JP3224597B2 - 重合体の製造方法 - Google Patents
重合体の製造方法Info
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Description
重合体を生産性良く、安価に得ることができる重合体の
新規な製造方法に関する。
ヤ材料用ゴムとしてロスファクターつまりヒステリシス
ロスの小さいゴムが望まれている。ロスファクターの小
さなゴム材料として天然ゴム、シス−1,4ポリイソプ
レンゴム、低シス−1,4又は高シス−1,4のポリブ
タジエンゴム等が知られている。また、ロスファクター
が著しく改良された合成ゴムとして、炭化水素溶媒中、
有機リチウム化合物を開始剤として重合した重合体末端
にハロゲン化スズ化合物をカップリングした合成ゴムが
ある(例えば特開昭57−55912)。この重合体末
端をハロゲン化スズ化合物でカップリング反応を行う場
合、まず反応面から考えるとスズ化合物を添加した段階
で重合反応は終了し、カップリング反応が終わると反応
系は失活状態となるので、未反応モノマーが残存しても
重合の継続はないと考えられている。一方、重合体の分
子構造面から考えると、スズ化合物を添加した時点で、
重合体の重合度などの分子構造が決まり、最終的にスズ
を分子鎖に有する重合体の分子構造が決まってくる。
由から、分子構造面で分子設計上の理由から、未反応モ
ノマーを残さないようにするため、通常、重合反応が終
了した時点でスズ化合物を添加する方法が用いられてい
る。
物のようなカップリング剤等の変性剤を用いた方法にお
いては、反応系に変性剤を加えた後は、モノマー等が残
存していても、もはや如何なる反応も起こりえない又は
利用することもない、と考えて目的の重合体を回収する
工程に入ることになる。すなわち、バッチ重合方式をと
る。連続重合方式に比べ、バッチ重合方式は生産性が悪
く、製造コスト高を招き、その結果として重合体は高価
となるため、大きな問題である。
は、これが可能な重合体の製造方法として、開始剤に有
機リチウム化合物等を用いてポリジエンゴムのブレンド
を製造する方法(特開昭63−235305)が知られ
ている。これはブタジエン−スチレン共重合等の重合の
中期(転化率が30〜70%)に四塩化スズ等の分枝剤
をある量加え、ポリマーの20〜70%をカップリング
することによりスズ−炭素結合鎖を有する低分子量の重
合体(A)を先ず生成させ、次に残りの活性末端リチウ
ムにより重合を継続させスズ−炭素結合鎖を含まない高
分子量重合体(B)を生成させ、(A)重合体に対し
(B)重合体を主体とするポリマーブレンドを製造する
方法である。この製造方法は通常のブレンド方式を取ら
ずに、重合過程で低分子量ポリマーと高分子量ポリマー
を製造し、加工性を改良したポリマーを得ることを目的
としている。このような連続重合方式は知られていて
も、同時にロスファクターの小さい優れた重合体を製造
する方法は未だ知られていないのが現状である。
ストの高いバッチ重合方式に代わって、生産性の高い連
続重合方式により、優れた重合体を得る製造方法が要請
されていた。
特性に優れた重合体であり、かつ、スズ−炭素結合鎖を
持つ高分子量重合体を主体とする重合体、つまりロスフ
ァクターの小さな重合体を、生産性良く、安価に得るこ
とができる重合体の製造方法を提供することが目的であ
る。
は、炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤とし
て共役ジエン及び/又はビニル芳香族炭化水素を重合さ
せて重合体を製造する方法において構造式SnX
2 (X:ハロゲン)で表されるハロゲン化スズ化合物
を、重合活性末端リチウム1モル当量に対して0.5モ
ル当量未満から0.12モル等量以上の量を、重合の開
始直後から転化率80%に至るまでの重合連鎖生長時期
に重合系内に添加して重合反応を行い、スズ−炭素結合
鎖をもつ高分子量重合体を40%以上含む重合体を生成
させることを特徴とする。
いて、前記ハロゲン化スズ化合物を、重合の開始直後か
ら転化率25%に至るまでの重合連鎖生長時期に重合系
内に添加することを特徴とする。
は2において、前期重合反応が実質的に終了した後に、
スズ化合物、イソシアナート基含有化合物及び−CM−
N<結合(M:O又はSを表す)含有物化合物から選ば
れた少なくとも一つの化合物を変性剤として添加するこ
とを特徴とする。
応、ハロゲン化スズ化合物によるカップリング反応、ス
ズの結合構造及びその反応性に着目し、鋭意検討を行っ
た結果、意外なことに、ある条件下でスズ−炭素結合鎖
含有重合体が活性化され、該重合体に重合開始点が生成
し、モノマーの重合が継続して起こり、連鎖が生長して
スズ−炭素結合鎖含有の高分子量重合体が得られること
を見出した。このことにより、バッチ重合方式に代わっ
て連続重合方式が可能となった。前述のように、従来ス
ズ−炭素結合鎖含有重合体に活性はなく、モノマー重合
の継続はない、従って結局バッチ重合方式をとらざるを
得ないという定説を覆した新事実である。
ルリチウム化合物を開始剤として、エーテル化合物など
を用いてブタジエンとスチレンのランダム共重合を行う
際に、SnCl2 をカップリング剤として添加する場合
を例にとると、重合開始後にSnCl2 を重合活性末端
リチウム1モル当量に対して0.5モル当量未満から
0.12モル当量以上加えると、系内にはSnCl2 と
の反応に関与しない重合活性末端リチウムが存在すれ
ば、その活性点の一部による重合は継続するが、同時
に、カップリングして得られるスズ−炭素結合鎖含有重
合体に新たに重合能が賦与され、重合連鎖の生長が継続
して、高分子量のスズ−炭素結合鎖含有ランダム型ブタ
ジエン−スチレン共重合体が得られ、この重合体から得
られた加硫ゴムには、ロスファクターの小さい効果が顕
著に認められることがわかった。
能が賦与される点に言及すれば、例えば上記と同様な方
法で、ブタジエンの単独重合を行い、ポリマーの分子量
が、数平均分子量で、1.8×104 になった段階で、S
nCl2 を重合活性末端リチウム1モル当量に対して
0.43モル当量加えると、このポリマーの数平均分子
量は5.4×104 となり、さらに重合を継続して行った
後の全重合体中に含まれるスズ−炭素結合鎖含有ポリブ
タジエンの数平均分子量は50×104 に達するという新
事実が明らかとなった。
賦与のメカニズムは不明であるが、この重合能は、ブチ
ルリチウム又は重合活性末端リチウムと、重合体中のア
リルスズ型又はベンジルスズ型の結合が存在する場合に
機能するものであることから、重合活性末端リチウムと
このスズ結合との何らかの相互作用により重合活性点が
生成したものと推察される。
ウムとハロゲン化スズ化合物の量的要件を満足すればモ
ノマーの重合終了後ではなく、連鎖生長時期すなわち重
合活性末端リチウムの存在下に、スズ化合物を添加しカ
ップリング反応を行った後も、モノマーが存在する限り
スズ−炭素結合鎖含有重合体の連鎖生長は継続されるの
で、ここに生産性の高い連続重合方法が初めて可能とな
り、しかも得られた重合体はスズ−炭素結合鎖含有の高
分子量ポリマーを主とするもので、ロスファクターの小
さい有用な物性を持つことも明らかとなり、本発明を完
成するに至った。
重合溶媒としては、不活性の有機溶媒であり、例えばベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族
炭化水素溶媒、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン
等の脂環族炭化水素溶媒及びこれらの混合物が使用でき
る。
られる有機リチウム化合物には、n−ブチルリチウム、
エチルリチウム、プロピルリチウム、tert−ブチルリチ
ウム、ヘキシルリチウム、1,4−ジリチオブタン、ブ
チルリチウムとジビニルベンゼンとの反応物等のアルキ
ルリチウム、アルキレンジリチウム、フェニルリチウ
ム、スチルベンジリチウム等を挙げることができる。好
ましくはn−ブチルリチウム又はtert−ブチルリチウム
である。これらの有機リチウム開始剤は、単独で用いて
も良いし、2種以上混合して用いても良い。これらの有
機リチウム化合物の使用量はモノマーに100グラム当
たり0.2〜30ミリモルの範囲で用いることができ
る。
ーは、共役ジエン及び/又はビニル芳香族炭化水素であ
り、該共役ジエンは1分子当たり炭素原子4〜12個好
ましくは4〜8個を含有する共役ジエン炭化水素であ
る。例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、ピペリレ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−
ペンタジエン、オクタジエン等が挙げられ、これらの共
役ジエンは単独または2種以上を併用することができ、
特に1,3ブタジエンが好ましい。
スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、
o−メチルスチレン、p−ブチルスチレン、ビニルナフ
タリン及び同様物が包含され、特にスチレンが好まし
い。
ン)で表されるハロゲン化スズ化合物としては、二塩化
スズ、二臭化スズ等が挙げられる。また、反応系への添
加量としては、重合活性末端リチウム1モル当量に対し
て0.5モル当量未満から0.12モル当量以上であ
る。
ン化スズ化合物の添加量は、本発明の目的達成のために
重要な要素である。全重合体中のスズ−炭素結合鎖を含
有しない重合体に対するスズ−炭素結合鎖を含有する高
分子量重合体の割合が、40%以上になれば、ロスファ
クターの小さい重合体と言えるが、この割合が大きいほ
どロスファクターは小さくなり、好ましい。該高分子量
重合体の割合は、このリチウムとハロゲン化スズの割合
に大きく依存するもので、前記ハロゲン化スズ化合物添
加量の範囲において、ロスファクターの小さい重合体が
容易に得られ、ここに目的が達せられる。
応の重合活性末端リチウムが残存しなくなるため、重合
反応は継続できなくなる。つまり、本発明の重要な特徴
であるスズ−炭素結合鎖含有重合体の連鎖生成が起こら
ないので、本発明は成り立たない。また、添加量が0.
12モル当量未満の場合は、スズ−炭素結合鎖含有重合
体の連鎖生長は起こるが、その重合開始点の濃度に対し
て、スズ−炭素結合鎖含有重合体の開始点生成に関与し
ないと思われるフリーの活性末端リチウムの濃度が相対
的に大きくなることにより、この活性点におけるスズと
無関係な重合が優勢に進行し、得られた全重合体は、ス
ズ−炭素結合鎖を含有しない重合体に対しスズ−炭素結
合鎖含有の高分子量重合体の割合が40%未満になり、
所望の物性が不良となるので好ましくない。
加量と共に重要な要素は、ハロゲン化スズ化合物の添加
時期である。この添加時期は、有機リチウム化合物によ
る重合の開始直後から転化率80%、好ましくは25%
に至るまでの重合連鎖生長時期に重合系内に添加され
る。連続重合方式が達成されること及びロスファクター
の小さい重合体が得られることの2つの効果を満足する
観点からすれば、前記の重合開始直後から転化率80%
に至るまでの添加時期でよいが、更に効果を挙げるには
次の理由、すなわち重合開始後の低粘度の段階でカップ
リング反応を行うとカップリング効率がよい、及び重合
初期では種々の理由による活性末端リチウムの失活が少
ない等により、スズ−炭素結合鎖含有の高分子量重合
体、つまりロスファクターの小さい重合体が効率よく得
られること及び連続重合方式を安定して遂行できること
等の理由で、重合開始直後から転化率25%のような重
合初期にハロゲン化スズ化合物を添加することが好まし
い。重合が開始する前にハロゲン化スズ化合物を添加す
ると、有機リチウム開始剤と反応して有機スズとなるた
め目的の重合体は得られないし、重合開始後、転化率が
80%を越えて、重合終了後に至るまでに添加すると、
本発明の連続重合方式の特徴が失われることになる。
は用途に応じた所望の重合体の分子構造(分子量、ミク
ロ構造、共重合体の場合はこれに加えてモノマー単位の
組成、その組成分布等)を調節するため、この目的に使
用される通常の添加剤、例えばエ−テル化合物、第3級
アミン化合物等のルイス塩基を反応系に加えることがで
きる。使用されるエ−テル化合物としては例えばジエチ
ルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、
2−メトキシテトラヒドロフラン、2−メトキシメチル
テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール
ジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテ
ル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジ
エチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテ
ル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げ
られる。さらに第2級アミン化合物としてはトリエチル
アミン、トリプロピルアミン、ピリジン、N,N,
N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,
N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、N−メチ
ルモルホリン等が挙げられる。エーテル化合物及び第3
級アミン化合物の使用量は有機リチウム化合物1モル当
たり0.05〜1000モルの範囲で用いられる。
断せざるを得ない場合、又は分子設計を変更し重合体に
所望の物性を賦与させたい場合等において、重合反応の
終了後に変性剤を添加することができる。変性剤として
はスズ化合物、イソシアナ−ト基含有化合物及び−CM
−N<結合(M:O又はSを表す)含有化合物から選ば
れた少なくとも1つの化合物である。
ズ、四臭化スズ等のハロゲン化スズ化合物、及びジエチ
ルジクロロスズ、ジブチルジクロロスズ、トリブチルス
ズクロライド、ジフェニルジクロロスズ、トリフェニル
スズクロライド等のハロゲン化有機スズ化合物等を挙げ
ることができる。
は、例えばフェニルイソシアナート、2,4−トリレン
ジイソシアナート、2,6−トリレンジオソシアナー
ト、ジフェニルメタンジイソシアナート、ナフタレンジ
イソシアナート及びこれらの2量体、3量体の芳香族ポ
リイソシアナート化合物が使用できる。
表す)含有化合物としては、例えばホルムアミド、N,
N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N,N−ジ
エチルアセトアミド、アミノアセトアミド、N,N−ジ
メチル−N' ,N' −ジメチルアミノアセトアミド、
N,N−ジメチルアミノアセトアミド、N,N−ジメチ
ル−N’−エチルアミノアセトアミド、アクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチ
ルメタクリルアミド、ニコチンアミド、イソニコチンア
ミド、ピコリン酸アミド、N,N−ジメチルイソニコチ
ンアミド、コハク酸アミド、フタル酸アミド、N,N,
N' ,N' −テトラメチルフタル酸アミド、オキサミ
ド、N,N,N' ,N’−テトラメチルオキサミド、
1,2−シクロヘキサンジカルボキシミド、2−フラン
カルボン酸アミド、N,N−ジメチル−2−フランカル
ボン酸アミド、キノリン−2−カルボアン酸アミド、N
−エチル−N−メチル−キノリンカルボン酸アミド等の
アミド化合物、コハクイミド、N−メチルコハクイミ
ド、マレイミド、N−メチルマレイミド、フタルイミ
ド、N−メチルフタルイミド等のイミド化合物、ε−カ
プロラクタム、N−メチル−ε−カプロラクタム、2−
ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピペリ
ドン、N−メチル−2−ピペリドン、2−キノロン、N
−メチル−2−キノロン等のラクタム化合物、尿素、
N,N’−ジメチル尿素、N,N−ジエチル尿素、N,
N,N’,N’−テトラメチル尿素、N,N−ジメチル
−N’,N’−テトラメチル尿素、N,N’−ジメチル
−N’,N’−ジフェニル尿素、N,N’−ジメチルエ
チレン尿素等の尿素化合物、カルバミン酸メチル、N,
N−ジエチルカルバミン酸メチル等のカルバミン酸誘導
体、イソシアヌル酸、N,N’,N”−トリメチルイソ
シアヌル酸等のイソシアヌル酸誘導体及びこれらの対応
のチオカルボニル含有化合物等が挙げられる。変性剤と
しては重合体鎖活性末端と反応する化合物であれば特に
限定されない。
で、好ましくは0℃〜120℃である。
50重量%、好ましくは10〜35重量%である。共役
ジエンとビニル芳香族炭化水素の共重合の場合、仕込み
モノマー混合物中のビニル芳香族炭化水素の含量は3〜
50重量%、好ましくは5〜40重量%である。また、
反応時間は特に制限されないが、通常、数秒〜数時間で
ある。
て実施されるが、その圧力は普通、本質的に液相を保持
するに充分な圧力で操作することが好ましい。また、反
応系に装入される上記の全物質には、触媒作用を妨害す
る物質を排除することが好ましい。
吹き込んで溶媒を除去するか、あるいはメタノール等の
貧溶媒を加えて重合体を凝固した後、熱ロールもしくは
減圧下で乾燥して重合体を得ることができる。また、ポ
リマー溶液を直接熱ロールもしくは減圧下で溶媒を除去
して重合体を得ることもできる。
る高分子量重合体を40%以上含有の重合体であり、共
役ジエン又はビニル芳香族炭化水素の単独重合体、共役
ジエンとビニル芳香族炭化水素との共重合体、あるいは
両重合体の混合物を包含する。特に有用に用いられるの
は高分子量のポリブタジエン又はブタジエン−スチレン
共重合体で、この中に40%以上含有されるスズ−炭素
結合鎖を持つ高分子量重合体の分子量は、用途により任
意にコントロールできるが、ポリマーの数平均分子量
で、5×104 〜15×105 位のものが有用である場
合が多い。
チレン共重合体を例にとれば、ブタジエン部のミクロ構
造(シス−1,4、トランス−1,4、ビニル)、共重
合体にあってはブタジエン/スチレンの組成、この組成
分布(ランダム構造、ブロック構造又はその混合構造)
を、目的に応じて自由に選択された分子構造のポリマー
が容易に得られ、種々の用途に適用できる。
合体は、単独でまたは天然ゴム、合成ゴムとブレンド
し、必要ならば、油展し、通常の加硫ゴム用配合剤を加
え、加硫して、タイヤ用途を始め防振ゴム、ベルト、ホ
ースその他工業品用途に用いられる。
説明するが、本発明の主旨を越えないかぎり本実施例に
限定されるものではない。
いかぎり重量部及び重量%を意味する。
ァクター(Tanδ)の測定はレオメトリックス社の粘
弾性測定装置を使用し、温度50℃、歪1%、周波数1
5Hzで求めた。引張り特性はJISK6301に従っ
て測定した。
マトグラフィ(G.P.C.)によって行い、示差屈折
率(RI)と254nmの紫外吸収率(UV)を用いて
単分散ポリスチレンを標準としてポリスチレン換算で行
った。
よる測定の結果、高分子量ポリマー成分と低分子量ポリ
マー成分が含まれていた。この両ポリマー成分の含有率
はG.P.C.のRI検出器により得られる、各々のピ
ークの面積比により求めた。
リマーの結合部の構造に由来する強いUV吸収を有し、
スズ結合を含まないポリブタジエンではほとんどUVの
吸収が現れないことが知られている。このような特性を
利用してG.P.C.のUV検出器により、本発明のポ
リマーを分析した結果、高分子量ポリマー成分には上記
UVの吸収が認められ、低分子量ポリマー成分にはこの
吸収はない。従って、高分子量ポリマー成分はスズ−炭
素結合鎖を持つポリマーであり、低分子量ポリマー成分
はスズ−炭素結合鎖のないポリマーであるとの結論に達
した。
には、スチレン鎖のU.V.吸収が強いために、U.
V.検出器による分析は不可能であるが、ポリブタジエ
ンと同様と考えられるので、高分子量ポリマー成分はス
ズ−炭素結合鎖を持つポリマーであり、低分子量ポリマ
ー成分はスズ−炭素結合鎖のないポリマーと考えられ
る。
マー及びスズ−炭素結合鎖のないポリマーの各々の数平
均分子量及び含有率を求めた。
ン部分のミクロ構造は赤外法(Morero法:D.M
orero,Chim.e.Ind.,vol.41,
758(1959))によって求めた。また結合スチレ
ン含有量は699cm-1のフェニル基の吸収に基づいた
赤外法による検量線から求めた。
方法があるが、重合開始時に仕込んだ有機リチウム開始
剤の68モル%とした。有機リチウム開始剤を用いた重
合においては、溶媒等は事前に十分に精製したものを使
用するが、通常の重合においては、開始剤の有機リチウ
ムのいくらかは重合系内の水、二酸化炭素等の不純物に
より失活してしまう。一般的に本発明のような有機リチ
ウム化合物を開始剤とする共役ジエン及び/又はビニル
芳香族炭化水素の重合においては分子量分布は1.1程
度と十分に狭いので、理論的には重合されたポリマーの
数平均分子量(Mn)は下記の式1として成り立つこと
が公知である(大津隆行著、高分子合成の実験法、p2
12、化学同人)。
×モノマー分子量 本発明において行った重合実験においても、式1は、ほ
ぼ成り立つのことがわかっており、不純物により、ある
一定の割合で有機リチウム濃度は式2のように仮定され
る。
ル数=重合開始時に仕込んだ有機リチウム開始剤のモル
数×有機リチウムの残存率 同じリアクターを使用し、同じロットの溶媒及び重合モ
ノマー等を使用する場合には、式2の仮定が成り立つの
は明らかであり、かつ、この式は工業的にも経験的にも
用いられている客観性のあるものである。よって、今回
の一連の検討を行う前に予備実験を行い、式1及び式2
を用いて求めた有機リチウムの残存率は68%と求めら
れた。従って、活性重合末端リチウム濃度は重合開始剤
に仕込んだ有機リチウム開始剤のモル数の68%とし
た。
シクロヘキサン1500g、1,3−ブタジエン250
g、テトラヒドロフラン0.65gを仕込み、反応容器
内温度を60℃に調整した後に、n−ブチルリチウム
0.115gを添加し重合を開始させた。
始させた後、5分後に二塩化スズを0.0995g添加
した。この時点におけるブタジエンは、重合を開始して
いるが、重合溶媒の粘度の上昇はほとんど認められなか
った。この時点のポリブタジエンを一部取り出し、イソ
プロピルアルコールで重合を停止させて、重合転化率及
び重合体の分子量を測定したところ、転化率は10%程
度であり、その分子量は1.8×104 であった。二塩化
スズを添加した後、さらに継続して重合を60℃におい
て120分間行った後にイソプロピルアルコールで重合
を停止させた。
rt−ブチル−p−クレゾール2.5gを添加した後、ス
チームストリッピングにより脱溶媒し、得られた固形物
を100℃の熱ロールで乾燥してゴム状ポリマーを得
た。得られた全ポリマー、全ポリマー中のスズ−炭素結
合鎖のないポリマー及びスズ−炭素結合鎖を持つポリマ
ーの各数平均分子量(Mn)、さらに全ポリマー中のス
ズ−炭素結合鎖を持つポリマーの含有率等のポリマーの
特性は表1に示した。
0ccラボプラストミル及び3インチロールで混練、配
合した後、145℃で35分間加硫を行った。加硫物の
物性を表2に示した。
二塩化スズの添加量が各々0.0806g、0.056
9g及び0.0332gである以外は、実施例1と同様
に行った。実施例1と同じく、得られたポリマーの特性
及びポリマーの加硫物物性を各々表1及び表2に示し
た。
外は、実施例1と同様に行った。ポリマーの特性及びポ
リマーの加硫物物性を各々表1及び表2に示した。
シクロヘキサン1500g、1,3−ブタジエン200
g、スチレン50g、テトラヒドロフラン0.65gを
仕込み、反応容器内温度を60℃に調整した後に、n−
ブチルリチウム0.115gを添加し重合を開始させ
た。
始させた後、10分後(重合転化率20%程度)に二塩
化スズを0.0995g添加した。その後、さらに重合
を60℃において120分間行った後にイソプロピルア
ルコールで重合を停止させた。
rt−ブチル−p−クレゾール2.5gを添加した後、ス
チームストリッピングにより脱溶媒し、得られた固形物
を100℃の熱ロールで乾燥してゴム状ポリマーを得
た。ポリマーの特性は表1に示した。なお、本発明のポ
リブタジエンと同様に、スズ−炭素結合鎖を持つポリマ
ーの分子量は高く、その含有率も高いものであった。
0ccラボプラストミル及び3インチロールで混練、配
合した後、145℃で35分間加硫を行った。加硫物の
物性を表2に示した。
々二塩化スズを0.0900g、0.0569g及び
0.0284gを、実施例9では二臭化スズを0.08
39gを添加した以外は実施例5と同様に重合を行っ
た。実施例5と同じく、ポリマーの特性及びポリマーの
加硫物物性を各々表1及び表2に示した。
合転化率は数%程度、重合活性末端リチウム量は0.4
9mmol/100gモノマー;A)に二塩化スズを0.090
0g(0.19mmol/100gモノマー;B、B/A=0.
39)添加し、重合転化率がほぼ100%に達した後
に、トリブチルスズクロライドを、重合溶媒の色が消え
るまで所定量添加した以外は、実施例5と同様に重合を
行った。得られた全ポリマーの数平均分子量は48×10
4 であり、このうちブタジエン部のビニル量は41%
で、さらにスチレン含量は20%であった。ポリマーの
加硫物の物性は、伸びが390%、引張強力が262kg
f/cm2 、1%Tanδ(50℃)が0.091であっ
た。
以外は実施例5と同様に重合を行った。実施例5と同じ
く、ポリマーの特性及びポリマーの加硫物物性を各々表
1及び表2に示した。
同様に重合を行った。ただし、本比較例2においては、
重合は二塩化スズ添加直後に失活し重合が進行しないた
め、高分子量重合物が得られなかったので、物性検討等
は行うことができなかった。 〔比較例4〕 二塩化スズの代わりに四塩化スズ0.10(mmol/
100gモノマー)添加した以外は実施例1と同様に重
合を行った。実施例1と同じく、ポリマーの特性及びポ
リマーの加硫物物性を各々表1及び表2に示した。
例は、ブタジエン重合及びブタジエン−スチレン共重合
の重合初期に重合活性末端リチウム1モル当量に対し
て、カップリング剤としてハロゲン化スズ化合物を0.
5モル当量未満〔表1(B)/(A)〕添加して重合を
行ったもので、得られたポリマーは、実施例1〜4等に
示されるように、高分子量のスズ−炭素結合鎖含有ポリ
マーを40%以上含み、スズ−炭素結合鎖のないポリマ
ーが低分子量であるゴム状重合体であった。このポリマ
ーの加硫物はポリブタジエンの場合(実施例1〜4)は
比較例1と、ブタジエン−スチレン共重合体の場合(実
施例5〜9)は比較例2と各々対比すればわかるよう
に、破壊特性に優れ、50℃でのTanδの小さいバラ
ンスのとれた物性を示した。
終了後にトリブチルクロライドを添加し、スズに結合し
ていない重合末端をスズで停止させることにより、一段
とその効果が上がることが認められた。
ップリング剤を添加しているにもかかわらず、通常のリ
ビング重合と同じく化学量論的に重合が進行し、高分子
量の有用なスズ−炭素結合鎖を持つ重合体が得られたこ
とは、従来知られていないことであり、同時に連続重合
方式を可能としたことを明白に示すものである。
ング剤)を加えなかったもので、得られた加硫物は破壊
特性に劣りロスファクターが大きく発熱性の点で好まし
くない。このことは実施例に示したように、スズ−炭素
結合鎖含有ポリマーのロスファクターが小さい事実と対
比される現象である。
活性末端リチウム1モル当量に対して0.5モル当量以
上添加されたもので、活性末端リチウムが全て失活した
ため、スズ化合物添加後の重合は起こらなかった。
としたので、重合体は破壊特性に優れ、また連続重合方
式が可能となり、ロスファクターの小さな重合体を生産
性良く得ることができるという優れた効果を有する。
Claims (3)
- 【請求項1】 炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物を
開始剤として共役ジエン及び/又はビニル芳香族炭化水
素を重合させて重合体を製造する方法において、構造式
SnX2 (X:ハロゲン)で表されるハロゲン化スズ化
合物を、重合活性末端リチウム1モル当量に対して0.
5モル当量未満から0.12モル等量以上の量を、重合
の開始直後から転化率80%に至るまでの重合連鎖生長
時期に重合系内に添加して重合反応を行い、スズ−炭素
結合鎖をもつ高分子量重合体を40%以上含む重合体を
生成させることを特徴とする重合体の製造方法。 - 【請求項2】 前記ハロゲン化スズ化合物を、重合の開
始直後から転化率25%に至るまでの重合連鎖生長時期
に重合系内に添加することを特徴とする請求項1記載の
重合体の製造方法。 - 【請求項3】 前記重合反応が実質的に終了した後に、
スズ化合物、イソシアナート基含有化合物及び−CM−
N<結合(M:O又はSを表す)含有化合物から選ばれ
た少なくとも一つの化合物を変性剤として添加すること
を特徴とする請求項1記載又は請求項2記載の重合体の
製造方法。
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JP14451992A JP3224597B2 (ja) | 1992-06-04 | 1992-06-04 | 重合体の製造方法 |
US08/070,793 US5587420A (en) | 1992-06-04 | 1993-06-03 | Diene polymer obtained by adding a tin compound in the polymerization with an organolithium initiator |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP14451992A JP3224597B2 (ja) | 1992-06-04 | 1992-06-04 | 重合体の製造方法 |
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JPH05331224A JPH05331224A (ja) | 1993-12-14 |
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-
1992
- 1992-06-04 JP JP14451992A patent/JP3224597B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH05331224A (ja) | 1993-12-14 |
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