JP3226692B2 - ガス燃料エンジンの燃料噴射量の制御方法 - Google Patents
ガス燃料エンジンの燃料噴射量の制御方法Info
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- Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
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Description
ンに供給する燃料噴射量を精密に制御するようにした燃
料噴射量の制御方法に関する。
題から自動車の燃料として圧縮天然ガス(CNG)の使
用が盛んになっている。そして、かかるガス燃料エンジ
ンについても、例えば排気ガスの清浄化、燃料消費率の
向上、出力性能の向上、始動性の向上等のため従来のガ
ソリンエンジンと同様に燃料噴射方式が採用されること
があり、空気と燃料の混合比を制御して噴射するように
している。このため、例えば200kg/cm2程度の高圧で
ガスボンベから送られるガスをレギュレータによって減
圧し、設定圧力まで減圧したガスをエンジンのチャンバ
内に導きインジェクタから噴射する。
によって減圧したガスは、設定圧力を精密にコントロー
ルしないと空燃比が変化して所望の特性が発揮されず、
応答性が悪くなるという問題があった。そして、設定圧
力が変化する要因としては、例えば加減速時の圧力変化
とか、低温時のレギュレータのゴムの硬化等による圧力
制御特性の不良、圧力制御弁の個体差等が考えられる。
また、燃料噴射弁を電気的に駆動する際、駆動電圧をか
けてから噴射弁が作動するまでに応答の遅れが生じ、こ
の応答遅れに起因して要求開弁量が不足するという問題
もあった。
め、本発明はガス燃料エンジンの燃料噴射弁近傍のガス
圧力を検知し、このガス圧力に基づいて、燃料噴射弁上
流側のガスの絶対圧にほぼ反比例させた値を第1圧力補
正係数、燃料噴射弁上流側のガス圧力と下流側のガス圧
力との差圧にほぼ反比例させた第2圧力補正係数とし、
これらの第1・第2圧力補正係数に基づいて燃料噴射時
間を補正し、補正した燃料噴射時間を、燃料噴射弁近傍
で検知したガス温度に基づく補正係数で更に補正する燃
料噴射量の制御方法であって、燃料噴射弁近傍の上流側
ガス圧力と下流側ガス圧力との圧力比が先細ノズルの理
論式に基づいて定まる臨界圧力比未満であれば、第1圧
力補正係数を採用し、圧力比が臨界圧力比以上であれ
ば、第2圧力補正係数を採用する如くに圧力補正係数を
切り換える。また、ガス温度に基づいて求める補正係数
は、ガスの絶対温度の平方根にほぼ比例させるようにし
た。更に、燃料噴射弁の駆動電圧と燃料噴射弁近傍のガ
ス圧力に基づいて燃料噴射弁の無駄時間を求め、この無
駄時間に基づいて燃料噴射時間を更に補正するようにし
た。そして、この無駄時間を求めるさいに用いるガス圧
力は、燃料噴射弁上流側の絶対圧にするか、又は燃料噴
射弁上流側のガス圧力と下流側のガス圧力の差圧にする
ようにした。
ガス温度によって変化するため、燃料噴射時間を補正す
る必要がある。この際、いわゆる先細ノズルの理論式に
基づくと、補正に使用するガス圧力として、燃料噴射弁
より上流のガス圧(レギュレータで減圧した圧力)の絶
対値(真空を0kgf/cm2とした時の圧力)を使用するこ
とが適切な場合と、燃料噴射弁の上流のガス圧と下流側
の圧力(インレットマニホールド負圧)の差圧を使用す
ることが適切な場合がある。そこで、前記先細ノズルの
理論式に基づいて上流側のガス圧と下流側のガス圧との
圧力比が臨界圧力比未満であれば、第1圧力補正係数を
採用し、圧力比が臨界圧力比以上であれば、第2圧力補
正係数を採用する如くに圧力補正係数を切り換える。
温度によって質量が変化するため、噴射弁近傍のガス温
度を測定して補正する。また、燃料噴射弁の無効時間
(噴射弁が所定の弁位置にセットされるまでのトランジ
ェントの時間)は、例えば駆動電圧、或いは燃圧によっ
ても変化するため、このような要件を加味して補正する
ことで一層精密な空燃比の制御を行うことが出来る。
した図面に基づき説明する。図1はガス圧補正のフロー
チャート、図2はガス温度補正のフローチャート、図3
は噴射弁の応答遅れ時間補正のフローチャート、図4は
燃料供給系統の模式図、図5は燃料供給系統の車体配置
の概要図である。
について図4及び図5に基づき説明する。燃料供給系統
は、車両後部のトランクルームに配設されるCNGタン
ク1と、このタンク1から取り出した圧縮天然ガス(C
NG)を車両の前方に送給するキャビン下方の高圧配管
2と、車両前方のエンジンルームに配設されガス圧を減
圧する一次圧力レギュレータ4、二次圧力レギュレータ
5と、減圧されたガスを燃料噴射部としてのインジェク
タ7から噴射するエンジン6を備え、このエンジン6の
排気ガス系統には排ガスを処理する触媒コンバータ8が
設けられている。
って、例えば最大充填圧211kg/cm2でCNGタンク1
内に充填されていたガス圧を7.5kg/cm2(ゲージ圧)
まで減圧し、二次圧力レギュレータ5によって7.5kg
/cm2のガス圧を2.5kg/cm2(ゲージ圧)(絶対圧3.
5kg/cm2)まで減圧する。
減圧したガスをエンジン6のチャンバ9(図4)に導き
インジェクタ7から噴射する。
1kg/cm2であったガス圧を、2段のレギュレータ4、5
で減圧することで、最終的な3.5kg/cm2(絶対圧)の
圧力を正確に設定出来るようにし、この二次圧力レギュ
レータ5によって正確に調圧したガスを供給管10を通
してエンジン6のチャンバ9内に導き、前記インジェク
タ7から噴射する。そして、このインジェクタ7には燃
料噴射を制御するための不図示の噴射弁を設け、電気的
に駆動させるようにしている。
(絶対圧)にしている理由について説明する。
合、通常のガソリンの供給に較べて1ショット当たりの
体積流量を極度に大きく(約600倍)する必要があ
る。
一般的にプランジャストローク量を大きくするか、プラ
ンジャ径を大きくする必要があるが、これらはプランジ
ャ自体の大型化を伴って重量増加、或いは応答性の悪
化、開弁時間と流量の関係であるTi−Q特性のリニア
リティ範囲の悪化、シート面圧、着座衝撃荷重の増加に
よる耐久性の悪化を招きやすい。
トローク量を上げないと必要流量が確保出来ず、逆にス
トローク量を上げ過ぎると衝撃荷重が増大して耐久性が
悪くなり、また応答性も悪化して流量不足を招く。
量は確保出来るが、面圧の増加による応答性の遅れから
アイドル等での微小流量側でのリニアリティが悪くな
る。
ジン性能に悪影響を与え、これらインジェクタの開口面
積(プランジャ径、プランジャストローク)、応答性、
耐久性の諸条件を満足させるような最適の燃料圧力とし
て、前記3.5kg/cm2(絶対圧)を採択している。
場合エンジン排気量の5〜20%の範囲に設定してい
る。この理由は次の通りである。
圧ガスをレギュレータ4、5で減圧してエンジン6に供
給していることから、ガソリンエンジンのように燃料の
リターン回路を設けることが出来ず、レギュレータの応
答遅れが燃料供給圧力の変動に直接結び付くとともに、
この遅れによって加速時(スロットル開度の増加)には
燃料流量が急増して燃圧が下がり、減速時(スロットル
開度の減少)には燃料流量が急減して燃圧が上昇する。
ると、窒素酸化物(NOx)が増大するとともにヘジテ
ーションが発生し、燃圧が上昇して燃料がリッチ化する
と、失火してハイドロカーボン(HC)が増大する等の
不具合が生じる。
排気量をVstとし、チャンバ内燃料ゲージ圧をPfとし
た場合に、 V=0.125〜0.50×Vst×(1.0/Pf) を満足するチャンバ容量Vが加速時、減速時の双方を要
求を満たすレベルとして求められる。
あれば、エンジン排気量Vstの5〜20%の範囲になる
からである。尚、前記供給管10はチャンバ9の中央に
接続することで、四気筒エンジンのすべてのインジェク
タ7に均一な圧力のガスを供給出来るようにしている。
内の二次調圧ガスの二次ガス圧(P2)を検知する圧力セン
サ11と、ガス温度(T2)を検知する温度センサ12を設
けている。また、インジェクタ7の下流にはインテーク
マニフォールド負圧(Pb)を検知する不図示の圧力センサ
を設けている。
12、及びインジェクタ7下流の不図示の圧力センサで
検知した信号は、燃料噴射を制御する電子制御ユニット
(ECU)に送るようにし、この電子制御ユニット(ECU)はイ
ンジェクタ7を作動させる。
力レギュレータ5とは連通路14を介して連通せしめて
いる。この理由は次の通りである。
ジェクタ7下流のガス圧(Pb)を導入することにより、ア
イドル等低流量時であってガス圧が低下した時であって
もマニホールド等の要求する流量に対して安定した供給
が可能になるとともに、二次圧力レギュレータ5のダイ
ヤフラム窓にフィルタ等の浄化装置が不用となる。
正要領を説明する前に、インジェクタ7から噴射される
燃料ガスの質量流量について先細ノズルの理論式に基づ
き説明する。
ンジェクタ上流側の圧力(P2)と下流側の圧力(Pb)の圧力
比が数式1に示す臨界圧力比(C2)未満の場合は、数
式2のように表され、臨界圧力比(C2)以上であれば
数式3のように表される。
定まる比熱比であり、例えばメタンのk=1.319で
あり、空気の場合はk=1.402であり、従ってC2
の値もメタンであれば0.542であり、空気であれば
0.333となる。
る。
場合に、質量重量Gfuelは二次ガスの絶対圧(P2)に比例
することが判り、数式3からガス流が音速未満の場合に
Gfuelは差圧(P2−Pb)に比例することが判る。また、数
式2、3より、質量重量Gfuelはガス温度(T2)の平方根
に反比例することが判る。
ェクタ7からの噴射を考慮すると、燃料ガスの質量流量
Gfuel(kg/s)は、ノズルの開口面積(A2)によっても変
化し、数式2は数式4に、数式3は数式5に置き換える
ことが出来る。
進退動に伴って変化するトランジェントな領域を有する
ものであり、数式4、5は、例えば弁が全開位置のよう
な場所でのみ適用出来るものである。
1に基づいて圧力補正の要領について説明する。
(P2)、インジェクタ下流側のガスの絶対圧(Pb)、その時
のエンジン回転数(Ne)を読み取り、圧力比Pb/P2が臨界
圧力比(C2)を超えているか否かが判断される。そし
て、Pb/P2が臨界圧力比(C2)未満の場合はNe-Pbマッ
プを検索して運転条件に応じた補正項KP2Aを求める。
ここで、Ne-Pbマップとは例えば(B)図に示すような
検索マップである。
り3.5kg/cm2(絶対圧)と、前記二次ガスの絶対圧(P
2)との比率RP2Aを求め、絶対圧補正時の第1圧力補正
係数としての圧力補正係数(KPFA)を、KPFA=1+K
P2A×(RP2A−1)から求め、この圧力補正係数
(KPFA)を燃圧補正係数(KPF)に変換する。従って、
圧力補正係数(KPFA)はガス圧の絶対値(P2)に対して略
反比例の関係になる。
噴射基準時間(Ti)に乗じて、噴射時間を補正する。
上の場合は、同様な手順でP2SBASEと差圧(P2−Pb)の比
率RP2Sを求め、図に示すような式から差圧補正時の第
2圧力補正係数としての圧力補正係数(KPFS)を求め
る。そして、この圧力補正係数(KPFS)を燃圧補正係数
(KPF)に変換する。従って、圧力補正係数(KPFS)はガ
ス圧の差圧(P2−Pb)に対して略反比例の関係にある。
転モードのすべての作動範囲で行う。尚、かかる補正に
は、その他、前述のノズルの開口面積(A2)の影響、及び
インジェクタ内のガス流の摩擦、乱れ等による変化等も
考慮する必要がある。次に、前記温度センサ12によっ
て検知したガス温度(T2)による噴射量の補正の要領につ
いて、図2に基づき説明する。
化によって燃焼させることの出来る重量が変化するのを
補正するものであり、検知したガス温度(T2)を例えば
(B)図に示すようなKT2テーブルを検索して温度補正
係数(KT2)を求め、この温度補正係数(KT2)を燃料噴射
時間に乗じて補正する。
力しても、無効時間(応答遅れ時間)によって要求開弁
量が不足するのを補正するため、図3に示すような応答
遅れ時間補正を行うようにしている。
はインジェクタ駆動電圧(VB)の大小、ガス圧によって変
化するため、VB-PFマップを検索してインジェクタ無効
時間(TiVBPF)を求める。
の二次ガス圧(P2)に基づくべき場合と、上流側と下流側
の差圧(P2−Pb)に基づくべき場合がある。
おいて、特に弁傘部が大きい場合には、内圧側であるイ
ンジェクタ上流側のガス圧(P2)の影響が極めて大きくな
り、弁傘部の形状が小さいような場合には、負圧側であ
るインジェクタ下流側のガス圧(Pb)の影響も無視し得な
い。そこで、傘部の大小で絶対圧(P2)、或いは差圧(P2
−Pb)を使い分ける。
よるコイルの力で弁のリフト作動を行なうようにしてい
るため、バッテリ電圧が低下すると弁の応答性が低下
し、バッテリ電圧が高まると弁の応答性は向上する。そ
こで、インジェクタ駆動電圧(VB)の大小によっても左右
されることになる。
て噴射量を定めることで、一層精密に噴出量を制御する
ことが出来る。
ンのガスの噴射量を制御するにあたり、噴射弁近傍のガ
ス圧を検知し、このガス圧を、ガス流速に応じて二次ガ
ス圧の絶対圧、或いはインジェクタ上流と下流の差圧を
使い分けて使用し、噴射時間を補正するようにしたた
め、空燃比を正確にして供給することが出来、排気ガス
の清浄化、燃料消費率の向上等を図ることが出来る。ま
た、ガス温度でも補正することで、更に精密な制御が出
来、特にエンジン始動等のエンジンが暖まっていない時
の運転には有効である。また、開弁指令の遅れによる不
足分も補正することで、一層運転性能の向上等を図るこ
とが出来る。
ト図
Claims (5)
- 【請求項1】 ガス燃料エンジンの燃料噴射弁近傍のガ
ス圧力を検知し、このガス圧力に基づいて、燃料噴射弁
上流側のガスの絶対圧にほぼ反比例させた値を第1圧力
補正係数、燃料噴射弁上流側のガス圧力と下流側のガス
圧力との差圧にほぼ反比例させた値を第2圧力補正係数
とし、これらの第1・第2圧力補正係数に基づいて燃料
噴射時間を補正し、補正した燃料噴射時間を、燃料噴射
弁近傍で検知したガス温度に基づく補正係数で更に補正
する燃料噴射量の制御方法であって、燃料噴射弁近傍の
上流側ガス圧力と下流側ガス圧力との圧力比が先細ノズ
ルの理論式に基づいて定まる臨界圧力比未満であれば、
前記第1圧力補正係数を採用し、前記圧力比が臨界圧力
比以上であれば、前記第2圧力補正係数を採用する如く
に圧力補正係数を切り換えることを特徴とするガス燃料
エンジンの燃料噴射量の制御方法。 - 【請求項2】 前記ガス温度に基づいて求める補正係数
は、ガスの絶対温度の平方根にほぼ比例させることを特
徴とする請求項1記載のガス燃料エンジンの燃料噴射量
の制御方法。 - 【請求項3】 燃料噴射弁の駆動電圧と燃料噴射弁近傍
のガス圧力に基づいて燃料噴射弁の無駄時間を求め、こ
の無駄時間に基づいて請求項1又は請求項2に係る燃料
噴射時間を更に補正することを特徴とする請求項1又は
請求項2記載のガス燃料エンジンの燃料噴射量の制御方
法。 - 【請求項4】 前記無駄時間を求めるさいに用いるガス
圧力は、燃料噴射弁上流側の絶対圧であることを特徴と
する請求項3記載のガス燃料エンジンの燃料噴射量の制
御方法。 - 【請求項5】 前記無駄時間を求めるさいに用いるガス
圧力は、燃料噴射弁上流側のガス圧力と下流側のガス圧
力の差圧であることを特徴とする請求項3記載のガス燃
料エンジンの燃料噴射量の制御方法。
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