JP3226261U - 研磨ロール - Google Patents
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Abstract
【課題】被研磨物の外面における平坦面だけでなく、角部等の曲面部も効率的に研磨可能な研磨ロールを提供する。【解決手段】全体として円筒ブラシ状をした研磨ロール1は、金属製の軸部材5と、軸部材の本体部分5Aの外周面に取り付けられた研磨層6とから構成される。研磨層は、軸部材の本体部分の外周面に取り付けられた円筒状の支持部6Aと、支持部の外周面に設けられた多数の可撓性を有する突起部6Bとから構成されている。研磨層を構成する支持部と多数の突起部は、可撓性を有する素材によって一体に形成されている。研磨ロール1を回転させて被研磨物2を研磨する際には、多数の突起部6Bが弾性変形して被研磨物の曲面部分2Bや平坦面2Aに接触してそれらの箇所を摺動する。それによって、平坦面だけでなく曲面部分も効率的に研磨することができる。【選択図】図2
Description
本考案は研磨ロールに関し、より詳しくは、外周面の全域に多数の可撓性を有する突起部を備えて、被研磨物の平坦面だけでなく曲面部をも効率的に研磨可能な研磨ロールに関する。
従来、例えば携帯電話等の筐体を研磨するための研磨ロールは公知である(例えば特許文献1、特許文献2)。
これら特許文献1、特許文献2に開示された従来の研磨ロールは、被研磨物の平坦面だけでなく三次元の曲面をも研磨できるようになっている。
これら特許文献1、特許文献2に開示された従来の研磨ロールは、被研磨物の平坦面だけでなく三次元の曲面をも研磨できるようになっている。
ところで、特許文献1の研磨ロールは、軸心となる円柱状の芯材と、それを囲繞して設けられた軟質のクッション部と、該クッション部の外周面に貼り付けられた研磨シートとによって構成されている。この特許文献1の研磨ロールにおいては、被研磨物を研磨する際に、被研磨物の立体形状に応じて中間層となる上記クッション部が弾性変形し、それに伴って研磨シートも変形する。そのため、研磨ロールに被研磨物が押し込まれた状態で面接触して、研磨シートに付着した研磨屑が被研磨面に押し付けられて研磨傷が生じる恐れがある。しかも、被研磨物とは面接触となるために、目詰まりが起きやすく、長期にわたって使用できない上に、目詰まり解消のドレッシング工程により研磨層が減少して製品寿命が低下するという問題があった。
他方、上記特許文献2の研磨ロールにおいては、円柱状の芯材の外周面に多数の研磨ブロックを貼り付ける構成となっている。この特許文献2の研磨ロールにおいては、となりあう研磨ブロックの間に溝が形成されることで、研磨くずなどの目詰まりの問題は解消可能である。しかしながら、特許文献2の研磨ロールにおいては、ブロック状の研磨材を接着剤で円柱状の芯材に固定しているので、研磨作業時にスラリーを用いる際には、該スラリーの化学成分によって接着剤が劣化して上記研磨ブロックが脱落するという問題があった。
他方、上記特許文献2の研磨ロールにおいては、円柱状の芯材の外周面に多数の研磨ブロックを貼り付ける構成となっている。この特許文献2の研磨ロールにおいては、となりあう研磨ブロックの間に溝が形成されることで、研磨くずなどの目詰まりの問題は解消可能である。しかしながら、特許文献2の研磨ロールにおいては、ブロック状の研磨材を接着剤で円柱状の芯材に固定しているので、研磨作業時にスラリーを用いる際には、該スラリーの化学成分によって接着剤が劣化して上記研磨ブロックが脱落するという問題があった。
上述した事情に鑑み、本考案は、回転駆動機構に回転される軸部材と、この軸部材の外周部に取り付けられた研磨層とを備え、
該研磨層は、上記軸部材の外周面に取り付けられる円筒状の支持部と、この支持部の外周面に離間させて設けられ、かつ支持部の半径方向外方へ延びる多数の突起部とを備え、
上記研磨層を構成する支持部と突起部は、可撓性を有する素材によって一体に形成されていることを特徴とする研磨ロールを提供するものである。
該研磨層は、上記軸部材の外周面に取り付けられる円筒状の支持部と、この支持部の外周面に離間させて設けられ、かつ支持部の半径方向外方へ延びる多数の突起部とを備え、
上記研磨層を構成する支持部と突起部は、可撓性を有する素材によって一体に形成されていることを特徴とする研磨ロールを提供するものである。
このような構成によれば、研磨層は可撓性を有する多数の突起部を備えているので、被研磨物を研磨する際に突起部がたわむことで研磨負荷を低くすることができ、それによって、被研磨物の研磨面の面精度の向上と研磨ロール自体の寿命を長くすることが可能となる。また、被研磨物の平坦面だけでなく、曲面部をも効率的に研磨することができる。
以下、図示実施例について本考案を説明すると、図1ないし図3において、1は全体として円筒ブラシ状に形成された研磨ロールであり、この研磨ロール1は図示しない回転駆動機構によって図2の矢印方向に軸回転されることにより、被研磨物2を研磨加工できるようになっている。
被研磨物2は、上方を向けた頂面としての平坦面2Aと、この平坦面2Aの四辺となる外周縁の曲面部分2Bとを備えている。外周縁となる曲面部分2Bは、図示しない前工程の面取り装置によって断面円弧状に切削加工されており、その状態の被研磨物2が搬送手段3によって研磨位置Aまで搬送されるようになっている。
研磨位置Aにおける研磨ロール1の上方側には、図示しないスラリー供給機構が配置されており、研磨ロール1が回転される研磨加工時においては、スラリー供給機構から研磨位置Aにスラリーが供給されるようになっている。
搬送手段3によって研磨位置Aの回転ロール1の下方側に被研磨物2が搬入されると、矢印方向に回転される研磨ロール1によって被研磨物2の平坦面2A及びその四辺となる曲面部分2Bが所要の表面粗さになるまで研磨加工されるようになっている。この研磨作業時においては、被研磨物2の研磨箇所にスラリー供給機構から研磨剤としてのスラリーが供給されるようになっている。
被研磨物2は、上方を向けた頂面としての平坦面2Aと、この平坦面2Aの四辺となる外周縁の曲面部分2Bとを備えている。外周縁となる曲面部分2Bは、図示しない前工程の面取り装置によって断面円弧状に切削加工されており、その状態の被研磨物2が搬送手段3によって研磨位置Aまで搬送されるようになっている。
研磨位置Aにおける研磨ロール1の上方側には、図示しないスラリー供給機構が配置されており、研磨ロール1が回転される研磨加工時においては、スラリー供給機構から研磨位置Aにスラリーが供給されるようになっている。
搬送手段3によって研磨位置Aの回転ロール1の下方側に被研磨物2が搬入されると、矢印方向に回転される研磨ロール1によって被研磨物2の平坦面2A及びその四辺となる曲面部分2Bが所要の表面粗さになるまで研磨加工されるようになっている。この研磨作業時においては、被研磨物2の研磨箇所にスラリー供給機構から研磨剤としてのスラリーが供給されるようになっている。
本実施例の研磨ロール1は、円柱状に形成されて回転駆動機構によって両端部を保持される軸部材5と、この軸部材5の外周面に取り付けられた円筒ブラシ状の研磨層6とによって構成されている。
軸部材5は、例えばステンレス等の金属からなり、円柱状をした大径の本体部分5Aと、その両端面に突出させた小径の支持部5Bとから構成されている。これら両端部となる支持部5Bを図示しない回転駆動機構によって軸心が水平となるように搬送手段3上に保持して、軸部材5及び研磨層6を矢印方向に回転させるようになっている。
本実施例の研磨層6は、軸部材5の本体部分5Aの外周面に嵌着された円筒状の支持部6Aと、この支持部6Aの外周面全域にわたって離間させて設けられた多数の突起部6Bとを備えている。
円筒状の支持部6Aと多数の柱状をした突起部6Bとは、可撓性を有する同一素材によって一体に形成されている。研磨層6の素材としては、ポリウレタン含浸不織布や発泡ポリウレタンを用いてあり、研磨層6の製造方法については後に詳述する。
研磨層6の各突起部6Bは、同一寸法で四角柱状に形成されており、突起部6Bの先端となる頂面6Baの形状は正方形となっている(図4、図5参照)。なお、上記頂面6Baの形状としては、三角形などの多角形や円形としても良い。また、突起部6Bは錐状や錐台状としても良く、さらに図6に示すような突起部6Bの先端となる頂部をR面取りした形状や、図7に示すような突起部6Bを先端が窄まる円錐状に形成しても良い。このように突起部6Bの先端側を基部6Bcよりも細くすることで、曲面部分2Bへの突起部6Bの追従性を高めることができる。
後述するが、このような突起部6Bを形成するため、本実施例ではまずポリウレタン含浸不織布や発泡ポリウレタン製の板状をした前駆体シートを製造し、当該前駆体シートの表面に格子状の溝加工を行うことで、隣り合う縦横の溝と溝との間に上記離間させた多数の突起部6Bを形成すると同時に、円筒状の支持部6Aとなるシート状部分を形成するようにしている。このように、本実施例においては、研磨層6を構成する支持部6Aと多数の突起部6Bは、可撓性を有する素材によって一体に形成されている。
軸部材5は、例えばステンレス等の金属からなり、円柱状をした大径の本体部分5Aと、その両端面に突出させた小径の支持部5Bとから構成されている。これら両端部となる支持部5Bを図示しない回転駆動機構によって軸心が水平となるように搬送手段3上に保持して、軸部材5及び研磨層6を矢印方向に回転させるようになっている。
本実施例の研磨層6は、軸部材5の本体部分5Aの外周面に嵌着された円筒状の支持部6Aと、この支持部6Aの外周面全域にわたって離間させて設けられた多数の突起部6Bとを備えている。
円筒状の支持部6Aと多数の柱状をした突起部6Bとは、可撓性を有する同一素材によって一体に形成されている。研磨層6の素材としては、ポリウレタン含浸不織布や発泡ポリウレタンを用いてあり、研磨層6の製造方法については後に詳述する。
研磨層6の各突起部6Bは、同一寸法で四角柱状に形成されており、突起部6Bの先端となる頂面6Baの形状は正方形となっている(図4、図5参照)。なお、上記頂面6Baの形状としては、三角形などの多角形や円形としても良い。また、突起部6Bは錐状や錐台状としても良く、さらに図6に示すような突起部6Bの先端となる頂部をR面取りした形状や、図7に示すような突起部6Bを先端が窄まる円錐状に形成しても良い。このように突起部6Bの先端側を基部6Bcよりも細くすることで、曲面部分2Bへの突起部6Bの追従性を高めることができる。
後述するが、このような突起部6Bを形成するため、本実施例ではまずポリウレタン含浸不織布や発泡ポリウレタン製の板状をした前駆体シートを製造し、当該前駆体シートの表面に格子状の溝加工を行うことで、隣り合う縦横の溝と溝との間に上記離間させた多数の突起部6Bを形成すると同時に、円筒状の支持部6Aとなるシート状部分を形成するようにしている。このように、本実施例においては、研磨層6を構成する支持部6Aと多数の突起部6Bは、可撓性を有する素材によって一体に形成されている。
支持部6Aの外周面に形成された突起部6Bの高さ(h)は3〜15mmの範囲とすることが望ましい。突起部6Bの高さ(h)が3mm以上であれば、突起部6Bの高さ(h)が十分にあるため、追従性に優れたものとなり、反対に高さ(h)が15mmを超えると突起部6Bの高さ(h)が高すぎることによって、突起部6Bが容易に折れ曲がるために曲面部分2Bへの追従性の低下することになる。
また、各突起部6Bの頂面6Baの面積は0.01〜1.0cm2の範囲が望ましく、0.04〜0.64cm2がより望ましく、0.09〜0.25cm2が更に望ましい。
各突起部6Bの頂面6Baの面積が0.01cm2以上であると突起部6Bの頂面6Baの摩耗が抑制されるため耐久性に優れ、反対に頂面6Baの面積が1.0cm2以下であると曲面部分2Bの研磨に寄与する側面6Bbの面積を確保しやすく、曲面部分2Bの未研磨部の発生を抑制することができる。
各突起部6Bの頂面6Baの面積が0.01cm2以上であると突起部6Bの頂面6Baの摩耗が抑制されるため耐久性に優れ、反対に頂面6Baの面積が1.0cm2以下であると曲面部分2Bの研磨に寄与する側面6Bbの面積を確保しやすく、曲面部分2Bの未研磨部の発生を抑制することができる。
さらに、隣り合う各突起部6B同士が離隔する離隔幅Dは1〜3mmの範囲が好ましい。離隔幅Dが1mm以上であると突起部6Bが倒れやすくなって被研磨物2の外面への追従性に優れ、反対に3mm以下であると離隔幅Dが広すぎず被研磨物としての被研磨物2に接触する突起部6Bの面積を十分に確保できるので、効率的に研磨加工を行うことができる。
また、突起部6Bが形成された箇所を含めた支持部6Aの全域(軸方向全域と円周方向全域)の表面積と、すべての突起部6Bの基部6Bcの断面積の合計との割合を、上記支持部6Aの全域の表面積100cm2に対し、突起部6Bの基部6Bcの断面積の合計が30〜75cm2の範囲とすることが望ましく、30〜55cm2がより望ましく、30〜50cm2がさらに望ましい。
また、突起部6Bが形成された箇所を含めた支持部6Aの全域(軸方向全域と円周方向全域)の表面積と、すべての突起部6Bの基部6Bcの断面積の合計との割合を、上記支持部6Aの全域の表面積100cm2に対し、突起部6Bの基部6Bcの断面積の合計が30〜75cm2の範囲とすることが望ましく、30〜55cm2がより望ましく、30〜50cm2がさらに望ましい。
また、図5に示すように、突起部6Bの高さ(h)と、突起部6Bの基部6Bcの断面形状における外接円の半径(r)との比(h/r)が1.0〜5.0が望ましく、2.0〜5.0がより望ましく、3.0〜4.5が更に望ましい。
上記比(h/r)が1.0未満であれば、突起部6Bによる曲面部分2Bへの追従性が乏しくなるため未研磨部が発生する。反対に比(h/r)が5.0より大きくなると、突起部6Bが曲がりやすくなって、経時で追従性が悪くなり未研磨部が発生したり、また、研磨層6から被研磨物2に加わる力が分散され、被研磨物2に加わる応力が低下し、その結果、研磨レートが低下するため望ましくない。
なお、図5に示した、突起部6Bの基部6Bcの断面形状における外接円とは、断面が正多角形であれば全ての頂点と外接する円を指し、各辺の長さ及び内角が不均一な多角形状であれば、断面形状を全て包含する少なくとも3つの頂点と接する円を外接円とする。また、断面が楕円形である場合には楕円の長辺と接する円とし、円形である場合はその円の形状そのものを外接円とする。
上記比(h/r)が1.0未満であれば、突起部6Bによる曲面部分2Bへの追従性が乏しくなるため未研磨部が発生する。反対に比(h/r)が5.0より大きくなると、突起部6Bが曲がりやすくなって、経時で追従性が悪くなり未研磨部が発生したり、また、研磨層6から被研磨物2に加わる力が分散され、被研磨物2に加わる応力が低下し、その結果、研磨レートが低下するため望ましくない。
なお、図5に示した、突起部6Bの基部6Bcの断面形状における外接円とは、断面が正多角形であれば全ての頂点と外接する円を指し、各辺の長さ及び内角が不均一な多角形状であれば、断面形状を全て包含する少なくとも3つの頂点と接する円を外接円とする。また、断面が楕円形である場合には楕円の長辺と接する円とし、円形である場合はその円の形状そのものを外接円とする。
以上のように構成された研磨層6の製造方法について説明する。
研磨層6の素材をポリウレタン含浸不織布製とする場合には、例えば以下の製造方法を用いて製造することができる。すなわち、先ず、材料となる不織布基体等を準備し、その後、不織布基体に含浸した熱可塑性ポリウレタン樹脂を湿式凝固させ、次に湿式凝固した繊維集合体の両面をバフ処理することで、研磨層6となる前の所要厚さの板状の前駆体シートを得る(図8のS1、S2参照)。この前駆体シートは不織布基体の繊維間が空隙となっており、繊維を被覆するように樹脂が付着した構造となっている。
研磨層6の素材をポリウレタン含浸不織布製とする場合には、例えば以下の製造方法を用いて製造することができる。すなわち、先ず、材料となる不織布基体等を準備し、その後、不織布基体に含浸した熱可塑性ポリウレタン樹脂を湿式凝固させ、次に湿式凝固した繊維集合体の両面をバフ処理することで、研磨層6となる前の所要厚さの板状の前駆体シートを得る(図8のS1、S2参照)。この前駆体シートは不織布基体の繊維間が空隙となっており、繊維を被覆するように樹脂が付着した構造となっている。
一方、研磨層6の素材を発泡ポリウレタン製とする場合には、例えば以下の製造方法を用いて製造することができる。すなわち、材料となるポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物、硬化剤、発泡剤等を準備し、その後、ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物、硬化剤、発泡剤、触媒、及び各成分に対して非反応性の気体を準備し、次に、上記各成分及び各成分に対して非反応性の気体を混合して発泡体成形用の混合液を得る。その後、上記発泡体成形用混合液からポリウレタン樹脂発泡体を成形し、次に、上記ポリウレタン樹脂発泡体から研磨層6に必要な厚みにスライスするスライス工程の各工程とを経て、研磨層6となる前の所要厚さの板状の前駆体シートを得る(図8のS1、S2参照)。
上記製造方法によって製造された板状の前駆体シートは、日本工業規格(JIS L 1021)で規定される初荷重100g/cm2、圧縮荷重1120g/cm2の時の圧縮率が2.0〜7.0%の範囲が好ましい。但し、前駆体シートが発泡ポリウレタン使用の場合に限っては、初荷重300g/cm2、圧縮荷重1800g/cm2で測定をする。圧縮率が前述の範囲に属すると素材自体に可撓性を十分有するため、研磨レートが良好で且つ、未研磨部が発生しにくい研磨層6を得やすい。
次に、前述のようにして研磨層6の素材となる板状の前駆体シートを製造したら、当該前駆体シートの表面に縦横等ピッチで格子状の溝加工を施す。これにより、縦横の隣り合う溝の間に上記突起部6Bが離間させて形成されると同時に、円筒状の支持部6Aとなるシート状部分が形成される(図8のS3参照)。
この後、突起部6B及び支持部6Aとなるシート状部分が形成された前駆体シートを、軸部材5の本体部分5Aの外周面の表面積に合わせた所要寸法の長方形に切断した後、該切断された長方形の前駆体シートの裏面全域を接着剤によって軸部材5の本体部分5Aの外周面全域に巻回するように貼り付ける(図8のS4、S5参照)。
このようにして研磨ロール1が製造されるようになっており、完成した研磨ロール1の研磨層6の露出箇所には多数の開孔が形成されている。具体的には、突起部6Bの側面6Bbにおける開孔率は10〜70%の範囲となっており、20〜50%の範囲がより好ましい。
開孔率が10%未満であると、突起部6Bの側面6Bbにおいて十分にスラリーを保持することが出来ず、また、突起部6Bのコシ(弾力性)が強くなり曲面への追従性が低下するため、曲面部分2Bで未研磨部が多く発生し、反対に開孔率が70%を超えてしまうと、突起部6Bが摩耗しやすくなり、製品寿命が短くなる傾向にある。
上記開孔率を測定する方法としては、まず、完成後の研磨層6から突起部6Bを採取して、マイクロスコープ(VH−6300、KEYENCE製)にて突起部6Bの側面6Bbの約1.3mm四方の範囲を100倍に拡大して観察した。
次いで得られた画像を画像処理ソフト(Image Analyzer V20LAB Ver.1.3、ニコン製)を用いて二値化処理して開孔の数及び各々の開孔の面積を確認し、開孔の面積の総和から1.3mm四方の範囲における開孔の面積割合を開孔率(%)として算出した。測定はランダムに選んだ5カ所に対して行い、その相加平均を本実施例にかかる開孔率(%)とした。
この後、突起部6B及び支持部6Aとなるシート状部分が形成された前駆体シートを、軸部材5の本体部分5Aの外周面の表面積に合わせた所要寸法の長方形に切断した後、該切断された長方形の前駆体シートの裏面全域を接着剤によって軸部材5の本体部分5Aの外周面全域に巻回するように貼り付ける(図8のS4、S5参照)。
このようにして研磨ロール1が製造されるようになっており、完成した研磨ロール1の研磨層6の露出箇所には多数の開孔が形成されている。具体的には、突起部6Bの側面6Bbにおける開孔率は10〜70%の範囲となっており、20〜50%の範囲がより好ましい。
開孔率が10%未満であると、突起部6Bの側面6Bbにおいて十分にスラリーを保持することが出来ず、また、突起部6Bのコシ(弾力性)が強くなり曲面への追従性が低下するため、曲面部分2Bで未研磨部が多く発生し、反対に開孔率が70%を超えてしまうと、突起部6Bが摩耗しやすくなり、製品寿命が短くなる傾向にある。
上記開孔率を測定する方法としては、まず、完成後の研磨層6から突起部6Bを採取して、マイクロスコープ(VH−6300、KEYENCE製)にて突起部6Bの側面6Bbの約1.3mm四方の範囲を100倍に拡大して観察した。
次いで得られた画像を画像処理ソフト(Image Analyzer V20LAB Ver.1.3、ニコン製)を用いて二値化処理して開孔の数及び各々の開孔の面積を確認し、開孔の面積の総和から1.3mm四方の範囲における開孔の面積割合を開孔率(%)として算出した。測定はランダムに選んだ5カ所に対して行い、その相加平均を本実施例にかかる開孔率(%)とした。
以上の構成において、研磨ロール1が図示しない回転駆動機構によって回転されている状態で、搬送手段3によって被研磨物2が研磨位置Aへ搬入されると、図2に示すように、研磨層6の突起部6Bが被研磨物2に接触する。その際に当該突起部6Bの側面6Bbが被研磨物2の曲面部分2Bに接触し、その後、突起部6Bは被研磨物2の曲面部分2Bの形状に追従して弾性変形する。その結果、当該突起部6Bの側面6Bbが曲面部分2Bに圧接しながら摺動して、その部分の研磨が行われ、さらに当該突起部6Bが被研磨物2の形状に追従してたわむことで、平面部分2Aも突起部6Bの側面6Bbによって研磨される。なお、この研磨加工時においては、図示しないスラリー供給機構によって研磨位置Aの被研磨物2にスラリーが供給されている。
以上のように、本実施例の研磨ロール1によれば、被研磨物2を研磨する際に研磨層6の突起部6Bがたわむことで研磨負荷を低くすることができ、それによって、被研磨物2の被研磨面(平坦面2A、曲面部2B)の面精度の向上と研磨ロール1自体の寿命を長くすることが可能となる。また、被研磨物2における平坦面2Aだけでなく、外周縁となる曲面部分2Bをも効率的に研磨することができる。それにより、本実施例の研磨ロール1によれば、被研磨物の研磨加工に要する作業時間を短縮させることが可能である。
以上のように、本実施例の研磨ロール1によれば、被研磨物2を研磨する際に研磨層6の突起部6Bがたわむことで研磨負荷を低くすることができ、それによって、被研磨物2の被研磨面(平坦面2A、曲面部2B)の面精度の向上と研磨ロール1自体の寿命を長くすることが可能となる。また、被研磨物2における平坦面2Aだけでなく、外周縁となる曲面部分2Bをも効率的に研磨することができる。それにより、本実施例の研磨ロール1によれば、被研磨物の研磨加工に要する作業時間を短縮させることが可能である。
また、研磨ロール1によって被研磨物としての被研磨物2の研磨を行う際には、上記突起部6Bは被研磨物2の形状にあわせて弾性変形を繰り返すが、これら突起部6Bは支持部6Aと一体的に形成されているので、当該突起部6Bが支持部6Aから脱落することはなく、脱落した突起部6Bによって被研磨物2の平面部2Aや曲面部2Bが損傷することはない。
さらに、各突起部6Bの側面6Bbには上述した開孔率で多数の開孔が形成されており、これら多数の開孔によってスラリーを良好に保持することができる。したがって、突起部6Bの側面6Bbが被研磨物2に接触して摺動すると、当該突起部6Bの側面6Bbと被研磨物2の平坦面2A,曲面部2Bとの間に研磨に好適な量のスラリーが保持され、未研磨部の発生を抑制することができるようになっている。
なお、上記実施例においては、金属製の軸部材5の外周面に円筒状をした研磨層6の支持部6Aを直接装着した構成となっているが、軸部材5の外周面と円筒状の支持部6Aとの間にクッション材を介在させる構成としても良い。このように、クッション材を介在させる構成とすることにより、研磨層6による被研磨物2とのあたりを弱くすることができるので、研磨ロール1の製品寿命を延ばすことができる。クッション材6の材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリブタジエン、シリコーン等の樹脂からなる発泡体、あるいは、無発泡体や、天然ゴム、ニトリルゴム、ポリウレタンゴム等のゴム、樹脂を含浸させた不織布を用いてもよい。
また、上記実施例においては、突起部6B及び支持部6Aとなるシート状部分が形成された前駆体シートを、軸部材5の本体部分5Aの外周面の表面積に合わせた所要寸法の長方形に切断し、本体部分5Aの外周面全域に巻回するように貼り付けているが、前駆体シートを短冊状に裁断し、本体部分5Aの外周面に隙間なくらせん状に巻き付けて貼り付けてもよい。らせん状に貼り付けることにより、突起部6Bが軸部材と水平方向に隣り合って配される図1の構成から、突起部6Bをずらして配置させることができ、被研磨物2への接触点を増やすことができる。
さらにまた、研磨ロール1によって研磨対象となる被研磨物としては、スマートフォン、タブレット型PCのような多機能型モバイル機器、ミュージックプレーヤー、携帯ゲーム機器、カメラ、時計などの筐体であっても良い。
また、上記実施例においては、突起部6B及び支持部6Aとなるシート状部分が形成された前駆体シートを、軸部材5の本体部分5Aの外周面の表面積に合わせた所要寸法の長方形に切断し、本体部分5Aの外周面全域に巻回するように貼り付けているが、前駆体シートを短冊状に裁断し、本体部分5Aの外周面に隙間なくらせん状に巻き付けて貼り付けてもよい。らせん状に貼り付けることにより、突起部6Bが軸部材と水平方向に隣り合って配される図1の構成から、突起部6Bをずらして配置させることができ、被研磨物2への接触点を増やすことができる。
さらにまた、研磨ロール1によって研磨対象となる被研磨物としては、スマートフォン、タブレット型PCのような多機能型モバイル機器、ミュージックプレーヤー、携帯ゲーム機器、カメラ、時計などの筐体であっても良い。
1‥研磨ロール 2‥被研磨物
2A‥平坦面 2B‥曲面部分
5‥軸部材 6‥研磨層
6A‥支持部 6B‥突起部
2A‥平坦面 2B‥曲面部分
5‥軸部材 6‥研磨層
6A‥支持部 6B‥突起部
Claims (4)
- 回転駆動機構に回転される軸部材と、この軸部材の外周部に取り付けられた研磨層とを備え、
該研磨層は、上記軸部材の外周面に取り付けられる円筒状の支持部と、この支持部の外周面に離間させて設けられ、かつ支持部の半径方向外方へ延びる多数の突起部とを備え、
上記研磨層を構成する支持部と突起部は、可撓性を有する素材によって一体に形成されていることを特徴とする研磨ロール。 - 上記研磨層の素材は、ポリウレタン含浸不織布又は発泡ポリウレタンからなることを特徴とする請求項1に記載の研磨ロール。
- 上記突起部の高さ(h)は3〜15mmの範囲となっており、上記突起部の高さ(h)と該突起部の基部の断面形状における外接円の半径(r)との比(h/r)が1.0〜5.0の範囲となっており、隣り合う突起部が離間する離隔幅は1〜3mmとなっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の研磨ロール。
- 上記突起部の側面には多数の開孔が形成されており、上記該突起部の側面の開孔率は10〜70%となっていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の研磨ロール。
Priority Applications (1)
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JP2020000782U JP3226261U (ja) | 2020-03-05 | 2020-03-05 | 研磨ロール |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112894604A (zh) * | 2021-01-28 | 2021-06-04 | 陕西嘉吉速达电子科技有限公司 | 一种五金柱条抛光设备 |
-
2020
- 2020-03-05 JP JP2020000782U patent/JP3226261U/ja active Active
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