JP3230220B2 - ブタ由来インターロイキン−18に対するモノクローナル抗体 - Google Patents
ブタ由来インターロイキン−18に対するモノクローナル抗体Info
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Description
ロイキン−18に特異的に反応するモノクローナル抗
体、該モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ、
並びに該モノクローナル抗体を利用したブタ由来インタ
ーロイキン−18の精製方法及び検出方法に関する。
8」という)は、主に活性化マクロファージから産生さ
れ、T細胞やNK細胞からのインターフェロンガンマ(IFN
-γ)の産生を誘導するサイトカインで(H.Okamura et
al., Nature,378,88-91,1995)、その免疫担当細胞から
のIFN-γの産生を誘導する生理活性を利用して、IFN-γ
誘導剤、抗ウイルス剤、抗菌剤、抗腫瘍剤、免疫調節剤
等の多様な臨床応用が期待されている。これまでに、マ
ウス(H.Okamura et al., Nature.,378,88-91,1995)、
ヒト(S.Ushio et al., J.immunol.,156,4274-4279)、
ラット(B.Conti et al., J.Biol.Chem.,272,2035-203
7)及びイヌ(F.Okano et al.,J.interferon cytokine
Res.,19, 27-32)について、それらのIL-18遺伝子の塩
基配列が報告されているが、家畜における報告はほとん
どなく、家畜へのIL-18の利用が妨げられている。
-18遺伝子の全塩基配列及びアミノ酸配列を明らかにさ
れたが(Genbank公開データAB01003)、ブタIL-18遺伝
子を用いて活性の確認された組み換え蛋白質(組換えIL
-18)の作製に成功した例はない。その理由は、ブタIL-
18は、生体内で活性のない前駆体が変換酵素(IL-beta
converting enzyme、別名caspase-1)の作用により切断
(ブタIL-18のアミノ酸配列の35-36のAsp-Tyr間でcaspa
se-1により切断)されて初めて活性を持つという特徴を
有しているため、他のサイトカインが保有するシグナル
ペプチドを有していないことにある。すなわち、ブタIL
-18はシグナルペプチドを有していないため、細胞外へ
活性型のブタIL-18を分泌させることは、大腸菌及びバ
キュロウイルスのいずれの発現系においても困難であ
る。そこで、本発明者らは、大腸菌発現系において、変
性剤による処理を行なって菌体成分とともにブタIL-18
を抽出した後、ブタIL-18に付加しておいたHisタグによ
るアフィニティー精製によりブタIL-18を精製し、活性
再生を行なったが、やはり活性型のブタIL-18を得るこ
とは困難であった。また、本発明者らは、バキュロウイ
ルス発現系において、前駆体型のブタIL-18は非常によ
く分泌されるが、活性型のIL-18は培養上清中に微量し
か分泌されないことを確認している。
性型のブタIL-18の検出・精製・中和等の手法を確立す
ることが望まれているが、ブタIL-18に特異的に反応す
るモノクローナル抗体が樹立されていない現状において
は、それらの手法を確立することは困難である。そこ
で、ブタIL-18に特異的に反応するモノクローナル抗体
を樹立し、ブタIL-18の検出・精製等の手法を確立する
ことが切望されている。
IL-18に特異的に反応するモノクローナル抗体、該モノ
クローナル抗体を産生するハイブリドーマ、並びに該モ
ノクローナル抗体を利用したブタIL-18の精製方法及び
免疫学的な検出方法を提供することにある。
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ブタIL-18を
抗原として用いて、ブタIL-18に特異的に反応するモノ
クローナル抗体を作出することに成功した。さらに、本
発明者らは、該モノクローナル抗体を利用して、ブタIL
-18と夾雑物質とを含む混合物からブタIL-18を高純度か
つ効率的に精製することに成功するとともに、該モノク
ローナル抗体を利用して、被検試料中のブタIL-18を定
性的または定量的に検出することに成功した。以上の知
見に基づいて本発明は完成されるに至った。
る。 (1)ブタ由来インターロイキン−18に特異的に反応
するモノクローナル抗体。 (2)前記(1)記載のモノクローナル抗体を産生する
ハイブリドーマ。 (3)前記(1)記載のモノクローナル抗体を利用して
ブタ由来インターロイキン−18を精製することを特徴
とする、ブタ由来インターロイキン−18の精製方法。 (4)前記(1)記載のモノクローナル抗体を利用して
ブタ由来インターロイキン−18を検出することを特徴
とする、ブタ由来インターロイキン−18の検出方法。
する。 1.本発明のモノクローナル抗体 本発明のモノクローナル抗体は、ブタ由来インターロイ
キン−18(以下、「ブタIL-18」という)に特異的に
反応し得るすべてのモノクローナル抗体を包含し、由来
動物、作出方法、イムノグロブリンクラス等は特に限定
されない。本発明のモノクローナル抗体としては、ブタ
由来インターロイキン−18に特異的に反応し、かつヒ
ト由来インターロイキン−18、マウス由来インターロ
イキン−18、ブタ由来インターロイキン−1β、ブタ
由来インターロイキン−8、ブタ由来インターロイキン
−12及びブタ由来インターフェロンγに反応しないモ
ノクローナル抗体を好ましいものとして例示でき、その
中でも、特に、受託番号がFERM P-17527、FERM P-1752
8、FERM P-17529、FERM P-17530及びFERM P-17531であ
るハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体を好ま
しいものとして例示できる。
れず、その作出方法は公知の方法(例えば、岩崎辰夫ら
著、『単クローン抗体−ハイブリドーマとELISA』、198
3年、講談社サイエンティフィック発行)に従えばよ
い。本発明のモノクローナル抗体は、例えば、次の各工
程により作出することができる。 (1)抗原の調製 (2)免疫及び抗体産生細胞の採取 (3)細胞融合 (4)ハイブリドーマの選択及びクローニング (5)モノクローナル抗体の採取 以下、各工程について説明する。
れないが、ブタIL-18をコードするDNAを利用して抗原と
するブタIL-18を調製するのが好ましい。ブタIL-18のア
ミノ酸配列は配列番号2に示す通りであり、ブタIL-18
をコードするDNAとしては、例えば、配列番号1に記載
の塩基配列からなるDNAを利用できる。ブタIL-18をコー
ドするDNAは、常法に従って化学合成することができ
る。また、ブタIL-18をコードするDNAは、ブタから採取
した肺胞マクロファージをリポ多糖(LPS)で刺激した
後、該ブタ肺胞マクロファージからmRNAを抽出し、該mR
NAを鋳型としたRT-PCR法により増幅することもできる。
この際、RT-PCR法は常法に従って行なうことができ、プ
ライマーは配列番号1に記載の塩基配列に基づいて設計
することができる。プライマーセットとしては、例え
ば、配列番号3及び4記載の塩基配列からなるプライマ
ーセット、並びに配列番号5及び6記載の塩基配列から
なるプライマーセットを使用できる。
8の調製は、例えば、ブタIL-18をコードするDNAを含む
組換えべクターを作製し、該べクターにより適当な宿主
細胞を形質転換し、該形質転換体を適当な培地で培養し
て得られる培養物を精製することにより行うことができ
る。組換えべクター及び宿主細胞としては、特に限定さ
れず公知のいかなるものを使用してもよいが、特に、組
換えバキュロウイルス及び昆虫細胞(例えば、Sf21AE細
胞、Tn5細胞)を使用するのが好ましい。形質転換体の
培養及び培養物の精製は、常法に従って行うことができ
る。抗原とするブタIL-18は、形質転換体の培養物から
精製したブタIL-18を使用してもよいし、形質転換体の
培養物を未精製のまま使用してもよい。また、ブタIL-1
8の抗原性フラグメントの精製タンパク質又は部分精製
タンパク質を抗原として使用してもよい。
アジュバンドとともに哺乳類、鳥類等に投与する。ここ
で、アジュバンドとしては、フロイント完全アジュバン
ド、フロイント不完全アジュバンド、BCG、ハンター
ズ、タイターマック、キーホールリンペットヘモシアニ
ン含有オイル等を例示でき、これらを単独で使用しても
よいし、これらの2種以上を混合して使用してもよい。
タ、ヤギ、ヒツジ、ウサギ、モルモット、ハムスター、
ラット、マウス等を使用でき、鳥類としては、ハト、ニ
ワトリ等を使用できるが、特にマウス、ラット等を使用
するのが好ましい。投与の方法としては、公知の何れの
方法を使用してもよく、例えば、静脈内投与、皮下投与
又は腹腔内投与を使用できる。抗原の免疫量は1回にマ
ウス1匹当たり、通常10〜1000μg、好ましくは100μgで
ある。免疫の間隔は、通常1〜3週、好ましくは2週であ
り、免疫の回数は、通常1〜3回、好ましくは2回であ
る。最終免疫日から2〜5日後、好ましくは3日後に、抗
体産生細胞を採集する。採取する抗体産生細胞として
は、リンパ節細胞、脾臓細胞等が挙げられるが、好まし
くは脾臓細胞である。
は、マウス、ラット、ヒト等の種々の動物に由来し、当
業者が一般に入手可能である株化細胞を使用できる。使
用する細胞株としては、薬剤抵抗性を有し、未融合の状
態では選択培地(例えば HAT培地)で生存できず、抗体産
生細胞と融合した状態でのみ選択培地で生存できる性質
を有するものが好ましい。一般的には、8‐アザグアニ
ン耐性株を使用できる。この細胞株は、ヒポキサンチン
−グアニンホスフォリボシルトランスフェラーゼを欠損
し(HGPRT-)、HAT培地で生育できない。
3Ag8U1、P3-X63Ag8、P3/NS1/1-Ag4-1、P3X63Ag8.653、S
p2/O-Ag14、Sp2/O/FO-2等のマウスミエローマ細胞株、2
10.RCY.Ag1.2.3等のラットミエローマ細胞株、SKO-007
等のヒトミエローマ細胞株等を使用できる。細胞融合
は、例えば、ミエローマ細胞と抗体産生細胞とを混合比
1:5〜1:10の割合で、RPMI1640培地等の培地中で融合
促進剤存在下、室温で2〜5分間細胞同士を接触させるこ
とによって行うことができる。この際、融合促進剤とし
ては、平均分子量1000〜5000のポリエチレングリコー
ル、ポリビニールアルコール等を使用できる。また、セ
ンダイウイルス等の融合ウイルスを使用してもよい。
ング及びクローニング 細胞融合後、ハイブリドーマを選択する。ハイブリドー
マの選択方法は、通常の方法に従えばよく、特に限定さ
れない。ハイブリドーマの選択は、例えば、ハイブリド
ーマを選択培地(例えばHAT培地)で培養することによ
り行なうことができる。この際の培養は、常法に従えば
よく、特に限定されない。通常は37℃で7〜14日間培養
すればよい。目的のモノクローナル抗体を産生するハイ
ブリドーマのスクリーニングは、例えば、ブタIL-18を
抗原としてコートしたプレートを用いた酵素抗体法によ
って行なうことができる。目的のハイブリドーマをクロ
ーニングする方法は、通常の方法に従えば良く、特に限
定されない。ハイブリドーマのクローニングは、例え
ば、限界希釈法、軟寒天法、フィブリンゲル法、蛍光励
起セルソーター法等により行なうことができる。
する方法としては、通常の細胞培養法や腹水形成法等を
用いることができる。細胞培養法においては、例えば、
ハイブリドーマを仔ブタ血清含有RPMI1640培地、MEM培
地、E-RDF培地又は無血清培地等の動物細胞培地中で、
通常の培養条件(例えば、37℃、5%C02 濃度)で3〜7日間
培養し、その培養上清から目的とするモノクローナル抗
体を取得できる。腹水形成法においては、例えば、ミエ
ローマ細胞由来の哺乳動物と同種の動物の腹腔内にプリ
スタン(2,6,10,14‐テトラメチルペンタデカン)等の
鉱物油を投与し、その後、ハイブリドーマ1×106〜1×1
07個、好ましくは2×106個を腹腔内に投与する。投与し
た哺乳動物を1〜3週間、好ましくは2週間、飼育した
後、腹水又は血清を採取することにより目的とするモノ
クローナル抗体を取得できる。
が必要とされる場合には、硫酸塩分析法、DEAE-セルロ
ース等の陰イオン交換体を利用するイオン交換クロマト
グラフィー、プロテインAセファロース等を用いるアフ
ィニティークロマトグラフィー、分子量や構造によって
ふるい分ける分子ふるいクロマトグラフィー等の公知の
方法を適宜に選択し、これらを単独で又は組み合わせて
使用することにより精製を行うことができる。抗体の精
製には、市販のキット(例えば、HitrapTM rProtein A
column, Amersham Pharmacia Biotech社製)を使用する
と便利である。採取したモノクローナル抗体が目的とす
るモノクローナル抗体であることの確認は、例えばブタ
IL-18に対するウェスタンブロット法により行なうこと
ができる。
含む試料からのブタIL-18の精製、試料中に含まれるブ
タIL-18の検出等に使用できる。ブタIL-18を含む試料か
らのブタIL-18の精製は、例えば、本発明のモノクロー
ナル抗体を固定化したカラム(例えば、HiTrapR NHS-ac
tivated column(ファルマシア社製))を用いたアフィ
ニティークロマトグラフィーによって行うことができ
る。この際使用するブタIL-18を含む試料は特に限定さ
れず、いかなる試料を使用してもよい。
えば、本発明のモノクローナル抗体を利用したウェスタ
ンブロッティング、エンザイムイムノアッセイ、免疫組
織化学染色等によって行なうことができる。なお、「ブ
タIL-18の検出」には、ブタIL-18の定性的検出及び定量
的検出の両者が含まれる。
ェスタンブロッティングは、例えば、次のようにして行
なうことができる。被検試料を例えばSDS-ポリアクリル
アミド電気泳動により分離した後、電気的にPVDF膜等に
転写する。洗浄及びブロッキング後、標識した本発明の
モノクローナル抗体を反応させる(例えば、37℃で1時
間)。次いで、免疫反応により生じた抗原抗体複合体
を、標識を指標として検出する。これにより、被検試料
中のブタIL-18定性的に検出することができる。この
際、標識としては、例えば、酵素、蛍光色素、ビオチン
等を使用することができる。酵素としては、例えば、西
洋ワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ア
ルカリホスファターゼ等が挙げられ、蛍光色素として
は、例えば、フルオレセインイソチオシアネート(FIT
C)、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRI
TC)等が挙げられる。抗原抗体複合体の検出は、標識の
種類に応じて、常法に従って行うことができる。例え
ば、標識として酵素を使用する場合には、酵素の基質を
加え、反応産物による発色や反応前後の吸光度の変化に
基づいて抗原抗体複合体を検出することができる。ま
た、標識として蛍光色素を使用する場合には、蛍光顕微
鏡等により蛍光を観察することによって抗原抗体複合体
を検出することができる。また、標識としてビオチンを
使用する場合には、酵素標識アビジンを加え、次いで酵
素の基質を加えて、反応産物による発色や反応前後の吸
光度の変化に基づいて抗原抗体複合体を検出することが
できる。
ンザイムイムノアッセイは、例えば、次のようにして行
なうことができる。本発明のモノクローナル抗体を至適
濃度に希釈して固相(例えば、市販のELISA用プレー
ト)に固定化した後、洗浄及びブロッキングする。次い
で、固相に被検試料を加えて反応させ、被検試料中のブ
タIL-18と本発明のモノクローナル抗体とを反応させる
(例えば、37℃で1時間)。次いで、免疫反応によって
生じた抗原抗体複合体に、標識した本発明のモノクロー
ナル抗体(固相に固定化したものとは別のモノクローナ
ル抗体であるのが好ましい)を反応させ、標識を指標と
して抗原抗体複合体を検出する。これにより、被検試料
中のブタIL-18を定量的に検出することができる。標識
としては、上記の酵素、蛍光色素、ビオチン等を使用で
き、標識を指標とした抗原抗体複合体の検出は、標識の
種類に応じて上記と同様に行なうことができる。
疫組織化学染色は、例えば、次のようにして行なうこと
ができる。LPSを投与したブタの各臓器を採取し、公知
の方法(例えば、「病理組織標本の作り方(第6
版)」、医学書院、慶応義塾大学医学部病理学教室編、
p27-41(1986))によりパラフィン包埋組織切片を作製
する。そして、該組織切片上に本発明のモノクローナル
抗体を感作させた後、市販の免疫組織化学染色キット
(例えば、ニチレイ社製シンプルステイン)を用いてブ
タIL-18を検出する。これにより、ブタIL-18を組織切片
(組織標本)上で検出することができる。
ば、ブタIL-18と夾雑物とを含む混合物(例えば、大腸
菌溶解物、哺乳動物細胞又は昆虫細胞発現系における培
養上清)から、ブタIL-18を簡便かつ高純度で精製する
ことができる。また、本発明のモノクローナル抗体を利
用すれば、被検試料中のブタIL-18が微量であっても、
精度よくブタIL-18を検出することができる。
に説明する。ただし、これらの実施例により本発明の範
囲が限定されるものではない。 〔実施例1〕ブタIL-18に特異的に反応するモノクロー
ナル抗体の作出 (1)ブタIL-18をコードするcDNAの調製 正常なブタから肺胞マクロファージ(AMφ)を採取し、
リポポリサッカライド(LPS)により刺激した。すなわ
ち、正常なブタの肺を無菌的に取り出し、肺内をHank's
balanced salt solution(Sigma社製)で洗浄すること
により得られる肺胞洗浄液500mlを採取した。この肺胞
洗浄液を1000rpmで10分間遠心し、ブタAMφを回収し
た。回収したAMφを10% FCS、2mM L-グルタミン、1mM
ピルビン酸ナトリウム、50U/ml ペニシリン、50μg/ml
ストレプトマイシン、50μM β-メルカプトエタノール
を含むRPMI1640培地(Sigma社製)に細胞濃度1×106 ce
lls/mlとなるように再浮遊させ、10μg/mlのLPSを加え
て、37℃、5%炭酸ガス下で24時間培養した。培養後、公
知の方法(P.Chomczynski and N.Sacci, Analytical Bi
ochem., 162,156-159,1987)によりTotal-RNAを精製し
た。このTotal-RNAの1μgを鋳型として、宝酒造社製の
市販されているキット(Takara RNA PCR kit Ver2.1)
により、添付のプロトコールに従ってcDNAを合成した。
ファー10μl、25mM dNTPミックス10μl、5 U/μlのEx T
aq DNAポリメラーゼ1μl、上記(1)で得られたcDNA 1
μl、ブタIL-18をコードするDNAの塩基配列(配列番号
1)に基づいて化学合成したプライマー(センスプライ
マー:5'-gatcggatcctactttggcaag-3'(配列番号3)及
びアンチセンスプライマー:5'-ctagctgcagcccagaaagtt
c-3'(配列番号4))を加え、滅菌蒸留水で100μlとし
た。
塩基配列中、5'末端側の「gatc」は制限酵素処理を効率
よく行なうための付加配列、下線部の「ggatcc」は制限
酵素BamHIの認識配列、「tactttggcaag」はブタIL-18遺
伝子(配列番号1)の106〜117番目と同一の塩基配列で
ある。また、アンチセンスプライマー(配列番号4)の
塩基配列中、5'末端側の「ctag」は制限酵素処理を効率
よく行なうための付加配列、下線部の「ctgcag」は制限
酵素PstIの認識配列、「cccagaaagttc」はブタIL-18遺
伝子(配列番号1)の600〜611番目と相補的な塩基配列
である。
℃で30秒間、72℃で45秒間のサイクルを30回繰り返し、
PCR反応させ、PCR産物を得た。このPCR産物とQIAGEN社
製プラスミドベクターpQE30とを制限酵素BamHI及びPstI
でそれぞれ消化し、当分野において公知の方法によって
ライゲーション及び大腸菌JM109株へのトランスフォー
メーションを行い形質転換体を得た。この形質転換体
を、100μg/ml アンピシリンを含むLB培地に接種して37
℃で18時間培養した後、プラスミドDNA(pQE30-IL-18)
をWizardR Plus Midipreps DNAPurification System(P
romega社製)で精製し、組み込まれたPCR産物の塩基配
列をThermo Sequenase fluorescent labelled primer c
ycle sequencing kit(Amersham Pharmacia Biotech社
製)により決定した。これにより、PCR産物にブタIL-18
をコードするDNA領域が含まれていることが確認され
た。
Sで洗浄後、1% Triton-Xを含むPBSに浮遊させ、超音波
破砕後、遠心分離により菌体破砕物を採取した。この菌
体破砕物を8M 尿素、0.5M NaClを含む0.05M Tris-HCl
(pH7.5)中に室温で1時間かけて溶解した後、ファルマ
シア社製Hi-TrapR Chelating Columnに負荷し、添付の
プロトコールに従って、組換えブタIL-18タンパク質を
精製し、PBSに対して透析した。なお、この精製組換え
ブタIL-18タンパク質を、実施例1(3)において免疫
原として使用するとともに、実施例3のエンザイムイム
ノアッセイにおいて使用した。
型ブタIL-18の発現 Perkinermer社製のPCR reaction tubeに、10×PCRバッ
ファー10μl、25mM dNTPミックス10μl、5 U/μlのEx T
aq DNAポリメラーゼ1μl、上記(1)で得られたcDNA 1
μl、ブタIL-18をコードするDNAの塩基配列(配列番号
1)に基づいて化学合成したプライマー(センスプライ
マー:5'-gatcagatctatggctgctgaaccggaagac-3'(配列
番号5)及びアンチセンスプライマー:5'-ctaggaattcc
tagttcttgttttgaacagt-3'(配列番号6))を加え、滅
菌蒸留水で100μlとした。
℃で30秒間、72℃で60秒間のサイクルを30回繰り返し、
PCR反応させ、PCR産物を得た。なお、センスプライマー
(配列番号5)の塩基配列中、5'末端側の「gatc」は制
限酵素処理を効率よく行なうための付加配列、下線部の
「agatct」は制限酵素BalIIの認識配列、「atggctgctga
accggaagac」はブタIL-18遺伝子(配列番号1)の1〜21
番目と同一の塩基配列である。また、アンチセンスプラ
イマー(配列番号6)の塩基配列中、5'末端側の「cta
g」は制限酵素処理を効率よく行なうための付加配列、
下線部の「gaattc」は制限酵素EcoRIの認識配列、「cta
gttcttgttttgaacagt」はブタIL-18遺伝子(配列番号
1)の559〜579番目と相補的な塩基配列である。
ベクターpVL1392とを制限酵素BglII及びEcoRIでそれぞ
れ消化し、当分野において公知の方法によってライゲー
ション及び大腸菌DH5α株へのトランスフォーメーショ
ンを行い形質転換体を得た。この形質転換体を、100μg
/ml アンピシリンを含むLB培地に接種して37℃で18時間
培養した後、プラスミドDNA(pVL1392-IL-18)をWizard
R Plus Midipreps DNA Purification System(Promega
社製)で精製し、組み込まれたPCR産物の塩基配列をThe
rmo Sequenase fluorescent labelled primer cycle se
quencing kit(Amersham Pharmacia Biotech社製)によ
り決定した。これにより、PCR産物にブタIL-18をコード
するDNA領域が含まれていることが確認された。
ldTM Linearized Baculovirus DNA(Pharmingen社製)
0.25μgとを、市販の昆虫細胞培養用培地Sf900II(GiBc
o BRL社製)100μl中で混和して溶液Aを調製した。別
に、Sf900II(GiBco BRL社製)100μlとLipofectin(Gi
Bco BRL社製)10μlとを混和して溶液Bを調製した。
溶液Aと溶液Bとを混和した後、室温で15分間静置し、
あらかじめ1×106個のSf21細胞を培養しておいた25cm2
フラスコに加えて、27℃で5時間培養した。上清を捨
て、5mlのSf900IIを加えて、さらに4日間27℃で培養
し、上清を回収した。
ているので、組換えウイルスを既知の方法(M.Brown an
d P. Faulkner, J.Gen. Virol., 36, 361-364)により
プラーククローニングし、精製組換えウイルスを得た。
精製組換えウイルスを、あらかじめ市販の昆虫細胞培養
用培地Express Five(GiBco BRL社製)中で5×106個のT
n5細胞を培養しておいた75cm2フラスコに、細胞1個あ
たり10個の組換えウイルスが感染するように加えて、27
℃で4日間培養し、培養上清中に分泌された組換えブタI
L-18を回収した。なお、この組換えブタIL-18を、実施
例1(3)のELISAにおいて使用するとともに、実施例
2のウェスタンブロッティングにおいて使用した。
ブタIL-18の発現 Perkinermer社製のPCR reaction tubeに、10×PCRバッ
ファー 10μl、25mM dNTPミックス 10μl、100μg/ml B
SA 10μl、5 U/μlのアンプリTaq DNAポリメラーゼ1μ
l、上記で調製したプラスミドDNA(pVL1392-IL-18)1
μl、ブタIL-18をコードするDNAの塩基配列(配列番号
1)に基づいて化学合成したプライマー(センスプライ
マー:5'-gatcggatcctactttggcaag-3'(配列番号3)及
びアンチセンスプライマー:5'-ctagctgcagcccagaaagtt
c-3'(配列番号4))を加え、滅菌蒸留水で100μlとし
た。
℃で30秒間、72℃で45秒間のサイクルを30回繰り返し、
PCR反応させ、PCR産物を得た。このPCR産物とPharminge
n社製プラスミドベクターpAcGP67Bとを制限酵素BamHI及
びPstIでそれぞれ消化し、当分野において公知の方法に
よってライゲーション及び大腸菌DH5α株へのトランス
フォーメーションを行い形質転換体を得た。
ンを含むLB培地に接種して37℃で18時間培養した後、プ
ラスミドDNA(pAcGP67B-IL-18)をWizardR Plus Midipr
epsDNA Purification System(Promega社製)で精製
し、組み込まれたPCR産物の塩基配列をThermo Sequenas
e fluorescent labelled primer cycle sequencing kit
(Amersham pharmacia biotech社製)により決定した。
これにより、PCR産物にブタIL-18をコードするDNA領域
が含まれていることが確認された。上記と同様の方法
により、昆虫細胞へのコトランスフェクションによる組
換えバキュロウイルスの作製、プラーククローニング、
昆虫細胞への感染による組換え蛋白の発現を行った。な
お、この組換えタンパク質を、実施例4のイムノアフィ
ニティークロマトグラフィーにおいて使用した。
生ハイブリドーマの作出 上記(2)で調製した組換えブタIL-18タンパクの濃
度を約100μg/mlに調製した後、等量のフロイント完全
アジュバントと混合し、BALB/Cマウスの腹腔内に1ml投
与した。初回免疫後、2週間目に再び、等量のフロイン
ト不完全アジュバントと混合してBALB/Cマウスの腹腔内
に1ml追加免疫した。さらに、その2週間後に再び、PBS
で100μg/mlに調整した抗原1mlを静脈内投与し、最終免
疫した。その3日後に脾臓を摘出し、脾臓細胞とP3-X63
-Ag8-U1細胞とをポリエチレングリコール法により細胞
融合させた。
マイクロプレートに1ウェルあたり0.2mlずつ分注し、3
7℃、5%炭酸ガス下で2週間培養した。増殖陽性ウェル
から培養上清を回収し、上記(1)で調製したブタIL
-18を抗原としたELISAにより、抗体産生ハイブリドーマ
をスクリーニングし、ブタIL-18に特異的に反応するハ
イブリドーマを選択した。さらに、これらの陽性ハイブ
リドーマを、当分野において公知の方法により限外希釈
を繰り返してクローニングし、ブタIL-18に特異的に反
応するモノクローナル抗体を産生する13種類のハイブリ
ドーマクローンを得た。
マクローンをそれぞれ「Anti-Po-IL-18-22B」、「Anti-
Po-IL-18-31C」、「Anti-Po-IL-18-53B」、「Anti-Po-I
L-18-2A7」、「Anti-Po-IL-18-2C4」、「Anti-Po-IL-18
-5A11」、「Anti-Po-IL-18-5C5」、「Anti-Po-IL-18-5F
6」、「Anti-Po-IL-18-7G8」、「Anti-Po-IL-18-8G1
2」、「Anti-Po-IL-18-9H6」、「Anti-Po-IL-18-11H5」
及び「Anti-Po-IL-18-12C12」と呼び、各ハイブリドー
マクローンが産生するモノクローナル抗体をそれぞれ
「2-2-B」、「3-1-C」、「5-3-B」、「2-A-7」、「2-C-
4」、「5-A-11」、「5-C-5」、「5-F-6」、「7-G-8」、
「8-G-12」、「9-H-6」、「11-H-5」及び「12-C-12」と
呼ぶ。
-18-22B、Anti-Po-IL-18-5C5、Anti-Po-IL-18-7G8、Ant
i-Po-IL-18-9H6及びAnti-Po-IL-18-12C12は、それぞれF
ERMP-17527、FERM P-17528、FERM P-17529、FERM P-175
30及びFERM P-17531として工業技術院生命工学工業技術
研究所に寄託されている(寄託日:平成11年8月25
日)。以下の表1には、各モノクローナル抗体のサブク
ラスを示す。なお、モノクローナル抗体のサブクラスは
常法により分析した。
フロイント不完全アジュバントを腹腔内投与しておいた
6週齢のBALB/Cマウスの腹腔内に2×106個/匹で投与し、
約10日間飼育した。その後、腹水を採取し、PBSで2倍
希釈した後、15000rpmで5分間遠心分離して、上清を採
取し、0.45μmのミリポアフィルターを通過させた後、
最終濃度0.5Mになるように塩化ナトリウムを添加し、Hi
trapTM rProtein A column(Amersham Pharmacia Biote
ch社製)に負荷した。添付のプロトコールに従って操作
し、各種の精製抗ブタIL-18モノクローナル抗体を得
た。これらのモノクローナル抗体の一部は、EZ-LinkTM
Sulfo-NHS-LC-Biotin(Pierce社製)を用いて、添付のプ
ロトコールに従ってビオチン化した。
よるブタIL-18の検出 実施例1(2)で調製した前駆体型ブタIL-18を含む
培養上清10μlとSDS-ポリアクリルアミド電気泳動用バ
ッファー10μlを混和して、95℃で5分間処理した後、10
0Vで90分間のSDS-ポリアクリルアミド電気泳動を行っ
た。常法に従って、PVDF膜へ転写した後、膜を3%スキ
ムミルクと0.05%Tween20を加えたTris-buffered salin
e(3%SM-TBS-tween20)中で室温で1時間浸漬してブロッ
キングを行い、実施例1(3)で得られたビオチン化モ
ノクローナル抗体1μg/mlを含む1%SM-TBS-tween20液中
に37℃で1時間浸漬した。膜を1%SM-TBS-tween20で洗浄
して、過剰の抗体を除いた後、HRP-streptoavidin(Zym
ed社製)を1%SM-TBSで1000倍に希釈した溶液中に室温で
1時間浸漬して反応させ、0.01M Tris-HCl(pH7.4)で洗
浄後、0.01%過酸化水素水と25μg/ml O-dianisidineを
含む0.01MTris-HCl(pH7.4)に浸漬して発色させた。
PAGE後にクーマシーブリリアントブルー(CBB)染色し
た結果を示し、(B)はウェスタンブロッティングによ
る分析結果を示す。(A)において、「M」は分子量マ
ーカーを表し、レーン1は前駆体型ブタIL-18を含む培
養上清の電気泳動結果を表す。また、(B)において、
「M」は分子量マーカーを表し、レーン1〜13はそれ
ぞれモノクローナル抗体2-2-B、3-1-C、5-3-B、2-A-7、
2-C-4、5-A-11、5-C-5、5-F-6、7-G-8、8-G-12、9-H-
6、11-H-5及び12-C-12を用いた結果を表し、レーン14
は抗ブタインターロイキン−8モノクローナル抗体を用
いた結果を表し、レーン15はP3U1細胞ミエローマタン
パク質を用いた結果を表す。なお、図1中の矢印は前駆
体型ブタIL-18の位置を示す。図1に示すように、実施
例1(3)で作製したモノクローナル抗体は、いずれも
ブタIL-18と特異的に反応した。これにより、ブタIL-18
に特異的に反応するモノクローナル抗体を利用すれば、
ブタIL-18を高感度に検出することができることが明ら
かとなった。
よるブタIL-18の検出 実施例1(3)で得られたモノクローナル抗体7-G-8を1
0μg/mlになるように0.05M炭酸バッファー(pH9.6)に
溶解し、96穴Maxisorp plate(Nunc社製)の各ウェルに
100μlずつ分注し、4℃で1晩静置した。プレートを0.05
%Tween20を含むPBSで洗浄後、ブロッキングバッファー
(0.8%NaCl、0.01M Na2HPO4・2H2O、0.02% KH2PO4、0.02
% KCl、0.5% BSA、pH 7.4)を各ウェルに100μlずつ分
注して、室温で1時間静置し、ブロッキングを行った。
プレートを0.05%Tween20を含むPBSで洗浄後、実施例1
(2)で得られた精製ブタIL-18を希釈バッファー
(0.8% NaCl、0.01M Na2HPO4・2H2O、0.02% KH2PO4、0.0
2% KCl、0.5% BSA、0.1% Tween20、pH 7.4)で至適濃度
(2000pg/ml、1000pg/ml、500pg/ml、250pg/ml、125pg/
ml、62.5pg/ml、31.3pg/ml、15.6pg/ml、0pg/ml)に希
釈して、各ウェルに100μlずつ分注して、37℃で1時間
静置した。
後、ビオチンで標識したモノクローナル抗体5-C-5を150
ng/mlになるように上記希釈バッファーに溶解し、各ウ
ェルに100μlずつ分注して、37℃で1時間静置した。プ
レートを0.05%Tween20を含むPBSで洗浄後、HRP-strept
oavidin(Biosource社製)を上記希釈バッファーで2500
倍に希釈し、各ウェルに100μlずつ分注して、室温で1
時間静置した。プレートを0.05%Tween20を含むPBSで洗
浄後、ペルオキシダーゼの活性をTMBZを基質として波長
450nmにおける吸光度として測定した。結果を以下の表
2に示す。
囲のブタIL-18を精度よく定量できた。これにより、ブ
タIL-18に特異的に反応するモノクローナル抗体を利用
すれば、ブタIL-18を精度よく定量できることが明らか
となった。
トグラフィーによるブタIL-18の精製 (1)精製したモノクローナル抗体2-2-Bを市販のHiTra
pR NHS-activated column(Pharmacia Biotech社製)
に、添付のプロトコールに従って結合させ、100mMTris-
HCl (pH8.0)で洗浄後、実施例1(2)で調製したブ
タ活性型IL-18を含む昆虫細胞の培養上清500mlを供与し
た。100mM Tris-HCl(pH8.0)で洗浄後、0.5M NaClを含む
100mM Glycine-HCl(pH2.7)で溶出し、1M Tris-HCl(p
H9.0)でpHを中性付近に戻した。溶出画分を実施例2に
示す方法で、SDS-ポリアクリルアミド電気泳動及びウェ
スタンブロッティングにより分析したところ(図2)、
純度約85%のブタIL-18が50μg得られた。
た結果を示し、(B)はウェスタンブロッティングによ
る分析結果を示し、(C)はデンシトメーターによる分
析結果を示す。(A)において、「M」は分子量マーカ
ーを表し、レーン1は野生株バキュロウイルス感染昆虫
細胞培養上清の電気泳動結果を表し、レーン2は活性型
ブタIL-18組換えバキュロウイルス感染昆虫細胞培養上
清の電気泳動結果を表し、レーン3は抗ブタインターロ
イキン−18モノクローナル抗体結合カラム溶出画分の
電気泳動結果を表す。また、(B)において、レーン1は
野生株バキュロウイルス感染昆虫細胞培養上清を用いた
結果を表し、レーン2は活性型ブタIL-18組換えバキュ
ロウイルス感染昆虫細胞培養上清を用いた結果を表し、
レーン3は抗ブタインターロイキン−18モノクローナ
ル抗体結合カラム溶出画分を用いた結果を表す。なお、
図2中の矢印はブタ活性型IL-18の位置を示す。
反応するモノクローナル抗体を利用すれば、ブタIL-18
を簡便かつ高純度で精製できることが明らかとなった。 (2)上記(1)で精製したブタIL-18の生物活性の検
定は、公知の方法(S.Ushio et al., J.Immunol., 156,
4274-4279)に従って行った。すなわち、健康なブタの
末梢血20mlから、公知の方法(J.Coligan et al., Curr
ent Protocols inImmunology, 7.1.2-7.1.5)に従ってF
icoll-Hypaque(Pharmacia Biotech社製)を用いて単核
球を分離・回収した。回収した単核球を10% FCS、2mM L
-グルタミン、1mM ピルビン酸ナトリウム、50U/ml ペニ
シリン、50μg/ml ストレプトマイシン、50μM β-メル
カプトエタノールを含むRPMI1640培地(Sigma社製)に
細胞濃度2×106cells/mlとなるように再浮遊させ、0.1
μg/mlの抗ブタCD3抗体(VMRD社製)及び0.5μg/mlのCo
ncanavalin A(Sigma社製)の存在下、並びに抗ブタCD3
抗体(VMRD社製)及びConcanavalin Aの不存在下におい
て、各種濃度(3000ng/ml、1500ng/ml、750ng/ml、375n
g/ml、187.5ng/ml、93.8ng/ml、46.9ng/ml、23.4ng/m
l、11.7ng/ml、5.9ng/ml、2.8ng/ml、0ng/ml)の精製ブ
タIL-18を加えて、37℃で24時間培養し、培養上清中の
ブタインターフェロンガンマの濃度をブタインターフェ
ロンガンマELISAキット(Biosource International 社
製)を用いて測定した。
製された活性型ブタIL-18は、抗ブタCD3抗体及びConcan
avalin Aの存在下では、ブタ末梢血単核球からのインタ
ーフェロンガンマの産生を用量依存的に誘導した。一
方、精製された活性型ブタIL-18は、抗ブタCD3抗体及び
Concanavalin Aの不存在下では、ブタ末梢血単核球から
のインターフェロンガンマの産生を誘導しなかった。こ
の結果から、精製された活性型ブタIL-18が、実際にIL-
18活性を有していることが判明した。
IL-18の検出 組織切片上での免疫組織化学染色によるブタIL-18の検
出を以下のように行なった。0.3mg/kg体重のLPSを投与
してエンドトキシンショックを起こさせたブタから肝臓
を採取し、公知の方法(「病理組織標本の作り方(第6
版)」、医学書院、慶応義塾大学医学部病理学教室編、
p27-41(1986))によりホルマリン固定及びパラフィン
包埋・薄切を行ない、組織標本を作製した。この組織標
本に抗原賦活化処理として、0.1% トリプシン処理を39
℃で1時間行なった後、実施例1(3)で得られたモノ
クローナル抗体9-H-6又は12-C-12を100μg/mlで、4℃、
20時間感作させ、市販のキット(ニチレイ社製シンプル
ステイン)を用いてプロトコールに従って発色させた。
したブタから肝臓を採取し、上記と同様に免疫組織化学
染色を行なった。結果を図4に示す。図4中、(A)は
LPS投与のブタの肝臓を用いた場合の結果を示し、
(B)は生理食塩水のみを投与したブタの肝臓を用いた
場合の結果を示す。この結果から、本発明のモノクロー
ナル抗体を用いた免疫組織化学染色によって、ブタIL-1
8を組織標本上で高感度に検出できることが明らかとな
った。
タサイトカイン及びヒト・マウスIL-18との交差反応性 実施例3に示したモノクローナル抗体7-G-8及び5-C-5を
用いたサンドウィッチエンザイムイムノアッセイを行な
い、モノクローナル抗体の交差反応性を検討した。エン
ザイムイムノアッセイでは、実施例1(2)で得られ
た精製ブタインターロイキン−18、ブタインターロイ
キン−1β(Biosource社製)、ブタインターロイキン
−8(Biosource社製)、ブタインターロイキン−12
(Endogen社製)、ブタインターフェロンγ、ヒトイン
ターロイキン−18(MBL社製)及びマウスインターロ
イキン−18(MBL社製)を各1ng/ml(1000pg/ml)とな
るように希釈バッファーで希釈して用いた。結果を以下
の表3に示す。なお、表3に示す吸光度(O.D.)は、4
回の実験で得られた平均値±標準偏差である。
G-8及び5-C-5を用いたサンドウィッチエンザイムイムノ
アッセイでは、ブタインターロイキン−18は検出でき
たが、ブタインターロイキン−1β、ブタインターロイ
キン−8、ブタインターロイキン−12、ブタインター
フェロンγ、ヒトインターロイキン−18及びマウスイ
ンターロイキン−18は検出できなかった。この結果か
ら、実施例1(3)で得られたモノクローナル抗体は、
ブタインターロイキン−1β、ブタインターロイキン−
8、ブタインターロイキン−12、ブタインターフェロ
ンγ、ヒトインターロイキン−18及びマウスインター
ロイキン−18とは交差反応せず、ブタインターロイキ
ン−18に特異的に反応することが確認された。
応するモノクローナル抗体及び該モノクローナル抗体を
産生するハイブリドーマが提供される。本発明のモノク
ローナル抗体を利用したウェスタンブロット及びELISA
等の方法により、ブタIL-18の検出、精製、定量等が可
能となる。従って、本発明のモノクローナル抗体は、ブ
タにおける様々な疾患におけるIL-18の関与を研究する
上で極めて有用である。本発明のモノクローナル抗体
は、例えば、遺伝子工学的手法を用いて作製したブタ組
み換えIL-18蛋白質の検出や大量精製に利用できる。ま
た、本発明のモノクローナル抗体を利用すれば、組織切
片上でのブタIL-18の抗体による検出が可能となり、種
々のブタの病態における本サイトカインの役割が明らか
となる。さらに、精製されたブタIL-18及び中和抗体を
利用してブタIL-18の関与する種々の疾病や病態の制御
や治療あるいはブタの種々の病原体に対する生体防御能
を増強することが可能となる。
検出結果を示す図である。
るブタIL-18の精製結果を示す図である。
を示す図である。
を示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 ブタ由来インターロイキン−18に特異
的に反応し、ヒト由来インターロイキン−18との交差
反応性を示さないことを特徴とするモノクローナル抗
体。 - 【請求項2】 受託番号がFERM P-17527、FERM P-1752
8、FERM P-17529のいずれかであるハイブリドーマより
産生される、請求項1記載のモノクローナル抗体。 - 【請求項3】 請求項1記載のモノクローナル抗体を産
生するハイブリドーマ。 - 【請求項4】 前記ハイブリドーマの受託番号がFERM P
-17527、FERM P-17528、FERM P-17529のいずれかであ
る、請求項3記載のハイブリドーマ。 - 【請求項5】 請求項1または2記載のモノクローナル
抗体を利用してブタ由来インターロイキン−18を精製
することを特徴とする、ブタ由来インターロイキン−1
8の精製方法。 - 【請求項6】 請求項1または2記載のモノクローナル
抗体を利用してブタ由来インターロイキン−18を検出
することを特徴とする、ブタ由来インターロイキン−1
8の検出方法。
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---|---|---|---|
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9376489B2 (en) | 2012-09-07 | 2016-06-28 | Novartis Ag | IL-18 binding molecules |
CN110746501A (zh) * | 2019-11-11 | 2020-02-04 | 南京农业大学 | 猪白细胞介素11在抵抗猪流行性腹泻病毒感染中的用途 |
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JP5219048B2 (ja) * | 2008-09-17 | 2013-06-26 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 | 抗豚インターロイキン−18抗体を用いた動物のストレス評価方法 |
-
1999
- 1999-10-07 JP JP28736799A patent/JP3230220B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
Journal of Immunological Methods,1997年,第206巻,p.107−113 |
日本獣医学会講演要旨集、1998年、第126巻、p.152 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9376489B2 (en) | 2012-09-07 | 2016-06-28 | Novartis Ag | IL-18 binding molecules |
CN110746501A (zh) * | 2019-11-11 | 2020-02-04 | 南京农业大学 | 猪白细胞介素11在抵抗猪流行性腹泻病毒感染中的用途 |
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