JP3225259U - 切削工具及びこれを備えた切削機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】隅部分に残ったR部を角に近い形状に加工することができ、また、切削機械から作用する力を効率的に角刃部に伝えることができる切削工具及びこれを備えた切削機械を提供する。
【解決手段】軸線Lの方向に延在する保持部20と、保持部20と接続されるとともに軸線Lに対して略直交する平面に底面36の各頂点が形成された刃具部30とを備え、底面36は、軸線Lの方向から見たとき、交わる2つの刃先34によって角部が形成された角刃部35を有し、軸線Lの方向が、切削方向とされている。
【選択図】図6

Description

本開示は、切削工具及びこれを備えた切削機械に関する。
タービンロータに対してタービン動翼を固定するための方法の例として、タービンロータの外周部にT型を成す環状の翼溝をタービンロータの周方向に形成して翼溝に複数のタービン動翼を挿入し、所定の位置に配置して嵌合固定する方法がある。この方法では、Tルート翼溝にタービン動翼の翼根を挿入するための切り欠き溝を加工して設けている。
翼根を挿入するための切り欠き溝は、まず、横中ぐり盤にエンドミル等の回転切削工具を取り付けて所定寸法の四角形状とされた下穴を加工する。しかしながら、例えばエンドミルで加工された下穴の四隅部分にはエンドミルの半径分のR部が形成される。例えば、エンドミルの径が5mmから10mm程度とされた小型のものを用いた場合でも、数mmサイズのR部が残留する。一方、目標仕様のR部のサイズには、1mm未満の小さいサイズが設定され、高い加工精度が必用とされている。また、このR部を残したままタービン動翼を切り欠き溝に挿入しようとするとR部がタービン動翼の翼根に干渉して、タービン動翼の翼根又はTルート翼溝が損傷してしまう恐れがある。このようなR部を目標仕様のサイズとするために、やすり等の研削工具を使用して手作業によってR部を切削する方法が考えられる。また、他の方法として、細径のエンドミルによってR部を切削する方法や、スロッタ加工によって切り欠き溝に残されたR部を切削する方法が考えられる。
ここで、特許文献1には、タービン動翼を挿入するための切り欠き溝に適用されるものではないが、スロッタ加工に使用される切削工具について記載されている。
特許第4043676号公報
手作業によってR部を切削する方法では、仕上げ加工精度のR部の研削には、多くの作業時間を要してしまう。
また、細径のエンドミルによってR部を切削する方法では、エンドミルへの切削抵抗が増大して刃先に逃げが生じ易いため、エンドミルの破損やR部の加工精度の低下が懸念される。
また、スロッタ加工に使用される工具の刃具部は、保持部の側方に張り出した形態であり保持部に対して片持ちの状態となる。このため、切削機械から作用する力を工具の保持部の軸線方向に沿って刃具部に直接的に作用させられないため、刃具部への切削抵抗の増大によるびびり振動が生じたり刃具の根元部に応力が集中したりするのでR部の切削加工には好ましくない。更に、刃具部が張り出た分だけ切削工具としてのサイズも大きくなってしまうため、切り欠き溝の幅が小さい場合には内面側から工具を挿入することが困難となる。
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、切り欠き溝の隅部分に残ったR部を角に近い形状(例えば、R1mm未満)に加工することができ、また、切削機械から作用する力を効率的に角刃部に伝えることができる切削工具及びこれを備えた切削機械を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示の切削工具は以下の手段を採用する。
すなわち、本開示の一態様に係る切削工具は、軸線の方向に延在する保持部と、前記保持部と接続されるとともに前記軸線に対して略直交する平面に底面の各頂点が形成された刃具部と、を備え、前記底面は、前記軸線の方向から見たとき、交わる2つの刃先によって角部が形成された角刃部を有し、前記軸線の方向が、切削方向とされている。
本開示に係る切削工具及びこれを備えた切削機械によれば、隅部分に残ったR部を角に近い形状(例えば、R1mm未満)に加工することができ、また、切削機械から作用する力を効率的に角刃部に伝えることができる。
本開示の一実施形態に係る切削工具によって加工された切り欠き溝を示した斜視図である。 タービンロータの縦断面図を示した図である。 図2に示されたA部の拡大図である。 図3に示されたロータ円板を平面視した図(下穴加工時)である。 図3に示されたロータ円板を平面視した図(切り欠き溝加工時)である。 本開示の一実施形態に係る切削工具を示した斜視図である。 図6に示された切削工具の底面図である。 図7に示された切断線I−Iにおける断面図である。 切削機械を有する加工装置を示した構成図である。 切削機械を示した斜視図である。 切削機械のバイトホルダ近傍を示した図である。 ツリー型翼溝が形成されたロータ円板及びそれに取り付けられたタービン動翼を示した斜視図である。 ツリー型翼溝を形成する切削工具の例を示した図である。 下穴における切削工具の移動を示した平面図である。
以下、本開示の一実施形態に係る切削工具及びこれを備えた切削機械ついて図を用いて説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る切削工具10は、例えば、蒸気タービン用のタービンロータ40(ロータ円板50)に設けられたTルート翼溝52にタービン動翼80の翼根82を挿入するための切り欠き溝60を形成するために使用される工具である。
図2に示すように、タービンロータ40のロータ軸42と一体に形成されているロータ円板50には、予め外周部を周方向に切削加工したTルート翼溝52が設けられている。
図3に示すように、Tルート翼溝52は、縦断面形状がT型の環状溝とされている。Tルート翼溝52は、ロータ円板50の全周方向にわたって設けられている。Tルート翼溝52は、1つのロータ円板50に対して1つ(1周)設けられている。すなわち、Tルート翼溝52は、動翼1段に対して1つ(1周)設けられている。
図1に示すように、Tルート翼溝52には、その形状に対応したT字型の断面形状を有する翼根82が形成されたタービン動翼80が挿入される。翼根82は、Tルート翼溝52からの脱落防止のために、Tルート翼溝52の縮幅部54よりも拡幅している。このため、このままでは翼根82をTルート翼溝52に挿入できないので、翼根82が挿入可能な大きさまで縮幅部54の一部を拡大して形成された切り欠き溝60をロータ円板50の外周部に設けている。
切り欠き溝60は、以下のように加工されて設けられる。
まず、図3及び図4に示すように、エンドミル97によって縮幅部54の一部が拡幅した下穴62を形成する。下穴62は略四角形状とされているが、4つの隅部分にはエンドミル97の形状に起因するR部64が残されている。このR部64はタービン動翼80の挿入時に翼根82と干渉する可能性がある。そこで、図5に示すように、切削工具10を用いて、残されたR部64のR(半径)が小さく切削加工される。
なお、同図において、切り欠き溝60は四角形状とされているが、必ずしもこの形状に限られるものではなく、翼根82の断面形状等を踏まえて適切な任意の形状を採ることができる。
以下、残されたR部64の切削加工を行う切削工具10について詳細に説明する。
図6に示すように、切削工具10は、後述する切削機械92に保持される保持部20と実際に下穴62を切削する刃具部30とを備えている。
保持部20は、軸線Lの方向に延在する円柱形状とされている。保持部20は、後述する切削機械92のバイトホルダ96に保持される部分である。
なお、本実施形態において保持部20の形状は円柱形状であるが、バイトホルダ96に適合する形状であれば円柱形状に限定されず、テーパとなった円錐形状や四角柱形状などでもよい。
刃具部30は、保持部20と一体に形成され、軸線Lの方向に延在するとともに保持部20側が縮径した略四角錐形状とされている。
刃具部30は、少なくとも2つ以上の刃面(逃げ面)32とそれらに接続された底面(すくい面)36とを有している。なお、本実施形態では、4つの刃面32を有している。各刃面32と底面36とによって形成される2つ以上(本実施形態では4つ)の稜線は刃先34とされている。すなわち、刃先34は、底面36の2辺以上(本実施形態では全周の4辺)にわたって形成されている。この刃先34によって被切削物のR部64が削り取られる。
底面36の各頂点により形成される仮想面(平面)は、軸線Lと略直交している。つまり、軸線Lの方向に延在する保持部20の延長線上付近に刃具部30の底面36が存在することとなる。これによって、保持部20を介して後述する切削機械92から作用する力を軸線Lの方向に沿って刃具部30に直接的に伝えることができ、結果として、切削機械92から作用する力を効率的に角刃部35に伝えることができる。
図7示すように、各刃先34は、隣り合う2つの刃先34が交わった角部によって角刃部35を形成している。この角刃部35によって被切削物に角部を形成させて削り取ることができる。本実施形態の場合、角刃部35は直角又は略直角とされている。また、角刃部35の頂点は、底面36の頂点(上記の仮想面を形成する頂点)と一致している。
図8に示すように、刃先34には、逃げ角θ及びすくい角δが設定されている。本実施形態において、逃げ角θ及びすくい角δは、すべての刃先34に対して等しく設定されている。
なお、逃げ角θ及びすくい角δをそれぞれの刃先34で異なるように形成しておき、切削条件に応じて切削工具10を軸線L周りに回転させることで刃先34を使い分けても良い。
逃げ角θは、0.5°以上5.0°以下とされ、さらに好ましくは1.0°以上2.0°以下とされる。逃げ角θを5.0°よりも大きくすると刃先34が損傷する可能性があり、逃げ角θを0.5°よりも小さくすると、被切削物と刃面の干渉が発生し逃げ角としての機能が発揮されない可能性がある。
すくい角δは、5.0°以上10.0°以下とされ、さらに好ましくは6.0°以上7.0°以下とされる。この角度に設定することで、切削工具の切削方向の前方に発生する切屑を効率的にすくい取って下穴62から外部に排出することができる。
図6から図8に示すように、底面36は、軸線Lを中心とする対称形状とされている。これによって、各刃先34で被切削物を加工する場合に、各刃先34で均等に力を作用させることができるので、切削工具10を軸線L周りに回転させることなく下穴62の全内周の四隅にあるR部64を切削することができる。また、例えば刃先34が鈍ってきた場合に、その都度刃先34を研ぐことなく、切削工具10を軸線L周りに回転させて順次各刃先34を使用することで、各刃先34で同じ切削条件で加工を行うことが出来る。本実施形態の場合、底面36は、例えば、一辺が8mm〜15mm程度の正方形状とされている。
なお、底面36の形状(すなわち、刃面32の数、刃先34の数、角刃部35の角度等)は、切削加工する切り欠き溝60の形状や被加工物の材質や加工条件に応じて任意に設定することができる。これによって、効率的に下穴62を切削することができる。
図6及び図7に示すように、底面36は、全辺が刃先34として作用するように保持部20側に窪む球面とされている。球面半径は、例えば20mm以上35mm以下とされて、更に好ましくは25mm以上30mm以下とされている。底面36を球面にすることで、全ての刃先34に対して同じすくい角δを設定することができる。また、すくい取られた切屑を球面によって円滑に外部に排出することができる。
以上の通り説明した切削工具10は、以下のように使用される。
切削工具10は、例えば、図9に示されている切削機械92(例えば、サイドエントリ翼溝加工機)に取り付けられる。切削機械92は、加工装置90の一部を構成している。加工装置90は、切削機械92の他に、タービンロータ40を保持するとともにタービンロータ40の位置出しを行う割出し装置91等を有していてもよい。
図10に示すように、切削機械92は、コラム93に対して上下方向(同図に示すY軸方向)に移動可能に取り付けられたヘッド94を有している。コラム93は、ヘッド94の移動方向(上下方向)に直行する2方向(同図に示すX軸方向及びZ軸方向)に移動可能とされている。つまり、ヘッド94は、コラム93の移動を含めて3軸方向に移動可能とされている。
図11に示すように、ヘッド94の端面にはクイル95が設けられている。クイル95には、バイトホルダ(固定部)96が設けられている。このバイトホルダ96に切削工具10の保持部20が軸線Lの方向に挿入されて保持されることで、切削工具10が切削機械92に取り付けられることとなる。切削工具10は、軸線Lの方向に沿う矢印で示したZ軸方向に移動可能とされる。
なお、切削機械92には、例えば、図2及び図12に示されているツリー型の翼根86を有するサイドエントリ型のタービン動翼84が取り付けられるロータ円板70にツリー型翼溝72を形成する切削工具98(図13参照)も取り付けることができてもよい。つまり、翼根86が嵌合するツリー型翼溝72の加工に用いられる切削機械92を切削工具10用の切削機械92として転用することができる。この場合、タービン動翼を取り付ける図示しないロータのロータ円板70に応じて、ツリー型翼溝72を加工する工程と切り欠き溝60を加工する工程とで切削機械92を入れ替える必要がなく、ロータ円板70への翼溝切削加工の作業時間の短縮を図ることができる。
図11に示すように、切削機械92に取り付けられた切削工具10は、軸線Lの方向(図6のZ軸に対応)に切り込まれる。その送り速度は、例えば3000mm/minから3600mm/min程度とされる。
図14に示すように、切削工具10は、切り込みの度に軸線Lと直交する方向(図6のX軸、Y軸に対応)に移動可能とされる。Z軸方向への切り込みとX軸方向及び/又はY軸方向への移動とを繰り返すことによって、R部64が残っている下穴62をR部64が除去され角部が形成された切り欠き溝60に加工することができる。このとき、切削工具10の底面36の全周が刃先34とされているので、下穴62に対して切削工具10を軸線L周りに回転させることなく下穴62の全内周の四隅にあるR部64を切削することができる。また、R部64が除去されて形成された角部は、四隅部分に残ったR部を角に近い形状(例えば、R1mm未満)に加工することができる。
なお、底面36の一部の辺を刃先34として、切削工具10を軸線L周りに回転させることで下穴62の全内周の四隅にあるR部64を順次に切削してもよい。
X軸方向又はY軸方向への移動量は、例えば最大で0.5mm程度とされてもよい。すなわち、切込み量は、例えば最大で0.5mm程度とされてもよい。
本実施形態によれば以下の効果を奏する。
切削工具10は、交わる2つの刃先34によって角部が形成された角刃部35を有している。これによって、例えば、予め形成された略多角形状の下穴62であって隅部分にR部64が残る下穴62に対して、その隅部分に切削工具10の角刃部35を軸線Lの方向に切削することで、隅部分に残ったR部64を角刃部35によってR部を1mm未満の角に近い形状に加工することができる。すなわち、下穴62の加工時に残ってしまったR部64の半径を極めて小さくすることができる。
なお、略多角形状の下穴62が、例えば、エンドミル97等の回転工具によって形成されたとき、エンドミル97の半径がR部64として下穴62の隅部分に残る。この残ったR部64を切削工具10の角刃部35によって角に近い形状(例えば、R1mm未満)に加工することができる。
また、切削機械92(詳細には、例えば切削機械92のバイトホルダ96)に保持され軸線Lの方向に延在する保持部20に接続された刃具部30には、その軸線Lに対して直交する仮想面に底面36の各頂点が形成されており、その底面36に角刃部35が設けられている。そして、軸線Lの方向が切削方向とされている。これによって、保持部20を介して切削機械92から作用する力を軸線Lの方向に沿って刃具部30に直接的に伝えることができ、結果として、切削機械92から作用する力を効率的に角刃部35に伝えることができる。これに対して、一般的なスロッタ加工の場合、刃具部は保持部側方に張り出たような形態であり工具の保持部分に対して刃具部は片持ちの状態となる。このため、切削機械から作用する力を軸線方向に沿って刃具部に直接的に作用させられないため、刃具部への切削抵抗の増大によるびびり振動が生じたり刃具の根元部に応力が集中したりするのでR部を角に近い形状(例えば、R1mm未満)にする精度の高い切削加工には好ましくない。更に、刃具部が張り出た分だけ切削工具としてのサイズも大きくなってしまうため、切り欠き溝の幅が小さい場合には内面側からの工具を挿入することが困難となる。
なお、ここで言う「交わる」とは、例えば、辺と辺とが交わり完全な角部が形成されたものだけでなく、辺と辺との間に亘って僅かなR部が形成されたものも含む。ただし、その僅かなR部は下穴62に残されたR部64に比べて十分に小さい。
また、底面36の全周が刃先34とされている場合には、下穴62に対して切削工具10を軸線L周りに回転させることなく下穴62の全内面の四隅にあるR部64を切削することができる。
また、切削機械92は、例えばロータ円板70に設けられるツリー型翼溝72を切削するための切削工具98に代えて上記の切削工具10を取り付けてもよい。つまり、ツリー型翼溝72を切削する際に使用されている切削機械92を上記の切削工具10用の切削機械92として転用してもよい。これによって、タービン動翼を取り付けるロータ円板70に応じて、ツリー型翼溝72を加工する工程と切り欠き溝60を加工する工程とで切削機械92を入れ替える必要がなく、ロータ円板70への翼溝切削加工の作業時間の短縮を図ることができる。
上記実施形態に記載の切削工具(10)及び切削機械(92)は、例えば以下のように把握される。
本開示の一態様に係る切削工具(10)は、軸線(L)の方向に延在する保持部(20)と、前記保持部(20)と接続されるとともに前記軸線(L)に対して略直交する平面に底面(36)の各頂点が形成された刃具部(30)と、を備え、前記底面(36)は、前記軸線(L)の方向から見たとき、交わる2つの刃先(34)によって角部が形成された角刃部(35)を有し、前記軸線(L)の方向が、切削方向とされている。
本態様に係る切削工具(10)は、交わる2つの刃先(34)によって角部が形成された角刃部(35)を有している。これによって、例えば、予め形成された略多角形状の下穴(62)であって隅部分にR部(64)が残る下穴(62)に対して、その隅部分を切削工具(10)の角刃部(35)で軸線(L)の方向に切削することで、隅部分に残ったR部(64)を角刃部(35)の角部によってR部を1mm未満の角に近い形状に加工することができる。すなわち、下穴(62)の加工時に残ってしまったR部(64)の半径を極めて小さくすることができる。なお、略多角形状の下穴(62)が、例えば、エンドミル(97)等の回転工具によって形成されるとき、エンドミル(97)の半径がR部(64)として残ることとなる。
また、切削機械(92)に保持され軸線(L)の方向に延在する保持部(20)に接続された刃具部(30)には、その軸線(L)に対して直交する仮想面に底面(36)の各頂点が形成されており、その底面(36)に角刃部(35)が設けられている。そして、軸線(L)の方向が切削方向とされている。これによって、保持部(20)を介して切削機械(92)から作用する力を軸線(L)の方向に沿って刃具部(30)に直接的に伝えることができ、結果として、切削機械(92)から作用する力を効率的に角刃部(35)に伝えることができる。これに対して、一般的なスロッタ加工の場合、刃具部は保持部の円周方向側方に張り出たような形態であり、工具の保持部分に対して刃具部は片持ちの状態となるので、切削機械から作用する力を軸線の方向に沿って刃具部に直接的に作用させられない。また、刃具部への切削抵抗の増大によるびびり振動が生じたり刃具の根元部に応力が集中したりするのでR部を角に近い形状(例えば、R1mm未満)にする精度の高い切削加工には好ましくない。更に、張り出た分が切削工具としてのサイズも大きくなってしまうため切り欠き溝の幅が小さい場合には内面側からの工具を挿入する切削加工が困難となる。
なお、ここで言う「交わる」とは、例えば、辺と辺とが交わり完全な角部が形成されたものだけでなく、辺と辺との間に亘って僅かなR部が形成されたものも含む。ただし、その僅かなR部は下穴(62)に残されたR部(64)に比べて十分に小さい。
また、本開示の一態様に係る切削工具(10)は、前記底面(36)の全周が前記刃先(34)とされている。
本態様に係る切削工具(10)によれば、切削工具(10)の底面(36)の全周が刃先(34)とされているので、下穴(62)に対して切削工具(10)を軸線(L)周りに回転させることなく下穴(62)の全内面の四隅にあるR部(64)を切削することができる。
また、本開示の一態様に係る切削工具(10)において、前記底面(36)は、前記軸線(L)を中心として対称になる形状とされている。
本態様に係る切削工具(10)によれば、底面(36)の全周に均等に切削機械(92)の力を作用させることができる。このとき、底面(36)の全周が刃先(34)であれば、全ての刃先(34)で均等に力を作用させることができる。
また、本開示の一態様に係る切削工具(10)において、前記底面(36)の各頂点によって形成される前記平面は、四角形状とされている。
本態様に係る切削工具(10)によれば、下穴(62)の形状が略四角形状の場合、下穴(62)に対して切削工具(10)を軸線(L)周りに回転させることなく効率的に下穴(62)の全内周の四隅にあるR部(64)を切削することができる。
また、本開示の一態様に係る切削工具(10)において、前記角刃部(35)は、略直角とされている。
本態様に係る切削工具(10)によれば、下穴(62)に残されたR部(64)を角刃部(35)に近い形状の略直角(例えば、R1mm未満)に切削することができる。この構成は、例えば、下穴(62)が正方形や長方形の場合に有効である。
また、本開示の一態様に係る切削工具(10)において、前記刃先(34)には、所定の逃げ角及び所定のすくい角が設定されている。
本態様に係る切削工具(10)によれば、刃先(34)には所定の逃げ角が設定されているので切削工具(10)と被切削物との接触を少なくして接触面の摩耗を抑制することができる。また、所定のすくい角が設定されているので切削工具(10)の切削方向の前方に発生する切屑をすくい取って外部に容易に排出することができる。
また、本開示の一態様に係る切削工具(10)において、前記逃げ角は、0.5°以上5.0°以下とされている。
本態様に係る切削工具(10)によれば、効率的に切削工具(10)と被切削物との間の接触を少なくすることができる。なお、逃げ角を5.0°よりも大きくすると刃先(34)が損傷する可能性があり、逃げ角を0.5°よりも小さくすると逃げ角としての機能が発揮されない可能性がある。
また、本開示の一態様に係る切削工具(10)において、前記すくい角は、5.0°以上10.0°以下とされている。
本態様に係る切削工具(10)によれば、効率的に切削工具(10)の切削方向の前方に発生する切屑をすくい取って下穴62から外部に排出することができる。
また、本開示の一態様に係る切削工具(10)において、前記底面(36)は、前記保持部(20)側に窪む球面とされている。
本態様に係る切削工具(10)によれば、例えば底面(36)が正方形の場合、全ての刃先(34)に対して同じすくい角を設定することができる。また、すくい取られた切屑を球面によって円滑に外部に排出することができる。
また、本開示の一態様に係る切削機械(92)は、上記の切削工具(10)の前記保持部(20)が取り付け可能な固定部(96)を備えている。
本態様に係る切削機械(92)によれば、上記の切削工具(10)の保持部(20)が取り付け可能な固定部(96)によって、上記の切削工具(10)を用いた加工をすることができる。
切削機械(92)は、例えば、サイドエントリ翼溝加工機とされる。また、固定部(96)は、例えば、工作機械のバイトホルダとされる。
また、本開示の一態様に係る切削機械(92)において、前記固定部(96)には、前記切削工具(10)に代えて、ツリー型翼溝(72)を加工できる他の切削工具(98)が取り付け可能とされている。
本態様に係る切削機械(92)によれば、例えばタービンロータ(40)に対してタービン動翼(84)を固定するためにロータ円板(70)に設けられるツリー型翼溝(72)を切削するための切削工具に代えて上記の切削工具(10)を取り付けることができる。つまり、ツリー型翼溝(72)を切削する際に使用されている切削機械(92)を上記の切削工具(10)用の切削機械(92)として転用できる。これによって、ロータ円板(70)に応じて、ツリー型翼溝(72)を加工する工程と切り欠き溝(60)を加工する工程とで切削機械(92)を入れ替える必要がなく、作業時間の短縮を図ることができる。
10 切削工具
20 保持部
30 刃具部
32 刃面
34 刃先
35 角刃部
36 底面
40 タービンロータ
42 ロータ軸
50 ロータ円板
52 Tルート翼溝
54 縮幅部
60 切り欠き溝
62 下穴
64 R部
70 ロータ円板
72 ツリー型翼溝
80 タービン動翼
82 翼根(T型翼根)
84 タービン動翼
86 翼根(ツリー型翼根)
90 加工装置
91 割出し装置
92 切削機械
93 コラム
94 ヘッド
95 クイル
96 バイトホルダ(固定部)
97 エンドミル

Claims (11)

  1. 軸線の方向に延在する保持部と、
    前記保持部と接続されるとともに前記軸線に対して略直交する平面に底面の各頂点が形成された刃具部(30)と、
    を備え、
    前記底面は、前記軸線の方向から見たとき、交わる2つの刃先によって角部が形成された角刃部を有し、
    前記軸線の方向が、切削方向とされている切削工具。
  2. 前記底面の全周が前記刃先とされている請求項1に記載の切削工具。
  3. 前記底面は、前記軸線を中心として対称になる形状とされている請求項1又は2に記載の切削工具。
  4. 前記底面の各前記頂点によって形成される前記平面は、四角形状とされている請求項1から3のいずれかに記載の切削工具。
  5. 前記角刃部を形成する2つの前記刃先の交わる角度は、略直角とされている請求項1から4のいずれかに記載の切削工具。
  6. 前記刃先には、所定の逃げ角及び所定のすくい角が設定されている請求項1から5のいずれかに記載の切削工具。
  7. 前記逃げ角は、0.5°以上5.0°以下とされている請求項6に記載の切削工具。
  8. 前記すくい角は、5.0°以上10.0°以下とされている請求項6又は7に記載の切削工具。
  9. 前記底面は、前記保持部側に窪む球面とされている請求項1から8のいずれかに記載の切削工具。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の切削工具の前記保持部が取り付け可能な固定部を備え、前記軸線の方向に切削可能とされている切削機械。
  11. 前記固定部には、前記切削工具に代えて、ツリー型翼溝を加工できる他の切削工具が取り付け可能な請求項10に記載の切削機械。
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