JP3221596B2 - 加速度センサ及びその製造方法 - Google Patents

加速度センサ及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加速度の測定および振
動の検知等に使われる加速度センサ及びその製造方法に
関する。より詳細には、小型で高性能の加速度センサ及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型が進み、ノート型
パソコン等の携帯用電子機器が普及してきた。これらの
電子機器の衝撃に対する信頼性を確保・向上するため
に、小型で高性能の加速度センサへの需要が高まってい
る。例えば、高密度のハードディスクへの書き込み動作
中に衝撃が加わると、ヘッドの位置ずれが生じる。その
結果、データの書き込みエラーやヘッドの破損を引き起
こす可能性がある。そこで、ハードディスクに加わった
衝撃を検出し、書き込み動作を停止したり、ヘッドを安
全な位置に退避させる必要がある。
【0003】従来、加速度センサとしては、圧電セラミ
ック等の圧電材料を用いたものが知られている。これら
の加速度センサは、圧電材料の電気−機械変換特性を利
用することによって、高い検出感度を実現することがで
きる。圧電型の加速度センサは、加速度や振動による力
を圧電効果によって電圧に変換し出力する。このような
加速度センサとしては、特開平第2−248086号公
報に示されるような片持ち梁型構造の矩形状バイモルフ
素子がある。片持ち梁構造は、図12に示すようにバイ
モルフ構造の圧電振動子11の片端を導電性接着剤15
などで接着固定したものである。片持ち梁型構造のバイ
モルフ素子は、その共振周波数が低いので比較的低い周
波数成分を持つ加速度を測定するに用いられる。また、
高い周波数領域の加速度を測定する場合には、図13に
示すようにバイモルフ構造の圧電振動子11の両端を固
定部材13に接着剤15等で固定した矩形状のバイモル
フ素子が用いられる。圧電振動子の両端を固定すること
によって、共振周波数を比較的高くすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の片持ち梁構造の
加速度センサは、低周波数領域の振動に対して感度が高
いものの、高周波数領域の振動の検出が困難であること
や、耐衝撃性に劣るという欠点がある。一方、両持ち梁
構造の加速度センサは、検出できる周波数領域は広く、
耐衝撃性は高いものの、感度が低く、小型化が困難であ
るという問題がある。
【0005】更に、矩形状のバイモルフ圧電素子の感度
を安定にするためには、その共振周波数を安定にしなけ
ればならない。そのためには、その固定状態を安定なも
のにしなければならないが、実際には機械的にあるいは
温度変化などにより発生する応力により金属等の支持部
材または固定部材で支持または固定している部分にずれ
が生じる。例えば、接着剤を使用して固定する場合には
接着剤の塗布範囲により、固定の位置が変わってしま
う。また、接着剤の温度変化により固定状態が変動し、
安定な固定状態を得ることが困難であるなどの課題があ
る。
【0006】圧電素子の安定な固定状態を得るために、
特開昭第59−70923号公報に示されるように、バ
イモルフ圧電振動板の中央部分にスリットを設けて片持
ち梁構造を形成し、バイモルフ圧電振動板の周辺部を固
定する方法が取られている。この方法では加速度の検出
に寄与するスリットで形成した片持ち梁構造部以外の支
持部の面積が大きく、素子全体の大きさが大きくなり、
小型な加速度センサを作製することは困難である。
【0007】また、加速度に対する感度を向上させるた
めには、振動により生ずる圧電素子の変位の傾きが固定
点で零となるような完全固定をするより、支持点におい
て変位の傾きが有限値を持つように支持したほうが、同
じ加速度を受けた場合でも圧電素子に大きな歪を生じる
ので出力感度が大きくなる。しかしながら、前述したよ
うに従来の方法では、支持の状態も安定に実現すること
はむずかしく、製造条件によって支持と固定の間の状態
を変動しやすく、圧電素子の共振周波数のばらつきが大
きくなり、加速度に対する感度のばらつきが大きくなる
という問題を有していた。
【0008】実開平5−23617号は、圧電共振子の
ための保持構造として、圧電振動子の表面に直方体状の
金属製突起を形成し、この突起を介して圧電素子を保持
する構造を開示している。実開平5−23617号の圧
電共振子は、加速度センサとは異なり、振動子の共振現
象を利用する素子であり、金属突起は共振を阻害しない
ように振動のノードの位置に設けられる。実開平5−2
3617号は、この直方体状の金属製突起の形成法とし
て、ろう付け、溶接、溶着、あるいは接着などの工法を
開示している。
【0009】金属製の突起をろう付け、溶接、溶着で形
成すると、突起形成時に圧電振動子が高温に加熱される
ので、圧電振動子の特性が劣化する。特に、圧電セラミ
ックはキュリー温度が低く、耐熱性が低いので、高温に
さらされると特性劣化が大きいという。圧電振動子に用
いられる圧電セラミック材料のキュリー温度は250〜
350℃程度である。キュリー温度(摂氏)の2分の1
以上の温度、つまり125〜175℃以上に圧電振動子
を加熱すると、圧電振動子の特性が著しく劣化する。従
って、ろう付け、半田付けなどの高温の加熱を伴う工法
で突起を圧電振動子に形成すると、圧電振動子の特性を
著しく劣化させることになる。図14はキュリー温度が
300℃の圧電セラミックを1時間加熱したときの、圧
電定数の変化を示したものである。図14の横軸は加熱
温度、縦軸は規格化された圧電定数をそれぞれ表す。図
14より、140℃までの加熱なら圧電定数は変化しな
いが、それ以上の温度では圧電定数が低下していること
がわかる。また、図には示していないが、加熱温度が高
温になるほど短時間で圧電定数が低下する。実際に、ろ
う付け、半田付けなどの工法で突起を圧電振動子に形成
すると、圧電振動子の特性が劣化する。
【0010】また、金属製の突起を接着剤を用いて圧電
振動子に形成する場合には、接着剤が圧電振動子と突起
との接着面以外にもはみ出し、また、この接着剤のはみ
出しが一定でないので、特性のばらつき及び特性の劣化
が共に大きいという問題がある。
【0011】原理的にはメッキによって、高温を伴わず
に、金属製の突起を形成することが可能である。しかし
ながら、メッキによって厚い突起を形成するためには長
時間を必要とするので、実用上は厚さが数μm程度の突
起しか形成できない。このような高さの低い突起を介し
て圧電セラミックからなる圧電振動子を保持すると、圧
電セラミックの表面には3〜5μmの凹凸があるため、
わずかな傾きによっても、圧電振動子が突起を支持する
支持体などに接触する。圧電振動子が他の部材と接触す
ると、圧電振動子を支持する部分の位置が移動すること
と同等なので、圧電振動子の支持部から先端までの長さ
が変化することになる。その結果、圧電振動子の共振周
波数が変わり、周波数特性が変動してしまう。導電性ペ
ーストなどの有機材料を用いて印刷などによって突起を
形成する場合においても、メッキの場合と同様に厚い突
起を形成するのが困難であり、メッキと同様の問題を有
する。更に、印刷により形成された突起は、機械的強度
が低く、付着強度も低いので、圧電振動子を安定に保持
すことは困難である。
【0012】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、耐衝撃性に優れ、広い周波数領域にわたって高
感度を有する小型の加速度センサを提供することを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の加速度センサ
は、互いに対向する第1及び第2の主面を有する圧電素
子と、該第1及び第2の主面に形成された第1及び第2
の電極と、該第1及び第2の電極上に溶射によって形成
された金属またはセラミックからなる導電性突起物とを
有する圧電振動子と、該導電性突起物を介して該圧電振
動子を支持する支持体と、を有し、そのことによって、
上記目的を達成することができる。
【0014】前記導電性突起物は、前記圧電振動子の長
手方向の中央部分に形成されてもよい。
【0015】前記支持体はバネ性を有する支持部材を有
し、前記圧電振動子は、前記第1及び第2の電極上の前
記導電性突起物の少なくとも一方を介して、該支持部に
よって支持されていてもよい。
【0016】前記圧電振動子は前記支持体に圧入されて
おり、該圧電振動子の前記導電性突起物を介して、該支
持体によって支持されていてもよい。
【0017】前記支持体は、前記導電性突起物よりも硬
度の低い材料からなる支持部を有し、該導電性突起物は
該支持部に圧入されていてもよい。
【0018】前記圧電素子は、バイモルフ圧電素子、圧
電板を多数張り合わせた多層の圧電素子、単層の圧電素
子、シム材に圧電板を貼り合わせたユニモルフ圧電素
子、シム材を狭持したバイモルフ圧電素子、及び基板上
に成膜された圧電薄膜と電極で構成された圧電素子から
なる群から選ばれてもよい。
【0019】前記圧電振動子は、前記第1及び第2の電
極の少なくとも一方の電極上の該圧電振動子の長手方向
の両端部に溶射によって形成された金属またはセラミッ
クからなる突起物をさらに有してもよい。
【0020】前記導電性突起物は、前記第1及び第2の
電極に対称に配置されていてもよい。前記導電性突起物
は前記圧電振動子の幅方向に伸びる線状の突起物であっ
てもよい。
【0021】前記圧電振動子の長手方向の長さは幅方向
の長さの3.5倍以上であってもよい。
【0022】前記導電性突起物の高さは、50〜150
μmであってもよい。
【0023】本発明の加速度センサの製造方法は、互い
に対向する第1及び第2の主面を有する圧電素子と、該
第1及び第2の主面に形成された第1及び第2の電極と
を有する圧電振動子の少なくとも1方の電極上に、金属
またはセラミックを溶射することによって導電性突起物
を形成する工程を包含し、そのことによって、上記目的
が達成される。
【0024】前記導電性突起物を介して前記圧電素子を
支持する支持体を設ける工程を更に包含してもよい。
【0025】前記導電性突起物を形成する工程は、該圧
電振動子の長手方向の中央に開口部を有するマスクを介
して、金属またはセラミックを溶射することによって導
電性突起物を形成する工程を包含してもよい。
【0026】前記マスクの前記開口部は、前記圧電振動
子の幅方向に伸びる線状の開口部であってもよい。
【0027】前記第1及び第2の電極のそれぞれに前記
導電性突起物を形成してもよい。
【0028】前記導電性突起物の高さは、50〜150
μmであってもよい。
【0029】前記支持体はバネ性を有する支持部材を有
し、前記圧電振動子は、前記第1及び第2の電極上の前
記導電性突起物の少なくとも一方を介して、該支持部に
よって支持されてもよい。
【0030】前記支持体は、前記導電性突起物よりも硬
度の低い材料からなる支持部を有し、該導電性突起物は
該支持部に圧入されてもよい。
【0031】前記圧電振動子の前記第1及び第2の電極
の少なくとも一方の電極上の該圧電振動子の長手方向の
両端部に金属またはセラミックを溶射することによって
突起物を形成する工程をさらに包含してもよい。
【0032】
【作用】本発明の加速度センサの圧電振動子は溶射によ
って形成された金属またはセラミック等からなる導電性
突起を有し、この導電性突起を介して支持されている。
溶射によって形成された導電性突起は機械的強度に優れ
ているので、圧電振動子を安定に固定することができ、
耐衝撃性に優れる。また、圧電振動子をその中央部で支
持することによって、片持ち梁構造の圧電振動子のよう
に端部は自由に振動できるので、高い感度を有し、高い
周波数領域の振動(加速度)を検出することができる。
また、溶射によって導電性突起を形成するので、加工時
に圧電体が高温まで加熱されることがない。従って、圧
電特性の熱劣化の問題を回避することができる。更に、
圧電振動子を固定するために必要な面積は小さいので、
装置の小型が可能となる。溶射による導電性突起の加工
精度は高いので、圧電特性の再現性、量産安定性に優れ
た製造方法を提供することが可能となる。また、導電性
突起は圧電素子上の電極上に形成されているので、加速
度(振動)によって生じた電荷を外部電極まで容易に取
り出すことができる。
【0033】
【実施例】
(実施例1)図1は本発明の実施例による加速度センサ
を構成する圧電振動子100の斜視図である。図1の圧
電振動子100は、圧電素子として、圧電セラミック板
2などの圧電材料からなる板を貼り合わせて形成したバ
イモルフ圧電素子1を有する。各々の圧電セラミック板
2の相対する主面には電極4が形成されている。バイモ
ルフ振動子1の対向する面の中央部には、電極4上にモ
リブデン、ニクロムなどからなる突起物3が溶射工法に
より線状に付けられている。本実施例では、バイモルフ
振動子1を安定に支持するために各面に2本の線状突起
物3を設けている。ここで、突起物3の幅と厚みおよび
2本の突起物3の間隔は、耐振性・耐衝撃性を考慮して
安定支持できることと、バイモルフ振動子1の特性への
影響を考慮して決める。本実施例では、1本の線状突起
物の幅を0.2mm、間隔を0.3mm、厚さを0.1
mmとした。また、突起物3は、支持のための力がかか
っても機械的に安定であること、及びリード線としての
役目も兼ねているので電気的性質が安定であることが求
められるので、突起物3の材料は、導電性、弾性率(硬
度)、耐錆性等を考慮して選択した。
【0034】本実施例では、長さ5mm、幅0.7m
m、厚さ0.1mmの圧電セラミック板2を用いた。従
って、圧電素子1の厚さは、0.2mmである。たわみ
振動を有効に発生させるために、圧電振動子の長さLは
幅Wに対して3.5倍以上あることが好ましい。5倍以
上あることが更に好ましい。突起部3は、圧電振動子の
長手方向における中央付近に形成さるのが好ましく、長
手方向の中心線に対して対称に配置されることが好まし
い。圧電振動子の長手方向における中央付近に形成さて
いれば、線状の突起物の本数や配置は圧電素子の2つの
対向する主面(表裏)で異なってもよいが、同じである
ほうが好ましい。
【0035】突起物の高さは、20〜150μmが好適
であり、50〜100μmがさらに好ましい。個々の突
起物の形状は、線状に限られず、点状であっても良い。
また、図11(a)に示すように、点状の突起物を線状
に配置しても良いし、図11(b)に示すように、長手
方向の中央の一定の幅Dの領域内にランダムに配置して
も良い。この突起物3が形成される幅Dは、200〜8
00μm、更に200〜500μmの範囲にあることが
好ましい。すなわち、幅Dは、圧電セラミック板2の長
手方向の長さLに対して、0.04〜0.16の範囲、
更に好ましくは0.04〜0.1の範囲にあることが好
ましい。D/Lが0.04よりの小さいと耐衝撃性が低
下し、0.1よりも大きいと感度が低下する等の欠点を
生じる。
【0036】加速度センサの場合、検出周波数領域は共
振周波数から十分に離れていないと、検出感度が周波数
に依存するという問題を生じる。広い周波数領域にわた
って、線形性を有する加速度センサを得るためには、共
振周波数の高い圧電振動子を用いる必要がある。本実施
例の圧電振動子の共振周波数は20kHzであり、50
Hz〜10kHzの周波数領域の加速度を高精度で測定
することができる。また、測定可能な加速度の範囲は、
0G〜1500Gであり、20G以上の加速度に対して
も優れた線形性を有する。
【0037】突起物3の形成は、溶射法を用いて行う。
溶射法を用いると、バイモルフ振動子(圧電素子)を高
温に加熱しなくても十分な付着強度が得られ、機械的強
度が高い突起物を容易に、しかも短時間で形成すること
が可能となる。図2を参照しながら、図1に示した圧電
振動子100を例に本発明による圧電振動子の製造方法
を説明する。
【0038】圧電セラミック板2の互いに対向する主面
に電極4a及び4bを形成する。この電極4aと4bと
の間に電圧を印加し、圧電セラミック板2を分極する
(図2中のS1)。電極4aが形成された面を外側にし
て、2枚の圧電セラミック板2を接着する(図2中のS
2)。この接着は、エポキシ樹脂などの接着力が強く、
弾性率の高い接着剤を用いて行うことができる。接着剤
は非常に薄く塗布されており、圧電振動子の振動を阻害
しない。また、接着された両電極4bは、導通状態にあ
る。なお、接着面の電極4b及び接着剤は、接着後の構
造を示す図においては、省略する。2枚のセラミック板
2の分極方向は図中の矢印の方向に限られず、互いに向
き合う方向でもよい。すなわち、電極4aを内側にし
て、2枚の圧電セラミック板2を接着してもよい。
【0039】次に、インバー等からなる金属マスク(不
図示)を圧電セラミック板2上の電極4aの上に配置す
る。金属マスクは、突起部3に対応する部分に開口部を
有する。溶射時間を制御することによって、突起部の高
さを調節できる。本実施例では、0.2mmの厚さを有
する金属マスクを用いた。プラズマ溶射装置を用いて、
金属マスクを介して電極4aに溶射粒子を吹き付ける。
金属マスクの開口部を通過した溶射粒子によって、電極
4a上に突起部3が形成される。同様にして、他方の電
極4a上にも、溶射突起部3を形成する。金属マスクに
代わって、ホトリソグラフィ技術を用いてレジストマス
クを形成してもよい。また、レジストマスクを形成する
材料としては、液状タイプのレジストやドライフィルム
レジストを用いることもできる。
【0040】突起部3が形成された圧電セラミック板を
所定の大きさに切断し、圧電振動子100が得られる。
圧電セラミック板の切断は、ダイシング装置またはワイ
ヤーソー等を用いて行うことができる。
【0041】図3を参照しながら、本実施例における溶
射工程を説明する。まず、プラズマ溶射装置にキャリア
ガスであるアルゴンガスとヘリウムガス、及び金属粒子
を供給する。本実施例では、アルゴンガス及びヘリウム
ガスの流量をそれぞれ15SLM及び3SLMとした。
金属粒子としては、平均粒径25μmのモリブデン粒子
を用いた。プラズマ溶射装置内でアーク放電(アーク電
流 400A、電圧30V)を発生し、金属粒子を溶融
し、得られた金属溶射粒子18をプラズマトーチ19か
ら出射する。プラズマトーチ19から出射された溶射粒
子18は、金属マスク16を介して圧電セラミック板1
5に吹き付けられる。その結果、圧電セラミック板15
上の金属マスク16の開口部17に対応する部分に、突
起部が形成される。この間、圧電セラミック板15は、
常温に放置されている。
【0042】溶射工法は、金属材料やセラミック材料な
どの微粒子を、高温状態のプラズマ中を通過させること
により、高温の溶融状態とし、この高温・溶融状態の微
粒子を基板にガス流と共に吹き付けることにより、基板
上に、この微粒子の膜を形成するものである。
【0043】溶射工法を用いて突起部3を形成すること
には以下のような利点がある。
【0044】(1) 厚い膜も容易に、短時間で形成でき
る。
【0045】(2) 溶射工法によって得られる膜(以
下、溶射膜と言う)は、高温の微粒子が次々と堆積して
構成されるので、互いの粒子の付着強度が高い膜が得ら
れる。
【0046】(3) 個々の微粒子は、高温・溶融状態と
なっているが、個々の微粒子が有する熱量自体はわずか
であり、また微粒子はガス流と共に基板に吹き付けられ
るので、基板温度の上昇は、ロウづけ、半田づけ等の工
法に比べて、著しく少ない。
【0047】本実施例では、突起物が溶射工法により形
成されたものであることが重要である。
【0048】突起物を形成する溶射工法は、バイモルフ
振動子(圧電素子)が高温に加熱されることなくバイモ
ルフ振動子に充分な付着強度を有する突起物を形成する
ことが可能で、しかも機械的強度が高い突起物を容易に
短時間に形成することができる。更に、突起物の厚みに
ついても、100μm以上の厚膜を容易に形成できるの
である。
【0049】実際、溶射工法では、基板温度の上昇は、
図14との関連で言えば、特性劣化が始まる約130℃
よりも十分に低い温度にとどまるので、突起物を形成す
る際のバイモルフ振動子の温度上昇は、従来のろう付け
等に比べると十分に低く、その結果、バイモルフ振動子
の特性への影響はほとんど認められなかった。
【0050】また、100μm以上の厚膜を形成できる
ので、バイモルフ振動子に強い加速度が加わって、バイ
モルフ振動子が撓んだ際にも、バイモルフ振動子が支持
部材ややパッケージ(支持体)に接触しにくく、広い範
囲の加速度を安定に検出することが可能である。従っ
て、本来のバイモルフ振動子(圧電素子)の特徴を十分
に生かすことができた。
【0051】図1に示した圧電振動子100を用いた加
速度センサ200の長手方向の断面を図4に示す。本実
施例における素子200の長さは、6mm、厚さ1.8
mm、幅2.8mmとした。バイモルフ振動子1に形成
した突起物3を介して、一方からバネ性を有する支持部
材6でパッケージ(保持体)に設けた凸部7との間に挟
むようにして、バイモルフ振動子1を中心で支持してパ
ッケージ5の中に納めている。バネ性を有する支持部材
6は、バイモルフ振動子1を一定の加圧力で保持し、か
つバイモルフ振動子1の振動を阻害しない。また、この
加圧力は外部からの衝撃、バイモルフ振動子1の強度、
加速度に対する感度などを考慮して決める。
【0052】加速度センサ200に図4の上下方向の成
分を有する加速度が加わると、バイモルフ素子1の中心
の支持部に負荷が生じ、バイモルフ素子1に歪が生じ
る。バイモルフ素子1の圧電効果のため、この歪により
バイモルフ素子1に電荷が発生し、電極4を通して外部
に取り出すことができる。発生する電荷量は、歪の大き
さ、すなわち外部から加えられる加速度の大きさに比例
するため、加速度を電気量として検出することができ
る。
【0053】外部電極21を通して取り出された電荷
は、図5に示す増幅回路300により増幅され、この増
幅回路300からの出力信号を加速度を示す信号として
利用することができる。本実施例の増幅回路300は、
電界効果型トランジスタ(FET40を用いた電流電圧
変換型増幅回路である。FET40のゲートは加速度セ
ンサ200の外部電極に接続され、ソースは抵抗を介し
て電源42に接続されるとともに、出力端子44に接続
されている。本実施例で用いられる増幅回路は、電流電
圧変換型増幅回路に限るものではなく、加速度センサの
用途に合わせて最適な回路を構成すればよい。
【0054】図4に示した構造では、バイモルフ振動子
1の中心が、支持幅を狭く安定かつ強固に支持すること
ができるため、一方の端面のみを固定する片持ち梁型の
同じ長さの圧電振動子より共振周波数が高くなる。この
ため、高い周波数範囲まで測定することができ、かつ支
持位置にきわめて近いところから振動による歪が発生し
やすく、加速度に対する大きな感度を得ることができ
る。
【0055】また、突起物3は金属マスク等を用いるこ
とにより、高い精度で位置を決めて形成することができ
るため、支持位置のばらつきが小さくできる。塗布量や
温度により、支持の幅や位置および支持の強度がかわる
接着材などを用いる支持方法に比べてばらつきが小さく
なる。
【0056】加えて、突起物3は導電性を有する材料で
バイモルフ振動子1の電極4上に形成されており、加速
度が加わってバイモルフ振動子1に発生した電荷を外部
に取り出す役目を果たす。パッケージ5の凸部7には銀
パラジウムなどの導電性薄膜20aが印刷やメッキなど
の工法により形成してあり、この導電性薄膜20aはパ
ッケージ5の外側の外部電極21aに電気的に接続され
ている。また、バネ性を有する支持部材6は導電性のあ
る金属、たとえばステンレス合金で構成されており、バ
イモルフ振動子1の電極4上に形成された突起物3と加
圧接触することによりバイモルフ振動子の一方の面から
の電荷の取り出し用のリードの役目を果たす。バネ性を
有する支持部材6と接触する部分のパッケージ5には外
部と導通している導電性薄膜20bを形成し、バイモル
フ振動子1の他方の面の電極4が外部電極21bと電気
的に接続される。このようにして、加速度によりバイモ
ルフ振動子1に発生した電荷を導電性接着剤などを用い
ることなく、容易に外部に取り出すことができ、導電性
接着剤の塗布範囲のばらつきによる特性ばらつき等を避
けることができる。
【0057】なお、加速度を検出する圧電素子としては
バイモルフ圧電素子に限るものではなく、圧電板を多数
張り合わせた多層の圧電素子や、単層の圧電素子や、シ
ム材に圧電板を貼り合わせたユニモルフ圧電素子でも良
い。また、バイモルフ振動子でも、シム材を挟み込んだ
ものでも良い。さらに、基板上に成膜された圧電薄膜と
電極で構成された圧電素子を用いてもよい。圧電材料と
しては、圧電セラミックに限るものではなく、ニオブ酸
リチウムなどでもよい。突起物3を形成する材料として
は、モリブデンに限るものではなく、ニッケル・クロム
合金、ステンレス合金、タングステン、真ちゅう、銀、
銅合金またはアルミ合金等の金属、または電導性セラミ
ック等を用いることができる。また、線状の突起物3は
各面に2本に限るものではなく、支持の安定と支持面積
を考慮し、1本または、3本以上でもよく、バイモルフ
振動子(圧電素子)の面により異なる数でも同様な効果
を得ることができる。さらに、突起物3の形状は線状に
限るものではない。
【0058】以上により、溶射工法を用いることによ
り、圧電素子を高温に加熱しなくても高い付着強度が得
られ、上下から押さえ込まれても大きな塑性変形をしな
い機械的強度の高い突起物を圧電素子の中心に得て、こ
の機械的強度の高い突起物を安定に支持することによ
り、加速度に対する感度の高い、特性ばらつきが小さく
信頼性の高い小型の加速度センサを実現することができ
る。
【0059】(実施例2)図6は本発明の実施例におけ
る加速度センサを構成する圧電振動子400の斜視図で
ある。圧電素子としては、圧電セラミック板2の間にシ
ム8をはさみ接着して形成したバイモルフ振動子1を用
いた。シム8としては、リン青銅板、ステンレス板など
を用いることができる。シム8を用いることにより圧電
素子の機械的強度が高くなり、パッケージへの実装など
が容易になる。圧電素子の対向する両面には電極4が形
成されている。バイモルフ振動子1の各面の中央には、
数μm〜数100μm程度の微細な凹凸があるニッケル
・クロム合金またはニッケル・クロム・アルミニウム合
金、モリブデン等の比較的硬度の大きい金属または導電
性セラミックなどが、線状に溶射等の工法で金属突起物
3として付けられている。ここで、突起物3の幅と厚み
は、耐振性・耐衝撃性を考慮して安定保持ができること
と、圧電素子の特性への影響を考慮して決める。そし
て、突起物13の材料は保持のための力がかかっても機
械的に安定であることと、リード線としての役目を兼ね
ているので電気的性質が安定であることことが求めら
れ、耐錆性、導電率、弾性率(硬度)等を考慮して決め
る。
【0060】図7は本発明の他の加速度センサ500に
おける図6の圧電振動子400の支持構造であり、圧電
振動子400の長手方向の断面図である。パッケージ5
の凸部(支持部)はPPS等の樹脂で形成されており、
2つの凸部7の間隔はパッケージおよび突起物の硬度や
ヤング率などの機械的特性を考慮して、バイモルフ振動
子が安定に支持されるように決定される。圧電振動子4
00はパッケージ5に設けられた2つの凸部7に圧入す
ることに加圧支持されている。パッケージ5の凸部7は
突起物より硬度の小さい材料が選択されていると、突起
物3の先端の接触部の微細な凹凸がパッケージの凸部に
食い込み安定に支持することができる。突起物3の面積
を小さくして圧電振動子400と支持部であるパッケー
ジ5の凸部7との接触面積を小さくしても、この様な機
械的結合により、耐振性・耐衝撃性が優れた安定に圧電
振動子400の支持ができる。
【0061】パッケージ5の2つの凸部7の表面には外
部電極と電気的に接続された電極パターンがメッキ等の
工法により形成されており、導電性の突起物が電極パタ
ーン30と接することによりバイモルフ振動子1の両面
の電極4は外部電極31と導通し、加速度が加わった場
合の出力信号を容易に取り出すことができる。
【0062】上記の実施例では、圧電素子にニッケル・
クロム合金またはニッケル・クロム・アルミニウム合
金、モリブデン等の比較的硬度の大きい金属が電導性突
起物として形成されているが、同様にステンレス合金、
タングステン、真ちゅう、銅合金またはアルミ合金等の
金属を用いることができる。また、電導性を持つものな
らセラミックでも同様の効果が得られる。また上記実施
例では、パッケージの凸部はPPS等の樹脂としたが、
セラミック等でも良い。凸部のみを樹脂とし、他のパッ
ケージ部をセラミックなどの材料としてもよい。
【0063】以上述べたように、本実施例の加速度セン
サは、導電性突起物を有する圧電振動子をパッケージ等
の支持体に圧入することによって圧電振動子を支持す
る。支持体の支持部を導電性突起物の硬度よりも低い材
料で構成することによって、導電性突起物は支持部に圧
入される。また、圧電振動子に形成された導電性突起物
の表面の数μm〜数100μm程度の微細な凹凸が、支
持部に食い込むので、効果的に機械的に結合し圧電振動
子を安定に支持することができる。
【0064】その結果、特性の優れた、しかも安定性の
優れた圧電振動子の支持を実現することができ、加速度
に対する感度の高い、特性ばらつきが小さく信頼性の高
い小型の加速度センサを提供することができる。
【0065】(実施例3)図8に本発明の実施例におけ
る加速度センサの圧電振動子600の斜視図である。図
8において、圧電素子は、圧電セラミック板2を張り合
わせて形成したバイモルフ振動子1であり、圧電セラミ
ック板2の各々の主面には電極4が形成されている。バ
イモルフ振動子1の対向する面の中央部には、電極4上
にモリブデンからなる突起物が溶射工法により線状に付
けられている。また、バイモルフ振動子1の各面の両端
には、付加質量として作用する付加質量部9が線状に形
成されている。本実施例のバイモルフ素子では、モリブ
デンを用いて溶射工法により中央部の支持のための突起
物3と同時に付加質量部9を形成した。
【0066】ここで、線状の突起物3の幅、高さと2本
の線の間隔は、耐振性・耐衝撃性を考慮して安定支持で
きることと、圧電素子1の特性への影響を考慮して決め
る。また、突起物の材料は支持のための力がかかっても
機械的に安定であること、リード線としての役目も兼ね
ているので電気的性質が安定であることが求められ、耐
錆性、導電性、弾性率(硬度)等を考慮して決めた。そ
して、突起物3の形成工法は、圧電振動子を高温に加熱
しなくても十分な付着強度が得られ、機械的強度が高い
突起物を容易に、しかも高速に得られる溶射工法を用い
ている。従って、圧電振動子の特性劣化はほとんど無視
できる程度に小さく、本来の圧電振動子の特徴を生かす
ことができる。
【0067】バイモルフ振動子1の両端に形成した付加
質量部9により、加速度に対する感度が向上した。付加
質量部9は、必要な感度特性から決定し、膜厚を変える
ことにより所望の質量を得る。この付加質量部9は、マ
スクを用いて中央部の突起物3を形成する際に同時に形
成することができ、製造工程を増やすことなく形成する
ことが可能である。付加質量部9を形成する材料は、突
起物の材料に必要とする条件を満たすもので、密度の大
きいものを選べば、より大きな効果が得られる。
【0068】図9は本発明の加速度センサ700におけ
る図8の圧電振動子600の支持構造であり、圧電振動
子600の長手方向の断面図である。図10は図9のX
−X線に沿った断面図である。バイモルフ振動子1の中
心に形成した突起物3を介して両側からバネ性を有する
支持部材10で挟むことにより支持し、支持部材10を
パッケージ5に固定している。バネ性を有する支持部材
10は、圧電振動子600を一定の加圧力で保持し、か
つ圧電振動子600の振動を阻害することなく、圧電振
動子600の中心を狭い支持幅で安定かつ強固に支持す
ることができるため、支持位置にきわめて近いところか
ら振動による歪が発生しやすく、加速度に対する大きな
感度を得ることができる。
【0069】また、突起物3は金属マスク等を用いるこ
とにより、高い精度で位置を決めて形成することができ
るため、支持位置のばらつきを小さくできる。塗布量や
温度により支持の幅や位置および支持の強度がかわる接
着材などを用いる支持方法に比べてばらつきが小さくな
る。
【0070】突起物3は導電性を有する材料で圧電振動
子600の電極4の上に形成されており、加速度が加わ
って圧電振動子600に発生した電荷を外部に取り出す
役目を果たす。バネ性を有する支持部材10は、導電性
を有しリード線を兼ねており、圧電振動子600の両面
の電極4が短絡しない構造をとる。バネ性を有する支持
部材10が固定される部分のパッケージには外部電極と
導通が保たれている導電性のパターンが形成されてお
り、バネ性を有する支持部材10をこの部分に固定する
ことにより、圧電振動子600の両面の電極4が外部の
電極と電気的に接続される。
【0071】バネ性を有する支持部材10のパッケージ
への固定は、圧入によって行ってもよく、導電性接着材
等によって行ってもよい。圧電振動子600をバネ性の
支持部材10で挟んだのちパッケージに固定することに
より、小型の圧電素子でも容易に扱うことが可能であ
る。
【0072】なお、加速度を検出する圧電素子としては
バイモルフ圧電素子に限るものではなく、圧電板を多数
張り合わせた多層の圧電素子や、単層の圧電素子や、シ
ム材に圧電板を貼り合わせたユニモルフ圧電素子でも良
い。また、バイモルフ振動子でも、シム材を挟み込んだ
ものでも良い。さらに、基板上に成膜された圧電薄膜と
電極で構成された圧電素子を用いてもよい。また、圧電
素子の形状は矩形に限るものでなく円盤状でもよい。圧
電材料としては、圧電セラミックに限るものではなく、
オブ酸リチウムなどでもよい。突起物を形成する材料
としては、モリブデンに限るものではなく、ニッケル・
クロム合金、ステンレス合金、タングステン、真ちゅ
う、銀、銅合金またはアルミ合金等の金属、または電導
性セラミック等が用いることができる。また、支持のた
めの線状突起物は各面1本に限るものではなく、また線
状の付加質量部9の本数は各端面1本に限るものではな
く、複数でもよくあるいは片面のみでもよい。さらに、
支持のための突起物3、および付加質量部9の形状は線
状に限るものでなく、点状の突起物を複数形成したもの
でもよい。付加質量部9と支持のための突起物3は同じ
厚さでなくともよく、付加質量を大きくするため、支持
のための突起物を所定の厚さに形成したのち、支持のた
めの突起物3の部分をマスク等で多い、付加質量部9に
だけさらに金属等を溶射により形成してもよい。また、
付加質量部と支持のための突起物は同じ材料でなくても
よく、異なる材料を別々に形成してもよい。
【0073】以上により、溶射工法を用いることによ
り、圧電振動子を高温に加熱しなくても高い付着強度を
得られ、上下から押さえ込まれても大きな塑性変形をし
ない機械的強度の高い突起物を圧電振動子の中心に得
て、この機械的強度の大きい突起物を支持部材により安
定に支持し、支持部材をパッケージに固定することによ
り、加速度に対する感度の高い、特性ばらつきが小さく
信頼性の高い小型の加速度センサを実現することができ
た。
【0074】
【発明の効果】本発明の加速度センサの圧電振動子は溶
射によって形成された金属またはセラミック等からなる
導電性突起を有し、この導電性突起を介してパッケージ
に支持されている。溶射によって形成された導電性突起
物は付着力や機械的強度に優れているので、圧電振動子
を安定に支持することが可能とりなり、耐衝撃性に優れ
た加速度センサを提供することが可能となる。また、圧
電振動子をその中央部で支持することによって、片持ち
梁構造の圧電振動子のように端部は自由に振動できるの
で、高い感度を有し、高い周波数領域の振動(加速度)
を検出することができる加速度センサを提供することが
可能となる。また、圧電振動子を微少な面積で固定する
ことができるので、小型の加速度センサを提供すること
ができる。さらに、導電性突起を介して圧電振動子の電
極をパッケージの外部に取り出すことができるので、加
速度センサの素子構造の単純化および小型化を図ること
ができる。
【0075】また、本発明の加速度センサの製造方法に
よると、溶射によって導電性突起を形成するので、加工
時に圧電体が高温まで加熱されることがない。従って、
製造工程において圧電特性の熱劣化が生じない加速度セ
ンサの製造方法を提供することができる。また、溶射に
よる導電性突起の加工精度は高いので、圧電特性の再現
性、量産安定性に優れた製造方法を提供することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における加速度センサを構成す
る圧電振動子の斜視図である。
【図2】本発明の実施例における加速度センサの製造工
程を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施例における溶射工程を示す模式図
である。
【図4】本発明の実施例における加速度センサの断面図
である。
【図5】本発明の実施例における回路図である。
【図6】本発明の実施例における加速度センサを構成す
る圧電振動子の斜視図である。
【図7】本発明の実施例における加速度センサの断面図
である。
【図8】本発明の実施例における加速度センサを構成す
る圧電振動子の斜視図である。
【図9】本発明の実施例における加速度センサの断面図
である。
【図10】図9の加速度センサのX−X線に沿った断面
図である。
【図11】(a)及び(b)は、本発明の突起の配置の
他の実施例を示す平面図である。
【図12】従来の加速度センサの構造を示す図である。
【図13】従来の加速度センサの他の構造を示す図であ
る。
【図14】セラミック圧電材料の圧電定数の温度依存性
を示す図である。
【符号の説明】
1 バイモルフ振動子 2 圧電セラミック板 3 突起物 4 電極 100 圧電振動子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 茂夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 西倉 孝弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 今田 勝巳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 住原 正則 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 武田 克 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 野島 貴志 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭53−131078(JP,A) 特開 昭62−266402(JP,A) 特開 平5−102548(JP,A) 特開 平5−215766(JP,A) 特開 平5−260770(JP,A) 実開 平5−23617(JP,U) 実開 平5−20422(JP,U) 実開 平2−90527(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01P 15/09 H01L 41/00 - 41/22 G01H 11/08 H01L 29/84

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向する第1及び第2の主面を有
    する圧電素子と、該第1及び第2の主面に形成された第
    1及び第2の電極と、該第1及び第2の電極上に溶射に
    よって形成された金属またはセラミックからなる導電性
    突起物とを有する圧電振動子と、 該導電性突起物を介して該圧電振動子を支持する支持体
    と、を有する加速度センサ。
  2. 【請求項2】 前記導電性突起物は、前記圧電振動子の
    長手方向の中央部分に形成されている請求項1に記載の
    加速度センサ。
  3. 【請求項3】 前記支持体はバネ性を有する支持部材を
    有し、前記圧電振動子は、前記第1及び第2の電極上の
    前記導電性突起物の少なくとも一方を介して、該支持部
    によって支持されている請求項2に記載の加速度セン
    サ。
  4. 【請求項4】 前記圧電振動子は前記支持体に圧入され
    ており、該圧電振動子の前記導電性突起物を介して、該
    支持体によって支持されている請求項1に記載の加速度
    センサ。
  5. 【請求項5】 前記支持体は、前記導電性突起物よりも
    硬度の低い材料からなる支持部を有し、該導電性突起物
    は該支持部に圧入されている請求項4に記載の加速度セ
    ンサ。
  6. 【請求項6】 前記圧電素子は、バイモルフ圧電素子、
    圧電板を多数張り合わせた多層の圧電素子、単層の圧電
    素子、シム材に圧電板を貼り合わせたユニモルフ圧電素
    子、シム材を狭持したバイモルフ圧電素子、及び基板上
    に成膜された圧電薄膜と電極で構成された圧電素子から
    なる群から選ばれる請求項1に記載の加速度センサ。
  7. 【請求項7】 前記圧電振動子は、前記第1及び第2の
    電極の少なくとも一方の電極上の該圧電振動子の長手方
    向の両端部に溶射によって形成された金属またはセラミ
    ックからなる突起物をさらに有する請求項1に記載の加
    速度センサ。
  8. 【請求項8】 前記導電性突起物は、前記第1及び第2
    の電極に対称に配置されている請求項1に記載の加速度
    センサ。
  9. 【請求項9】 前記導電性突起物は前記圧電振動子の幅
    方向に伸びる線状の突起物である請求項1に記載の加速
    度センサ。
  10. 【請求項10】 前記圧電振動子の長手方向の長さは幅
    方向の長さの3.5倍以上である請求項1に記載の加速
    度センサ。
  11. 【請求項11】 前記導電性突起物の高さは、50〜1
    50μmである請求項1に記載の加速度センサ。
  12. 【請求項12】 互いに対向する第1及び第2の主面を
    有する圧電素子と、該第1及び第2の主面に形成された
    第1及び第2の電極とを有する圧電振動子の少なくとも
    1方の電極上に、金属またはセラミックを溶射すること
    によって導電性突起物を形成する工程を包含する加速度
    センサの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記導電性突起物を介して前記圧電素
    子を支持する支持体を設ける工程を更に包含する請求項
    12に記載の加速度センサの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記導電性突起物を形成する工程は、
    該圧電振動子の長手方向の中央に開口部を有するマスク
    を介して、金属またはセラミックを溶射することによっ
    て導電性突起物を形成する工程を包含する請求項12に
    記載の加速度センサの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記マスクの前記開口部は、前記圧電
    振動子の幅方向に伸びる線状の開口部である請求項14
    に記載の加速度センサの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記第1及び第2の電極のそれぞれに
    前記導電性突起物を形成する請求項12に記載の加速度
    センサの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記導電性突起物の高さは、50〜1
    50μmである請求項12に記載の加速度センサの製造
    方法。
  18. 【請求項18】 前記支持体はバネ性を有する支持部材
    を有し、前記圧電振動子は、前記第1及び第2の電極上
    の前記導電性突起物の少なくとも一方を介して、該支持
    部によって支持される請求項13に記載の加速度センサ
    の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記支持体は、前記導電性突起物より
    も硬度の低い材料からなる支持部を有し、該導電性突起
    物は該支持部に圧入される請求項13に記載の加速度セ
    ンサの製造方法。
  20. 【請求項20】 前記圧電振動子の前記第1及び第2の
    電極の少なくとも一方の電極上の該圧電振動子の長手方
    向の両端部に金属またはセラミックを溶射することによ
    って突起物を形成する工程をさらに包含する請求項12
    に記載の加速度センサの製造方法。
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