駆動を行なわないで様子をみるチ
ェック処理を行なう。
【0025】図5において、積分I4 のデータにより所
定量以上の行き過ぎデフォーカスパルス数DP4 が得ら
れたときには、演算C4 に要した演算時間t4 の間、倍
速レンズ駆動を行なわずに(停止して)待つ。そして、
次の積分I5 の開始と同時に、前回の演算C4 で求めた
被写体追従速度S3 で追従レンズ駆動M7 を行なう。積
分I5 のデータにより、所定量以内のデフォーカスパル
ス数DP5 が得られたときには、通常の倍速レンズ駆動
を行なう追従AF処理を行なう。
【0026】しかし、この倍速レンズ駆動を行なわない
チェック処理を2回繰り返しても被写体像が合焦範囲内
に入らないときには、被写体の移動速度が遅くなった
か、被写体が停止したか、あるいは被写体の移動方向が
変わったと考えられるので、動体予測AFモードから抜
け、通常のAFモードに戻り、図2に示した処理を行な
う。以上のように合焦非合焦を2回チェックすることに
より、動体の運動状態が変化したことを確実に検知でき
る。なお、本実施例では、チェックを2回繰り返しても
行き過ぎとなるときに動体予測AFモードから抜けた
が、この回数に限定されない。また、チェック処理で
は、追従レンズ駆動も行なわない構成にしてもよい。
【0027】『動体追従速度(被写体像移動速度)の計
算1』動体追従速度Sの具体的な算出方法について、図
4および図5を参照して説明する。最初の動体追従速度
1 は、動体予測モードに入って最初の積分I1 により
得られたデフォーカスパルス数DP1 と、前回の積分I
の中間点から今回の積分I1 の中間点までの時間T1
により、下記式により求められる。なお、X1はエンコ
ーダ41が出力するパルスの出力周期(ms)である。 X1 =T1 /DP1 (ms) … S1 =1/X1 =DP1 /T1 (ハ゜ルス/ms) … この動体追従速度S1 は、被写体像面移動速度にほぼ等
しいか、近似する。
【0028】以上の式により求められた動体追従速度S
1 の2倍速(2・DP1 /T1 )で、先ず積分間隔T1
に対応する時間T1 だけ演算終了時から倍速レンズ駆動
1をすることにより、合焦用レンズ53を合焦付近ま
で迅速に移動させる。その後、積分I2 している間は、
動体追従速度S1 で追従レンズ駆動M2 を行なって、被
写体の移動に追従させる。
【0029】『動体追従速度Sn の計算2』動体追従動
作中は、下記の式により動体追従速度Sn を求める。先
ず、前回の積分I1 の中間点から今回の積分I2 の中間
点までの時間T2 内に、動体追従速度S1 相当のスピー
ドで被写体像が移動していたと仮定した場合の移動量に
相当するレンズ駆動パルス数MP1 を下記式により求め
る。 MP1 =T2 ×S1
【0030】次に、前回の積分I1 の中間点から今回の
積分I2 の中間点までの時間T2 と、時間T2 内の移動
量に相当するパルス数MP1 と今回のデフォーカスパル
ス数DP2 とから、動体追従速度S2 が得られるAFパ
ルス出力の周期X2 を求め、このAFパルス出力の周期
2 から動体追従速度S2 を求める。 X2 =T2 /(MP1 +DP2 ) (ms)… S2 =1/X2 =(MP1 +DP2 )/T2 (ハ゜ルス /ms)…
【0031】以上の式で求められた動体追従速度S2
で、演算C2 に要した時間t2 間、動体追従速度S2
2倍速でレンズ駆動M2 を行ない、この2倍速駆動終了
後、積分I3 を実行している間、動体追従速度S2 で追
従レンズ駆動M3 を行なって被写体の移動に追従合焦す
る。
【0032】なお、この計算においてデフォーカスパル
ス数DPはスカラー量としてあるので、前ピン、後ピン
のときとで符号が変わる。したがって、行過ぎた場合は
2時間内の移動量に相当するパルス数MP1 から今回
のデフォーカスパルス数DP2 を減算することになる。
【0033】追従の計算を一般式で表わすと、下記のよ
うになる。 MPn-1 =Tn ×Sn-1 … Xn =Tn /(MPn-1 ±DPn ) (ms)… Sn =1/Xn (ハ゜ルス /ms)… 以上の、、式による演算、その演算結果に基づく
レンズ駆動および積分を繰り返すことにより、図に示し
た動体追従が可能になる。なお、本実施例の計算におい
て、計算上の被写体像の移動パルス数MPn-1 、デフォ
ーカスパルス数DPn は絶対値としているので、式の
右辺のデフォーカスパルス数±DPn は、手前(後ピ
ン)のときにはプラス(+)、行過ぎ(前ピン)のとき
にはマイナス(−)とする。
【0034】以上のレンズ駆動において、演算終了後は
動体追従速度S1の2倍速で演算に要した時間だけレン
ズ駆動しているが、これは、レンズ駆動を停止してから
次のレンズ駆動終了までの間に被写体像が移動する量に
対応する量だけ像面を移動させるためである。つまり、
n ×(レンズ停止時間+レンズ駆動時間)=レンズ駆
動速度×レンズ駆動時間、という関係を、より簡単な演
算により満足させるためである。したがって、上記式を
満足すれば、他の動体追従速度でレンズ駆動を行なって
もよい。
【0035】『レリーズスイッチオン時の処理』動体予
測AF処理中にレリーズスイッチSWRがオンされたと
きの動作について、図6を参照して説明する。
【0036】一般に一眼レフカメラは、レリーズスイッ
チがオンされてからミラーがアップするので、レリーズ
スイッチオンから実際にフィルムに露光されるまでに所
定の時間がかかる。これをレリーズタイムラグRTLと
いう。したがって、被写体が動体のときには、レリーズ
スイッチSWRがオンされてから露光開始時までの間も
被写体が移動するので(レリーズタイムラグRTLの
間)、追従レンズ駆動を継続することが望ましい。そこ
で本実施例では、演算終了時にレリーズスイッチSWR
がオンされたかどうかをチェックし、オンされていたと
きには、演算時間t3 +レリーズタイムラグRTL相当
時間、動体追従速度S3 の2倍速でレンズ駆動M3 を行
ない、レリーズタムラグRTL分、合焦用レンズ53を
先回りさせる。
【0037】『被写体離反時の追従動作』2倍速追従レ
ンズ駆動M3 が終了すると、測光演算およびミラーアッ
プ処理を行ない、絞りを演算で求めた値に絞込み、演算
で得られたシャッタ速度でシャッター機構25を駆動す
る。
【0038】以上は被写体が近づいてくるときの処理で
あるが、被写体が遠ざかっているときに先回りし過ぎる
と、いわゆる後ピンになってしまう。被写界深度は、合
焦点よりも近距離側が浅いので、後ピンよりも前ピンの
方がよい。しかも、被写体が遠ざかる場合は、被写体移
動速度が一定のときには、像面移動速度が暫時遅くな
る。そこで本実施例では、被写体が遠ざかるときは、被
写体が接近するときの半分の時間だけ倍速レンズ駆動す
る構成にしてある。図7においては、演算C4 に要した
演算時間t4 +レリーズタイムラグRTL相当時間の半
分の時間だけ、被写体追従速度S3 の倍速でレンズ駆動
を行なっている。
【0039】『メイン処理』次に、本実施例の動作につ
いて、図8ないし図15に示したフローチャートを参照
してより詳細に説明する。これらの処理は、メインCP
U35の内部ROM35aにメモリされたプログラムに
基づいてメインCPU35により実行される。また、上
記演算に必要な定数、パラメータなどのデータは、E2PR
OM47にメモリされている。
【0040】図8はメインCPU35のメイン処理に関
するルーチンである。メインスイッチSWMがオンされ
るとこの処理に入り、ステップ(以下「S」と略す)1
01において先ず各ポート、メモリなどシステムをイニ
シャライズする。次に、パワーダウン処理を行なって不
要な電力消費を無くし、測光スイッチSWSがオンして
いるかどうかをチェックし、測光スイッチSWSがオン
するまでパワーダウンを維持しつつチェック処理を繰り
返す(S103、S105)。
【0041】測光スイッチSWSがオンされたら、基準
タイマ35cをスタートさせ、AFスイッチSWAFな
どのスイッチ状態をチェックし、レンズCPU61との
間でレンズ通信を行なって開放絞り値、最大絞り値、焦
点距離およびKバリューデータを入力する(S107、
S109、S111)。なお、Kバリューデータとは、
撮影レンズ51により結像された被写体像面を単位長移
動させるのに必要なエンコーダ41のパルス数(AFモ
ータ39の回転量)である。
【0042】そして、測光用IC17から測光データを
入力して、このデータ、フィルム感度等に基づいて所定
のアルゴリズムによりシャッタ速度および絞り値を算出
し、算出したシャッタ速度および絞り値および他の撮影
データを表示装置45に表示する(S113、S11
5)。そして、AFスタート処理(図10A、B参照)
に進む。
【0043】また、基準タイマ35cがタイムアップす
る毎に、図9の基準タイマ割込み処理を行なう。この基
準タイマ割込み処理において、各種の処理を実行する。
この割込み処理では、ループ時間をカウントしてから、
測光スイッチSWSチェック処理を行なう(S121、
S123)。測光スイッチSWSがオンしていれば、A
F処理(図9参照)を実行してから戻る。測光スイッチ
SWのチェック処理が終了すると、端点チェック処理
(図17参照)を行なってからレリーズスイッチSWR
のチェックを行なう(S124、S125)。レリーズ
スイッチSWRがオフしているとき、あるいはレリーズ
スイッチSWRはオンしているがレリーズ許可が出てい
ないとき、例えば合焦優先モードで合焦していないとき
には割込み前のステップに戻る(S125、S12
7)。
【0044】レリーズスイッチSWRがオンし、かつレ
リーズ許可が出ているときにはレリーズ処理に入る。レ
リーズ処理では、先ずミラーモータ31を起動してミラ
ーアップ処理を行なうとともに、絞り機構27を起動し
て絞りをS113で算出した値まで絞り込む(S13
1、S133)。
【0045】ミラーアップが完了するまで待ち、ミラー
アップが完了したらS113で算出したシャッタ速度で
シャッター機構25を駆動して露光する(S135、S
137)。露光が終了したら、ミラーモータ31を起動
してミラーダウン処理およびフィルム巻上げモータ33
を起動してフィルムを1コマ分巻上げ、S107に戻る
(S139)。
【0046】『AF処理』次に、本実施例のAF処理に
ついて、図10〜図13を参照して説明する。先ず、フ
ォーカスモードがAF(オートフォーカス)モードかM
F(マニュアルフォーカス)モードかをチェックし、M
FモードであればS211にジャンプする(S20
1)。なお、AFモードとは自動焦点調節モードのこと
であり、MFモードとは、撮影者自身が焦点調節操作を
行なうマニュアル焦点調節モードのことである。
【0047】AFモードで最初にAF処理に入ったとき
は未だ積分処理を行なっていないので、AFロック状態
でなく(AFロックフラグが“0”)、AF非合焦(IN
FOCUSフラグが“0”)であり、かつ再積分フラグもク
リアされているのでS211に飛ぶ(S203、S20
5、S209)。2回目以降の処理のときには、AFロ
ック状態ならばAFロック処理にジャンプし、AFロッ
ク状態でない場合(AFロックフラグが“0”のとき)
は、合焦していれば、つまり、一度合焦した後所定時間
経過しているときは、AFロックフラグを立てて再積分
処理へ進む(S203、S205、S207)。合焦し
ていないが2回目以後の処理ときには再積分フラグが立
っているので、再積分処理へ進む(S203、S20
5、S209)。
【0048】AF処理1回目のとき、あるいはマニュア
ルフォーカスモードのときにはS211に進む(S20
1、S203、S205、S209)。S211では、
AFで作動中であるかどうか、S213ではMFで作動
中であるかどうかをチェックする。AF作動中(AF1
回目)であればS231に進み、AF作動中ではなく、
かつMF作動中であれば、測距処理および合焦、非合焦
表示処理を行なう(S215〜S227)。
【0049】S215では積分および演算処理を行な
い、次にその演算結果が有効であるかどうかをチェック
する(S217)。演算結果が有効の場合には、合焦し
ていれば合焦表示処理、表示装置45の合焦表示用LE
D(図示せず)を点灯し、さらに電子ブザー46により
合焦した旨を知らせる音を発する処理を行なうが、合焦
していなければ上合焦表示処理は行なわない(S21
9)。さらに、被写体がローコントラストで非合焦1回
目の処理のときにはS229にジャンプし、違えば合焦
しているかどうかをチェックする(S221、S22
3)。ここで、合焦していればAF時レリーズ許可フラ
グをセットしてS229に進み(S223、S22
5)、合焦していなければ二次合焦幅をクリアし、合
焦、レリーズ許可およびAFロックフラグをクリアし、
表示装置45の合焦表示をオフおよび電子ブザー46を
オフしてS229に進む(S223、S227)。
【0050】演算結果が無効の場合も二次合焦幅をクリ
アし、合焦、レリーズ許可およびAFロックフラグをク
リアし、表示装置45の合焦表示および電子ブザー(P
CV)46をオフしてS229に進む(S217、S2
27)。S229では、ループ時間をチェックし、ルー
プ時間が経過していなければS211に戻って以上の処
理を繰り返し、経過したらメインルーチンのS109に
戻る。
【0051】S211のチェック時にAF作動中であれ
ば、S231に進んでAF処理に入る。S231では、
積分、演算処理を行なう。そして、演算結果が有効であ
るかどうかをチェックし、有効であれば合焦チェック処
理(S261)へ飛ぶ(S233)。有効な演算結果が
得られていなければ、補助投光モードかどうかをチェッ
クする。なお補助投光モードとは、被写体輝度が一定値
よりも低いときに、被写体に対して補助投光器(図示せ
ず)から赤外線補助光(コントラストパターン光)を被
写体に対して投光するモードである。補助投光モードで
あれば動体追従が困難なので、動体予測モード禁止フラ
グを立てる(S237)。そして、補助光を投光して積
分、演算を行ない、さらに演算結果のチェックを行なっ
て、演算結果が有効であれば合焦チェック処理(S26
1)に進み、有効でなければS243に進む(S23
9、S241)。また、補助投光モードでなければ、上
記S237〜S241をジャンプしてS243に進む。
【0052】S243では、有効な演算結果が得られて
いないので、AFモータ39をDC駆動しながら、合焦
地点を検出するためのサーチ積分および演算を行ない
(S245)、その演算結果が有効かどうかをチェック
して、有効でなければサーチ積分および演算を再実行
し、有効であれば駆動方向チェック処理に飛ぶ(S24
5、S247)。
【0053】『再積分、合焦チェック処理』次に、再積
分、合焦チェック処理に関するサブルーチンについて、
図11Aおよび図11Bを参照して説明する。
【0054】再積分処理は、2回目以降の積分処理であ
る。再積分処理では、先ず、再積分フラグを立てて積分
およびデフォーカス量算出処理(図13C参照)を行な
う(S251、S253)。そして、デフォーカス量の
演算結果が無効のときはAFNG処理(図11D参照)
に飛び、有効のときには合焦チェックに進む(S25
5)。
【0055】合焦チェック処理では、合焦しているかど
うかをチェックし、合焦していれば表示装置45の合焦
表示用LEDを点灯および電子ブザー46を作動させる
が、合焦していなければ何もしない(S261)。
【0056】次に、ローコントラスト時の非合焦1回目
かどうかをチェックし、1回目であればS251に戻っ
て上記積分等の処理を繰り返す(S263)。ローコン
時非合焦1回目でなく合焦しており、かつ動体予測モー
ドに入っていなければ(動体予測モードフラグがクリ
ア)、AF時レリーズ許可フラグを立てる(S263、
S265、S267、S269)。そして、AFロック
状態でなければ(AFロックフラグが立っていなけれ
ば)、つまり合焦して1回目の処理のときにはAFロッ
クフラグを立てるが、すでに立っていれば合焦後2回目
以降の処理なのでAFロック処理(S282)に飛ぶ
(S271、S273)。
【0057】S273でAFロックフラグを立てると、
被写体がハイコントラストかつ動体予測禁止フラグが下
りていることを条件に、所定時間レリーズ割込みが入る
のを待ち、所定時間内にレリーズ割込みが入らなけれ
ば、AF時レリーズ許可フラグをクリアしてレリーズを
禁止し、AFロックフラグをクリアしてAF処理を可能
にする(S275、S277、S279、S281)。
そして、AFロック処理に入り、ループ時間が経過する
のを待って、ループ時間が経過したらメインルーチンの
S109に戻る(S283)。被写体がハイコントラス
トでないか、動体予測禁止フラグが立っていれば、ウエ
イト処理を行なわずにAFロック処理に進む(S27
5、S277、S283)。なお、AFロック処理は、
一度合焦すると、測光スイッチSWSのオンが継続され
ている間はAF動作を行なわない処理である。
【0058】また、S265の合焦チェック処理におい
て、非合焦であれば、S285に飛んで、動体予測モー
ドであるかどうか(動体予測フラグがセットされている
かどうか)をチェックする。ここで動体予測モードに入
っていなければ、S301以下の動体チェック処理に進
み、動体予測モードに入っていればS321に進む(S
285)。
【0059】この動体チェック処理は、被写体が動体で
あるかどうかを確認するために行なう処理である(図
2、3参照)。動体チェック処理では、先ず、2次合焦
幅、合焦、レリーズ許可およびAFロックの各フラグを
クリアし、表示装置45の合焦表示用LEDおよび電子
ブザー46をオフする(S301)。
【0060】次に、再積分フラグをチェックし、再積分
フラグがクリアされていれば1回目の処理なのでパルス
計算処理に飛び、立っていれば、前回のレンズ駆動方向
と今回のレンズ駆動方向とを比較する(S303、S3
05)。同方向であれば、ハイコントラストかつ動体禁
止フラグがクリアされていることを条件に、動体判断用
カウンタを1デクリメントする(S307、S309、
S311、S313)。なお、本実施例の動体判断用カ
ウンタの初期値は“3”に設定してある。同方向でない
とき、ハイコントラストでないとき、あるいは動体予測
禁止のときには上記カウント処理を行なわずにそのまま
パルス計算処理に飛ぶ(S307、S309、S31
1)。
【0061】動体判断用カウンタをデクリメントしたと
きは、そのカウンタ値をチェックし、0であれば動体予
測モードフラグを立てて、動体判断用カウンタをリセッ
ト(本実施例では3に設定)してからパルス計算処理に
進む(S315、S317、S319)。カウンタ値が
0でなければそのままパルス計算処理に進む(S31
5)。
【0062】S285の動体予測モードチェックの際に
すでに動体予測モードに入っていれば、合焦フラグ、レ
リーズ許可フラグおよびAFロックフラグをクリアし、
表示装置45の合焦表示用LEDおよび電子ブザー46
をオフする(S321)。
【0063】次に、S253における積分結果(直前の
積分結果)に基づいてデフォーカスパルス数の計算を行
なう(S323)。なお、このデフォーカスパルス数
は、積分時間の中間点における被写体に対する値とな
る。
【0064】そして、計算上の被写体の移動パルス数、
今回のデフォーカスパルス数および積分中間点間の時間
に基づいて被写体像面の移動スピード(動体追従速度)
計算を行ない、計算が終了したら動体追従中であること
を識別する動体追従中フラグを立てる(S325、S3
27)。そして、デフォーカスパルス数をカウンタ35
dにセットし、AFモータ一定速度制御をスタートし、
一定速度制御処理に飛ぶ(S329、S331)。ま
た、前記合焦チェック処理におけるS267の動体予測
モードチェックにおいて、合焦範囲内で、すでに動体予
測モードに入っていれば、上記S323に入る。
【0065】次に、AF演算結果が無効のときの処理
(AFNG処理)について、図11Dに示したフローチ
ャートを参照して説明する。なお、このAFNG処理
は、フォーカシングレンズがテレ端またはワイド端に達
したときの端点処理の一部も兼ねている。AF演算結果
が無効のときには、合焦表示LED46を点滅させて、
合焦不能であることを撮影者に知らせる(S341)。
そして、再積分フラグをセットし、ループ時間チェック
を行なってループ時間が来たらAE演算処理を実行し、
ループ時間が来ないときには再積分処理に戻る(S34
2、S343)。
【0066】『パルス計算、バックラッシュ駆動』次
に、図12Aおよび図12Bを参照してパルス計算およ
びバックラッシュ駆動について説明する。パルス計算処
理とは、デフォーカス量に基づいたパルス量およびバッ
クラッシュとりのためのパルス量を計算する処理であ
る。バックラッシュ駆動とは、AFモータ39の駆動方
向が変化したときなどに、AFモータ39の内蔵ギヤ、
ジョイント47、57およびレンズ駆動機構55におけ
るバックラッシュをとるための駆動をいう。本実施例で
は、バックラッシュ駆動を、デフォーカス量に基づく駆
動の前に、別個に実行している。
【0067】パルス計算処理では、先ずデフォーカスパ
ルス量を演算し、さらに、駆動方向が前回と変わったと
きにはバックラッシュパルス数を計算し、バックラッシ
ュ駆動フラグを立てる(S351、S353)。バック
ラッシュパルス量とは、バックラッシュをとるのに必要
なパルス数および回転方向である。カメラボディ11の
バックラッシュ値はあらかじめE2PROM43にメモリされ
ていて、撮影レンズ51のバックラッシュ値はレンズC
PU61のROMにメモリされていて、レンズ通信によ
り周辺部制御用回路23を介して、メインCPU35の
RAM35bにメモリされる。
【0068】次に、バックラッシュ駆動フラグが立って
いないときにはデフォーカスパルス数を、立っていると
きにはバックラッシュパルス数をAFパルス数としてカ
ウンタにセットして、AFモータ39のDC駆動を開始
する(S355、S357)。
【0069】バックラッシュ駆動でなく(バックラッシ
ュ駆動フラグがクリアされているとき)、しかも動体予
測モードでないとき(動体予測モードフラグがクリアさ
れているとき)には、カウンタのカウント値と所定パル
ス数とを比較し、カウント値の方が大きいときには動体
予測モードフラグをクリアし、オーバーラップ積分をス
タートしてデフォーカス量を算出する(S359、S3
61、S365、S367、S369)。なお、オーバ
ーラップ積分とは、レンズ駆動しながら積分を実行する
処理をいう。
【0070】デフォーカス量が求まったら、デフォーカ
ス量が有効であるかどうかをチェックして、無効であれ
ばS363に戻り、有効であれば駆動方向チェック処理
(S372〜S375)に進む(S371)。
【0071】駆動方向チェック処理では、デフォーカス
量からピント位置が被写体像位置よりも手前かどうか、
さらに所定の範囲内かどうかをチェックする(S37
3、S375)。そして、ピント位置が所定の範囲内よ
りも手前ならば、S369で算出したデフォーカス量に
基づいてデフォーカスパルス数を算出し、カウンタにセ
ットしてS363に戻る(S375、S377)。ピン
ト位置が行き過ぎたとき、または所定の範囲内のときに
は、AFモータ39にブレーキをかけてレンズ駆動を停
止し、再積分処理に戻る(S375、S379)。な
お、AFモータ39のブレーキとは、本実施例ではAF
モータ39の入力端子を短絡させることをいう。
【0072】また、バックラッシュ駆動の必要があると
き、動体予測モードに入っているとき、あるいはカウン
タ値が所定パルスよりも小さいときは、AFパルスカウ
ンタ値と所定のパルス数とを比較してAFカウンタ値が
減速所定パルス数以下になるまで待つ(S359〜S3
65、S381、S383)。
【0073】AFパルスカウンタ値が減速所定パルス数
未満になると、バックラッシュ駆動でないときにはAF
モータ39にブレーキをかけてから一定速度制御処理に
飛ぶ(S385、S387)。
【0074】バックラッシュ駆動のときには、AFパル
ス数と所定パルス数を比較し、AFパルス数が所定パル
ス未満のときには、AFモータ39にブレーキをかけて
一定速度制御処理に進む(S389、S391、S38
7)。そして、一定速度制御によりバックラッシュとり
駆動を行なう。
【0075】AFパルス数が所定パルス数以上のときに
は、バックラッシュとりのためのDC駆動が終了するま
で待つ。そして、このDC駆動が終了したら、AFモー
タ39にブレーキをかけて、バックラッシュ駆動フラグ
をクリアしてバックラッシュ駆動を終了し、S355に
戻る(S391、S393、S395、S397)。そ
して、今度はデフォーカスパルス数をAFパルスカウン
タにセットして、通常のAF処理のためのレンズ駆動処
理を行なう。
【0076】以上の処理により、バックラッシュ分の駆
動がデフォーカス分の駆動の前に実行される。しかも、
デフォーカスパルス分の駆動量が所定値よりも大きいと
きには、DC駆動により短時間で実行され、所定値より
も小さいときには、一定速度制御により行き過ぎること
のない正確な駆動が行なわれる。なお、上記S365、
S383、S391の所定パルス数をそれぞれP1 、P
2 、P3 とおくと、これらは、P1 >P2 =P3 の関係
にある。
【0077】『一定速度制御』一定速度制御処理につい
て、図13A、図13Bに示した一定速度制御処理に基
づいて説明する。一定速度制御処理とは、AFモータ3
9を一定の速度で駆動する処理であって、本実施例で
は、メインCPU35がエンコーダ41から出力される
パルスの間隔に基づいてAFモータ39を所定の一定速
度で駆動制御する。本実施例では、被写体像移動速度S
またはその2倍速でAFモータ39を定速駆動する。
【0078】一定速度制御処理では、先ず、通常処理の
一定速度制御時間(エンコーダ41が出力するパルス
幅)Xn セットして一定速度制御カウンタをセットする
(S401)。次に、動体追従中(動体追従モードフラ
グがセット)かどうかをチェックして、動体追従中であ
れば、一定速度制御スピードSn の2倍速2Sn をセッ
トする(S403、S405)。積分中であれば、動体
追従スピードで追従するために一定速度制御スピードS
n をセットしてからS411に進むが、積分中でなけれ
ばそのままS411に進む(S407、S409)。
【0079】S411では、積分中かつ動体追従中であ
るかどうかをチェックし、積分かつ動体追従中であれば
積分終了をチェックするためにS459へ飛び、積分中
でないか、あるいは動体追従駆動中でなければS413
に進む(S411)。
【0080】S413では、一定速度制御時間が経過し
たかどうかをチェックし、経過していれば、一定速度制
御用カウンタをクリアし(S414)、端点に達したか
どうかの端点検出用タイマカウント処理を行ない(S4
15)、端点でなければ、AFモータ駆動中であればS
411に戻り、駆動中でなければAFモータを駆動して
S401に戻る(S417、S419)。また、一定速
度制御時間が経過していなければS421に進む。S4
21では、エンコーダ41からAFパルスが出力されて
いるかどうかをチェックし、AFパルスが出力されてい
なければS411に戻り、出力されていればS423に
進む。
【0081】S423では、追従モードでない場合はパ
ルスカウントが終了したか、または追従モードのときに
は動体追従駆動時間が終了したかどうかをチェックす
る。そして、いずれかが終了していればブレーキ処理に
進み、いずれも終了していなければ端点チェック処理に
進む(S423、S437、S425)。
【0082】S425では、合焦用レンズ53が端点に
達したかどうかのチェック、および端点検出タイマの再
設定処理を行なう。そして、減速処理のために、AFパ
ルスカウンタのカウント値が速度切換えパルス数よりも
小さくなったかどうかをチェックし、小さくなったとき
には駆動速度を低速に切換え、その後AFモータ39に
ブレーキをかけてからS433に進む(S427、S4
29、S431)。S433ではAFモータ39が駆動
中かどうかをチェックし、駆動中であればAFモータ3
9にブレーキをかけてからS401に戻り、駆動中でな
ければそのままS401に戻る。
【0083】S423において、パルスカウントが終了
したか、または動体追従の駆動時間が終了していたとき
にはAFモータ39を停止させるために、S437に進
んでAFモータ39にブレーキをかける。そして、動体
予測モードでAFロックフラグが立っているかどうかを
チェックし、立っていればAF時レリーズ許可フラグを
立ててレリーズ処理に進む(S439、S441、S4
43)。動体予測モードでないか、あるいはAFロック
フラグがクリアされていれば、バックラッシュ駆動であ
るかどうか、つまり今回の駆動がバックラッシュ駆動で
あったかどうかをチェックし、バックラッシュ駆動であ
ればバックラッシュ駆動終了処理に進み、バックラッシ
ュ駆動でないときには再積分フラグを立ててループ時間
チェックを行ない、ループ時間が来ていたときにはS1
09のAE処理に戻り、ループ時間が来ていなければ再
積分処理に進む(S445、S446、S447)。
【0084】図13Cは、S215、S231、S25
3等の積分スタート、CCDデータ入力、デフォーカス
量計算で実行される積分処理の内容を示す。この積分処
理では、先ず積分、演算に関する初期設定を行ない、積
分をスタートして積分中フラグを立てる(S451、S
453、S455)。そして、動体追従中であれば一定
速度制御処理(S401)に飛び、動体追従中でなけれ
ば積分終了かどうかのチェックを行なう(S457、S
459)。
【0085】積分終了でなければ、積分時間が所定時間
よりも長ければ被写体輝度が低いと考えられるので動体
予測モード禁止フラグを立ててS465に進み、短けれ
ばそのままS465に進む(S459、S461、S4
63)。そして、動体追従でなければ(動体追従モード
フラグがクリアされていれば)S459に戻り、積分が
終了するまで待つ(S459〜S465)。動体追従中
であれば、一定速度制御中なのでS413に戻る(S4
65)。
【0086】積分が終了したら、動体追従中であればA
Fモータ39にブレーキをかけてS471に進む(S4
59、S467、S469)。動体追従中でなければ、
S469をジャンプして直接S471に進む(S46
7、S471)。S471では測距センサユニット21
から積分データを入力し、その積分データに基づいてデ
フォーカス量を計算(図14のデフォーカス計算を実
行)してから、積分スタートに入ったステップの次のス
テップに戻る(S471、S473)。
【0087】『デフォーカス計算』デフォーカス計算処
理について、図14A、B、Cに示したサブルーチンを
参照して説明する。なお、デフォーカス計算処理では、
デフォーカス量を計算する前に、コントラストの計算、
位相差の計算、位相の一致度のチェック処理等を行な
い、デフォーカス量を算出した後に、ローコン処理を行
なう。このサブルーチンがコールされると、先ず、コン
トラストの計算およびチェック処理を行なう(S50
1)。コントラストの計算とは、CCD測距センサユニ
ットの各CCD受光素子の積分データの差の和を求める
計算である。つまり、所定の複数の受光素子の積分デー
タと、各所定の受光素子に隣接する受光素子の積分デー
タとの差により、コントラストが高いかどうかを判断す
る。そして、コントラストが位相差の演算に十分である
かどうかをチェックし、不十分のときにはリターンし、
十分であれば位相差の計算処理に進む(S503、S5
05)。
【0088】S505では、先ず相関法等により位相差
を計算する。そして、10bit セレクトモードであれば
10bit セレクト処理のS551に進み、10bit セレ
クトモードでなければ通常の計算処理のS509に進む
(S507)。最初に入ったときには10bit セレクト
モードに入っていない(10bit セレクトモードフラグ
がセットされていない)のでS509に進む。なお、1
0bit セレクトモードとは、CCDラインセンサの基準
部と参照部の積分データの一致度(相関度)が余り良く
ないときに、基準部と参照部の内からそれぞれ複数の領
域の10bit 分の領域を順に選択して一致度のよい(相
関度の高い)領域を求める処理のことである。
【0089】S509では、位相差計算結果が有効であ
るかどうかをチェックし、有効でなければリターンし、
有効であれば一致度が良好であるかどうかをチェックす
る(S509、S511)。一致度が良好であれば、デ
フォーカス計算を実行する(S511、S530)。そ
して、ローコントラスト時の非合焦1回目フラグが立っ
ており、かつデフォーカス量が所定量未満であれば、前
回と今回のデフォーカス量を比較して、今回の方が小さ
くなっていれば今回のデフォーカス量を有効値とし、デ
フォーカスOKフラグを立ててリターンする(S53
3、S535、S537、S539、S541、S54
3)。ローコン時非合焦1回目フラグが立っていなけれ
ば今回のデフォーカス量を有効にし、デフォーカスOK
フラグを立ててリターンする(S533、S541、S
543)。
【0090】ローコン時非合焦1回目フラグが立ってい
てもデフォーカス量が所定量以上のときには、前回のデ
フォーカス量を有効とするのでデフォーカスOKフラグ
を立ててリターンする(S533、S535、S54
3)。ローコン時非合焦1回目フラグが立っていてかつ
デフォーカス量が所定値未満であっても、デフォーカス
量が前回よりも今回の方が大きければ、前回のデフォー
カス量を維持し、デフォーカスOKフラグを立ててリタ
ーンする(S533、S535、S537、S539、
S543)。
【0091】以上の処理により、被写体がローコントラ
ストのときには、直前の2回のデフォーカス量の内、近
い方(小さい方)を測定値とするので、測定誤差による
誤作動、例えば合焦表示のちらつき、AFモータ39の
誤起動を防止できる。
【0092】また、S511において、一対の積分デー
タの一致度をチェックした際に、一致度がよくないとき
は、検索中フラグをチェックする(S513)。最初に
この処理に入ったときは検索中フラグはクリアされてい
るので位相差計算の続きを実行し(S315)、位相差
計算がOKであればS511に戻って一致度のチェック
を行なうが、OKでなければ、検索中フラグをセットし
てS505に戻る(S517、S519)。
【0093】検索中フラグをセットした後は、S513
からS521に処理を進め、S521において、位相の
ずれを所定値と比較し、そのずれが所定値よりも小さい
ときには、ハイコントラストかどうかをチェックし、ロ
ーコントラストのときにはS530に進む(S52
3)。ハイコントラストのときには、10bit セレクト
モードフラグおよび動体予測モード禁止フラグを立て
て、最初の10bit をセレクトするとともに、さらにチ
ェック回数(4回)をセットしてS505に戻る(S5
23、S525、S527、S529)。
【0094】10bit セレクトモードフラグが立つと、
S507から10bit セレクト処理(S551)に入
る。10bit セレクト処理では、先ず、セレクトされた
10bit に基づくデフォーカス量の有効値が一度で求ま
っているかどうかをチェックし、求まっていれば、コン
トラストが前回よりも大きく、かつ前回の2倍よりも大
きければ前回のDATAを無効にするために10bit セレク
トデフォーカスOKフラグをクリアしてS559に進む
(S551、S553、S555、S557)。コント
ラストが前回よりも小さいときには、今回セレクトされ
た10bit データは使用しないのでS571に飛ぶ(S
551、S555)。10bit セレクトデフォーカス量
が一度も求まっていないときはS559に進み、今回の
コントラストが前回の2倍以下のときには、10bit セ
レクトデフォーカスOKフラグをクリアせずにS559
に進む(S551〜S557)。
【0095】S559では、位相差計算結果が有効であ
るかどうかをチェックし、有効であれば、一致度が良好
であることを条件にデフォーカス計算を行なう(S55
9、S561、S563)。そして、デフォーカス量計
算後、10bit セレクトデフォーカスOKフラグをチェ
ックし、これが立っていれば、前回と今回とで近い方
(手前)のデフォーカス量を選択して10bit セレクト
OKフラグを立てる(S565、S567、S569)
が、10bit セレクトデフォーカスOKフラグがクリア
されていれば、S567をジャンプして10bit セレク
トデフォーカスOKフラグをセットする(S565、S
569)。そして、S571に進む。また、位相差計算
結果が無効のとき、あるいは一致度が悪いときは、直接
S571に進む(S559、S561)。
【0096】S571では、次の10bit をセレクトす
る。そして、10bit セレクトチェック回数カウンタを
1デクリメントし、そのカウンタ値が0でなければS5
05に戻って0になるまで以上S507、S551〜S
575の処理を繰り返す(S573、S575)。な
お、10bit セレクトチェック回数カウンタの初期値は
“4”にセットされている。10bitセレクトチェック
回数カウンタの値が0であれば、10bit セレクトデフ
ォーカスOKであることを条件にローコン時ちらつき防
止処理(S533)に進み、OKでなければ10bit セ
レクトモードフラグをクリアしてリターンする(S57
5、S577、S579)。
【0097】以上のS505、S507、S551〜S
575の処理により、位相差および一致度の良いCCD
センサビット群からの積分データを選択することができ
る。なお、本実施例では、セレクトするビット数を10
bit にしたが、これに限定されず、任意のビット数に設
定する構成にしてよい。
【0098】『動体追従スピード計算』動体追従スピー
ド計算について、図15に示した計算処理を参照して説
明する。先ず、前回の積分中間点と今回の積分中間点の
間の時間Tn を計算する(S601)。なお、積分中間
点を基準としたのは、被写体輝度により積分時間が変化
するからである。
【0099】次に、動体追従中でないとき(動体追従モ
ードフラグが下りているとき)、すなわち、動体追従モ
ードになって最初にこの処理に入ったときには、追従前
の被写体像移動スピードS1 を計算し、追従時間T1
セットしてリターンする(S605、S606)。動体
追従中のとき(動体追従中モードフラグが立っていると
き)、すなわち、動体追従モードになって2回目以降に
この処理に入ったときには、時間Tn 内に被写体像が移
動したであろう被写体像の移動パルス数MPn-1 を算出
する(S603、S607)。なお、ここで、下付文字
n-1 )は、前回の積分、演算、駆動における変数であ
ることを意味する。
【0100】そして、前回と今回のレンズ駆動方向を比
較し、同方向であれば動体追従中行過ぎフラグをクリア
し、移動パルス数MPn-1 に今回のデフォーカスパルス
DPn を加算して追従スピード補正計算処理(S61
7)に進む(S609、S611、S613、S61
5)。駆動方向が異なれば、被写体の移動速度が遅くな
ったか停止して行き過ぎたか、あるいは被写体の移動方
向が変わったと考えられるのでS637へ進む(S60
9、S611、S637)。同方向でも異方向でもな
い、つまり何らかの異常が発生したときは、動体予測モ
ードをクリアして再積分処理へ進む(S611、S61
3、S655)。
【0101】『追従スピード補正計算1』追従スピード
補正計算1では、先ず、下記式により被写体追従速度S
n を算出する(S617)。 Xn =Tn /(MPn-1 +DPn ) Sn =1/Xn =(MPn-1 +DPn )/Tn (ハ゜ルス/ms)
【0102】次に、動体追従時間(積分データ入力時間
と演算時間の和)Cn を設定する(S621)。そし
て、今回の演算結果から合焦状態にあり、かつレリーズ
スイッチSWRがオンされていれば、AFロックフラグ
をセットし、タイムラグ補正時間{(積分データ入力時
間+演算時間)Cn +レリーズタイムラグ相当時間}を
計算し、被写体が遠ざかるときには一定速度制御時間を
タイムラグ補正時間の1/2にセットし、被写体が近づ
いてくるときには、一定速度制御時間をタイムラグ補正
時間にセットしてリターンする(S623、S625、
S627、S629、S631、S633、S63
5)。合焦状態でないか、あるいは合焦状態であっても
レリーズスイッチSWRがオンされていないときには、
追従動作を続行するので、S635に飛んで、動体追従
時間としてタイムラグ補正時間をセットし、リターンす
る(S623、S625)。
【0103】レンズの前回と今回の駆動方向が異なると
きは、MPn-1−DPn ≧0ならばMPn-1 −DPn
算出し、下記式により動体追従スピードSn の補正計算
を実行し、レリーズスイッチSWRの状態をチェックす
る(S639、S641)。 Xn =Tn /(MPn-1 −DPn ) Sn =1/Xn =(MPn-1 −DPn )/Tn (ハ゜ルス/ms)
【0104】そして、合焦状態 にあれば、動体追従中
行過ぎフラグをリセットしてリターンする(S643、
S645)。合焦状態にないか、S637のチェックに
おいてMPn-1 −DPn <0のときには、動体追従中行
過ぎフラグがすでにセットされているかどうかをチェッ
クし、されていなければ追従行過ぎフラグをセットし、
さらに演算時間Cn をセットし、演算時間Cn 分待って
から再積分処理へ進む(S343、S647、S64
9、S651、S653)。動体追従中行過ぎフラグが
すでにセットされているときには、動体予測モードをク
リアしてリターンする(S647、S655)。
【0105】『合焦チェック処理』図16を参照して、
合焦チェック処理について説明する。この合焦チェック
処理では、動体追従中のときは合焦範囲を広げて、レリ
ーズできる可能性を高くする。
【0106】先ず、AFモードのときにはあらかじめ設
定された合焦幅(所定のデフォーカス量)のままとし、
動体予測モードであれば合焦幅を広げてから、今回のデ
フォーカス量が所定量よりも小さいかどうかをチェック
する(S701、S703、S705)。デフォーカス
量が所定量(合焦幅よりも大きい量)よりも大きけれ
ば、ローコン時非合焦1回目フラグをリセットしてリタ
ーンする(S719)。
【0107】デフォーカス量が所定量内に納まってお
り、かつ合焦状態(合焦幅以下)であれば、合焦フラグ
をセットし、ローコン時非合焦フラグをクリアして表示
装置45の合焦表示用LEDを点灯し、電子ブザー46
を作動させる(S705、S707、S709、S71
1、S713)。
【0108】そして、AF動作中であれば動体チェック
用の所定の像面移動速度相当の合焦幅をセットしてリタ
ーンし、AF動作中でなければそのままリターンする
(S715、S717)。
【0109】デフォーカス量が合焦幅以上でかつ所定量
よりも小さいときには、ローコン時ちらつき対策処理を
行なう。ローコン時非合焦1回目フラグがすでにセット
されていたときまたは、セットされていなくても、動体
予測モードのときにはローコン時非合焦フラグをクリア
してリターンする(S721、S723、S719)。
【0110】ローコン時1回目フラグがクリアされてい
て、かつ動体予測モードに入っていない場合は、補助投
光モードのときにはそのままリターンする(S721、
S723、S725)。補助投光モードではない場合に
おいて、10bit セレクトモードのときには、ローコン
時非合焦1回目フラグをセットしてリターンする(S7
25、S733)。10bit セレクトモードでないとき
には、積分時間が所定時間よりも長ければそのままリタ
ーンし、短かい場合であっても、ローコントラストでな
い場合はそのままリターンし、ローコントラストのとき
はローコン時非合焦1回目フラグをセットしてリターン
する(S729、S731、S733)。コントラスト
が高いときには、直接リターンする(S731)。
【0111】以上のように、この処理に始めて入ったと
きに非合焦の場合に、ローコントラストのときにはロー
コン時非合焦1回目フラグをセットしてリターンするこ
とにより、合焦から非合焦に変わっても、非合焦1回目
では非合焦表示処理(S301の処理)が行なわれない
ので、合焦表示のちらつきが防止される。なお、本実施
例では非合焦が2回連続すると非合焦表示を行なう構成
であるが、非合焦表示に変わる非合焦の回数は任意であ
り、例えば非合焦が連続3回継続したときに非合焦表示
を行なう構成にしてもよい。
【0112】『端点検出処理』次に、合焦用レンズ53
が端点、例えば最近距離合焦位置、または無限遠合焦位
置に達したときの処理について、図17に示した端点検
出処理を参照して説明する。この処理は、合焦用レンズ
53が端点に達したか、あるいは端点に達していない
が、何らかの外力により合焦用レンズ群53を駆動でき
ない状態を検知してAFモータ39を停止させる処理で
もある。
【0113】AFモータ駆動中かどうかをチェックし、
駆動中でなければ端点検出用タイマー再設定処理に進む
(S791)。AFモータ39駆動中の場合は、パルス
割込みフラグが立っているとき(エンコーダ41からパ
ルスが出たとき)には端点チェック(S771)に進
み、立っていない(パルスが出ていない)ときには端点
検出タイマカウント(S755)に進む。
【0114】端点検出タイマカウント処理は、AFモー
タ39駆動中であるのにかかわらずエンコーダ41から
パルスが一定時間以上出力されなくなったときには、合
焦用レンズ53が端点に達しているか、移動できない状
態と考えられるので、AFモータ39を停止させるため
の処理である。ここでは先ず、端点検出時にパルスあり
フラグをクリアし、端点検出タイマカウント中フラグを
セットし、端点検出タイマをカウントダウンする(S7
55、S757、759)。そして、端点検出タイマが
0になったかどうかをチェックし、0になれば端点とみ
なして端点処理へ進み、0でなければリターンする(S
761)。
【0115】端点検出用タイマがタイムアップしたとき
の処理について、図11Dに示した端点処理に関するフ
ローチャートを参照して説明する。端点処理では、先
ず、AFモータ39にブレーキをかけてAFモータをス
トップする(S345)。そして、演算結果が有効な状
態で駆動していたときには、AFNG処理のS342に
進んで再積分フラグをセットし、ループ時間チェックを
行なってループ時間が来たらAE演算処理を実行し、ル
ープ時間が来ないときには再積分処理に戻る(S34
6、S342、S343)。演算結果が無効で、かつ駆
動方向を反転するときには、AFモータの駆動方向を反
転してサーチ積分処理に進む(S346、S347、S
348)。演算結果が無効で、かつ駆動方向を反転しな
いときには、AFNG処理(S341)に進んで、S3
41〜S343の処理を実行する(S346、S34
7、S341)。
【0116】端点チェック処理は、合焦用レンズ53が
端点に達したかどうかを、エンコーダ41から出力され
るパルス変化の検出により検知する。ここでは、先ず、
パルス割込みフラグをクリアする(S771)。
【0117】そして、端点検出タイマカウント中かどう
かをチェックし、カウント中でないとき、あるいは端点
検出タイマカウント中であっても、端点検出時にパルス
有りフラグがセットされているときは、端点検出用タイ
マ再設定処理に進む(S775、S777)。端点検出
タイマカウント中で、端点検出時パルス有りフラグがセ
ットされていないときには、端点検出時にパルス有りフ
ラグをセットし、一定速度制御中であればリターンし、
一定速度制御中でなければS757に進む(S777、
S779、S781)。
【0118】端点検出用タイマ再設定処理は、端点検出
に関するデータを初期化する処理であり、端点検出タイ
マカウント中フラグおよび端点検出時にパルス有りフラ
グをクリアし、端点検出用タイマデータをセットしてリ
ターンする(S791、S793、S795)。
【0119】『動体予測AFの第2実施例』次に、本発
明の動体予測AFの第2実施例について、図18〜図2
2を参照して説明する。この第2実施例は、演算中も一
定速度制御を行う点に特徴がある。つまり、被写体像の
移動速度に対応するレンズ駆動速度を計算し、その速度
で合焦用レンズを一定速度制御しながら積分を行なって
追従速度を補正する方法で、基本的原理は第1実施例と
同様であるが、所定の演算中も一定速度制御を行なう点
が相違する。このように演算および一定速度制御を並行
して実行するために本実施例では、所定の演算、制御等
をメインCPU35と並行して実行するためのサブCP
U36を備えている。
【0120】先ず、動体追従AF動作の概要について図
18および図19を参照して説明する。動体予測モード
であると判断したとき(動体予測モードに入ったとき)
のデフォーカスパルスDPに基づいてDCレンズ駆動M
を行なう。DCレンズ駆動Mが終了すると積分I1 を行
ない、演算C1 において、積分I、I1 の中間点間の時
間T1 の間に被写体像が移動した速度S1 を、前述の
および式と同様の式により算出し、さらに、下記式に
よりレンズを駆動する時間(追従時間)を求める。 {T1 +(I1 /2)+C1 }/2 …
【0121】そして、上記式で算出した駆動時間分、
追従速度S1 の3倍速で一定速度制御レンズ駆動M1
行なう。この一定速度制御レンズ駆動M1 により、合焦
用レンズ53を短時間で合焦付近まで移動することがで
きる。なお、この3倍速駆動は、(T1 +I1 /2+C
1 )時間だけ被写体像移動速度S1 の2倍速でレンズ駆
動したのとほぼ同様の効果が得られる。
【0122】3倍速での制御レンズ駆動M1 が終了する
と、追従速度S1 で一定速度制御(レンズ駆動M2 )を
行ないながら積分I2 および演算C2 を行なう。この演
算C2 において、前回の積分I1 の中間点から今回の積
分I2 の中間点までの時間T2 内に、追従速度S1 で被
写体像が移動していたと仮定したときの被写体像の移動
量に相当するパルス数MP1 を前述の式と同様の式
(MP1 =T2 ×S1)により計算する。さらに、前述
のおよび式と同様の下記式により、時間T2の間に
被写体像が移動した速度S2 を求める。 X2 =T2 /(MP1 +DP2 ) S2 =1/X2 =(MP1 +DP2 )/T2 (ハ゜ルス/ms) そして、積分I3 および演算C3 の間、追従速度S2
一定速度制御レンズ駆動M3 を行なう。
【0123】以後同様に、時間Tn 内に被写体像がS
n-1 の速度で移動していたと仮定した場合の被写体の移
動量に相当するパルス数MPn-1 (追従中の演算2回目
以降はMPn-1 =Tn ×Sn-2 )により追従速度Sn
求めて、積分In+1 および演算Cn+1 を行なっている
間、追従速度Sn により(一定速度制御)レンズ駆動M
n+1 を行なう。
【0124】以上の追従制御により、移動する被写体に
対して常時ほぼ合焦状態が維持される。また、上記追従
動作中にレリーズスイッチがオンされたときには、ミラ
ーアップしている間も、直前に求めた追従速度Sn で一
定速度制御を行ない、シャッタ先幕走行前に停止する
(図19参照)。このミラーアップ中の一定速度制御に
より、現実にシャッタ先幕が走行を開始(露光開始)す
るときに、ほぼ合焦状態となっている。
【0125】次に、第2の動体追従動作処理について、
図20A、20B、20C、図21A、21Bおよび図
22に示したフローチャートに基づいてより詳細に説明
する。なお本実施例では、図20A〜Cの動体追従速度
演算等および図22の積分処理はサブCPU36によっ
て実行され、図21A、Bの一定速度制御はメインCP
U35によって実行される。
【0126】動体追従速度演算処理では、先ず、前回の
積分中間点と今回の積分中間点の間の時間Tn を計算す
る(S801)。次に、動体追従中かどうかをチェック
し、動体追従中でなければ、動体追従モードに入って最
初にこの処理に入ったので、追従前の被写体像移動速度
(追従速度)S1 を計算し、追従時間T1 に(T1 +I
1 /2+C1 )をセットしてリターンする(S803、
S805、S806)。動体追従中であれば、動体追従
モードに入って2回目以降の処理なので、追従中演算1
回目であれば、時間T2 の間に被写体像が移動した移動
量に相当するパルス数MP1 を算出し、追従中2回目以
降は、時間Tn の間に被写体像が移動した移動量に相当
するパルス数MPn-1 を算出する(S803、S80
7、S809、S811)。
【0127】そして、合焦用レンズ53の前回と今回の
駆動方向を比較し、同方向であれば動体追従中行き過ぎ
フラグをクリアし、計算上の被写体像の移動パルス数M
n-1 に今回のデフォーカスパルス数DPn を加算して
S821(追従速度補正計算2の処理)に進む(S81
3、S815、S817、S819)。駆動方向が異な
っていれば、被写体の移動速度が遅くなったか被写体が
停止したか、あるいは被写体の移動方向が変わったため
行き過ぎたと考えられるのでS833へ進む(S81
3、S817)。同方向でも異方向でもない、つまり、
何らかの異常が発生したときは、動体予測モードをクリ
アして再積分処理へ進む(S815、S817、S84
9)。
【0128】『追従速度補正計算2』追従速度補正計算
2では、先ず、下記式により動体追従速度Sn を算出す
る(S821)。 Xn =Tn /(MPn-1 +DPn ) Sn =1/Xn =(MPn-1 +DPn )/T2 (ハ゜ルス/ms)
【0129】次に、合焦かつレリーズスイッチSWRが
オンしていればAFロックフラグおよびAF時レリーズ
許可フラグをセットしてリターンする(S825、S8
27、S829、S831)。合焦していないか、レリ
ーズスイッチSWRがオンしていなければそのままリタ
ーンする(S825、S827)。
【0130】また、レンズの駆動方向が異なっていたと
きには、MPn-1 −DPn ≧0であれば、下記式により
被写体追従速度Sn を求める(S815、S833、S
835、S837)。 Xn =Tn /(MPn-1 −DPn ) Sn =1/Xn =(MPn-1 −DPn )/Tn (ハ゜ルス/ms)
【0131】そして、合焦状態にあれば、動体追従中行
き過ぎフラグをクリアしてリターンする(S839、S
841)。合焦状態になければ、動体行き過ぎ中フラグ
が立っているかどうかをチェックし、すでに立っていれ
ば行き過ぎて2回目の処理なので、動体予測モードをク
リアしてリターンする(S843、S849)。つま
り、動体追従中に1回行き過ぎたときには誤差等による
可能性があるので、2回行き過ぎたときに抜ける構成に
してある。なお、1回で抜ける構成でも、3回以上の任
意の回数で抜ける構成でもよい。
【0132】動体追従中行き過ぎフラグが未だ立ってい
なければ、行き過ぎて1回目の処理なので、動体追従中
行き過ぎフラグをセットして、積分データを入力および
演算時間Cn をセットし、演算時間Cn 分待ってから再
積分処理に進む(S843、S845、S847)。
【0133】『一定速度制御2』次に、第2の一定速度
制御2の処理について、図21A、21Bに示したサブ
ルーチンを参照して説明する。この制御は、メインCP
U35が管理する。先ず、パルス間隔(Xn )をセット
する。そして、動体追従中であれば、動体追従速度Sn
(1/Xn )をセットする。さらに動体追従に入って1
回目の処理であれば、動体追従速度Sn の3倍速をセッ
トし直すが、2回目以降の処理であれば変更しない(S
853、S855、S857、S859)。演算が終了
していれば(演算終了フラグ=1)、AFパルス、動体
追従速度Sn などのデータの入力およびセットをし、演
算終了フラグをクリアしてS851に戻る(S861、
S863、S865)。
【0134】演算が終了していなければ(演算終了フラ
グ=0)、一定速度制御時間が経過したかどうかをチェ
ックし、経過していれば、端点検出用タイマをカウント
し、さらにAFモータ39駆動中であればS861に戻
る(S867、S869、S871)。AFモータ39
駆動中でなければ、AFモータ39の駆動を開始してS
851に戻る(S871、S873)。
【0135】一定速度制御時間が経過していなければ、
AFパルスが出力されているかどうかをチェックする
(S867、S875)。AFパルスの出力がなければ
S861に戻り、出力があればS877に進む。
【0136】S877では、ミラーアップが完了したか
どうかをチェックし、完了していればAFモータ39に
ブレーキを掛けて停止させる(S877、S879)。
ミラーアップが完了していなければ、動体追従モードの
場合には追従時間が終了しかどうか、追従モードでない
場合にはAFパルスカウントが終了したかどうかをチェ
ックする(S879)。そして、いずれかが終了してい
れば、AFモータ39を停止させ、ループ時間をチェッ
クし、ループ時間が経過していればAE処理を行なう
が、経過していなければ再積分処理へ進む(S879、
S881、S883)。
【0137】また、いずれも終了していないときには、
端点チェックおよび端点検出用タイマ再設定を行なう
(S879、S885)。そして、AFパルスカウンタ
値が速度切換えパルスよりも小さくなったかどうかをチ
ェックする(S887)。AFパルスカウンタ値の方が
小さくなれば、制御速度を低速に切換えて減速し、AF
モータ39にブレーキを掛けてS893に進み、小さく
なければそのままS893に進む(S887、S88
9、S891)。
【0138】S893ではAFモータ駆動中かどうかを
チェックし、駆動中でなければそのままS851に戻
り、駆動中であればブレーキを掛けてからS851に戻
る(S895)。
【0139】『積分処理』図22は、サブCPU36が
処理する積分処理サブルーチンである。この積分処理で
は、初期設定を行なってから積分をスタートさせ、積分
中フラグをセットする(S901、S903、S90
5)。そして、積分時間が終了するまで積分時間をチェ
ックしながら待つ(S907、S909)。その際、積
分時間が所定値よりも大きくなれば被写体が暗過ぎるの
で、動体予測モード禁止フラグをセットする(S90
9、S911)。
【0140】積分が終了すると、積分データを入力して
デフォーカス量を計算する(S907、S909、S9
11)。この演算結果が有効であれば、動体予測モード
に入っていれば動体追従速度を計算し、さらに演算終了
フラグをセットしてからS925に進み、有効でなけれ
ばS901に戻り、有効であって、動体予測モードに入
っていなければそのままS925に進む(S919、S
921、S923)。S925では、AF時レリーズ許
可フラグがセットされているかどうかをチェックし、セ
ットされていなければS901に戻り、セットされてい
ればレリーズ処理に進む。
【0141】以上の処理により、図18および図19に
示したように、積分及び演算中も合焦用レンズ53が一
定速度制御されるので、被写体の移動に対してより忠実
な追従、つまり常時合焦状態を保つことが可能になる。
【0142】以上の通り本実施例によると、一度合焦し
ても、所定時間後のAF処理で合焦から外れるときには
被写体が移動していると判断できるので、たまたま合焦
したとき、例えば被写体が接近しているときに合焦用レ
ンズが近距離合焦位置から遠距離合焦位置に移動して合
焦したときなどでも、被写体が移動していることを確実
に判断することができる。
【0143】以上本実施例では、合焦後のAF処理にお
いて、3回非合焦状態を検出したときに動体であると判
断したが、その回数は3回に限定されない。また、合焦
後のAF処理において、断続的にでも所定回数非合焦で
あったとき、あるいは連続して所定回数非合焦であった
ときに動体であると判断する構成でもよい。
【0144】
【発明の効果】以上の通り本発明によれば、動体判定手
段が動体と判断すると、上記演算手段に上記特定被写体
像の移動速度および追従速度を演算させ、該演算終了直
後から上記演算の基礎となる積分間隔、積分時間の1/
2の時間および演算時間の和の1/2の時間、上記演算
で求められた追従速度の所定倍の速度で上記レンズ駆動
手段を駆動させますので、所定時間に特定被写体に対し
て合焦状態または合焦に近い状態にすることができる。
【0145】その後は、求めた被写体像の移動速度に対
応する追従速度で駆動を継続しますから、合焦状態を維
持することができる。しかも、本発明は、デフォーカス
量測定および被写体像移動速度演算動作を継続するとと
もに、デフォーカス量測定および演算中もレンズ駆動手
段が最新の追従速度で動作するので、常に合焦状態が維
持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動焦点装置を適用した一眼レフカメ
ラの実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】同自動焦点装置の動体予測AFモード動作に入
る前のAF動作態様を示すグラフである。
【図3】同自動焦点装置の、動体予測AFモード動作に
入る前の別のAF動作態様を示すグラフである。
【図4】同自動焦点装置の、動体予測AFモード動作に
おけるAF動作態様を示すグラフである。
【図5】同自動焦点装置の、動体予測AFモード動作に
おいて行き過ぎた場合のAF動作態様を示すグラフであ
る。
【図6】被写体接近中に同動体予測AFモードで動作し
ている際にレリーズスイッチがオンされたときのAF動
作態様を示すグラフである。
【図7】被写体離反中に同動体予測AFモードで動作し
ている際にレリーズスイッチがオンされたときのAF動
作態様を示すグラフである。
【図8】本自動焦点装置のメイン動作に関するフローチ
ャートである。
【図9】同自動焦点装置の基準タイマ割り込みに関する
フローチャートである。
【図10A】
【図10B】同自動焦点装置のAF処理に関するフロー
チャートである。
【図11A】
【図11B】
【図11C】同AF処理における再積分、動体予測AF
に関するフローチャートである。
【図11D】同自動焦点装置のAFNG処理および端点
検出処理に関するフローチャートである。
【図12A】
【図12B】同AF処理におけるデフォーカス、駆動パ
ルス計算に関するフローチャートである。
【図13A】
【図13B】
【図13C】同AF処理における一定速度制御処理に関
するフローチャートである。
【図14A】
【図14B】
【図14C】同AF処理におけるデフォーカス計算、1
0bit セレクト処理およびローコン時ちらつき防止処理
に関するフローチャートである。
【図15A】
【図15B】
【図15C】同AF処理における動体追従速度、補正計
算に関するフローチャートである。
【図16】同AF処理における合焦チェック、ローコン
トラスト時ちらつき対策処理に関するフローチャートで
ある。
【図17】同AF処理における端点検出処理に関するフ
ローチャートである。
【図18】本発明の自動焦点装置の第2の動体予測AF
処理動作における被写体像位置とピント位置との関係を
示すグラフである。
【図19】同第2の動体予測AF処理動作中にレリーズ
スイッチがオンされたときの動作を示すグラフである。
【図20A】
【図20B】
【図20C】同第2の動体予測AF処理の、サブCPU
が処理する第二の動体追従スピード計算処理に関するフ
ローチャートである。
【図21A】
【図21B】同第2の動体予測AF処理におけるメイン
CPUが処理する一定速度制御に関するフローチャート
である。
【図22】同第2の動体予測AF処理における、サブC
PUが制御する積分処理に関するフローチャートであ
る。
【符号の説明】
11 カメラボディ 12 撮影レンズ 13 メインミラー 14 サブミラー 17 測光用IC 21 測距用CCDセンサユニット 23 周辺部制御用回路 25 シャッタ機構 27 絞り機構 35 メインCPU 36 サブCPU 39 AFモータ 41 エンコーダ 45 表示装置 46 電子ブザー 47 ジョイント 51 撮影レンズ 53 合焦用レンズ 55 レンズ駆動機構 61 レンズCPU

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合焦用レンズ群を有する光学系と、この
    光学系により形成される特定被写体像を所定時間積分
    し、積分結果に基づいてデフォーカス量を測定するデフ
    ォーカス量測定手段と、このデフォーカス量測定手段に
    より測定されたデフォーカス量に基づいて上記合焦用レ
    ンズ群を合焦位置まで駆動するレンズ駆動手段とを備え
    た自動焦点調節装置であって、上記デフォーカス量測定手段の上記積分間隔と各デフォ
    ーカス量に基づいて、上記特定被写体の像が上記光学系
    の光軸に沿った方向に移動している動体かどうかを判定
    する動体判定手段、 上記デフォーカス量測定手段の上記積分間隔と各デフォ
    ーカス量に基づいて、上記合焦用レンズ群が移動してい
    ない状態における上記特定被写体像の上記光学系の光軸
    に沿った移動速度および該移動速度で移動する上記特定
    被写体像を合焦位置に保持できる上記合焦用レンズ群の
    追従速度を演算する演算手段; 上記デフォーカス量測定手段および上記演算手段に上記
    デフォーカス量測定および演算処理を繰り返し実行させ
    ながら、上記積分中および上記演算中も上記レンズ駆動
    手段を駆動する制御手段;を備え、 上記制御手段は、上記動体判定手段が動体と判断する
    と、上記演算手段に上記特定被写体像の移動速度および
    追従速度を演算させ、該演算終了直後から上記演算の基
    礎となる積分間隔、積分時間の1/2の時間および演算
    時間の和の1/2の時間、上記演算で求められた追従速
    度の所定倍の速度で上記レンズ駆動手段を駆動させ、該
    所定倍の速度での駆動が終了した後は、上記デフォーカ
    ス量検出手段の積分中および上記演算手段の演算中は上
    記演算手段が算出した上記追従速度で上記レンズ駆動手
    段を駆動させること、 を特徴とする自動焦点調節装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動焦点調節装置におい
    て、上記所定倍は3倍である自動焦点調節装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の自動焦点調節装
    置において、上記制御手段は、上記積分終了後の演算中
    は直前の演算で求めた上記特定被写体像の移動速度に対
    応する追従速度で上記レンズ駆動手段を駆動する自動焦
    点調節装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の自動焦点調節装置はカメ
    ラに搭載され、上記制御手段は、該カメラのレリーズス
    イッチがオンされたときに露光開始直前まで上記被写体
    像移動速度に対応する追従速度で上記レンズ駆動手段を
    駆動する自動焦点調節装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の自動焦点調節装置におい
    て、上記動体判定手段が動体であると判定した後に測定
    したデフォーカス量の符号が反転し、かつその測定した
    デフォーカス量の絶対値が所定値以上のときには、上記
    制御手段は所定時間上記レンズ駆動手段を停止する自動
    焦点調節装置。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の自動焦点調節装置におい
    て、上記動体判定手段が動体であると判定した後に測定
    したデフォーカス量の符号が反転し、かつその測定した
    デフォーカス量の絶対値が所定値未満のときには、上記
    制御手段は、上記演算終了後にこの演算で求められた被
    写体像移動速度の所定倍に相当する追従速度で、上記演
    算時間に相当する時間だけ上記レンズ駆動手段を駆動す
    る自動焦点調節装置。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の自動焦点調節装置におい
    て、上記レンズ駆動停止後、所定時間経過後に、上記所
    定停止時間とほぼ同時間、上記被写体像移動速度に相当
    する追従速度で上記レンズ駆動手段を駆動する自動焦点
    調節装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の自動焦点調節装置におい
    て、上記所定停止時間相当分のレンズ駆動が終了した後
    の積分によるデフォーカス量の符号が反転したままで、
    かつその絶対値が所定値以上のときには、上記動体判定
    手段は上記特定被写体が動体ではないと判定する自動焦
    点調節装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の自動焦点調節装置におい
    て、上記動体判定手段が動体ではないと判定したときに
    は、上記制御手段は、上記デフォーカス量測定手段に上
    記積分を行なわせてデフォーカス量を測定させ、測定し
    たデフォーカス量に基づいて上記レンズ駆動手段を駆動
    する処理を繰り返す自動焦点調節装置。
JP12350992A 1991-05-15 1992-05-15 自動焦点調節装置 Expired - Fee Related JP3231397B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12350992A JP3231397B2 (ja) 1991-05-15 1992-05-15 自動焦点調節装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20660791 1991-05-15
JP3-206607 1991-05-15
JP12350992A JP3231397B2 (ja) 1991-05-15 1992-05-15 自動焦点調節装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05142463A JPH05142463A (ja) 1993-06-11
JP3231397B2 true JP3231397B2 (ja) 2001-11-19

Family

ID=26460411

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12350992A Expired - Fee Related JP3231397B2 (ja) 1991-05-15 1992-05-15 自動焦点調節装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3231397B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4125101B2 (ja) * 2002-12-06 2008-07-30 キヤノン株式会社 撮像装置、並びにその自動焦点調節装置及びその制御方法
WO2013136815A1 (ja) 2012-03-15 2013-09-19 パナソニック株式会社 オートフォーカス装置及び撮像装置
JP6188531B2 (ja) * 2013-10-22 2017-08-30 キヤノン株式会社 撮像装置、その制御方法およびプログラム
JP7406898B2 (ja) * 2019-08-23 2023-12-28 キヤノン株式会社 レンズ制御装置、その制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05142463A (ja) 1993-06-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5448329A (en) Focus detecting apparatus for determining whether an object is moving
JP3206980B2 (ja) 自動焦点制御装置
KR0144623B1 (ko) 자동촛점장치
US4671640A (en) Automatic focus control camera
JP3215723B2 (ja) レンズ駆動装置
JP3231397B2 (ja) 自動焦点調節装置
JP3140500B2 (ja) 焦点検出装置
JP3193404B2 (ja) カメラの自動焦点装置
JP3222497B2 (ja) 自動焦点装置
JP3140501B2 (ja) 自動焦点調節装置
JP4732065B2 (ja) オートフォーカス制御装置
US5079581A (en) Automatic focus adjusting apparatus
US5291235A (en) Automatic focusing device
JP3465330B2 (ja) マルチエリア焦点調節カメラ
JPH03212632A (ja) 自動焦点調節装置
JPH11352385A (ja) カメラのレンズ駆動制御装置
GB2286497A (en) Automatic focusing apparatus
US5878289A (en) Camera having automatic focusing system
KR0144625B1 (ko) 자동촛점장치
USRE36546E (en) Automatic focusing device
FR2684197A1 (fr) Dispositif de mise au point automatique.
JP3445311B2 (ja) 自動焦点検出装置
JP2005173258A (ja) カメラシステム
JPH06337344A (ja) 自動焦点検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080914

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090914

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090914

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100914

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110914

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees