JP3222360B2 - 平面ラップ盤及びこれを用いた研磨方法 - Google Patents

平面ラップ盤及びこれを用いた研磨方法

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JP3222360B2 JP17940195A JP17940195A JP3222360B2 JP 3222360 B2 JP3222360 B2 JP 3222360B2 JP 17940195 A JP17940195 A JP 17940195A JP 17940195 A JP17940195 A JP 17940195A JP 3222360 B2 JP3222360 B2 JP 3222360B2
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  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体ウエハ、磁気ディ
スク基板、ガラス基板等の各種ワークを研磨するための
平面ラップ盤に係り、特に、ワークの加工厚を測定する
ためのワーク厚検出装置の改良された構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、太陽歯車と内歯歯車との間に
遊星歯車状のキャリア板を配置し、このキャリア板にワ
ークを保持させた状態で、上定盤と下定盤との間にキャ
リア板を挟持させて研磨する平面ラップ盤が使用されて
いる。この場合、例えば太陽歯車は上定盤と共に回転
し、これとは独立に回転する内歯歯車との間においてキ
ャリア板が遊星運動、即ち自転運動をしながら公転運動
を行うことによって、ワークが上定盤と下定盤との間に
おいて偏りのない研磨作用を受けるようになっている。
【0003】このような平面ラップ盤による加工物は、
特に電子機器関連の用途拡大によって需要が増大してい
る。ここで、半導体基板、ディスク基板のラッピングに
おいては、従来から要求されていた平面度に加えて、近
年は厚さの精度が要求されるようになってきており、ワ
ークの厚さに対する仕上がり寸法が重要である。ワーク
厚を制御する場合、この平面ラップ盤においては、ワー
クの厚さを測定し、研磨によってワークが規定の厚さに
なった時点で研磨作業を終了するように制御する定寸装
置が設けられる。この定寸装置には種々のものがある
が、通常は上定盤の高さを計測して、この高さがワーク
の所望厚さに対応する値になった場合に研磨工程を終了
させるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の定寸装置においては、上定盤の回転軸の倒れ、上定
盤のうねり、厚さのばらつき、或いは機械の振動等に起
因して、回転する上定盤にふれが発生するので、このふ
れによって上定盤の高さを正確に測定することができな
くなるという問題がある。
【0005】この問題を解決するために、上定盤の高さ
の測定点を回転軸の中心部に設ける場合があるが、この
場合にも上定盤の傾きやうねりの影響を完全に除去する
ことはできず、しかも、回転機構との干渉により構造が
複雑になるとともに、既存の平面ラップ盤に改めて定寸
装置を設けること、定寸装置を交換すること等がきわめ
て困難であるという問題点がある。
【0006】また、上定盤のふれに伴う検出信号のノイ
ズを除去するために、検出信号を平均化してノイズを低
減する方法も考えられるが、定寸装置に要求される精度
に較べて上定盤のふれがかなり大きいため、単純な平均
化では有効なノイズ除去を充分に行うことができず、却
って平均化に起因する検出間隔の増大による弊害が顕著
になるという問題点がある。
【0007】そこで本発明は上記各問題点を解決するも
のであり、その課題は、上定盤の高さを簡易な機構によ
り容易に測定できるとともに、上定盤のふれに伴う測定
の障害を除去することのできる定寸装置の新規な構成を
実現することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上定盤と下定
盤との間に遊星運動を行うキャリア板を挟持させ、該キ
ャリア板にワークを保持させて研磨を行い、研磨中にお
ける該ワークの厚さを検出するワーク厚検出装置を備
え、該ワーク厚検出装置から得られたワーク厚検出値を
用いて研磨工程を制御する平面ラップ盤において、前記
上定盤若しくはこれに固定された部材の位置によりワー
ク厚に対応する検出信号を出力する検出センサを備え、
前記上定盤若しくはこれに固定された部材の1回転内に
複数の前記検出センサの検出値を読み出すとともに、前
記上定盤若しくはこれに固定された部材のn回転(nは
自然数)毎に前記検出センサの検出信号の複数の前記検
出値を平均化して回転平均検出値を得た後、前記上定盤
若しくはこれに固定された部材の1回転を最小単位とし
て、前記検出信号の変動周期に略対応する数若しくはそ
の自然数倍の連続した前記回転平均検出値を元に移動平
均を求めることにより前記ワーク厚検出値を得ることを
特徴とする。
【0009】また、前記上定盤若しくはこれに固定され
た部材の位置によりワーク厚に対応する検出信号を出力
する検出センサを備え、前記上定盤若しくはこれに固定
された部材の1回転内に複数の前記検出センサの検出値
を読み出すとともに、前記検出信号の変動周期に略対応
する数若しくはその自然数倍の連続した前記検出値を元
に移動平均を求めることにより前記ワーク厚検出値を得
ることを特徴とする。
【0010】これらの場合において、前記検出センサ
を、前記上定盤若しくはこれに固定された部材の高さを
検出する主検出センサと、前記上定盤若しくはこれに固
定された部材の回転方向に複数設けられた被検出子の存
在を検出する副検出センサとから構成することが好まし
い。
【0011】また、前記検出センサを、前記上定盤の周
囲から前記上定盤の縁部上に出没自在に構成することが
望ましい。
【0012】本発明によれば、検出センサからの検出信
号に基づいて、先ず、上定盤若しくはこれに固定された
部材の1回転内に読み出された複数の検出値を平均化し
て回転平均検出値を求め、次に、検出信号の変動周期に
略対応する数若しくはその自然数倍の連続する回転平均
検出値を元に移動平均を求めることによりワーク厚検出値
を得るようにしたので、回転平均検出値を求めることに
よって上定盤の一回転内の変動要素に起因する検出ノイ
ズを除去できるとともに、この回転平均検出値を元に検
出信号の変動周期に応じた移動平均を求めることによっ
て、検出信号の上定盤の回転周期以上の周期を持つ変動
要素の影響をも除去することができる。従って、従来に
ない高精度なワーク厚の検出が可能になり、ワークの高
精度加工ができるとともに、研磨途中においてワーク厚
を測定するための中断作業が不要になり、稼働効率を向
上させることができる。また、このような手段により検
出センサの検出位置を中心部以外の周緑部に設けても支
障なくワーク厚を高精度に得ることが可能になる。
【0013】本発明によれば、検出センサからの検出信
号に基づいて、検出信号の変動周期に略対応する数若し
くはその自然数倍の検出値を元に移動平均を求めること
によりワーク厚検出値を得るようにしたので、上定盤の
1回転内の検出値の変動とともに検出信号の長い変動周
期の影響を除去することができるので、従来にない高精
度なワーク厚の検出が可能になり、ワークの高精度加工
ができるとともに、研磨途中においてワーク厚を測定す
るための中断作業が不要になり、稼働効率を向上させる
ことができる。また、このような手段により検出センサ
の検出位置を中心部以外の周縁部に設けても支障なくワ
ーク厚を高精度に得ることができる。
【0014】本発明によれば、主検出センサの検出信号
を副検出センサのタイミング信号により読み込むことに
より、上定盤の所定の回転位置における検出値の取得を
簡昜に行うことができる。
【0015】本発明によれば、検出センサを研磨領域の
周囲から上定盤の縁部上に出没自在に構成することによ
り、上定盤の支持部の変形に影響されずに、検出センサ
の支持を安定して行うことができるので、検出センサの
位置ずれによる検出精度の悪化を防止することができ
る。
【0016】
【実施例】次に、図面を参照して本発明に係る平面ラッ
プ盤の実施例を説明する。この実施例は、図2に示すよ
うに、基盤10の中央部に円形の開口部11が形成さ
れ、この開口部11の中心部に回転可能に設けられた駆
動軸12が配置されている。駆動軸12は図示しないモ
ータにより所定回転で回転駆動されるようになってお
り、その周面に太陽歯車13が形成されている。
【0017】開口部11の周縁部には、内歯歯車14が
回転可能に軸支されており、図示しないモータにより回
転駆動されるようになっている。開口部11内の下方に
は、上記駆動軸12及び内歯歯車14とは独立に回転可
能に軸支され、若しくは基盤10に対して固定された下
定盤15が設けられている。
【0018】下定盤15の表面上には、遊星歯車として
形成された数個のキャリア板16が太陽歯車13と内歯
歯車14に噛合した状態で載置されている。このキャリ
ア板16には複数の保持孔が形成され、この保持孔内に
半導体ウエハやハードディスク用基板、ガラス基板等の
ワークを収容している。
【0019】基盤10における開口部11の傍らには支
持ポスト21が立設され、この支持ポスト21の上端に
は、昇降シリンダ22が取付けられている。昇降シリン
ダ22には下方へ垂直に伸びる支持ロッド23が設けら
れ、支持ロッド23の下端は取付部材24に回転自在に
接続されている。取付部材24は保持部材25を介して
上定盤26に固定されている。
【0020】上定盤26の中央には図示しない貫通孔が
設けられ、この貫通孔の上方には、上記駆動軸12と嵌
合する保持部材25の図示しない嵌合部が形成されてい
る。昇降シリンダ22が支持ロッド23を降下させて上
定盤26をキャリア板16上へ載置させると、駆動軸1
2と保持部材25とが嵌合して、駆動軸12の回転に伴
って上定盤26が回転するように構成されている。
【0021】支持ポスト21の上端部には取付具31が
設けられ、この取付具31に補助シリンダ32が取付け
られている。この補助シリンダ32は支持ロッド33を
介してホルダ34を昇降自在に保持しており、上定盤2
6が昇降シリンダ22によって昇降される場合に、昇降
シリンダ22と同期してホルダ34を昇降させるように
構成されている。この補助シリンダ32は、一旦上定盤
26がキャリア板16上に降下された後、研磨処理が開
始されると、支持ロッド33を上下方向に固定する。
【0022】ホルダ34の内側には、測長センサ36
と、タイミングセンサ37とが上記取付部材24の表面
に検出面を対向させるように取付けられている。測長セ
ンサ36は渦電流により取付部材24の表面との間隔を
検出する渦電流センサであり、タイミングセンサ37は
磁気により取付部材24の表面上に取付けられたドグ2
4bを検出する近接センサである。
【0023】図1には、上記平面ラップ盤の取付部材2
4を示す斜視図と、上記測長センサ36及びタイミング
センサ37の信号処理系を示すブロック構成図とを示
す。取付部材24の表面24aの外周寄りにはドグ24
bがその回転方向に等角度間隔に4つ取付けられてお
り、これらのドグ24bにより取付部材24が図2に示
す保持部材25に固定されている。測長センサ36の検
出面は表面24aの内周寄りに対向し、タイミングセン
サ37の検出面は表面24aの外周寄りに対向してい
る。
【0024】上定盤26の回転とともに取付部材24が
回転すると、内周寄りの測長センサ36は取付部材24
の表面24aの平坦部分の高さを連続的に検出する。測
長センサ36は渦電流を検出するものであるため、取付
部材24内に発生させた渦電流によって磁気的にある程
度表面24aの広い範囲を検出するので、接触型のセン
サ又は光学式センサのように表面24aの微細な凹凸や
砥粒その他のゴミの影響を拾うことがなく、安定した検
出値を得ることができる。
【0025】一方、タイミングセンサ37は表面24a
の外周寄りに取付けられたドグ24bの頭を周期的に検
知する。タイミングセンサ37の検出信号は上定盤26
が1回転する度に4回のパルスを出力する。
【0026】測長センサ36の検出信号は増幅器41に
入力されて増幅された後、A/Dコンバータ42に入力
されて所定間隔でサンプリングされた所定ビット数のデ
ィジタル信号に変換され、コンピュータ50に入力され
る。コンピュータ50では、このディジタル信号と別途
タイミングセンサ37から供給されるタイミング信号と
を受けて、回転平均処理手段51により処理を行う。
【0027】回転平均処理手段51の処理内容は、ま
ず、タイミングセンサ37からのタイミング信号によ
り、上定盤26の1回転につき4回の割合で上記ディジ
タル信号の信号値を読み込み、連続した4つの信号値を
平均化する。即ち、上定盤26の同一の1回転内に得ら
れた信号値の平均を求める。この平均値は、上定盤26
の1回転毎に更新される回転平均検出値として、移動平
均処理手段52に送出される。
【0028】移動平均処理手段52は、上定盤26の1
回転毎に得られる回転平均検出値を受けて、連続した1
0個若しくは11個の回転平均検出値の平均値を算出す
る。このとき、移動平均処理手段52の出力値であるワ
ーク厚検出値は、10個若しくは11個の回転平均検出
値を逐次1つずつずらして平均する移動平均として得ら
れるものであり、1つの回転平均検出値が検出される毎
に更新されたワーク厚検出値が出力される。
【0029】設定値保持手段53には、所定のワーク厚
に対応する設定値が予め設定され、保持されている。ワ
ーク厚検出値が設定値を下回ると、設定値比較手段54
は駆動系に停止指令Sを送出し、平面ラップ盤の研磨動
作は終了する。
【0030】上記実施例では、太陽歯車の歯数が99、
内歯歯車の歯数が315、キャリア板の歯数が107、
太陽歯車の回転速度は約0.25回毎秒、内歯歯車の回
転速度は太陽歯車とは逆方向の回転で約0.25回毎秒
である。この場合、太陽歯車と上定盤とは同期して回転
するので上定盤の回転数も0.25回毎秒となる。
【0031】図3は、上記実施例において、取付部材の
4つのドグの位置におけるそれぞれの検出値(DATA
−1,DATA−2,DATA−3,DATA−4:各
細線)と、上定盤26の1回転毎に4つの検出値を平均
して求めた回転平均検出値(平均:太線)とを示すもの
である。上定盤の回転数が70回転までは、研磨工程の
初期段階であり、上定盤のワークに加わる荷重を低減し
て研磨を行っている。その後、上定盤の全荷重をかけて
本格的に研磨を行い、上定盤26が降下して最終的に設
定値に到達した時点で、研磨動作が停止される。
【0032】図3から判るように、上定盤26の1回転
毎に1回だけ測定を行った場合(上記の1回転内の4つ
の検出タイミングの検出値DATA−1,DATA−
2,DATA−3,DATA−4のそれぞれ一つのみを
計測した場合)には、上定盤26の回転、キャリア板1
6の自転及び公転の影響により、上定盤26の約10.
5回転分の長周期の変動と、この長周期よりも短い上定
盤26の約2〜3回転分の短周期の変動とが重畳した大
きな上下変動が見られる。これに対して、上定盤26の
1回転内で検出された4つの検出値を平均した回転平均
検出値(図中の太線)ではこれらの上下変動がかなり低
減されている。
【0033】図4には、上記回転平均検出値(4点平
均)と、これを元に10回転若しくは11回転分の回転
平均検出値を元にして移動平均として求めたワーク厚検
出値(10点移動平均)とを比較して示したものであ
る。この場合の移動平均は、連続した10個若しくは1
1個の回転平均検出値から平均値を求め、次には、一つ
の新たな回転平均検出値を加えるとともに一つの最も古
い回転平均検出値を除去して平均をとるというように、
移動データ数を1つとして処理される。
【0034】この図4から判るように、移動平均により
求めたワーク厚検出値では、回転平均検出値において見
られた比較的小さな上下変動も消失し、滑らかな曲線と
なっている。ただし、10乃至11の回転平均検出値の
移動平均を採っているため、検出値の傾きに応じたタイ
ムラグが発生している。
【0035】図5は、図4のグラフの後半部分を拡大し
て示すものである。横軸の回転数は図4のものとは基準
点が異なる。このグラフからは、回転平均検出値(平
均)では、その上下変動の成分として上記の長周期の変
動と、短周期の変動とが僅かに残存しているが、移動平
均により求めたワーク厚検出値(移動平均)では、これ
らの2種の周期の変動がほぼ完全に除去されていること
が理解できる。
【0036】以上のように、本実施例では、上定盤の傾
きやうねり、キャリア板の自転及び公転周期、その他の
条件により発生する長短周期の検出値の上下変動を、上
定盤の1回転内の検出値の単純平均による回転平均検出
値を求め、さらに、回転平均検出値の移動平均によりワ
ーク厚検出値を求めるという方法によって、ほぼ完全に
なくすることができた。
【0037】この場合、移動平均を求める際の連続デー
タ数は、検出値の長周期の上下変動に略対応する数若し
くはその自然数倍であることが好ましい。ここで、移動
平均に用いるデータ数を増加させると誤差をさらに低減
することができるものの、タイムラグが大きくなるた
め、研磨速度の変化に追随できなくなる。したがって、
本実施例で10.5という長周期の変動に際して移動平
均のデータ数を10乃至11としたように、移動平均の
データ数を長周期の変動にほぼ対応したデータ数とする
ことが望ましい。
【0038】移動平均を求める際の1回に移動するデー
タ数は、本実施例では1個(上定盤の1回転に対応する
データ1つ)としたが、2個以上としてもよい。ただ
し、このデータ数を増加させると、ワーク厚検出値の検
出間隔が長くなり、検出の分解能が悪化する。一方、上
定盤の1回転内に得られた複数の検出値を用いて、上定
盤の1回転よりも細かいデータ数とすることによって、
移動データの間隔を短くすることも考えられるが、この
場合には却って、上定盤の1回転内の上下変動に影響さ
れやすくなる。したがって、移動データ数は、上定盤の
1回転に対応する1個とすることが好ましい。
【0039】本実施例では、最初に上定盤の1回転に対
する平均値を求め、次に、この平均値を用いて連続した
10又は11個の平均値の移動平均を求めている。しか
し、当初から上記平均値の10又は11個分に対応する
40個乃至44個の検出値の移動平均をとる方法もあ
る。この方法でも、上定盤の回転に対応する変動ととも
にこれよりも長周期の変動をも抑制することができ、上
記実施例と同様の効果が得られることが確認されてい
る。
【0040】この場合、移動平均の移動データ数は最低
で検出値1つとすることができるので、上定盤の1回転
の平均をとる上述の実施例の方法よりもワーク厚検出値
の検出間隔を小さくすることができ、制御も細かく行う
ことが可能で、検出データのタイムラグも低減できるか
ら、ワーク厚の加工精度をさらに向上させることができ
る。なお、実際にデータ処理を行った結果、上記実施例
の実験結果である図3乃至図5、後述する図6と同様の
結果が得られているが、データのタイムラグが低減され
ること、研磨終了時点の制御の最小単位が1回転から1
/4回転になることから、精度が向上しワーク厚のばら
つきはより低減される。
【0041】このようにして検出値を元に直接移動平均
を求める方法を実施する場合、図1に示す回転平均処理
手段51は不要であり、タイミングセンサ37からの信
号に基づいて検出値を直接に移動平均処理手段52に取
り込み、所定の連続データ数及び移動データ数により移
動平均を算出する。この場合、移動平均の連続データ数
は、図3に示すような特定点における検出値の変動を測
定して、作業者が適宜調整できるようにすることが望ま
しい。また、特定点の検出値の変動周期を自動測定し
て、これに合わせて移動平均の連続データ数を自動調整
することも可能である。
【0042】図6には、上記実施例により得られたワー
クの厚さデータを示す。横軸は同じ装置で順次研磨を行
った回数を示し、各回数の研磨により得られたワークの
データをそれぞれ四角又は×記号で示している。図中の
一点鎖線は設定値を示し、この場合には0.380mm
である。図中の四角形及びこれを結ぶ破線は研磨終了時
の表示値(ワーク厚検出値)を示す。図中の×記号及び
これを結ぶ実線はワーク厚の実測値を示す。
【0043】表示値が若干ばらついているのは、ワーク
厚検出値が設定値を下回った直後の上定盤の基準位置で
研磨を終了しているため、研磨終了までの時間が研磨毎
に異なるからである。このデータから判るように、連続
して8回研磨を行っても、各回の加工ワークの厚さとも
プラスマイナス5μm以内の誤差にとどまっている。従
来の定寸装置ではせいぜい50μm程度の誤差にとどめ
るのが限界であったから、本実施例では誤差を従来の1
0分の1にすることができたことになる。
【0044】また、高精度の厚さが必要とされているワ
ークの加工時には、従来では途中で度々研磨を中断し、
ワークの厚さを実測し、再び研磨を再開していたのに対
し、本実施例では上記のようにワーク厚の高精度化を達
成したことにより、研磨の中断が不要となり、30%以
上の加工時間の短縮化に加えて、研磨時の完全無人化を
達成することができた。
【0045】上記実施例では、図1に示すように、平面
ラップ盤の支柱によって検出センサを支持する方法で
は、上定盤を上下する際の支持部材への荷重変化に起因
する変形により機械的な検出誤差が発生する。このた
め、図7に示すように、検出センサを基盤10の開口部
11の縁部から上定盤の縁部上へと出没自在とする改良
を行った。
【0046】この例では、図7(a)に示すように、基
盤10の開口部11の周囲位置にリニアガイド等により
摺動自在に取付けられたホルダ38を設け、このホルダ
38の先端部に測長センサ36及びタイミングセンサ3
7を搭載している。ホルダ38はエアシリンダ等により
開口部11の中心に向けて出没自在に構成される。
【0047】この場合、研磨開始時に上定盤26を下降
させた後、図7(b)に示すように測長センサ36とタ
イミングセンサ37を搭載したホルダ38を開口部11
内へ突出させ、測長センサ36及びタイミングセンサ3
7が上定盤26の上面縁部に対向するように配置する。
上定盤26の縁部には、図示しないドグが回転方向に沿
って複数設けられており、このドグをタイミングセンサ
37が検出して上記と同様のタイミング信号を発生する
ようになっている。
【0048】なお、上記タイミングセンサ37により検
出点を決定する以外にも、例えば、上定盤の回転と同期
した信号を駆動系から取り出し、測長センサ36の検出
値を上定盤の1回転毎に平均化するようにしてもよい。
また、上定盤の1回転内に検出する検出値の数は複数で
あればよく、任意の数とすることができる。また、検出
値の検出タイミングも、等間隔とは限らず、任意の間隔
で検出してよい。
【0049】本発明の平面ラップ盤では、定寸のための
検出部を研磨機構部の中心部に設けることなく、周縁部
に設けても支障なく高精度のワーク厚の検出ができるの
で、専用の検出構造を必要とせず、検出センサの後付
け、交換がきわめて容易になるという大きな利点を有す
る。しかし、本発明としては検出センサの検出位置を任
意の場所に設定することができ、構造上可能であれば上
定盤の中心部に検出センサを設けてもよい。
【0050】本発明の移動平均の連続データ数はラップ
盤毎に異なる可能性がある。この場合、例えば上定盤の
所定位置にて回転毎に検出した検出値のデータから、長
周期の変動を特定し、その周期に略対応したデータ数と
すればよい。この長周期の変動は上下の定盤の回転周
期、キャリア板の自転、公転周期に関連しているので、
計算で求めるよりも実測した方が容易かつ正確だからで
ある。なお、このような長周期の変動を元に移動平均の
連続データ数を決定する場合、ラップ盤の定盤の回転速
度を変更しても一般的には移動データ数を変更する必要
はない。したがって、ラップ盤の駆動状態によって検出
間隔等を調整する必要のある他の定寸装置とは異なり工
程管理が容易になるという利点もある。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の平面ラッ
プ盤によれば、上定盤の1回転内の変動要素に起因する
検出ノイズを除去できるとともに、これにさらに検出信
号の変動周期に略対応する数以上の範囲で移動平均を求
めることによって、検出信号の上定盤の回転周期以上の
周期を持つ変動要素の影響をも除去することができる。
従って、従来にない高精度なワーク厚の検出が可能にな
り、ワークの高精度加工ができるとともに、研磨途中に
おいてワーク厚を測定するための中断作業が不要にな
り、稼働効率を向上させることができる。また、このよ
うな手段により、検出センサの検出位置を中心部に設け
た場合には勿論のこと、中心部以外の周縁部に設けても
支障なくワーク厚を高精度に得ることができるから、特
殊な検出構造が不要で検出センサ等の後付け交換をきわ
めて容易に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る平面ラップ盤の実施例における定
寸装置の概略構成を示す説明図である。
【図2】同実施例の主要機構部の構造を示す説明図であ
る。
【図3】同実施例における研磨時の検出値及び回転平均
検出値を示すグラフである。
【図4】同実施例における研磨時の回転平均検出値及び
ワーク厚検出値を示すグラフである。
【図5】図4の一部を拡大して示すグラフである。
【図6】同実施例の研磨装置で連続して複数回の研磨を
行った場合の各回のワーク厚の設定値、表示値及び実測
値を示すグラフである。
【図7】上記実施例とは異なる検出センサ取付構造の例
を、非研磨時(a)及び研磨時(b)毎に示す説明図で
ある。
【符号の説明】
13 太陽歯車 14 内歯歯車 15 下定盤 16 キャリア板 17 ワーク 24 取付部材 26 上定盤 34,38 ホルダ 36 測長センサ 37 タイミングセンサ 51 回転平均処理手段 52 移動平均処理手段 54 設定値比較手段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−224968(JP,A) 特開 平3−170265(JP,A) 特開 平8−39424(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24B 37/04 H01L 21/304

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上定盤と下定盤との間に遊星運動を行う
    キャリア板を挟持させ、該キャリア板にワークを保持さ
    せて研磨を行い、研磨中における該ワークの厚さを検出
    するワーク厚検出装置を備え、該ワーク厚検出装置から
    ワーク厚検出値を用いて研磨工程を制御する平面ラップ
    盤において、 前記上定盤若しくはこれに固定された部材の位置により
    ワーク厚に対応する検出信号を出力する検出センサを備
    え、前記上定盤若しくはこれに固定された部材の1回転
    内に複数の前記検出センサの検出値を読み出すととも
    に、 前記上定盤若しくはこれに固定された部材のn回転(n
    は自然数)毎に前記検出センサの検出信号の複数の前記
    検出値を平均化して回転平均検出値を得た後、 前記上定盤若しくはこれに固定された部材の1回転を最
    小単位として、前記上定盤の1回転毎に特定点において
    前記検出センサにて検出したときの前記検出信号の変動
    周期に略対応する数若しくはその自然数倍の連続した前
    記回転平均検出値を元に移動平均を求めることにより前
    記ワーク厚検出値を得るように構成したことを特徴とす
    る平面ラップ盤。
  2. 【請求項2】 上定盤と下定盤との間に遊星運動を行う
    キャリア板を挟持させ、該キャリア板にワークを保持さ
    せて研磨を行い、研磨中における該ワークの厚さを検出
    するワーク厚検出装置を備え、該ワーク厚検出装置から
    ワーク厚検出値を用いて研磨工程を制御する平面ラップ
    盤において、 前記上定盤若しくはこれに固定された部材の位置により
    ワーク厚に対応する検出信号を出力する検出センサを備
    え、前記上定盤若しくはこれに固定された部材の1回転
    内に複数の前記検出センサの検出値を読み出すととも
    に、前記上定盤の1回転毎に特定点において前記検出センサ
    にて検出したときの 前記検出信号の変動周期に略対応す
    る数若しくはその自然数倍の連続した前記検出値を元に
    移動平均を求めることにより前記ワーク厚検出値を得る
    ように構成したことを特徴とする平面ラップ盤。
  3. 【請求項3】 上定盤と下定盤との間に遊星運動を行う
    キャリア板を挟持させ、該キャリア板にワークを保持さ
    せて研磨を行い、研磨中における該ワークの厚さを検出
    するワーク厚検出装置を備え、該ワーク厚検出装置から
    ワーク厚検出値を用いて研磨工程を制御する平面ラップ
    盤を用いた研磨方法において、 前記上定盤若しくはこれに固定された部材の位置により
    ワーク厚に対応する検出信号を出力する検出センサを設
    け、 予め上定盤の特定点にてその1回転毎に検出した検出値
    のデータからその変動周期を特定し、 前記変動周期に略対応する数若しくはその自然数倍の連
    続した前記検出値を元に移動平均を求めることにより前
    記ワーク厚検出値を得るように構成したことを特徴とす
    る平面ラップ盤を用いた研磨方法。
  4. 【請求項4】 上定盤と下定盤との間に遊星運動を行う
    キャリア板を挟持させ、該キャリア板にワークを保持さ
    せて研磨を行い、研磨中における該ワークの厚さを検出
    するワーク厚検出装置を備え、該ワーク厚検出装置から
    ワーク厚検出値を用いて研磨工程を制御する平面ラップ
    盤を用いた研磨方法において、 前記上定盤若しくはこれに固定された部材の位置により
    ワーク厚に対応する検出信号を出力する検出センサを設
    け、 予め上定盤の特定点にてその1回転毎に検出した検出値
    のデータからその変動周期を特定し、 前記変動周期に略対応する数若しくはその自然数倍の連
    続した、前記上定盤若しくはこれに固定された部材のn
    回転(nは自然数)毎に前記検出値を平均化した回転平
    均検出値を元に、移動平均を求めることにより前記ワー
    ク厚検出値を得るように構成したことを特徴とする平面
    ラップ盤を用いた研磨方法。
  5. 【請求項5】 前記検出センサを研磨領域の周囲から前
    記上定盤の縁部上に出没自在に構成したことを特徴とす
    る請求項1又は請求項2に記載の平面ラップ盤。
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