JP3224323B2 - アンテナ回路 - Google Patents

アンテナ回路

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JP3224323B2
JP3224323B2 JP06862694A JP6862694A JP3224323B2 JP 3224323 B2 JP3224323 B2 JP 3224323B2 JP 06862694 A JP06862694 A JP 06862694A JP 6862694 A JP6862694 A JP 6862694A JP 3224323 B2 JP3224323 B2 JP 3224323B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低い周波数の無線信号
を高い周波数の信号に変換して放射・送信するアンテナ
装置に関し、特に、誘電体基板上、あるいは、半導体基
板上に形成された(モノリシック)アクティブアンテナ
装置、および光給電型アクティブアンテナ装置に係る。
【0002】
【従来の技術】ミリ波等の超高周波数帯の電波を効率良
く放射させる手段として、トランジスタ発振器などのよ
うな半導体デバイスで直接超高周波を発生させないで、
半導体デバイスへの負担を軽減し、かつ、効率よく超高
周波信号を得るため、比較的低い周波数の信号を周波数
変換して高周波に変換してから放射する手法がある。
【0003】この手法では、基本波(入力信号周波数成
分)を出力端で抑圧する必要があり、フィルタなどを使
用することによりこの目的が達成できるが、集積化、特
に半導体基板上への集積化を行なおうとする場合には、
高性能のフィルタを一体化することは一般的に困難であ
るから実現が難しい。そのため、フィルタへの要求条件
を緩和し、容易に集積化できる手法として、図6に示す
ような、逆相分配器17、高調波を発生する非線形素子
22,22′、および同相合成器23から成るバランス
構成が一般的に採用される。
【0004】これは、マイクロ波信号21を逆相分配器
17で互いに等振幅・逆位相の2信号に分配した後、そ
れぞれ非線形素子22,22′に入力すると、非線形素
子の出力端において入力信号成分は逆位相のままである
が、2次高調波は同位相となるため同相合成器23にお
いて、入力信号成分が相殺され、2次高調波が合成でき
るためである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
従来の方式は、装置構成の規模が大きくなる上、周波数
が高くなればなるほど逆相分配器および同相合成器にお
ける損失が増大するという問題点があった。また、その
ため、合成損失を避ける目的で、図7に示すように、同
相合成器の出力を直接放射器24,24′に接続し、空
間において合成することにより基本波を抑圧する構成が
考案されている。
【0006】しかし、この構成では、複数の放射器が必
要となるため装置規模が大きくなることや、基本波の抑
圧される放射方向が特定の方向(それぞれの放射器から
等距離の空間領域)にしか存在しないと言う問題点があ
った。
【0007】また、基本的に発振器と放射器を直接結合
しているため、正弦波信号の放射は容易にできるが、中
間周波数帯で変調された信号を周波数変換して放射する
構成などに適用する場合、図8に示すようにさらに複数
の同相合成器などが必要となる。
【0008】すなわち、マイクロ波信号21および中間
周波数帯信号25を、それぞれ逆相分配器17,17′
で互いに等振幅・逆位相の2信号に分配し、同相合成器
23,23′において合成した後、これらの合成波を非
線形素子22,22′に入力すると、非線形素子の出力
端において入力信号成分(マイクロ波信号21および中
間周波数帯信号25)は逆位相のままであるが、これら
2信号の、和および差の周波数成分は同位相となるた
め、そのどちらか一方をフィルタ26で、ろ波した後、
所望の混合成分を放射器24より放射するようにしなけ
ればならないからである。
【0009】しかし、図8からも明らかなように、装置
構成が一層複雑・大規模となり、さらに、フィルタまで
も必要となるから、装置の小型化・集積化が困難であっ
た。
【0010】本発明は上述のような課題を解決し、基本
波などの不要波を放射することなく2次高調波などの所
望の超高周波信号成分のみを高い効率で送信でき、か
つ、集積化に適した簡潔な構成のアンテナ装置を提供す
ることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば上述の目
的は、前記特許請求の範囲に記載した手段により達成さ
れる。
【0012】すなわち、請求項1の発明は、誘電体基板
または半導体基板の片面に、導体膜を展着せしめて、該
導体膜の一部を欠切することによって、スロット放射器
と、該スロット放射器の長手方向のほぼ中央部の一方の
側端部に、一方の端部が接続された給電用スロット線路
とを形成せしめると共に、スロット放射器と給電用スロ
ット線路との接続部から見たスロット放射器の両側の位
置に、スロット放射器の幅方向のスロットを跨ぐように
該スロットの幅方向の両側の導体間に少なくとも一つの
非線形素子をそれぞれ接続し、前記スロット放射器の長
さ(L)は、給電用スロット線路を通じて与えられる入
力信号周波数の2倍の周波数の線路内波長のほぼ(1/
2)n(ただしnは正の整数)とし、スロット放射器の
幅(W)は、該スロット放射器の長さLに比して充分小
なる値としたアンテナ回路である。
【0013】請求項2の発明は、請求項1記載のアンテ
ナ回路において、誘電体基板または半導体基板部の実質
的な厚みを、放射周波数の波長のほぼ1/4にすると共
に、誘電体基板または半導体基板のスロット放射器と給
電用スロット線路を設けた面の反対側の面に導体膜を展
着して、これを接地導体とするように構成したものであ
る。
【0014】請求項3の発明は、誘電体基板または半導
体基板の片面に、導体膜を展着せしめて、該導体膜の一
部を欠切することによって、スロット放射器と、該スロ
ット放射器の長手方向のほぼ中央部の一方の側端部に、
一方の端部が接続された給電用スロット線路とを形成せ
しめると共に、スロット放射器と給電用スロット線路と
の接続部から見たスロット放射器の両側の位置に、スロ
ット放射器の幅方向のスロットを跨ぐように該スロット
の幅方向の両側の導体間に、光信号を検出して電気信号
に変換し得る少なくとも一つの非線形素子をそれぞれ接
続し、第1の入力信号を前記給電用スロット線路から与
えると共に、第2の入力信号をそれが変換されたとき給
電用スロット線路を挟んで対向する非線形素子同士が互
に逆位相の電気信号となるような光信号として、非線形
素子に入力するように構成し、前記スロット放射器の長
さ(L)は、第1の入力信号の周波数と第2の入力信号
の周波数との和または差の周波数の線路内波長のほぼ
(1/2)n(ただしnは正の整数)とし、スロット放
射器の幅(W)は、該スロット放射器の長さLに比して
充分小なる値としたアンテナ回路である。
【0015】請求項4の発明は、請求項3記載のアンテ
ナ回路において、誘電体基板または半導体基板の実質的
な厚みを、放射周波数の波長のほぼ1/4にすると共
に、誘電体基板または半導体基板の、スロット放射器と
給電用スロット線路を設けた面の反対側の面に導体膜を
展着して、これを接地導体と成し、接地導体および誘電
体基板または半導体基板に光路となる孔を設け、第2の
入力信号を光信号として接地導体側より非線形素子に与
えるように構成したものである。
【0016】請求項5の発明は、請求項3記載のアンテ
ナ回路において、誘電体基板または半導体基板部の実質
的な厚みを放射周波数の波長のほぼ1/4にすると共
に、誘電体基板または半導体基板の、スロット放射器と
給電用スロット線路を設けた面の反対側の面に導体膜を
展着して、これを接地導体と成し、該接地導体に光路と
なる孔を設けると共に、誘電体基板または半導体基板と
して光を透過する材質のものを用い、第2の入力信号を
光信号として接地導体側より非線形素子に与えるように
構成したものである。
【0017】請求項6の発明は、請求項1〜請求項5記
載のアンテナ回路において、スロット放射器の長手方向
の両端部の導体膜に、該スロット放射器の幅方向の両側
の導体が直流的に導通しないように間隙を設けると共
に、該間隙間の両側の導体間をキャパシタで接続するよ
うに構成したものである。
【0018】
【作用】請求項1記載のアンテナ回路においては、導体
面上に形成された細長いスロットにおいて、該スロット
は長手(以下長辺ともいう)方向に入力信号周波数の2
倍の周波数に対する(1/2)n(nは正の整数)線路
内波長近辺の長さを有する放射器を構成している。この
スロット放射器の長辺部分の一点より信号を給電するス
ロット線路等の平衡型伝送線路を接続すると、給電部は
直列分岐になっているため、給電部からみてスロット放
射器の長辺方向の両側では、給電された信号は互いに逆
位相となっている。
【0019】そして、該給電部からみてスロット放射器
の長辺方向の両側にはそれぞれスロット放射器の幅(以
下短辺ともいう)方向の導体間に非線形素子が接続され
ており、これらに上記の互いに逆位相の信号が入力され
るため、上記給電信号周波数の高調波を生じる。給電部
からみてスロット放射器の長辺方向の両側においては、
入力信号周波数f1の高調波の内、奇数次の成分は逆位
相のままであるため相殺されるが、偶数次の成分は同位
相となり、スロット放射器中で合成される。
【0020】更に、スロット放射器の長辺方向の長さL
を入力信号周波数f1の2倍の周波数に対する(1/
2)n(nは正の整数)線路内波長程度としているた
め、入力信号周波数の偶数次の高調波のみ効率的に放射
させることができる。また、非線形素子で生じる高調波
は次数が高くなるに従いレベルが急激に減少するため、
4次以降の高調波は無視できる程度に小さくなる。従っ
て、基本波などの不要波の放射を抑圧し、2次高調波の
み放射できるアンテナ装置を、逆相分配回路、同相合成
回路や複数の放射器を必要とすることなく、放射器自体
に機能を集約した非常に簡易な構成で実現できるため、
容易に小型化・集積化できる。
【0021】請求項2記載のアンテナ回路においては、
誘電体基板または半導体基板部の実質的な厚みを、放射
周波数の波長のほぼ1/4にすると共に、誘電体基板ま
たは半導体基板の、スロット放射器と給電用スロット線
路を設けた面の反対側の面に導体膜を展着して、これを
接地導体とするように構成しているので、放射波は接地
導体で反射してスロット放射器を設けた側の面から効率
的に放射される。
【0022】また、請求項3記載のアンテナ回路におい
ては、スロット放射器は、長辺方向に第1の入力信号周
波数と第2の入力信号周波数の和または差の周波数に対
する(1/2)n(nは正の整数)線路内波長近辺の長
さを有し、さらに非線形素子の少なくとも一部は波長λ
1以上の光を検出できる物質で形成されている。
【0023】そして、スロット線路により給電される第
1の入力信号(周波数f1)とは別に、第2の入力信号
(周波数f2)を、非線形素子の数に相当する数の波長
λ1以上の光信号により、複数の非線形素子にそれぞれ
入力する。この際、上記光信号は、該スロット長辺方向
に対し互いに両側に位置する該非線形素子において検出
された際、互いに逆位相の電気信号となるような複数の
光信号に変換されている。
【0024】給電部からみてスロット放射器の長辺方向
の両側においては、給電される第1の入力信号成分(周
波数f1)および、光検出により生じる第2の入力信号
成分(周波数f2)は逆位相であるため、それぞれ相殺
される。一方、上記の複数の非線形素子の非線形特性に
より生じる第1の入力信号と第2の入力信号の周波数混
合成分の内、f1+f2,|f1−f2|等は同位相と
なりスロット放射器中で合成される。
【0025】上記スロット放射器の長辺方向の長さを例
えば信号周波数成分f1+f2に対する1/2n(nは
正の整数)線路内波長付近とすると、該周波数成分f1
+f2のみの信号を効率的に放射させることができる。
従って、所望の周波数混合成分のみ放射できるアンテナ
装置を、複数の逆相分配回路、複数の同相合成回路や高
性能なフィルタなどを必要とすることなく、放射器自体
に機能を集約した非常に簡易な構成で実現できるため、
容易に小型化・集積化できる。
【0026】さらに、本アンテナ回路を形成している誘
電体基板または半導体基板を、波長λ1以上の光を透過
する材質とするなどにより、基板の裏面からの光信号の
入力を行なうようにすれば、放射面に光ファイバ、レン
ズ等を配置することなく装置を構成することができる。
従って、このような構造では、放射面に障害となる構造
物がないので放射パターンへの影響を生ずることもな
い。
【0027】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。図1は本発明の第1の実施例のアンテナ回
路を示す図である。本アンテナ回路は、誘電体または半
導体基板1上に形成された導体膜27に、長辺方向が入
力信号角周波数ωの2倍の周波数に対する(1/2)n
(nは正の整数)線路内波長近辺(長さL)で、短辺方
向が長辺方向より大幅に短い幅W(W<<L)のスロッ
ト放射器2を形成し、給電用スロット線路3によりスロ
ット放射器2の長手方向中心部から給電するように構成
している。
【0028】さらに、実質的に同一の非線形特性を有す
るダイオード4,4′を、上記給電部分からみてスロッ
ト放射器2の長手方向の互いに対称の位置のスロット短
辺方向の導体間に、同一の局性を持つように接続してい
る。図1に示したスロット放射器2中の電界の向きを見
ると、入力信号周波数成分(角周波数ω)の電界は、給
電部分がスロット線路の直列T分岐を形成しているた
め、給電部からみてスロット放射器の両側では互いに逆
位相となっている。
【0029】一方、実質的に同一の非線形特性を有し、
スロット放射器2の両側の対称の位置のスロット短辺方
向の導体間に同一の局性を持つように接続されたダイオ
ード4,4′において、入力信号周波数の高調波成分が
生じる。ここでダイオード4,4′に入力される給電信
号5の周波数成分(角周波数ω)を Pin=Asin (ωt)……(ダイオード4に入力) および Pin′=Asin (ωt+π)……(ダイオード4′に入
力) (Aは各信号の振幅) とすると実質的に同一であるダイオード4および4′で
生じる信号成分は Pout =Bsin (ωt)+Csin (2ωt)+Dsin
(3ωt)+……(ダイオード4の出力) Pout ′=Bsin (ωt+π)+Csin (2ωt)+D
sin (3ωt+π)+……(ダイオード4′の出力) (Bは信号成分ωの振幅、Cは信号成分2ωの振幅、D
は信号成分3ωの振幅) となる。
【0030】従って、給電部からみてスロット放射器の
両側では、入力信号周波数ωの奇数倍の成分は、逆位相
・等振幅のままであるため相殺されて放射されないが、
偶数倍の成分は同位相となるためスロット放射器2中で
合成される。ここで、非線形素子で生じる高調波は次数
が高くなるに従いレベルが急激に減少するため、4次以
降の項は無視できる程度となり、また、スロット放射器
2は、長辺方向に入力信号角周波数ωの2倍の周波数に
対する(1/2)n(nは正の整数)線路内波長近辺の
長さを有しているため、2次高調波のみを放射させるこ
とができる。
【0031】従って、基本波などの不要波の放射を抑圧
し、2次高調波のみ放射できる装置を、逆相分配回路、
同相合成回路や複数の放射器を必要とすることなく、放
射器自体に機能を集約した非常に簡易な構成で実現でき
るため、容易に小型化・集積化できる。また図2に示し
た第2の実施例においては、金属導体を一部剥離し、キ
ャパシタ6,6′により高周波的には短絡し、直流的に
分離することにより、放射特性に影響を与えることなく
ダイオードに直流バイアスを印加できるようになってい
る。
【0032】また、図3に示す第3の実施例のように、
これらの要素は、例えば、ダイオードとしてショットキ
バリアダイオード8,8′、キャパシタとしてMIM
(Metal−Insulator−Metal)キャ
パシタ9,9′を使用することにより容易に半導体基板
上に集積化できる。このため、発振器10、増幅器1
1、移相器等の他のマイクロ波回路と容易に集積化でき
る。他のマイクロ波回路との接続を容易にし、かつ、不
要な電磁放射や電磁結合を防ぐため、給電用スロット線
路にエアブリッジ12等を用いたコプレーナ−スロット
変換部を設けることも可能である。
【0033】上記実施例はいずれも、誘電体または半導
体基板の片面のみに導体膜を有する場合について示して
いるが、その両面に導体膜を展着し、その一方を、接地
導体とすると共に、誘電体または半導体基板の板厚(基
板が複数枚からなるときはそのトータルな板厚)を放射
周波数の波長のほぼ1/4として、同様に構成すること
により、請求項2の発明に対応するアンテナが実現でき
ることは言うまでもない。
【0034】図4、図5は、本発明の第4の実施例のア
ンテナ回路を示す図である。図4と図5は、それぞれス
ロット放射器2が上側、下側にある斜視図を示す。本ア
ンテナ回路は、波長λ1以上の光を透過する物質で形成
された誘電体または半導体基板1′上に形成された導体
面の長辺方向に長さL、短辺方向に長辺方向より大幅に
短い幅W(W<<L)のスロット放射器2を形成し、給
電用スロット線路3によりスロット放射器2の長辺方向
の中心点から給電される。
【0035】さらに、実質的に同一の非線形特性を有
し、波長λ1以上の光を検出できる少なくとも一層以上
の光吸収層を有するフォトダイオード14,14′を、
上記給電部分からみてスロット放射器2の長辺方向の互
いに対称の位置のスロット短辺方向の導体間に同一の局
性を持つように接続している。
【0036】上記フォトダイオード14,14′として
は、アバランシェフォトダイオードを用いることが好ま
しい。このことは以下の記述におけるフォトダイオード
についても同様である。
【0037】ここまでの構成は基本的に実施例1と同じ
であるが、本実施例においては、さらに図5に示すよう
に、基板裏面の接地導体15の一部にフォトダイオード
14,14′に光を入力するため、導体を円形に取り除
いた窓16,16′を設けている。
【0038】さらに逆相分配器17、電気/光変換器1
8,18′、光伝送媒体19,19′、光学レンズ2
0,20′を備え、スロット線路3により給電される給
電信号5′(角周波数ω1)とは異なる信号21(角周
波数ω2)を、波長λ1以上の光信号により、フォトダ
イオード14,14′に向けて、誘電体または半導体基
板1′の裏面からそれぞれ入力する。この光信号は図中
に破線の矢印で示した光路を通ってフォトダイオード1
4,14′に達する。
【0039】この際、上記光信号は、電気信号の段階に
おいて逆相分配器17により逆位相でそれぞれ電気/光
変換器18,18′に入力され、波長λ1以上の2つの
光信号(光キャリアに対する電気信号のサブキャリア段
階で相対位相0およびπ)に変換されており、光伝送媒
体19,19′、光学レンズ20,20′および、導体
を除いた窓16,16′を介してフォトダイオード1
4,14′にそれぞれ入力される。
【0040】ここで、フォトダイオード14,14′に
給電用スロット線路3により電気信号で入力される信号
5′(角周波数ω1)を第一の実施例と同様に PEin=Asin (ω1t)……(フォトダイオード14
に入力) および PEin′=Asin (ω1t+π)……(フォトダイオー
ド14′に入力) (Aは各信号の振幅) とする。
【0041】一方、光信号により入力される信号21
(角周波数ω2)を POin=PO[ 1+m sin(ω2t)] ……(フォト
ダイオード14に入力) および POin′=PO[ 1+m sin(ω2t+π)] ……
(フォトダイオード14′に入力) (PO は平均光強度、mは変調指数) とすると、実質的に同一の光検出特性を有するフォトダ
イオード14,14′で検出される電気信号は、 Pdet =Gsin (ω2t)……(フォトダイオード14
の検出信号) および Pdet ′=Gsin (ω2t+π)…(フォトダイオード
14′の検出信号) (Gは各信号の振幅) となる。
【0042】従って、実質的に同一の非線形特性を有す
るフォトダイオード14,14′で生じる周波数成分
は、 Pout =Bsin (ω1t)+Csin (ω2t)+Dsin
(ω1+ω2)t+Esin (ω1−ω2)t……(フォ
トダイオード14の出力) Pout ′=Bsin(ω1t+π)+Csin(ω2t+π)+
Dsin (ω1+ω2)t+2π]+Esin(ω1−ω2)
t……(フォトダイオード14′の出力) (Bは信号成分ω1の振幅、Cは信号成分ω2の振幅、
Dは信号成分ω1+ω2の振幅、Eは信号成分ω1−ω
2の振幅) となる。
【0043】従って、給電部からみてスロット放射器2
の両側では、入力信号周波数ω1,ω2成分等は逆位相
のままであるため相殺されて放射されないが、それらの
和(ω1+ω2)および差(ω1−ω2)の成分等はス
ロット放射器2中で同位相となり合成される。ここで、
例えばスロット放射器2の長辺方向の長さLを、角周波
数(ω1+ω2)に対する(1/2)n(nは正の整
数)線路内波長近辺とすると、和成分(ω1+ω2)の
みを効率的に放射させることができる。
【0044】さらに、放射面の反対の面から光信号を入
力するため、光学レンズ等による放射パターンの乱れは
生じない。従って、所望の周波数混合成分のみ放射でき
る装置を、複数の同相合成回路や高性能なフィルタなど
を必要とすることなく、放射器自体に機能を集約した非
常に簡易な構成で実現できるため、容易に小型化・集積
化できる。なお、光信号により信号の一方を入力するた
め、信号入力端子間のアイソレーションは何ら問題なく
保証されている。
【0045】またこれらの要素は、第1の実施例と同様
に、容易に半導体基板上に集積化できる。ここで半導体
基板としてInP、フォトダイオードの光吸収層として
InGaAs層を使用し、光信号の波長を例えば1.3
μmとすると、この光信号はInP基板を透過し、In
GaAs層で吸収されるため、図5に示したような裏面
からの入力が可能となる。さらに、第1の実施例と同様
に、発振器、増幅器、移相器等の他のマイクロ波回路と
集積化することもできる。
【0046】上記第1〜第4の実施例の説明において
は、誘電体基板あるいは半導体基板上の導体膜の展着に
ついては、特に触れていないが、これは特別なものが要
求されるものではなく、従来から用いられている、金、
銀、銅、アルミニューム、などの金属の薄板等を接着
や、圧着するか、蒸着などの方法によって付着させるこ
とによって容易に実現できるものである。
【0047】また、スロット放射器の素子形状は4隅が
直角の長方形のものについて示しているが、これに限る
ものではなく、各コーナ部にRを有するものや、長手方
向の端部が曲線になっているような形状のものであって
も良い。更に、給電用スロット線路も、各実施例の図面
に描かれているような長方形のものに限るものではな
く、任意の形状を採り得るものである。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように本発明のアンテナ回
路によれば、1つのスロット放射器中に複数の非線形素
子を配置し、これにスロット線路等のスロット線路によ
り給電を行うことにより、従来の構成で必要であった、
逆相分配機能、周波数逓倍または変換機能(非線形素
子)、同相合成機能に加え、フィルタ機能までも放射器
自体に集約した非常に簡易な構成で、給電信号の基本波
などの不要波の放射を抑圧し、2次高調波等の所望の高
周波信号のみ放射できる。
【0049】さらに、本発明の構成要素である非線形素
子として光検出機能を有する素子を使用し、上記給電信
号と異なる信号を光信号により入力することにより、所
望の混合周波数成分のみを放射させる装置を、(電気信
号でのみ給電する従来の方法では必須であった複数の電
力合成回路や高性能なフィルタを一切必要とせず)、非
常に簡易な構成のままで実現できる。
【0050】そして、このアンテナ回路は、放射器自体
に複数の機能を集約しているので、容易に小型化でき、
また、半導体基板上に集積化できるから、無線送信装置
の小型化・高機能化・低コスト化に寄与することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施例を示す図である。
【図3】本発明の第3の実施例を示す図である。
【図4】本発明の第4の実施例のスロット放射器の存在
する側を示す図である。
【図5】本発明の第4の実施例の接地導体側を示す図で
ある。
【図6】従来のアンテナ構成の第1の例を示す図であ
る。
【図7】従来のアンテナ構成の第2の例を示す図であ
る。
【図8】従来のアンテナ構成の第3の例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 誘電体または半導体基板 2 スロット放射器 3 給電用スロット線路 4,4′ ダイオード 5 給電信号 6,6′ キャパシタ 7 ワイヤ 8,8′ ショットキバリアダイオード 9,9′ MIMキャパシタ 10 発振器 11 増幅器 12 エアブリッジ 13 コプレーナ線路 14,14′ フォトダイオード 15 基板裏面の導体 16 基板裏面導体中の光入力用窓 17,17′ 逆相分配器 18,18′ 電気/光変換器 19,19′ 光伝送媒体 20,20′ 光学レンズ 21 マイクロ波信号源 22,22′ 非線形素子 23,23′ 同相合成器 24,24′ 放射器 25 中間周波数帯信号 26 フィルタ 27 導体膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−7110(JP,A) 特開 昭50−124555(JP,A) 特開 昭49−4955(JP,A) 特開 平5−14034(JP,A) 特開 平3−266509(JP,A) 特開 平1−238306(JP,A) 特開 平1−232803(JP,A) 特開 平5−243835(JP,A) 実開 昭50−124238(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01Q 13/10 H01Q 1/50 H01Q 23/00 H04B 1/04 JICSTファイル(JOIS)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体基板または半導体基板の片面に、
    導体膜を展着せしめて、 該導体膜の一部を欠切することによって、スロット放射
    器(2)と、該スロット放射器の長手方向のほぼ中央部
    の一方の側端部に、一方の端部が接続された給電用スロ
    ット線路(3)とを形成せしめると共に、 スロット放射器(2)と給電用スロット線路(3)との
    接続部から見たスロット放射器(2)の両側の位置に、
    スロット放射器(2)の幅方向のスロットを跨ぐように
    該スロットの幅方向の両側の導体間に少なくとも一つの
    非線形素子をそれぞれ接続し、 前記スロット放射器(2)の長さ(L)は、給電用スロ
    ット線路(3)を通じて与えられる入力信号周波数の2
    倍の周波数の線路内波長のほぼ(1/2)n(ただしn
    は正の整数)とし、 スロット放射器(2)の幅(W)は、該スロット放射器
    の長さLに比して充分小なる値としたことを特徴とする
    アンテナ回路。
  2. 【請求項2】 誘電体基板または半導体基板部の実質的
    な厚みを、放射周波数の波長のほぼ1/4にすると共
    に、 誘電体基板または半導体基板の、スロット放射器と給電
    用スロット線路を設けた面の反対側の面に導体膜を展着
    して、これを接地導体とした請求項1記載のアンテナ回
    路。
  3. 【請求項3】 誘電体基板または半導体基板の片面に、
    導体膜を展着せしめて、 該導体膜の一部を欠切することによって、スロット放射
    器(2)と、該スロット放射器の長手方向のほぼ中央部
    の一方の側端部に、一方の端部が接続された給電用スロ
    ット線路(3)とを形成せしめると共に、 スロット放射器(2)と給電用スロット線路(3)との
    接続部から見たスロット放射器(2)の両側の位置に、
    スロット放射器(2)の幅方向のスロットを跨ぐように
    該スロットの幅方向の両側の導体間に光信号を検出して
    電気信号に変換し得る少なくとも一つの非線形素子をそ
    れぞれ接続し、 第1の入力信号を前記給電用スロット線路(3)から与
    えると共に、第2の入力信号をそれが変換されたとき給
    電用スロット線路(3)を挟んで対向する非線形素子同
    士が互に逆位相の電気信号となるような光信号として、
    非線形素子に入力するよう構成し、 前記スロット放射器(2)の長さ(L)は、第1の入力
    信号の周波数と第2の入力信号の周波数との和または差
    の周波数の線路内波長のほぼ(1/2)n(ただしnは
    正の整数)とし、 スロット放射器(2)の幅(W)は、該スロット放射器
    の長さLに比して充分小なる値としたことを特徴とする
    アンテナ回路。
  4. 【請求項4】 誘電体基板または半導体基板部の実質的
    な厚みを、放射周波数の波長のほぼ1/4にすると共
    に、 誘電体基板または半導体基板の、スロット放射器と給電
    用スロット線路を設けた面の反対側の面に導体膜を展着
    して、これを接地導体と成し、 接地導体および誘電体基板または半導体基板に光路とな
    る孔を設け、 第2の入力信号を光信号として接地導体側より非線形素
    子に与えるように構成した請求項3記載のアンテナ回
    路。
  5. 【請求項5】 誘電体基板または半導体基板部の実質的
    な厚みを放射周波数の波長のほぼ1/4にすると共に、 誘電体基板または半導体基板の、スロット放射器と給電
    用スロット線路を設けた面の反対側の面に導体膜を展着
    して、これを接地導体と成し、 該接地導体に光路となる孔を設けると共に、誘電体基板
    または半導体基板として光を透過する材質のものを用
    い、 第2の入力信号を光信号として接地導体側より非線形素
    子に与えるように構成した請求項3記載のアンテナ回
    路。
  6. 【請求項6】 スロット放射器(2)の、長手方向の両
    端部において、該スロット放射器(2)の幅方向の両側
    の導体が直流的に導通しないように間隙を設けると共
    に、該間隙間の両側の導体間をキャパシタで接続した請
    求項1〜請求項5記載のアンテナ回路。
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