JP3222332U - 真空ポンプ - Google Patents

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興 衣川
興 衣川
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株式会社イチネンTasco
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【課題】真空引きを開始してからの経過時間を正確に確認することができ、また、真空引きを停止してからも経過時間のカウントを継続することができる真空ポンプを提供する。【解決手段】真空ポンプは、気体を吸引排出して真空引きを行う真空引き機構2と、真空引き機構の駆動手段3と、時間表示可能な表示手段8と、駆動手段および表示手段の制御手段9とを備える。制御手段は、駆動手段の作動の有無を切り替えると共に、真空引きを開始してからの経過時間を計時し、計時された時間を表示手段にカウントアップして表示する。また、真空ポンプの駆動手段および制御手段へ給電する電源31と、表示手段および制御手段へ給電する電源32とが異なる。【選択図】図5

Description

本考案は、真空ポンプに関するものである。
下記特許文献1には、二次電池を備えることで、商用電源が通じていない場所においても使用することができる真空ポンプが開示されている。この真空ポンプは、たとえば、オイルを利用したロータリー式の真空ポンプである従来公知の油回転真空ポンプである。
しかしながら、従来の真空ポンプは、真空引きを開始してからの経過時間を確認する手段を有しておらず、使用者にとって必ずしも使い勝手のよい構成とはなっていない。また、下記非特許文献1に記載の真空ポンプは、設定時間だけ真空引きさせるためのタイマ機能を有しているが、これはカウントダウン形式であって、真空引きを開始してからの経過時間を正確に表示するものではない。
特開2008−180098号公報
デンゲン株式会社 真空ポンプ CS−759YF インターネット<http://www.dengen.co.jp/index2.html>
本考案は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、真空引きを開始してからの経過時間を正確に確認することができる真空ポンプを提供することにある。また、他の目的は、真空引きを停止してからも前記経過時間のカウントを継続して、真空引きを停止してからの経過時間も確認することができるようにすることにある。
上記目的を達成するための本考案に係る真空ポンプは、吸気口から排気口へ気体を吸引排出する真空引き機構と、前記真空引き機構の駆動手段とを有する真空ポンプであって、表示手段と、前記駆動手段の作動の有無を切り替えると共に、真空引きを開始してからの経過時間を計時し、その計時された時間を前記表示手段にカウントアップして表示する制御手段とを備えることを特徴とする。
また、本考案に係る真空ポンプは、前記駆動手段および前記制御手段へ給電する電源と、前記表示手段および前記制御手段へ給電する電源とが異なる電源であることを特徴とする。
さらに、本考案に係る真空ポンプは、前記制御手段は、スイッチがオンにされることで、前記駆動手段を作動させて前記真空引き機構により真空引きを開始すると共に、前記経過時間を前記表示手段に表示させ、前記駆動手段および前記制御手段への給電が停止されると、真空引きは停止するが、前記経過時間の前記表示手段への表示は継続させることを特徴とする。
本考案に係る真空ポンプによれば、制御手段によって、駆動手段を作動させて真空引き機構により真空引きを開始してからの経過時間が計時され、その計時時間が表示手段にカウントアップして表示される。従って、使用者は、真空引きを開始してからの経過時間を正確かつ容易に確認することができる。
また、本考案に係る真空ポンプによれば、駆動手段およびその制御手段へ給電する電源と、経過時間の表示手段およびその前記制御手段へ給電する電源とが異なるので、駆動手段および制御手段への給電が停止しても、表示手段に経過時間を表示することができる。従って、真空引きが停止してからの経過時間を確認することができる。
さらに、本考案に係る真空ポンプによれば、スイッチの操作によって、真空引きを開始させると共に経過時間を表示させ、スイッチの操作以外で真空引きを停止しても、経過時間の表示はそのまま継続して表示される。従って、経過時間を表示することができる真空ポンプを簡易な構成とすることができる。
本考案の真空ポンプの一実施例を示す概略斜視図である。 図1の真空ポンプの概略斜視図であり、図1とは異なる側から見た状態を示している。 図1の真空ポンプの概略背面図である。 図1の真空ポンプの動作原理を示す説明図である。 図1の真空ポンプのシステムの一例を示す概略ブロック図である。 表示手段の一例を示す図である。
以下、本考案の真空ポンプの具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1から図5は、本考案の真空ポンプの一実施例を示す図であり、図1は概略斜視図、図2は図1とは異なる側から見た概略斜視図、図3は概略背面図、図4は動作原理の説明図、図5はシステムの一例を示す概略ブロック図である。本実施例の真空ポンプ1は、真空引きを行う真空引き機構2と、真空引き機構2の駆動手段3とを有しており、たとえば、オイルを利用したロータリ式の真空ポンプである油回転真空ポンプである。この真空ポンプ1は、中空状で取っ手4および脚部5が設けられた胴体部6と、胴体部6の前端部に設けられる中空状のタンク部7とを備えており、これらの内部に前述した真空引き機構2とその駆動手段3とが内蔵される。また、真空ポンプ1は、時間表示可能な表示手段8と、駆動手段3および表示手段8を制御する制御手段9とを備える。
真空引き機構2は、真空ポンプ1内に回転可能に設けられる第一ロータ10および第二ロータ11と、第一ロータ10に進退可能に設けられる第一ベーン12および第二ロータ11に進退可能に設けられる第二ベーン13と、各ロータ10,11に対して各ベーン12,13を外方へ付勢する付勢手段14とを有している。本実施例の真空ポンプ1は、シリンダ15の内部に第一空間16と第二空間17とが形成されており、それらは互いに連通している。第一空間16および第二空間17は、正面視略円形状に形成されている。
第一空間16には、第一ロータ10が偏心して回転可能に配置される。第一ロータ10には、軸心を挟んで溝部18が外方へ開口して形成されている。各溝部18は、第一ロータ10の半径方向へ沿って形成されており、その内部に第一ベーン12が進退可能に設けられる。第一ベーン12は、溝部18に収容可能とされる一方、先端部が溝部18の開口を介して溝部18から突出可能とされる。この際、第一ベーン12は、第一ロータ10の溝部18から突出するように、付勢手段14により付勢される。本実施例では、付勢手段14は、コイルバネとされる。コイルバネ14は、基端部が溝部18の底部に設けられ、先端部に第一ベーン12の基端部が設けられる。
第二空間17には、第一空間16に設けられる第一ロータ10と同様にして第二ロータ11が設けられ、第二ロータ11に第二ベーン13が第一ベーン12と同様にして設けられる。すなわち、第二空間17には、第二ロータ11が偏心して回転可能に配置される。第二ロータ11には、軸心を挟んで溝部19が半径方向へ沿って形成されており、その溝部19に収容可能とされる一方、先端部が溝部19の開口を介して突出可能に第二ベーン13が設けられる。第二ベーン13は、付勢手段14であるコイルバネの先端部に設けられ、そのコイルバネ14の基端部は溝部19の底部に設けられる。
第一空間16と第二空間17とは、連通路20を介して互いに連通している。第一空間16の内外は、吸気口21を介して連通されている。一方、第二空間17の内外は、排気口22を介して連通されている。排気口22は、排気弁23により開閉可能とされている。
図2に示されるように、真空ポンプ1の胴体部6の右側には、吸気口21と連通され、真空引きが行われる配管などに連通して設けられるホースの接続部24が設けられる。接続部24には、内部に設けられたバルブを開閉操作するための操作部25が設けられる。また、図1、図2および図4に示されるように、真空ポンプ1のタンク部7の上部には、排気口22と連通され、真空引き中にポンプ1外へ気体を排出する排気部26が設けられる。排気部26は、タンク部7から上方へ突出して設けられる筒部27と、筒部27に着脱可能に設けられる蓋部28とを有している。
駆動手段3は、両ロータ10,11を回転させる手段であって、本実施例ではモータとされる。従って、モータ3を作動させることで、両ロータ10,11を回転させて配管などの真空引きを行うことができる。具体的には、両ロータ10,11を回転させることで、両ロータ10,11に設けられた各ベーン12,13が、コイルバネ14によって各空間16,17の内周面に接触しつつ各ロータ10,11と共に回転される。この際、潤滑およびシールのために、オイルが用いられる。
これにより、各ロータ10,11、各ベーン12,13およびシリンダ15により形成された空間の容積が変化して、配管内から吸気口21を介して吸引された気体は、各ロータ10,11の回転と共に圧縮されて、排気口22から排出することができる。排気口22からの気体は、排気口22と連通する筒部27と蓋部28との間の隙間からポンプ1外へ排出される。この真空ポンプ1の運転中のオイルミストは、マフラーにより防止される。
本実施例では、排気部26は、真空ポンプ1内に貯留される前記オイルの注入口を兼用している。排気部26から真空ポンプ1内にオイルを注入する際には、蓋部28が外されて、筒部27からオイルが注入される。真空ポンプ1内に貯留されたオイルの量は、タンク部7の前端部に設けられたオイルレベルゲージ29で確認することができる。このように、本実施例の真空ポンプ1は、吸気口21から排気口22へ気体を吸引排出する真空引き機構2と、真空引き機構2の駆動手段3とを有し、真空引きを行う箇所の構造が従来公知の2段式の回転翼型油回転真空ポンプである。
表示手段8は、真空引きを開始してからの経過時間が表示されるものであり、本実施例では、経過時間がデジタル表示される。表示手段8は、側面視略矩形状に形成されており、真空ポンプ1の胴体部6の後端部の左側に設けられる。
制御手段9は、駆動手段3の作動の有無を切り替えると共に、真空引きを開始してからの経過時間を計時し、その計時された時間を表示手段8にカウントアップして表示するものである。そのため、制御手段9は、表示手段8、モータ3および真空ポンプ1の胴体部6の後面に配置されるスイッチ30などに接続されている。そして、制御手段9は、スイッチ30からの指示に基づき、後述するようにポンプ1を制御する。
本実施例では、駆動手段3および制御手段9へ給電する電源31と、表示手段8および制御手段9へ給電する電源32とが異なる。典型的には、駆動手段3および制御手段9へは、商用電源から給電される。そのため、真空ポンプ1の後端部には、商用電源のコンセントに接続されるプラグ33付き電源コード34が設けられる。一方、表示手段8および制御手段9へは、真空ポンプ1に設けられる一次電池または二次電池から給電される。
このような構成であるので、コンセントにプラグ33が差し込まれた状態において、スイッチ30がオンにされると、制御手段9は、モータ3を作動させて真空引きを開始する。この際、真空ポンプ1の胴体部6の左側に設けられた真空計35により、真空ポンプ1の吸気口21の真空度が検出されて表示される。真空計35は、たとえば電源を必要としないアナログ表示のブルドン管真空計である。但し、それ以外の真空計であってもよい。また、制御手段9は、真空引きを開始してからの経過時間を計時して表示手段8に表示させる。この状態から、スイッチ30がオフにされると、制御手段9は、モータ3を停止させて真空引きを停止する。また、制御手段9は、経過時間の計時を停止する。そして、スイッチ30がオフにされるとすぐに、時間表示が消えて、計時時間がリセットされる。なお、表示手段8には、真空引きが停止した時間が所定時間表示されてもよい。この場合、所定時間経過後、その時間表示が消え、計時時間がリセットされる。
前述したようにスイッチ30がオンにされた状態において、モータ3および制御手段9への給電が停止された場合、すなわち本実施例ではコンセントからプラグ33が抜き取られた場合、モータ3が停止して真空引きが停止するが、経過時間の計時および経過時間の表示手段8への表示は継続される。これは、モータ3および制御手段9へ給電する電源31と、表示手段8および制御手段9へ給電する電源32とが異なるからである。
本実施例の真空ポンプ1の場合、外面に設けられる表示手段8に真空引きを開始してからの経過時間がカウントアップして表示される。従って、従来のカウントダウンするタイマと比較して、真空引きを開始してからの経過時間を容易に確認することができる。また、本実施例の真空ポンプ1の場合、モータ3および制御手段9の電源31と、表示手段8および制御手段9の電源32とが異なるので、モータ3および制御手段9への給電が停止した場合においても、表示手段8に経過時間を表示することができる。
さらに、本実施例の真空ポンプ1の場合、制御手段9は、スイッチ30がオンにされることで、モータ3を作動させて真空引き機構2により真空引きを開始すると共に、経過時間を表示手段8に表示させる。そして、コンセントからプラグ33が抜き取られて、モータ3および制御手段9への給電が停止されると、真空引きは停止するが、経過時間の表示手段8への表示は継続させる。また、真空計35の表示は継続される。従って、真空ポンプ1に接続される配管の気密性を確認することができる。たとえば、コンセントからプラグ33が抜き取られてから5分間真空が維持されていれば、配管に漏れがないとした場合、その5分間を表示手段8に表示される時間から確認することができる。
本考案の真空ポンプは、前記実施例の構成に限らず適宜変更可能である。たとえば、前記実施例では、経過時間を表示する表示手段8と真空計35とが設けられたが、表示手段8に経過時間と真空度とが切り替えて表示されるように構成してもよい。図6は、表示手段の一例を示す図である。この場合、真空ポンプ1は、吸気口21の真空度を検出するセンサと、経過時間の表示と真空度の表示とを切り替える切替スイッチ36と有し、それらが制御手段9に接続されている。そして、切替スイッチ36が押されるたびに、制御手段9は、前記センサにより検出された真空度が表示される場合と、経過時間が表示される場合とに切り替える。なお、図6に示されるように、切替スイッチ36に隣接して、表示手段8に時間または真空度を表示させたりさせなかったりを切り替える電源スイッチ37が設けられる。
また、この場合、センサからの検出信号に基づき、モータ3を制御してもよい。たとえば、真空度が設定値(たとえば0.1Mpa)となってから設定時間(たとえば30分)経過後、設定されたモータ3の回転数に減少させて最適化が図られる。すなわち、所望の真空度を維持可能な範囲で、モータ3の回転数を最小化する。これによって、作業中の消費電力を低下させることができる。これらの制御は、大型の真空ポンプに適用されるのが好ましい。
本考案は、経過時間を確認することができる真空ポンプに好適に適用される。
1 真空ポンプ
2 真空引き機構
3 モータ(駆動手段)
8 表示手段
9 制御手段
21 吸気口
22 排気口
30 スイッチ
31 電源
32 電源

Claims (3)

  1. 吸気口から排気口へ気体を吸引排出する真空引き機構と、前記真空引き機構の駆動手段とを有する真空ポンプであって、
    表示手段と、
    前記駆動手段の作動の有無を切り替えると共に、真空引きを開始してからの経過時間を計時し、その計時された時間を前記表示手段にカウントアップして表示する制御手段と
    を備えることを特徴とする真空ポンプ。
  2. 前記駆動手段および前記制御手段へ給電する電源と、前記表示手段および前記制御手段へ給電する電源とが異なる電源である
    ことを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ。
  3. 前記制御手段は、スイッチがオンにされることで、前記駆動手段を作動させて前記真空引き機構により真空引きを開始すると共に、前記経過時間を前記表示手段に表示させ、
    前記駆動手段および前記制御手段への給電が停止されると、真空引きは停止するが、前記経過時間の前記表示手段への表示は継続させる
    ことを特徴とする請求項2に記載の真空ポンプ。
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