JP3221287U - 気泡発生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】予め設定された複数の気泡発生位置から気泡をバランスよく発生させるとともに、製造コストを低減できる気泡発生装置を提供する。【解決手段】気泡発生装置20は、空気供給パイプP1から供給される空気を貯留するとともに、水平面で構成された天井32cに貫通孔34a,34b,34cが設けられた空気貯留室32を含み、非多孔質性素材により構成された本体22を備え、貫通孔34a,34b,34cの直径は、供給される空気により貫通孔34a,34b,34cの直下方に形成される空気溜りの内圧が上昇してから空気が貫通孔を通り抜けるよう所定寸法以下の大きさで構成される。【選択図】図2
Description
本考案は、気泡を発生させる気泡発生装置、特に、浴槽内に気泡を発生させる気泡発生装置に関する。
入浴時のマッサージ効果やリラックス効果などを高めるために浴槽内の水に気泡を発生さることができるようにした気泡発生装置が開発されている。
特許文献1には、微細な孔が全体に形成された多孔質板内部に細長い管路を形成し、この管路内に圧縮空気を送り込んで多孔質板を通過させることで微細な気泡を浴槽内に供給する気泡発生装置が開示されている。
上記特許文献1に記載の気泡発生装置では、多孔質板を用いて気泡を発生させているが、多孔質板の通過し易い部分を通り抜けて気泡が発生するため気泡の発生する位置や発生する気泡の量に偏りが生じやすいという問題がある。また、気泡を発生させるため細長い管路が内部に設けられた多孔質板を用いる必要もあり、製造コストが増大するという問題もある。
本考案は、予め設定された複数の気泡発生位置から気泡をバランスよく発生させるとともに、製造コストを低減できる気泡発生装置を提供することを目的とする。
本考案の気泡発生装置は、空気供給口から供給される空気を気泡として浴槽に貯留された水に供給する気泡発生装置であって、空気供給口から供給される空気を貯留するとともに、水平面により構成された天井に気泡を発生させるための貫通孔が複数設けられた空気貯留室を含み、非多孔質性素材により構成された本体を備え、貫通孔の直径は、供給される空気により貫通孔の直下方に形成される空気溜りの内圧が上昇してから空気が貫通孔を通り抜けるよう所定寸法以下の大きさで構成されるものである。
本考案の気泡発生装置において、空気貯留室は、天井を支えるために支柱が設けられていてもよい。
また、本考案の気泡発生装置において、所定寸法は、3mmでもよい。
また、本考案の気泡発生装置において、貫通孔の直径は、0.5mm以上となるように設定されてもよい。
また、本考案の気泡発生装置において、複数の貫通孔は、直径の大きさが同じ大きさとなるように形成されてもよい。
さらに、本考案の気泡発生装置において、本体の上面は、化粧土を焼成してなる被覆層によって覆われていてもよい。
本考案の気泡発生装置によれば、空気貯留室内の天井に設けられた複数の貫通孔の直径は、直下方に空気溜りが形成されてから貫通孔を空気が通り抜けるよう所定寸法以下の大きさで構成される。これにより、空気貯留室内に形成される空気溜りが大きくなってから空気が貫通孔を通り抜ける。このため、複数の貫通孔の直下方に空気溜りが形成されてから空気が貫通孔を通り抜けて気泡として浴槽内に供給される。この結果、予め設定された気泡発生位置である各貫通孔からバランスよく気泡を噴出させることができる。また、管路が設けられた多孔質板を用いることなく気泡を発生させることができるため製造コストも低減できる。
以下、本考案の一実施形態である気泡発生装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、気泡発生装置20が設置された浴槽10の設置状態を示す図である。図2(a)は気泡発生装置20の底面側構成を示す図であり、図2(b)は同図(a)に示すA−A線で切断したときの断面構成を示す図である。なお、図1および図2(b)において、煩雑な図示となることを避けるため一部の断面ハッチングを省略して示している。
図1に示すように、気泡発生装置20は、浴槽10の底面10aに設置されており、浴槽10に貯留されている水Wに気泡を供給する機能を有する。気泡発生装置20は、略円盤状の外観形状を呈する本体22を備える。また、図2(a)および図2(b)に示すように、この本体22は、非多孔質性の陶器や磁器からなり有蓋筒状の構造を有する本体ユニット30と、この本体ユニット30の開口端である下端部を覆う略円盤状の底板26とを含む。底板26は、ステンレスなどの金属や、ポリカーボネートなどの樹脂材で構成され、接着剤などを用いて本体ユニット30に固定されている。
図2(b)に示すように、本体ユニット30は、空気貯留室32が内部に設けられ、空気貯留室32に連通する空気供給パイプP1が側壁30wを貫通して設けられている。この空気供給パイプP1には、空気ポンプ12(図1参照)に接続されたチューブT1の一端が挿し込まれており、空気ポンプ12(図1参照)から供給される空気を空気貯留室32に送り込む機能を有する。空気貯留室32には、上下方向に貫通する貫通孔34a,34b,34c,…が天井32cに複数設けられている。以下、特に区別する必要が無い場合は、貫通孔「34」と表記する。
各貫通孔34は、空気貯留室32に貯留される空気を気泡として噴き出させる役割を有し、天井32cの全域に分散配置される。各貫通孔34の直径は、所定の寸法以下の大きさで構成されている。ここで、所定の寸法は、例えば、3mmに設定するのがよく、より好ましくは1.5mmに設定するのがよい。また、上述した空気貯留室32は、天井32cが水平面により構成されている。このため、供給された空気が天井32cに沿って広範囲に広がりやすく、各貫通孔34に満遍なく空気を供給することができる。
ところで、空気貯留室32に貯留されている空気が貫通孔34を通り抜けるときには貫通孔34内の水Wとの界面に作用する表面張力によって空気を下方に押し戻そうとする力F(図3(a)参照)が作用する。このため、空気が貫通孔34を通り抜けるには、この力Fに打ち勝つ必要がある。また、貫通孔34のように孔の直径が小さい場合には、孔の直径が大きい場合と比較して表面張力の影響が相対的に大きくなるため空気の泡が貫通孔34を通り抜け難くなる。
そのため、空気貯留室32に大きな空気溜りAPが形成され、空気溜りAPの内圧がわずかに上昇することにより力Fに打ち勝って空気が各貫通孔34を通り抜けるようになる。このため、空気溜りAPが天井32cに沿って広範囲に広がる前に空気貯留室32から空気が抜け難くなり、上述したように各貫通孔34の直下方に空気溜りAPが形成される。
また、各貫通孔34の直径は、0.5mm以上の大きさとなるように形成することが好ましい。これにより、多孔質板を用いて微細な気泡を発生させる場合よりも比較的大きな気泡を発生させることができる。この結果、入浴中に気泡が肌に触れたときに気泡のサイズが比較的大きいため気泡が肌に触れたことを知覚し易く、気泡が肌に触れることで得られる心地良さを増すことができる。
さらに、各貫通孔34の直径の大きさは、全て同じ大きさとなるように形成することが好ましい。これにより、各貫通孔34から噴き出す気泡の量をより均等に近づけることができる。
また、空気貯留室32には、図2(a)および図2(b)に示すように、天井32cから鉛直下向きに延びるとともに下端が底板26に当接するように形成された支柱36a,36b,36c,…,が設けられている。これにより、入浴者が踏む、座るなどしたときに、本体ユニット30の上面30aに押圧力が作用しても充分に支えることができる。
ところで、本体ユニット30を陶器または磁器により構成する場合には、図2(b)に示すように、化粧土(化粧泥とも表現できる)を焼成してなる被覆層37を本体ユニット30の上面30aに設けるのが好適である。これにより、本体ユニット30の上面30aに汚れなどが付着するのを抑制できる。
この点に関し、考案者らが鋭意研究を重ねたところ、本体ユニット30に汚れが付着するのを防止するという観点では、化粧土の代わりに、釉薬などを焼成させて被覆層を構成した場合でも汚れが付着し難くなる。しかしながら、釉薬を用いて被覆層を構成した場合には、水で濡れた状態で滑りやすくなるとの知見を得た。
一方、化粧土を用いて被覆層37を形成した場合には、汚れの付着を抑制しつつ、水に濡れた場合においても滑りやすくならないことが判明した。このため、上述したように化粧土を用いて被覆層37を形成するのが好ましい。また、被覆層37に起伏を設ける(換言すると、凹凸を設ける)ことにより、より滑り難くしてもよい。また、被覆層37を設けない場合は、同様に、本体ユニット30の上面30aに起伏を設けるようにしてもよい。
続いて、本実施形態の気泡発生装置20を用いて気泡を浴槽10に供給するときの様子を図3(a)および図3(b)を用いて説明する。図3(a)は、空気の供給を開始した直後の空気貯留室32の空気溜りAPの状態を模式的に示す図である。図3(b)は、空気貯留室32の空気溜りAPが大きくなり、各貫通孔34から空気が噴き出すときの状態を模式的に示す図である。なお、図3(a)および図3(b)において、煩雑な図示となることを避けるため一部の断面ハッチングを省略して示している。
図3(a)に示すように、空気ポンプ12(図1参照)から空気が供給され始めると、空気貯留室32の天井32cに沿って薄い層状の空気溜りAPが形成される。この際、各貫通孔34内の水Wと空気溜りAPの界面には表面張力が作用するため空気は貫通孔34を通り抜けることができない。
そして、図3(b)に示すように、空気貯留室32に貯留される空気の量がさらに増加して空気溜りAPの空気圧が増加すると、上述した貫通孔34内の水Wの表面張力に打ち勝って空気が貫通孔34を通りに抜け気泡として水面に向かって噴き出すこととなる。
本実施形態の気泡発生装置20によれば、空気貯留室32の天井32cに設けられた複数の貫通孔34の直径は、直下方に空気溜りAPが形成されてから貫通孔34を空気が通り抜けるよう所定寸法以下の大きさで構成される。これにより、空気貯留室32に形成される空気溜りAPが大きくなってから空気が貫通孔34を通り抜ける。そのため、水平面である天井32cに沿って空気溜りAPが広がり各貫通孔34の直下方に空気溜りAPが形成されてから空気が貫通孔34を通り抜け気泡として浴槽10に貯留された水Wに供給される。この結果、予め設定された気泡発生位置である各貫通孔34からバランスよく気泡を噴出させることができる。また、管路が設けられた多孔質板を用いることなく気泡を発生させることができるため製造コストも低減できる。
図4は、気泡発生装置20の変形例である気泡発生装置50を示す図である。なお、図4において、煩雑な図示となることを避けるため一部の断面ハッチングを省略して示している。以下の説明において、上記実施形態に係る気泡発生装置20と構成が異なる部分についてのみ説明を行うとともに、構成が共通する部分については適宜説明を省略する。
図4に示すように、気泡発生装置50は、上面50aと浴槽60の底面60aとの間に段差が生じないように、浴槽60の底部に設けられた凹部62に嵌まり込むようにして取り付けられた浴槽一体型の気泡発生装置である。気泡発生装置50は、図示しない封止剤によって凹部62との隙間が塞がれている。これにより、浴槽60に貯留された水Wが気泡発生装置50と凹部62との隙間に浸入するのを防止している。
また、この浴槽60には、略水平方向に底部を貫通して凹部62に至る連結管64が埋設されており、連結管64の一端は気泡発生装置50の空気供給パイプに挿し込まれ、他端側はチューブT2を介して空気ポンプ12に接続されている。また、連結管64に逆流防止弁を設け、浴槽60の水Wが連結管64を経由して浴槽60の外に漏出するのを防止するようにしてもよい。
本考案は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施できる。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内で、何れかの考案特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良い。
10,60 浴槽
20,50 気泡発生装置
22 本体
26 底板
30 本体ユニット
30a,50a 上面
30w 側壁
32 空気貯留室
32c 天井
34a,34b,34c 貫通孔
36a,36b,36c 支柱
37 被覆層
AP 空気溜り
P1 空気供給パイプ(空気供給口)
T1,T2 チューブ
W 水
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Claims (6)
- 空気供給口から供給される空気を気泡として浴槽に貯留された水に供給する気泡発生装置であって、
前記空気供給口から供給される空気を貯留するとともに、水平面により構成された天井に気泡を発生させるための貫通孔が複数設けられた空気貯留室を含み、非多孔質性素材により構成された本体を備え、
前記貫通孔の直径は、供給される空気により前記貫通孔の直下方に形成される空気溜りの内圧が上昇してから空気が前記貫通孔を通り抜けるよう所定寸法以下の大きさで構成されていることを特徴とする、
気泡発生装置。 - 前記空気貯留室には、前記天井を支えるために支柱が設けられている、
請求項1に記載の気泡発生装置。 - 前記所定寸法は、3mmである、
請求項1または2に記載の気泡発生装置。 - 前記貫通孔の直径は、0.5mm以上となるように設定される、
請求項3に記載の気泡発生装置。 - 複数の前記貫通孔は、直径の大きさが同じ大きさとなるように形成される、
請求項1から4のいずれか1項に記載の気泡発生装置。 - 前記本体の上面は、化粧土を焼成してなる被覆層によって覆われている、
請求項1から5のいずれか1項に記載の気泡発生装置。
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JP2019000686U JP3221287U (ja) | 2019-02-26 | 2019-02-26 | 気泡発生装置 |
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