JP3221532U - 結晶性樹脂発泡容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】結晶性樹脂発泡容器において、加熱後でもより取り扱いやすくする。【解決手段】結晶性樹脂発泡層を有する発泡シートの成形体であり、上端に開口部3を有する容器本体2を有し、前記容器本体2は、底壁10と、前記底壁10の周縁から立ち上がる側壁20と、前記側壁20の上端から外方へ張り出し前記開口部3を周回するすフランジ部30とを有し、前記フランジ部30は、前記フランジ部30の外縁を形成し前記開口部3を周回する張出部50を有し、前記張出部50の結晶化度は、前記側壁20の結晶化度よりも高いことよりなる。【選択図】図2

Description

本考案は、結晶性樹脂発泡容器に関する。
熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シート等の結晶性樹脂発泡シートを成形してなる結晶性樹脂発泡容器は、耐熱性に優れる。このため、結晶性樹脂発泡容器は、電子レンジやオーブンで加熱加工する食品の容器に使用されている。
熱結晶性樹脂発泡容器は、軟化点が低いため、電子レンジ等で内容物が加熱されると、軟化する。このため、加熱後に結晶性樹脂発泡容器を取り扱うと、結晶性樹脂発泡容器が変形しやすいという問題があった。
こうした問題に対して、特許文献1には、特定の熱可塑性ポリエステル系樹脂と、多官能化合物及び特定の発泡剤を含有する樹脂組成物を押出発泡して得られ、気泡の長方向と短方向との比が特定の範囲である熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡シートと、このシートを成形した容器とが提案されている。特許文献1に記載された発明によれば、耐熱性の向上が図られている。
特開平08−3358号公報
しかしながら、結晶性樹脂発泡容器には、加熱後においてもより取り扱いやすいことが求められる。
そこで、本考案は、加熱後においても、より取り扱いやすい結晶性樹脂発泡容器を目的とする。
<1>結晶性樹脂発泡層を有する発泡シートの成形体であり、上端に開口部を有する容器本体を有し、
前記容器本体は、底壁と、前記底壁の周縁から立ち上がる側壁と、前記側壁の上端から外方へ張り出し前記開口部を周回するすフランジ部とを有し、
前記フランジ部は、前記フランジ部の外縁を形成し前記開口部を周回する張出部を有し、
前記張出部の結晶化度は、前記側壁の結晶化度よりも高い、結晶性樹脂発泡容器。
<2>前記張出部の結晶化度は、前記側壁の結晶化度の1.1〜1.3倍である、<1>に記載の結晶性樹脂発泡容器。
<3>前記フランジ部は、前記側壁の上端から外方に張り出す水平部を有し、
前記張出部は、前記水平部の外方に位置し、
前記水平部の結晶化度は、前記側壁の結晶化度と同等以上である、<1>又は<2>に記載の結晶性樹脂発泡容器。
<4>前記張出部の結晶化度は、前記水平部の結晶化度よりも高い、<3>に記載の結晶性樹脂発泡容器。
<5>前記張出部の厚みは、前記側壁の厚みよりも薄い、<1>〜<4>のいずれかに記載の結晶性樹脂発泡容器。
<6>前記発泡シートは、前記結晶性樹脂発泡層と、前記結晶性樹脂発泡層の少なくとも一方の面に設けられた第一の非発泡層とを有する、<1>〜<5>のいずれかに記載の結晶性樹脂発泡容器。
<7>前記第一の非発泡層の表面に形成された印刷部と、前記印刷部を覆う第二の非発泡層とを有する、<6>に記載の結晶性樹脂発泡容器。
<8>前記第一の非発泡層は、結晶性樹脂を含む、<6>又は<7>に記載の結晶性樹脂発泡容器。
<9>食品包装容器である、<1>〜<8>のいずれかに記載の結晶性樹脂発泡容器。
<10>冷蔵食品用又は冷凍食品用の容器である、<9>に記載の結晶性樹脂発泡容器。
本考案の結晶性樹脂発泡容器によれば、加熱後においても、より取り扱いやすい。
第一の実施形態に係る結晶性樹脂発泡容器の平面図である。 図1のII−II断面図である。 植物由来のポリエステル系樹脂の製造工程の一例を示すフロー図である。 植物由来のポリエステル系樹脂の製造工程の一例を示すフロー図である。 植物由来のポリエステル系樹脂の製造工程の一例を示すフロー図である。 第二の実施形態に係る結晶性樹脂発泡容器の平面図である。 図6のVII−VII断面図である。 第三の実施形態に係る結晶性樹脂発泡容器の平面図である。 図8のIX−IX断面図である。
本考案の結晶性樹脂発泡容器は、側壁の上端から外方へ張り出し、開口部を周回するフランジ部を有し、フランジ部が張出部を有する。
以下、実施形態を挙げて本考案について説明する。
[第一の実施形態]
第一の実施形態の結晶性樹脂発泡容器について、図面を用いて説明する。
本実施形態の結晶性樹脂発泡容器は、図1〜2に示す容器であり、結晶性樹脂発泡層を有する発泡シートの成形体である。
(発泡シート)
本実施形態の発泡シートは、結晶性樹脂発泡層(以下、単に「発泡層」ということがある)を有する。発泡層は、加熱により結晶化する樹脂(結晶性樹脂)及び発泡剤を含む樹脂組成物から形成される。かかる発泡シートは、発泡層のみからなる単層構造でもよいし、発泡層の少なくとも一方の面に非発泡層が設けられた積層構造でもよい。
発泡シートの厚みとしては、0.3〜5.3mmが好ましい。
<発泡層>
発泡層の厚みとしては、0.3〜5.0mmが好ましく、0.4〜4.5mmがより好ましく、0.5〜4.0mmがさらに好ましい。上記下限値以上であれば、後述する結晶性樹脂発泡容器の強度をより高められる。上記上限値以下であれば、結晶性樹脂発泡容器の成形時に発泡シートの内部まで十分に加熱しやすい。
なお、厚みは、以下の方法で求められる値である。発泡層のTD方向の任意の10点の厚みをマイクロゲージで測定する。10点の測定値を平均して、発泡層の厚みとする。
発泡層の発泡倍率としては、1.5〜15倍が好ましく、2〜10倍がより好ましく、2〜8倍がさらに好ましい。上記下限値以上であれば、結晶性樹脂発泡容器の断熱性をより高められる。上記上限値以下であれば、結晶性樹脂発泡容器の成形時に発泡シートの内部まで充分に加熱しやすい。「発泡層の発泡倍率」は、1を「発泡層の見掛け密度」で除した値である。
発泡層の平均気泡径は、例えば、80〜450μmが好ましい。発泡層の平均気泡径は、ASTM D2842−69に記載の方法に準拠して測定された値である。
発泡層の独立気泡率は、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましく、100%でもよい。発泡層の独立気泡率は、JIS K7138:2006「硬質発泡プラスチック−連続気泡率及び独立気泡率の求め方」に記載の方法により測定される値である。
発泡層に含まれる結晶性樹脂は、加熱により結晶化する樹脂であればよい。結晶性樹脂としては、ポリエステル系樹脂が挙げられる。ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエチレンフラノエート樹脂(PEF)、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂(PTT)、テレフタル酸とエチレングリコールとシクロヘキサンジメタノールの共重合体、及びこれらの混合物並びにこれらと他の樹脂との混合物等が挙げられる。また、植物由来のポリエチレンテレフタレート樹脂、植物由来のポリエチレンフラノエート樹脂、植物由来のポリトリメチレンテレフタレート樹脂が用いられてもよい。これらのポリエステル系樹脂は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。特に好ましいポリエステル系樹脂は、ポリエチレンテレフタレート樹脂である。
ポリエステル系樹脂としては、いわゆるバイオPET等、植物由来のポリエステル系樹脂でもよい。
植物由来のポリエステル系樹脂は、サトウキビ、トウモロコシ等の植物原料を由来とするポリマーである。「植物原料を由来とする」とは、植物原料から合成され又は抽出されたポリマーが挙げられる。また、例えば、「植物原料を由来とする」とは、植物原料から合成され又は抽出されたモノマーが重合されたポリマーが挙げられる。「植物原料から合成され又は抽出されたモノマー」には、植物原料から合成され又は抽出された化合物を原料とし合成されたモノマーが含まれる。植物由来のポリエステル系樹脂は、モノマーの一部が「植物原料を由来とする」ものを含む。
植物由来のポリエステル系樹脂について、PET、PEFを例にして説明する。
PETの合成反応を(a)式に示す。nモルのエチレングリコールとnモルのテレフタル酸(Benzen−1,4−dicarboxylic Acid)との脱水反応によって、PETが合成される。この合成反応における化学量論上の質量比は、エチレングリコール:テレフタル酸=30:70(質量比)である。
Figure 0003221532
[(a)式中、nは化学量論係数である。]
エチレングリコールは、エチレンを酸化し、水和することで、工業的に製造される。また、テレフタル酸は、パラキシレンを酸化することで、工業的に製造される。
ここで、図3に示すように、植物由来のエタノール(バイオエタノール)の脱水反応によりエチレンを得、このエチレンから合成されたエチレングリコール(バイオエタノール由来のエチレングリコール)と、石油化学品由来のテレフタル酸からPETを合成する場合、製造されるPETは、植物由来30質量%のPETである。
また、図4に示すように、植物由来のイソブタノール(バイオイソブタノール)の脱水反応によりパラキシレンを得、このパラキシレンから合成したテレフタル酸と、バイオエタノール由来のエチレングリコールとからPETを合成する場合、製造されるPETは、植物由来100質量%のPETである。
PEFの合成反応を(b)式に示す。nモルのエチレングリコールと、nモルのフランジカルボン酸(2,5−Furandicarboxylic Acid)との脱水反応によって、PEFが合成される。
Figure 0003221532
[(b)式中、nは化学量論係数である。]
フランジカルボン酸(FDCA)は、例えば、植物由来のフルクトースやグルコースの脱水反応によってヒドロキシメチルフラール(HMF)を得、HMFを酸化して得られる。
図5に示すように、FDCA及びエチレングリコールの双方が植物由来の場合、製造されるPEFは、植物由来100質量%のPEFである。
樹脂組成物は、結晶性樹脂以外の他の樹脂を含有してもよい。樹脂組成物が結晶性樹脂以外の他の樹脂を含有する場合、他の樹脂の含有量は、結晶性樹脂の総質量に対して50質量%未満が好ましく、30質量%未満がより好ましく、10質量%未満がさらに好ましい。
ポリエステル系樹脂の重量平均分子量は、例えば、10万〜50万が好ましく、15万〜45万がより好ましく、20万〜40万がさらに好ましい。発泡層を構成する結晶性樹脂の重量平均分子量が上記数値範囲内であると、発泡シートの脆性を良好にしやすい。発泡シートの脆性が良好であると、発泡容器が低温時に破損しにくい。
重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した値を、標準試料として昭和電工(株)製の製品名「STANDARD SM−105」及び「STANDARD SH−75」を用いて得られる較正曲線に基づき換算した値である。
結晶性樹脂のIV値(極限粘度)は0.5〜1.50dl/gであることが好ましく、0.90〜1.10dl/gがより好ましい。
IV値は、(JIS K 7367−5(2000))の方法で測定できる。
発泡剤としては、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサン等の飽和脂肪族炭化水素、ジメチルエーテル等のエーテル類、塩化メチル、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン、モノクロロジフルオロメタン等のフロン、二酸化炭素、窒素等が挙げられ、ジメチルエーテル、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、二酸化炭素、窒素が好ましい。これらの発泡剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
本実施形態の発泡シートは、結晶性樹脂以外にその他成分(任意成分)を含有していてもよい。
任意成分としては、結晶性樹脂以外の樹脂成分、気泡調整剤、界面活性剤、着色剤、収縮防止剤、難燃剤、滑剤、劣化防止剤等が挙げられる。
気泡調整剤としては、タルク、四フッ化エチレン樹脂等が挙げられる。
<非発泡層>
発泡シートは、発泡層の片面又は両面に第一の非発泡層を有してもよい。
第一の非発泡層を構成する樹脂は、特に限定されず、発泡層を構成する樹脂と同様の樹脂が挙げられる。第一の非発泡層を構成する樹脂は、結晶性樹脂を含むことが好ましい。
第一の非発泡層を構成する樹脂は、発泡層を構成する樹脂と同様である。第一の非発泡層を構成する樹脂は、発泡層を構成する樹脂と同じでもよいし、異なってもよい。
第一の非発泡層の厚みは、結晶性樹脂発泡容器の用途等を勘案して決定され、例えば、10〜300μmが好ましく、20〜100μmがより好ましい。非発泡層の厚みが上記下限値以上であれば、結晶性樹脂発泡容器の強度のさらなる向上を図れる。非発泡層の厚みが上記上限値以下であれば、結晶性樹脂発泡容器の軽量化を図れる。
また、第一の非発泡層の表面には、印刷部が形成されていてもよい。加えて、第一の発泡層の表面には、印刷部を覆う第二の非発泡層が形成されていてもよい。
第二の非発泡層の厚みは、第一の非発泡層の厚みと同様である。第二の非発泡層の厚みは、第一の非発泡層の厚みと同じでもよいし、異なっていてもよい。
第二の非発泡層を構成する樹脂は、第一の非発泡層を構成する樹脂と同様である。第二の非発泡層を構成する樹脂は、第一の非発泡層を構成する樹脂と同じでもよいし、異なっていてもよい。
(結晶性樹脂発泡容器)
本実施形態の結晶性樹脂発泡容器は、上述の発泡シートを、公知の成形方法等を用いて、所望の形状に成形してなるものである。
発泡シートが第一の非発泡層を有する場合、結晶性樹脂発泡容器において、第一の非発泡層は、内面に位置してもよく、外面に位置してもよく、両面に位置してもよい。
本実施形態の結晶性樹脂発泡容器の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の結晶性樹脂発泡容器1は、容器本体2を有する。容器本体2は、平面視で楕円形の底壁10と、底壁10の周縁から立ち上がり、底壁10を囲む略円筒状の側壁20とを有する。容器本体2には、側壁20の上端で囲まれた開口部3が形成されている。側壁20は開口部3から底壁10に向かうに従い窄まっている。開口部3は平面視において、X1方向を長手、Y1方向を短手とする楕円形である。
容器本体2は、側壁20の上端に、開口部3の外方に張り出すフランジ部30を有する。フランジ部30は、開口部3を周回しており、長手方向X1の両側に張り出した摘部32を有する。
側壁20は、断面形状が波状の側壁補強部22を有する。底壁10は、平面視で円形の底壁補強部12を中央に有する。底壁補強部12は、底壁10の中央部が窪んだ凹状である。円形状の底壁10の外縁近傍は、底壁補強部12と同様に凹状であり、底壁補強部12と同様に設置面と接する。
図2に示すように、フランジ部30は、水平部31と、延設部40と、張出部50とを有する。水平部31は、側壁20の上端から外方に張り出し、開口部3の開口面と略平行となっている。延設部40は、水平部31の外縁から下方に向かって延びている。延設部40は、フランジ部30に沿って、開口部3を周回する。張出部50は、延設部40の下端から、側壁20から離れる方向(即ち、外方)に張り出している。即ち、張出部50は、水平部31の外方に位置する。張出部50は、フランジ部30に沿い、開口部3を周回する。
なお、本実施形態の開口部3は、平面視で楕円形であるが、本考案はこれに限定されない。開口部3の平面視形状は、正円でもよいし多角形でもよい。
図2に示すように、底壁10と側壁20とのつなぎ目に位置するコーナー部14は、断面形状が円弧状であることが好ましい。
底壁10と側壁20との境界は、コーナー部14の断面形状の円弧の中心である。断面形状の円弧の始点及び終点は、底壁10から円弧が始まる変曲点、及び、側壁20から円弧が始まる変曲点である。
結晶性樹脂発泡容器1の大きさは、特に限定されない。結晶性樹脂発泡容器1が食品包装容器である場合、例えば、長手方向の長さL1は215〜230mmであり、短手方向の長さW1は130〜150mmであり、高さH1は30〜45mmであることが好ましい。
水平部31に幅w31は、例えば、1〜10mmが好ましい。幅w31が上記下限値以上であれば、結晶性樹脂発泡容器1を取り扱いやすい。幅w31が上記上限値以下であれば、水平部31の強度をより高められる。
延設部40の高さh40は、例えば、2〜7mmが好ましい。高さh40が上記下限値以上であれば、フランジ部30の強度をより高められる。高さh40が上記上限値以下であれば、延設部40の硬度をより高められる。
張出部50の幅w50は、0.5〜3.0mmが好ましく、1.0〜2.0mmがより好ましい。幅w50が上記下限値以上であれば、結晶性樹脂発泡容器1の強度のさらなる向上を図れる。幅w50が上記上限値以下であれば、結晶性樹脂発泡容器1が過度に大きくなるのを防止できる。
側壁20の厚みは、例えば、0.5〜1.0mmが好ましい。
水平部31の厚みは、例えば、0.5〜1.0mmが好ましい。
延設部40の厚みは、例えば、0.5〜1.0mmが好ましい。
張出部50の厚みは、例えば、0.4〜0.7mmが好ましい。
側壁20の厚みと、水平部31の厚みと、張出部50の厚みとの関係は、下記式(s1)で表される関係が好ましい。
なお、各部位の厚みは、マイクロメータを用いて開口部3の周方向の任意の10点を測定し、その平均をとった値である。
張出部50の厚み<水平部31の厚み≦側壁20の厚み ・・・(s1)
側壁20の密度は、例えば、3.0〜10.0g/cmが好ましい。
水平部31の密度は、例えば、3.0〜10.0g/cmが好ましい。
延設部40の密度は、例えば、3.0〜10.0g/cmが好ましい。
張出部50の密度は、例えば、4.3〜12.5g/cmが好ましい。
側壁20の密度と、水平部31の密度と、張出部50の密度との関係は、下記式(s2)で表される関係が好ましい。
なお、各部位の密度は、坪量を厚みで除した値である。
張出部50の密度>水平部31の密度≧側壁20の密度 ・・・(s2)
張出部50の結晶化度は、側壁20の結晶化度よりも高い。張出部50の結晶化度が高くなると、張出部50が側壁20よりも剛直になる。このため、加熱後の結晶性樹脂発泡容器1の保形性が高まり、より取り扱いやすくなる。特に、張出部50における発泡層の結晶化度と、側壁20における発泡層の結晶化度との対比において、張出部50の発泡層の結晶化度が側壁20の発泡層の結晶化度よりも高いことが好ましい。
張出部50の結晶化度は、側壁20の結晶化度の1.1〜1.3倍が好ましく、1.15〜1.25倍がより好ましい。
また、張出部50の厚みは、側壁20の厚みよりも薄い。張出部50の厚みを薄くするように容器本体2を成形することで、張出部50の結晶化度を高められる。
また、張出部50の密度は、側壁20の密度よりも高い。張出部50の密度を高くするように容器本体2を成形することで、張出部50の結晶化度を高められる。
水平部31の結晶化度は、側壁20の結晶化度と同等以上が好ましい。同等とは、一方の結晶化度を100%とした場合、他方の結晶化度が95〜105%の範囲にあることをいう。水平部31の結晶化度が高くなると、水平部31が剛直になり、さらに取り扱いやすくなる。加えて、側壁20の結晶化度を低くできるので、側壁の柔軟性を維持できる。特に、水平部31における発泡層の結晶化度と、側壁20における発泡層の結晶化度との対比において、水平部31の発泡層の結晶化度が側壁20の発泡層の結晶化度と同等以上が好ましい。
水平部31の結晶化度は、側壁20の結晶化度の1.0〜1.3倍が好ましく、1.1〜1.3倍が好ましく、1.15〜1.25倍がより好ましい。
また、水平部31の厚みは、側壁20の厚みと同等以下が好ましい。水平部31の厚みを薄くするように容器本体2を成形することで、水平部31の結晶化度を高められる。
また、水平部31の密度は、側壁20の密度と同等以上が好ましい。水平部31の密度を高くするように容器本体2を成形することで、水平部31の結晶化度を高められる。
延設部40の結晶化度は、水平部31の結晶化度と同等以上が好ましい。延設部40の結晶化度が高くなると、延設部40が剛直になり、さらに取り扱いやすくなる。加えて、水平部31の結晶化度を低くできるので、水平部31の柔軟性を維持できる。このため、容器を落下させた場合において、水平部31の破損を抑制できる。特に、延設部40における発泡層の結晶化度と、水平部31における発泡層の結晶化度との対比において、延設部40の発泡層の結晶化度が水平部31の発泡層の結晶化度と同等以上が好ましい。
延設部40の結晶化度は、水平部31の結晶化度の1.0〜1.1倍が好ましい。
また、延設部40の厚みは、側壁20の厚みと同等以下が好ましい。延設部40の厚みを薄くするように容器本体2を成形することで、延設部40の結晶化度を高められる。
また、延設部40の密度は、側壁20の密度と同等以上が好ましい。延設部40の密度を高くするように容器本体2を成形することで、延設部40の結晶化度を高められる。
張出部50の結晶化度は、水平部31の結晶化度よりも高いことが好ましい。張出部50の結晶化度が高くなると、張出部50が剛直になり、さらに取り扱いやすくなる。加えて、水平部31の結晶化度を低くできるので、水平部31の柔軟性を維持できる。このため、容器を落下させた場合において、水平部31の破損を抑制できる。特に、張出部50における発泡層の結晶化度と、水平部31における発泡層の結晶化度との対比において、張出部50の発泡層の結晶化度が水平部31の発泡層の結晶化度よりも高いことが好ましい。
張出部50の結晶化度は、水平部31の結晶化度の1.1〜1.3倍が好ましく、1.15〜1.25倍がより好ましい。
また、張出部50の厚みは、水平部31の厚みよりも薄いことが好ましい。張出部50の厚みを薄くするように容器本体2を成形することで、張出部50の結晶化度を高められる。
また、張出部50の密度は、水平部31の密度よりも高いことが好ましい。張出部50の密度を高くするように容器本体2を成形することで、張出部50の結晶化度を高められる。
張出部50の結晶化度は、延設部40の結晶化度よりも高いことが好ましい。張出部50の結晶化度が高くなると、張出部50が剛直になり、さらに取り扱いやすくなる。加えて、延設部40の結晶化度を低くできるので、延設部40の柔軟性を維持できる。このため、容器を落下させた場合において、延設部40の破損を抑制できる。特に、張出部50における発泡層の結晶化度と、延設部40における発泡層の結晶化度との対比において、張出部50の発泡層の結晶化度が延設部40の発泡層の結晶化度よりも高いことが好ましい。
張出部50の結晶化度は、延設部40の結晶化度の1倍以上が好ましく、1.0〜1.3倍がより好ましい。
また、張出部50の厚みは、延設部40の厚みよりも薄いことが好ましい。張出部50の厚みを薄くするように容器本体2を成形することで、張出部50の結晶化度を高められる。
また、張出部50の密度は、延設部40の密度よりも高いことが好ましい。張出部50の密度を高くするように容器本体2を成形することで、張出部50の結晶化度を高められる。
側壁20の結晶化度は、例えば、15〜30%が好ましく、19〜26%がより好ましく、20〜23%がさらに好ましい。結晶化度が上記下限値以上であれば、220℃で加熱しても軟弱になりすぎず、容器としての機能を維持しやすい。結晶化度が上記上限値以下であれば、側壁20が脆くなるのを防ぎ、側壁20の物理強度を高められる。
なお、底壁10の結晶化度は、側壁20の結晶化度と同等である。
水平部31の結晶化度は、例えば、15〜30%が好ましく、20〜27%がより好ましい。結晶化度が上記下限値以上であれば、220℃の加熱でも軟弱になりすぎず、容器としての機能を維持しやすい。結晶化度が上記上限値以下であれば、水平部31が脆くなるのを防ぎ、水平部31の物理強度を高められる。
延設部40の結晶化度は、例えば、15〜30%が好ましく、21〜28%がより好ましい。結晶化度が上記下限値以上であれば、220℃の加熱でも軟弱になりすぎず、容器としての機能を維持しやすい。結晶化度が上記上限値以下であれば、延設部40が脆くなるのを防ぎ、延設部40の物理強度を高められる。
張出部50の結晶化度は、例えば、17〜35%が好ましく、22〜29%がより好ましい。結晶化度が上記下限値以上であれば、結晶性樹脂発泡容器1をさらに取り扱いやすくできる。結晶化度が上記上限値以下であれば、張出部50が脆くなるのを防ぎ、張出部50の物理強度を高められる。
結晶化度は、下記(a)式により求められる。
結晶化度(%)={(融解熱量の絶対値(J/g)−結晶化熱量の絶対値(J/g))÷完全結晶化熱量(J/g)}×100・・・(a)
(a)式中、融解熱量及び結晶化熱量は、JIS K7122(2012)「プラスチックの転移熱測定方法」に従い測定したDSC曲線から求めることができる。測定条件は以下の通りである。
DSCを用いアルミニウム製測定容器の底に隙間のないように測定試料を5〜10mg充填する。
次に窒素ガス流量20mL/分の下、30℃にて2分間保持し、速度10℃/分にて30℃から290℃まで昇温した時のDSC曲線を得る。このときの基準物質としてアルミナを用いる。
算出される結晶化度は、融熱ピークの面積から求められる融解熱量(J/g)と結晶化ピークの面積から求められる結晶化熱量(J/g)の差を、樹脂の完全結晶の理論融解熱量で除して求められる値である。融解熱量及び結晶化熱量は、装置付属の解析ソフトを用いて算出できる。
完全結晶化熱量は、100%結晶化した場合の熱量を表す。なお、PETの完全結晶化熱量は、140.1J/gである。
結晶性樹脂発泡容器1の各部位における結晶化度は、結晶性樹脂発泡容器1の成形条件により調節できる。
(結晶性樹脂発泡容器の製造方法)
本実施形態の結晶性樹脂発泡容器の製造方法としては、従来公知の製造方法が挙げられる。
例えば、結晶性樹脂発泡容器は、発泡シートを予備加熱する予熱工程、及び前記予熱工程後、発泡シートを金型で挟み、加熱成形する成形工程を含む製造方法で製造することができる。さらに、前記成形工程後、成形された前記発泡シートを冷却する冷却工程を含んでいてもよい。
<予熱工程>
予熱工程は、発泡シートをヒーター槽に投入して予備加熱し、発泡シートを軟らかくする工程である。ヒーター槽の温度は、90〜180℃が好ましく、100〜170℃がより好ましく、105〜160℃がさらに好ましい。上記下限値以上とすることで、発泡シートをより成形しやすくできる。上記上限値以下とすることで、結晶性樹脂の結晶化を抑制できる。
この時、発泡シートの表面温度を105〜140℃にすることが好ましく、110〜135℃にすることがより好ましく、115〜130℃にすることがさらに好ましい。上記下限値以上とすることで、発泡シートをより成形しやすくできる。上記上限値以下とすることで、発泡シート表面の結晶性樹脂の結晶化を抑制できる。
予熱工程における発泡シートの予熱時間は、20〜90秒が好ましく、20〜85秒がより好ましく、30〜80秒がさらに好ましい。上記下限値以上とすることで、発泡シートをより成形しやすくできる。上記上限値以下とすることで、発泡シート表面の結晶性樹脂の結晶化を抑制できる。
<成形工程>
成形工程は、予備加熱した発泡シートを金型で挟み、さらに加熱して所望の形状の結晶性樹脂発泡容器を成形する工程である。
成形方法としては、例えば、真空成形又は圧空成形が挙げられ、中でも圧空成形が好ましい。真空成形又は圧空成形としては、プラグ成形、フリードローイング成形、プラグ・アンド・リッジ成形、マッチド・モールド成形、ストレート成形、ドレープ成形、リバースドロー成形、エアスリップ成形、プラグアシスト成形、プラグアシストリバースドロー成形等が挙げられる。
成形工程では、金型の温度は、130〜200℃が好ましく、140〜195℃がより好ましく、160〜190℃がさらに好ましい。上記下限値以上とすることで、結晶性樹脂の結晶化度をより高めることができる。上記上限値以下とすることで、結晶性樹脂の過度な結晶化を抑制できる。
成形工程では、加熱成形の時間は、4〜15秒間が好ましく、5.0〜13秒間がより好ましく、6.0〜12秒がさらに好ましい。上記下限値以上とすることで、結晶性樹脂の結晶化度を高めることができる。上記上限値以下とすることで、結晶性樹脂発泡容器の生産性を高めることができる。
成形工程では、結晶性樹脂の結晶化熱量の絶対値は、1〜5mJ/mgが好ましく、1.2〜4.8mJ/mgがより好ましく、1.5〜4.5mJ/mgがさらに好ましい。上記下限値以上とすることで、結晶性樹脂の結晶化度を高めることができる。上記上限値以下とすることで、結晶性樹脂の過度な結晶化を抑制できる。
圧空成形では、金型として160〜200℃に加熱したオス型及びメス型を用い、オス型側から圧縮空気を供給して、予備加熱した発泡シートをメス型に4〜15秒間密着させる。
成形工程における金型の温度は、予熱工程におけるヒーター槽の温度よりも高いことが好ましい。
成形工程では、プラグ型とキャビティ型とで発泡シートを挟み込んで、底壁10、側壁20、水平部31、延設部40及び張出部50を形成する。底壁10、側壁20、水平部31、延設部40及び張出部50のそれぞれの位置におけるプラグ型とキャビティ型とのクリアランスと、加熱温度との組み合わせによって、各部位の結晶化度を調節できる。例えば、張出部50の厚みを側壁20の厚みよりも薄くすることで、張出部50の結晶化度を側壁20の結晶化度よりも高められる。張出部50の厚みを薄くすることで、張出部50を充分に加熱でき、張出部50の結晶化度を高められる。
<冷却工程>
冷却工程は、成形された発泡シートを冷却する工程である。
冷却工程では、成形した発泡シートを表面温度が50〜70℃になるまで冷却する。
冷却工程では、成形した発泡シートを10〜60秒かけて、発泡シートの表面温度が50〜70℃になるまで冷却することが好ましい。冷却することで結晶性樹脂の温度を軟化点未満にして、結晶性樹脂の結晶化の進行を止めることで、所望の結晶化度にできる。
冷却後、発泡シートから成形体を切り出し、結晶性樹脂発泡容器とする。
本実施形態の結晶性樹脂発泡容器によれば、張出部の結晶化度が側壁の結晶化度よりも高い。張出部の結晶化度が高いと、張出部は側壁に比べて剛直になり、加熱後においても張出部が軟弱になりにくい。このため、加熱後の結晶性樹脂発泡容器を取り扱っても、結晶性樹脂発泡容器が変形しにくい。加えて、側壁の柔軟性は失われていないため、内容物が充填された結晶性樹脂発泡容器を落下させた際、結晶性樹脂発泡容器の破損を防止できる。さらに、側壁は、従来の物性を維持しているため、結晶性樹脂発泡容器の断熱性が損なわれない。
このため、本実施形態の結晶性樹脂発泡容器は、家電包装容器、機械部品包装容器、食品包装容器等の容器として使用される。特に、食品包装容器として有用なものである。中でもオーブン及び電子レンジで加熱するものが好ましい。
さらに、グラタンやラザニア等のように焼き目をつけ、冷蔵又は冷凍で流通した後、電子レンジで加熱して喫食するためのレンジアップ容器として、特に好ましい。即ち、本実施形態の結晶性樹脂発泡容器は、冷蔵食品用又は冷凍食品用の食品包装容器として特に好ましい。
なお、レンジアップとは、冷蔵食品又は冷凍食品を電子レンジで加熱して調理することをいう。
[第二の実施形態]
本実施形態の結晶性樹脂発泡容器は、図6〜7に示す容器であり、結晶性樹脂発泡層を有する発泡シートの成形体である。本実施形態の発泡シートは、第一の実施形態の発泡シートと同様である。
図6の結晶性樹脂発泡容器100は、容器本体102を有する。容器本体102は、平面視真円の底壁110と、底壁110の周縁から立ち上がる側壁120と、側壁120の上端から外方に張り出すフランジ部130とを有する。
フランジ部130は、水平部131と、張出部150とを有する。
図7に示すように、水平部131は、側壁120の上端から外方に張り出し、開口部103を周回する。張出部150は、水平部131の外縁から、さらに外方に張り出している。即ち、張出部150は、水平部131の外方に位置している。張出部150は、水平部131に沿って、開口部103を周回する。
開口部103の開口径は、例えば、70〜150mmが好ましい。
容器本体102の高さは、例えば、20〜40mmが好ましい。
張出部150の幅w150は、第一の実施形態における幅w50と同様である。
本実施形態において、張出部150の厚みは、水平部131の厚みよりも薄い。また、張出部150の厚みは、側壁120の厚みよりも薄い。張出部150の厚みを薄くするように容器本体102を成形することで、張出部150の結晶化度を高められる。
張出部150の厚みは、第一の実施形態における張出部50の厚みと同様である。
水平部131の厚みは、第一の実施形態における水平部31の厚みと同様である。
側壁120の厚みは、第一の実施形態における側壁20の厚みと同様である。
本実施形態において、張出部150の密度は、水平部131の密度よりも高い。また、張出部150の密度は、側壁120の密度よりも高い。張出部150の密度を高くするように容器本体102を成形することで、張出部150の結晶化度を高められる。
張出部150の密度は、第一の実施形態における張出部50の密度と同様である。
水平部131の密度は、第一の実施形態における水平部31の密度と同様である。
側壁120の密度は、第一の実施形態における側壁20の密度と同様である。
張出部150の結晶化度は、側壁120の結晶化度よりも高くなっている。張出部150における発泡層の結晶化度と、側壁120における発泡層の結晶化度との対比において、張出部150の発泡層の結晶化度が側壁120の発泡層の結晶化度よりも高いことが好ましい。
張出部150の結晶化度は、側壁120の結晶化度の1.1〜1.3倍が好ましく、1.15〜1.25倍がより好ましい。
また、張出部150の厚みは、側壁120の厚みよりも薄い。張出部150の厚みを薄くするように容器本体102を成形することで、張出部150の結晶化度を高められる。
また、張出部150の密度は、側壁120の密度よりも高いことが好ましい。張出部150の密度を高くするように容器本体102を成形することで、張出部150の結晶化度を高められる。
水平部131の結晶化度は、側壁120の結晶化度と同等以上が好ましい。水平部131の結晶化度が高くなると、水平部131が剛直になり、さらに取り扱いやすくなる。加えて、側壁120の結晶化度を低くできるので、側壁の柔軟性を維持できる。特に、水平部131における発泡層の結晶化度と、側壁120における発泡層の結晶化度との対比において、水平部131の発泡層の結晶化度は側壁120の発泡層の結晶化度と同等以上が好ましい。
水平部131の結晶化度は、側壁120の結晶化度の1.0〜1.3倍が好ましく、1.1〜1.3倍が好ましく、1.15〜1.25倍がより好ましい。
また、水平部131の厚みは、側壁120の厚みと同等以下が好ましい。水平部131の厚みを薄くするように容器本体102を成形することで、水平部131の結晶化度を高められる。
また、水平部131の密度は、側壁120の密度と同等以上が好ましい。水平部131の密度を高くするように容器本体102を成形することで、水平部131の結晶化度を高められる。
張出部150の結晶化度は、張出部50の結晶化度と同様である。
水平部131の結晶化度は、水平部31の結晶化度と同様である。
側壁120の結晶化度は、側壁20の結晶化度を同様である。
第二の実施形態によれば、平面視真円形であるため、加熱された場合に、より変形しにくい。
[第三の実施形態]
本実施形態の結晶性樹脂発泡容器は、図8〜9に示す容器であり、結晶性樹脂発泡層を有する発泡シートの成形体である。本実施形態の発泡シートは、第一の実施形態の発泡シートと同様である。
図8の結晶性樹脂発泡容器200は、容器本体202を有する。容器本体202は、平面視真円の底壁210と、底壁210の周縁から立ち上がる側壁220と、側壁220の上端から外方に張り出すフランジ部230とを有する。
本実施形態において、フランジ部230は、張出部のみで構成されている。
図9に示すように、フランジ部230は、側壁220の上端から外方に張り出し、開口部203を周回する。
開口部203の開口径は、例えば、70〜150mmが好ましい。
容器本体202の高さは、例えば、20〜40mmが好ましい。
フランジ部230の厚みは、第一の実施形態における張出部50の厚さと同様である。
フランジ部230の幅は、第一の実施形態における水平部31の幅と同様である。
側壁220の厚みは、第一の実施形態における側壁20の厚みと同様である。
フランジ部230の密度は、第一の実施形態における張出部50の密度と同様である。
側壁220の密度は、第一の実施形態における側壁20の密度と同様である。
フランジ部(張出部)230の結晶化度は、側壁220の結晶化度よりも高くなっている。フランジ部230における発泡層の結晶化度と、側壁220における発泡層の結晶化度との対比において、フランジ部230の発泡層の結晶化度が側壁220の発泡層の結晶化度よりも高いことが好ましい。
フランジ部230の結晶化度は、側壁220の結晶化度の1.1〜1.3倍が好ましく、1.15〜1.25倍がより好ましい。
また、フランジ部230の厚みは、側壁220の厚みよりも薄い。フランジ部230の厚みを薄くするように容器本体202を成形することで、フランジ部230の結晶化度を高められる。
また、フランジ部230の密度は、側壁120の密度よりも高いことが好ましい。フランジ部230の密度を高くするように容器本体102を成形することで、フランジ部230の結晶化度を高められる。
フランジ部230の結晶化度は、張出部50の結晶化度と同様である。
側壁220の結晶化度は、側壁20の結晶化度を同様である。
[他の実施形態]
第一の実施形態では、底壁に平面視円形の底壁補強部が形成されているが、本考案はこれに限定されない。底壁補強部は、平面視多角形の凹部、十字状又は放射状の凹条でもよい。また、底壁補強部の形状は、凸状でもよいし、底壁補強部が形成されていなくてもよい。
第二及び第三の実施形態では、底壁補強部が形成されていないが、本考案はこれに限定されず、底壁補強部が形成されていてもよい。
第一の実施形態では、長手方向両側に摘部が形成されているが、本考案はこれに限定されない。摘部は、短手方向両側にのみ形成されていてもよいし、長手方向両側及び短手方向両側に形成されていてもよいし、形成されていなくてもよい。
第二及び第三の実施形態では、フランジ部に摘部が形成されていないが、本考案はこれに限定されず、摘部が形成されていてもよい。
第一の実施形態では、側壁に波状の側壁補強部が形成されているが、本考案はこれに限定されず、側壁補強部は断続的に形成されていてもよいし、側壁補強部が形成されていなくてもよい。
第二及び第三の実施形態では、側壁補強部が形成されていないが、本考案はこれに限定されず、側壁補強部が形成されていてもよい。
本考案の結晶性樹脂発泡容器は、容器本体の開口部を塞ぐ蓋体を有してもよい。結晶性樹脂発泡容器が蓋体を有する場合、蓋体の材質は特に限定されず、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエステル等が挙げられる。
(実施例1)
下記仕様の発泡シートを下記条件で成形し、図1の結晶性樹脂発泡容器1と同様の結晶性樹脂発泡容器を得た。得られた結晶性樹脂発泡容器を200℃で10分間加熱したところ、変形は認められなかった。
<発泡シートの仕様>
・構造:発泡層のみの単層シート。
・樹脂:ポリエチレンテレフタレート。
・坪量:330g/m
・厚み:0.75mm。
<成形条件>
・金型温度:180℃。
<結晶性樹脂発泡容器>
・容器寸法:L1=205mm、W1=135mm、H1=31mm。
・結晶化度:張出部=23%、延設部=22%、水平部=22%、側壁=20%、底壁=20%。
・厚み:張出部=0.4mm、延設部=0.7mm、水平部=0.7mm、側壁=0.8mm、底壁=0.8mm。
・密度:張出部=8.3g/cm、延設部=4.7g/cm、水平部=4.7g/cm、側壁=4.1g/cm、底壁=4.1g/cm
(比較例1)
実施例1と同じ発泡シートを下記条件で成形し、図1の結晶性樹脂発泡容器1と同様の結晶性樹脂発泡容器を得た。得られた結晶性樹脂発泡容器を200℃で10分間加熱したところ、フランジ部が垂れ下がり、変形した。
<成形条件>
・金型温度:180℃。
<結晶性樹脂発泡容器>
・容器寸法:L1=205mm、W1=135mm、H1=31mm。
・結晶化度:張出部=20%、延設部=22%、水平部=20%、側壁=20%、底壁=20%。
・厚み:張出部=0.7mm、延設部=0.7mm、水平部=0.7mm、側壁=0.8mm、底壁=0.8mm。
・密度:張出部=4.7g/cm、延設部=4.7g/cm、水平部=4.7g/cm、側壁=4.1g/cm、底壁=4.1g/cm
(結晶化度の測定)
結晶性樹脂発泡容器の各部位から試料を採取し、下記測定装置を用いて、下記測定条件にて、JIS K7122に従いDSC測定を行い、DSC曲線を得た。得られたDSC曲線の融解熱量及び結晶化熱量から、下記式(11)より結晶化度を算出した。
結晶化度(%)={(融解熱量の絶対値(J/g)−結晶化熱量の絶対値(J/g))÷完全結晶化熱量(J/g)}×100・・・(11)
<測定装置>
・DSC装置:示差走査熱量計装置 DSC7000X型(日立ハイテクサイエンス社製)。
<測定条件>
・試料量:5.5±0.5mg。
・リファレンス(アルミナ)量:5mg。
・窒素ガス流量:20mL/min。
・試験数:2。
上記の結果から、本考案を適用することで、加熱後の結晶性樹脂発泡容器をより取り扱いやすくできることが確認された。
1 結晶性樹脂発泡容器
2 容器本体
3 開口部
10、110、210 底壁
20、120、220 側壁
30、130、230 フランジ部
40 延設部
50、150 張出部

Claims (10)

  1. 結晶性樹脂発泡層を有する発泡シートの成形体であり、上端に開口部を有する容器本体を有し、
    前記容器本体は、底壁と、前記底壁の周縁から立ち上がる側壁と、前記側壁の上端から外方へ張り出し前記開口部を周回するすフランジ部とを有し、
    前記フランジ部は、前記フランジ部の外縁を形成し前記開口部を周回する張出部とを有し、
    前記張出部の結晶化度は、前記側壁の結晶化度よりも高い、結晶性樹脂発泡容器。
  2. 前記張出部の結晶化度は、前記側壁の結晶化度の1.1〜1.3倍である、請求項1に記載の結晶性樹脂発泡容器。
  3. 前記フランジ部は、前記側壁の上端から外方に張り出す水平部を有し、
    前記張出部は、前記水平部の外方に位置し、
    前記水平部の結晶化度は、前記側壁の結晶化度と同等以上である、請求項1又は2に記載の結晶性樹脂発泡容器。
  4. 前記張出部の結晶化度は、前記水平部の結晶化度よりも高い、請求項3に記載の結晶性樹脂発泡容器。
  5. 前記張出部の厚みは、前記側壁の厚みよりも薄い、請求項1〜4のいずれか一項に記載の結晶性樹脂発泡容器。
  6. 前記発泡シートは、前記結晶性樹脂発泡層と、前記結晶性樹脂発泡層の少なくとも一方の面に設けられた第一の非発泡層とを有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の結晶性樹脂発泡容器。
  7. 前記第一の非発泡層の表面に形成された印刷部と、前記印刷部を覆う第二の非発泡層とを有する、請求項6に記載の結晶性樹脂発泡容器。
  8. 前記第一の非発泡層は、結晶性樹脂を含む、請求項6又は7に記載の結晶性樹脂発泡容器。
  9. 食品包装容器である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の結晶性樹脂発泡容器。
  10. 冷蔵食品用又は冷凍食品用の容器である、請求項9に記載の結晶性樹脂発泡容器。
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