JP3223011U - ロケットストーブ - Google Patents
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Abstract
【課題】 持ち運びが容易で、高い断熱性による高い燃焼効率が得られ、製造も容易なロケットストーブを提供する。【解決手段】 断熱性耐火材で外形がほぼ直方体になるように成形した複数のブロックを組み合わせてロケットストーブを構成する。バーントンネルブロック1は、一端面から上面まで延びるバーントンネル部1aを有する。焚口ブロック2は、該バーントンネルブロック1の手前に密着させて置いたとき、バーントンネル部1aと連通する焚口部2aを有する。ヒートライザーブロック3,3は、バーントンネルブロック1の上に重ねて載せたとき、バーントンネルブロック1のバーントンネル部1aと連通し、上方に延びる貫通孔3aを有する、五徳ブロック4は、調理器具を載せて保持する受け座4aと噴き出し貫通孔4cと噴き出し貫通孔4cを有し、ヒートライザーブロック3の貫通孔3aからの燃焼ガスを噴き出し貫通孔4cから噴き出させる。【選択図】 図1
Description
本考案は、薪ストーブの一種であり、コンロや暖房用ストーブとして利用されているロケットストーブに関するものである。
ロケットストーブは、下部の焚き口から燃焼室となるバーントンネルを介して連結したヒートライザーと呼ばれている煙道を備え、バーントンネル及びヒートライザーの断熱性を高めて、バーントンネル及びヒートライザー内での燃焼ガスの高温を維持し、燃焼ガス中の未燃物がヒートライザー内で燃焼される。また、ロケットストーブは、ヒートライザー内の高温の燃焼ガスの強い上昇力により、バーントンネルへの空気の吸引が促進されることによって完全燃焼が実現でき、燃焼効率が高く、煙の発生量も少ないという特徴を有している。我が国では、東日本大震災の際にそのようなロケットストーブが活躍し、注目されるようになった。
ロケットストーブは、前述したように、バーントンネル及びヒートライザーの断熱性を高めることが重要であるが、現状では、製作上の都合等から、鉄等の金属を使って作るのが一般的になっていて、金属だけを使って高い断熱性を得ることは難しい。そこで、市販のコンクリートブロックや煉瓦を組み上げてロケットストーブを組み立てることも行われている。そのように、コンクリートブロックや煉瓦でロケットストーブを組み立てれば、高い断熱性が得られて燃焼効率が高くなる。
しかしながら、市販のコンクリートブロックや煉瓦を組み上げてロケットストーブを組み立てた場合、持ち運びが困難で、キャンプ等、異なる場所に移動させて使うことはできない。また、金属製のロケットストーブも、一体型のロケットストーブは、大きくて重いため持ち運びがしにくい。
一方、例えば、特許文献1に示されるように、金属製のロケットストーブを複数の部分に組立可能な状態に分割し、持ち運びをする際には、分割して持ち運び、現地に着いてからそれらを組み立てて使用できるようにしたロケットストーブも提案されている。そのようにすれば、容易に持ち運びができて、収納も容易になる。
しかしながら、上記従来の分割型のロケットストーブには、金属製であるために高い断熱性が得られず、高い燃焼効率が得られにくい上、構造が複雑で製造に高いコストがかかるという問題点があった。
本考案は、そのような問題点に鑑み、持ち運びが容易で、高い断熱性による高い燃焼効率が得られ、製造も容易なロケットストーブを提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するため、本願の請求項1にかかる考案は、断熱性耐火材で外形がほぼ直方体になるように成形され、その一端面から上面まで延びる空洞よりなるバーントンネ
ル部を有するバーントンネルブロックと、断熱性耐火材で外形がほぼ直方体になるように成形され、前記バーントンネルブロックの手前に密着させて置いたとき、前記バーントンネル部と連通する焚口部を有する焚口ブロックと、断熱性耐火材で外形がほぼ直方体になるように成形され、前記バーントンネルブロックの上に積み重ねたとき、バーントンネルブロックのバーントンネル部と連通し、上方に延びる貫通孔を有するヒートライザーブロックと、断熱性耐火材で外形がほぼ直方体になるように成形され、調理器具を載せて保持する受け座を上面に有し、前記ヒートライザーブロックの上に積み重ねたとき、ヒートライザーブロックの貫通孔と連通して上方に開口する噴き出し貫通孔を有し、該噴き出し貫通孔から噴き出る燃焼ガスを前記受け座の間を通して噴き出させる噴き出し部とを有する五徳ブロックとを組み合わせて構成することを特徴とする。
ル部を有するバーントンネルブロックと、断熱性耐火材で外形がほぼ直方体になるように成形され、前記バーントンネルブロックの手前に密着させて置いたとき、前記バーントンネル部と連通する焚口部を有する焚口ブロックと、断熱性耐火材で外形がほぼ直方体になるように成形され、前記バーントンネルブロックの上に積み重ねたとき、バーントンネルブロックのバーントンネル部と連通し、上方に延びる貫通孔を有するヒートライザーブロックと、断熱性耐火材で外形がほぼ直方体になるように成形され、調理器具を載せて保持する受け座を上面に有し、前記ヒートライザーブロックの上に積み重ねたとき、ヒートライザーブロックの貫通孔と連通して上方に開口する噴き出し貫通孔を有し、該噴き出し貫通孔から噴き出る燃焼ガスを前記受け座の間を通して噴き出させる噴き出し部とを有する五徳ブロックとを組み合わせて構成することを特徴とする。
また、本願の請求項2にかかる考案は、請求項1にかかる考案において、前記バーントンネルブロック,焚口ブロック,ヒートライザーブロック,五徳ブロックは、間口,奥行き及び高さが同じ寸法の直方体であることを特徴とする。
また、本願の請求項3にかかる考案は、請求項1又は2にかかる考案において、前記断熱性耐火材は、水,セメント,パーライト及びメトロースの混合物を型に入れて乾燥させ、硬化させたものであることを特徴とする。
本考案のロケットストーブは、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項1にかかる考案においては、バーントンネルブロック,焚口ブロック,ヒートライザーブロック及び五徳ブロックを、断熱性耐火材で外形がほぼ直方体になるように成形し、それらを組み合わせてロケットストーブを構成するようにしたので、持ち運びが容易で、高い断熱性による高い燃焼効率が得られ、製造も容易になる。また、一部のブロックが破損しても、破損したブロックだけを取り換えるだけですむので、メンテナンスが容易になる。
すなわち、請求項1にかかる考案においては、バーントンネルブロック,焚口ブロック,ヒートライザーブロック及び五徳ブロックを、断熱性耐火材で外形がほぼ直方体になるように成形し、それらを組み合わせてロケットストーブを構成するようにしたので、持ち運びが容易で、高い断熱性による高い燃焼効率が得られ、製造も容易になる。また、一部のブロックが破損しても、破損したブロックだけを取り換えるだけですむので、メンテナンスが容易になる。
また、請求項2にかかる考案においては、請求項1にかかるロケットストーブにおいて、前記バーントンネルブロック,焚口ブロック,ヒートライザーブロック,五徳ブロックを、間口,奥行き及び高さが同じ寸法の直方体にしたので、各ブロックの組み合わせが自由にでき、様々なパターンのロケットストーブを作ることができる。
また、請求項3にかかる考案においては、請求項1又は2にかかるロケットストーブにおいて、前記断熱性耐火材として、水,セメント,パーライト及びメトロースの混合物を型に入れて乾燥させ、硬化させたものを用いたので、軽量で断熱性に優れ、燃焼中にブロック外壁に素手で触っても熱くなく、ひび割れがしにくいブロックが得られる。
以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本考案の一実施例に係るロケットストーブを示す図である。図1において、1はバーントンネルブロック、2は焚口ブロック、3はヒートライザーブロック、4は五徳ブロック、5は付加焚口ブロックである。
バーントンネルブロック1,焚口ブロック2,ヒートライザーブロック3,五徳ブロック4及び付加焚口ブロック5は、断熱性耐火材で、外形がほぼ同形の直方体のブロック状に形成されている。例えば、間口が20cm、奥行きが15cm,高さが15cmとなっている。各ブロックの材料となる断熱性耐火材としては、例えば、水,セメント,パーライト及びメトロースを用い、それらの混合物を型に入れて乾燥させ、硬化させて各ブロックを製造する。
水とセメントに加えてパーライト及びメトロースを混合するのは、水とセメントだけでは固くて重く、800〜1000℃の熱に耐えきれず割れてしまうためである。そこで、断熱性,耐火性に優れた軽石系の混和剤であるパーライトと、セメントが固まった時のひび割れを防ぐ効果がある混和剤であるメトロースを混合することにした。そのようにすれば、軽量で断熱性に優れ、燃焼中にブロック外壁に素手で触っても熱くなく、ひび割れがしにくいブロックが得られる。
また、水,セメント,パーライト及びメトロースだけを用いたブロックは、灰色で、あまり見栄えがよくない。そこで、上記材料に加えて、パーライトと同様に断熱性,耐火性に優れた茶色の軽石系混和剤であるバーミキュライトや、通気性に優れた茶色の鹿沼土を混合すれば、茶色をしたブロックが得られ、見た目が向上する。
本考案のロケットストーブは、そのようにして製造したバーントンネルブロック1,焚口ブロック2,ヒートライザーブロック3,五徳ブロック4及び付加焚口ブロック5を、図1に示すように組み合わせて構成する。その際、付加焚口ブロック5は、焚口ブロック2の上に積み重ねて載せ、薪を焚口ブロック2の焚口部2aだけでなく、付加焚口ブロック5の焚口孔5aからも投入して燃やすことができる。
焚口ブロック2と付加焚口ブロック5に投入した薪は、焚口ブロック2,付加焚口ブロック5の焚口部2a,焚口孔5aと、その奥のバーントンネルブロック1のバーントンネル部1aで燃え、その燃焼ガスは、ヒートライザーブロック3,3内に縦方向に設けられている貫通孔3a,3aの中を通り、五徳ブロック4の噴き出し貫通孔4cから噴き出るようになっている。その際、ヒートライザーブロック3,3の高い断熱性により、燃焼ガスは高温に維持され、その高い上昇力によりバーントンネル部1aへの空気の吸引が促進され、燃焼効率が高くなる。
なお、付加焚口ブロック5を焚口ブロック2の上に積み重ねて載せて用いると、付加焚口ブロック5の焚口孔5aから炎が噴き出ることがあるため、付加焚口ブロック5を用いずに、焚口ブロック2の上に平板状のブロックを載せて付加焚口ブロック5の焚口孔5aを上から塞ぐようにしてもよい。
図2は、バーントンネルブロックを示す図である。バーントンネルブロック1も断熱性耐火材でブロック状に形成され、外形が直方体であり、その一端面から他端手前の上面まで延びる空洞よりなるバーントンネル部1aを設けている。焚口ブロック2の焚口部2aから投入された薪は、主としてバーントンネル部1a内で燃焼し、その燃焼ガスは、バーントンネルブロック1の上に載置されるヒートライザーブロック3の貫通孔3aに導入される。
図3は、焚口ブロックを示す図である。焚口ブロック2も耐火材でブロック状に形成され、バーントンネルブロック1の手前に密着させて置いたとき、バーントンネル部1aと連通するように焚口部2aを設けている。
図4は、ヒートライザーブロックを示す図である。ヒートライザーブロック3も耐火材でブロック状に形成され、バーントンネルブロック1の上に積み重ねて用いる。バーントンネルブロック1の上に積み重ねると、バーントンネルブロック1のバーントンネル部1a後端部と貫通孔3aとが連通し、貫通孔3aが煙突の役目をはたして燃焼ガスを上方に吸い上げる。このヒートライザーブロック3は、図1に示すように、複数個を積み重ねてもよいし、1個だけ積み重ねるようにしてもよい。そのように積み重ねる個数を選択することにより、ヒートライザー(煙道)の長さを最適な長さに調整することができる。
図5は、五徳ブロックを示す図である。五徳ブロック4も断熱性耐火材でブロック状に形成され、ヒートライザーブロック3の上に積み重ねて用いる。中央には、上下方向に、ヒートライザーブロック3の貫通孔3aと同径でそれと対向する位置に噴き出し貫通孔4cが設けられ、上縁には、4隅に受け座4a,4a,4a,4aを残して、斜めに切り込みを入れて切り欠き、噴き出し部4b,4b,4b,4bを設けている。そして、ヒートライザーブロック3の上に積み重ねたとき、ヒートライザーブロック3の貫通孔3aと連通して上方に開口する噴き出し貫通孔4cから噴き出る燃焼ガスを受け座4a,4a,4a,4aの間に形成した噴き出し部4b,4b,4b,4bを通して噴き出させ、受け座4a,4a,4a,4aの上に載置した鍋、フライパン,やかん等の調理器具の加熱を行う。
図6は、付加焚口ブロックを示す図である。このブロックは、基本的にはヒートライザーブロック3と構造が同じで、必要に応じて、焚口ブロック2の上に積み重ねて載せ、薪を焚口ブロック2の焚口部2aだけでなく、付加焚口ブロック5の焚口孔5aからも投入して燃やすことができるようにしている。
本考案のロケットストーブは、このように、バーントンネルブロック1,焚口ブロック2,ヒートライザーブロック3及び五徳ブロック4を、断熱性耐火材で外形がほぼ直方体になるように成形し、それらを組み合わせてロケットストーブを構成するようにしたので、持ち運びが容易で、高い断熱性による高い燃焼効率が得られる。また、水・セメント等を混合した材料を型に形入れて乾燥・硬化させるだけなので、製造も容易になる。また、一部のブロックが破損しても、破損したブロックだけを取り換えるだけですむので、メンテナンスが容易になる。また、使用後は、各ブロックをバラバラに分離することで、消火時間,冷却時間を短縮することができる。バーントンネルブロック1や焚口ブロック2の内部に残った灰の処理も容易である。
図7は、バーントンネルブロックの別の一例を示す図である。この実施例では、バーントンネルブロックとして、図2に示したバーントンネルブロック1の代わりに用いる。このバーントンネルブロック10では、バーントンネル部10aは、エルボ状の閉じた空洞になっている。前面に図8に示すような焚口ブロック20を置き、その焚口部20aの出口と連通するように配置されている。また、バーントンネル部10aの出口は、その上に載置されるヒートライザーブロック3の貫通孔3aと連通するように配置されている。
さらに、図7に示す構造のブロックを、焚口ブロックとしても利用することができる。すなわち、バーントンネルブロック10の前側にバーントンネル部10aの側面同士を対向させて配置する。そして、上方に開口するバーントンネル部10aの開口部を焚口とし
て利用する。そのようにすれば、J型のロケットストーブとなる。
て利用する。そのようにすれば、J型のロケットストーブとなる。
なお、上記実施例では、断熱性耐火材として、水,セメント,パーライト及びメトロースよりなる混合物、あるいは、さらにバーミキュライトや、鹿沼土を加えて混合したものを用いたが、それに限定されず、断熱性を有する耐火材で、加工性可能なものであれば、その他の材料を用いることもできる。また、上記実施例では、ヒートライザーブロック3の上に五徳ブロック4を載せてコンロとして用いるようにしたが、五徳ブロック4の代わりに、例えば、噴き出し貫通孔4cの上面を覆って、燃焼ガスを横方向に噴き出させるようにした、ストーブ専用のアタッチメントを用いることにより、コンロからストーブへと切り替えることもできる。
1,10 バーントンネルブロック
1a,10a バーントンネル部
2,20 焚口ブロック
2a,20a 焚口部
3 ヒートライザーブロック
3a 貫通孔
4 五徳ブロック
4a 受け座
4b 噴き出し部
4c 噴き出し貫通孔
5 付加焚口ブロック
5a 焚口孔
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Claims (3)
- 断熱性耐火材で外形がほぼ直方体になるように成形され、その一端面から上面まで延びる空洞よりなるバーントンネル部を有するバーントンネルブロックと、
断熱性耐火材で外形がほぼ直方体になるように成形され、前記バーントンネルブロックの手前に密着させて置いたとき、前記バーントンネル部と連通する焚口部を有する焚口ブロックと、
断熱性耐火材で外形がほぼ直方体になるように成形され、前記バーントンネルブロックの上に積み重ねたとき、バーントンネルブロックのバーントンネル部と連通し、上方に延びる貫通孔を有するヒートライザーブロックと、
断熱性耐火材で外形がほぼ直方体になるように成形され、調理器具を載せて保持する受け座を上面に有し、前記ヒートライザーブロックの上に積み重ねたとき、ヒートライザーブロックの貫通孔と連通して上方に開口する噴き出し貫通孔を有し、該噴き出し貫通孔から噴き出る燃焼ガスを前記受け座の間を通して噴き出させる噴き出し部とを有する五徳ブロックとを組み合わせて構成することを特徴とするロケットストーブ。 - 前記バーントンネルブロック,焚口ブロック,ヒートライザーブロック,五徳ブロックは、間口,奥行き及び高さが同じ寸法の直方体であることを特徴とする請求項1に記載のロケットストーブ。
- 前記断熱性耐火材は、水,セメント,パーライト及びメトロースの混合物を型に入れて乾燥させ、硬化させたものであることを特徴とするロケットストーブ。
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