JP3222517B2 - インターナルポンプの取扱装置及び同装置用の作業ステージ - Google Patents

インターナルポンプの取扱装置及び同装置用の作業ステージ

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JP3222517B2
JP3222517B2 JP34323891A JP34323891A JP3222517B2 JP 3222517 B2 JP3222517 B2 JP 3222517B2 JP 34323891 A JP34323891 A JP 34323891A JP 34323891 A JP34323891 A JP 34323891A JP 3222517 B2 JP3222517 B2 JP 3222517B2
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和夫 八城
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Kitashiba Electric Co Ltd
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Kitashiba Electric Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は改良型沸騰水型原子炉に
おいて使用されるインターナルポンプのモーターを取外
して原子炉ペデスタル外に搬出し、また原子炉ペデスタ
ル外からインターナルポンプを搬入して取付けるインタ
ーナルポンプの取扱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、沸騰水型原子炉は原子炉圧力容器
内にジェットポンプを設け、この原子炉圧力容器内の炉
水の一部を取出して再循環ポンプによって加圧し、駆動
水としてジェットポンプに送り、このジェットポンプに
炉心を通して炉水を再循環させてい。しかし、こ
のようなものは構造が複雑となり、またジェットポンプ
と再循環ポンプを接続する配管が炉水のバウンダリとな
る等の不具合があ
【0003】このような不具合を解消するため、図39お
よび図40に示す如きインターナルポンプを備えた改良
型沸騰水型原子炉が開発されている。すなわち、図39中
符号1は原子炉圧力容器を示しており、この原子炉圧力
容器1内にはシュラウド2が設けられ、このシュラウド
2内に多数の燃料集合体を配置した炉心3が収容されて
いる。
【0004】原子炉圧力容器1の底部の周辺部には複数
台、例えば10台のインターナルポンプ4が設けられてい
る。この原子炉圧力容器1内の炉水はシュラウド2の外
周面と原子炉圧力容器1の内周面との間に形成されたダ
ウンカマ5内を下降し、インターナルポンプ4によって
炉心3の下方に送られ、下方からこの炉心3内に流入す
る。
【0005】この炉心3内に流入した炉水は核反応によ
る熱によって沸騰し、水と蒸気の二相流となって上方に
流れる。この水と蒸気の二相流は気水分離器6によって
水と蒸気とに分離され、分離された蒸気は蒸気乾燥器7
で湿分が除去されたのちタービン(図示せず)等に送ら
れる。分離された水は給水スパージャ8から供給された
給水とともにインターナルポンプ4によって再び炉心3
に送られる。原子炉圧力容器1の底部には複数(約 200
本)の制御棒駆動機構9が設けられており、これら制御
棒駆動機構9によって制御棒(図示せず)が炉心3内に
挿入あるいは引抜され、炉心3の反応度等を制御するよ
うに構成されている。
【0006】インターナルポンプ4は図40に示す如く構
成されている。すなわち、図中符号10はポンプ部であっ
て、ディフューザ11とインペラ12とから構成されてい
る。ディフューザ11はストレッチチューブ13およびスト
レッチチューブナット14によって原子炉圧力容器1の底
部に突設されたスタブチューブ15の先端に固定されてい
る。
【0007】符号16はモーターケースであって、原子炉
圧力容器1に溶接され、底面から突出して設けられてい
る。このモーターケース16内には水浸形のモーター17が
収容されている。このモーター17の下端にはモーターカ
バー17aが取付けられており、このモーターカバー17a
はモーターケース16の下面に衝合し、スタッドボルト18
に螺装されたナット19によって締付固定され、液密を維
持するとともにモーター17をモーターケース16に固定す
る。モーター17とインペラ12とは軸20によって連結さ
れ、この軸20を介してインペラ12が駆動される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】インターナルポンプ4
は定期的に分解して取外され、取外された部品は別の場
所(原子炉格納容器の外)で点検・補修が行われる。こ
のインターナルポンプ4の分解・取外しはまずモーター
17と軸20との結合を外し、ナット19を取外してモーター
17をモーターケース16から下方に引抜き、次にインペラ
12および軸20を上方に引抜き、さらにストレッチチュー
ブナット14を取外しディフューザ11を上方に取外す。そ
して、モーター17は原子炉圧力容器1を支持する円筒形
のペデスタル内を通しこのペデスタルの周壁部に形成さ
れた機器搬出入口からペデスタル外に搬出する。なお、
このインターナルポンプ4の組立・取付は上記と逆の手
順で行う。
【0009】また、たとえば特開昭61-88191号公報(以
下、公知例Aと記す),特開平2-309298号公報(以下、
公知例Bと記す)などに記載されたようにインターナル
ポンプの取扱装置や、そのポンプモーターの取扱装置が
開発されている。
【0010】しかしながら、ペデスタル内には原子炉圧
力容器1の底部から突出した制御棒駆動機構9、中性子
検出器集合体(図示せず)およびこれらに接続される多
数の配管・配線が収容されており、空間の余裕が少な
い。
【0011】モーター17は大形であり、かつ重量も大き
い。このため、このモーター17をモーターケース16から
取外してペデスタル外に搬出する作業あるいはこのモー
ター17をペデスタル内に搬入してモーターケース16に取
付ける作業は極めて面倒であり、作業能率が低い。しか
もこのペデスタル内は放射線量が高いため、作業員の滞
在時間が制限され、作業の途中で作業員の交代をしなけ
ればならない場合もあり、作業能率が一層低下するなど
の課題があ
【0012】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、インターナルポンプのモーターの取外し・取
付作業を能率的かつ容易に行うことができるインターナ
ルポンプの取扱装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に対応する発明
は、原子炉圧力容器と回転プラットホームとの間に設け
られている作業用プラットホームの通過孔を挿通する一
対の螺杆と、これらの螺杆の上端部を回転自在に連結す
る軸受及びこの軸受をインターナルポンプのモーターケ
ースの引掛部材に係合する係合ピンとで構成された螺杆
係合機構と、この螺杆係合機構の前記軸受を吊り前記螺
杆を移動する螺杆移動装置と、前記螺杆のねじにねじ込
まれ前記インターナルポンプのモーターカバーの引掛部
材に取り付けられるボールナットと、前記螺杆の下端部
にコネクタを介して設けられた回転駆動機構と、前記回
転プラットホームに設けられた前記螺杆を収納する螺杆
収納孔とを具備したことを特徴とする。
【0014】請求項2に対応する発明は、原子炉圧力容
器と回転プラットホームとの間に設置された作業用プラ
ットホームの通過孔に開閉可能に設けられた作業ステー
ジであって、前記通過孔の近傍に設けられた第1の回転
軸と、この第1の回転軸に回転可能に接続された第1の
踏板と、この第1の踏板の先端部に設けられた第2の回
転軸を介して接続された第2の踏板と、前記第1の回転
軸に設けられ、前記第1の踏板を閉じる方向に付勢する
コイルスプリングとを具備してなるインターナルポンプ
取扱装置用の作業ステージである。
【0015】請求項3に対応する発明は、前記螺杆係合
機構は前記螺杆の上端部をスラストベアリングを介して
回転自在に連結する軸受と、この軸受ほぼ水平方向
して形成された軸受穴と、前記モーターケースの引
掛部材に形成した引掛部材穴と、この引掛部材穴および
前記軸受穴を引き抜き自在に係合する係合ピンとを具備
したことを特徴とする。
【0016】請求項4に対応する発明は、前記螺杆移動
装置に設けられたチェンブロックに吊り下げられる昇降
治具と、この昇降治具の架台に設置されたモーター取扱
機と、このモーター取扱機に取り付けられたナット着脱
装置と、このナット着脱装置に取り付けられたボルト伸
び測定装置とを具備したことを特徴とする。
【0017】請求項5に対応する発明は、前記インター
ナルポンプのモーターカバーの下端開口を閉塞する補助
フランジを嵌め込んで搭載する旋回台と、この旋回台の
前記モーターカバーに前記補助フランジを取り付けるた
めのボルト位置に対向して設けられた複数の穴と、前記
旋回台の下面に取り付けられた下端開口の筒と、この筒
の外側に装着されたスプリングと、このスプリング上に
昇降自在に設けられた昇降輪と、前記旋回台の下面に前
記筒より内側に突出して形成された円筒平歯車と、この
円筒平歯車と噛合し前記筒の内部に設けられた歯車機構
を具備したことを特徴とする。
【0018】請求項6に対応する発明は、前記インター
ナルポンプのポンプ軸の下端部に捩じ込まれたカップリ
ングの下端部に捩じ込む軸の長いボルトと、このボルト
を包囲する筒と、この筒を包囲するシリンダーと、この
シリンダー内に設けられて前記筒を回転可能に支持する
スラストベアリングと、このスラストベアリング上に載
置され前記筒の下端部を支持するスプリングと、前記シ
リンダー内の前記スラストベアリングよりも下方の位置
に嵌め込まれた中空ピストンと、前記シリンダーに取着
され前記中空ピストンに圧力を加える圧力配管と、前記
シリンダーの外側に設けられてこのシリンダーを支持す
る支持脚と、この支持脚の下端部に接続された支持フラ
ンジと、この支持フランジの上面中央部に設けられ前記
長尺ボルトの下端部を支えるスプリングおよびスラスト
ベアリングとを具備したことを特徴とする。
【0019】請求項7に対応する発明は、前記モーター
カバーに取着した引掛部材に引掛けるブロックと、この
ブロックの垂直方向に貫通して設けた穴と、この穴を貫
通し球面調芯機構により支持されるレストレイントシャ
フトと、このレストレイントシャフトに設けた長さ調節
機構とを有し、前記ブロックの一方の幅を前記引掛部材
の内のり寸法より小さく、他方の幅を前記引掛部材の内
のり寸法より大きくしてなることを特徴とする。
【0020】
【作用】第1の発明においては螺杆を分解するにはチェ
ンブロックで螺杆を吊った後、引掛部材とコネクタの係
合をそれぞれ外し、螺杆の拘束を解除する。次に駆動
体,回転機構を搭載した移動台を回転プラットホームの
下限まで下降させる。回転プラットホームの下限まで下
降させると螺杆はチェンブロックで吊られた状態とな
り、回転プラットホームを任意に回転することができる
ようになる。そこで、回転プラットホームを回転し、回
転プラットホームの任意の角度に仕掛けた螺杆の収納孔
と螺杆が一致する回転角度で停止させる。その停止位置
で螺杆を降下させて収納孔に収納する。なお、収納孔の
深さは螺杆の全長を収納できる深さである。
【0021】従来例では、螺杆でモーターを昇降させる
場合、作業の容易化と作業安全のため、必要に応じて作
業用プラットホームの通過孔を開閉する必要があり、特
に通過孔が開放している時は通過孔に作業員が転落しな
いように配慮する必要があった。これに対して、第1の
発明では開閉自在の作業ステージにより作業性の容易化
と安全性に対処できる。
【0022】第2の発明においては作業ステージが開い
ている状態から作業ステージを折畳むにはハンドルを作
業員が単純に終点まで引上げる。終点に達した段階で倍
速ダブルリンク機構がデッドポイントに達するので、作
業員がハンドルから手を離しても折畳まれた状態の全開
状態をそのまま保持する。倍速ダブルリンク機構がデッ
ドポイントに達していると、折畳まれた状態の作業ステ
ージのハンドルを単純に押しても引いても作業ステージ
を開く、つまり貫通孔を閉じることはできない。このよ
うにして作業用プラットホームの通過孔を何等の動力を
使用することなく人力のみで任意・自在に開閉すること
が容易である。
【0023】第の発明においては構成部品の脱落・紛
失の危険がなく、単純操作でモーターケースまたは回転
プラットホームに係合することができるとともに、螺杆
をワンタッチで簡単に装着・取外し可能である。
【0024】第の発明においてはモーター昇降装置の
螺杆を使用することなく昇降するモーター取扱機を含む
モーター取扱装置を提供できる。すなわち、インターナ
ルポンプのモーターはスタッドボルトとナットでモータ
ーケースに固定している。スタッドボルトとナットを締
めたり緩めたりする半自動のモーター取扱装置で、この
モーター取扱装置は昇降・移動手段と、ナットを着脱す
るモーター取扱機と、このモーター取扱機を昇降させる
ための昇降治具と、スタッドボルトの伸びを測定するボ
ルト伸び測定装置とからなっている。
【0025】第の発明においてはインターナルポンプ
のモーターカバーには補助フランジが装着されており、
この補助フランジにはポンプインペラーが流体力で逆転
することを防止するための逆転防止機構が装着されてい
る。補助フランジを分解または組立る場合、補助フラン
ジが途中で引掛かって最後まで挿入できない事象発生を
防止するとともに省力化できる。簡単に開閉できる作業
テーブルにより台車装置が有効利用でき、台車装置によ
り補助フランジ装置が有効利用できる。補助フランジ取
扱装置により補助フランジを簡単に分解・組立ができ
る。
【0026】第の発明においてはカップリングスタッ
ドとナットとの取扱いが容易になる。カップリングスタ
ッドはインターナルポンプの最下部に植込まれている。
インターナルポンプが回転することによる水推力はポン
プの軸からカップリングスタッドとナットとを介してス
ラストディスクに伝達される。同時操作できる2台の電
動チェンブロックと、簡単に開閉できる作業テーブルと
により台車装置の昇降ができるとともに、カップリング
スタッド取扱装置を操作するための定位置に保持・固定
ができる。カップリングスタッド取扱装置により簡単・
確実・安全にカップリングスタッドの締付けと緩めがで
きる。
【0027】第の発明においてはモーターカバーとの
結合点(下部結合点)の解除・結合作業を簡単に行うこ
とができる。それぞれのインターナルポンプには2本の
レストレイント装置が原子炉圧力容器とモーターカバー
に結合している。インターナルポンプのレストレイント
装置の下部結合点の結合・分離作業において、作業員の
安全、特に腰痛防止、部品の落下事故防止および前記作
業のスピードアップが可能となる。すなわち、下部結合
点の分離作業に伴い、分離される部品が生じないので、
作業員が部品を支持・携帯する必要はない。
【0028】
【実施例】図1を参照しながら請求項1に該当する第1
発明に係るインターナルポンプの取扱装置の第1の実
施例を説明する。なお、以降の本発明に係る実施例で使
用している符号と、図中の要素・部品等の名称は公知例
Aに記載されている部分と共通な部分は全て一致させて
おり、本出願で新しく生じた要素・部品だけに新しい符
号を付している。すなわち、符号が 200番台までの符号
と図中の要素・部品等の名称は公知例Aと全く一致して
いる。符号が 300番台以降の符号と図中の要素・部品等
の名称は本出願で新しく付番したものである。ここで、
符号は必ずしも連続番号にはなっておらず飛び飛びの符
号もあるが特別意味はない。図1は図40に示したインタ
ーナルポンプ4を分解してモーターカバー17aおよびモ
ーター17を下方に残し、モーターケース16を上方へ移動
した作業状態を示している。
【0029】図1において、モーターケース16の上部側
面には断熱材301 が配設されている。モーターケース16
はレストレイント装置303 の下部と結合している。レス
トレイント装置303 は2本あり、上部は十字継手382 お
よび鉤386 を介して原子炉圧力容器(図示せず)に結合
している。断熱材301 の下方には一対の螺杆移動装置37
0 が配設されている。螺杆移動装置370 は構造梁371 ,
レール372 ,ジブ373,手動チェンブロック374 および
電動チェンブロック375 からなっている。螺杆移動装置
370 は螺杆係合機構350 と接続する。螺杆係合機構350
は螺杆152 を引掛けるモーターケースの引掛部材157 と
軸受153 を有している。
【0030】図1中、符号103 は回転プラットホーム
で、原子炉圧力容器の下方に位置し、垂直軸回りに回転
駆動される。符号202 は作業用プラットホームで、回転
プラットホーム103 と原子炉圧力容器との間に設置され
る。
【0031】作業用プラットホーム202 より下方にはモ
ーター取扱昇降機構131 が設置され、作業用プラットホ
ーム202 には大口径の通過孔203 が設けられており、こ
の通過孔203 には任意自在に開閉する作業ステージ306
が設置される。作業用プラットホーム202 より下方の回
転プラットホーム103 には2本の螺杆収納孔650 が設け
られている。2本の螺杆152 にはモーター17がモーター
カバー17aおよび下部の引掛部材158 を介して上下動自
在に支持されている。図1中符号 140は移動台、 150は
駆動体、 151は回転駆動機構、 153は軸受、 154はコネ
クター、 156はボールナットをそれぞれ示している。ボ
ールナット156 はモーターカバーの引掛部材158 内に組
込まれている。
【0032】しかして、上記構成のインターナルポンプ
の取扱装置において、螺杆152 を分解するには電動チェ
ンブロック375 で螺杆152 を吊った後、上下部の引掛部
材157,158 とコネクター154 の係合をそれぞれ外し、螺
152 の拘束を解除する。次に駆動体150 、回転駆動機
構151 を搭載した移動台140 を回転プラットホーム103
の下限まで下降させる。回転プラットホーム103 の下限
まで下降させると螺杆152 は電動チェンブロック375 で
吊られた状態となり、回転プラットホーム103を任意に
回転することができるようになる。そこで、回転プラッ
トホーム103 を回転し、回転プラットホーム103 の任意
の角度に仕掛けた螺杆152 の螺杆収納孔650 と螺杆152
が一致する回転角度で停止させる。その停止位置で螺杆
152 を螺杆収納孔650 に収納する。なお、収納孔650 の
深さは螺杆152 の全長を収納できる深さである。
【0033】上記第1の実施例によれば下記従来例の欠
点を解消することができる。原子炉が運転されている場
合はレストレイント装置303 は所定の位置に係合されて
いなければならない。原子炉が停止し、インターナルポ
ンプを定期点検する場合は前記係合が解除され、螺杆15
2 は装置(セット)されなければならない。レストレイ
ント装置303 と螺杆152 との両者は同時に並列しない構
造である。すなわち、切替える必要がある。しかし、こ
の両者を簡便かつ安全に切替える装置が従来例では備わ
っていないのに対し、上記実施例では備わっているので
作業性が容易である。また、螺杆152 でモーター17を昇
降させる時、作業の容易化と作業安全のため、必要に応
じて通過孔203 を開閉する必要がある。特に、通過孔20
3 が開放している時は通過孔203 に作業員が転落しない
配慮が必要であるが、上記実施例では作業ステージ306
によって作業員の転落等を防止でき安全に作業を行うこ
とができる。
【0034】次に図2から図11を参照して本発明に係る
第2の実施例を説明する。この第2の実施例は第1の実
施の形態で説明した作業ステージ306 に関したもので、
請求項2に該当する第2の発明である。図2は図1に示
した作業ステージ306 が閉鎖状態、つまり折畳まれて起
立し、通過孔203 が開放している状態のインターナルポ
ンプ下部付近の構造断面図で、図3は図2における閉鎖
状態の作業ステージ306 が徐々に開いていく途中の状態
を示し、図4は作業ステージ306 を伸展して、通過孔20
3 が閉鎖し作業員が踏板(1)311に搭乗している状態を示
している。また、図5は図2の状態の作業ステージ306
の斜視図、図6は図4の状態の作業ステージ306 の斜視
図、図7は図6の状態の作ステージ306 の説明図、図
8は図3の状態の作業ステージ306 の動作原理説明図、
図9は補助ステージ 322の取付状態を示す平面図、図10
は図9のA−A矢視断面図、図11は作業ステージ306 の
開閉操作力を説明するための曲線図(図表)である。
【0035】この第2の実施例においては図2に示すよ
うに原子炉圧力容器1の保温のための断熱材301 が原子
炉圧力容器1を取囲んで設けられている。原子炉圧力容
器1からインターナルポンプ4のモーターケース16が10
台吊下げられて設けられている。モーターケース16の下
部にはモーターカバー17aが多数のスタッドボルト18,
ナット19によって締付けられている。また、原子炉圧力
容器1の下部には制御棒駆動機構9が配設されている。
【0036】ペデスタル101 内の上部には環状をなす作
業用プラットホーム202 が設けられており、この作業用
プラットホーム 202にはそれぞれのインターナルポンプ
4の位置にそれぞれ対応してモーター17が通過するよう
通過孔203 が形成されている。断熱材301 から作業用プ
ラットホーム202 にかけて鋼板製の遮断材302 が全ての
制御棒駆動機構9を取囲むように配設されている。モー
ターカバー17aにはインターナルポンプ4を駆動するた
めの給電端子304 が配設されている。遮断材302 イン
ターナルポンプ4のメンテナンス作業中にインターナル
ポンプ4から水(炉水)が制御棒駆動機構9に飛散しな
いようにするためのものである。給電端子304 には給電
ケーブル305 が着脱自在に接続されている。
【0037】それぞれのインターナルポンプ4に対して
2本のレストレイント装置303 が設けられており、この
レストレイント装置302 により原子炉圧力容器1とモー
ターカバー17aを結合している。レストレイント装置30
3 の下端はピンジョイント構造で構成されているため、
モーターカバー17aと着脱自在である。レストレイント
装置303 の上端は十字継手382 で接続した十字ピン構造
であるため、下端のピンジョイントを解除すれば、十字
継手382 を支点にしてレストレイント装置303は周囲の
障害物に干渉しない限り任意自在の角度に振ることがで
きる。
【0038】レストレイント装置303 の機能は、万一何
等かの事故でモーターケース16を含むインターナルポン
プ4が原子炉圧力容器1から分離破断し落下することを
未然に防止するためにある。通過孔203 には、2つに折
畳める形式の開閉自在な作業ステージ306 が配設されて
いる。作業ステージ306 の前面の作業用プラットホーム
202上には、作業ステージ306 に車輪で移動する図29で
後述する台車装置550を搭載する場合に容易なように傾
斜台307 が配設されている。
【0039】図2から図4までと図7,図8,図9
螺杆152 が記載されていない場合 示し、図5,図6,
図10には螺扞152 が記載されている場合を示している
原子炉が運転状態においては、モーターカバー17aに螺
杆152 が装着されていない理由は言うまでもないが、イ
ンターナルポンプ4を定期点検している状態において
も、時と場合によっては(手順に応じて)、モーターカ
バー17aに螺杆152 が装着されている場合と装着されて
いない場合とがあるからである。したがって、通過孔20
3 に螺杆152 が配設されている場合とされていない場合
とがある。
【0040】作業ステージ306 の主要構造部材は図2か
ら図9に示したように作業プラットホーム202 上に載
置した傾斜307 と、この傾斜307 に近接して通過孔
203を任意自在に開閉する踏板(1)311(第2の踏板を指
す)、踏板(2)313(第1の踏板を指す)、軸(A)314(第
1の回転軸を指す)、軸(B)312(第2の回転軸を指す)
であり、また必要に応じて図10に示した補助ステージ32
2 を設ける。
【0041】図5から図7に示す踏板リブ311a、踏板リ
ブ 313a はそれぞれ踏板(1)311、踏板(2)313の強度を補
強し、作業ステージ306 の積載能力を向上させるために
ある。軸(B)312は作業ステージ306 を折畳むためにあ
る。すなわち、踏板(1)311は踏板(2)313の先端で蝶番式
中心軸となる軸(B)312を中心にして 180度2つに折れ
る。軸(A)314は、支持軸で作業用プラットホーム202 に
設けられ踏板(2)313が0〜90度俯仰するためにある。
【0042】図5に示したリンクチェン320 、図8に示
したスプロケット(A)319,スプロケット(B)318は踏板
(2)313の回転角θ1と踏板(1)311の回転角θ2の関係が
常に1:2になるために機能している。すなわち、スプ
ロケット(A)319とスプロケット318 の直径には2:1の
関係がある。ハンドル317 は最側端面の踏板リブ 311a
(2枚)を延長して取付けられている。スプロケット
(A)319には中心に貫通孔が開いている。軸(A)314 は
その貫通孔を貫通し、90度範囲で任意に回転する。スプ
ロケット(A)319 は作業用プラットホーム202 に固定
されて回転しない。スプロケット(A)319 とスプロケ
ット(B)318 の直径には2:1の関係があることと、
スプロケット(A)319 が作業用プラットホーム202 に
固定されて回転しないこととが、折畳み機構を駆動する
ポイントである。
【0043】ねじりコイルスプリング315 は作業ステー
ジ306 の開閉力を低減すること、および作業ステージ30
6 が折畳まれた状態を保持するためにある。すなわち、
ねじりコイルスプリング315 は、作業ステージ305 に常
時折畳む方向の力(図11において、スプリングによる抵
抗力:R)を加えている。作業ステージ306 の最大幅は
螺杆152 の内のり寸法に制限されるので、作業ステージ
306 だけでは、通過孔203 を完全に閉塞することができ
ない。図10に示す両側に設けた補助ステージ322 は通過
孔203 の螺杆152 付近を任意・自在に開閉できる。すな
わち、作業ステージ306 と補助ステージ322 とでほぼ完
全に通過孔203 は閉塞されるとともに、完全に開放する
ことができる。
【0044】補助ステージ322 は図10に示したように作
業用プラットホーム202 上の両側に補助ステージ用軸受
324 が固定され、両方の軸受324,324 には踏板(3)325が
補助ステージ用ピン323 によって蝶番状(概略 180度揺
動可能に)に固定されている。踏板(3)325が踏板(1)311
と踏板(2)313に被さっている場合、通過孔203 は閉塞さ
れる。踏板(3)325にはU字型の切欠きがあり、螺杆152
と干渉しないようになっている。踏板(3)325は通過孔20
3 の閉塞状態から概略 180度回転すると通過孔203 の開
放状態になる。
【0045】次に上記第2の実施例の作用を説明する。
作業ステージ306 を閉じる(通過孔203 を開く)には、
ハンドル317 を作業員が単純に目一杯(終点まで)引上
げればよい。終点に達した段階(作業ステージ306 が折
畳まれた状態)で倍速ダブルリンク機構がデッドポイン
トに達するので、作業員がハンドル317 から手を離して
も折畳まれた状態を(全開状態)をそのまま保持する。
【0046】倍速ダブルリンク機構がデッドポイントに
達しているので、折畳まれた状態の作業ステージ306 の
ハンドル317 を単純に押しても引いても、作業ステージ
306を開く(貫通孔203 を閉じる)ことはできない。こ
れはすなわち、通過孔203 が開いている状態で、人・物
落防止措置のために極めて有効(柵の代用となる)
であるとともに、作業ステージ306 が折畳まれ、通過孔
203 を部品・装置等が通過中に誤って作業員がハンドル
317 に触れたり、無意識にハンドルを操作して、作業ス
テージ306 を閉じることができない(いわゆる、フール
プルーフ(誤防止)設計である)。
【0047】折畳まれた作業ステージ306 を開くには、
の矢印位置の一方(両方同時でもよい)を足(靴)
で蹴り(押す)、倍速ダブルリンク機構をデッドポイン
トから開放する必要がある。この「蹴り」の動作は、作
業ステージ306 を開くという強い意識がないと行動しな
い、日本人が通常に行わない動作である。蹴りによっ
て、一旦、デッドポイントから開放すれば、ハンドル31
7 を垂直に押下げることによって作業ステージ306 を
単かつ容易に開き、作業プラットホーム202 の貫通孔20
3 を閉じることができる。
【0048】幅1000mm,長さ1100mm,積載荷重1500kg程
度の規模の作業ステージ306 の構造材料に超超ジュラル
ミンとチタン板を用いて徹底した軽量化を図った設計・
製造をしても、ハンドルを引上げる力(図11において開
閉力)は、自重により折畳みを開こうとする力:Fで表
され最大 120kgである。
【0049】上記Fに対して、ねじりコイルスプリング
315,315 を装備した作業ステージ306 の実開閉力とな
る。ねじりコイルスプリング315 の設計は、θ1=0°
のときRがFと釣合い、θ1=90°のときRとFの合成
力がマイナス開閉力をもつようにすることがポイントで
ある。
【0050】この作業ステージ306 の構造材料を普通炭
素鋼で設計・製造すれば開閉力;Fは2〜3倍必要にな
る。しかも単純にそれだけではすまない。この2〜3倍
の開閉力にバランスするようにねじりコイルスプリング
315 を設計すると、通常に入手できる材料のうちで最大
級の強度を有する内燃機関の弁バネ用オイルテンパー線
を用いてもコイルスプリングが極めて大型化する。
【0051】ねじりコイルスプリング315 ,315 が大型
化すると、そのスプリング315 が作業ステージ306 の厚
さ以内に収まらず、スプリング315 が寸法的に突出した
極めて使いにくい作業ステージ306 となる。すなわち、
構造材料に超超ジュラルミンとチタン板を用い開閉力を
極力小さくした上で、ねじりコイルスプリング315,315
バネ用オイルテンパー線を用いて開閉力をバランス
させている。これによって作業員1名が片側だけのハン
ドル317 からのみ開閉することができる。
【0052】作業ステージ306 の上に作業員が搭乗しイ
ンターナルポンプを分解・点検・組立するのに伴う各種
の取扱作業を行うとともに、台車装置550 を載置する。
この台車装置550 には、補助フランジ取扱装置500 、カ
ップリングスタッド取扱装置570 等が積載される。作業
ステージ306 にリフター台車を載置するために、傾斜台
307 が用いられる。
【0053】第2の実施例の効果は次のとおりである。
作業用プラットホーム202 の通過孔203 を何等の動力を
用いず人力のみで、任意・自在に開閉できる作業ステー
ジ306 を得ることができるので、インターナルポンプの
分解・点検・組立、作業を容易に行うことができる。
【0054】なお、インターナルポンプ4の取扱作業を
実地・実際に行い、その作業内容を分析すると、通過孔
203 について以下の事項が判明したが、本実施例では以
下の事項を全て解消できる。 (1) 通過孔203 は、モーターが只一度、上昇・下降する
だけでなく、各種のポンプとモーターの部品や各種の取
扱装置(以後、「各種部品・装置」と略す)が上昇・下
降する。 (2) 前記各種部品・装置の通過形態は、単純に通過する
だけではない。例えば、各種部品・装置がポンプ・モー
ター内部に組込まれるため、通過孔203 を上昇した直
後、作業用プラットホーム202 の通過孔203 の通過孔20
3 位置に作業員が立って(通過孔203 を閉塞して)、取
付作業・確認作業を行う必要がある。すなわち、通過孔
203 は、頻繁に開閉され、かつ閉塞された通過孔203 の
上には、人・物の積載機能が必要となる。 (3) 公知例Aにおいて、通過孔203 は単純な円形である
が、配置・レイアウト上の制約通過物の形状、螺杆152,
152 の配設等の理由から、実設形状は極めて複雑な形状
とならざるをえない。 (4) 通過孔203 が開いている状態で、通過孔203 から、
人・物の落防止措置が必要である。 (5) 通過孔203 を各種部品・装置が通過中、作業員が誤
ってハンドルに触れたり、意識・無意識にハンドルを操
作して、通過孔203 を閉じる事故が生ずる可能性があ
る。また、各種部品・装置が上昇後は、取扱装置の油圧
ホースや電気ケーブルが通過孔203 を垂れ下がるので作
業員が誤ってハンドルに触れたり、意識・無意識にハン
ドルを操作して、通過孔203 を閉じると危険である。
【0055】本実施例における実施態様は次のとおりで
ある。 (1) インターナルポンプ4を有する原子炉において、イ
ンターナルポンプ4の直下に配設された環状をなす作業
用プラットホーム202 のインターナルポンプ4の位置を
モーター17が通過する通過孔203 を任意・自在に開閉す
ることを特徴とする。 (2) 作業ステージ306 がリンクとレバーとにより(俯
仰)開閉することを特徴とする。 (3) 作業ステージ306 が2つのリンクで構成されてい
て、前記2つのリンクが1:2の直径差を持つ一対のス
プロケットとチェンにより駆動されることを特徴とす
る。 (4) 作業ステージ306 の構造部材の一部または全部がア
ルミニウム、ジュラルミンまたは、チタンで構成された
ことを特徴とする。 (5) 作業ステージ306 の開閉力を(ねじりコイルスプリ
ングで)トルク釣合手段でバランスさせることを特徴と
する。 (6) 前記作業ステージ306 に補助ステージ322 を付加し
たことを特徴とする。
【0056】次に図12,図15と、図18および図19を参照
して本発明に係るインターナルポンプの取扱装置用振止
め装置の実施例を説明する。図12は振止め装置を装着す
る状態を説明する螺杆152 付近を一部断面で示す立面
図、図13は図12の振止め装置付近を拡大し、振止め装置
の構造を示し、図14は振止め装置の装着状態を上部から
見た平面図である。
【0057】図12において、原子炉圧力容器1の保温の
ための断熱材301 が原子炉圧力容器を取囲んでいる。原
子炉圧力容器1から、インターナルポンプ4のモーター
ケース16が10台吊り下がっている。モーターケース16の
下部には、モーターカバー17aが多数のスタッドボルト
18およびナット(図示せず)によって締付けられてい
る。
【0058】螺杆152 の上部には原子炉が通常運転時に
レストレイント装置303 が設置されている位置に、電動
チェンブロック375 ,手動チェンブロック374 ,レール
372,ジブ373 等から構成される螺杆移動装置370 が設
置されている。ペデスタル101 の上部には環状をなす作
業用プラットホーム202 が設けられており、この作業用
プラットホーム202 には各インターナルポンプの位置に
それぞれ対応してモーター17が通過するよう通過孔203
が形成されている。
【0059】それぞれのインターナルポンプ4に対し
て、2本のレストレイント装置303 が原子炉圧力容器1
とモーターカバー17aを結んでいる。レストレイント装
置303の下端はピンジョイント構造で着脱自在である。
レストレイント装置303 の上端は十字ピン構造十字継
手382 であるため、下端のピンジョイントをフリーにす
れば、十字継手382 を支点にしてレストレイント装置30
3 を任意自在の角度に振ることができる。
【0060】図12(図18および図19参照)においては、
下端のピンジョイントをフリーにしレストレイント装置
303 をモーターケース16に対して2つの腕を後ろ手に縛
る格好で固定している。この固定は螺杆152 を移動する
ための螺杆移動装置370 との干渉を避けるための処置で
ある。通過孔203 には2つに折畳みできる形式の開閉自
在な作業ステージ306 が配設されている。作業ステージ
306 の前面の作業用プラットホーム202 上には、作業ス
テージ306 に台車を搭載する場合に容易なように傾斜台
が配設されている。
【0061】次にモーター取扱機昇降機構131 の構成を
説明する。図12中符号150 はモーター取扱機昇降機構13
1 の駆動体であって、この駆動体150 は移動台140 の上
に載置されている。そして、上記駆動体150 には一対の
回転駆動機構151 が設けられている。また螺杆152 の上
端部にはそれぞれ軸受153が設けられ、また下端部には
コネクター154 が取付けられており、さらに中間部には
ボールナット156 が螺合されている。
【0062】また上記インターナルポンプ4のモーター
ケース16,モーター17の両端部にはそれぞれ引掛部材15
7,158 が設けられている。そして螺杆152 の上端の軸受
153はモーターケース16の引掛部材157 に取付けられ、
またボールナット156 はモーター17の引掛部材158 に取
付けられ、コネクター154 は駆動体150 の回転駆動機構
151 に接続されるように構成されている。
【0063】したがって、回転駆動機構151 によって螺
杆152 を回転させるとボールナット156 が螺進し、モー
ター17が昇降するように構成されている。なおこれら螺
杆152 は不使用時には取外されるように構成されてい
る。螺杆152 を取すには、上部の引掛部材157 の係合
ピンを抜けば、ボールナット156 と螺杆152 は、一体と
なって取外すことができるよう構成されている(第15図
参照)。
【0064】図12から図14において、符号330 が振止め
装置である。符号331 から342 までが振止め装置330 を
構成する部材の詳細である。図13と図14に示した直径 1
00mm程度の8個の車輪331 が断面コ形のフープ332 に上
下交互に均等配設されている。この8個の車輪331 はフ
ープ332 に対してρなる角度で一斉に同一方向に傾斜し
てフープ332 の上下面に回転自在に取付いている。さら
に、8個の車輪331 はモーター17の外周面に抱き着くよ
うに(抑え込むように)接触している。
【0065】断面コ形のフープ332 は2つに分割されて
おり、それらの一端はそれぞれピン334 により折曲げ自
在に固定されている。他端はトグル機構式ワンタッチク
ランプ333 によってフープ332 自身を緊張・弛緩自在に
係合されている。断面コ形のフープ332 には突起335 が
4箇所設けられている。
【0066】この突起335 はそれぞれ2本の係合ピン33
6 を介して一対のガイド338,339 と係合している。一対
のガイド338,339 は、前記フープ332 と同様に一端同志
がピン334 により折曲自在に固定されている。他端も前
記フープ332 と同様に、トグル機構式ワンタッチクラン
プ341 によって一対のガイド338,339 自身を緊張・弛緩
自在に係合している。
【0067】一対のガイド338,339 はワンタッチクラン
プ341 によって螺杆152 に着脱自在に係合されている。
さらに、一対のガイド338,339 のそれぞれには合成樹脂
製の二つ割りブッシュ340 が内張されている。このブッ
シュ340 はガイド338,339 と螺杆152 とが擦合う場合の
軸受となる。突起335 とガイド338,339 とを係合してい
る2本の係合ピン336 の侵入されるガイド338,339 側の
それぞれの孔側にはそれぞれ防振ゴム337 が挿入されて
いる。
【0068】振止め装置330 を軽量化するため、主要な
部品は軽合金または合成樹脂を使用している。しかし、
通常の軽合金では強度的に不足する部分は、超超ジェラ
ルミンを用いている。すなわち、車輪331 はナイロン樹
脂、フープ332 はアルミニウム、係合ピン336 とガイド
338,339 は超超ジェラルミンにすることにより、振止め
機能を満足し、振止め装置の個品としての最大取扱い重
量を15kgに抑えることができる。
【0069】次に上記実施例の作用を説明する。モータ
ー17をモーターケース16に挿入する場合において、モー
ター17が駆動体150 に搭載された状態で振止め装置330
を取付ける。以下、手順をおって説明する。 (1) 作業員は駆動体150 に搭載されたモーター17の全面
を取囲む回転プラットホーム103 の上に立って一連の装
着(着脱)作業を行う。作業員は作業員の胸から目の高
さの位置のモーター17の外径に車輪331 を有するフープ
(環)332 をトグル機構式ワンタッチクランプ333 によ
って抱き着くように(抱え込むように)装着させる。こ
の時、モーター17の外面と車輪331 との摩擦でフープ
(環)332 はずり落ちてこない。 (2) 次に、作業員はフープ(環)332 自身を上から見て
時計回りに回転させる。フープ(環)332 は車輪331 が
ρなる角度に取付いているため、回転にしたがって tan
ρだけ上昇する。暫時この回転を続けてモーター17の上
部の振止めに有効な任意の高さに達したなら回転を止
め、手を離してもフープ(環)332 はそのままの位置を
保持する。
【0070】(3) 手を離してもそのままの位置を保持す
るのは、角度ρを車輪331 の摩擦角より小さく選定して
いるからである。また、フープ(環)332 の回転力は角
度ρの選定で作業員1人で容易に操作できるように調節
可能なため、フープ(環)332が作業員の手の届かない
ような高い位置に上昇してからでも簡単な踏台を準備す
ればフープ(環)332 の上昇(回転)作業を継続するこ
とができる。 (4) フープ(環)332 を振止めに有効な適当な位置に停
止したら、螺杆152 のその位置にガイド338,339 をクラ
ンプ341 で装着させた後、さらにガイド338,339を係合
ピン336 で防振ゴム337 を介してフープ(環)332 の突
起335 にワンタッチ操作で固定する。
【0071】(5) 以上により、モーター17は振止め装置
330 によって強固に螺杆152 に固定されたことになる。
螺杆152 を回転させれば、モーター17は上昇する。回転
に応じて生ずるモーター17が首を振るような周期の大き
い振動は、振止め装置330 によって螺杆152 が制するこ
とになる。また螺杆152 の回転に応じて螺杆152 に生ず
るモーター17をビリビリ振動させるようなモーター17に
対して有害な周波数(周期)の高い振動は、防振ゴム33
7 によって吸収される。この振止め装置330 が地震など
の振動に対して極めて有効であることは言うまでもな
い。 (6) モーター17の頭部先端の一部がモーターケース16の
中に挿入されたら、螺杆152 の回転を止め、上述と逆の
操作で振止め装置330 を取外し、再び螺杆152 を回転し
モーター17最後まで持上げれば、この一連の操作は終了
する。
【0072】(7) モーター17をモーターケース16から取
出す場合、振止め装置の操作は、上述の逆の操作となる
ので詳述を省略する。 (8) 車輪331 の傾斜角度ρを大きく取れば、少ない回転
数でフープ332 を上昇することができるが、フープ332
から手を離した時、フープ332 が自重で自転して下降し
てしまう。一方、車輪331 の軸受に滑りベアリングを用
いれば、車輪331の傾斜角度ρを大きくとっても、フー
プ332 から手を離した時、自重で自転して下降しない。
しかしこの場合、摩擦にエネルギーを消耗するので大き
な回転力を必要とする。以上に鑑み、考えられる要素を
網羅的に組合せて実施した実験結果から、この振止め装
置330 を効率よく上昇でき、かつ自重で回転落下しない
実用上最適な傾斜角ρの範囲は 0.8〜 5.0°(最適値は
1.5°)であることが認められた。
【0073】(9) この条件は、車輪にナイロン車輪また
はウレタンゴム車輪を用い、車輪の軸受にボールベアリ
ングを用いた場合の条件である。上記の材質の組合せと
傾斜角度範囲を採用するならば、たとえモーター17の外
周部に水と水垢または、少々の油脂成分が付着していて
も適度な締め代を付けることによって、効率よく上昇で
き、かつ自重で回転落下しない。しかしこのために適度
な締め代に調節するには、それぞれの車輪331 の軸芯を
調整できる構造にしておく必要がある。言い換えれば、
8個の車輪331 の内接円を微妙に調節できるようにそれ
ぞれの車輪331 の軸芯を調整できる構造にしておく必要
がある。 (10)フープ332 がピン334 で折れる2つ折り構造として
いるのでフープ332 を螺杆152 をモーター15の間を通し
てモーター17の手前側からのみに配置された2名の作業
員で装着することができる。 (11)取扱作業において、小さなボルト・ナットによる結
合作業が一切ないので部品を紛失・混入させることがな
い(ーズパーツ防止)。係合ピン336 がーズパーツ
になる可能性がある場合は、鎖でフープ332 に結び付け
ておけばよい。
【0074】上記実施例によって、従来装置の欠点を克
服し、狭隘な場所においても装着・取外しが容易で、強
固な振止め効果があるインターナルポンプの取扱装置用
振止め装置を提供することができる。
【0075】すなわち、この実施例では下記の効果が得
られる。 (1) 振れを止める機能は、次の2つに分解される。 (a) 螺杆152,152 によって、モーター17の昇降途中にお
いてモーター17が螺杆152,152 系の固有周期に共振する
ことを防止する。 (b) 螺杆152,152 によるモーター17が昇降途中、地震が
生じた時、転落・落下を防止する。
【0076】(2) 取付・取外しを困難にしている原因を
分析すると以下のとおりである。 (a) モーター17をモーターケース16に挿入する場合、モ
ーター17が駆動体150に搭載された状態で振止め装置を
取付ける。この時、図12に示すとおり、作業員とモータ
ー17は極めて取付難い位置関係にある。すなわち振止め
装置をモーター17のできるだけ高い位置で螺杆152 と係
合すれば、振止め効果がより期待できるが、作業員の手
が届かない状態である。なお振止め装置を取外す場合も
この位置関係は同様である。 (b) モーター17をモーターケース16から引抜く場合、モ
ーター17の上端がモーターケース16から抜出る寸前ので
きるだけ高い位置で振止め装置を装着する必要がある。
しかし、スタッドボルトが邪魔をして高い位置に振止め
装置を装着できない。 (c) 潜水艦の機関室内部を連想させる極めて狭隘な場所
で、放射線防護の完全装備で振止め装置の取付作業を行
う必要がある。また、当該作業場所が狭隘で作業員は2
名までしか立ち入ることができない。その作業員もモー
ター17に対して、向こう側とこちら側に別れて立つこと
ができない。すなわち、遮蔽材302 があるために、2人
の作業員は、モーター17の手前側に肩を並べた並立作業
をせざるをえない(モーター17の向こう側「炉心側」に
は立てない)環境である(図4と図9参照)
【0077】本実施例によれば上記課題を解決し、狭隘
な場所においても装着・取外しが容易で、強固な振止め
効果がある。
【0078】上記実施例における実施態様は次のとおり
である。 (1) モーター外径に接し、かつ傾斜してフープに配設さ
れた複数の車輪と、係合機構を有したフープと、螺杆15
2 との係合機構を有したガイドと、フープをガイドに係
合する機構とから構成される。 (2) ゴムまたは合成樹脂の車輪と、軽合金の構造材料
と、軸受にボールベアリングを装着した車輪とで構成さ
れたこと。(3) 車輪の水平との傾斜角度ρの範囲を0.8
〜 5.0°としたこと。(4) 車輪の内接円を調節する機構
を具備したこと。
【0079】次に図12,図15から図17を参照して本発明
に係る第の実施例を説明する。この第の実施例はイ
ンターナルポンプの取扱い装置用螺杆の係合機構に関
し、請求項に該当する第の発明である。図15は螺杆
の上部軸受の構造を一部断面で示す立面図、図16は図15
のB−B矢視方向側面図、図17は図15のC−C矢視方向
を一部断面で示す側面図である。
【0080】本実施例は構成部品の脱落・紛失の危険が
なく、単純操作で螺杆152 を図12に示すようにモーター
ケース16または回転プラットホーム103 に係合すること
ができるように構成している。
【0081】すなわち、図15に示したように螺杆152 の
上端部の鍔354 は軸受153 内の下部に挿入され、鍔354
の下面にスラストボールベアリング351 挿入して二つ
割りフランジ352 で被され穴付ボルト353 が捩込まれ、
二つ割りフランジ352 は軸受153 に固定されている。軸
受153 内には水平方向に貫通した軸受穴366 が形成さ
れ、この軸受穴366 内に係合ピン357 が串刺しされる。
係合ピン357 は軸受153の両側に位置してモーターケー
ス16に設けた左右一対の引掛部材157 を挿入し、回転ロ
ック式抜止め機構を有している。
【0082】すなわち、図15から図18に示したように2
つの引掛部材157 はそれぞれ2本のボルト160 でモータ
ーケース16に永久締結している(図16参照)。2つの引
掛部材157,157 には、軸芯を一致した等しい内径の穴35
5 が貫通している。一方の穴355 には頭部を前記穴355
の内側に先端が突出した植込ピン356 が捩込まれてい
る。把握358 と鍔359 と輪溝364 と縦溝363 とを有し、
先端が尖った係合ピン357 が、引掛部材157,157 の穴35
5 と軸受穴366 を串刺した形で貫通している(図17参
照)。
【0083】螺杆(ボールスクリュー)152 は、スラス
トボールベアリング351 と二つ割りフランジ352 と穴付
ボルト353 と軸受穴366 と係合ピン357 を介して、回転
自在に引掛部材157 に吊り下がっている。フランジ352
が二つ割りであるのは純設計上の理由である。すなわ
ち、図15においてスラストボールベアリング351 が組立
てられないからである。植込ピン356 の捩込まれていな
い側の引掛部材157 の反軸受153 側(すなわち鍔359
側)には表面に突出した植込ピン361,362 が植込まれて
いる。鍔359 には鍵の手の突起が付いている。軸受153
の頭部には螺杆152を運搬・移動するために吊穴360 が
設けられている。係合ピン357 の把握358 端部には鎖36
5 が結合されている。その鎖365 の他端は引掛部材157
の任意の箇所に結合されている。回転プラットホーム側
における仮置き機構も前述の構造と一致している。
【0084】次に上記第の実施例の作用を説明する。
吊穴360 に(電動チェンブロックの375 の)フック378
を引掛け、軸受153 を所定の位置に吊上げたならば係合
ピン357 を串刺しのようにして刺込む。この時、係合ピ
ン357 の縦溝の角度を植込ピン356 の角度に合わせない
と係合ピン357は終点まで刺込めない。係合ピン357 を
終点まで刺込めば、係合ピン357 の輪溝364 と植込ピン
356 が一致するので係合ピン357 はその場で任意に回転
できる。係合ピン357 を約90度回転すれば鍔359 の突起
と植込ピン361 が衝突して止まり、係合ピン357 は抜け
なくなる。係合ピン357 を抜くには、ピン係合357 を前
記位置から90度逆回転すれば鍔359 の突起が植込ピン36
2 と衝突して止まるので、その回転角度で係合ピン357
が引抜ける。
【0085】上記実施例によれば従来装置の欠点を克服
した、螺杆152 をワンタッチで簡単に装着・着脱可能な
インターナルポンプの取扱装置の螺杆の係合機構を提供
することができる。
【0086】すなわち、従来装置の欠点は次のとおりで
ある。 (1) 螺杆152 は不使用時(原子炉運転時)に取外され、
インターナルポンプ取扱時に取付けられる。この取付・
取外しには、1本の螺杆152 に4本のボルト160、すな
わち1台のインターナルポンプのモーターケース16には
2本の螺杆152 があるので、都合8本のボルト160 を締
付・緩め作業をする必要がある。 (2) 軍手の上にゴム手袋をはめ、放射線防護マスク(防
毒マスク)を被り、ウエットスーツ(雨カッパ)等の放
射線作業の完全装具を着用した作業で、上記の細かなボ
ルト160 を取扱うことは極めて繁雑であり、かつ煩わし
い作業である。例えばボルト160 をペデスタル101 の底
部に落下させたり、甚しきは紛失する危険もある。 (3) 螺杆152 を使用しない時、螺杆152 は回転プラット
ホーム103 に吊り下げておく。この時、回転プラットホ
ーム103 にボルト160 で取付けるが、ここでの取付・取
外し作業でも上記と同様な欠点を生ずる。(4) 螺杆(ボ
ールスクリュー)152 を揚重・移動する装置が設けられ
ていない。
【0087】次に図18から図19を参照してインターナル
ポンプの取扱装置用螺杆の移動装置の実施例を説明す
る。図18はレストレイント装置と螺杆移動装置を説明す
るためのポンプケース付近の側面図で、図19は同じく断
面図である。
【0088】図18および図19において、レストレイント
装置303 は原子炉圧力容器1の底部に溶接された変形型
アイプレート386 の穴にボルト・ナット381 で十字継手
382が揺動自在にピン結合されている。十字継手382 の
下端には、ボルト・ナット383 でレストレイントシャフ
ト384 が揺動自在にピン結合されている。十字継手382
のボルト・ナット381,383 の軸芯は、互いに直交(直角
に交わる)しているので、レストレイント装置303 を十
字継手382 の位置において十字ピンのように立体的に折
曲げることができる。
【0089】レストレイントシャフト384 の下端は遮蔽
材302 に取付けた鉤385 により遮蔽材302 に着脱自在に
固定されている。レストレイント装置303 は、各インタ
ーナルポンプ両側に1個ずつ、すなわちモーターケース
16に対して2個ずつ配設されている。螺杆移動装置370
は構造梁371 に断面がZ型のレール372 が溶接されてい
て、このレール372 にジブ373 が嵌め込まれている。し
たがって、ジブ373 はストッパー376,376 に制限される
範囲でレール372 に沿って自在に滑動し、任意の位置に
停止する。
【0090】ジブ373 の先端には、鉤型ジブフック377
が配設されて、その鉤型ジブフック377 には手動チェン
ブロック374 が吊り下げられ、その手動チェンブロック
374の鉤型フックには電動チェンブロック375 が吊り下
げられている。電動チェンブロック375 の鉤型フック37
8 は螺杆152 の軸受153 の頭部の吊穴360 に係合され、
螺杆152 を吊上・吊下に使用される。補助構造梁379 は
構造梁371 同志を結合する構造部材である。螺杆移動装
置370 は各インターナルポンプ両側に1個ずつ、すなわ
ちモーターケース16に対して2個ずつ配設されている。
【0091】次に上記構成の実施例の作用を取扱手順に
沿って説明する。 (1) レストレイント装置303 と螺杆152 の干渉と、レス
トレイント装置303 と螺杆152 の移動装置の干渉を防止
しなければ、このインターナルポンプの取扱いが成立し
ない。そこで、螺杆152 の取付けに際しては、まず、2
つのレストレイント装置303 を十字継手382 部分から折
曲げ、鉤385 により遮蔽材302 に固定させる。もちろ
ん、螺杆152 を用いたインターナルポンプ取扱作業が終
了した後、このレストレイント装置303 を復旧させるこ
とはいうまでもない。
【0092】(2) 次に補助構造梁379 側のストッパー37
6 の位置(終点)にあるジブ373 のジブフック377 に人
力で手動チェンブロック372 を吊す。(3) その後その場
から手動チェンブロック374 の吊下げチェンを繰出し、
あらかじめ作業用プラットホーム202 上に準備しておい
た電動チェンブロック375 に係合し、電動チェンブロッ
ク375 を手動チェンブロック374 の真下まで引き上げ
る。
【0093】(4) 次にジブ373 を螺杆152 の位置まで移
動する。ジブ373 を移動すると電動チェンブロック375
も同時に螺杆152 の真上に移動することは説明するまで
もない。(5) ここで、電動チェンブロック375 を作動さ
せ、螺杆152 を吊上げ、螺杆152 を螺杆の係合機構を用
いて引掛部材157 に係合する。(6) 分解の手順は上記と
逆である。
【0094】上記螺扞の移動装置の実施例の効果は次の
とおりである。 (1) 主に省力と放射線環境での作業時間の短縮のため、
電動チェンブロック375を採用するが、この電動チェン
ブロック375 の取付・取外しのために手動チェンブロッ
ク374 をも用いる。すなわち、一旦、軽い後者を人力で
吊上げ、重い前者を吊上げるものである。もし、電動チ
ェンブロック375 が人力で取付けられる程軽ければ、こ
の手動チェンブロック374 は必要なくなる。 (2) また、電動チェンブロック375 が人力で取付けられ
ない程重い場合であっても、原子炉建設当初から全部の
電動チェンブロック375 を永久的に当該箇所に据付けて
おけば、この手動チェンブロック374 は必要なくなる。 (3) しかし、前項の場合であっても、もし、電動チェン
ブロック375 が故障してこれを修理する場合、電動チェ
ンブロック375 を何等かの方法で吊り下ろす必要が生ず
る。
【0095】(4) この螺杆移動装置370 があれば、炉容
器下部の放射線にさらされる箇所に、常時、手動・電動
チェンブロックを配設する必要がない。もちろん、螺杆
移動装置370 のレール372 だけは、インターナルポンプ
の台数だけ建設時に据付けておく必要はあるが、手動・
電動チェンブロック374,375 は分解・点検するインター
ナルポンプの台数だけ、点検ごとに据付ければよい。毎
年の点検ごとに、分解・点検するインターナルポンプだ
けに据付ければ、単に螺杆移動装置370 の空間を有効に
使えるだけの問題ではなく、電動チェンブロック375 へ
の給電ケーブルの配線が不要になるので、分解・点検作
業のために空間を有効に使うことができ、作業が容易に
行える。注記:a)一般に 130万kW級のA−BWRにはイ
ンターナルポンプが10台据付けられている。その内、毎
年の定期点検には、2台を分解・点検する。b)この螺杆
移動装置370 によれば電動チェンブロック375 は、(2
台のインターナルポンプのために)最低4台準備すれば
よい。この螺杆移動装置370 によらなければ常時20台据
付けておく必要がある。しかし、実際上は、分解・点検
する隣のインターナルポンプ4(分解・点検しないも
の)の螺杆移動装置370 を使用状態にすれば、昇降ルー
トが複線化し実作業上極めて有効(作業時間短縮)であ
る。c)実際的には、螺杆152 1本:150kg 、電動チェ
ンブロック375 1台:50kg、手動チェンブロック374
1台:10kgである。
【0096】(5) 螺杆移動装置370 のジブ373 は、(a)
レストレイント装置303 が垂直に配設された場合の干渉
防止と、(b) 電動チェンブロック375 の吊上げのために
水平移動する。特に後者(b) は、螺杆152 の定位置で電
動チェンブロック375 を引上げた場合、引掛部材157,15
7,158,158 に干渉して吊上がらないためである。
【0097】なお、本実施例において、レール372 とジ
ブ373 とは、滑り機構ではなく、ボールベアリングを用
いた転がり機構でもよい。また、建設当初、すべてのジ
ブ373 を据付けてもよいし、電動チェインブロック375
のように使用の都度据付けて も良い。さらに、ジブの水
平移動機構(すなわち、チェンブロックの水平移動)
は、レール・車輪機構に限定されるものではなく、リン
ク・レバー・デリック機構で代替可能である。
【0098】本実施例によれば、レストレイント装置30
3 と螺杆152 との干渉がなく、かつ、レストレイント装
置303 と螺杆152 の移動装置370 との干渉がない螺杆15
2 の移動装置370 を提供することができる。また従来技
術の欠点を解決し、簡単・確実・安全で放射線被曝が少
なく、省力化されたインターナルポンプ取扱装置の螺杆
の移動装置を提供することができる。
【0099】従来技術の欠点とは次のとおりである。 (1) 公知例A・Bには螺杆152 は不使用時(原子炉運転
時)に取外されると記載されているだけで、螺杆152 の
移動装置370 の記述が全くない。 (2) レストレイント装置303 と螺杆152 との干渉が考慮
されていない。公知例A・Bには、レストレイント装置
303 を移動(振った後、固定)した後、螺杆152を取付
けることが考慮されていない(記載されていない)。 (3) レストレイント装置303 と螺杆152 の移動装置370
の干渉が回避されていない。すなわち、(a) 螺杆152 の
移動装置370 を据付けた後、螺杆152 を据付け、(b)
ータ17を点検後、原子炉を運転するために螺杆152 を撤
去した後、螺杆152 の移動装置370 を撤去することが考
慮されていない。(螺杆152 の移動装置を仮設装置扱い
にすることが考慮されていない)。
【0100】本実施例の実施態様は次のとおりである。 (1) 螺杆152 との干渉防止と、螺杆移動機構との干渉防
止のために立体的に屈曲する十字継手部分と、屈曲した
ままの姿勢を維持・解放する機構とを有することを特徴
とする。 (2) 螺杆を吊上・吊下げできる手段(チェンブロック)
と、チェンブロックを吊下げ水平移動する手段(ジブ)
と、この手段(ジブ)を移動する手段とを有することを
特徴とする。 (3) 螺杆を吊上・吊下げできる手段(チェンブロック)
が手動チェンブロックの下に電動チェンブロックを吊っ
たことを特徴とする。
【0101】次に図12と図20から図25を参照して本発明
に係る第の実施例を説明する。この第の実施例はイ
ンターナルポンプの取扱装置用モーター取扱装置に関
し、請求項に該当する第の発明である。この第
発明では伸び測定装置をも含んでいる。図20はモーター
取扱装置399 の全体取扱状態を説明する側面図、図21は
昇降治具400 でモーター取扱機130 を上限まで吊上げた
状態を説明する側面図、図22は図21のD−D断面を示す
モーター取扱装置399 の平面図、図23はモーター取扱機
420 と昇降治具400 との取扱状態を説明する側面図、図
24はモーター取扱機420の構造を説明する部分的断面
図、図25はナット着脱装置440 の構造を説明する断面図
である。
【0102】インターナルポンプのモーター17は、スタ
ッドボルト18とナット19でモーターケース16に固定して
いる。この実施例は前記スタッドボルト18とナット19を
締め・緩めする自動のモーター取扱装置399 に関す
る。モーター取扱装置399 は、昇降・移動手段と、ナッ
ト19を着脱するモーター取扱機420 と、このモーター取
扱機420 を昇降させるための昇降治具400 と、スタッド
ボルト18の伸びを測定するボルト伸び測定装置470 とで
構成されている。
【0103】以下に、順次上記各構成要件を説明する。
なお、昇降移動手段の昇降手段と移動手段の一部は重複
するのでここでは説明を割愛する。最初にモーター取扱
装置399 の構成要件について説明する。公知例Aのモー
ター取扱機130 に相当する本実施例のモーター取扱機は
図20中符号420 で示している。本実施例のモーター取扱
機420 には、モーター取扱機420 を昇降させるための昇
降治具400 と図25で示すスタッドボルト18の伸び測定装
置470 が付属している。なお、モーター取扱機420 には
図22に示すナット着脱装置440 が含まれている。
【0104】次に昇降治具400 の構成要件について説明
する。昇降治具400 は図21に示したように2台の電動チ
ェンブロック375 の鉤型フック378 により吊下げられて
使用される。昇降治具400 の中央部には着脱自在にモー
ター取扱機420 が搭載できるようになっている。鉤型フ
ック378 にはリンク401 が係合し、リンク401 には軸40
2 がピン結合している。軸402 には上限ストッパー403
と下限ストッパー404 が一体化して取り付いている。軸
402 は筒405 の軸受に案内されて、上限・下限ストッパ
ー403,404 の制限範囲で筒405 と上下の相対運動が行え
るようになっている。筒405 内にはコイルスプリング40
6 が挿入されるが、コイルスプリング406 は軸402 が常
に下限ストッパー404 の位置にあるように挿入されてい
る。
【0105】コイルスプリング406 はスプリング406 に
作用する(圧縮する)機器の自重荷重、すなわち昇降治
具400 の自重(厳密には軸402 の自重を除く)と、モー
ター取扱機420 の自重と、伸び測定装置470 の自重では
少しも縮まらないようになっている。そのために、コイ
ルスプリング406 を装着する(組立てる)時、事前に前
記自重に相当する以上の荷重で予め縮めて装着されて
(組立てて)いる。
【0106】2本の筒405 の下端部は架台407 に溶接一
体化されており、架台407 の中心部上面にはモーター取
扱機420 と着脱自在に係合するための頭部が銃弾型をし
た係合ピン411 が2本植え込まれている。また、架台40
7 は上方から見ると図22に示したように長辺と短辺から
なる十字形を呈している。架台407 のそれぞれの辺の末
端部下面4箇所には図21に示したように箱型台408 が溶
接されている。さらにその箱型台408 の下面には、車輪
409 が接続されている。
【0107】長辺側の2つの箱型台408 には軸402 の下
端が貫通している。この2つの箱型台408 の内部には軸
402 の軸端にリミットスイッチとその電気系統のリミッ
トスイッチ回路410 が装着されている。このリミットス
イッチ回路410 は軸402 が引込めば(スプリングが縮め
ば)電動チェンブロック375 が自動停止するようになっ
ている。
【0108】また、万一自動停止しない場合は図示して
いないが乾電池を電源とするブザーとランプ式の警報発
信機が組み込まれている。この警報発信機は軸402 の下
端にたとえば赤色ペイントを塗布しておき、スプリング
406 が縮み軸402 の赤色軸端が突出したことにより感
知する簡易な警報装置とすることができる。
【0109】次にモーター取扱機420 の構成要件につい
て説明する。すなわち、図24に示したようにモーターカ
バー17aに取付けた補助フランジ680 の下面にフランジ
422 がボルト421 で締付けられている。これは、補助フ
ランジ680 がモーターカバー17aに締結されているの
で、結局モーター取扱機420 がモーターカバー17aに締
結・懸架されたことになる。
【0110】フランジ422 の下面にはピストンロッド43
5 とピストン423 が一体化されて接続されている。ピス
トン423 の下端には一対のワンタッチ着脱式コネクター
424,コネクター425 (ホース側)がねじ込まれてい
る。ホース側コネクター425 には油圧ホース426 が繋が
れている。また、ピストン423 の中心には油圧導入用の
穴があいており、その穴はピストン423 の先端部に開放
されている。油圧ホース426 は電動油圧装置(図示省
略)に繋がれている。
【0111】ピストン423 の外側はシリンダー427 で包
囲されている。シリンダー427 の小径側にはパッキング
429 、大径側にはパッキング430 が嵌着されている。シ
リンダー427 の下側には大径の鍔が形成されており、そ
の鍔には係合穴428 が2箇所貫通している。この係合穴
428 には図21に示した昇降治具400 の銃弾形の係合ピン
411 が係合する。なお、油圧の供給を断った場合、シリ
ンダー427 がシリンダー427 の小径部がピストン423 に
引掛かって落下しない構造になっている。
【0112】シリンダー427 の外側を包囲してスパイダ
ー431 が配設されている。スパイダー431 とシリンダー
427 の間には、ボールベアリング432,433 が組み込まれ
ているので、スパイダー431 はシリンダー427 に対して
極めて軽快に自在に回転する。スパイダー431 は平面的
に見ると、ボールベアリング432,433 のボス部を中心と
した等辺の十字形をしている。スパイダー431 の前記各
辺の先端部にはスタッドボルト18とナット19の配置され
た直径と一致してナット着脱装置440 の係合穴434 が4
箇所設けられている。
【0113】係合穴434 にはナット着脱装置440 が遊合
状態の隙間を持って嵌め合わされている。4個のナット
着脱装置440 はそれぞれ前記係合穴434 に装着され、か
つ図25に示したようにスパイダー431 に自重を預け、さ
らにシリンダーブロック441の舌状突起を介して六角穴
付ボルト442 で下側からスパイダー431 に締付けられて
いる。
【0114】次にナット着脱装置440 の構成要件につい
て説明する。すなわち図25に示したように内径がナット
(M48)19の六角形で嵌まり合い、外径にOリング444
を装着した内ソケット443 の周囲に同心円筒形の外ソケ
ット445 が設けられている。内ソケット443 には底部に
複数の円筒状突起446 が形成されている。これに相対し
て、外ソケット445 に雌穴447 が形成されている。突起
446 と雌穴447 は回転を伝達できるように係合してい
る。
【0115】外ソケット445 の下部小径端には小径の歯
車448 が刻み込んである。この歯車448 には大径の歯車
449 が噛み合っている。大径の歯車449 には軸450 接続
されており、軸450 の下部先端にはハンドル451 が付い
ている。すなわち、ハンドル451 を手動で左回転すれ
ば、前記一連の機構が作動し、ナット(M48)19が右回
転して、ナット19が締め込まれる構成になっている。
【0116】スタッドボルト(M48)18の上端の捩子は
モーターケース16に捩込まれ、モーターカバー17aをナ
ット19で締付けている。スタッドボルト(M48)18の下
端には、スタッド18に引張りストレスを与えるために
(締め込むために)一段小径の雄捩子M38が刻まれてい
る。中空スピンドル452 の上端には雌捩子M38が刻まれ
ていて、前記両捩子は互いに捩込み合わされている。
【0117】中空スピンドル452 の外側部には中空ピス
トン456 を嵌め込んで着座させるフランジ453 が削り出
されており、さらに、最下部には歯車455 と握り454 が
刻み込まれている。中空ピストン456 には小径Oリング
457 と大径Oリング458 が装着されている。前記両Oリ
ング457,458 の中間に位置する部分のシリンダーブロッ
ク441 の外径部には、油圧配管460 が連結しており、作
動油459 の供給によって中空ピストン456 を押し下げる
ような構成になっている。
【0118】また、内ピストン462 はフランジ453 を押
し下げることにより、中空スピンドル452 を常時押し上
げている。外スプリング461 は中空ピストン456 を常時
押し上げることにより、油圧配管465 の作動油459 を油
圧装置側に押し戻す方向に働いている。
【0119】最下部の歯車455 には、歯車464 が常時噛
み合わされている。歯車464 はシリンダーブロック441
の鍔に固定されている電動モーター463 と直結してい
る。
【0120】電動モーター463 を左回転すると歯車464,
455 の伝達により中空スピンドル452が右回転し、中空
スピンドル452 の雌捩子がスタッドボルト18の下端の雄
捩子(M38)に捩込まれることになるよう構成されてい
る。前記雄捩子と雌捩子とが互いに捩込まれた状態で、
油圧配管460 に作動油459 を供給するとスタッドボルト
18が引張られる構成になっている。
【0121】次に伸び測定装置470 の構成要件について
説明する。すなわち、伸び測定装置470 は図25に示した
ようにスタッドボルト18の中心穴の上端から、中空スピ
ンドル452 下端に達する細くて長い軸471 と、スタッド
ボルト18の下端から中空スピンドル452 の下端に達する
細い管472 と、軸471 に取付けられたピストン473 と、
管472 側からピストン473 を介して軸471 を常時押し上
げているスプリング474 と、ダイヤルゲージ478 と、ダ
イヤルゲージ478 を固定する捩子476,477 とによって構
成されている。
【0122】スタッドボルト18の中心には穴が形成され
ている。この穴は、スタッドボルト18の上端で塞がれて
いる。この穴の下端には、雌捩子が刻まれている。前記
雌捩子に管472 の上端の雄捩子が捩込まれることにより
伸び測定装置470 が取付けられている。中空スピンドル
452 の中心穴の内側に細い管472 が挿入されており、そ
の細い管472 の内側に細くて長い軸471 が挿入されてい
る構成である。
【0123】細くて長い軸471 の上部はスタッドボルト
18の中心穴に挿入されている。スプリング474 によって
細くて長い軸471 がスタッドボルト18の上端に接触して
いるため、スタッドボルト18が締付けられ、スタッドボ
ルト18が伸ばされるとダイヤルゲージ478 がその伸びた
微量を0.01mmの単位で指示することになる。
【0124】次に上記実施例の作用を取扱手順に沿って
説明する。なお、ここで説明する取扱手順は既に据付け
られているモーター17をモーターケース16の内部から分
解する手順とする。組立て手順は分解手順の逆である。
【0125】昇降治具400 の作用について説明する。す
なわち、図20において、回転プラットホーム103 上のこ
れから分解しようとするモーターケース16の直下にモー
ター取扱機420 を搭載した昇降治具400 を移動し、停車
させる。この移動は車輪409 を利用して行う。
【0126】鉤型フック378 を前記停車位置の昇降治具
400 のリンク401 に引掛け、電動チェンブロック375 を
駆動し昇降治具400 を徐々に引き上げる。2台の電動チ
ェンブロック375 は、それぞれ単独でも運転できるが、
2台が同時に起動・停止ができるような制御回路が組ま
れている。
【0127】この同時操作式チェンブロックによると、
吊上げ初期に、単独運転で昇降治具400 の水平を調整し
た後、同時引上げをボタンを押せば、昇降治具400 は水
平状態を崩すことなく上昇を続ける。昇降治具400 が上
昇限度付近に達すると筒405の外径が引掛部材158 の内
面と干渉し自動的に適正な取付位置に案内されるように
なっている(図21参照)。
【0128】さらに、上昇を続けると、モーターカバー
17aの底面にストッパー412 が衝突し、昇降治具400 の
上昇が強制的に停止する。衝突以降も電動チェンブロッ
ク375 がさらにかまわず作動を続けるが、コイルスプリ
ング406 が圧縮され、軸402が相対的に上昇し、リミッ
トスイッチ回路410 が作動して自動停止する。何等かの
原因で自動停止しない場合は、警報が発せられるので作
業員が手動で停止できるようになっている。ここで上限
停止の失敗による吊り落事故の予防となる。昇降治具40
0 が上限停止した時、補助フランジ680 の下面とフラン
ジ422 の上面が若干の隙間をあけて一致するようになっ
ている。
【0129】そこで、若干の隙間を利用してフランジ42
2 を回転し、ボルト421 を補助フランジ680 (図26参
照)の捩子穴に合わせて捩込めばモーター取扱機420 の
自重は、補助フランジ680 、すなわちモーターカバー17
aに懸架されたことになる。
【0130】フランジ422 を回転する時、両フランジ42
2,680 インローが芯出しのために極めて有効に働く。ま
た、補助フランジ680 の下面とフランジ422 の上面にで
きる若干の隙間は、フランジ422 を回転するために極め
て有効に働く。
【0131】また、直ぐに電動チェンブロック375 を降
下運転すれば、モーター取扱機420はモーターカバー17
aに懸架され、単純な係合ピン411 の嵌め合いだけなの
で、何の障害もなく昇降治具400 だけが下降する。つま
り係合・着脱が簡単となる。昇降治具400 が下降し、作
業用プラットホーム202 の通過穴203 を作業ステージ30
6 と補助ステージ322 で閉鎖した状態を図23に示す。ナ
ット19の締付作業において、モーター取扱機420 と作業
ステージ306 が有効に使用されている状態が容易に理解
できる。これにより作業ステージの有効使用となる。
【0132】次にモーター取扱機420 (含:伸び測定装
置470 )の作用を説明する。モーター取扱機420 が補助
フランジ680 に吊下げられたら、先ず、油圧ホース426
のコネクター(ホース側)425 をモーター取扱機420 側
のコネクター425 にワンタッチ接続する。次に、ナット
着脱装置440 の中心がスタッドボルト18の直下を占位す
るようにスパイダー431 を手動で回転する。スタッドボ
ルト18の配置上の誤差や、スパイダー431 の製作・据付
誤差の累積から、4つのナット着脱装置440 の中心が全
部が同時にスタッドボルト18直下を正確に位置合せ
きない場合は、ボルト442 を緩め、位置合せできないナ
ット着脱装置440 だけの位置を修正する。この位置修正
は係合穴434 とシリンダーブロック441 の外径の隙間の
範囲で可能である。
【0133】この位置修正ではスパイダー431 の係合穴
434 付近の上面とシリンダーブロック441 の該当面が摩
擦相対的運動をするので、前記上面に滅摩対策、例えば
弗素樹脂コーティング等を行っておけば極めて作業が容
易化できる。
【0134】4台のナット着脱装置420 全部が直下に位
したら、次にホース426 からシリンダ427 に油圧を供
給し、ナット着脱装置440 を上昇させる。シリンダー42
7 を上昇させると4台のナット着脱装置440 が同時に上
昇する。内ソケット443 の六穴がナット19の六角に嵌
まり合う寸前でシリンダー427 (すなわち、4台のナッ
ト着脱装置440 )の上昇を一旦停止させ、ハンドル451
微少に回転調節して前記嵌合位相を確認したら、もう
一度油圧を供給してシリンダー427 を上昇させる。シリ
ンダー427 の動きは、シリンダーブロック441 の上端面
がモーターカバー17aの下面に衝突して停止する。
【0135】内ソケット443 と外ソケット445 の嵌合い
に適当な隙間が設けられており、その隙間にゴムOリン
グ444 が装着されているから、ゴムの弾力で自動調芯と
誤差吸収が可能なため、前記位置修正はモーター取扱機
420 が新しくモーターケース16と組合される時の最初の
みに前記位置修正を行えば、通常の前記六角形の嵌合い
毎に位置修正操作を行う必要はない。
【0136】すなわち、上記の自動調芯・誤差吸収機構
のために、10台のインターナルポンプに対してモーター
取扱機420 は1台であるから、取扱うインターナルポン
プが入れ代わる毎に前記修正を一度行えばよい。
【0137】シリンダー427 が上昇し、シリンダーブロ
ック441 の上端面がモーターカバー17aの下面に衝突し
て停止した時、外スプリング461 が縮むため、中空スピ
ンドル452 の上端(M38mm雌捩子の上端)と、スタッド
ボルト18の下端(M38mm雄捩子の下端)とは、単に衝突
したままである。すなわち、この捩子は相互に捩込まれ
ていない。ここで4台のナット着脱装置440 の電動モー
ター463 を一斉に左回転に駆動すると、中空スピンドル
452 が右回転してスタッドボルト18の捩子(M38)に捩
込まれる。
【0138】次に、ここでダイヤルゲージ478 を含めて
一体に組立てられた、4台の伸び測定装置470 をそれぞ
れの中空スピンドル452 の中心穴に挿入し、スタッドボ
ルト18下端の雌捩子に捩込む。
【0139】次に、4台のナット着脱装置440 の油圧配
管460 に一斉に高圧力の作動油459を供給すると、中空
ピストン456 の上側に高圧力が作用し、中空ピストン45
6 によって中空スピンドル452 のフランジが押し下げら
れ、スタッドボルト18が引き伸ばされる。ここで、前記
引き伸ばし量を先に締付けた量より若干多く引き伸ばせ
ば、ナット19は簡単に緩め(左回転)られるようにな
る。
【0140】引き伸ばした量は、測定装置470 のダイヤ
ルゲージ478 により簡単に計測される。引き伸ばし量に
過不足が生じた場合は、その場で作動油459 の圧力を調
整できる。この調整機能は、ボルトを締め込むときのボ
ルトの残留伸びの過不足の調整に極めて有効である。
【0141】次に、この状態で順番に4台のナット着脱
装置440 のハンドル451 を手動で右回転すればナット19
は既に緩んでいるので簡単に緩め(左回転)ることがで
きる。前記ハンドル451 の手動右回転は、2〜3回転で
十分である。なぜならば、次にホース426 から油圧を排
出して、4台のナット着脱装置440 を一斉に降下させれ
ば、4つのナット19を手で握った操作によって簡単に取
り外すことができるからである。
【0142】以上の如く、4個毎のナット19の緩め作業
を3回繰り返せば1台のモーター17のすべてのナット19
(12本)は取外される。しかし、最後の組の4個のナッ
ト19を取外すとモーター17が落下してしまうので取外し
ては不可である。モーター17自身は螺杆152 で降下させ
るので、最後の組の4個のナット19は、螺杆152 を組立
て、螺杆152 にモーター17を自重を預けてから分解する
(図1参照)必要がある。
【0143】本実施例によれば次効果がある。 (1) 組立の場合、本実施例のモーター取扱機420 を用い
れば複数の中空ピストン456 が同時に作用するので、例
えモーターケース16の下面とモーターカバー17aの上面
が密着していない状態(隙間が開いていても)でスタッ
ドボルト18,ナット19を締め込んだとしても、前記両面
を自動的に密着させてからスタッドボルト18,ナット19
が締め込まれる。分解の場合、この実施例のモーター取
扱機420 を用いれば、確実に炉水を漏洩させることがな
く分解することができる。すなわち、最後の4個のナッ
ト19を緩める時、ハンドル451 でナット19を緩めた量だ
けモーター17を下降させることができる。このインター
ナルポンプ4は、モーター17を約10mm下降させると1次
シールが達成して炉水が漏洩しない構造になっている。
1次シールは軸20の段差が約10mm下降して固定部に接触
して炉水の水密が達成される。 (2) 従来例Aの自動モーター取扱機の欠点を改良し、発
明として未完成の部分を完成させて、信頼性が高く取扱
が簡単なモーター取扱機を含む半自動モーター取扱装置
を提供することができる。 (3) 螺杆152 の昇降用の電動チェンブロック375 を同時
操作式にすることにより、螺杆152 のみならず、モータ
ー取扱機420 の昇降に共用(流用)できる。
【0144】(4) 昇降治具400 に車輪409 が付いている
ので、回転プラットホーム103 上を任意に移動できる。
したがって、モーター取扱機420 の不時に回転プラッ
トホーム103 の任意の場所に格納・仮置きすることが
できる。 (5) モーター取扱機420 の取扱作業、特にナット着脱装
置の運転・操作・監視作業が作業ステージ306 と補助ス
テージ322,322 上から可能である。 (6) 心合せの容易化、伸び調整簡単化、操作のワンタッ
チ化、4本の同時締付可等により、作業が簡単・確実・
迅速に行えるようになる。 (7) 人間の感覚や、目による視認は、この種の遠隔操作
自動機の信頼性・確実性を来す上で重要な要素である。
完全自動機械とせずに、むしろ、要所要所に手動操作を
組込んで機械の暴走や思いがけない動作から保護され
る。
【0145】なお、上記実施例において、電動を空気動
作にするとか、ボールベアリングを滑りベアリングにす
るとか、各所に作業完了のセンサーを組込むとか、一部
の手動部分を電動にすることもできる。
【0146】従来技術の欠点は次のとおりである。 (1) 16本あるM48mmのスタッドボルトに残留軸力33トン
を与えて自動的に着脱できて、この空間に治まるような
小形化されたモーター取扱機130 は、実際的に設計製作
が不可能である。 (2) 例え、設計製作が可能となってもモーター17の取扱
に関しては、モーター17がモーター取扱機130 の構造高
さ(厚さ)分だけ長く(重く)なったと同じものとな
り、その分だけ取扱いにくいものとなる。 (3) 完全に自動化されてまったく無人作業が実現するモ
ーター取扱機130 が実現すれば問題ない。しかし、人手
による補助作業が残る限り、2本の螺杆152 が存在する
ため、螺杆152 が作業の邪魔になる。特に、2本の螺杆
152 は、作業ステージ306 上の作業員の作業の邪魔であ
る。また、作業ステージ306 上の作業の場合、潤滑のた
めのグリースが螺杆152 に塗布されているので作業員の
接触によって着衣を汚染する等の二次的欠点も、実際
上、極めて深刻な問題である。
【0147】(4) 螺杆152 による昇降では、昇降スピー
ドが遅い。すなわち、螺杆152 の回転による昇降では、
螺杆152 に横方向の自励振動が生ずるため、螺杆152 の
回転数が上げられない。これは試作・試験の実績によっ
て確認した。電動チェインブロック375 の昇降速度は、
螺杆によるそれよりも著しく高速化できる。 (5) モーター取扱機130 の内部機構が破損した場合の
には、モーター取扱機昇降装置131 まで分解する必要
がある。 (6) 肝腎なスタッドボルトの伸び測定装置について一切
が述べられていない。勿論、昇降治具については、一切
述べられていない。 (7) この位置(先願Aの図8,図9の位置)までモータ
ー取扱機130 を移動してくる移動手段が何等考慮されて
いない。また、モーター取扱機130 と昇降治具400 の保
管場所も考慮されていない。
【0148】本実施例によれば、上記従来技術の欠点を
克服でき、また簡単・確実・安全で放射線被爆が少な
く、省力化されたインターナルポンプの取扱装置ようモ
ーター取扱装置を提供できる。
【0149】本実施例に係る実施態様は次のとおりであ
る。 (1) 螺杆152 を昇降できる並列2台の昇降手段(チェン
ブロック装置)を有すること。 (2) 複数のナット着脱装置440 を包含するモーター取扱
機420 と、螺杆152 と前記モーター取扱機420 を昇降で
きる並列2台の昇降手段(チェンブロック装置)と、前
記昇降手段でモーター取扱機を昇降させる昇降治具400
とから構成されること。 (3) 前記並列2台の昇降手段が水平移動手段(ジブ/水
平移動装置)と、前記水平移動手段から直列に吊された
手動昇降手段と、前記手動昇降手段から直列に吊された
電動昇降手段とにより構成されること。 (4) 電動昇降手段は同時操作が可能なこと。 (5) 複数の移動車輪409 と、モーター取扱機420 と係合
する2本の係合ピン411と、過巻防止手段と、上限のス
トッパー機構と、上限のガイド機構とにより構成される
こと。
【0150】(6) 過巻防止手段は2本の過巻き防止スプ
リングと、上限到達警報装置とであること。 (7) それ自身が取扱うモーターのモーターカバー17aに
吊下げるためのフランジ422 と、このフランジ422 に吊
り下ろされたナット着脱装置と、伸び測定装置とを有す
ること。 (8) 複数が同時に作動するナット着脱装置420 と、上昇
・下降ならびに回転が自在で複数のナット着脱装置420
を搭載するスパイダー(手段)と、ナット19と嵌まり合
う内・外二重の構造のソケット443,445 と、この二重
の構造のソケットの中間に装着したOリング444 と、シ
リンダーブロック441 の位置調整機構と、ピストンを常
時押し上げているスプリング461 と、中空スピンドル
452 を常時押し下げているスプリング462 と、中空ス
ピンドル452 を正・逆回転する手段と、ナット19を正・
逆回転する手段とを有すること。 (9) 伸び測定装置470 は移動量計測手段(ダイヤルゲー
ジ)と、スタッドボルト18の上端付近からダイヤルゲー
478 に達する1本棒の軸471 と、スタッドボルト18の
下端の雌捩子と係合してスタッドボルトの下端の移動量
を伝達する管472と、前記軸471 と管472 を反発させて
移動量を正確に伝達するためのスプリング474 とで構成
されること。
【0151】次に図26から図29を参照して本発明に係る
の実施例を説明する。この第の実施例はインター
ナルポンプの取扱装置用補助フランジ取扱装置に関し、
請求項に該当する第の発明である。図26はインター
ナルポンプの逆転防止機構673 付近の詳細を示す断面
図、図27は補助フランジ取扱装置500 の構造を説明する
断面図、図28は図27のE−E矢視方向の切断断面図、図
29は補助フランジ取扱装置500 と台車装置550 の取扱状
態を説明する側面図である。
【0152】本第の実施例は、逆転防止機構673 が装
着されたインターナルポンプ4の補助フランジ680 の分
解・組立に用いる取扱装置に関する。
【0153】本実施例では図26に示したようにインター
ナルポンプ4のモーター17のモーターカバー17aには補
助フランジ680 が装着されている。補助フランジ680 に
は軸20に取付けた図示していないポンプインペラ12が流
体力で逆転することを防止するための逆転防止機構673
回転側に装着されている。
【0154】本実施例では、補助フランジ680 を分解ま
たは組立る場合、補助フランジ680が途中で引掛かって
最後まで挿入できない事象発生を防止するとともに、省
力化が可能なインターナルポンプの補助フランジ取扱装
置を提供することにある。
【0155】本実施例の補助フランジ取扱装置500 は図
27に示されており、専用の取扱装置とこの専用の取扱装
置を搭載して昇降・水平に移動するリフター台車により
構成される。補助フランジ取扱装置500 は補助フランジ
680 を常に逆転防止機構673のクラッチが引掛からない
方向に回転しながら昇降させて、クラッチの食込みを解
決しようとするものである。
【0156】本実施例によれば図29に示したように簡単
に開閉できる作業ステージ306 があるので、台車装置55
0 が有効に利用できる。台車装置550 があるので補助フ
ランジ取扱装置500 が有効に利用できる。補助フランジ
取扱装置500 があるから補助フランジ680 は簡単に分解
・組立ができる。補助フランジ680 は簡単に分解・組立
ができるからインターナルポンプを簡単に取扱うことが
できる。放射線防護の完全装備で操作できる。また、図
27に示した四角穴510 を回すトルクレンチだけで全ての
取扱いが行える。
【0157】次に本実施例の各構成要件を順次説明す
る。逆転防止機構673 とその付近の構造の構成要件を図
26により説明する。軸20はその下部にスラストディスク
672 を有する中空軸670 内に挿入されている。軸20と中
空軸670 はカップリングスタッド674 とナット675 によ
って捩子結合されている。中空軸670 にはモーター17の
ローター671 が嵌め込まれている。ローター671 の外側
には、モーター17のステーターコイル682 が回転可能な
僅かな間隔を有して囲周している。モーターカバー17a
の上部には、軸受ハウジング678 がボルトで締付けられ
ている。軸受ハウジング678 にはラジアル軸受679 が挿
入されている。スラストディスク672 の上下には、合成
樹脂製のスラスト軸受676,677が挿入されている。モー
ターカバー17aの中央部には、貫通穴が開いており、こ
の穴に断面がほぼ凸型をした補助フランジ680 が複数の
穴付ボルトによって取付けられている。逆転防止機構67
3 はスラストディスク672 と補助フランジ680 の間のス
ラストディスク672 側に組込まれている。
【0158】逆転防止機構673 自身は、外輪側、すなわ
ち、スラストディスク672 側に装着されている。したが
って、逆転防止機構673 自身はスラストディスク672 、
すなわちポンプの軸20と一緒に回転(同一回転)してい
る。逆転防止機構673 は、円周状に配置された多数の円
筒コロ型摩擦クラッチが、それ自身の回転による遠心力
で補助フランジ680 との接触が離れ、回転が停止または
逆回転すると補助フランジと接触する構造である。言い
換えると逆転防止機構673 は、摩擦クラッチを用いた一
方向回転ラチェット機構である。逆転防止機構673 は、
ポンプの軸20をモーター側(下側)から見て、(ポン
プ)軸20が時計回転で回転し、反時計回転で回転できな
いようにしたラチェット機構である。
【0159】次に補助フランジ取扱装置500 の構成要件
を説明する。図26において、補助フランジ680 は外径の
一部が嵌め込まれた状態で図27に示すように旋回台501
の上に搭載されている。旋回台501 には六角穴付ボルト
681が下側から挿入できる穴514 が六角穴付ボルト681
の本数だけ設けられている。なお、図27に示す六角穴付
ボルト681 は説明を容易にするために描かれているもの
である。描かれたような状態で重力に逆らってこの位置
を保持できないことは言うまでもない。さらに、旋回台
501 にはそれ自身を回転するためのハンドル502 と筒50
3 が設けられている。
【0160】筒503 の段差部には圧縮コイルスプリング
504 が装着され、その上に昇降自在な昇降輪505 が筒50
3 と同心円で装着されている。筒503 の最下部側面から
は、図28で示したように支持腕506 が相対して2本取り
付いている。支持腕506 の上端はY字型をしており、Y
字部分にピン513 でレバー507 が揺動自在に取付けてあ
る。昇降輪505 には2箇所の穴を有するする耳511 が取
付けられており、それぞれの穴には倍力装置508 が取付
けられている。
【0161】倍力装置508 の先端には六角穴付ボルト68
1 の六角穴に嵌まり合う六角頭509が形成され倍力装
置508 の下端には四角穴510 が形成されている。倍力装
置508 は四角穴510 を10回転すると、先端の六角頭509
が1回転する機構になっている。昇降輪505 のレバー50
7 の位置に対抗する位置に凹溝が切られている。レバー
507 の中心側の先端がこの凹溝に係合している。レバー
507 の他端を下げると六角頭509 と六角穴付ボルト681
の六角穴が嵌合する構造になっている。
【0162】レバー507 にはラチェットストップ機構
(図示省略)があり、六角頭509 と六角穴付ボルト681
の六角穴が嵌まり合う状態を保持できるようになってい
る。コイルプリング504 はレバー507 の引下げ力を軽減
するための重力とのバランススプリングである。
【0163】旋回台501 の裏面には円筒平歯車516 が形
成されている。その歯車516 の内側には補助フランジ68
0 を逆転防止機構が食込まない一方向たとえば左回転に
しか回転できない、つまり逆転しない一方向ベアリング
517 が装着されている。一方向ベアリング517 には中心
軸518 が装着されている。
【0164】中心軸518 には中間部に台形捩子が切られ
ていて、上から順番にキー520 と結合されたメガネ板51
9 と、前記台形捩子と噛合ったナット522 と、キー528
と結合されたメガネ板527 が装着されている上部のメガ
ネ板519 と下部のメガネ板527 とはキー520 とキー528
とで中心軸518 に同一回転位相に固定されている。
【0165】ナット522 は筒526 にボールベアリング52
4,525 で回転自在に固定されていて、外径部に円筒平歯
車523 が切られている。筒526 はケース538 の底板に結
合されてケース538 の中央部に直立している。
【0166】筒526 には軸方向に沿って細長い窓515 が
対向して設けられており、中心軸518 のナット522 から
下の部分が挿入されている。ナット522 を回転した時、
中心軸518 が回転せず、中心軸518 が昇降するため、前
記細長い2本の窓515 には下部のメガネ板527 がその幅
がぎりぎり一杯でかつ移動可能な間隔を保って組込まれ
ている。
【0167】上部のメガネ板519 と下部のメガネ板527
にはそれぞれ中心軸518 の中心から同一半径位置に軸受
521 と軸受529 が装着されている。前記2個の軸受521,
529を軸530 が貫通している。軸530 には歯幅の極めて
広い円筒平歯車531 と、片持型の円筒平歯車532 とが形
成されている。歯車532 は旋回台501 の下面の歯車516
と常時噛合っている。
【0168】歯車531 は図28に示したようにアイドラー
歯車534 またはアイドラー歯車535に噛合うか、また
は、前記のどちらの歯車にも噛合わない中立状態かの3
つの状態の内のいずれか一つの状態にある。一方アイド
ラー歯車534 は他方のアイドラー歯車533 に噛合ってい
る。アイドラー歯車533 はナット522 の外径に切られた
歯車523 に噛合っている。アイドラー歯車535 もまたナ
ット522 の外径に切られた歯車523 に噛合っている。
【0169】歯車531 がアイドラー歯車534 またはアイ
ドラー歯車535 のいずれに噛合うかによって、ナット52
2 を左回転するか右回転するかの違いが生ずる。いずれ
にも噛合っていない中立状態ではナット522 が回転しな
いことは言うまでもない。
【0170】アイドラー歯車533,544 および535 は歯車
群として噛合った状態で歯車台536にそれぞれ軸533a,53
4a,535aによって回転自在に固定されている。歯車台536
は筒526 によって装置の中心に対して揺動自在に固定
されている(詳細構造は図示を省略している)。歯車台
536 の一端にはレバー537 が固定されている。レバー53
7 は上昇・中立・下降の位置に固定できるようになって
いる。
【0171】補助フランジ680 を常に一定方向に回転し
ても、レバー537 が「上昇」の位置にある時は、歯車53
1 がアイドラー歯車534 と噛合い、補助フランジ680 は
上昇する。レバー537 が「下降」の位置にある時は、歯
車531 がアイドラー歯車535と噛合い、補助フランジ680
は下降する。レバー537 が「中立」の位置にある時
は、補助フランジ680 は上昇も下降もしない。図28は中
立状態を示している。
【0172】図27に示したケース538 の下端は弗素樹脂
板540 を介してボルト539 で図29に示す台車装置550 の
ピストン軸558 上端に固定されている。弗素樹脂板540
は台車装置550 に対して位置を微妙に調整する場合、摩
擦を低減し、滑動させるためにある。
【0173】次に台車装置550 の構成要件を図29により
説明する。台枠551 に台車装置550 を移動するための4
個の車輪556 と、人力で移動するためのハンドル552 と
が付いている。台枠551 の内部には油圧ピストン・シリ
ンダー機構553 が収納されている。この油圧ピストン・
シリンダー機構553 のピストン軸558 の上端フランジに
弗素樹脂板540 を介して補助フランジ取扱装置500がボ
ルト539 で固定されている(図27参照)。
【0174】台枠551 の側面には先端にジャッキ557 の
付いた4個の油圧式ピストン・シリンダー機構555 が前
記油圧式ピストン・シリンダー機構553 と逆向き(下向
き)に固定されている。4個の車輪556 は事務用椅子に
付いているキャスターホイールのように取付ピンに対し
て車の接地点をずらし、台車装置550 の動く方向に車輪
556 の向きが変わるようになっている。
【0175】次に上記実施例の作用について取扱手順に
沿って説明する。なお、ここで説明する取扱手順は、補
助フランジ680 が装着されているモーターカバー17aと
逆転防止機構673 とから分解する手順とする。組立手順
は概ね分解手順の逆である。
【0176】次に台車装置の作用について説明する。図
29において、補助フランジ取扱装置500 を搭載した台車
装置550 を作業員がハンドル552 を押し作業ステージ30
6 の上に移動して、モーターケース16の直下に停止す
る。油圧ホース554 から圧油を供給すると、前記両油圧
式ピストン・シリンダー機構553,555 のピストンが動き
ピストン軸558 とジャッキ557 とが限度いっぱいに上昇
・下降する。4個のジャッキ557 が全ての荷重を受け、
車輪は作業ステージ306 から若干浮上がる。これは補助
フランジ取扱装置500 と台車装置550 とが作業ステージ
306 上でふらふら微動しないためである。ピストン軸55
8が上昇限度に達して、補助フランジ取扱装置500 の旋
回台501 が補助フランジ680 と係合するための最良の高
さに設定される。
【0177】昇降機能が補助フランジ取扱装置500 と台
車装置550 の両方にある。補助フランジ取扱装置500 の
昇降ストロークは、補助フランジ680 が挿入されるだけ
の最小昇降ストロークをカバーしている。台車装置550
の昇降ストロークは、それ以外の一切の必要ストローク
をカバーしている。
【0178】次に補助フランジ取扱装置500 の作用につ
いて説明する。図27において、ハンドル502 で旋回台50
1 を左回転し、旋回台501 を上昇させ、旋回台501 上面
を補助フランジ680 の底面に密着させる。この時、あら
かじめ旋回台501 の穴514 と六角穴付ボルト681 とを合
わせて置くことがポイントである。
【0179】レバー507 引下ろして、倍力装置508 の
六角頭509 を六角穴付ボルト681 の六角穴と係合させ
る。四角穴510 にトルクレンチを係合して六角穴付ボル
ト681を緩める。この作業を繰返して全ての六角穴付ボ
ルト681 を取外す。ハンドル502 で旋回台501 を左回転
し、旋回台501 を下降させる。旋回台501 が左回転して
いるから逆転防止機構673 が食い込まないためと、補助
フランジ取扱装置500 と台車装置550 とが作業テーブル
306 上で微動しないためとで、補助フランジ680は必ず
スムーズに下降する。
【0180】図29において、台車装置550 の油圧ホース
554 から圧油を排出すると、ピストン軸558 が下降する
のに伴い補助フランジ取扱装置500 が最下限まで下降す
る。ジャッキ557 が上昇して、車輪556 に全ての荷重が
作用する。ハンドル552 で補助フランジ取扱装置500 を
搭載した台車装置550 を任意の場所に移動する。
【0181】逆転防止機構の作用は次のとおりである。
インターナルポンプ4の通常運転時、ステーターコイル
682 とローター671 の電磁力の作用により中空軸670 が
右回転すると、中空軸670 と一体のスラストディスク67
2 も回転し、スラストディスク672 の下部に装着された
逆転防止機構673 も右回転する。この時、逆転防止機構
673 の内径は、遠心力で大径化し、補助フランジ680 の
円筒部外径と接触することなく、自由に右回転する。勿
論、ポンプの軸20は、中空軸670 とキー結合しているか
ら中空軸670 と同速度で右回転することは言うまでもな
い。
【0182】インターナルポンプ4が回転することによ
る水推力は、軸20から、カップリングスタッド674 とナ
ット675 を介してスラストディスク672 に作用する。モ
ーター17の電源が断たれた場合、逆転防止機構673 が働
いて軸20の逆転が防止される。なお、本実施例に相対す
る従来の技術について公知例A,Bでは、この「補助フ
ランジの取扱装置」は一切記述されていないし、またイ
ンターナルポンプの構造図に逆転防止機構と補助フラン
ジとのいずれも一切描かれていない。
【0183】逆転防止機構の目的は次のとおりである。
10台のインターナルポンプが一斉に運転している場合、
1台のポンプが停止した場合、停止したそのポンプの流
路(インペラー)を、他の9台のポンプから吐出した流
体(炉水)が逆流する。この逆流によって逆転防止機構
の付いていないポンプは、逆回転(逆転)を始める。逆
流流量はポンプが逆回転しない場合と、逆回転する場合
とでは、前者の方が圧倒的に少い。原子炉を運転する観
点からは、炉心を冷却するため、に逆流流量を低く抑え
る必要がある。以上の理由つまり逆流流量を低く抑える
ためから、原子炉インターナルポンプには逆転防止機構
が必要である。
【0184】以上の理由から、インターナルポンプはそ
もそもポンプの軸を逆転させない設計である。したがっ
て、インターナルポンプの軸受は可逆転軸受より軸受性
能の良い、一方向回転軸受を採用している。さらに、逆
転防止機構には例えば何等かの電気的事故でモーターが
逆転されたとしても、機械的に逆転を防止する機能を有
している。
【0185】従来技術の欠点は次のとおりである。 (1) 補助フランジ680 を分解する場合と取り付ける場
合、例えば取り付ける場合、ただ単純に逆転防止機構67
3 の内径に補助フランジ680 を挿入すると、補助フラン
ジ680 が途中で引掛かって最後まで挿入できない事象が
発生(逆転防止機構673 に食付いて上昇も下降もしなく
なる)する場合がある。 (2) 上記(1) の事象は、挿入する時、逆転防止機構の円
筒コロ型摩擦クラッチに補助フランジ680 の挿入部円筒
外径が接触して、少しでも円筒コロ型摩擦クラッチに逆
回転成分が運動が作用するとクラッチが働くためであ
る。また、補助フランジ680 の自重が50kgあり、2人の
作業で持上げるので、2人の呼吸が合わないでふらつく
ためでもある。 (3) 上記引掛かり現象は、逆転防止機構を利きを良くし
た方が顕著であることは言うまでもない。逆転防止機構
の利きを良くすることは、イ)正転から停止し、ロ)逆
転が開始し、ハ)逆転が停止するまでの一連の現象の
内、「正転から停止してから逆転が停止するまで」の時
間または回転角度を短くすることを言う。利きを良くす
るためには、逆転防止機構の内径と補助フランジ680 の
円筒部外径との隙間を精密に詰めること、すなわち、精
密な逆転防止を用いることである。
【0186】本実施例によれば上記従来技術の欠点を全
て克服している。すなわち、上記実施例の効果は次のと
おりである。 (1) 補助フランジ680 を分解する場合と取付る場合、途
中で引掛かって最後まで挿入できない事象発生(逆転防
止機構673 に食付いて上昇も下降もしなくなる)がなく
なる。例え、精密な逆転防止機構を用いた場合であって
も食付き現象がなくなる。
【0187】(2) 台車装置550 と補助フランジ取扱装置
500 とを用いるので、人力による二人作業での水平移動
作業・昇降作業が不用になる。また、倍力装置508 を用
いることと合わせて、作業員の疲労の低減および補助フ
ランジを誤って落下させる事がないので作業の安全・作
業の迅速化・作業員の放射線被曝低減のために極めて効
果が大きい。 (3) 結果として従来の二人作業が一人作業で可能にな
る。 (4) 作業ステージ306 に螺杆152 があっても台車装置55
0 は操作できる。
【0188】本実施例は次に述べる変形例を有する。 (1) 補助フランジ取扱装置500 は、比較的機構の複雑な
上昇・下降共用機であるが、分解には下降専用機、組立
には上昇専用機、をそれぞれ一台ずつ用意して取扱作業
を行うこともできる。このようにすれば、補助フランジ
取扱装置500 を比較的単純な機構の上昇専用機、下降専
用機を準備すれば良くなる。(2) 上記逆転防止機構673
の食付き現象は、作業経験と実験結果から組立時、すな
わち、上昇時の方が圧倒的に多く生じ、下降時は極めて
少ない。上記の2台の専用機では、上昇のために補助フ
ランジ680 を(右)回転しながら上昇する専用機を準備
し、下降のために補助フランジ680 を回転しないで下降
する(回転機能のない)専用機を準備することも可能で
ある。 (3) 歯車機構と捩子機構による昇降機構は、油圧機構に
よる昇降機構に置き換えることができる。特に、前記
(2) 項の場合、補助フランジ取扱装置500 の歯車機構と
捩子機構による昇降機構を、油圧機構による昇降機構に
置き換えた場合、さらに機構が単純化する。 (4) 車輪556 を強化すれば、油圧式ピストン・シリンダ
ー機構555 とジャッキ557 とを省略することも可能であ
る。 (5) 油圧ピストン・シリンダー機構553,555 が電動駆動
等の他の原理による機構であっても可能である。
【0189】なお、本実施例の実施態様は次のとおりで
ある。 (1) 補助フランジ680 を逆転防止機構673 が作用しない
方向にのみ回転させながら逆転防止機構673 の内径に補
助フランジ680 を嵌め込むこと。(2) 前記装置に補助ラ
ンジ680 を取付けているボルトを締付・緩めるための倍
力装置を具備したこと。(3) 作業ステージ306 上にあっ
て、水平移動機能と、昇降機能と、固定機能とを有する
台車装置550 を具備したこと。(4) 補助フランジ取扱装
置500 と台車装置550 の間にあって両者の相対位置の調
整のために摩擦を低減させる手段を有すること。
【0190】次に図30から図32を参照して本発明に係る
の実施例を説明する。この第の実施例はインター
ナルポンプの取扱装置用カップリングスタッド取扱装置
に関し、請求項に該当する第の発明である。図30は
26に示した補助フランジ680 を取外してカップリング
スタッド674 を取扱う状態を説明する断面図、図31はカ
ップリングスタッド取扱装置570 の取扱状況を説明する
断面図、図32は仮モーターカバー590 の取扱状況を説明
する断面図である。
【0191】カップリングスタッド674 はインターナル
ポンプのポンプシャフトつまり軸20の最下部に植え込
(振込)まれている。インターナルポンプが回転するこ
とによる水推力は軸20からカップリングスタッド674 と
ナット675 を介してスラストディスク672 に伝達され
る。
【0192】本実施例はカップリングスタッド674 とナ
ット675 の分解・組立(締付・緩め)を行うために用い
るカップリングスタッド取扱装置570 に関する。本実施
例では可動部分の自重をスプリングでバランスさせる手
段を用いた油圧機構によるカップリングスタッド取扱装
置である。このカップリングスタッド取扱装置570 は
述し図29に示した台車装置550 に搭載し、運搬・移動
自在にできる
【0193】以下カップリングスタッド取扱装置570 の
構成要件を図31および図32により説明する。図31におい
て、カップリングスタッド674 の下端に切られた雌捩子
に軸の長いボルト571 が捩込まれている。中空ピストン
572 の中空穴に前記ボルト571 が貫通している。中空ピ
ストン572 にはOリング573,574 が装着され、その直径
差による段差部分に油圧を受ける構造になっている。ボ
ルト571 の自重は、コイルスプリング582 とスラストベ
アリング584 とによって支えられている。従って、結果
的にボルト571 と中空ピストン572 との自重はコイルス
プリング582 で支えられている。
【0194】中空ピストン572 はシリンダー575 に嵌め
込まれている。シリンダー575 の外周にはそれ自身が垂
直に自立可能なための4本の支持脚576 が円周に均等な
配置で溶接されている。支持脚576 の下部には円盤状の
支持フランジ577 が溶接されている。支持フランジ577
は台車装置550 ピストン軸558 の上端フランジにボルト
583 で着脱自在に締結されている。支持フランジ577 の
中央部には、コイルスプリング582 とスラストベアリン
グ584 が配設されている。
【0195】シリンダー575 の上部はそのまま筒状に延
長されて、スラストディスク672 のナット675 の締付面
に達している。前記延長された筒状内部には筒578 が回
転自在にボルト571 と同心状態で配設されている。筒57
8 の上端にはナット675 を回転させるためのナット675
の凹部に係合する突起(凸部:図示省略)が刻まれてい
る。筒578 にはそれ自身を介してナット675 を回転する
ための取手579 が取付けられている。取手579 はシリン
ダー575 の延長部の一部に窓が開けられていて、外部か
ら操作(筒578 を回転させて、結果的にナット675 を回
転する)できるようになっている。筒578 はコイルスプ
リング580 によって自重を支えられ、コイルスプリング
580 はシリンダー575 内のスラストベアリング585 上に
載置され支えられている。
【0196】このカップリングスタッド取扱装置570 全
体が台車装置550 に搭載されていることは言うまでもな
い。台車装置550 を1台装備して、必要に応じて随時カ
ップリングスタッド取扱装置570 と仮モーターカバー59
0 と、補助フランジ取扱装置500 とを乗せ代えて使用す
ると、台車装置550 を2台ないし3台準備して乗せ代え
のための時間と作業を削減することができる。3台装備
すると効率が良いように思えるが、狭隘な作業空間を占
拠するためむしろ効率が低下する。台車装置550 を2台
装備し、必要に応じて乗せ代える方法が最も実用的で効
率が良い。
【0197】次に仮モーターカバー590 の構成要件につ
いて図32により説明する。仮モーターカバー590 はモー
ターケース16に取付く円盤状のカバー591 と、台車装置
550 のピストン軸558 の上端フランジにボルト594 で締
付けられたフランジ593 と、カバー591 とフランジ593
を結ぶ4本のパイプ状のステー592 によって構成されて
いる。円盤状のカバー591 はモーターケース16にモータ
ーカバー17a を取付けるためのスタッドボルト18とナッ
ト19によって取付けられている。従って、カバー591 に
は前記スタッドボルト18とナット19で締付られるよにス
タッドボルト18とナット19と同数の円筒状突起595 が設
けられている。
【0198】上記実施例の作用を取扱手順に沿って説明
する。最初にカップリングスタッド取扱装置570 の作用
について説明する。ここで説明する取扱手順は、既にイ
ンターナルポンプ4の内部に装着されているカップリン
グスタッド674 とナット675 とをカップリングスタッド
取扱装置570 で分解する手順とする。組立手順は概ね分
解手順の逆である。
【0199】すなわち、カップリングスタッド674 を図
29に示したように台車装置550 に搭載し、モーターケー
ス16直下の作業ステージ306 上に移動する。この時の移
動手段は、(1) 直接図1に示した回転プラットホーム10
3 上から2台の電動チェンブロック375 を同時操作して
台車装置550 ごと作業ステージ306 上に垂直移動する方
法と、(2) あらかじめ台車装置550 ごと作業用プラット
ホーム202 上にあげておき、作業用プラットホーム202
上を水平移動して作業ステージ306 上に搭載する方法と
の二つの方法がある。通常、後者(2) の方法が採用され
るが、そのインターナルポンプ4の据付られた位置の周
囲の障害物の事情に応じて、前者(1) の方法が採用され
る。
【0200】後者(2) の方法の場合、あらかじめ台車装
置550 ごと作業用プラットホーム202 上にあげておくた
めには、分解・点検作業中の当該のインターナルポンプ
4の両隣の分解・点検しないインターナルポンプ4に同
時操作式電動チェンブロック375 を架設し、その電動チ
ェンブロック375 と作業ステージ306 の昇降ルートか
ら、あらかじめ作業用プラットホーム202 上にあげてお
く。
【0201】10台設置されているインターナルポンプ4
の内、毎年の定期点検では、2台ごとを分解・点検す
る。定期点検するインターナルポンプ4の選定は、前記
ルートを確保するためと作業が錯綜しないために配置の
遠く離れた2台を選定する。したがって、常に両隣二つ
の昇降ルートが使えることになる。
【0202】図29に示したように台車装置550 の油圧ピ
ストン・シリンダー機構553 を作動・上昇させ、図31に
示すシリンダー575 の筒状延長部の先端がスラストディ
スク672 のナット675 の締付面に接した状態で停止させ
る。この時、ボルト571 の上端の雄捩子の先端は、カッ
プリングスタッド674 の下端の雌捩子に衝突し、コイル
スプリング582 を圧縮した状態になっている。そこで、
ボルト571 の下端の六角頭を右回転すれば、前記の雌・
雄捩子が捩じ込まれ、結果的にボルト571 がカップリン
グスタッド674 に締結されたことになる。
【0203】前記締結が完了した時点で、取手579 を回
転方向に若干揺動させれば、コイルスプリング580 が圧
縮されているので、筒578 の上端の突起(凸部:図示省
略)は、ボルト571 を回転させるためのナット675 の凹
部にガチン音を発して係合する。
【0204】次に、油圧配管581 に圧油を供給して中空
ピストン572 を引下げると、ボルト571 を介してカップ
リングスタッド674 が引き伸ばされる。カップリングス
タッド674 が引き伸ばされれば、ナット675 とスラスト
ディスク672 の間に隙間が生ずる。隙間が生ずれば、取
手579 でナット675 を若干右回転する。次に、配管581
の圧力を除去すると、コイルスプリング582 によって中
空ピストン572 が作動油を排出する。
【0205】ナット675 を緩めるために右回転するの
は、カップリングスタッド674 の捩子が左捩子であるか
らである。カップリングスタッド674 の捩子が左捩子で
ある理由は、軸20が右回転(標準回転)するので回転力
でカップリングスタッド674 が緩まないための処置であ
る。
【0206】上記作業が終了し、台車装置550 のピスト
ン軸558 を下降させカップリングスタッド取扱装置570
が下降したら、作業員が手でナット675 をさらに右回転
して取外せば一連の作業が完了する。
【0207】カップリングスタッド674 を締めこむ場合
のカップリングスタッド674 の残留締込応力は、前記の
圧油の圧力(油圧)を調整することによって任意に調整
される。また、スラストベアリング585 とスラストベア
リング584 はそれぞれ、ボルト571 とナット675 との回
転力を低減するために必要である。
【0208】次に仮モーターカバー590 の作用について
説明する。図32に示したように仮モーターカバー590 は
モーターケース16の内部に据付けられているモーター17
とモーターカバー17a が分解された後、モーターカバー
17a の代わりにモーターケース16に取付けられ、モータ
ーケース16内部の炉水の洩洩を防止する。すなわち、仮
モーターカバー590 は、モーターケース16の内部に軸20
とカップリングスタッド674 だけしかない状態でモータ
ーケース16内部の炉水の漏洩を防止している。仮モータ
ーカバー590 は、台車装置550 に搭載され、カップリン
グスタッド取扱装置570 や補助フランジ取扱装置500 と
同じ移動ルートで運搬される。
【0209】本実施例によれば前述した発明が解決しよ
うとする課題を解決することができる。 (1) 奥まった狭隘な位置にある大口径のナットを下側か
ら(上向き姿勢で)締め・緩め作業を行うことができ
る。一般に油圧を用いた狭隘な箇所で用いるこの種のボ
ルト締付装置は、世の中で広く用いられて既に公知であ
る。しかし、既に公知のものは、(a) ボルトを上から締
付けるもの、または、(b) 横から締め付けるもの、また
は、(c) 小径ボルトを下から締付けるものからである。
この実施例の特徴は、大口径の長尺ボルト571 を下から
締付ることができることにある。そのための機構上の特
徴を一言でいえば、重力に逆らう二つのコイルスプリン
グ580,582 と、昇降機能が付いた台車装置550 である。
【0210】(2) 「昇降装置のない場所での上向きの締
め・緩め作業なので、人力で締め・緩め装置(取扱装
置)を装着しなければならないこと。」が解決される。
すなわち、重作業(動力作業)は、全て遠隔ボタン操作
の油圧・電気動力で作業される。台車装置550 の水平移
動作業は只一つ残された重作業(動力作業)だが、この
作業は、台車装置550 に装着された車輪によって大幅に
労力が削減される。また、長尺ボルト571 の締め・緩め
作業と取手579 を調整する作業だけが人力作業だが、こ
れは極めて軽作業である。
【0211】(3) 人力作業を削減するためには、台車装
置550 のみならず、同時操作ができる2台の電動チェン
ブロック375 と台車装置550 とが極めて有効である。す
なわち、台車装置550 を作業ステージ306 に搭載するに
は、作業ステージ306 を折畳んで通過孔203 を解放した
状態で、台車装置550 を2台の電動チェンブロック374
で回転プラットホーム103 からモーターカバー17aの直
下ぎりぎり一杯まで吊上げる。しかる後、作業ステージ
306 を開いて台車装置550 を作業ステージ306 上に吊り
下ろして搭載する。これら一切の昇降を螺杆152 のルー
ト1つに頼っていた従来技術に比べ前項の昇降ルートが
分解・点検するインターナルポンプ4の両隣に複数架設
できるので、器材の昇降に便利・有効である。特に、あ
らかじめ、取扱に必要な器材や装置を隣接ルートを使っ
て作業用プラットホーム202 上に集中できる効果は極め
て大きい。その作業時間の短縮効果は、一層顕著なもの
となる。なお、インターナルポンプ4を取扱うために
は、ペンチ・スパナの類いの汎用工具を除いて、10〜20
(十数)セットの機械・器具・装置が、このルートを通
して昇降される。
【0212】(4) 上記の結果として、放射線環境下の作
業が短時間にできることは言うまでもない。さらに、前
記作業の短時間効果と、遠隔ボタン操作のため、作業員
が滴下する炉水を浴びる量が軽減される効果の相乗効果
から、作業員の放射線被曝が大幅に軽減する。すなわ
ち、一連の作業は、原子炉に炉水が満たされたままの状
態で行われる。炉水が炉内からモーターケース16の内部
に流出しないよう、炉水を遮断して作業が行われる。遮
断には、モーター上部に設置されている仮の水密機構を
働かせる。仮の水密機構から若干漏洩する場合や、仮の
水密機構が働いて、完全に炉水の漏洩が止まったとして
も、モーター内部の狭隘な隙間に残存した炉水が、雨が
止んでも雨漏りが続く如く、かなり長時間滴下を続け
る。これら一連の作業は、原子炉の停止時間を削減する
ため、炉水が滴下中に行われる場合がある。
【0213】(5) 作業が簡単・確実にできることは、放
射線の完全防護装備下の作業に極めて有効である。二人
で作業する必要はなく、一人作業で取扱うことができ
る。
【0214】(6) 作業ステージ306 と同時操作式電動チ
ェンブロック375 と台車装置550 とを用いれば、螺杆15
2 が設置された状態でも、モーターカバー17a直下での
補助フランジ取扱装置500 とカップリングスタッド取扱
装置570 と仮モーターカバー590 との取扱作業が螺杆15
2 に邪魔されることなく実施できる。
【0215】本実施例では上記説明の外に次に述べる変
形例がある。 (1) 油圧を空気圧または水圧に変更することにより、そ
れなりの特色を発揮することが可能である。 (2) コイルスプリングを空気バネに変えてそれなりの特
色を発揮することが可能である。 (3) 中空ピストン572 は、単動型であるが複動型にして
それなりの特色を発揮することが可能である。 (4) カップリングスタッド取扱装置570 を軽量化し、人
力搬送ができるようにして台車装置550 を省略すること
は可能である。この場合、長尺ボルト571 をカップリン
グスタッド674 に係合するまで人力でその位置を支持し
ていればよい。その時は、一人がカップリングスタッド
取扱装置570 の自重を支え、他の一人が長尺ボルト571
を回してカップリングスタッド674 と係合する二人作業
になる。この場合コイルスプリング582 が不要となるこ
とは言うまでもない。 (5) 上記の場合、簡単な治具を用いて、カップリングス
タッド取扱装置570 を補助カバーを取付ける雌捩子穴に
預ければ(仮固定すれば)作業員一人で取扱うことがで
きる。
【0216】本実施例によれば次の効果がある。 (1) 同時操作が出来る2台の電動チェンブロック375
と、簡単に開閉できる作業テーブル306 とがあるので、
台車装置550 の昇降ができるとともに、カップリングス
タッド取扱装置570 を操作するための定位置に保持・固
定ができる。なお、作業ステージ306 がこの一連の作業
のために極めて有効であることは言うまでもない。 (2) カップリングスタッド取扱装置570 により簡単・確
実・安全にカップリングスタッドの締付けと緩めができ
る。 (3) カップリングスタッド取扱装置570 や補助フランジ
取扱装置500 に代えて台車装置550 上に仮モーターカバ
ー590 を搭載すれば、これらの装置と全く同じ手順で仮
モーターカバー590 を取扱いすることができる。
【0217】(4) シリンダー575 の外径がモーターカバ
ー17aの補助フランジ680 取付穴内径と一致しているの
でナット675 と筒578 、およびカップリングスタッド67
4 とボルト571 の係合状況が目視できなくても係合でき
る。
【0218】本実施例の実施態様は次のとおりである。 (1) ナット回転機構と、前記ナット回転機構の締付トル
ク伝達部材(筒578 )を弾性(コイルスプリング)を有
して軸方向に押し上げる手段と、ボルト571 を弾性(コ
イルスプリング)を有して軸方向に押し上げる手段と、
スタッドを引伸ばす油圧ピストンと、前記機構を含む装
置全てを取扱状態に位置保持する手段とを具備したこと
を特徴とする。 (2) 前記位置保持手段は作業テーブル上にあって昇降機
能と水平移送機能とを有することを特徴とする。
【0219】(3) 複数の作業ステージ306 と複数の同時
操作式電動チェンブロック375 と台車装置550 とを用い
て補助フランジ取扱装置500 とカップリングスタッド取
扱装置570 と仮モーターカバー590 の取扱作業を行うこ
とを特徴とする。
【0220】次に図33から図38と、図2,図18から図20
を参照して本発明に係る第の実施例を説明する。この
の実施例はインターナルポンプの取扱装置用レスト
レイント装置に関し、請求項に該当する第の発明で
ある。図2は螺杆と振止装置の関係を説明する立面図、
図18と図19はレストレイント装置303 と螺杆移動装置37
0 を説明するポンプケース付近の断面図、図20はモータ
ー取扱装置399 の全体取扱状況を説明する側面図、図33
はレストレイント装置303 の下部結合機構600 の結合状
態を説明する断面図、図34はレストレイント装置303 の
下部結合機構600 の結合状態を説明する側面図、図35は
図34のF−F断面を示す断面図、図36はブロック604 の
形状を示す斜視図、図37は下部結合機構600 が分離され
た状態を説明する断面図、図38は下部結合機構600 を離
反するための準備状態を示す断面図である。
【0221】図2に示したようにインターナルポンプ4
には2本のレストレイント装置303が原子炉圧力容器1
とモーターカバー17a を結合している。レストレイント
装置303 の機能は万が一、何等かの事故でモーターケー
ス16を含むインターナルポンプ4が原子炉圧力容器1か
ら分離破断して落下する事故を未然に防止するためにあ
る。
【0222】レストレイント装置303 は定期点検でイン
ターナルポンプ4を分解・点検するごとに原子炉圧力容
器1との結合点(上部結合点)を支点として振子のよう
にスイングさせる必要がある。上記スイングはモーター
カバー17a との結合点(下部結合点)の結合を解除して
行う。
【0223】本実施例はモーターカバー17aとの結合点
(下部結合点)の解除・結合作業を簡単に行うことので
きるレストレイント装置303 の構造に関するものであ
る。
【0224】なお、公知例AおよびBのインターナルポ
ンプの断面図には、レストレイント装置303 は一切表現
されていない。また、例えば特開昭62−263498号公報の
第5図から第7図にレストレイント装置の概略構造が記
載されている。
【0225】インターナルポンプ4が運転状態にある場
合のレストレイント装置303 の従来構造の一例を図2中
に示している。インターナルポンプ4が分解・点検状態
にある場合の従来構造の一例を図18中と図19中に示して
いる。このレストレイント装置303 のモーターカバー17
aとの結合点(下部結合点)の構造は、単純なピン結合
である。
【0226】単純なピン結合には以下の欠点がある。 (1) 分離破断して落下する事故を未然に防止することを
想定した「力」に比べ、温度差による熱膨脹による著し
く過大な「力」がレストレイント装置303 の系統に作用
する。 (2) 過大な力が作用している時、ピン結合の解除・結合
を行うことは極めて困難である。 (3) 上部結合点と下部結合点間の長さは、個々のレスト
レイント装置303 によって微妙に異なる。レストレイン
ト装置303 の長さを個々の据付寸法に合わせる必要があ
る。
【0227】以上の欠点は、通常の技術者が容易に予想
される。予想される不具合点を改良するための種々の設
計がなされてきた。例えば、前記の(1) 項(2) 項を解決
するためには、スプリングを用いることが考えられた。
前記(3) 項を解決するためには、ターンバックル機構等
の調節機構か、捩子による調節機構が考えられた。
【0228】しかし、このレストレイント装置303 が破
断・分離した場合、モーターケース16の落下エネルギー
を棒の塑性変形で吸収する機能も受け持つため、単純に
レストレイント装置303 の中央部にターンバックル機構
を取付ることができない設計上の制約がある。したがっ
て、(3) 項を解決するためには、下部結合点付近に捩子
よる調節機構を配設する設計を採用する必要があった。
捩子による調節機構が配設されれば、据付誤差の累積に
よる捩子の片当たりを防止するために、下部結合部付近
に球面座金が必要になる。
【0229】上記の要求を満足するために種々の構造が
提案されてきた。しかし、(1) いずれの構造でも捩子に
よる調節機構の捩子径が70〜80mm(130kW 級原子炉では
M72である)に達するため構成する部品が大型化する恨
みがあった。したがって、いずれの構造でも下部結合点
での分離作業を行うに伴い、30〜40kg程度の部品が分離
(分解)されて出てくるので、支持・保持,携帯・運搬
のために作業員の大きな負担になっていた。
【0230】また、(2) いずれの構造でも部品が大型化
し、大型部品が分解されて出てくるとともに、ボルト・
ナット・座金の類いの小型部品が分解されて出てくる。
軍手の上にゴム手袋をはめ、放射線防護マスクを被り、
ウエットスーツを着た放射線作業の完全保護衣等を装着
した状態で、これらの小型部品を扱う場合、落下・紛失
の危険がないとも限らない。もちろん、この作業上の
路は結合作業(組立)においても同様である。
【0231】本実施例はインターナルポンプのレストレ
イント装置の下部結合点の結合・分離作業において、作
業員の安全・特に腰痛防止・部品の落下事故防止、およ
び前記作業のスピードアップが可能なインターナルポン
プのレストレイント装置を提供することにある。
【0232】また、前記下部結合点の分離作業に伴い、
分離される部品が生じない構造にするもので、すなわ
ち、分離作業に伴い部品が分離されないので作業員が部
品を支持・携帯する必要がなくなることを狙ったもので
ある。
【0233】以下、下部結合点付近の構造図として図33
から図38を用いて実施例の構成を説明する。レストレイ
ント装置303 のシャフト384 の下端には下部結合機構60
0 のための一段太い円筒型のボス601 が形成されてい
る。ボス601 の中心部には、雌捩子602 が形成されてい
る。前記雌捩子602 の上部には雌捩子602 より一段大き
い円筒穴603 があけられている。
【0234】モーターカバー17aから羊羮型の2本の引
掛部材158 が平行的に一体的に形成されている。前記引
掛部材158 の下面には両側の引掛部材158 に橋を架ける
ような形のブロック604 が配設されている。ブロック60
4 には穴が貫通しており、その貫通穴の下端には球面座
612 が形成されている。球面座612 の凹部に球面座金60
5 の凸部が嵌まり合うように穴付き球面座金605 が配設
されている。球面座金605 の下面には皿バネ606 が配設
されている。皿バネ606 はフランジ付六角ボルト607 の
鍔613 によって支持されている。フランジ付六角ボルト
607 の先端の雄捩子608 はボス601 の雌捩子602 に捩込
まれている。
【0235】2本の引掛部材158 の下面にはそれぞれに
直行した溝609 が形成されている。ブロック604 は円筒
(または、円盤)を平行に切落とした形状を呈してい
て、そのおおよその外観は直方体に近似している。ブロ
ック604 の上面には図36に示したように長手円筒面付近
に切欠き611 が形成されているため、突起610 が形成さ
れている。
【0236】次に上記実施例の作用を説明する。引掛部
材158 の下面とブロック604 の上面の切欠き611 の底面
が接触して力を伝達している。溝609 と突起610 とは嵌
め合わされ、相互に係合している。この係合のために地
震が生じてレストレイントシャフト384 やブロック604
が如何なる方向に振られても、引掛部材158 とレストレ
イント装置303 との下部結合機構600 は結合状態を保持
することができる。
【0237】定常運転状態の下部結合点の結合状態を図
33から図35に示す。定常運転状態ではフランジ付六角ボ
ルト607 によって皿バネ606 を適度に圧縮変形させるこ
とにより生ずる力が、レストレイント装置303 の上部結
合点と下部結合点間のレストレイントシャフト384 に作
用している。
【0238】原子炉の加熱とインターナルポンプ4の運
転とに起因するモーター16の熱膨脹により皿バネ606 が
圧縮されるが、レストレイント装置303 に過大な力を作
用させることはない。これはレストレイント装置303 が
空気中にあるので、モーター16より加熱されないためで
ある。
【0239】レストレイント装置303 に過大な力が作用
しないので、結合間の解除・結合作業が容易に行える。
個々のレストレイント装置303 の上部結合点と下部結合
点間の長さの微妙な差はボルト607 の捩子により調節・
吸収される。また、捩子による調節機構が配設されて
も、球面座金605 を配置したので、据付誤差等の誤差の
累積による捩子の片当たりを防止できる。
【0240】次に下部結合点が結合されている状態から
結合を解除する方法を手順を追って以下に説明する。結
合方法は、概ね解除の逆である。フランジ付六角ボルト
607 を左に回転し、雄捩子608 と雌捩子602 を緩める
と、フランジ付六角ボルト607 が下降する。この下降に
したがって、フランジ付六角ボルト607 のフランジに引
掛かっている皿バネ606 と球面座金605 とブロック604
が下降する。暫時下降を続け、溝609 と突起610 との嵌
め合い(係合)が解除されたら、ブロック604 をその場
で90゜(90度)回転する。90゜(90度)回転すると、図
35の二点鎖線で示すようになる。
【0241】次に、フランジ付六角ボルト607 を右に回
転して、雄捩子608 と雌捩子602 を締め上げる。引掛部
材158 の内のりは、ブロック604 の平行幅と球面座金60
5 の最大直径より大きいので、フランジ付六角ボルト60
7 と皿バネ606 と球面座金605 とブロック604 は引掛部
材158 の内のりを上昇する。
【0242】フランジ付六角ボルト607 の右回転を続
け、ブロック604 の上面がボス601 の下端に衝突するま
で上昇させる(締上げる)。この状態で衝突するまで上
昇させる(締上げる)とブロック604 を90゜(90度)回
転した(図35の二点鎖線で示す)状態でボス601 に固定
される。
【0243】上記の状態で下部結合点が分離されたレス
トレイント装置303 は上部結合点の十字継手382 で吊さ
れただけの自由状態となったレストレイントシャフト38
4 を掴んで図18に示す如く、ボス601 を鉤385 に引掛け
れば螺杆152 を据付られる状態になる。
【0244】次に上記実施例の効果を説明する。 (1) 引掛部材158 の下面とブロック604 の上面の係合が
しっかりしているので、地震やその他の異常な力が引掛
部材158 とレストレイント装置303 との下部結合機構60
0 は結合状態を保持することができる。 (2) 原子炉の加熱とインターナルポンプ4の運転とに起
因するモーターケース16の熱膨脹が皿バネ606 により吸
収されるので、レストレイント装置303 と引掛部材158
と原子炉圧力容器1とモーターケース16とに過大な力が
作用しない。 (3) 個々のレストレイント装置303 の上部結合点と下部
結合点間の長さの微妙な差はフランジ付六角ボルト607
の捩子により調節・吸収される。また、捩子による調節
機構が配設されても球面座金を配置したので、据付誤差
等の誤差の累積捩子の片当たりを防止できる。 (4) フランジ付六角ボルト607 の緩め・締め(回転)の
単純作業で解除と結合が行える。
【0245】(5) 下部結合点での分離作業を行うにとも
ない、部品が分離(分解)されないため、作業員が部品
を支持・保持,携帯・運搬する必要がないので作業員の
負担が大幅に軽減される。さらに、作業員の安全・特に
腰痛防止、部品の落下事故防止および前記作業のスピー
ドアップが可能である。また、分離される部品が生じな
い構造なので部品をまちがって落下させて怪我をした
り、部品を損傷したり紛失することがない。これらの効
果は、結合作業(組立)においても同様である。 (6) フランジ付六角ボルト607 の雄捩子608 がボス601
の穴603 に収容できるのでレストレイント装置303 の全
長を短くすることができる。短くなると、(上部結合点
の)十字継手382 で吊されただけの自由状態でレストレ
イントシャフト384 を掴んで(図18に示す如く)ボス60
1 を鉤385 に引掛ける場合、周囲の配管・配線・隣接機
器に干渉しなくなる。この干渉防止効果はジャングルの
ように密集したこの付近の状況で(ボス601 を鉤385 に
引掛けるために)レストレイント装置303 を振回す時、
極めて有効である。 (7) レストレイント装置303 の全長が短くなると、ボス
601 を鉤385 に引掛けた時の垂直線とレストレイントシ
ャフト384 とのなす角度(図18においてθで示す)が大
きくなり、手動チェンブロック374 ,電導チェンブロッ
ク375 および螺杆152 の据付のための空間が広がり、こ
れらの据付工事が容易になる。
【0246】次に本実施例に係る他の実施例(AとBの
2例)を説明する。図33を用いて他の実施例Aについて
説明する。上記実施例によれば、通常の定期点検におい
て下部結合点での分離作業を行う必要はない。しかし、
何等かの理由で結合点を分離したい場合も発生する。
【0247】この分離の場合、作業員は暫時、フランジ
付六角ボルト607 を緩めるが雄捩子608 と雌捩子602 の
係合が離れると、その瞬間、作業員は、フランジ付六角
ボルト607 と皿バネ606 と球面座金605 とブロック604
との自重(約70kg程度)を支えることになる。前記係合
が外れる瞬間には、何等のまえぶれ現象がないので、作
業員にとって危険を伴うことがある。
【0248】何等かの理由で結合点を分離したい場合、
図38に示したように穴603 の奥に雌捩子621 を切り、フ
ランジ付六角ボルト607 の中心部に貫通穴622 を設け
る。この貫通穴622 を通し、前記雌捩子621 にコイルス
プリング624 を装着した軸の長いボルト623 を捩込んで
結合する。
【0249】このように準備しておくと、フランジ付六
角ボルト607 を緩めていき、雄捩子608 と雌捩子602 の
係合を離し、フランジ付六角ボルト607 と皿バネ606 と
球面座金605 とブロック604 とをコイルスプリング624
に落下させる。次に前記落下物(フランジ付六角ボルト
607 と皿バネ606 と球面座金605 とブロック604 )を作
業員が保持する。保持した状態で他の作業員が、コイル
スプリング624 を装着した軸の長いボルト623 を緩め取
外せば、一連の作業が完了する。
【0250】以上の方法によれば、下部結合点の雄捩子
608 と雌捩子602 の係合部分から安全に分離(分解/分
割)できる。結合(組立)の場合は、この逆の手順で作
業すれば安全に結合できる。
【0251】次に図33を用いて他の実施例Bを説明す
る。このレストレイント装置303 では、据付時に皿バネ
606 を適正に締付けておくことがポイントである。皿バ
ネ606 を適正に締付けるには、締付けによって変化する
皿バネ606 の高さを計測し適正な高さに調節する必要が
ある。
【0252】そのため、作業員は軍手の上にゴム手袋を
はめ、放射線防護マスクを被り、ウエットスーツを着た
放射線作業の安全防護衣を完備した状態で、計器例えば
ノギスで皿バネ606 の高さを計測する。フランジ付六角
ボルト607 の締め代を調節する作業は、かなり煩わしい
作業であるため、場合によっては過誤を生じないとも限
らない。
【0253】そこで、球面座金605 に円筒型の鍔613 を
形成し、皿バネ606 が適正に締付けられると鍔613 の下
端とフランジ付六角ボルト607 の上端が一致する。この
ようにしておくと、計測手段が不要になるばかりでなく
調節行為も簡単で確実なものとなる。
【0254】本実施例によればインターナルポンプ4の
分離破断・落下を確実に防止し、かつ下部結合機構600
を単純な作業で引掛部材158 から安全・確実に結合・分
離できる。また、インターナルポンプ4の周囲の配管・
配線・隣接機器に干渉し難く、インターナルポンプ4の
取扱のために空間を広く活用できる。
【0255】さらに、ボルト623 を用いれば、結合点で
分解・組立したい場合に容易に分解・組立でき、引掛部
材158 との分離・結合に際し一切のルーズパーツが生じ
ることがなく、スパナ1本で組立・分解ができるから、
放射線防護の完全装備での作業に好適である。
【0256】上記実施例の実施態様は次のとおりであ
る。 (1) 捩子による長さ調節機構と、球面調芯機構と、モー
ターカバー17a に形成された引掛部材と、引掛部材に引
掛けるブロックとを有するレストレイント装置303 にお
いて、前記ブロックの一方の幅を引掛部材の内のり寸法
より小さく、一方の幅を引掛部材の内のり寸法より大き
くしたことを特徴とする。 (2) 引掛部材とブロックの接触面に係合のための突起を
付けたことを特徴とする。 (3) 引掛部材との係合解除後、レストレイント装置の全
長を短くできる穴603 を設けてなることを特徴とする。 (4) 穴603 の上端に捩子を形成し、フランジ付六角ボル
ト607 の中心部に貫通穴622 を形成したことを特徴とす
る。 (5) 皿バネ606 の適正締め代を計測機を用いずに認知す
る手段を有することを特徴とする。
【0257】
【発明の効果】本発明によれば、従来の課題を解決して
レストレイント装置と螺杆の切替作業を簡単・確実かつ
放射線被曝が少なく安全に行うことができる。特に、螺
杆でモーターを昇降させる作業に際して、作業用プラッ
トホームの通過孔が開放している場合、通過孔に作業員
が転落することを未然に防止できる。また、通過孔を何
等動力を使用しないで、任意自在に開閉することができ
るので、インターナルポンプの分解・点検・組立などの
作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインターナルポンプの取扱装置に
おける第1の発明を一部概略的に示す縦断面図。
【図2】本発明に係るインターナルポンプの取扱装置に
おける第2の発明の作業ステージを一部側面で示す縦断
面図。
【図3】図2において、閉鎖状態の作業ステージが徐々
に開いていく状態を説明するための立面図。
【図4】図2において、作業ステージが開放し、通過孔
が閉鎖している状態を示す立面図。
【図5】図2における作業ステージを示す斜視図。
【図6】図4における作業ステージの使用状態を示す斜
視図。
【図7】図6における状態の作業ステージを一部切欠し
て示す上面図。
【図8】図3における作業ステージの動作原理を説明す
るための縦断面図。
【図9】図2における作業ステージの補助ステージの取
付状況を示す平面図。
【図10】図9におけるA−A矢視方向を切断して示す
横断面図。
【図11】図2における作業ステージの開閉操作力を説
明するための曲線図。
【図12】図2における螺杆と振止め装置との関係を説
明するための側面図。
【図13】図12における振止め装置付近を拡大して示す
立面図。
【図14】振止め装置の装着状況を上部から見た平面
図。
【図15】第の発明において螺杆の上部軸受を一部断
面で示す立面図。
【図16】図15のB−B矢視方向から見た側面図。
【図17】図15のC−C矢視方向から見た側面図。
【図18】第4の実施例におけるレストレイント装置と
螺杆移動装置を説明するポンプケース付近を示す側面
図。
【図19】図18における断面図。
【図20】第の発明においてモータ取扱装置の全体取
扱状態を示す側面図。
【図21】図20において昇降治具でモータ取扱機を上限
まで吊り上げた状態を説明するための一部断面で示す立
面図。
【図22】図21のD−D矢視方向を切断し、モータ取扱
装置を示す平面図。
【図23】第6の発明においてモータ取扱機と昇降治具
の取扱状態を示す側面図。
【図24】図23におけるモータ取扱機を一部縦断面で示
す側面図。
【図25】第の発明においてナット着脱装置を示す縦
断面図。
【図26】第の発明において、インターナルポンプの
逆転防止機構を示す縦断面図。
【図27】第の発明において、補助フランジ取扱装置
を示す縦断面図。
【図28】図27のE−E矢視方向を切断して示す横断面
図。
【図29】第の発明において、補助フランジ取扱装置
と台車装置の取扱状態を示す立面図。
【図30】第の発明において補助フランジを取外して
カップリングスタッドを取扱う状態を示す縦断面図。
【図31】図10におけるカップリングスタッド取扱装置
を示す縦断面図。
【図32】図30において仮モータカバーの取扱状態を一
部側面で示す縦断面図。
【図33】第の発明においてレストレイント装置の下
部結合機構の結合状態を示す縦断面図。
【図34】図33における側面図。
【図35】図34のF−F矢視方向を切断して示す横断面
図。
【図36】図34におけるブロックを示す斜視図。
【図37】図33における下部機構が分離された状態を示
す縦断面図。
【図38】図33における下部機構を離反するための準備
状態を示す縦断面図。
【図39】従来例を説明するためのインターナルポンプ
を備えた沸騰水型原子炉を概略的に示す縦断面図。
【図40】図39におけるインターナルポンプを示す縦断
面図。
【符号の説明】
1…原子炉圧力容器、2…シュラウド、3…炉心、4…
インターナルポンプ、5…ダウンカマ、6…気水分離
器、7…蒸気乾燥器、8…給水スパージャ、9…制御棒
駆動機構、10…ポンプ、11…ディフューザ、12…インペ
ラ、13…ストレッチチューブ、14…ストレッチチューブ
ナット、15…スタブチューブ、16…モーターケース、17
…モーター、17a…モーターカバー、18…スタッドボル
ト、19…ナット、20…軸、 101…ペデスタル、 103…回
転プラットホーム、 130…モーター取扱機、 131…モー
ター取扱機昇降機構、 140…移動台、 150…駆動体、 1
51…回転駆動機構、 152…螺杆、 153…軸受、 154…コ
ネクター、 155…欠番、 156…ボールナット、 157…モ
ーターケースの引掛部材、158…モーターカバーの引掛
部材、 160…ボルト、 202…作業用プラットホーム、 2
03…通過孔、 301…断熱材、 302…遮断材、 303…レス
トレイント装置、 304…給電端子、 305…給電ケーブ
ル、 306…作業ステージ、 307…傾斜台、 311…踏板
(1) 、 311a…踏板リブ、 312…軸(B) 、 313…踏板
(2) 、 313a…踏板リブ、 314…軸(A) 、 315…ねじり
コイルスプリング、 316…スプリング押え、 317…ハン
ドル、 318…スプロケット(B) 、 319…スプロケット
(A) 、 320…リンクチェン、 321…軸受、322…補助ス
テージ、 323…補助ステージ用ピン、 324…補助ステー
ジ用軸受、325…踏板(3) 、 330…振止め装置、 331…
車輪、 332…フープ、 333…クランプ、 334…ピン、 3
35…突起、 336…係合ピン、 337…防振ゴム、 338,339
…ガイド、 340…ブッシュ、 341…クランプ、 342…ピ
ン、 350…螺杆係合機構、 351…スラストボールベアリ
ング、 352…二つ割りフランジ、 353…穴付ボルト、35
4…鍔、 355…穴、 356…植込ピン、 357…係合ピン、
358…把握、 359…鍔、 360…吊穴、 361,362…植込ピ
ン、 363…縦溝、 364…輪溝、 365…鎖、 366…軸受
穴、 370…螺杆移動装置、 371…構造梁、 372…レー
ル、 373…ジブ、 374…手動チェンブロック、 375…電
動チェンブロック、 376…ストッパー、 377…ジブフッ
ク、 378…フック、 379…補助構造梁、 381…ボルト・
ナット、 382…十字継手、 383…ボルト・ナット、 384
…レストレイントシャフト、 385…鉤、 386…アイプレ
ート、 399…モーター取扱装置、 400…昇降治具、 401
…リンク、 402…軸、 403,404,412…ストッパー、 405
…筒、 406…コイルスプリング、 407…架台、 408…箱
型台、 409…車輪、 410…リミットスイッチ回路、 411
…係合ピン、 412…ストッパー、 420…モータ取扱機、
421…ボルト、 422…フランジ、 423…ピストン、 424
…コネクター、 425…コネクター(ホース側)、426…
ホース、 427…シリンダー、 428,438…係合穴、 429,4
30…パッキング、431…スパイダー、 432,433…ボール
ベアリング、 434…係合穴、 435…ピストンロッド、 4
40…ナット着脱装置、 441…シリンダブロック、 442…
ボルト、 443…内ソケット、 444…Oリング、 445…外
ソケット、 446…突起、 447…雌穴、 448,449,455,464
…歯車、 450…軸、 451…ハンドル、 452…中空スピン
ドル、 453…フランジ、 454…握り、 456…中空ピスト
ン、 457,458…Oリング、 459…作動油、 460…油圧配
管、 461…外スプリング、 462…内スプリング、 463…
モーター、 464…歯車、 470…伸び測定装置、 471…
軸、 472…管、 473…ピストン、 474…スプリング、 4
75…継手、 476,477…捩子、 478…ダイヤルゲージ、 5
00…補助フランジ取扱装置、 501…旋回台、 502…ハン
ドル、 503…筒、504…コイルスプリング、 505…昇降
輪、 506…支持腕、 507…レバー、 508…倍力装置、 5
09…六角頭、 510…四角穴、 511…耳、 513…ピン、 5
14…穴、 515…窓、 516…歯車、 517…一方向ベアリン
グ、 518…中心軸、 519…メガネ板、 520…キー、 521
…軸受、 522…ナット、 523…歯車、 524,525…ボール
ベアリング、 526…筒、 527…メガネ板、 528…キー、
529…軸受、 530…軸、 531,532,533,534,535…歯車、
533a,534a,535a…軸、 536…歯車台、 537…レバ
ー、 538…ケース、 539…ボルト、 540…弗素樹脂板、
550…台車装置、 551…台枠、 552…ハンドル、 553…
油圧式ピストン・シリンダー機構、 554…ホース、 555
…油圧式ピストン・シリンダー機構、 556…車輪、 557
…ジャッキ、 558…ピストン軸、 570…カップリングス
タッド取扱装置、 571…ボルト、 572…中空ピストン、
573,574…Oリング、 575…シリンダー、 576…支持
脚、 577…支持フランジ、 578…筒、 579…取手、 58
0,582…コイルスプリング、 581…配管、 583…ボル
ト、 584,585…スラストベアリング、 590…仮モーター
カバー、 591…カバー、 592…ステー、 593…フラン
ジ、 594…ボルト、 595…凸起、 600…下部結合機構、
601…ボス、 602…雌捩子、 603…穴、 604…ブロッ
ク、 605…球面座金、 606…皿バネ、 607…フランジ付
六角ボルト、 608…雄捩子、 609…溝、 610…突起、 6
11…切欠き、 612…球面座、 613…鍔、 621…雌捩子、
622…貫通穴、 623…ボルト、 624…スプリング、 650
…螺杆収納孔、 670…中空軸、 671…ローター、 672…
スラストディスク、 673…逆転防止機構、 674…カップ
リングスタッド、 675…ナット、 676,677…スラスト軸
受、 678…軸受ハウジング、 679…ラジアル軸受、 680
…補助フランジ、 681…六角穴付ボルト、 682…ステー
ターコイル。
フロントページの続き (72)発明者 酒巻 和雄 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番 地 株式会社東芝 京浜事業所内 (72)発明者 野島 宏之 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番 地 株式会社東芝 京浜事業所内 (72)発明者 八城 和夫 福島県福島市松川町字天王原九番地 北 芝電機株式会社内 (72)発明者 荒井 達朗 福島県福島市松川町字天王原九番地 北 芝電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−361197(JP,A) 特開 昭64−46693(JP,A) 特開 昭62−263498(JP,A) 特開 昭61−3086(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 19/02 G21C 15/243

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉圧力容器と回転プラットホームと
    の間に設けられている作業用プラットホームの通過孔を
    挿通する一対の螺杆と、これらの螺杆の上端部を回転自
    在に連結する軸受及びこの軸受をインターナルポンプの
    モーターケースの引掛部材に係合する係合ピンとで構成
    された螺杆係合機構と、この螺杆係合機構の前記軸受を
    吊り前記螺杆を移動する螺杆移動装置と、前記螺杆のね
    じにねじ込まれ前記インターナルポンプのモーターカバ
    ーの引掛部材に取り付けられるボールナットと、前記螺
    杆の下端部にコネクタを介して設けられた回転駆動機構
    と、前記回転プラットホームに設けられた前記螺杆を収
    納する螺杆収納孔とを具備したことを特徴とするインタ
    ーナルポンプの取扱装置。
  2. 【請求項2】 原子炉圧力容器と回転プラットホームと
    の間に設置された作業用プラットホームの通過孔に開閉
    可能に設けられた作業ステージであって、前記通過孔の
    近傍に設けられた第1の回転軸と、この第1の回転軸に
    回転可能に接続された第1の踏板と、この第1の踏板の
    先端部に設けられた第2の回転軸を介して接続された第
    2の踏板と、前記第1の回転軸に設けられ、前記第1の
    踏板を閉じる方向に付勢するコイルスプリングとを具備
    てなるインターナルポンプ取扱装置用の作業ステー
    ジ。
  3. 【請求項3】 前記螺杆係合機構は前記螺杆の上端部
    ラストベアリングを介して回転自在に連結する軸受
    と、この軸受ほぼ水平方向に貫して形成された軸受
    穴と、前記モーターケースの引掛部材に形成した引掛部
    材穴と、この引掛部材穴および前記軸受穴を引き抜き自
    在に係合する係合ピンとを具備したことを特徴とする請
    求項1記載のインターナルポンプの取扱装置。
  4. 【請求項4】 前記螺杆移動装置に設けられたチェンブ
    ロックに吊り下げられる昇降治具と、この昇降治具の架
    台に設置されたモーター取扱機と、このモーター取扱機
    に取り付けられたナット着脱装置と、このナット着脱装
    置に取り付けられたボルト伸び測定装置とを具備したこ
    とを特徴とする請求項1記載のインターナルポンプの取
    扱装置。
  5. 【請求項5】 前記インターナルポンプのモーターカバ
    ーの下端開口を閉塞する補助フランジを嵌め込んで搭載
    する旋回台と、この旋回台の前記モーターカ バーに前記
    補助フランジを取り付けるためのボルト位置に対向して
    設けられた複数の穴と、前記旋回台の下面に取り付けら
    れた下端開口の筒と、この筒の外側に装着されたスプリ
    ングと、このスプリング上に昇降自在に設けられた昇降
    輪と、前記旋回台の下面に前記筒より内側に突出して形
    成された円筒平歯車と、この円筒平歯車と噛合し前記筒
    の内部に設けられた歯車機構とを具備したことを特徴と
    する請求項1記載のインターナルポンプの取扱装置。
  6. 【請求項6】 前記インターナルポンプのポンプ軸の
    部に捩じ込まれたカップリングの下端部に捩じ込む軸
    の長いボルトと、このボルトを包囲する筒と、この筒を
    包囲するシリンダーと、このシリンダー内に設けられて
    前記筒を回転可能に支持するスラストベアリングと、こ
    のスラストベアリング上に載置され前記筒の下端部を支
    持するスプリングと、前記シリンダー内の前記スラスト
    ベアリングよりも下方の位置に嵌め込まれた中空ピスト
    ンと、前記シリンダーに取着され前記中空ピストンに圧
    力を加える圧力配管と、前記シリンダーの外側に設けら
    れてこのシリンダーを支持する支持脚と、この支持脚の
    下端部に接続された支持フランジと、この支持フランジ
    の上面中央部に設けられ前記長尺ボルトの下端部を支え
    るスプリングおよびスラストベアリングとを具備したこ
    とを特徴とする請求項1記載のインターナルポンプの取
    扱装置。
  7. 【請求項7】 前記モーターカバーに取着した引掛部材
    に引掛けるブロックと、このブロックの垂直方向に貫通
    して設けた穴と、この穴を貫通し球面調芯機構により支
    持されるレストレイントシャフトと、このレストレイン
    トシャフトに設けた長さ調節機構とを有し、前記ブロッ
    クの一方の幅を前記引掛部材の内のり寸法より小さく、
    他方の幅を前記引掛部材の内のり寸法より大きくしてな
    ることを特徴とする請求項1記載のインターナルポンプ
    の取扱装置。
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