JP3221636U - 折り畳み式ステッキ - Google Patents

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【課題】折り畳み状態から連結状態にする際に折り畳み作業や連結組み立て作業の際の操作が安全容易であって、しかも、使用時に煩わしい騒音を発生するおそれがなく耐久性に優れた折り畳み式ステッキを提供する。【解決手段】折り畳み式ステッキを構成するパイプ同士の連結部がそれぞれ、連結される一方のパイプの端部に固着された雄継手部材11、連結される他方のパイプの端部に固着された雌継手部材10、両端それぞれに一対の抜け止め部材13aと緩衝部材14aとが取付けられた非伸張性のワイヤー部材12、並びにワイヤー部材12を挿通して雄継手部材11及び雌継手部材10に対向配置された一対の永久磁石21、20を備え、雄継手部材11には、ワイヤー部材12に挿通されて一対の永久磁石21、20を相互の磁気吸引力により接近させる方向へと付勢するコイルばね22が配置されている。【選択図】図2

Description

本考案は、折り畳み可能な機構を備えたステッキに関する。
従来、歩行の補助に用いるステッキとして、不使用時に手提袋等に入れて持ち運べるように、折り畳み可能に構成されたステッキが知られている。ステッキを折り畳み可能にするための構成としては、ステッキのシャフト部を複数のパイプに分割して、それぞれのパイプにゴム等の弾性を有する連結紐を通し、連結紐の弾性を利用してそれぞれのパイプを互いに密着させる構成が知られている。このようなゴム紐を用いた折り畳み式のステッキの一例が特許文献1に記載されている(例えば特許文献1の図3を参照)。
また、ステッキを折り畳み可能にするための構成として、連結する複数のパイプのそれぞれの連結部に磁石を取付け、その磁気吸引力によりそれぞれのパイプを互いに密着させる構成が特許文献2に記載されている(特許文献2の図7を参照)。
実用新案登録第3156004号公報 特開2009−189666号公報
特許文献1に記載のステッキの折り畳み機構は、グリップを備えた上段パイプと、石突を備えた下段パイプと、これらの間に配置された第1から第3までの各中間パイプとが、弾性を有する一本の連結紐を用いて連結されてなる。そのため、これを折り畳み状態から連結状態にする場合には、上段パイプと下段パイプとの間に働く連結紐の弾性力により、第1中間パイプ、第2中間パイプ及び第3中間パイプをも一度に連結することができる。しかし、このように構成した場合には、折り畳み状態にしたときにも連結紐に常に弾性力が働いているため、折り畳んだ状態では各パイプが一直線に戻ろうとするように弾性力が作用し、連結状態にしようとするときに各パイプ体が一直線になるように強く動かされてしまい、使用者が怪我をしてしまう危険性がある。
また、特許文献2に記載のステッキの折り畳み機構は、特許文献1に記載のステッキとは異なり、一本の連結紐が隣接する二本の構成パイプ同士のみを連結しており、ステッキ本体の複数の関節部それぞれにおける構成パイプ同士の着脱が独立した作業となるため、特許文献1に記載のステッキのように連結状態にしようとするときに各パイプが一直線になるように動かされることはなく、使用者が怪我をする危険性はない。しかし、特許文献2に記載のステッキは、各構成パイプを連結させてステッキとして使用する際に、連結紐の端部に取り付けられた掛け止め部材が構成パイプの内壁部分と衝突することにより、カタカタと不快な音を生じさせるという問題があった。
本考案は、これらのような問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、折り畳み作業や連結組み立て作業の際の操作が安全容易であって、しかも、使用時に煩わしい騒音を発生するおそれがなく耐久性に優れた折り畳み式ステッキを提供することである。
上記の目的を達成するために、本考案の折り畳み式ステッキは、グリップを備えた上段パイプと、石突を備えた下段パイプと、少なくとも一つの中段パイプとが、それぞれ、連結部を介して折り曲げ可能に連結されてなる折り畳み式ステッキであって、前記各連結部は、連結される一方のパイプの端部に固着された中空筒状の雄継手部材と、連結される他方のパイプの端部に固着された中空筒状の雌継手部材と、両端それぞれに一対の抜け止め部材と緩衝部材とが取付けられており前記雄継手部材及び前記雌継手部材をパイプ軸方向に貫通するように配置された非伸張性のワイヤー部材と、前記ワイヤー部材を挿通して前記雄継手部材及び前記雌継手部材に対向配置された一対の永久磁石と、を備えており、前記雄継手部材の中空内部には、前記ワイヤー部材に挿通されて前記一対の永久磁石を相互の磁気吸引力により接近させる方向へと付勢するコイルばねが配置されている。
その場合、前記緩衝部材は、ポリウレタンやEVA等の軟質材からなるようにすると好適である。
また、上記のいずれの場合であっても、前記コイルばねは、その非圧縮状態での軸方向の長さ寸法が、前記雄継手部材の軸方向の長さ寸法よりも長く、かつ、前記ワイヤー部材の軸方向の長さ寸法よりも約50mm〜100mm短く構成されているようにすると好適である。
本考案によれば、ステッキを構成するパイプ同士の連結部がそれぞれ、連結される一方のパイプの端部に固着された中空筒状の雄継手部材と、連結される他方のパイプの端部に固着された中空筒状の雌継手部材と、両端それぞれに一対の抜け止め部材と緩衝部材とが取付けられており前記雄継手部材及び前記雌継手部材をパイプ軸方向に貫通するように配置された非伸張性のワイヤー部材と、前記ワイヤー部材を挿通して前記雄継手部材及び前記雌継手部材に対向配置された一対の永久磁石と、を備えており、前記雄継手部材の中空内部には、前記ワイヤー部材に挿通されて前記一対の永久磁石を相互の磁気吸引力により接近させる方向へと付勢するコイルばねが配置されていることにより、折り畳み作業や連結組み立て作業の際の操作が安全容易であって、しかも、使用時に煩わしい騒音を発生するおそれがなく耐久性に優れた折り畳み式ステッキを得ることができる。
本考案に係る折り畳み式ステッキの、連結状態を示した全体図である。 本考案に係る折り畳み式ステッキの、上段パイプ1と中段パイプ3との間の連結部の構造を示した図であり、(a)は連結状態を、(b)は連結解除状態を示した図である。 本考案に係る折り畳み式ステッキの全体図であり、(a)は連結解除状態を、(b)は折り畳み状態を示した図である。
以下、本考案を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1を用いて本考案に係る折り畳み式ステッキの構造を説明する。本考案に係る折り畳み式ステッキは、グリップ5を備えた上段パイプ1と、石突6を備えた下段パイプ2と、上記の上段パイプ1及び下段パイプ2の間に配置された中段パイプ3、4からなっている。そして、これらの上段パイプ1、下段パイプ2、中段パイプ3、4は、いずれも中空筒状である。
次に、図2を用いて、上段パイプ1、下段パイプ2、中段パイプ3、4の各連結部の構造を説明する。なお、図2には上段パイプ1及び中段パイプ3の間の連結部の構造を示しているが、中段パイプ3及び4の間の連結部並びに中段パイプ4及び下段パイプ2の間の連結部の構造も同様である。
上段パイプ1及び中段パイプ3の間の連結部は、上段パイプ1の中段パイプ3側の端部1bに固着された中空筒状の雌継手部材10、中段パイプ3の上段パイプ1側の端部3aに固着された中空筒状の雄継手部材11、両端それぞれに一対の抜け止め部材13a、13bと緩衝部材14a、14bとが取付けられた非伸張性のワイヤー部材12(12a)、並びにワイヤー部材12(12a)を挿通して雄継手部材11及び雌継手部材10に対向配置された一対の永久磁石21、20を備え、雄継手部材11の中空内部には、ワイヤー部材12(12a)に挿通されて一対の永久磁石21、20を相互の磁気吸引力により接近させる方向へと付勢するコイルばね22が配置されている。
図示の実施形態の雌継手部材10は、アルミニウム等の軽金属材を用いて中空円筒状に形成されてなり、具体的には、その中空内部に先拡がりのテーパー内周面を有する円筒部材10aと、その上端部に着脱可能に取付けられた蓋部材10bとからなる。これらの円筒部材10a及び蓋部材10bは、互いに外径寸法同一に形成されるとともに、その外径寸法が上記の上段パイプ1の内径寸法よりもわずかに小さく設定されていることにより、このパイプ端部への嵌め付け固定が容易になされ得る。
雄継手部材11は、上記雌継手部材10と同様にアルミニウム等の軽金属材を用いて中空円筒状に形成されるとともに、その上端部側半部に上記雌継手部材10とテーパー嵌合する先細りのテーパー外周面を有してなる。また、雄継手部材11の下端部側半部にはかかるテーパー外周面は形成されておらず、その外径寸法は上記雌継手部材10における円筒部材10a及び蓋部材10bと略同一である。
ワイヤー部材12(12a)は、非伸張性の紐材からなり、例えば鋼鉄線を撚り合わせてビニル樹脂で被覆したワイヤーロープ材等が好適に使用される。そして、このワイヤー部材12(12a)は、上記一対の雌継手部材10及び雄継手部材11の双方の中空内部を貫通するように挿通されるとともに、その両端それぞれに一対の抜け止め部材13a、13bと緩衝部材14a、14bとが取付けられ、これらのいずれもが上記ワイヤー部材12(12a)を軸心部に挿通してなる。
上記各緩衝部材14a、14bは、例えばポリウレタンやEVA等の軽量発泡材が好適に使用され、図示の実施形態ではポリウレタン材を用いて円柱状に形成されてなる。また、上記各緩衝部材14a、14bは、その外径寸法が上記各抜け止め部材13a、13bの外径寸法よりも大きく、かつ、後述する一対の永久磁石20、21の各軸心部に設けられたワイヤー挿通孔20a、21aの径よりも大きく形成される一方、その軸心部に設けられたワイヤー挿通孔の径は各抜け止め部材13a、13bの外径寸法よりも小さく形成されており、かかる構成により、図2(a)に示されたパイプ連結状態及び図2(b)に示されたパイプ連結解除状態のいずれにおいても、ワイヤー部材12(12a)の端部が上記一対の雌継手部材10及び雄継手部材11のいずれかの中空内部に陥入埋没してしまうことはなく、上段パイプ1と中段パイプ3とが過度に離隔されることもない。
さらに、上記各緩衝部材14a、14bは、その外径寸法が上述のとおり、上記各抜け止め部材13a、13bの外径寸法よりも大きく形成されてなることにより、図2(a)に示されたパイプ連結状態及び図2(b)に示されたパイプ連結解除状態のいずれにおいても、上記各抜け止め部材13a、13bが上段パイプ1又は中段パイプ3の内壁部分と衝突してカタカタと不快な音を生じさせることを有効に防止する。
上記各抜け止め部材13a、13bは、図示の実施形態ではアルミニウム等の軽金属材を用いたオーバルスリーブとして形成されてなる。なお、図示の実施形態では上記各抜け止め部材13a、13bと上記各緩衝部材14a、14bとの間に座金15a、15bが配置されてなる。
雄継手部材11及び雌継手部材10に対向配置された一対の永久磁石21、20は、その中央部位にワイヤー部材12(12a)を挿通するワイヤー挿通孔21a、20aがそれぞれ設けられた環状磁石の形態とされ、一方の永久磁石21が雄継手部材11の中空内部の先端に嵌め付け固定されるとともに、他方の永久磁石20が雌継手部材10における蓋部材10bの中空内部に収容固定されている。
さらに、雄継手部材11の中空内部には、ワイヤー部材12(12a)に挿通されて上記一対の永久磁石21、20を相互の磁気吸引力により接近させる方向へと付勢するコイルばね22が、永久磁石21よりも中段パイプ3の中央側に配置されている。図示の実施形態のコイルばね22は、その非圧縮状態での軸方向の長さ寸法が、雄継手部材11の軸方向の長さ寸法よりも長く、かつ、ワイヤー部材12(12a)の軸方向の長さ寸法よりも約50mm短く構成されてなることにより、図2(b)に示されたパイプ連結解除状態において上段パイプ1と中段パイプ3とが過度に離隔されることを好適に防止している。
そして、以上のように構成された本考案に係る折り畳み式ステッキを、その隣接するパイプ同士の連結部それぞれにつき、連結される一方のパイプの端部に固着された中空筒状の雄継手部材11と連結される他方のパイプの端部に固着された中空筒状の雌継手部材10とを軸方向の接近する側へテーパー嵌合させていくと、上記一対の永久磁石21、20相互の磁気吸引力が作用し、上記コイルばね22の付勢力も相俟ってそのテーパー嵌合動作が促進されるとともに、雄継手部材11と雌継手部材10とが軸方向にテーパー嵌合した際には、永久磁石21、20相互の磁気吸引力により、上記雄継手部材11と雌継手部材10とのテーパー嵌合状態が図2(a)のごとく保持されることとなる。
一方、上記雄継手部材11と雌継手部材10とのテーパー嵌合状態から雄継手部材11と雌継手部材10とを軸方向の離隔する側へ引っ張ることにより、永久磁石21、20の離隔に伴い、相互の磁気吸引力が弱まり消滅して、図2(b)のごとく上記テーパー嵌合状態が解除されることとなる。また、この雄継手部材11と雌継手部材10とのテーパー嵌合が解除された状態において、雄継手部材11と雌継手部材10とを軸方向の離隔する側へさらに引っ張ると、上記コイルばねが圧縮されることにより反発力を生じて押し戻されるため、雄継手部材11と雌継手部材10とが過度に離隔されることはない。
しかして、以上のように構成された本考案に係る折り畳み式ステッキの折り畳み作業に際しては、隣接するパイプ同士の各連結部、すなわち、上段パイプ1及び中段パイプ3の間の連結部、中段パイプ3及び4の間の連結部並びに中段パイプ4及び下段パイプ2の間の連結部のそれぞれにつき、上述のごとく雄継手部材11と雌継手部材10とのテーパー嵌合状態を解除していくと、図3(a)に示すステッキ全体の連結解除状態において、各パイプ同士の間隔が一定程度に保たれることとなるため、図3(b)に示すようにパイプ同士を折り畳み状態にする操作を安全容易に行なうことができるという利点がある。
なお、上述した実施形態はあくまでも本考案の好適な実施態様を示すものであって、本考案はこれに限定されることなく、その範囲内で種々の設計変更が可能である。
例えば、本実施形態におけるコイルばね22は、その非圧縮状態での軸方向の長さ寸法が、雄継手部材11の軸方向の長さ寸法よりも長く、かつ、ワイヤー部材12(12a)の軸方向の長さ寸法よりも約50mm短く構成されてなるが、これは本考案に係る折り畳み式ステッキの使用者の操作能力等に応じて、一対の永久磁石21、20相互の磁気吸引力とコイルばね22の弾性力とが好適に均衡する範囲内で適宜改変可能である。
1 上段パイプ
2 下段パイプ
3、4 中段パイプ
5 グリップ
6 石突
10 雌継手部材
11 雄継手部材
12(12a〜12d) ワイヤー部材
13a、13b 抜け止め部材
14a、14b 緩衝部材
15a、15b 座金
20、21 永久磁石
22 コイルばね


Claims (3)

  1. グリップを備えた上段パイプと、石突を備えた下段パイプと、少なくとも一つの中段パイプとが、それぞれ、連結部を介して折り曲げ可能に連結されてなる折り畳み式ステッキであって、
    前記各連結部は、
    連結される一方のパイプの端部に固着された中空筒状の雄継手部材と、
    連結される他方のパイプの端部に固着された中空筒状の雌継手部材と、
    両端それぞれに一対の抜け止め部材と緩衝部材とが取付けられており前記雄継手部材及び前記雌継手部材をパイプ軸方向に貫通するように配置された非伸張性のワイヤー部材と、
    前記ワイヤー部材を挿通して前記雄継手部材及び前記雌継手部材に対向配置された一対の永久磁石と、を備えており、
    前記雄継手部材の中空内部には、前記ワイヤー部材に挿通されて前記一対の永久磁石を相互の磁気吸引力により接近させる方向へと付勢するコイルばねが配置されている
    ことを特徴とする折り畳み式ステッキ。
  2. 前記緩衝部材は、ポリウレタンやEVA等の軟質材からなることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み式ステッキ。
  3. 前記コイルばねは、その非圧縮状態での軸方向の長さ寸法が、前記雄継手部材の軸方向の長さ寸法よりも長く、かつ、前記ワイヤー部材の軸方向の長さ寸法よりも約50mm〜100mm短く構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の折り畳み式ステッキ。



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