JP3229840B2 - エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置 - Google Patents

エアバッグ用ガス発生器及びエアバッグ装置

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JP3229840B2
JP3229840B2 JP20588197A JP20588197A JP3229840B2 JP 3229840 B2 JP3229840 B2 JP 3229840B2 JP 20588197 A JP20588197 A JP 20588197A JP 20588197 A JP20588197 A JP 20588197A JP 3229840 B2 JP3229840 B2 JP 3229840B2
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gas
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housing
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信行 勝田
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車などにおい
て、側面衝突に対する保護も含めて、運転者と乗員の保
護を強化するためのエアバッグ用ガス発生器及びこれを
使用するエアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のエアバッグ用ガス発生器は比較的
複雑な構造であり、例えば、一体に形成及び/又は溶接
した内部仕切によって内部点火室、燃焼室及びフィルタ
室を規定した鋳造ハウジングの如き構造を有する。さら
に、クーラント構造、例えば熱伝導材料などで形成した
フィルタは多くの場合、これらのガス発生構造内部に発
生した温度及び圧力に耐えるようにするため上記の如き
構造の複雑さを必要とする。
【0003】このような多くの従来のガス発生器はアジ
化ナトリウムを主体とする材料の様なアジド化合物を主
成分とするガス発生剤を用いるが、これらは比較的高い
燃焼速度と望ましくない毒性レベルを有し、ミストや灰
分のような燃焼生成物が付随する。
【0004】従って、従来技術においては、より簡単な
ガス発生器構造に対する必要性が存在し、例えば、金属
シートより形成し、一部が改良されたクーラント/フィ
ルタ構造によって形成された内部室を有し、燃焼速度、
発生ガス量、内部圧力と内部温度を調整できるような非
アジドガス発生剤を利用し、エアバッグ用ガス発生器の
効率を増大し、他方、大きさと価格を減少させ、そして
望ましくないミストや灰分のような燃焼生成物の量を減
少させたものが望まれてきた。
【0005】アジド化合物をベースとするガス発生材料
(例えばNaN3/CuO)は70kg/cm2の圧力下で約45
〜50mm/秒という比較的高い線燃焼速度を有する。アジ
ド化合物ベースのガス発生材料は、この比較的高い線燃
焼速度のため、優れた形状保持性能をもつ比較的大きな
ペレット又は円板形状片の形でさえ、例えば運転者席用
エアバッグガス発生器において使用されるとき、40〜60
ミリ秒の完全燃焼時間という要求特性を満足させ得る。
【0006】非アジドガス発生材料は、環境に対する影
響及び乗員の安全という点で優秀であることで発展して
きた。しかしながら、かかる材料は一般に30mm/秒より
小さい線燃焼速度を有する。もし線燃焼速度が約20mm/
秒であり、ガス発生材料が直径2mmのペレット又は2mm
厚みの円板の形で製造されると仮定すれば、燃焼時間は
約100ミリ秒であり、これは40〜60ミリ秒という望まし
い燃焼時間を満足させ得ない。望ましい燃焼時間を得る
ための線燃焼速度が約20mm/秒であるとき、材料のペレ
ットの直径又は円板の厚さは約1mmであることを要す
る。線燃焼速度が10mm/秒より小さいときは、ガス発生
材料の円板は0.5mm又は以下の厚さをもつことを要す
る。それ故、工業的に安定で長時間の自動車の振動に耐
える様なペレット又は円板の形状でガス発生材料を製造
することは実際上不可能である。それ故望ましい要求性
能に合致するエアバッグ用ガス発生器を提供することは
困難であった。
【0007】従来のガス発生器として、特開平7−47
911号公報に開示されるものがある。これを図9に示
す。このガス発生器は、外周壁に多数のガス流出口49
を有する上部シェル40と、下部シェル41の外周縁が
電子ビーム溶接により接合されて内部に収容空間が形成
され、その収容空間の中心部に点火室42が形成され、
その点火室42の外周に同心状に燃焼室43が形成され
る。点火室42にはスクイブ44が収納され、燃焼室4
3にはガス発生剤45とフィルタ46が収納されてい
る。上部シェル40と一体の円筒体47と、下部シェル
41と一体の円筒体48とが互いに螺合固定されてい
る。フィルタ46は、ガス発生剤45の燃焼により発生
する燃焼ガスがフィルタ46を通過する間に燃焼ガスの
冷却及び燃焼残渣の捕集を果たす。フィルタ46の外周
面は、上下シェル40及び41の内周面に当接してい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のガス発生器
においては、フィルタ46の外周面が上下シェル40及
び41の内周面に当接しているために、フィルタ46に
入る燃焼ガスは、ガス流出口49に向かって進み、フィ
ルタの下端部の領域A、及び上端部の領域Bを通過しな
いで抜け出てしまう虞がある。そのために、フィルタの
有効利用と燃焼ガスの効果的な冷却・浄化が達成されな
いなどの問題点を有している。
【0009】他の例としてガス発生器のクーラントは、
例えばストリップ状の金網を筒状に多重に巻回したもの
からなり、ガス発生器の燃焼室で発生した燃焼ガスがそ
こを通過する間に、燃焼ガスの冷却を果たすと共に、比
較的大きな燃焼残渣の捕集も果たすものである。図12
にZanderらの米国特許4,902,036に示されたものに似た
クーラントを備えたガス発生器の一例を示す。このガス
発生器は、ガスの排出口230を有するハウジング23
1と、このハウジング231内の中央部に画成される点
火手段収容室232と、この点火手段収容室232の外
側に画成される燃焼室233と、この燃焼室233の外
側に画成されるクーラント/フィルタ室234とを有し
ている。そして、点火手段収容室232には点火手段、
すなわち点火器235及び伝火薬236が配設され、燃
焼室233には点火手段により点火されてガスを発生す
るガス発生剤237を充填するキャニスタ238が配設
され、クーラント/フィルタ室234には燃焼室233
で発生した燃焼ガスの冷却を果たすクーラント239、
及び燃焼ガスの浄化を果たすフィルタ240が配設され
ている。燃焼室233は、燃焼ガスの噴出口244を備
え底部に中央孔245を有するカップ状のコンバスタカ
ップ243により画成され、またクーラント/フィルタ
室234は、リテーナ242により上段の室と下段の室
に仕切られ、上段の室にはフィルタ240が、下段の室
にはクーラント239がそれぞれ配設されている。
【0010】そして、センサ(図示せず)が衝撃を感知
するとその信号が点火器235に送られて点火器235
が作動し、これにより伝火薬236が着火して高温・高
圧の火炎が生成される。この火炎は、開口241を通り
キャニスタ238の壁を破り内部のガス発生剤237に
点火する。これによりガス発生剤237が燃焼してガス
を生成し、このガスはコンバスタカップ243の噴出口
244より噴出し、クーラント239を通過する間に冷
却され、また比較的大きな燃焼残渣が捕集され、更にフ
ィルタ240を通過する間に残りの燃焼残渣が捕集さ
れ、冷却、浄化されたガスがガスの排出口230を経て
エアバッグ(図示せず)内に流入するようになってい
る。これによりエアバッグが膨張して乗員と硬い構造物
の間にクッションを形成し、衝撃から乗員を保護する。
【0011】従来のクーラントは、その空隙構造が単純
であるために、微細な燃焼残渣を効果的に捕集すること
に関し、なお問題がある。そのために、クーラントと別
個にフィルタを必要とする。また、従来のクーラント
は、圧力損失が小さい(ガスの透過性が良い)ために、
クーラントにより圧力室、例えば燃焼室を画成すること
が困難である。そのために、クーラントと別個に燃焼室
画成部材、例えば上記コンバスタカップ、コンバッショ
ンリングなどを必要とする。
【0012】従って、従来のクーラントを備えるガス発
生器においては、部品点数が増加し、またガス発生器の
径が拡大し、そのためにガス発生器の大型化、重量化を
招く結果となっている。
【0013】更に、従来のクーラントは、かさ密度(成
形体などの質量をそのかさ体積で割った値)が小さいた
めに、クーラントにより圧力室を画成することが困難で
あると共に、クーラントの保形強度が小さく、そのため
にガス圧を受けたときに変形し易く、クーラントの変形
は燃焼残渣の捕集に悪影響を与える。
【0014】又衝突の衝撃から乗員を保護する目的で自
動車に装着されるエアバッグ装置は、センサ、コントロ
ールユニット、及びパッドモジュールなどから構成され
る。パッドモジュールは、例えばステアリングホイール
に取り付けられ、モジュールカバー、エアバッグ、及び
ガス発生器から主として構成される。ガス発生器は、ハ
ウジングと、このハウジング内に配設される点火手段
と、この点火手段により点火されて燃焼ガスを発生する
ガス発生手段と、このガス発生手段の周囲に配設されガ
ス発生手段の燃焼ガスが通過する間に燃焼ガスの冷却及
び燃焼残渣の捕集を果たすクーラント・フィルタを備え
ている。そして、衝撃により点火手段が作動し、これに
よりガス発生手段が燃焼して高温・高圧のガスを発生す
る。発生したガスはクーラント・フィルタにより冷却・
浄化され、冷却・浄化されたガスはエアバッグ(袋体)
内に噴出する。これによりエアバッグはモジュールカバ
ーを破って膨出しステアリングホイールと乗員の間に衝
撃を吸収するクッションを形成するようになっている。
【0015】エアバッグ装置のパッドモジュールは、通
常の運転に際して邪魔にならない程度の大きさであるこ
とが必須の要件である。そのためにパッドモジュールに
含まれるガス発生器は、可能な限り小型・軽量であるこ
とが望ましい。ガス発生器の小型・軽量化を達成するた
めに、ガス発生器のハウジングを可能な限り薄肉にする
ことに対する強い要請がある。
【0016】ガス発生器のハウジングを薄肉にした場
合、ガス発生器の作動時に燃焼ガスの圧力によりガス発
生器のハウジングが変形し、ハウジング内のクーラント
・フィルタにおいて、クーラント・フィルタの端面と、
これに当接するハウジング内面間で隙間が生じ、この隙
間を通り燃焼ガスがクーラント・フィルタを通過せずに
抜け出てしまう、いわゆるショートパスの問題が生じる
虞がある。ショートパスが生じると、冷却・浄化されな
いガスがエアバッグ内に噴出してエアバッグが損傷を受
ける虞がある。
【0017】本発明の目的は、上記従来技術の有する問
題点を解消する新規なエアバッグ用ガス発生器構造を提
供することである。
【0018】本発明の他の目的は、ガス発生剤を含むガ
ス発生器中での燃焼室の外周境界を区画したクーラント
/フィルタを使用した改良されたエアバッグ用ガス発生
器構造を提供することである。
【0019】本発明の他の目的は、非アジドガス発生剤
を利用した改良された比較的簡単なエアバッグ用ガス発
生器構造を提供することである。
【0020】本発明のさらに他の目的は、非アジドガス
発生剤を使用した改良された比較的簡単なエアバッグ用
ガス発生器構造及び非アジドガス発生剤を含むガス発生
器内での燃焼室の外周境界を区画する改良されたクーラ
ント/フィルタ構造を提供することである。
【0021】本発明のさらに他の目的は、改良された比
較的簡単なエアバッグ用ガス発生器構造であって、該構
造の外側ハウジングとその外側ハウジングの内部に燃焼
室の外周を区画する内部クーラント/フィルタ構造の間
での改良された組合わせを含むものを提供することであ
る。
【0022】本発明のさらに他の目的は、本発明の構
造、要素及び/またはガス発生剤を使用した運転者用、
乗員用、側面衝突用のエアバッグ用ガス発生器構造及び
システムを提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明のエアバッグ用ガ
ス発生器は、複数個のガス排出口を有するハウジング
と、前記ハウジング内に配設される点火手段と、前記ハ
ウジング内に配設され前記点火手段により点火されて燃
焼ガスを発生するガス発生手段と、前記ガス発生手段を
収容する燃焼室を画成し前記燃焼ガスの冷却及び燃焼残
渣の捕集を果たすフィルタ手段とを含み、前記フィルタ
手段は、その外周が前記ハウジングの外周壁内面と対向
し且つ両者の間に間隙を形成する様配設され、前記間隙
は、前記燃焼ガスが前記フィルタ手段の全面を通過する
に必要なガス通路を形成することを特徴とする。
【0024】そして、ガス発生器作動時に於いて前記ガ
ス通路が確保されるガス通路確保手段を含むことが好ま
しい。
【0025】前記ハウジングの一つの好ましい態様は、
加工された孔部を有しない円形部と、該円形部の外周部
に形成され前記ガス排出口を有する周壁部と、該周壁部
の先端部に半径方向外側に延在するフランジ部とを有す
るディフューザシェルと、該ディフューザシェルと共に
空間を形成し、円形部と、該円形部の中央部に形成され
る中央孔及び該円形部の外周部に形成される周壁部と、
該周壁部の先端部に半径方向外側に延在するフランジ部
とを有するクロージャシェルからなり、前記点火手段
は、前記クロージャシェルの中央孔に配設される。
【0026】また、前記ハウジングの他の好ましい態様
は、前記ガス排出口を有する円筒状部と、該円筒状部の
両端部に配設される側壁部からなり、前記点火手段は、
前記両側壁部のいずれか一方に配設される。
【0027】前記ガス通路確保手段は、前記フィルタ手
段の膨出を抑止する抑止手段からなることが好ましい。
【0028】前記抑止手段は、前記フィルタ手段の外周
面に嵌合する多孔円筒体から構成したり、またフィルタ
手段の外側に形成される金網層或いはベルト状抑止層か
らなることができる。
【0029】前記間隙は、1.0〜4.0mmの大きさを
有することが好ましい。
【0030】また、前記フィルタ手段は円筒形状の積層
金網体からなり、該金網体の内側空間に前記ガス発生手
段が収容されることが好ましい。
【0031】本ガス発生器において、フィルタ手段とハ
ウジングの外周壁間に形成される上記間隙は、ガス通路
として機能し、このガス通路の存在により、燃焼ガスは
フィルタ手段の全領域を通過しガス通路に向かって進
み、これによりフィルタ手段の有効利用と燃焼ガスの効
果的な冷却・浄化が達成される。冷却・浄化された燃焼
ガスは、上記ガス通路を通ってハウジングのガス排出口
に至る。この間隙のより好ましい大きさは、1.0〜
3.0mmとする。この間隙は、基本的にはフィルタ手段
の外周とハウジングの外周壁内面の間をいうが、フィル
タ手段に上記抑止手段が備わるときは、この抑止手段の
外周とハウジングの外周壁内面の間をいう。
【0032】上記ハウジングは、ディフューザシェルと
クロージャシェルからなることができる。ディフューザ
シェルとクロージャシェルは、それぞれ、厚さ1.2〜
3.0mmのステンレス鋼板からなり、45〜75mm
の外径を有することができる。本ガス発生器において、
少なくともディフューザシェル側にフランジを有するこ
とが好ましい。このフランジは、ガス発生器を含むパッ
ドモジュールを固定する支持部材の下側に位置するの
で、万が一溶接部が破損してもエアバッグ側、すなわち
乗員側に危害が及ぶ虞はない。ディフューザシェルとク
ロージャシェルを各種溶接法、例えば電子ビーム溶接、
レーザ溶接、ティグ溶接、プロゼクション溶接などによ
り接合することができる。ディフューザシェルとクロー
ジャシェルの材料に関し、ステンレス鋼板に代わり鋼板
にニッケルメッキを施したものを使用してもよい。ディ
フューザシェルのガス排出口を、1.5〜4.5mmの
直径とし、合計16〜24個周方向に配置することがで
きる。また、ハウジングの全高(ディフューザシェルの
上面からクロージャシェルの底面までの高さ)を25〜
40mmとすることが好ましい。
【0033】本発明のエアバッグ用ガス発生器は、複数
個のガス排出口を有するハウジングと、前記ハウジング
内に配設される点火手段と、前記ハウジング内に配設さ
れ前記点火手段により点火されて燃焼ガスを発生するガ
ス発生手段と、前記ガス発生手段の周囲に配設され前記
燃焼ガスの冷却及び燃焼残渣の捕集を果たすフィルタ手
段と、前記フィルタ手段の端面とこれに当接する前記ハ
ウジングの内面間の前記燃焼ガスのショートパスを防止
するショートパス防止手段とを含む。
【0034】そして、前記ショートパス防止手段は、前
記フィルタ手段の端部開口を塞ぐ円形部と該円形部と一
体に形成され前記フィルタ手段の内周面に当接する周壁
部とからなるプレート部材からなることが好ましい。
【0035】前記プレート部材は、その円形部に前記点
火手段を収容する点火手段収容室の外周壁に嵌合する中
央孔を有することができる。
【0036】前記ハウジングの一つの好ましい態様は、
加工された孔部を有しない円形部と、該円形部の外周部
に形成され前記ガス排出口を有する周壁部と、該周壁部
の先端部に半径方向外側に延在するフランジ部とを有す
るディフューザシェルと、該ディフューザシェルと共に
空間を形成し、円形部と、該円形部の中央部に形成され
る中央孔及び該円形部の外周部に形成される周壁部と、
該周壁部の先端部に半径方向外側に延在するフランジ部
とを有するクロージャシェルからなり、前記点火手段
は、前記クロージャシェルの中央孔に配設される。
【0037】また、前記ハウジングの他の好ましい態様
は、前記ガス排出口を有する円筒状部と、該円筒状部の
両端部に配設される側壁部からなり、前記点火手段は、
前記両側壁部のいずれか一方に配設される。
【0038】本発明の一つの好ましい態様においては、
前記ハウジングの外周壁と前記フィルタ手段間にガス発
生器の中心軸に対し傾斜するハウジングの内周面が形成
される。
【0039】また、本発明の一つの好ましい態様におい
ては、前記フィルタ手段の少なくとも一方の端面が溶接
により前記ハウジングの内面に固定される。
【0040】上記ショートパス防止手段はプレート部材
からなることができ、このプレート部材は、円形部と、
これと一体の周壁部からなる。円形部はフィルタ手段の
端部開口を塞ぎ、また周壁部はフィルタ手段の内周面に
当接する。燃焼ガスの圧力を受けてハウジングが上下方
向に変形するとき、上記円形部もガス圧により上下方向
に移動し、このとき上記周壁部はフィルタ手段の内周面
上を摺動する。または、上記プレート部材を延性を有す
る薄板で構成した場合、燃焼ガスの圧力を受けてハウジ
ングが変形するとき、上記円形部及び周壁部も変形して
ハウジングの内面及びフィルタ手段の内周面に密接す
る。このようにして、ハウジングの変形により、仮にフ
ィルタ手段端面とハウジング内面間で隙間が生じても、
上記プレート部材によりショートパスが防止される。
【0041】プレート部材はその円形部に中央孔を有
し、この中央孔は前記点火手段を収容する点火手段収容
室の外周壁に嵌合する、ようにすることができる。これ
によりプレート部材が外周壁に固定され、このプレート
部材はフィルタ手段の位置決め部材としても機能するこ
とができる。
【0042】フィルタ手段の位置決め手段として、ハウ
ジングの外周壁とフィルタ手段間にガス発生器の中心軸
に対し傾斜するハウジングの内周面を形成することがで
きる。上記内周面はフィルタ手段の周囲にすり鉢状の面
を形成し、フィルタ手段の半径方向移動を阻止する。
【0043】上記プレート部材は、フィルタ手段の両方
の端部に配設することができ、またいずれか一方の端部
に配設することができる。一方の端部のみに配設した場
合は、ショートパスを防止するために、プレート部材が
配設されない側のフィルタ手段端面を溶接によりハウジ
ングの内面に固定することができる。
【0044】上記プレート部材を厚さ0.5〜1.0m
mのステンレス鋼板、鋼板などからプレス成形すること
ができる。
【0045】フィルタ手段とハウジングの外周壁間に間
隙を形成し、この間隙によりフィルタ手段の周囲にガス
通路を形成することができる。このガス通路の存在によ
り、燃焼ガスはガス通路に向かって進みフィルタ手段の
全領域を通過し、これによりフィルタ手段の有効利用と
燃焼ガスの効果的な冷却・浄化が達成される。
【0046】フィルタ手段はまた、その内側又は外側に
積層金網体からなる層を有する二重構造とすることがで
きる。内側の層は、フィルタ手段に向け噴出される点火
手段の火炎、及びこの火炎により点火されて燃焼するガ
ス発生手段の燃焼ガスに対しフィルタ手段を保護するフ
ィルタ手段保護機能を有することができる。また外側の
層は、ガス発生器作動時にガス圧によりフィルタ手段が
膨出して上記間隙を塞ぐことのないように、フィルタ手
段の膨出を抑止する抑止手段として機能することができ
る。
【0047】本発明のエアバッグ用ガス発生器は、金属
板をプレス成形してなりガスの排出口を有するディフュ
ーザシェルと、金属板をプレス成形してなり中央孔を有
するクロージャシェルからなるハウジングと、管よりな
り前記中央孔と同心に配置され点火手段用中空室を形成
する前記ハウジング内の中央筒部材と、前記中央筒部材
を取り囲んで配設されガス発生手段用燃焼室を画成し常
温において流量100l/min/cm2で0.3×1
-2〜1.5×10-2kg/cm2の圧力損失を有し燃
焼ガスの冷却及び燃焼残渣の捕集を果たすクーラント/
フィルタを含み、衝撃により前記燃焼室で発生するガス
をエアバッグ内に導入して衝撃から乗員を保護するもの
である。
【0048】本発明のガス発生器の一つの好ましい態様
は、ディフューザシェルと、クロージャシェルと、中央
筒部材と、そしてクーラントを含む。これら4つの部材
は別個に製造される。すなわち、ディフューザシェルと
クロージャシェルは、板をプレス成形してなり、中央筒
部材は、好ましくは、板を管状に丸めて溶接した管より
なり、そしてクーラント/フィルタは、好ましくは、平
編の金網を半径方向に重ね半径方向及び軸方向に圧縮成
形したものよりなる。
【0049】従来はディフューザシェルの円形部に一体
形成されていた中央筒部を分離することにより、ディフ
ューザシェルの形状が単純化される。また、中央筒部を
分離することにより、中央筒部の容積をディフューザシ
ェルと別個に必要に応じて自由に変更することができ
る。中央筒部材は、単独で例えばUOプレス方式を利用
して安価に製造することができる。そのような溶接パイ
プはUOプレス方式(板をU型に成形し、次にO型に
し、継ぎ目を溶接する工程を含む)または電子抵抗溶接
法(板をシリンダーに巻き、圧力を継ぎ目にかけながら
大電流を通して抵抗熱で継ぎ目を溶接する工程を含む)
で作ることができる。
【0050】ディフューザシェルとクロージャシェルを
プレス加工により成形することにより、ディフューザシ
ェルとクロージャシェルの製造が容易になると共に、製
造コストの低減も達成される。
【0051】ガス発生器構造の他の態様はハウジングの
中央に位置し、クーラント/フィルタとハウジングによ
り区画された燃焼室内でクロージャーシェルに取り付け
た点火缶の使用により中央筒を省略する。本明細書に於
てクーラント/フィルタとは、好ましくは非アジドガス
発生剤により発生されたガスを冷却すること及び濾過す
ることという2重の機能をよりよく述べるためのクーラ
ント/フィルタ構造または装置をさすものである。
【0052】好ましい態様に於いてクーラント/フィル
タ構造を通る圧力損失は、好ましくは、常温において流
量100l/min/cm2で0.5×10-2〜1.2
×10-2kg/cm2とする。より好ましくは、常温に
おいて流量100l/min/cm2で0.7×10-2
〜0.9×10-2kg/cm2とする。
【0053】本ガス発生器に好適の固体のガス発生手段
として、NQ/Sr(NO32/CMCからなるペレッ
ト状ガス発生剤がある。これは、NQ(ニトログアニジ
ン)32.4重量%、Sr(NO32(硝酸ストロンチ
ウム)57.6重量%、CMC(カルボキシメチルセル
ロース)10重量%の混合物である。NQは燃料として
作用し、Sr(NO32は酸化剤として作用し、そして
CMCはバインダーとして作用する。
【0054】固体ガス発生剤は好ましくは70kg/c
2の圧力下で5〜30mm/秒の線燃焼速度を有し、
より好ましくは5〜15mm/秒である。
【0055】ディフューザシェルとクロージャシェル
は、それぞれ、厚さ1.2〜3.0mmのステンレス鋼
板からなり、ディフューザシェルは45〜75mmの外
径を、クロージャシェルは45〜75mmの外径をそれ
ぞれ有し、ディフューザシェルとクロージャシェルとで
形成される外周壁と、クーラント/フィルタとの間に
1.0〜4.0mmの間隙が形成されることが好まし
い。
【0056】ディフューザシェルとクロージャシェル
は、ガス発生器のハウジングを形成し、少なくとも一方
に取付用のフランジを設けることができる。ディフュー
ザシェルとクロージャシェルを各種溶接法、例えばプラ
ズマ溶接、摩擦溶接、プロゼクション溶接、電子ビーム
溶接、レーザ溶接、ティグ溶接などにより接合すること
ができる。ディフューザシェルとクロージャシェルの材
料に関し、ステンレス鋼板に代わり鋼板にニッケルメッ
キを施したものを使用してもよい。ディフューザシェル
とクロージャシェルとで形成される外周壁と、クーラン
ト/フィルタとの間に形成される上記間隙は、クーラン
ト/フィルタを通過して冷却・浄化されたガスが、ディ
フューザシェルのガス排出口に至るガス流路として機能
する。
【0057】ディフューザシェルのガス排出口を、2.
0〜5.0mmの直径とし、合計12〜24個周方向に
配置することができる。
【0058】電気作動式ガス発生器の中央筒部材は、厚
さ1.2〜3.0mmのステンレス鋼板を管状に丸めて
溶接した管よりなり、17〜22mmの外径を有するこ
とができる。機械作動式ガス発生器では、中央筒板は厚
さ1.5〜7.5mmで外径が19〜30mmである。
【0059】中央筒部材はまた、1.5〜3.0mmの
直径を有し周方向に配置された合計6〜9個の貫通孔を
有することが好ましい。この貫通孔は、千鳥形に2列に
配置され、一方の列は直径1.5mmの貫通孔3個から
なり、他方の列は直径2.5mmの貫通孔3個からなる
ことができる。中央筒部材は点火手段用の中空室を形成
し、この中空室に点火器と伝火薬からなる点火手段が収
容される。前記貫通孔はこの伝火薬の火炎が噴出する孔
となる。中央筒部材は、その内周部に雌ねじを刻設し、
点火器の外周部に雄ねじを刻設し、中央筒部材に点火器
を螺合することにより点火手段を中央筒部材に固定する
ことができる。あるいは、中央筒部材は一端にかしめ部
を有し、このかしめ部をかしめることにより中央筒部材
に点火手段を固定することができる。その他、溶接によ
り固定することもできる。中央筒部材をディフューザシ
ェルに固定する方法として、摩擦溶接、プロゼクション
溶接、レーザ溶接、アーク溶接、電子ビーム溶接などが
挙げられる。
【0060】クーラント/フィルタは、平編の金網を半
径方向に重ね、半径方向及び軸方向に圧縮して成形した
ものからなることが好ましい。このようにして成形され
たクーラント/フィルタは、空隙構造が複雑となり、優
れた捕集効果を有する。その様にして、冷却機能と捕集
機能を兼ね備えた一体型のクーラント/フィルタが実現
できる。好ましい態様に於てかかるクーラント/フィル
タは常温及び流量100l/min/cm2 の条件下
で、0.3×10-2〜1.5×10-2kg/cm2 の圧
力損失を有する。
【0061】より具体的には、平編のステンレス鋼製金
網を円筒体に形成し、この円筒体の一端部を外側に繰り
返し折り曲げて環状の積層体を形成し、この積層体を型
内で圧縮成形することによりクーラント/フィルタを成
形することができる。あるいは、平編のステンレス鋼製
金網を円筒体に形成し、この円筒体を半径方向に押圧し
て板体を形成し、この板体を筒状に多重に巻回して積層
体を形成し、この積層体を型内で圧縮成形することによ
ってもクーラント/フィルタを成形することができる。
金網の材料であるステンレス鋼は、SUS304、SU
S310S、SUS316(JIS規格記号)などを使
用することができる。SUS304(18Cr−8Ni
−0.06C)は、オーステナイト系ステンレス鋼とし
て優れた耐食性を示す。
【0062】クーラント/フィルタはまた、線径0.3
〜0.5mmの金網からなり、内側に線径0.5〜0.
6mmの金網からなる厚さ1.5〜2.0mmの層を有
する二重構造とすることができる。内側の層は、クーラ
ント/フィルタに向け噴出される点火剤の火炎、及びこ
の火炎により点火されて燃焼するガス発生剤の燃焼ガス
に対しクーラント/フィルタを保護するクーラント/フ
ィルタ保護機能を有する。
【0063】クーラント/フィルタは、55〜65mm
の外径、45〜55mmの内径、及び26〜32mmの
高さを有することができる、即ち厚さが5〜10mmで
ある。さもなくば外径40〜65mm、内径30〜55
mm、及び高さ19〜37.6mmであり得る。また、
クーラント/フィルタは、その移動を阻止するクーラン
ト/フィルタ支持部材を有することが好ましい。このク
ーラント/フィルタ支持部材は、中央筒部材に穿たれた
点火剤の火炎用貫通孔に対向して配置されクーラント/
フィルタの内周面をカバーする防炎板部を有する。この
防炎板部は、クーラント/フィルタに向け噴出される火
炎に対しクーラント/フィルタを保護するクーラント/
フィルタ保護機能と、噴炎の方向転換を図り火炎がガス
発生剤に十分に回るようにする燃焼促進機能を有する。
また、このクーラント/フィルタ支持部材は、ハウジン
グ内面とクーラント/フィルタ端面間の燃焼ガスのショ
ートパスを防止するショートパス防止機能も有する。ク
ーラント/フィルタ支持部材を厚さ0.5〜1.0mm
のステンレス鋼板、鋼板などから形成することができ
る。又上記防炎板部を支持部材とは別個の防炎板として
クーラント/フィルタ内周面に接して、又はそれから間
隔をおいて配置することもできる。
【0064】ハウジング内に外部より湿気が侵入するの
を阻止するために、ディフューザシェルのガス排出口が
その直径の2〜3.5倍の幅を有するアルミニウムテー
プにより塞がれることが好ましい。アルミニウムシール
テープの貼付は、粘着性アルミニウムテープ、または接
着剤、好ましくは加熱により溶融して接着を確実なもの
とすることができる例えばホットメルト系接着剤を使用
することにより行うことができる。
【0065】燃焼室にガス発生剤のクッションを配設す
ることができる。このクッションは、ステンレス鋼製金
網から形成され、支持板に固定され、この支持板は、そ
の内周部及び外周部に曲折部を備え、この曲折部の弾力
により中央筒部材とクーラント/フィルタ間に固定され
ることが好ましい。クッションをステンレス鋼製金網か
ら形成した場合、このクッションはクーラントとしても
機能することができる。クッションをシリコン発泡体か
ら形成することもできる。
【0066】ハウジングの全高は、30〜35mmとす
ることが好ましい。
【0067】クーラント/フィルタは所定の線径と所定
の嵩密度を有する。線径と嵩密度の正しい設定は燃焼ガ
スの燃焼残渣も捕らえることができ、クーラント/フィ
ルタの保形強度を十分に増すことができる。このよう
に、クーラント/フィルタが燃焼圧力で変形するのを防
ぎ、燃焼汚れ残渣を捕らえる正常な機能を確保し、クー
ラント/フィルタは厚みを減少することができる。この
かさ密度は好ましくは3.5〜4.5g/cm3で、し
かし線径0.3〜0.6mmのとき3.0〜5.0g/
cm3であり得る。
【0068】金属メッシュの代りに、焼結金属がクーラ
ント/フィルタ手段を形成するため使用され得る。クー
ラント/フィルタはまた金属及びセラミックの複合材料
又は発泡金属体からも作ることができる。
【0069】他のいくつかのクーラント/フィルタの態
様があるが、図面と共に詳細な説明で記載する。
【0070】本発明はまた米国特許第5,466,420で記載
されたようなアルミニウムハウジングに於いて利用され
得る。この場合に於いて、厚さ2〜4mmをもつハウジ
ングがプレス形成以外の手段により形成され、ディフュ
ーザシェルはクロージャシェルに対し摩擦溶接により結
合される。
【0071】本発明のエアバッグ用ガス発生器は次のも
のを含む:上記の如き本発明のガス発生器と、衝撃を感
知しその感知信号を出力する衝撃センサと、前記感知信
号を入力し前記ガス発生器の点火手段に作動信号を出力
するコントロールユニットと、前記ガス発生器で発生す
るガスを導入して膨張するエアバッグ、及び前記エアバ
ッグを収容するモジュールケースからなるエアバッグ装
置である。本発明は、ガスがハウジングを変形したり、
その変形の結果クーラント/フィルタの両端面をバイパ
スしたりするのを防ぐことにより、比較的薄い材料でハ
ウジングを形成することを可能とする。本発明は、クー
ラント/フィルタとそれと協働し前記のようなショート
パスとクーラント/フィルタからのバイパスを防止する
協働する邪魔板との組み合わせを提供する。これは図面
の詳細な説明でより詳しく記載する。このような防止構
造がないと、濾過されなかった燃焼残渣がガス発生器か
ら出ていって、組合わせのバッグを傷つける。提供され
た構造はすべて運転者用、乗員用、側面衝突用のガス発
生器のためである。
【0072】次に非アジドガス発生剤に適したハウジン
グのパラメーターを説明する。
【0073】多くの非アジドガス発生剤の比較的遅い燃
焼速度(30mm/秒未満)に適応するように、また運
転者用、乗員用、側面衝突用に適切な時間でガス発生剤
が完全に燃焼することを確実にするように、A/At比
を調節する。Aはガス発生剤の全表面積であり、Atは
ガス発生器のディフューザシェル中のガス排出孔の総面
積である。
【0074】運転席のエアバッグ用ガス発生器の場合、
非アジドガス発生剤の好ましい量は20より50gのオ
ーダーである。乗員席(所謂助手席)では、非アジドガ
ス発生剤の好ましい量は40より190gである。側面
衝突用では、10より25gである。この燃焼パラメー
ターはさらに以下に詳述する非アジドガス発生剤の粒子
径を調整することにより強化される。他の調整するパラ
メーターはガス発生器ハウジング内の内容積とガス発生
剤の量であり、これも以下に詳述する。
【0075】またガスの流れの最適化はクーラント/フ
ィルタとハウジングの端壁との間の規定されたガス通路
乃至空間の放射方向(環状の)断面積Stを、ディフュ
ーザのガス排出孔の総面積Atと同じかより大きいよう
に制御することにより達成し得る。この比St/Atは
好ましくは1〜10の範囲、より好ましくは2〜5の範
囲に入るのが好ましい。
【0076】このガス通路乃至空間の環状断面積を維持
するために、クーラント/フィルタには外側の多孔の円
筒状補強材を設け、これがガス通路の内壁を規定し、発
生したガスの圧力下のクーラント/フィルタのその通路
への膨張を防止する。他の適当な外周壁支持層も又この
目的のために設けられ得る。
【0077】本発明のクーラント/フィルタ構造はデイ
フイーザ孔より噴出するガス中の固体粒子の量を2g未
満に調節する。好ましくは、1g未満より0.7g未満
である。
【0078】さらに、デイフューザ孔の総面積Atと発
生ガスの容量の比は所望の指数(インデックス)より大
きく維持し、そして130cc又はそれ以下の容量をも
つガス発生器ハウジング中で最大圧力範囲が100より
300kg/cm2に維持されるようにデイフイーザ孔
の大きさと数により(70kg/cm2圧力下で線燃焼
速度が30mm/秒以下である非アジドガス発生剤に対
して)面積Atが調整される。120ccのハウジング
容積に於いて、ガス排出孔の総面積は好ましくは1.1
3cm2である。
【0079】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。
【0080】図1は、本発明のエアバッグ用ガス発生器
の断面図である。本ガス発生器は、ディフューザシェル
1とクロージャシェル2からなるハウジング3と、この
ハウジング3内の中央筒部材4と、そしてこの中央筒部
材4を取り囲んで配設されるクーラント/フィルタ5を
含んでいる。
【0081】ディフューザシェル1は、ステンレス鋼板
をプレスにより成形してなり、その周壁部6に本実施例
では3mm径のガス排出口7が周方向に20個等間隔に
配設されている。このディフューザシェル1は、円形部
8の中央に内側に凹んだ凹部9を有し、この凹部9は、
点火装置を構成する点火器18と共に、点火装置の伝火
薬容器10を挟持している。クロージャシェル2は、ス
テンレス鋼板をプレスにより成形してなり、その中央部
に中央孔12を有している。この中央孔12と同心に中
央筒部材4が配置され、この中央筒部材4の一端側端面
34がクロージャシェルの内面35に当接している。ク
ロージャシェル2はまた、その周壁部13の先端部に取
付用のフランジ部14を有している。ディフューザシェ
ル1とクロージャシェル2は、各周壁部において互いに
嵌合し、この嵌合部においてレーザ溶接15がされ、両
者は接合されてハウジング3を形成している。
【0082】中央筒部材4は、両端が開放したステンレ
ス鋼管よりなり、その一端側に雌ねじ32が切られてい
る。中央筒部材4の他端側は、イナートガスアーク溶接
により、ディフューザシェルの円形部8にその凹部9を
取り囲むようにして固定されている。この中央筒部材4
の内側に点火装置用中空室、すなわち点火装置を収容す
るための点火装置収容室17が形成されている。点火装
置は、センサ(図示せず)からの信号により作動する点
火器18と、この点火器18により着火される伝火薬を
充填した伝火薬容器10からなっている。点火器18の
外周面に雄ねじ36が切られており、この雄ねじ36は
中央筒部材の雌ねじ32と螺合して点火器18は中央筒
部材4にねじ結合されている。点火器18に備わる鍔部
37は、ねじのゆるみ止めの機能を有する。点火器18
はその外周溝にOリング20を備え、このOリング20
は点火手段収容室17のシールを果たしている。中央筒
部材4はまた、その他端側に千鳥形に配列した2列の貫
通孔列21を有している。本実施例の場合、2列のう
ち、一方の列は直径1.5mmの貫通孔3個からなり、
他方の列は直径2.5mmの貫通孔3個からなってい
る。
【0083】ディフューザとクロージャのシェル1、2
と中央筒部材4のいくつかの好ましいパラメータは次の
如くである。
【0084】ディフューザシェルとクロージャシェル
は、それぞれ、厚さ1.2〜2.0mmのステンレス鋼
板からなり、ディフューザシェルは65〜70mmの外
径を、クロージャシェルは65〜75mmの外径をそれ
ぞれ有し、ディフューザシェルとクロージャシェルとで
形成される外周壁と、クーラント/フィルタ間に1.0
〜4.0mmの間隙が形成されることが好ましい。
【0085】ディフューザシェルのガス排出口を、2.
0〜5.0mmの直径とし、合計16〜24個周方向に
配置することができる。
【0086】中央筒部材は、厚さ1.2〜3.0mmの
ステンレス鋼板を管状に丸めて溶接した管よりなり、1
7〜20mmの外径を有することができる。
【0087】中央筒部材はまた、1.5〜3.0mmの
直径を有し周方向に配置された合計6〜9個の貫通孔を
有することが好ましい。
【0088】これらの貫通孔は、千鳥形に2列に配置さ
れ、一方の列は直径1.5mmの貫通孔3個からなり、
他方の列は直径2.5mmの貫通孔3個からなることが
できる。
【0089】さらに、中央筒部材4は電気式又は機械式
センサの使用に応じて異なる寸法であることが好まし
い。機械式では、筒壁の厚さは1.5〜7.5mmで外
径19〜30mm、電気式では筒壁の厚さは1.2〜
3.0mmで外径17〜22mmである。
【0090】クーラント/フィルタ5は、中央筒部材4
を取り囲んで配設され、ハウジングと共に中央筒部材4
の周囲に環状の室、すなわちガス発生手段用燃焼室22
を画成している。このクーラント/フィルタ5は、ステ
ンレス鋼製平編の金網を半径方向に重ね、半径方向及び
軸方向に圧縮してなり、3.0〜5.0g/cm3のか
さ密度を有する。このクーラント/フィルタ5の好まし
い成形方法を図面に基づき説明する。先ず、線径0.3
〜0.6mmのステンレス鋼製素線を平編みして図2に
示すような円筒体60に形成する。次に、この円筒体6
0の一端部61を図3に示すように外側に折り曲げ、こ
れを繰り返し折り曲げて環状の積層体62を形成する。
折曲げの回数は、素線の線径、クーラントの厚さなどを
勘案して決められる。最後に、この積層体62を型(図
示せず)に入れ、かさ密度が3.0〜5.0g/cm3
となるように、型内で半径方向及び軸方向に圧縮して図
4に示すようなクーラント/フィルタ5を得る。
【0091】本発明のクーラント/フィルタは、線径
0.3〜0.6mmの平編の金網を筒状に半径方向に重
ね半径方向及び軸方向に圧縮成形してなる。このような
編目構造を有する金網を半径方向に積層して圧縮成形し
てなる本クーラント/フィルタは、空隙構造が複雑とな
り、優れた捕集効果を有する。そのために、本クーラン
ト/フィルタは、本来の冷却機能に加えて、フィルタと
しての捕集機能も有することができ、本発明によれば、
それ故冷却機能と捕集機能を兼ね備えたクーラント/フ
ィルタ一体型のクーラント/フィルタが実現できる。
【0092】クーラント/フィルタ5の別の成形方法を
図5及び6に基づき説明する。図2に示すような円筒体
60を形成した後、この円筒体60を半径方向に押圧し
て図5に示すような板体64を形成する。この板体64
を図6に示すように筒状に多重に巻回して積層体65を
形成し、この積層体65を型内で半径方向及び軸方向に
圧縮してクーラント5を成形することができる。
【0093】このようにして成形されたクーラント/フ
ィルタ5は、各層においてループ状の編目が押し潰され
たような形63をしており、それが半径方向に層をなし
ている。従って、クーラントの空隙構造が複雑となり、
このクーラントは優れた捕集効果を有する。
【0094】図11に示す様に、平編は金属線を編んで
形成され、編目がすべて一方向に引き出されてループを
なしており、空隙構造を有する。
【0095】上記成形方法を用いて、常温において流量
100l/min/cm2で0.3×10-2〜1.5×
10-2kg/cm2の圧力損失を有するように、圧縮成
形された本クーラント/フィルタを得ることができる。
【0096】積層体65の内側に別の積層体を挿入して
圧縮成形することにより、二重構造のクーラントをつく
ることができる。別の積層体は、例えば線径0.5mm
の金網からなる図5に示すような板体64を図6に示す
ようにして2回程度巻回したものからなることができ
る。
【0097】このクーラント/フィルタ5は燃焼室22
を画成し、燃焼室で発生した燃焼ガスを冷却し、燃焼残
渣を捕集する機能を有する。リング体23がクーラント
/フィルタ5の外側に装着され、全周壁に多くの通過孔
を有し、クーラント/フィルタ5を強化する。これらは
図1に示されている。
【0098】さらに図1について述べると、ディフュー
ザシェルの円形部8を取り囲んで周方向に傾斜部67が
形成されている。また、クロージャシェルの環状部68
を取り囲んで同じように周方向に傾斜部69が形成され
ている。これら傾斜部67及び69は、クーラント/フ
ィルタ5の移動を阻止する手段として機能すると共に、
ハウジングの外周壁6及び13と、クーラント/フィル
タのリング体23間に間隙を形成する手段としても機能
している。
【0099】燃焼室22にペレット状のガス発生剤2
5、及びこのガス発生剤25のクッション26が配設さ
れている。リング形クッション26は、ステンレス鋼製
金網から形成され、支持板24に固定されている。この
クッション26は、クーラントを兼ねている。リング形
支持板24は、ステンレス鋼板よりなり、その内周部及
び外周部に曲折部66を備え、この曲折部66の弾力に
より中央筒部材4とクーラント5間に固定されている。
【0100】ハウジングの外周壁6及び13と、クーラ
ント/フィルタのリング体23間に間隙が形成されてお
り、この間隙28は、クーラント/フィルタ5を通過し
て冷却・浄化されたガスが、ディフューザシェルのガス
排出口7に至るガス流路として機能する。また、ハウジ
ング3内に環境湿気が侵入するのを阻止するために、ア
ルミニウムシールテープ29によりディフューザシェル
のガス排出口7が塞がれている。
【0101】このように構成された本ガス発生器におい
て、衝撃をセンサ(図示せず)が感知すると、その信号
が点火器18に送られて点火器18が作動し、これによ
って伝火薬容器10内の伝火薬が着火して高温の火炎を
生成する。この火炎は貫通孔列21より噴出し、燃焼室
22内のガス発生剤25に点火する。これによりガス発
生剤が燃焼して高温・高圧のガスを生成し、この燃焼ガ
スはクッション26により冷却されまた燃焼残渣が捕集
され、更にクーラント/フィルタ5を通過する間に冷却
されまた燃焼残渣が捕集される。冷却・浄化された燃焼
ガスは、多孔リング体23の貫通孔を通過し、間隙28
を通り、アルミニウムシールテープ29の壁を破ってガ
ス排出口7より噴出し、エアバッグ(図示せず)内に流
入する。これによりエアバッグは膨張して乗員と堅い構
造物の間にクッションを形成し、衝撃から乗員を保護す
る。
【0102】図8に、本発明のガス発生器を有するエア
バッグ装置の例を示す。このエアバッグ装置は、ガス発
生器80と、衝撃センサ81と、コントロールユニット
82と、モジュールケース83と、そしてエアバッグ8
4からなっている。
【0103】ガス発生器80は、図1に基づいて説明し
たガス発生器が使用されている。
【0104】衝撃センサ81は、例えば半導体式加速度
センサからなることができる。この半導体式加速度セン
サは、加速度が加わるとたわむようにされたシリコン基
板のビーム上に4個の半導体ひずみゲージが形成され、
これら半導体ひずみゲージはブリッジ接続されている。
加速度が加わるとビームがたわみ、表面にひずみが発生
する。このひずみにより半導体ひずみゲージの抵抗が変
化し、その抵抗変化を加速度に比例した電圧信号として
検出するようになっている。
【0105】コントロールユニット82は、点火判定回
路を備えており、この点火判定回路に前記半導体式加速
度センサからの信号が入力するようになっている。セン
サからの衝撃信号がある値を越えた時点でコントロール
ユニット82は演算を開始し、演算した結果がある値を
越えたときガス発生器80の点火器18に作動信号を出
力する。
【0106】モジュールケース83は、例えばポリウレ
タンから形成され、モジュールカバー85を含んでい
る。このモジュールケース83内にエアバッグ84及び
ガス発生器80が収容されてパッドモジュールとして構
成され、このパッドモジュールは自動車のステアリング
ホイール87に取り付けられている。
【0107】エアバッグ84は、ナイロン(例えばナイ
ロン66)、またはポリエステルなどから形成され、そ
の袋口86がガス発生器のガス排出口7を取り囲み、折
り畳まれた状態でガス発生器のフランジ部14に固定さ
れている。
【0108】自動車の衝突時に衝撃を半導体式加速度セ
ンサ81が感知すると、その信号がコントロールユニッ
ト82に送られ、センサからの衝撃信号がある値を越え
た時点でコントロールユニット82は演算を開始し、演
算した結果がある値を越えたときガス発生器80の点火
器18に作動信号を出力する。これにより点火器18が
作動してガス発生剤に点火しガス発生剤は燃焼してガス
を生成する。このガスはエアバッグ84内に噴出し、こ
れによりエアバッグはモジュールカバー85を破って膨
出し、ステアリングホイール87と乗員の間に衝撃を吸
収するクッションを形成する。
【0109】図7に本発明のガス発生器の別の例を示
す。このガス発生器は、ディフューザシェルとクロージ
ャシェルの形状が図1のものと比べて異なる。すなわ
ち、ディフューザシェル1′とクロージャシェル2′
は、それぞれフランジ部30、31を有し、これらフラ
ンジ部30及び31が重ね合わされて溶接がされてい
る。また、クロージャシェル2′は、中央孔の縁が軸方
向に曲折する曲折部72を有し、この曲折部72の内周
面により中央孔12′が形成されている。更に、ディフ
ューザシェル1′は、周方向に延びる傾斜部70の構成
により、皿形の円形部8′を有し、この皿形円形部8′
は中央筒部材4′の位置決めの機能を果たしている。
【0110】中央筒部材4′は、その一端がクロジャシ
ェル2′の外側に突出し、その突出端にかしめ部16を
形成している。また他端側には外向きフランジ33が形
成され、この外向きフランジ33をディフューザシェル
の皿形円形部8′の底に当接させ、外向きフランジ33
と円形部8′との間にプロゼクション溶接が施されて、
中央筒部材4′はディフューザシェル1′に固定されて
いる。中央筒部材4′はまた、その他端側に1列の貫通
孔列21′を有している。本実施例の場合、直径2.5
mmの貫通孔が6個円周方向に配置されている。貫通孔
列21′はアルミニウムテープ74により塞がれてお
り、中央筒部材4′内に直接伝火薬75が充填されてい
る。中央筒部材4′が皿形円形部8′によりその底に位
置決めされ、ディフューザシェル1′に固定された後、
クロージャシェルの中央孔12′が中央筒部材4′に挿
通され、その後クロージャシェルとディフューザシェ
ル、及びクロージャシェルと中央筒部材が接合される。
中央筒部材4′に弾力により嵌合しているリング形板部
材76は、溶接防護板として機能している。中央筒部材
4′の一端側に点火器18′用の段部71が形成されて
いる。点火器18′は、伝火薬75が充填された後、中
央筒部材4′内に挿入され段部71に係止される。その
後、中央筒部材のかしめ部16をかしめることによりハ
ウジング3′に固定される。
【0111】クーラント/フィルタ5′は、その移動を
阻止するクーラント/フィルタ支持部材38を有してい
る。このクーラント/フィルタ支持部材38は、約1m
m厚のステンレス鋼板をプレス成形してなり、中央筒部
材の外向きフランジ33を取り巻いて配置され傾斜部7
0に当接する環状部39と、この環状部39に対し曲折
する防炎板部60を有している。防炎板部60は、中央
筒部材に穿たれた点火手段の火炎用貫通孔、すなわち前
記貫通孔列21′に対向して配置され、クーラント/フ
ィルタ5′の内周面61をカバーしている。この防炎板
部60は、クーラント/フィルタ5′に向け噴出される
火炎に対しクーラントを保護するクーラント保護機能
と、噴炎の方向転換を図り火炎がガス発生剤に十分に回
るようにする燃焼促進機能を有している。なお、クーラ
ント/フィルタの移動を阻止する手段として、上記傾斜
部67、69(図1)、及びクーラント/フィルタ支持
部材38の他に、ハウジングの上下、又はいずれか一方
の角部73を内側に突出させてクーラント5′に当接す
る突出部を形成し、これによりクーラント/フィルタ
5′の移動を阻止するようにしてもよい。また、図1の
クーラント/フィルタ5に備わる多孔リング体23は、
必ずしも必要ではなく、本実施例のクーラント/フィル
タ5′の場合、このようなものを備えていない。
【0112】このように構成された本ガス発生器におい
て、衝撃をセンサ(図示せず)が感知すると、その信号
が点火器18′に送られて点火器18′が作動し、これ
によって伝火薬75が着火して高温の火炎を生成する。
この火炎は、アルミニウムテープ74の壁を破り貫通孔
列21′より噴出し、クーラント/フィルタ5′により
画成された燃焼室22′内に入る。燃焼室22′に入っ
た火炎は、貫通孔列21′付近のガス発生剤25′に点
火すると共に、防炎板部60により進路が曲げられて燃
焼室下部のガス発生剤に点火する。これによりガス発生
剤が燃焼して高温・高圧のガスを生成し、この燃焼ガス
は、クーラント/フィルタ5′を通過し、クーラント/
フィルタ5′を通過する間に冷却されまた燃焼残渣が捕
集され、冷却・浄化された燃焼ガスは、ガス流路28′
を通り、ガス排出口7′を経てエアバッグ(図示せず)
内に流入する。これによりエアバッグが膨張し、乗員と
堅い構造物の間にクッションを形成して衝撃から乗員を
保護する。
【0113】図10に本発明のクーラント/フィルタの
一例をエアバッグ用ガス発生器に適用した例を示す。こ
のガス発生器は、ディフューザシェル111とクロージ
ャシェル112からなるハウジング113と、このハウ
ジング113内の中央部に配置される中央筒部材114
と、そしてこの中央筒部材114を取り囲んで配設され
るクーラント/フィルタ104を含んでいる。
【0114】ディフューザシェル111は、ステンレス
鋼板をプレスにより成形してなり、その周壁部106に
ガス排出口107が周方向に複数個等間隔に配設されて
いる。ディフューザシェル111はまた、周方向に延び
る傾斜部70の構成により、皿形の円形部108を有
し、この皿形円形部108は中央筒部材114の位置決
めの機能を果たしている。クロージャシェル112は、
ステンレス鋼板をプレスにより成形してなり、その中央
部に孔部を有し、この孔部の孔縁は軸方向外側に曲折し
て曲折部172を形成しており、この曲折部172の内
周面により中央孔115を形成している。
【0115】中央筒部材114は、ステンレス鋼管より
なり、その一端がクロージャシェル112の外側に突出
し、その突出端にかしめ部116を形成している。また
他端側には外向きフランジ133が形成され、この外向
きフランジ133をディフューザシェルの皿形円形部1
08の底に当接させ、外向きフランジ133と円形部1
08との間にプロゼクション溶接が施されて、中央筒部
材114はディフューザシェル111に固定されてい
る。中央筒部材114はまた、その他端側に1列の貫通
孔列121を有している。
【0116】この中央筒部材114の内側に、点火手段
を収容するための点火手段収容室117が形成されてい
る。点火手段は、センサ(図示せず)からの信号により
作動する点火器118と、この点火器118により着火
される伝火薬175からなっている。貫通孔列121は
アルミニウムシールテープ174により塞がれており、
中央筒部材114内に直接伝火薬175が充填されてい
る。
【0117】中央筒部材114が皿形円形部108によ
りその底に位置決めされ、ディフューザシェル111に
固定された後、クロージャシェルの中央孔115が中央
筒部材114に挿通され、ディフューザシェルのフラン
ジ部130とクロージャシェルのフランジ部131が重
ね合わされ、その後クロージャシェルとディフューザシ
ェル、及びクロージャシェルと中央筒部材が接合され
る。中央筒部材114に弾力により嵌合しているリング
形板部材176は、溶接防護板として機能している。中
央筒部材114の一端側に点火器118用の段部171
が形成されており、点火器118は、伝火薬175が充
填された後、中央筒部材114内に挿入され段部171
に係止される。その後、中央筒部材のかしめ部116を
かしめることによりハウジング113に固定される。
【0118】クーラント/フィルタ104は、中央筒部
材114を取り囲んで配設され、ハウジング113と共
に中央筒部材114の周囲に環状の室、すなわち燃焼室
122を画成している。燃焼室122内にペレット状の
ガス発生剤125が充填されている。このクーラント/
フィルタ104は、その移動を阻止するクーラント/フ
ィルタ支持部材138を備えている。このクーラント/
フィルタ支持部材138は、ステンレス鋼板をプレス成
形してなり、中央筒部材の外向きフランジ133を取り
囲んで配置され傾斜部170に当接する環状部139
と、この環状部139に対し曲折する防炎板部160を
有している。防炎板部160は、貫通孔列121に対向
して配置され、クーラント/フィルタ104の内周面1
61をカバーしている。この防炎板部160は、クーラ
ント/フィルタ104に向け噴出される火炎に対しクー
ラント/フィルタを保護すると共に、噴炎の方向転換を
図り火炎がガス発生剤に十分に回るようにしている。
【0119】ハウジングの外周壁106及び109と、
クーラント/フィルタ104間に間隙128が形成され
ており、この間隙128は、クーラント/フィルタ10
4を通過して冷却・浄化されたガスが、ディフューザシ
ェルのガス排出口107に至るガス流路として機能す
る。また、ハウジング113内に外部より湿気が侵入す
るのを阻止するために、アルミニウムテープ129によ
りディフューザシェルのガス排出口107が塞がれてい
る。
【0120】このように構成されたガス発生器におい
て、衝撃をセンサ(図示せず)が感知すると、その信号
が点火器118に送られて点火器118が作動し、これ
によって伝火薬175が着火して高温の火炎を生成す
る。この火炎はアルミニウムテープ174の壁を破り貫
通孔列121より噴出し、クーラント/フィルタ104
により画成された燃焼室122内に入る。燃焼室122
に入った火炎は、貫通孔列121付近のガス発生剤12
5に点火すると共に、防炎板部160により進路が曲げ
られて燃焼室下部のガス発生剤に点火する。これにより
ガス発生剤が燃焼して高温・高圧のガスを生成する。ク
ーラント/フィルタ104は、燃焼室内で発生する燃焼
ガスの圧力をガス発生剤の正常な燃焼にとって望ましい
値に維持するように作用する。この燃焼ガスは、クーラ
ント/フィルタ104を通過しその間に、クーラント/
フィルタの冷却機能により冷却され、またクーラント/
フィルタの捕集機能により燃焼残渣が捕集され、冷却・
浄化された燃焼ガスは、ガス流路128を通り、ガス排
出口107を経てエアバッグ(図示せず)内に流入す
る。これによりエアバッグが膨張し、乗員と堅い構造物
の間にクッションを形成して衝撃から乗員を保護する。
【0121】図13は本発明のクーラント/フィルタの
他の例をエアバッグ用ガス発生器に適用した図10と同
様な図の部分拡大図である。
【0122】クーラント/フィルタ104’は、ガス発
生剤125を取り囲んで配設され、中央筒部材114の
周囲に環状の室、すなわち燃焼室122を画成してい
る。このクーラント/フィルタ104’は、ステンレス
鋼製平編の金網を半径方向に重ね、半径方向及び軸方向
に圧縮してなる。このクーラント/フィルタ104’
は、各層においてループ状の編目が押し潰されたような
形をしており、それが半径方向に層をなしている。従っ
て、クーラント/フィルタの空隙構造が複雑となり、こ
のクーラントは優れた捕集効果を有する。クーラント/
フィルタ104’の外側に積層金網体からなる外層12
9が形成されている。この外層129は、ガス発生器作
動時にガス圧によりクーラント/フィルタ104’が膨
出して上記間隙128を塞ぐことのないように、クーラ
ント/フィルタの膨出を抑止する抑止手段として機能す
ると共に、冷却機能も有している。このクーラント/フ
ィルタ104’により、燃焼室122が画成されると共
に、燃焼室で発生した燃焼ガスが冷却され、そして燃焼
残渣が捕集される。なお、上記外層129に代わり、ワ
イヤ乃至ベルト手段によりクーラント/フィルタ10
4’の周囲を取り巻いてもよい。ワイヤ乃至ベルト手段
が両フランジ部の接合部位にあるようにすると、間隙1
28の環状断面積変化が最小限に抑えられる。
【0123】クーラント/フィルタの膨出を抑止する抑
止手段を多孔円筒体から構成することができる。多孔
(パーフォレーテッド)円筒体の例を図14及び図15
に示す。この多孔円筒体は、クーラント/フィルタの外
周面に嵌合する内周面330、331を有し、周壁部3
32、333全体に均一に配置された多数の貫通孔33
4、335を有している。貫通孔334は小径の丸穴か
らなり、貫通孔335は大径の四角穴からなっている。
これらの膨出抑止手段はクーラント/フィルタ104’
の圧力損失に影響を与えることはない。即ちそれらはク
ーラント/フィルタ手段より小さい圧力損失を有する。
【0124】図16は、本発明のエアバッグ用ガス発生
器の他の例の断面図である。本ガス発生器は、ディフュ
ーザシェル401とクロージャシェル402からなるハ
ウジング403と、このハウジング403内の収容空間
に配設される点火手段、すなわち点火器404及び伝火
薬405と、これらにより点火されて燃焼ガスを発生す
るガス発生手段、すなわち固形ガス発生剤406と、ハ
ウジング403と共にガス発生剤406を収容する燃焼
室428を画成するフィルタ手段、すなわちクーラント
/フィルタ407と、そしてこのクーラント/フィルタ
407と前記ハウジング403の内周壁408間に形成
される間隙409とを含んでいる。
【0125】ディフューザシェル401は、ステンレス
鋼板をプレスにより成形してなり、円形部412と、こ
の円形部412の外周部に形成される周壁部410と、
この周壁部410の先端部に半径方向外側に延在するフ
ランジ部419を有している。周壁部410に本実施例
では3mm径のガス排出口411が周方向に18個等間
隔に配設されている。このディフューザシェル401
は、その円形部412の中央部に段差により外側に突出
した突出円形部413が形成され、この突出円形部41
3は、ハウジング、特にその天井部に剛性を与えると共
に、収容空間の容積増大を果たしている。この突出円形
部413と点火器404の間に伝火薬405を収容する
伝火薬容器453が挟持されている。
【0126】クロージャシェル402は、ステンレス鋼
板をプレスにより成形してなり、円形部430と、この
円形部430の中央部に形成される中央孔415及びこ
の円形部430の外周部に形成される周壁部447と、
この周壁部447の先端部に半径方向外側に延在するフ
ランジ部420を有している。中央孔415は、その孔
縁部に軸方向曲折部414を有している。この中央孔4
15に嵌合して中央筒部材416が配置され、この中央
筒部材416の一端側端面417は曲折部414の端面
418と面一になっている。
【0127】ディフューザシェル401とクロージャシ
ェル402は、それぞれフランジ部419、420を有
し、これらフランジ部419及び420が重ね合わされ
てレーザ溶接421がされ、両者は接合されてハウジン
グ403を形成している。
【0128】また、前記ディフューザシェルのフランジ
部419は、図21のように、パットモジュールの取付
金具への取付部410Aを有する。取付部410Aは周
辺方向で90度間隔で配置され、ネジ穴410Bを有す
る。クロージャシェル上のフランジ420の輪郭は点線
で示す。
【0129】中央筒部材416は両端が開放したステン
レス鋼管よりなり、その他端側は電子ビーム溶接422
によりディフューザシェルの突出円形部413に固定さ
れている。この中央筒部材416の内側に点火手段収容
室423が形成され、この点火手段収容室423内に、
センサ(図示せず)からの信号により作動する点火器4
04と、この点火器404により着火される伝火薬40
5を充填した伝火薬容器453が配設されている。この
中央筒部材416は点火器用保持部材424を有し、こ
の保持部材424は、点火器404の軸方向移動を規制
する内向きフランジ部425と、点火器が嵌合し中央筒
部材416の内周面に固定される周壁部426と、かし
めにより前記内向きフランジ部425との間に点火器を
軸方向に固定するかしめ部427とからなっている。中
央筒部材416はまた、その他端側に貫通孔454を有
している。本実施例の場合、直径2.5mmの貫通孔が
周方向に6個等間隔に配設されている。
【0130】中央筒部材416は、厚さ1.2〜2.0
mmのステンレス鋼板を管状に丸めて溶接した管よりな
り、17〜20mmの外径を有することができる。この
ような溶接管は、UOプレス方式(板をU形に成形した
後、O形に成形し、継目を溶接するもの)、または電縫
管方式(板を円形に成形し、継目に圧力を加えながら大
電流を流して抵抗熱で溶接するもの)などにより形成す
ることができる。
【0131】クーラント/フィルタ407は、ガス発生
剤406を取り囲んで配設され、中央筒部材416の周
囲に環状の室、すなわち燃焼室428を画成している。
このクーラント/フィルタ407は、ステンレス鋼製平
編の金網を半径方向に重ね、半径方向及び軸方向に圧縮
してなる。このクーラント/フィルタ407は、各層に
おいてループ状の編目が押し潰されたような形をしてお
り、それが半径方向に層をなしている。従って、クーラ
ント/フィルタの空隙構造が複雑となり、このクーラン
ト/フィルタは優れた捕集効果を有する。クーラント/
フィルタ407の外側に積層金網体からなる外層429
が形成されている。この外層429は、ガス発生器作動
時にガス圧によりクーラント/フィルタ407が膨出し
て上記狭い間隙409を塞ぐことのないように、クーラ
ント/フィルタの膨出を抑止する抑止手段として機能す
る。このクーラント/フィルタ407により、燃焼室4
28が画成されると共に、燃焼室で発生した燃焼ガスが
冷却され、そして燃焼残渣が捕集される。なお、上記外
層429に代わり、ワイヤ乃至ベルト手段によりクーラ
ント/フィルタ407の周囲を取り巻いてもよい。ワイ
ヤ乃至ベルト手段が両フランジ部の接合部位にあるよう
にすると、間隙によるガス通路の断面積変化が最小限に
抑えられる。
【0132】クーラント/フィルタの膨出を抑止する抑
止手段を図14及び図15について上述した多孔(パー
フォレーテッド)円筒体から構成することができる。
【0133】更に図16について説明すると、クロージ
ャシェルの円形部430を取り囲んで周方向に傾斜部4
31が形成され、この傾斜部431は、クーラント/フ
ィルタ407の移動を阻止する移動阻止手段として機能
すると共に、ハウジングの外周壁408とクーラント/
フィルタ407間に間隙409を形成する手段としても
機能している。
【0134】燃焼室428に、固形ガス発生剤406
と、クーラント/フィルタ407の移動を阻止する移動
阻止手段、すなわちクーラント/フィルタ支持部材43
2と、そしてプレート部材433が配設されている。ガ
ス発生剤406は中空円柱体をなしており、この形状の
故に、燃焼は外面及び内面で起こり、燃焼の進行につれ
てガス発生剤全体の表面積はあまり変わらないという利
点を有している。クーラント/フィルタ支持部材432
は、点火手段の火炎用貫通孔454に対向して配置され
クーラント/フィルタ407の内周面をカバーする防炎
板部434と、この防炎板部434と一体に形成され、
中央筒部材416に嵌合する中央孔435を有する円形
部436からなっている。防炎板部434は、クーラン
ト/フィルタ407に向け噴出される火炎に対しクーラ
ント/フィルタを保護するクーラント/フィルタ保護機
能と、噴炎の方向転換を図り火炎がガス発生剤406に
十分に回るようにする燃焼促進機能を有する。また、こ
のクーラント/フィルタ支持部材432は、ガス発生器
組立の際にクーラント/フィルタの位置決めとして機能
すると共に、ガス発生器作動時にハウジングの内面43
7とクーラント/フィルタ端面438間の燃焼ガスのシ
ョートパスを防止するショートパス防止機能も有してい
る。このような間隙はインフレイターハウジングの内壁
へ当たる燃焼ガスの内圧によって形成され得る。プレー
ト部材433は、支持部材432と同様厚さ0.5〜
1.0mmのステンレス鋼板よりなり、中央筒部材41
6に嵌合する中央孔439と、充填ガス発生剤に当接し
てガス発生剤の移動を抑止する円形部450と、この円
形部450と一体に形成されクーラント/フィルタ40
7の内周面に当接する周壁部451からなっている。こ
のプレート部材433は、弾性力により中央筒部材41
6とクーラント/フィルタ407間に挟持され、クーラ
ント/フィルタの前記端面438と反対側の端面におけ
る燃焼ガスのショートパスを防止している。またこのプ
レート部材433は、溶接の際に、溶接防護板としても
機能している。
【0135】ハウジングの外周壁408と、クーラント
/フィルタの外層429間に間隙409が形成されてい
る。この間隙409によりクーラント/フィルタ407
の周囲に半径方向断面が環状のガス通路が形成される。
本実施例の場合、ガス通路の半径方向断面積は一定であ
るが、例えばクーラント/フィルタを円錐形に形成して
ガス排出口411に接近するに従いガス通路の半径方向
断面積が増大するようにすることもできる。この場合、
ガス通路の半径方向断面積は、平均値をとることができ
る。また、前記傾斜部431に代わり、クーラント/フ
ィルタ407の端部にハウジングの外周壁408に当接
する突出部を設け、この突出部によりクーラント/フィ
ルタ407の移動を阻止する移動阻止機能と、ハウジン
グの外周壁8とクーラント/フィルタ407間に間隙を
形成する機能とをもたせることもできる。ガス通路の半
径方向断面における面積Stは、ディフューザシェルの
各ガス排出口411の開口面積Sの総和Atよりも大き
くされている。クーラント/フィルタ周囲のガス通路の
存在により、燃焼ガスはガス通路に向かって進み燃焼ガ
スはクーラント/フィルタの全領域を通過し、これによ
りクーラント/フィルタの有効利用と燃焼ガスの効果的
な冷却・浄化が達成される。冷却・浄化された燃焼ガス
は、上記ガス通路409を通ってディフューザシェルの
ガス排出口411に至る。
【0136】ハウジング403内に外部より湿気が侵入
するのを阻止するために、アルミニウムテープ452に
よりディフューザシェルのガス排出口411が塞がれて
いる。
【0137】このように構成された本ガス発生器におい
て、衝撃をセンサ(図示せず)が感知すると、その信号
が点火器404に送られて点火器404が作動し、これ
によって伝火薬容器453内の伝火薬405が着火して
高温の火炎を生成する。この火炎は貫通孔454より噴
出し、貫通孔454付近のガス発生剤406に点火する
と共に、防炎板部434により進路が曲げられて燃焼室
下部のガス発生剤に点火する。これによりガス発生剤が
燃焼して高温・高圧のガスを生成し、この燃焼ガスは、
クーラント/フィルタ407の全領域を通過し、その間
に効果的に冷却されまた燃焼残渣が捕集され、冷却・浄
化された燃焼ガスは、ガス通路(間隙409)を通り、
アルミニウムテープ452の壁を破ってガス排出口41
1より噴出し、エアバッグ(図示せず)内に流入する。
これによりエアバッグが膨張し、乗員と堅い構造物の間
にクッションを形成して衝撃から乗員を保護する。
【0138】図16のガス発生器を組立てる時は、ディ
フューザーシェル401を中央筒部材416とその突出
円形部413を底にして接合し、プレート部材432を
中央筒部材416上に嵌合し、クーラント/フィルタ4
07をプレート部材432の周壁の外側上に配設してク
ーラント/フィルタ407を位置決めし、クーラント/
フィルタの内側に固体ガス発生剤406を充填し、ガス
発生剤406上にプレート部材433を配設する。次で
クロージャシェルの中央孔415が中央筒部材416上
に、クロージャシェルのフランジ部420及びディフュ
ーザシェルのフランジ部419が重なる様におかれる。
重ねられたフランジ部は421及び444に於てレーザ
溶接され、ディフューザシェル401及びクロージャシ
ェル402を一緒に溶接し、又クロージャシェル402
及び中央筒部材416を一緒に溶接する。最後の工程と
して、伝火薬容器453及び点火器404が中央筒部材
416中に挿入され、次で点火器保持部材412がかし
められて、それらを固定する。
【0139】図17は、本発明の別の実施例のエアバッ
グ用ガス発生器の断面図である。本ガス発生器は、ディ
フューザシェル461とクロージャシェル462からな
るハウジング463と、このハウジング463内の収容
空間に配設される点火器464と、この点火器464に
より点火されて燃焼ガスを発生する固形ガス発生剤46
6と、このガス発生剤466を収容する燃焼室484を
画成するクーラント/フィルタ467と、そしてこのク
ーラント/フィルタ467と前記ハウジング463の外
周壁468間に形成される間隙469とを含んでいる。
【0140】ディフューザシェル461は、ステンレス
鋼板をプレスにより成形してなり、円形部478と、そ
の外周部に形成される周壁部476を有している。周壁
部476にはガス排出口477が周方向に等間隔に複数
個配設されている。このディフューザシェル461は、
その円形部478に放射状に配置された複数の半径方向
リブ状体479を有している。これらリブ状体479
は、ディフューザシェルの円形部478に剛性を与え、
これによりハウジングの天井部を形成する円形部478
がガス圧により変形するのを阻止している。
【0141】又図22に示す如く、これらリブ状補強体
479は、ハウジング、特にその天井部を形成するディ
フューザシェル円形部478に剛性を与え、これにより
ハウジングがガス圧により変形するのを阻止している。
ディフューザシェルのフランジ部486は、図22に示
すように、パットモジュールの取付金具への取付部49
7を有している。この取付部497は、フランジ部48
6の周方向に90度の間隔をおいて配設されており、ね
じボルト用の取付穴476Bを有している。
【0142】クロージャシェル462は、ステンレス鋼
板をプレスにより成形してなり、円形部471と、その
外周部に形成される周壁部472を有している。円形部
471は中央部に凹部473が形成され、この凹部47
3の中央部に中央孔474が形成されている。この中央
孔474は、その孔縁部に軸方向曲折部475を有し、
この曲折部475は、点火器の胴部480が嵌合する内
周面481と、点火器の鍔部482が係止する端面48
3を有している。軸方向曲折部475の内周面481は
比較的大きなシール面が確保される。気密性確保のため
に、点火器の胴部480と内周面481間にシーリング
材を充填することができ、また点火器の鍔部482と端
面483間に溶接を行うことができる。点火器の鍔部4
82が係止する端面483は、燃焼室484内のガス圧
により点火器464が抜け出るのを防止している。凹部
473は、クロージャシェルの円形部471に剛性を与
えると共に、点火器のコネクタ底面485を円形部47
1の外面よりも内側の位置においている。
【0143】ディフューザシェル461は、その周壁部
476の先端部に半径方向外側に延在するフランジ部4
86を有し、またクロージャシェル462もその周壁部
472の先端部に半径方向外側に延在するフランジ部4
87を有している。これらフランジ部486、487が
ハウジングの軸方向略中央位置でかさね合わされてレー
ザ溶接488がされ、ディフューザシェル461とクロ
ージャシェル462は互いに接合される。これらフラン
ジ部486、487は、ハウジングの外周壁に剛性を与
え、ガス圧によるハウジングの変形を阻止している。
【0144】点火器464は、センサ(図示せず)から
の信号により作動する慣用の電気式点火器からなってい
る。電気式点火器は、機械的な機構を含まず構造が簡単
でかつ小型・軽量であるため、機械式の点火器よりも好
ましい。この点火器464(出力:10cc密閉圧力容
器内で300〜1500psi)には、図16の伝火薬
容器453に類するものが付随していない。これはガス
発生剤466の着火性、及び燃焼性が良いことによる。
【0145】即ち、ガス燃焼剤466は330℃以下の
分解点火温度を有し、2000°K以上の燃焼温度を有
する。ガス発生剤466は中空円柱体をなしており、こ
の形状の故に、燃焼は外面及び内面で起こり、燃焼の進
行につれてガス発生剤全体の表面積はあまり変わらない
という利点を有している。
【0146】クーラント/フィルタ467は、中央孔4
74と同心に配置され、ハウジング463と共に燃焼室
484を画成している。このクーラント/フィルタ46
7は、ステンレス鋼製平編の金網を半径方向に重ね、半
径方向及び軸方向に圧縮してなる。このクーラント/フ
ィルタ467により、燃焼室484が画成されると共
に、燃焼室で発生した燃焼ガスが冷却され、そして燃焼
残渣が捕集される。このクーラント/フィルタ467の
外側に積層金網体からなる外層489が形成されてい
る。この外層489は、クーラント/フィルタを補強
し、膨出を防止する。
【0147】クロージャシェルの円形部471を取り囲
んで周方向に傾斜部490が形成され、この傾斜部49
0は、クーラント/フィルタ467の位置決め乃至は移
動を阻止する手段として機能すると共に、ハウジングの
外周壁468と、クーラント/フィルタの外層489間
に間隙469を形成する手段としても機能している。
【0148】燃焼室484に固形ガス発生剤466とプ
レート部材491が配設されている。ガス発生剤466
は、直接、燃焼室内の空間に充填され、点火器464に
隣接して配設され、クーラント/フィルタ467の一側
端部とシェル部分478の間の開口を塞ぐプレート部材
の円形部492によりその移動が規制されている。プレ
ート部材491は、前記円形部492と、クーラント/
フィルタ467の一側端部の内周面に当接して該内周面
をカバーする、前記円形部492と一体の周壁部493
を有している。このプレート部材491により、クーラ
ント/フィルタの一側端面494とディフューザシェル
円形部478の内面間の燃焼ガスのショートパスが防止
される。ショートパスを防止するプレート部材491が
備わるときは、クーラント/フィルタのハウジングに対
する固定は、反対側の端面495のみ行えばよい。
【0149】ハウジングの外周壁468と、クーラント
/フィルタの外層489間に間隙469が形成されてお
り、この間隙469によりクーラント/フィルタ467
の周囲に半径方向断面が環状のガス通路が形成されてい
る。図16に示すガス発生器と同様に、ガス通路の半径
方向断面における面積は、ディフューザシェルの各ガス
排出口477の開口面積の総和よりも大きくされてい
る。クーラント/フィルタ周囲に設けられたスペーサ4
89は、燃焼ガスがクーラント/フィルタ467の全領
域を通過してガス通路469に向かって進み、それによ
り流れの均等さを改善し、且つクーラント/フィルタ4
67の有効利用と燃焼ガスの効果的な冷却・浄化が達成
される。冷却・浄化された燃焼ガスは、上記ガス通路4
69を通ってディフューザシェルのガス排出口477に
至る。ハウジング463内に外部より湿気が侵入するの
を阻止するために、アルミニウムテープ496によりデ
ィフューザシェルのガス排出口477がハウジング内側
より塞がれている。
【0150】本ガス発生器を組み立てるときは、クロー
ジャシェルの円形部471を底にしてクロージャシェル
462を置き、その中央孔474に点火器464を配設
する。次に、クーラント/フィルタ467を配設し、そ
の内側に固形ガス発生剤466を充填し、更にその上に
プレート部材491を配設する。最後に、ディフューザ
シェルのフランジ部486をクロージャシェルのフラン
ジ部487にかさね、レーザ溶接488を行い、ディフ
ューザシェル461とクロージャシェル462を接合す
る。
【0151】このように構成された本ガス発生器におい
て、衝撃をセンサ(図示せず)が感知すると、その信号
が点火器464に送られて点火器464が作動し、これ
によって燃焼室484内のガス発生剤466に点火す
る。これによりガス発生剤が燃焼して高温・高圧のガス
を生成し、この燃焼ガスはクーラント/フィルタ467
の全領域よりクーラント/フィルタ467に入り、クー
ラント/フィルタ467を通過する間に冷却されまた燃
焼残渣が捕集される。冷却・浄化された燃焼ガスは、間
隙469により形成されるガス通路を通り、アルミニウ
ムテープ496の壁を破ってガス排出口477より噴出
し、エアバッグ(図示せず)内に流入する。これにより
エアバッグは膨張して乗員と堅い構造物の間にクッショ
ンを形成し、衝撃から乗員を保護する。
【0152】図16及び17の前記実施例に於て、ディ
フューザシェルとクロージャシェルは一緒にエアバッグ
用ガス発生器のハウジングを形成し、これらディフュー
ザシェルとクロージャシェルは、それぞれ、厚さ1.2
〜3.0mmのステンレス鋼からなり45〜75mm、
又はより好ましくは50〜70mmの外径を有すること
ができる。ディフューザシェルとクロージャシェルを各
種溶接法、例えば電子ビーム溶接、レーザ溶接、ティグ
溶接、プロゼクション溶接などにより接合することがで
きる。ディフューザシェルとクロージャシェルの材料に
関し、ステンレス鋼板に代わり鋼板にニッケルメッキを
施したものを使用してもよい。ディフューザシェルのガ
ス排出口を、1.5〜4.5mmの直径とし、合計16
〜24個周方向に配置することができる。また、ハウジ
ングの全高(ディフューザシェルの上面からクロージャ
シェルの底面までの高さ)を25〜40mmとすること
が好ましい。
【0153】図18は、図16のものと類似しているエ
アバッグ用ガス発生器の他の例を示し、ディフューザシ
ェル401′とクロージャシェル402′をアルミニウ
ム合金を使用して鋳造により成形した例を示す。ディフ
ューザシェル401′は、円形部412′と、これと一
体に形成される中央筒部416′と、円形部412′の
外周部に形成される周壁部410′と、その先端部に半
径方向外側に延在するフランジ部419′を有してい
る。また、クロージャシェル402′は、円形部43
0′と、その中央部に形成される中央孔415′と、前
記円形部430′の外周部に形成される周壁部447′
と、この周壁部447′の先端部に半径方向外側に延在
するフランジ部420′を有している。中央孔415′
は前記中央筒部416′の外周に嵌合し、ディフューザ
シェルのフランジ部419′とクロージャシェルのフラ
ンジ部420′とがかさね合わされ、レーザ溶接42
1′がされ、ディフューザシェルとクロージャシェルは
接合されてハウジング403′を形成している。
【0154】図16に示したガス発生器と同様、本実施
例のガス発生器は又その中にクーラント/フィルタ40
7’を有する燃焼室428’と、ディフューザシェル4
01’から突出する中央筒部材416’により規定され
る点火手段収容室423’を含む。間隙409’がクー
ラント/フィルタ407’とハウジングの間に設けられ
る。図16のものと同一の部材は同一の符号が付けられ
ており、それらの説明は省略する。
【0155】図18に示されたエアバッグ用ガス発生器
に於ては、クロージャシェルはディフューザシェルにレ
ーザ溶接されてハウジングを形成している。併しなが
ら、米国特許第5,466,420号に開示される如く、摩擦溶
接も又レーザ溶接の代わりに用いられ得る。
【0156】図19は、図17に示したものと類似する
エアバッグ用ガス発生器の他の例を示し、ディフューザ
シェル461′とクロージャシェル462′はアルミニ
ウム合金を使用して鋳造により成形される。ディフュー
ザシェル461′は、円形部478′と、その外周部に
形成される周壁部476′と、その先端部に半径方向外
側に延在するフランジ部486′を有している。クロー
ジャシェル462′は、円形部471′と、その外周部
に形成される周壁部472′と、その先端部に半径方向
外側に延在するフランジ部487′を有している。円形
部471′の中央部に中央孔474′が形成されてい
る。この中央孔474′に点火器464の胴部480が
嵌合し、また点火器464の鍔部482はクロージャシ
ェル円形部471′の内面497に係止している。ディ
フューザシェルのフランジ部486′とクロージャシェ
ルのフランジ部487′とがかさね合わされてレーザ溶
接488′がされ、ディフューザシェル461′とクロ
ージャシェル462′は互いに接合されてハウジング4
63′を形成している。なお、図17と同一の部材は同
一の符号をつけて説明を省略する。
【0157】図20は助手席用エアバッグ装置に好適の
本発明のガス発生器の断面図であるが、図20のガス発
生器は、周方向及び軸方向に配列された複数個のガス排
出口500を有する円筒状部501と、この円筒状部5
01の両端部に配設される側壁部502及び503から
なるハウジング504を有している。このハウジング5
04内の中心部に伝火チューブ505が配設され、この
伝火チューブ505の外面に嵌合してディスク状のガス
発生剤506が多数並置され、更にこれらを囲繞してク
ーラント/フィルタ507が配設されている。一方の側
壁部502に伝火薬508と点火器509からなる点火
手段が配設され、この点火手段は伝火チューブ505内
に収容されている。他方の側壁部503には固定用のね
じボルト510が固着されている。伝火チューブ505
は伝火薬508の火炎が噴出する開口511を多数備
え、これら開口511は伝火チューブの管壁に均一に分
散して穿設されている。ハウジング504の内面には、
少なくとも排出口500が穿設される領域に、アルミニ
ウムテープ524が固着されている。このアルミニウム
テープ524は、排出口500より外部の湿気がハウジ
ング内に侵入しないように、排出口500を気密に閉鎖
している。
【0158】クーラント/フィルタ507の図面右側端
部にプレート部材512が、また左側端部にプレート部
材513がそれぞれ配設されている。プレート部材51
2は、クーラント/フィルタ507の右側端部開口51
4を塞ぐ円形部515と、この円形部515と一体に形
成されクーラント/フィルタの内周面516に当接する
周壁部517とからなっている。円形部515は、前記
伝火チューブ505の外周面に嵌合する中央孔518を
有している。また、プレート部材513もプレート部材
512と同様に構成された円形部521、周壁部52
2、及び中央孔523を有している。これらプレート部
材512、513は、半径方向移動に関し伝火チューブ
505に固定されており、ガス発生器組立の際にクーラ
ント/フィルタ507の位置決め手段として機能し、ま
た車両振動などによりクーラント/フィルタ507が移
動するのを阻止する移動阻止手段として機能すると共
に、ガス発生器作動時にハウジングの内面519とクー
ラント/フィルタ端面520間の燃焼ガスのショートパ
スを防止するショートパス防止手段としても機能する。
【0159】ハウジングの円筒状部501と、クーラン
ト/フィルタ507間に間隙525が形成されている。
この間隙525によりクーラント/フィルタ507の周
囲に半径方向断面が環状のガス通路が形成される。この
ガス通路の半径方向断面における面積Stは、円筒状部
の各ガス排出口500の開口面積Sの総和Atよりも大
きくされている。この間隙525の存在により、燃焼ガ
スはクーラントの全領域を通過しガス通路に向かって進
み、これによりクーラントの有効利用と燃焼ガスの効果
的な冷却・浄化が達成される。冷却・浄化された燃焼ガ
スは、上記ガス通路を通って円筒状部のガス排出口50
0に至る。
【0160】衝撃をセンサが感知するとその信号が点火
器509に送られて点火器509が作動し、これによっ
て伝火薬508が着火して高温の火炎を生成する。この
火炎は、伝火チューブ505の開口511より噴出す
る。噴出した火炎は、開口領域のガス発生剤506に点
火する。これによりガス発生剤506は燃焼して高温・
高圧の燃焼ガスを生成する。この燃焼ガスは、クーラン
ト/フィルタ507の全領域を通過し、その間に効果的
に冷却されまた燃焼残渣が捕集され、冷却・浄化された
燃焼ガスは、ガス通路(間隙525)を通り、アルミニ
ウムテープ524の壁を破ってガス排出口500より噴
出し、エアバッグ(図示せず)内に流入する。これによ
りエアバッグが膨張し、乗員と堅い構造物の間にクッシ
ョンを形成して衝撃から乗員を保護する。
【0161】図16及び図17のガス発生器において、
例えば固形ガス発生剤406の表面積の総和をA、ディ
フューザシェルの各ガス排出口411の開口面積の総表
面積をAtとするとき、AとAtとの比の値A/Atが、
ガス発生剤20〜50gについてA/At=100〜3
00とされている。この表面積の比の設定により、ガス
発生剤の燃焼速度が運転席用エアバッグに適した速度に
調整され、本ガス発生器に備わるガス発生剤が所望の時
間内で完全燃焼することを保証する。
【0162】図20のエアバッグ用ガス発生器におい
て、例えば、各固形ガス発生剤506の表面積の総和を
A、円筒状部の各ガス排出口500の開口面積の総表面
積をAtとするとき、ガス発生剤40〜120gについ
て、AとAtとの比の値 A/Atが、A/At=80〜
240と設定される。この表面積比の設定により、ガス
発生剤の燃焼速度が助手席用エアバッグに適した速度に
調整され、本ガス発生器に備わるガス発生剤が所望の時
間内で完全燃焼することができる。これに対し、側面衝
突用エアバッグでの適切な比は、同様の構造にも関わら
ず、ガス発生剤10〜25gで、250〜3600であ
る。
【0163】図35は、助手席側に配置するのに適した
エアバッグ装置の構成図を示す。この図に示すエアバッ
グ装置は、助手席用エアバッグ装置に好適のガス発生器
80"とエアバッグ84"とをモジュールケース83"内に収容
し、更に該ガス発生器80"には、コントロールユニット8
2"を介して衝撃センサ81"が接続されている。この図に
示すエアバッグ装置は助手席側のダッシュボード(図示
せず。)内などに収容される。
【0164】この本発明の好ましい実施例の一つを示す
図35中に於けるガス発生器80"は、特に図20に基づ
いて説明したガス発生器のような電気着火式のガス発生
器を示しているが、その他にも、このガス発生器は、軸
方向に長いガス発生器であって、その周方向及び軸方向
にガス排出口を有するものであれば、機械式センサを使
用した機械着火式ガス発生器であっても良い。
【0165】エアバッグ84"は、ナイロン(例えばナイ
ロン66)、またはポリエステルなどを用いて助手席側
の乗員の安全を確保するのに充分な大きさに形成され
る。該エアバッグ84"は、その袋口をモジュールケース8
3”の開口側に取り付け、折り畳まれた状態でモジュー
ルケース83”内に収容される。
【0166】モジュールケース83"は、例えばポリウレ
タン等を用いて、少なくとも前記ガス発生器80"とエア
バッグ84"とを収容可能な大きさに形成される。そして
このモジュールケース83"内にエアバッグ84"とガス発生
器80"とを収容してパッドモジュールを構成し、このパ
ッドモジュールを自動車助手席側のダッシュボード内な
どに取り付ける。
【0167】図面中に於ける衝撃センサ81"とコントロ
ールユニット82"とは、図8に基づいて説明した運転席
側に配置するのに適したエアバッグ装置に使用したもの
と同じである。
【0168】このエアバッグ装置は、自動車の衝突時の
衝撃を感知した衝撃センサ81"からの信号によりコント
ロールユニット82"が演算を開始し、その演算結果に応
じてガス発生器80"を作動させて燃焼ガスを噴出させ
る。このガス発生器80"の作動によって噴出した燃焼ガ
スはエアバッグ84"内に流入し、これによりエアバッグ8
4"はモジュールケース83”外に膨出して、ダッシュボー
ドと乗員の間に衝撃を吸収するクッションを形成する。
【0169】図23は、衝撃を感知するために機械式セ
ンサを使用した機械着火式ガス発生器であり、特に運転
席側に配置するのに適した形状の機械着火式ガス発生器
を示している。
【0170】この図に示す機械着火式ガス発生器は、周
方向に複数のガス排出口511を有するディフューザシェ
501と、中央孔513を有するクロージャシェル502とを
接合してハウジングを形成している。両シェルの接合は
各種溶接法、例えばプラズマ溶接、摩擦溶接、プロゼク
ション溶接、電子ビーム溶接、レーザ溶接、ティグ溶接
などにより行うことができる。このハウジング内は、前
記中央孔513と同心に配置される筒状の隔壁503により2
室以上に画成されており、該隔壁503の内側を点火装置
収容室504、外側を燃焼室505としている。該点火装置収
容室504内には伝火薬508と機械式センサ550とを含む点
火装置が収容され、該燃焼室505内には他の図面(図
1,7,10,16)に基づいて説明したガス発生剤50
6、クーラント/フィルタ507、クーラント支持部材50
9、リング体510、プレート部材512、その他ガス発生器
の作動に際して好適な部材が適宜収容される。またクー
ラント/フィルタ507外側に確保される間隙514など適宜
好適な構造も採用可能である。
【0171】図23に示すガス発生器中、ガス発生剤50
6を着火する点火装置は、例えば図24に示すように、
専ら機械的な機構により衝撃を感知して撃針551を発射
する機械式センサ550と、該機械式センサ550から発射さ
れる撃針551に刺突されて着火・燃焼する雷管515と、該
雷管515が燃焼した火炎で着火・燃焼してガス発生剤506
を燃焼させる伝火薬508とから構成することができる。
この図24における点火装置はハウジングの点火装置収
容室504内に収容され、伝火薬508と機械式センサ550
の間には雷管515を収容・固定する雷管ピース516が配設
される。該雷管ピース516は、前記雷管515をハウジング
の軸芯に配設して隔壁503に固定される。機械式センサ5
50は、該センサ550が衝撃を感知した際に発射する撃針5
51が前記雷管515を刺突可能なように点火装置収容室504
内に配設される。この雷管ピース516には、雷管515を収
容する箇所と伝火薬508を収容する箇所とを連通する貫
通孔517が穿設されており、該貫通孔517の何れか一方又
は双方の開口にはシールテープ(図示せず)を添付して
閉塞することができる。また、雷管515を収容した箇所
の開口にもシールテープを添付して閉塞し、該雷管515
の吸湿を阻止することができる。
【0172】上記した専ら機械的な機構により衝撃を感
知して撃針551を発射する機械式センサ550としては、例
えば図25に示すように、単一の撃針551をコイルばね5
52によりトリガ553のカム面554に押圧し、該カム面554
に隣接するくぼみ部分555をトリガ553と撃針551との係
合が外れるように切り欠いて形成し、更にシリンダ556
内にボール557を配設して、該ボール557に、コイルばね
558により図面上方に押圧されているばねホルダ559のア
ーム部分560を係止した機械式センサ550が挙げられる。
この機械式センサ550は、衝撃を感知すると、ボール557
がシリンダ556内の下方に移動し、このときアーム部分5
60を介してばねホルダ559が図面の下方向に移動する。
これによりトリガ553が回転し、該トリガ553のカム面55
4と撃針551との係合が外れ、該撃針551はコイルばね552
の力によりくぼみ部分555を通って飛び出し、雷管515
打つようになっている。この機械式センサ550は撃針551
の刺突機構が1つでよいことから、2つの撃針を有する
機械式センサと比べ、構造が簡素化され、かつ小さな容
積と減少した重量を有している。
【0173】図32は、機械着火式ガス発生器380'を用
いたエアバッグ装置を示す。この図に示すエアバッグ装
置は、モジュールケース383'内に図23に基づいて説明
した機械着火式ガス発生器380'と、エアバッグ384'とを
収容して成る。
【0174】モジュールケース383'は、例えばポリウレ
タンから形成され、モジュールカバー385'を含んでい
る。このモジュールケース383'内にエアバッグ384'及び
ガス発生器380'が収容されてパッドモジュールとして構
成され、このパッドモジュールは自動車のステアリング
ホイール387'に取り付けられる。
【0175】エアバッグ384'は、ナイロン(例えばナイ
ロン66)、またはポリエステルなどから形成され、そ
の袋口がガス発生器のガス排出口307'を取り囲み、折り
畳まれた状態でガス発生器のフランジ部314'に固定され
ている。
【0176】上記のようにガス発生器として機械着火式
ガス発生器380'を用いたエアバッグ装置の場合には、図
8に示すような電気着火式ガス発生器を用いたエアバッ
グ装置とは異なり、衝撃を感知する衝撃センサや、ガス
発生器の作動を管理するコントロールユニット等が不要
となることからこれらの配置及び配線が不要となる。こ
のエアバッグ装置は、ガス発生器380'内に収容される機
械式センサ381'が自動車の衝突時の衝撃を感知すること
により、該ガス発生器380'が作動してそのガス排出口30
7'から燃焼ガスを噴出する。このガスはエアバッグ384'
内に流入し、これによりエアバッグはモジュールカバー
385'を破って膨出して、ステアリングホイール387'と乗
員の間に衝撃を吸収するクッションを形成する。
【0177】図26はガス発生剤606とクーラント/フ
ィルタ607との間にパーフォレーテッドバスケット650
設けたエアバッグ用ガス発生器を示す。このガス発生器
は複数のガス排出口611を有するディフューザシェル601
と、中央孔613を有するクロージャシェル602とを各種溶
接方法によって接合してハウジングを形成している。該
ハウジング内は前記中央孔613と同心に配置された略円
筒形状の隔壁603により2室以上に画成され、該隔壁603
の内側を点火装置収容室604、外側を燃焼室605としてい
る。そして点火装置収容室604内には、他の図面(図2
3〜25)に基づいて説明した伝火薬608と機械式セン
612とを含む点火装置が収容され、また燃焼室605内に
は、図27及び図28に示すパーフォレーテッドバスケ
ット650のほか、他の図面(図1、7、10、16)に
基づいて説明したガス発生剤606、クーラント/フィル
607、クーラント支持部材609、リング体610、プレー
ト部材616、その他ガス発生器の作動に際して好適な部
材が適宜収容され、またクーラント/フィルタ607の外
側に確保される間隙614など適宜好適な構造も採用する
ことができる。
【0178】このパーフォレーテッドバスケット650
は、略円筒形状であってその周壁面652には周方向及び
軸方向に複数の貫通孔651が形成されている。この貫通
651は、所定間隔毎に規則的に或いは不規則に形成す
ることができ、また該貫通孔651の大きさは、発生ガス
の通過に支障を来さない範囲において自在に調整するこ
とができる。該パーフォレーテッドバスケット650は、
ガス発生剤606とクーラント/フィルタ607との間に配設
され、クーラント/フィルタ607の露出している箇所全
域、即ちクーラント支持部材609の防炎板部615よりも下
方を覆っている。防炎板部615は8〜15mmの高さを有
し、例えば隔壁中の最低の貫通孔から少なくとも2mm下
方まで延びて隔壁の貫通孔からの炎がクーラント/フィ
ルタ607に接触することを防止する。またこのパーフォ
レーテッドバスケット650は、クーラント/フィルタ607
と同じ軸芯長又はそれよりも僅かに短く形成して、該ク
ーラント支持部材609の防炎板部615の外側に配設し、ク
ーラント/フィルタ607とクーラント支持部材609の防炎
板部615とを重ね合わせることも可能である。
【0179】なお、図26は機械式センサ612を使用し
た機械着火式ガス発生器にパーフォレーテッドバスケッ
650を用いた例を示しているが、このパーフォレーテ
ッドバスケット650は、図1,7,10,16,17,19に示すような
電気着火式ガス発生器に適用することも可能である。
【0180】図29に示すエアバッグ用ガス発生器は、
図26に示すエアバッグ用ガス発生器と同様に、ガス排
出口611'を有するディフューザシェル601'と中央孔613'
を有するクロージャシェル602'とを接合して成るハウジ
ング内を、隔壁603'で点火装置収容室604'と燃焼室605'
との2室に画成し、該点火装置収容室604'内には図23
に基づいて説明した伝火薬608'と機械式センサ612'とを
含む点火装置が収容され、燃焼室605'内には図30及び
図31に示すパーフォレーテッドバスケットのほか、他
の図面で説明したガス発生剤606'、クーラント/フィル
タ607'、リング体610'、プレート部材609'、その他ガス
発生器の作動に際して好適な部材が適宜収容される。ま
たクーラント/フィルタ607'外側に確保される間隙614'
など適宜好適な構造も採用可能である。このパーフォレ
ーテッドバスケット650'はステンレス鋼、アルミニウム
又はカーボンスチールなどから形成することができる。
【0181】この実施例においてガス発生剤606'とクー
ラント/フィルタ607'との間に配設されるパーフォレー
テッドバスケット650'は、図26に示すエアバッグ用ガ
ス発生器に用いられるパーフォレーテッドバスケット26
50とは異なる形状であり、図30及び31に示すように
複数の貫通孔651'が形成された円筒形状の周壁652'の上
端開口には略平板円形状の蓋部653'が一体形成されてい
る。この蓋部653'は、該パーフォレーテッドバスケット
650'を配設するハウジングの上部の円形部616'の内面と
相補的に係合可能な形状とすることができる。特にこの
実施例に示すガス発生器においては、ディフューザシェ
ル601'に点火装置収容室604'を画成する円筒形状の隔壁
603'が設けられていることから、該パーフォレーテッド
バスケット650'の蓋部653'には、その中央に該隔壁603'
を挿通する大きさの開口部654'が形成されている。
【0182】この実施例に於けるパーフォレーテッドバ
スケット650'では、その周壁652'に形成される貫通孔65
1'は、隔壁652'に形成された貫通孔651'の半径方向に相
当する箇所を外して形成される。即ち該バスケット650'
は隔壁603'の貫通孔617'から噴出される伝火薬608'の燃
焼による火炎からクーラント/フィルタ607'を保護する
ことができ、更に該火炎の方向転換を図り燃焼室605'内
のガス発生剤606'に十分に回ることができるように、該
パーフォレーテッドバスケット650'の周壁652'に形成さ
れる貫通孔651'は、隔壁603'の貫通孔617'から噴出され
る伝火薬608'の燃焼による火炎があたる箇所を外して形
成される。望ましくは該周壁652'の貫通孔651'は、伝火
薬608'の燃焼による火炎が噴出する箇所よりも下方に所
定間隔で形成される。その結果、このパーフォレーテッ
ドバスケット650'の上方、詳細には貫通孔651'が形成さ
れる箇所よりも上方は、クーラント/フィルタ607'に向
け噴出される伝火薬608'の燃焼による火炎からクーラン
ト/フィルタ607'を保護するクーラント/フィルタ保護
機能と、該火炎の方向転換を図り火炎がガス発生剤606'
に十分に回るようにする燃焼促進機能を有することとな
る。パーフォレーテッドバスケット650'に形成される貫
通孔651'の大きさは、図26〜28に示すパーフォレー
テッドバスケットと同様に適宜調整することができる。
【0183】なお、図29は機械式センサ612'を使用し
た機械着火式ガス発生器にパーフォレーテッドバスケッ
トを用いた例を示しているが、このパーフォレーテッド
バスケットは、図1,7,10,16,17,19に示すような電気着
火式ガス発生器に適用することも可能である。
【0184】図33に示すエアバッグ用ガス発生器は、
ハウジング内に収容されるクーラント/フィルタ750 が
2以上の層で形成されていることを特徴とする。このガ
ス発生器は、ガス排出口711 を有するディフューザシェ
ル701 と中央孔713 を有するクロージャシェル702とを
接合して成るハウジング内を、隔壁703で、点火装置収
容室704と燃焼室705との2室に画成し、該点火装置収容
室704内には図23で 説明した伝火薬708と機械式セン
サ715とを含む点火装置を収容し、燃焼室705 内には図
34に示すような2以上の層で形成されたクーラント/
フィルタ750 のほか、他の図で説明したガス発生剤70
6、クーラント支持部材709、リング体710、 プレート部
材712、その他ガス発生器の作動に際して好適な部材を
適宜収容する。またクーラント /フィルタ750の外側
に確保される間隙714など適宜好適な構造も採用するこ
とができる。
【0185】この2以上の層で形成されるクーラント/
フィルタ750は、例えば半径方向に重ね合わされる内側
の層751と外側の層752とを異なる密度或いは材料で形成
することができる。内側の層751と外側の層752とが異な
る密度のクーラント/フィルタ750を形成する場合に
は、空隙構造を粗くした金網で内側の層751を形成し、
空隙構造を細かくした金網で外側の層752を形成して、
両層を半径方向に組み合 わせて形成することができ
る。この内側の層751 に使用される空隙構造を細かくし
た金網としては、環状の金網積層体を型内で圧縮成形し
て形成したものを使用することができる。
【0186】この実施例において、図33には機械式セ
ンサ715を用いた機械着火式ガス発生器に上記構成のク
ーラント/フィルタを収容した例を示しているが、その
他にも図1,7,10,16,17,19に示すような電気着火式ガス
発生器にも上記構成のクーラント/フィルタを適用する
こともできる。
【0187】図36に示すエアバッグ用ガス発生器は、
図26に示すガス発生器に近似しており、ガス発生剤80
6とクーラント/フィルタ807との間に図37及び図38に示
すパーフォレーテッドバスケット850を適用したガス発
生器である。ただしこの図36に示すガス発生器は、図26
に示すガス発生器とは異なり、特に電気着火式ガス発生
器に、パーフォレーテッドバスケット850を使用してい
る。
【0188】このガス発生器は複数のガス排出口811を
有するディフューザシェル801と、中央孔813を有するク
ロージャシェル802とを各種溶接方法の一つによって接
合してハウジングを形成している。該ハウジング内は前
記中央孔813と同心に配置された略円筒形状の隔壁803に
より2室に画成され、該隔壁803の内側を点火装置収容
室804、外側を燃焼室805としている。そして点火装置収
容室804内には、他の図面に基づいて説明した伝火薬808
と点火器812とを含む点火装置が収容される。燃焼室805
内には、図37及び図38に示す如きパーフォレーテッドバ
スケット850のほか、ガス発生剤806、クーラント/フィ
ルタ807、クーラント支持部材809、リング体810、プレ
ート部材816、その他ガス発生器の作動に際して好適な
部材が収容される。またクーラント/フィルタ807の外
側に間隙814を設けることができる。
【0189】パーフォレーテッドバスケット850は、略
円筒形状であってその周壁面852には周方向及び軸方向
に複数の貫通孔851が形成されている。この貫通孔851
は、所定間隔毎に規則的に或いは不規則に形成すること
ができ、また該貫通孔851の大きさは、発生ガスの通過
に支障を来さない範囲において自在に調整することがで
きる。該パーフォレーテッドバスケット850は、ガス発
生剤806とクーラント/フィルタ807との間に配設され、
クーラント/フィルタ807の露出している箇所全域、即
ちクーラント支持部材809の防炎板部815よりも下方を覆
っている。またこのパーフォレーテッドバスケット850
は、クーラント/フィルタ807と同じ軸芯長又はそれよ
りも僅かに短く形成して、該クーラント支持部材809の
防炎板部815の外側に配設し、クーラント/フィルタ807
とクーラント支持部材809の防炎板部815とを重ね合わせ
ることも可能である。
【0190】なお、パーフォレーテッドバスケット850
は、図26に示すように機械着火式ガス発生器に適用する
こともできる。
【0191】図39に示すエアバッグ用ガス発生器は、
図29に示すガス発生器に近似しており、ガス発生剤806'
とクーラント/フィルタ807'との間に、図40及び図41に
示すパーフォレーテッドバスケット850'を適用したガス
発生器である。ただしこの図39に示すガス発生器は、図
29に示すガス発生器とは異なり、特に電気着火式ガス発
生器に、パーフォレーテッドバスケット850'を使用して
いる。
【0192】またこのガス発生器は図36に示すエアバッ
グ用ガス発生器と同様に、ガス排出口811'を有するディ
フューザシェル801'と中央孔813'を有するクロージャシ
ェル802'とを接合して成るハウジング内を、隔壁803'で
点火装置収容室804'と燃焼室805'との2室に画成し、該
点火装置収容室804'内には他の図面に基づいて説明した
伝火薬808'と点火器812'とを含む点火装置が収容され、
燃焼室805'内には図40及び図41に示すパーフォレーテッ
ドバスケットのほか、ガス発生剤806'、クーラント/フ
ィルタ807'、リング体810'、プレート部材809'、その他
ガス発生器の作動に際して好適な部材が適宜収容され
る。またクーラント/フィルタ807'外側に間隙814'を設
けることも可能である。
【0193】この実施例においてガス発生剤806'とクー
ラント/フィルタ807'との間に配設されるパーフォレー
テッドバスケット850'は、図36に示すエアバッグ用ガス
発生器に用いられるパーフォレーテッドバスケット850
とは異なる形状であり、図40及び図41に示すように複数
の貫通孔851'が形成された円筒形状の周壁852'の上端開
口には略平板円形状の蓋部853'が一体形成されている。
この蓋部853'は、該パーフォレーテッドバスケット850'
を配設するハウジングの上部の円形部816'の内面と相補
的に係合可能な形状とすることができる。特にこの実施
例に示すガス発生器においては、ディフューザシェル80
1'に点火装置収容室804'を画成する円筒形状の隔壁803'
が設けられていることから、該パーフォレーテッドバス
ケット850'の蓋部853'には、その中央に該隔壁803'を挿
通する大きさの開口部854'が形成されている。
【0194】この実施例に於けるパーフォレーテッドバ
スケット850'では、その周壁852'に形成される貫通孔85
1'は、隔壁852'に形成された貫通孔851'の半径方向に相
当する箇所を外して形成される。即ち該バスケット850'
は隔壁803'の貫通孔817'から噴出される伝火薬808'の燃
焼による火炎からクーラント/フィルタ807'を保護する
ことができ、更に該火炎の方向転換を図り燃焼室805'内
のガス発生剤806'に十分に回ることができるように、該
パーフォレーテッドバスケット850'の周壁852'に形成さ
れる貫通孔851'は、隔壁803'の貫通孔817'から噴出され
る伝火薬808'の燃焼による火炎があたる箇所を外して形
成される。望ましくは該周壁852'の貫通孔851'は、伝火
薬808'の燃焼による火炎が噴出する箇所よりも下方に所
定間隔で形成される。その結果、このパーフォレーテッ
ドバスケット850'の上方、詳細には貫通孔851'が形成さ
れる箇所よりも上方は、クーラント/フィルタ807'に向
け噴出される伝火薬808'の燃焼による火炎からクーラン
ト/フィルタ807'を保護するクーラント/フィルタ保護
機能と、該火炎の方向転換を図り火炎がガス発生剤806'
に十分に回るようにする燃焼促進機能を有することとな
る。パーフォレーテッドバスケット850'に形成される貫
通孔851'の大きさは、図37及び図38のパーフォレーテッ
ドバスケットと同様に適宜調整することができる。
【0195】なお、パーフォレーテッドバスケット850'
は、図29に示すように機械着火式ガス発生器にも適用す
ることもできる。
【0196】図42に示すエアバッグ用ガス発生器は、
図33に示すエアバッグ用ガス発生器と同じように、ハウ
ジング内に収容されるクーラント/フィルタ750'が2以
上の層で形成されていることを特徴とする。ただしこの
図42に示すガス発生器は、図33に示すガス発生器とは異
なり、特に電気着火式ガス発生器に、2以上の層からな
るクーラント/フィルタ750'を使用している。
【0197】このガス発生器は、ガス排出口711'を有す
るディフューザシェル701'と中央孔713'を有するクロー
ジャシェル702'とを接合して成るハウジング内を、隔壁
703'で、点火装置収容室704'と燃焼室705'との2室に画
成し、該点火装置収容室704'内には他の図面に基づいて
説明した伝火薬708'と点火器715'とを含む点火装置を収
容し、燃焼室705'内には図F2に示すような2以上の層で
形成されたクーラント/フィルタ750'のほか、ガス発生
剤706'、クーラント支持部材709'、リング体710'、プレ
ート部材712'、その他ガス発生器の作動に際して好適な
部材を適宜収容する。またクーラント/フィルタ750'の
外側に間隙714'を設けることができる。この2以上の層
で形成されるクーラント/フィルタ750'は、例えば半径
方向に重ね合わされる内側の層751'と外側の層752'とを
異なる密度或いは材料で形成することができる。内側の
層751'と外側の層752'とが異なる密度のクーラント/フ
ィルタ750'を形成する場合には、空隙構造を粗くした金
網で内側の層751'を形成し、空隙構造を細かくした金網
で外側の層752'を形成して、両層を半径方向に組み合わ
せて形成することができる。この内側の層751'に使用さ
れる空隙構造を粗くした金網としては、例えば他の図面
(図2〜6)に基づいて説明した環状の金網積層体を型
内で圧縮成形して形成したものを使用することができ
る。
【0198】なお、パーフォレーテッドバスケット850'
は、図33に示すように機械着火式ガス発生器にも適用す
ることもできる。
【0199】次に非アジドガス発生剤について説明す
る。
【0200】従来のアジド系ガス発生剤は、分解開始温
度が350℃、燃焼温度が1500Kであり、通常の点
火器だけでは着火が不安定で、着火した場合でもガス発
生器の性能を満足させるに足る燃焼には至らず、そのた
めに点火器で伝火薬(B/KNO3)を着火させ、伝火
薬のエネルギでガス発生剤を着火、燃焼させていた。エ
アバッグ用本ガス発生器のガス発生剤として、330℃
以下の分解開始温度と、2000°K以上の燃焼温度を
有する着火性、及び燃焼性に優れたガス発生剤として非
アジド系ガス発生剤を用いれば、従来必要とされていた
伝火薬を不要とすることができることが見い出された。
上記分解開始温度は、好ましくは310℃以下とする。
【0201】本ガス発生器に使用する非アジド系ガス発
生剤としては、従来提案されている種々のものを使用し
得る。例えば、テトラゾール、トリアゾール、又はこれ
らの金属塩等の含窒素有機化合物とアルカリ金属硝酸塩
等の酸素含有酸化剤を主成分とするもの、トリアミノグ
アニジン硝酸塩、カルボヒドラジッド、ニトログアニジ
ン等を燃料及び窒素源とし、酸化剤としてアルカリ金属
又はアルカリ土類金属の硝酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩
などを使用したものなどが知られており、何れも本発明
においてガス発生剤として使用し得る。しかしこれらに
限定されるものではなく、燃焼速度、非毒性及び燃焼温
度の要求に応じて適当に選定される。ガス発生剤は、ペ
レット状、ウエハー状、中空円柱状、多孔体、又はディ
スク状等の適当な形状に於いて使用される。
【0202】ガス発生剤を点火器により点火する場合、
ガス発生剤の表面積が大きい方が点火が容易であり、こ
のためガス発生剤は、中空円柱体、多孔体などのものが
好ましい。
【0203】本ガス発生器のハウジングの内容積は、よ
り好ましくは65〜115ccとするが、60〜130
ccでもよい。また、固形ガス発生剤の充填重量は、好
ましくは運転手の側面用エアバッグでは30〜40gで
あるが、20〜50gでもよい。
【0204】非アジド系ガス発生剤は、70Kg/cm
2の圧力下において、5〜30mm/secの線燃焼速
度を持ち、このガス発生剤を用いて自動車用エアバッグ
のガス発生器を構成するとき、運転席用エアバッグでは
40〜60msec、助手席用エアバッグでは50〜8
0msec、側突用エアバッグでは5〜15msecで
ガス発生剤を全て燃焼させる必要がある。そこで、ガス
発生剤の燃焼を調整するために、各ガス発生剤の表面積
の総和をA、ディフューザシェルの各ガス排出口の開口
面積の総和をAtとするとき、AとAtとの比の値A/A
t について適当な設定がなされる。すなわち、この比A
/At は次の様に設定される:運転席用エアバッグにお
いては、20〜50gのガス発生剤で、A/At=10
0〜300、助手席用エアバッグにおいては、40〜1
20gのガス発生剤で、A/At=80〜240、側突
用エアバッグにおいては、10〜25gのガス発生剤
で、A/At=250〜3600 A/Atの比が各エアバッグの最大値を超える時、エア
バッグ用ガス発生器内の圧力は過大となり、ガス発生材
料の燃焼速度が余りに大きくなる結果となる。該比が最
小値より小さくなると、エアバッグ用ガス発生器内の圧
力が十分上昇せず、燃焼速度が余りに小さくなるという
結果となる。何れの場合も、燃焼時間は望ましい範囲外
となり、かかる燃焼時間をもつエアバッグ用ガス発生器
は使用し得ない。
【0205】所望の燃焼時間で完全燃焼を達成するため
には、ガス発生剤の1個の形状における肉厚部分の厚み
の最も小さい厚み距離を0.01〜2.5mmとするこ
とが好ましく、0.01〜1.0mmとすることがさら
に好ましい。
【0206】
【実施例】以下、表1に示す4種類のガス発生剤を用い
て、伝火薬を用いることなく、点火器によりガス発生剤
の点火を行い、表2に示す結果を得た。点火器は、Zp
p(ジルコニウム/過塩素酸カリウムの混合物)を用い
た出力1250psiのものを使用した。組成比は重量
比である。NQは高比重ニトログアニジンである。
【0207】
【表1】
【0208】
【表2】
【0209】本発明例1及び本発明例2において、伝火
薬を用いることなく点火器によりガス発生剤は着火し
た。
【0210】比較例1では、分解開始温度が高く燃焼温
度が低すぎるため、伝火薬なしでは着火しなかった。
【0211】比較例2では、分解開始温度は低いが、燃
焼温度が低いために、伝火薬なしでは着火しなかった。
【0212】ガス発生器ハウジングの(デイフューザ)
排出孔よりガスと共に排出される燃焼粒子(燃焼残渣)
の量を制限することが望ましい。何故なら、そのような
粒子はガス発生器に装着したエアバッグを燃やす傾向が
あるからである。粒子の最適範囲は2gを超えない。ガ
スの燃焼温度そのものはエアバッグの損傷を防ぐための
臨界的な因子ではない。
【0213】本発明のクーラント/フィルタは、ガス発
生器の作動時ガス発生剤の燃焼によって発生する通常の
ガス発生量中に含まれる燃焼残渣を2g以下、望ましく
は1g以下、特に望ましくは0.7g以下とする機能を有す
る必要がある。ここで、通常のガス発生量とは、用途に
応じて当然異なるが、例えば自動車の運転席用のエアバ
ッグ用ガス発生器であれば0.5〜1.5molであり、その助
手席用のエアバッグ用ガス発生器であれば1.5〜5molで
ある。本発明のエアバッグ用ガス発生器に於いては、発
生するガスの発生量とは関係なく、その発生ガス中に含
まれる燃焼残渣の量が、上記所定の数値に制限されてい
なければならない。
【0214】しかし、この点では、ガスの必要モル数は
非アジドガス発生剤で発生したガスのより高い燃焼温度
と、これに付属するより高いガスの膨張量により減少さ
れる。その結果、より少ないガス発生剤でよく、より小
さいガス発生器が可能とされる。
【0215】かかるクーラント/フィルタのかさ密度
は、3.0〜5.0g/cm3, 好ましくは3.5〜4.5g/cm3
ある。
【0216】金網の材料は例えばステンレス鋼を使用す
ることができ、ステンレス鋼としては、例えばSUS3
04、SUS310S、SUS316(JIS規格記
号)などを使用することができる。SUS304(18
Cr−8Ni−0.06C)は、オーステナイト系ステ
ンレス鋼として優れた耐食性を示す。
【0217】フィルタの外側及び内側の双方、又はいず
れか一方に、周壁全体に多数の貫通孔を有する補強用リ
ング体を嵌合することができるが、このものは必ずしも
必要ではない。
【0218】本発明のガス発生器(インフレータ)は非
アジド系含窒素有機化合物を使用する。この非アジド系
ガス発生剤は、少なくとも含窒素有機化合物と、酸化剤
と、スラグ形成剤とからなり、ガス発生剤を所定形状の
成形体とする場合には、バインダーを配合することもで
きる。
【0219】含窒素有機化合物としては、例えばトリア
ゾール誘導体、テトラゾール誘導体、グアニジン誘導
体、アゾジカルボンアミド誘導体、ヒドラジン誘導体か
ら成る群から選ばれた1種又はそれ以上の混合物等があ
る。
【0220】これらの具体例として、5−オキソ−1,
2,4−トリアゾール、テトラゾール、5−アミノテト
ラゾール、5,5'−ビ−1H−テトラゾール、グアニジ
ン、ニトログアニジン、シアノグアニジン、トリアミノ
グアニジン硝酸塩、硝酸グアニジン、炭酸グアニジン、
ビウレット、アゾジカルボンアミド、カルボヒドラジ
ド、カルボヒドラジド硝酸塩錯体、蓚酸ジヒドラジド、
ヒドラジン硝酸塩錯体等を挙げることができる。中でも
ニトログアニジン及びシアノグアニジンが好ましく、分
子中の炭素数が少ない点からニトログアニジンは最も好
ましい化合物である。ニトログアニジンとして針状結晶
状の低比重ニトログアニジンと塊状結晶の高比重ニトロ
グアニジンがあり、いずれでも使用できるが、少量の水
存在下での製造時の安全性及び取り扱い易さから、高比
重ニトログアニジンの使用がより好ましい。
【0221】化合物の濃度は、分子式中の炭素元素、水
素元素及びその他の酸化される元素の数によって異なる
が、通常25〜60重量%の範囲で用いられ、好ましくは30
〜40重量%の範囲で用いられる。用いられる酸化剤の種
類により絶対数値は異なるが、完全酸化理論量より多い
と発生ガス中の微量CO濃度が増大し、完全酸化理論量
及びそれ以下になると発生ガス中の微量NOx濃度が増
大する。両者の最適バランスが保たれる範囲が最も好ま
しい。
【0222】酸化剤としては種々のものが使用できる
が、アルカリ金属又はアルカリ土類金属から選ばれたカ
チオンを含む硝酸塩の少なくとも1種から選ばれた酸化
剤が用いられる。その量は用いられるガス発生化合物の
種類と量により絶対数値は異なるが40〜65重量%の範囲
で用いられ、特に上記のCO及びNOx濃度に関連して4
5〜60重量%の範囲が好ましい。
【0223】その他、亜硝酸塩、過塩素酸塩等のエアバ
ッグインフレータ分野で多用されている酸化剤も用い得
るが、硝酸塩に比べて亜硝酸塩分子中の酸素数が減少す
ること又はバッグ外へ放出されやすい微粉状ミストの生
成を減少させる等の観点から硝酸塩が好ましい。
【0224】スラグ形成剤の機能は、ガス発生剤組成物
中の特に酸化剤成分の分解によって生成するアルカリ金
属又はアルカリ土類金属の酸化物をミストとしてインフ
レータ外へ放出することを避けるため液状から固体状に
変えてクーラント/フィルタがよりよくそれらを燃焼室
内に止める様にさせる。クーラント/フィルタはスラッ
グ形成剤と粒状残渣の混合物を捕らえ、冷却し、クーラ
ント/フィルタをその後通り抜けない粒子径にする。こ
の相互作用こそ従来のフィルタ構造に対する要求を解消
する。
【0225】金属成分の違いによって最適化されたスラ
グ形成剤を選ぶことができる。このスラグ形成剤として
は、例えばベントナイト系、カオリン系等のアミノケイ
酸塩を主成分とする天然に産する粘土並びに合成マイ
カ、合成カオリナイト、合成スメクタイト等の人工的粘
土及び含水マグネシウムケイ酸塩鉱物の1種であるタル
ク等が挙げられ、この内の少なくとも1種から選ばれた
スラグ形成剤を用いることができる。好ましいスラグ形
成剤として酸性白土を挙げることができる。
【0226】例えば、硝酸カルシウムから発生する酸化
カルシウム、粘土中の主成分である酸化アルミニウム及
び酸化ケイ素の三成分系における酸化物混合物の粘度及
び融点は各々その組成比によって1350℃から1550℃の範
囲で粘度が3.1ポイズから約1000ポイズまで変化し、融
点は組成により1350℃から1450℃に変化する。これらの
性質を利用してガス発生剤組成物の混合組成比に応じた
スラグ形成能を発揮することができる。
【0227】スラグ形成剤の使用量は1〜20重量%の範
囲で変えることができるが、好ましくは3〜7重量%の
範囲である。多すぎると線燃焼速度の低下及びガス発生
効率の低下をもたらし、少なすぎるとスラグ形成能を十
分発揮することができない。
【0228】バインダーは所望のガス発生剤組成物の成
型体を得る場合に必要な成分であり、水及び溶媒等の存
在下で粘性を示し、組成物の燃焼挙動に大幅な悪影響を
与えないものであれば何れでも使用可能である。このよ
うなバインダーとしては例えば、カルボキシメチルセル
ロースの金属塩、ヒドロキシエチルセルロース、酢酸セ
ルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロー
ス、ニトロセルロース、澱粉等の多糖誘導体が挙げられ
るが、製造上の安全性と取り扱い易さから水溶性のバイ
ンダーが好ましい。カルボキシメチルセルロースの金属
塩、特にナトリウム塩が最も好ましい例として挙げられ
る。
【0229】バインダーの使用量は3〜12重量%の範囲
で使用でき、更に好ましくは4〜12重量%の範囲であ
る。量的には多い側でより成型体の破壊強度が強くなる
が、量が多いほど組成物中の炭素元素及び水素元素の数
が増大し、炭素元素の不完全燃焼生成物である微量CO
ガスの濃度が増大し、発生ガスの品質を低下させるため
好ましくない。特に12重量%を超える量では酸化剤の相
対的存在割合の増大を必要とし、ガス発生化合物の相対
的割合が低下し、実用できるインフレータシステムの成
立が困難となる。
【0230】更に、カルボキシメチルセルロースのナト
リウム塩の副次的な効果として水を使用した成型体製造
時に硝酸塩との金属交換反応によって生じる硝酸ナトリ
ウムの分子オーダーのミクロな混合状態の存在により酸
化剤である硝酸塩、特に分解温度の高い硝酸ストロンチ
ウムの分解温度をより低温側に移行させ、燃焼性を向上
させる効果を有する。
【0231】従って、本発明の実施に当って用いられる
好ましいガス発生剤組成物は、 (a)約25〜60重量%、好ましくは30〜40重量%のニト
ログアニジン (b)約40〜65重量%、好ましくは45〜65重量%の酸化
剤 (c)約1〜20重量%、好ましくは3〜7重量%のスラ
グ形成剤 (d)約3〜12重量%、好ましくは4〜12重量%のバイ
ンダー から成るガス発生剤組成物であり、特に好ましい組成物
としては、 (a)約30〜40重量%のニトログアニジン (b)約40〜65重量%の硝酸ストロンチウム (c)約3〜7重量%の酸性白土及び (d)約4〜12重量%のカルボキシメチルセルロースの
ナトリウム塩 から成るガス発生剤組成物である。
【0232】而して、本発明によれば、 (a)約25〜60重量%のニトログアニジン (b)約40〜65重量%の酸化剤 (c)約1〜20重量%のスラグ形成剤 (d)約3〜12重量%のバインダー から成るエアバッグ用ガス発生剤成型体が提供される。
【0233】含窒素有機化合物としてはジシアンジアミ
ドも好ましく使用される。
【0234】ガス発生剤組成物中での含窒素有機化合物
の使用量は、用いられる含窒素化合物を構成する元素の
数及び分子量、酸化剤及びその他の添加剤との組み合わ
せにより異なるが、酸化剤その他の添加剤と組み合わせ
による酸素バランスが零付近が最も好ましいが、前記し
た微量CO及びNOxの発生濃度に応じて酸素バランス
を正側又は負側に調整することにより最適な組成物成型
体が得られる。例えば、ジシアンジアミドを用いた場
合、その量は8〜20重量%の範囲が好ましい。
【0235】本発明で用いられる酸素を含む酸化剤とし
ては、エアバッグ用ガス発生剤の分野で公知の酸化剤を
用いることができるが、基本的には残渣成分が液体又は
気体状態になり、冷却剤及びフィルタ剤への熱的負荷を
掛けることを低減できるよう、高融点物質を生成する性
質を有する酸化剤を用いることが好ましい。
【0236】例えば、硝酸カリウムは、一般的にガス発
生剤で使用される酸化剤であるが、燃焼時の主たる残渣
成分は酸化カリウムもしくは炭酸カリウムであり、酸化
カリウムは約350℃で過酸化カリウムと金属カリウムに
分解し、更には過酸化カリウムは融点763℃であり、ガ
ス発生器作動状態では液体又は気体状態となり、前記の
冷却剤及びフィルタ剤への熱的負荷を考慮すると好まし
くない。
【0237】本発明で好ましく用いられる酸化剤として
は硝酸ストロンチウムが挙げられる。硝酸ストロンチウ
ムの燃焼時の主たる残渣成分は融点2430℃の酸化ストロ
ンチウムであり、ガス発生器作動状態でもほとんど固体
状態である。
【0238】本発明における酸化剤の使用量は含窒素有
機化合物を完全に燃焼するに十分な酸化剤量であれば特
に制限されず、線燃焼速度及び発熱量を制御するために
適宜変更できるが、ジシアンジアミドに対し酸化剤とし
て硝酸ストロンチウムを用いた場合、11.5〜55重量%で
あることが好ましい。
【0239】本発明の好ましいガス発生剤組成物の一つ
としては、ジシアンジアミドを8乃至20重量%、硝酸ス
トロンチウムを11.5乃至55重量%、酸化銅を24.5乃至80
重量%、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩を
0.5乃至8重量%含有するものがあげられるが、本発明
はジシアンジアミドを8乃至20重量%、硝酸ストロンチ
ウムを11.5乃至55重量%、酸化銅を24.5乃至80重量%、
カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩を0.5乃至
8重量%含有するガス発生剤組成物をも提供するもので
ある。
【0240】ニトログアニジン、Sr(NO3)2、カルボキシ
メチルセルロース及び酸性白土を、ニトログアニジン:
Sr(NO3)2:カルボキシメチルセルロース:酸性白土=3
5.4:49.6:10:5の組成重量比で含む非アジド固形ガ
ス発生剤は、本発明のエアバッグ用ガス発生器中これを
タンク内で作動させてガスを発生させる。該ガス発生器
から排出された発生ガスをタンク内に収容し、その後タ
ンク内をアセトンで洗浄してガス排出口から排出される
ガス中に含まれる燃焼残渣を得て、ガス中の燃焼残渣の
量を測定した。
【0241】その結果、ガス発生器の排出口から排出さ
れた発生ガスの量は1molであり、その中には0.3gの燃
焼残渣が含まれていた。助手席用の本発明のエアバッグ
用ガス発生器は、同様の試験で、発生ガスの量は4mol
であり、その中には0.6gの燃焼残渣が含まれていた。
両試験とも2g未満の粒子発生であり、かかる結果はエ
アバッグの粒子損傷を防止している。
【0242】本発明の実施に当たっては、次の様な追加
の操作パラメータが見出された。
【0243】本発明者等は上記非アジド系ガス発生剤を
安定して燃焼させるためには、ガス発生器内の最大圧力
が少なくとも100kg/cm2必要であること、そしてガス発
生器最大内圧が300kg/cm2を超えると容器(ハウジン
グ)に過度な強度が必要とされ、ガス発生器が小型、軽
量にならないことを見出した。
【0244】しかしてこの様な最大内圧に対しては破裂
板等による圧力制御は不必要であること、小型容器(内
容積120cc以内)において、最大内圧100〜300kg/cm2
開口部総面積/ガス発生量0.50〜2.50cm2/molであれば
エアバッグ展開にふさわしい出力カーブが得られること
を見出した。
【0245】即ち本発明は、ハウジング内部にガス発生
剤を収納し、該ガス発生剤から発生したガスがエアバッ
グへと通過する方向にガス発生剤の燃焼を制御する複数
の開口部が設けられているガス発生器であって、ガス発
生剤のガス発生量に対する上記開口部の総面積を0.50〜
2.50cm2/mol、ガス発生器の作動時の最大内圧を100〜30
0kg/cm2とすることを特徴とするエアバッグ用ガス発生
器を提供する。
【0246】本発明の実施にあたっては開口部が円相当
径3〜4.5mmを有することが好ましい。ここで円相当径
とは、開口部が円のみならず、円に近似できる形状を有
する場合もあるので、直径ではなく、円相当径とした。
これは各開口部と面積を等しくする真円とした場合の径
である。開口部の円相当径が2mm未満では開口部総面積
/ガス発生量が2.50cm2/mol以下であっても、開口部出
口に存在するエアバッグ部品、例えば、開口部がハウジ
ングのディフューザーのガス排出口であればエアバッ
グ、開口部がハウジング内部の燃焼室隔壁であればフィ
ルタやクーラント等を損傷させる。又これを防ぐため開
口部の数を増やすと孔数が多くなりすぎ、加工に費用が
かかる。
【0247】本発明では内容積120cc以内の小型容器
で、最大内圧を100〜300kg/cm2、好ましくは130〜180kg
/cm2、開口部総面積/ガス発生量を0.50〜2.50cm2/mo
l、好ましくは1.00〜1.50cm2/molに制御する様に非アジ
ド系ガス発生剤を選択し、又開口部の孔径及び個数を決
定する。これによってエアバッグ展開にふさわしい出力
カーブを得ることができる。開口部総面積は(1つの孔
面積)×(個数)で決まる。従って、バッグに対しての
損傷を考慮すれば孔径が決まり、従って個数も決まるこ
とになる。
【0248】本発明のガス発生器は、内部にガス発生剤
を収容し、該ガス発生剤からのガスが通過する方向に、
ガス発生剤の燃焼を制御する複数の開口部が、該発生器
のハウジング及び/又はガス発生剤から発生したガスが
エアバッグへと通過する方向のハウジング内の隔壁(以
下、単にハウジング内の隔壁とする。)に形成されてい
るものであればよい。上記開口部は、1つの開口部の開
口面積が、内径3〜4.5mmの円面積に相当する大きさで
あり、ハウジング、ハウジング内の隔壁、又はハウジン
グとハウジング内の隔壁との双方の何れかに、周方向に
合計12〜20個形成されることが望ましい。本発明に於い
てガス発生器内の作動時の最大内圧は、ハウジング又は
ハウジング内の隔壁の何れかに設けた開口部、或いはハ
ウジングとハウジング内の隔壁との双方に設けた開口部
によって規制される。例えば、ハウジングとハウジング
内の隔壁との双方に開口部を設け、ハウジング又はハウ
ジング内の隔壁の何れかの開口部でハウジングの内圧を
規制する場合には、他方の開口部は更に内圧を規制する
こととならない範囲内に於いて、適宜形成することがで
きる。
【0249】発生したガスが通過する開口部は、ハウジ
ング及び/又はハウジング内の隔壁の円周方向に一列
に、或いは千鳥形に配置することができる。
【0250】ハウジングは、鋳造・鍜造によって形成す
る他、ガスを排出するための開口部(以下、ガス排出口
とする。)を有するディフューザシェルと中央孔を有す
るクロージャシェルとをプレス成形し、これらを各種溶
接法、例えばプラズマ溶接、摩擦溶接、プロゼクション
溶接、電子ビーム溶接、レーザ溶接、ティグ溶接などに
より溶接して形成することができる。該ハウジングはガ
ス排出口を有する。このプレス形成によるハウジング
は、その製造が容易になると共に、製造コストを低減す
ることができる。ディフューザシェルとクロージャシェ
ルは、例えば、それぞれ厚さ1.2〜2.0mmのステンレス鋼
板を用いて、ディフューザシェルの外径を65〜70mm、ク
ロージャシェルの外径を65〜75mmとして形成することが
できる。ステンレス鋼板の代わりに鋼板にニッケルメッ
キを施したものを使用してもよい。このハウジングには
取付用のフランジを形成すること、又ハウジング外周壁
とクーラントとの間には、ガス流路として機能する1.0
〜4.0mmの間隙を形成することが好ましい。ハウジング
の全高は、30〜35mmとすることが好ましい。
【0251】隔壁は、ハウジング内を2室以上に区画す
るものであって、必要に応じてハウジング内に適宜形成
される。但し本発明に於いてガス発生剤の燃焼を制御す
る複数の開口部が設けられる隔壁とは、ガス発生剤の燃
焼室で発生したガスが通過する方向にある隔壁である。
このような隔壁としては、例えば、ハウジング内のガス
発生剤収納室とクーラント/フィルタとの間に配置され
る隔壁の他、コンバッションリングも含まれる。このコ
ンバッションリングは、燃焼室を囲むようにハウジング
内に配置され、その周壁にはガス発生剤燃焼時の最大内
圧を制御する開口部が多数設けられている。
【0252】なお、この隔壁は、ハウジング内に筒状部
材を収納して、その周壁を隔壁とすることもできる。筒
状部材は、例えば、厚さ1.2〜2.0mmのステンレス鋼板を
管状に丸めて溶接した溶接管を用いて形成することがで
きる。筒状部材を用いて隔壁とした場合にも、該筒状部
材には開口部が形成される。
【0253】上記の開口部には、外気(湿気)の進入を
阻止する必要がある場合には、孔径の2〜3.5倍の幅を
有するシールテープが貼付されることが望ましい。この
シールテープは、専ら防湿の目的で開口部を閉塞するも
のであり、発生したガスが開口部を通過するに際して何
等障害とはならず、一切、ハウジングの内圧を規制する
ことはない。従って、本発明に於いてシールテープの厚
さは、湿気の進入を阻止することができる充分な厚みを
有すれば足り、例えばシールテープとしてアルミニウム
テープを用いた場合には、該テープの厚さを25μm以上
とすることにより、テープ面からの湿気の進入を阻止す
ることができる。但し、本発明においては、迅速にガス
発生器を立ち上げる為にハウジング内最大内圧は、専ら
開口部総面積によって規制するから、該アルミニウムテ
ープの厚さが80μm以上の場合には、ガス発生剤の燃焼
によって噴出ガスが発生しても、アルミニウムテープは
破裂しにくいものとなり、アルミニウムテープが破裂す
る迄の時間が必要となるので、エアバッグ装置の立ち上
がり動作が遅れ、所期の目的を達成することができない
おそれがある。従ってアルミニウムテープをシールテー
プとして用いた場合にはそのテープ厚は25〜80μmであ
ることが望ましい。
【0254】
【発明の効果】本発明のガス発生器においては、クーラ
ント/フィルタには、好ましくは外周部に膨出抑止手段
が形成され、ガス発生器のフィルタとハウジングとの間
にガス発生器作動時において空隙を確保する。クーラン
ト/フィルタとハウジングの間に空隙を保持することに
より、燃焼ガスはクーラント/フィルタ構造の全領域を
通過し、クーラント/フィルタの有効な利用と燃焼ガス
の有効な冷却及び浄化を実現する。
【0255】本発明のガス発生器は、以上述べた通りに
構成されているので、燃焼ガスはクーラント/フィルタ
構造の全領域を通過するようになり、これによりクーラ
ント/フィルタの有効利用と、燃焼ガスの効果的な冷却
及び浄化が達成されるものである。
【0256】又本発明のガス発生器は、上記のように構
成されたショートパス防止手段を具備し、これにより燃
焼ガスのショートパスが常に防止され、燃焼ガスは全て
フィルタ手段を通過するようになり、これにより効果的
に冷却、浄化された燃焼ガスが常に得られ、従ってエア
バッグの正常な展開が常に保証されるものである。
【0257】本発明のガス発生器においては、外殻容器
をコストの高い鍛造により成形するのを避け、安価にか
つ容易に製造できるプレス加工により成形するものであ
るから、コスト面及び製造面で有利となる。すなわち、
ディフューザシェルとクロージャシェルをプレスにより
成形することにより、製造コストの低減が達成されると
共に、ディフューザシェルとクロージャシェルの製造も
容易になる。
【0258】従来はディフューザシェルの円形部に一体
形成されていた中央筒部材を分離することにより、ディ
フューザシェルの形状が単純化される。また、中央筒部
材を分離することにより、中央筒部材の容積をディフュ
ーザシェルと別個に必要に応じて自由に変更することが
できる。中央筒部材は、単独で例えばUOプレス方式を
利用して安価に製造することができる。
【0259】本ガス発生器に備わるクーラント/フィル
タは、本来の冷却機能に加えて、燃焼室を画成する機
能、及び燃焼残渣を捕集する機能も兼ねるものであるか
ら、従来クーラントと別個に備わっていた燃焼室隔壁部
材、及びフィルタを廃止することができる。これにより
部品点数が減少し、またガス発生器の径が縮小し、その
結果小型・軽量のガス発生器が実現できる。
【0260】本ガス発生器を備えるエアバッグ装置は、
ガス発生器の部品点数が減少され、またガス発生器の径
が縮小されているので、小型・軽量のエアバッグ装置が
実現できる。
【0261】本発明のクーラント/フィルタ構造は、以
上説明した通りに構成されているので、微細な燃焼残渣
でも効果的に捕集することができる。すなわち、本クー
ラント/フィルタは、本来の冷却機能に加えて、優れた
捕集機能も有するから、従来クーラントと別個に必要と
されていたフィルタを廃止することができる。
【0262】従って、本発明のクーラント/フィルタ装
置を備えるガス発生器は、部品点数が減少し、またガス
発生器の径が縮小し、その結果ガス発生器の小型・軽量
化が実現できるものである。
【0263】所定のかさ密度を有する本クーラント/フ
ィルタ装置は、その保形強度が著しく増大し、そのため
にガス圧による変形が回避され、従ってクーラント及び
/又はフィルタ装置の正常な燃焼残渣捕集機能が確保さ
れ、またその薄肉化が達成される。
【0264】パーフォレーテッドバスケットはクーラン
ト/フィルタの表面をインフレータ内の圧力に影響を与
えることなく溶融することから保護する。更にパーフォ
レーテッドバスケットはクーラント/フィルタ及びガス
発生剤ペレットの直接接触を防止し、且つまた発生剤が
振動によりクーラント/フィルタに対し摩擦することを
防止する。
【0265】パーフォレーテッドバスケットの火焔防止
部材乃至火焔防止板は分離板中の透孔の列と対向して配
置され、クーラント/フィルタの内周面をクーラント/
フィルタに向かって噴出する火焔から遮蔽し、且つ更に
噴出する火焔が偏曲されて火焔がガス発生剤に十分到達
する様にする。更に火焔防止部分及び穿孔部分を一つの
ユニットとして形成することにより、製造プロセスが減
少され、穿孔部分を火焔防止部分に連結するための要素
が除去され得る。
【0266】本発明のガス発生器は、従来必要とされて
いた伝火薬を不要とすることがで、また従来の3室構成
のガス発生器に比べ、ガス発生器の径が縮小し、そのた
めにガス発生器の小型化・軽量化が実現できる。また、
本発明の点火器/燃焼室共通で、伝火薬のための隔壁が
なく点火器をガス発生剤が包囲している1室構成のガス
発生器においては、ハウジングを形成するディフューザ
シェル及びクロージャシェルの形状が簡単になり、その
ためにガス発生器の製造が容易となり、コスト的にも有
利となる。
【0267】本発明のエアバッグ用インフレータ内に設
置された機械式のセンサにより衝突による衝撃を感知す
ることにより、電気衝撃センサ、電子的制御ユニット及
びセンサと制御ユニットを連結する器具を不要にし、そ
れにより電気的に作動されるエアバッグ装置と比較して
エアバッグ装置をよりコンパクトに且つ重量をより軽く
することができる。
【0268】本発明のエアバッグ用インフレータは衝突
による衝撃を電気式又は機械式の何れでもこれを感知し
て作動され得る。
【0269】本発明のガス発生器は、ガス発生剤、特に
非アジド系ガス発生剤を用い、その発生ガスがエアバッ
グへ通過する方向の開口部の孔径及び開口部総面積/ガ
ス発生量を制御することにより、破裂板を用いることな
く、ガス発生剤を安定に燃焼させ、小型容器でエアバッ
グ展開にふさわしい出力カーブを得ることができる。従
ってエアバッグ用ガス発生器を小型・軽量化する際に有
利なものとなる。
【0270】特に本発明のエアバッグ用ガス発生器は、
含窒素有機化合物と、酸化剤と、酸性白土とを必須成分
として含有する非アジド系ガス発生剤組成物を使用し、
且つかさ密度が3.0〜5.0g/cm3のフィルタを使用する
ことにより、仮にガス発生剤の燃焼によって液状の燃焼
残渣が発生したとしてもスラグが生成し、本発明のガス
発生器中のフィルタによって濾別することができる。そ
の結果、最小量の燃焼残渣がフィルタ部材を通過し、エ
アバッグの損傷を解消することができる。
【0271】本発明のエアバッグ用ガス発生器を用いた
エアバッグ装置は、エアバッグが燃焼残渣によって損傷
を受けることがなくなり、自動車、航空機等に搭載され
る人体保護のために供せられるエアバッグ装置に有用で
ある。
【0272】本発明のガス発生器は、上述した種々の構
造により、本ガス発生器に備わるガス発生剤を所望の時
間内に完全燃焼させることができる。
【0273】本発明のガス発生器においては、上記の実
施態様におけるそのフランジ部の構成により、ガス発生
器作動時におけるハウジングの変形が阻止され、そのた
めにガス発生手段の正常な燃焼、及び燃焼ガスの正常な
流れなどが保証されると共に、ハウジングの薄肉化が達
成され、小型、軽量のガス発生器が実現できる。
【0274】また、ディフューザシェルに設けられたフ
ランジ部は、万が一溶接部が破損してもエアバッグ側、
すなわち乗員側に危害がおよぶ危険性を回避できる。
【0275】ディフューザシェルとクロージャシェルを
プレスにより成形することにより、製造コストの低減が
達成されると共に、ディフューザシェルとクロージャシ
ェルの製造も容易になる。
【0276】ディフューザシェルの円形部及びクロージ
ャシェルの円形部の双方又はいずれか一方にリブ状補強
体及び補強段部の双方又はいずれか一方を設けることに
より、ガス発生器作動時のハウジング、特にその円形部
の変形が阻止される。その結果、円形部内面とフィルタ
手段端面間で燃焼ガスのショートパスが防止され、エア
バッグの正常な展開が常に確保されるものである。
【0277】本発明を上記の如く説明したが、これは多
くのやり方で変え得ることは明らかである。かかる変型
は本発明の精神及び範囲から逸脱するものではなく、凡
てのかかる当業者にとって自明の修正は特許請求の範囲
内に入るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアバッグ用ガス発生器の縦断面図で
ある。
【図2】本発明のクーラント/フィルタを製造する工程
に使う円筒体金網の斜視図である。
【図3】図2の円筒体金網をクーラント/フィルタに形
成する概要説明図である。
【図4】本発明の製造したクーラント/フィルタ構造の
縦断面概要図である。
【図5】半径方向に圧縮した円筒体金網より形成した平
面板部材の概要図である。
【図6】図5の平面板部材を巻いて形成した多層の円筒
体金網の概要説明図である。
【図7】本発明のエアバッグ用ガス発生器の他の例の縦
断面図である。
【図8】図1、2に示したようなエアバッグ用ガス発生
器を組み込んだ本発明のエアバッグ装置の概要図であ
る。
【図9】従来のエアバッグ用ガス発生器の縦断面図であ
る。
【図10】本発明のクーラント/フィルタを含む本発明
のエアバッグ用ガス発生器の他の例の縦断面図である。
【図11】本発明のクーラント/フィルタのための平編
金網の様子を示す線図である。
【図12】従来のクーラント/フィルタを備えるエアバ
ッグ用ガス発生器の部分断面図である。
【図13】本発明の他例のクーラント/フィルタを備え
る本発明のエアバッグ用ガス発生器の部分断面図であ
る。
【図14】図13のクーラント/フィルタの外への変形
と膨張を防ぐ要素の一例を示す縦断面図である。
【図15】図13のクーラント/フィルタの外への変形
と膨張を防ぐ要素の他例を示す縦断面図である。
【図16】追加の細部構造を示す本発明のエアバッグ用
ガス発生器の他の例の縦断面図である。
【図17】本発明の更に他の例のエアバッグ用ガス発生
器を示す縦断面図である。
【図18】本発明のエアバッグ用ガス発生器の他の例の
部分縦断面図である。
【図19】本発明のエアバッグ用ガス発生器の更に他の
例の部分縦断面図である。
【図20】助手席用のエアバッグ装置に適合する本発明
のエアバッグ用ガス発生器の縦断面図である。
【図21】図16のエアバッグ用ガス発生器の平面図で
ある。
【図22】図17のエアバッグ用ガス発生器の平面図で
ある。
【図23】本発明のエアバッグ用ガス発生器の他の例の
部分縦断面図である。
【図24】図23のエアバッグ用ガス発生器の縦断面図
である。
【図25】図23のエアバッグ用ガス発生器における機
械式センサの縦断面図である。
【図26】本発明のエアバッグ用ガス発生器の更に他の
例の部分縦断面図である。
【図27】図26のエアバッグ用ガス発生器におけるパ
ーフォレーテッドバスケットの概要斜視図である。
【図28】図26のエアバッグ用ガス発生器におけるパ
ーフォレーテッドバスケットの縦断面概要図である。
【図29】本発明のエアバッグ用ガス発生器の他の例の
部分縦断面図である。
【図30】図29のエアバッグ用ガス発生器におけるパ
ーフォレーテッドバスケットの概要斜視図である。
【図31】図26のエアバッグ用ガス発生器におけるパ
ーフォレーテッドバスケットの縦断面概要図である。
【図32】図23に示したようなエアバッグ用ガス発生
器を組み込んだ本発明のエアバッグ装置の概要図であ
る。
【図33】本発明のエアバッグ用ガス発生器の更に他の
例の縦断面図である。
【図34】図33のエアバッグ用ガス発生器におけるク
ーラント/フィルタの分解斜視略図である。
【図35】図20に示したようなエアバッグ用ガス発生
器を組み込んだ本発明のエアバッグ装置の概要図であ
る。
【図36】本発明のエアバッグ用ガス発生器の更に他の
例の縦断面図である。
【図37】図36のエアバッグ用ガス発生器におけるパ
ーフォレーテッドバスケットの概要斜視図である。
【図38】図36のエアバッグ用ガス発生器におけるパ
ーフォレーテッドバスケットの縦断面概要図である。
【図39】本発明のエアバッグ用ガス発生器の更に他の
例の縦断面図である。
【図40】図39のエアバッグ用ガス発生器におけるパ
ーフォレーテッドバスケットの概要斜視図である。
【図41】図39のエアバッグ用ガス発生器におけるパ
ーフォレーテッドバスケットの縦断面概要図である。
【図42】本発明のエアバッグ用ガス発生器の更に他の
例の縦断面図である。
【図43】図42のエアバッグ用ガス発生器におけるク
ーラント/フィルタの分解斜視略図である。
【符号の説明】
1 ディフューザシェル 2 クロージャシェル 3 ハウジング 4 中央筒部材 5 クーラント/フィルタ 7 ガス排出口 18 点火器 25 ガス発生剤 60 円筒体 62 積層体 64 板体 81 衝撃センサ 82 コントロールユニット 83 モジュールケース 334 貫通孔 409 間隙 410A 取付部 411 ガス排出口 488 レーザ溶接 500 ガス排出口 504 ハウジング 506 ガス発生剤 507 クーラント/フィルタ 509 点火器 525 間隙 750 クーラント/フィルタ 751 内側の層 752 外側の層 1550 機械式センサ 1515 雷管 2650 パーフォレーテッドバスケット

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個のガス排出口を有するハウジング
    と、 前記ハウジング内に配設される点火手段と、 前記ハウジング内に配設され前記点火手段により点火さ
    れて燃焼ガスを発生するガス発生手段と、 前記ガス発生手段を収容する燃焼室の半径方向外側の隔
    壁を形成すると共に、 前記燃焼ガスの冷却及び燃焼残渣の捕集を果たすクーラ
    ント/フィルタ手段とを含み、 前記クーラント/フィルタ手段は、その外周が前記ハウ
    ジングの外周壁内面と対向し且つ両者の間に間隙を形成
    する様配設され、 前記クーラント/フィルタ手段と前記ハウジングの外周
    壁により規定される前記間隙の半径方向断面における面
    積Stと、前記ガス排出口の開口面積の総和Atとの比
    の値St/Atが1以上であり、 前記間隙は、前記燃焼ガスが前記クーラント/フィルタ
    手段の全面を通過する流れの均一性を増大させることを
    特徴とするエアバッグ用ガス発生器。
  2. 【請求項2】 前記クーラント/フィルタ手段が更に該
    クーラント/フィルタ手段とそれにより形成される前記
    間隙の寸法的一体性を保持する外周膨出抑止層を含む請
    求項1記載のエアバッグ用ガス発生器。
  3. 【請求項3】 前記ハウジングは頂板と、底板と該ガス
    排出口を含む外周壁を含み、前記クーラント/フィルタ
    手段は該頂板及び底板間に延長する実質上筒状の構造を
    有し、更に前記燃焼室内で該クーラント/フィルタ手段
    と該頂板の間の当接部上に少なくとも延びる環状のシー
    ルドを含み、これにより該燃焼ガスの該ガス排出口へ
    の、該クーラント/フィルタ手段と該頂板間のショート
    パスを防止する、請求項1又は2記載のエアバッグ用ガ
    ス発生器。
  4. 【請求項4】 前記面積Stと前記総和Atとの比の値
    St/Atが1〜10である請求項1、2又は3記載の
    エアバッグ用ガス発生器。
  5. 【請求項5】 前記面積Stと前記総和Atとの比の値
    St/Atが2〜5である請求項1、2又は3記載のエ
    アバッグ用ガス発生器。
  6. 【請求項6】 前記クーラント/フィルタ手段は、常温
    において流量100l/min/cm2で0.3×10-2
    〜1.5×10-2kg/cm2の圧力損失を有する請求
    項1〜の何れか1項記載のエアバッグ用ガス発生器。
  7. 【請求項7】 前記クーラント/フィルタ手段は、3.
    0〜5.0g/cm3のかさ密度を有する請求項1〜
    の何れか1項記載のエアバッグ用ガス発生器。
  8. 【請求項8】 前記クーラント/フィルタ手段は、線径
    0.3〜0.6mmの金網からなる請求項1〜の何れ
    か1項記載のエアバッグ用ガス発生器。
  9. 【請求項9】 前記間隙は、半径方向距離が1.0〜
    4.0mmの大きさを有する請求項1〜の何れか1項記
    載のエアバッグ用ガス発生器。
  10. 【請求項10】 前記外周膨出抑止層は、前記クーラン
    ト/フィルタ手段の膨出を抑止する請求項2〜の何れ
    か1項記載のエアバッグ用ガス発生器。
  11. 【請求項11】 前記外周膨出抑止層は、前記クーラン
    ト/フィルタ手段の外周面に嵌合する多孔円筒体からな
    る請求項2〜10の何れか1項記載のエアバッ用ガス発
    生器。
  12. 【請求項12】 前記外周膨出抑止層は、前記クーラン
    ト/フィルタ手段の外側に形成される金網層からなる請
    求項2〜11の何れか1項記載のエアバッグ用ガス発生
    器。
  13. 【請求項13】 前記外周膨出抑止層は、前記クーラン
    ト/フィルタ手段の外側に形成されるベルト状抑止層か
    らなる請求項2〜12の何れか1項記載のエアバッグ用
    ガス発生器。
  14. 【請求項14】 更に前記ハウジング内に配置された内
    部円筒を有し、該円筒はその中に該点火手段を設置する
    ための点火手段収容室を形成し、又該ガス発生手段及び
    該クーラント/フィルタ手段を収容するための燃焼室を
    含む請求項1〜13の何れか1項記載のエアバッグ用ガ
    ス発生器。
  15. 【請求項15】 該クーラント/フィルタ手段は該ガス
    発生手段の燃焼後においてもその寸法的一体性及び前記
    間隙を維持する請求項1〜14の何れか1項記載のエア
    バッグ用ガス発生器。
  16. 【請求項16】 前記ハウジングは頂板と、底板と該ガ
    ス排出口を含む外周壁を含み、前記クーラント/フィル
    タ手段は該頂板及び底板間に延長する実質上筒状の構造
    を有し、更に前記燃焼室内で該クーラント/フィルタ手
    段と該頂板の間の当接部上に少なくとも延びる環状のシ
    ールドを含み、これにより該燃焼ガスの該ガス排出口へ
    の、該クーラント/フィルタ手段と該頂板間のショート
    パスを防止する、請求項1〜15の何れか1項記載のエ
    アバッグ用ガス発生器。
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