JP3221122U - 水改質器 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用者に水改質剤の交換時期を容易に知らせる水改質器を提供する。【解決手段】水改質器10は、第1の開口部11を有し、水を収容する本体部1と、水に可溶な水改質剤31が充填されたカートリッジ3と、カートリッジ3に設けられた第2の開口部32に着脱可能に連結されており、本体部1内の水を吸い上げる吸上管21、及び、吸い上げた水を噴霧するノズル22を有し、第1の開口部11に着脱可能に設けられた噴霧部2と、を備えている。【選択図】図1
Description
本考案は、水改質器に関する。
水道水から塩素を除去する等して水道水を改質し、人体の肌に適した肌用水を調整する水改質器として、特許文献1に記載された肌用水調整器が従来技術として知られている。
特許文献1に記載された肌用水調整器は、活性炭やイオン交換樹脂を含む水改質剤により水道水を改質するものであるが、このような水改質剤の肌用水を調整するための調整能力は有限である。そのため、特許文献1に記載された肌用水調整器では、水改質剤の交換時期を使用者に知らせるために、水改質剤が予め指示薬染料により着色されている。
しかしながら、指示薬染料は美容効果がなく、本来必要のない成分であり、また、肌への悪影響も懸念される上に、コストアップにもつながってしまう。
本考案の一態様は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、指示薬染料を必要とせず、使用者に水改質剤の交換時期を容易に知らせることが可能な水改質器を実現することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本考案の一態様に係る水改質器は、開口部を有し、水を内部に収容する本体部と、上記本体部内に設けられ、その内部に水に可溶な水改質剤が充填されたカートリッジと、上記カートリッジに設けられた開口部に着脱可能に連結され、上記本体部内の水を吸い上げる吸上管、及び、当該吸上管が吸い上げた水を噴霧するノズルを有し、上記開口部に着脱可能に取り付けられた噴霧部と、を備えていることを特徴としている。
本考案の一態様によれば、水に可溶な水改質剤が充填されたカートリッジを備えており、水改質剤が水の改質に伴って水に溶けて減っていくので、使用者は、水改質剤の残量を確認するのみで容易に交換時期を知ることができる。
以下、本考案の一実施形態について、図1を参照して詳細に説明する。図1は、本考案の一実施形態に係る水改質器の概要を示す断面模式図である。図1に示すように、水改質器10は、本体部1、噴霧部2及びカートリッジ3を備えている。本体部1は、上端に開口部11を有し、水を内部に収容する。噴霧部2は、本体部1内の水を吸い上げる吸上管21と、吸上管21が吸い上げた水を噴霧するノズル22とを有し、開口部11に着脱可能に取り付けられている。カートリッジ3は、本体部1内に設けられ、その内部に水に可溶な水改質剤31が充填されている。
水改質器10は、人体の肌の保湿、引き締め等の美容効果を得る目的で水道水を改質するために用いることができる。水道水には、殺菌用の塩素のように、肌に悪影響を及ぼす恐れのある成分が含まれている。水改質器10によれば、水道水中に含まれる肌に悪影響を及ぼす成分を水改質剤31により取り除き、人体の肌に適した肌用水を調整することができる。
すなわち、水改質器10によれば、外出先でも容易に入手できる水道水を原料として肌用水を調整することができ、安価である。また、水改質器10を、水を入れていない状態で持ち運び、使用時に水を入れればよいので、持ち運び時の水の漏出を防止することができる。さらに、水改質器10が備える水改質剤31は水に可溶であり、水の改質に伴って水に溶けて減っていくので、使用者は、水改質剤31の残量を確認するのみで容易に交換時期、すなわち水改質剤31を補充する時期を知ることができる。
本体部1は、内部に水が収容可能な筒状であり、開口部11から内部に水が導入される。開口部11は、噴霧部2を着脱可能に取り付けられる形状であり、噴霧部2に設けられたネジ部に螺合するネジ部を有していてもよい。本体部1は、持ち運びが容易で使い勝手が良いことから、軽くて丈夫な樹脂製であることが好ましい。また、本体部1は、水改質剤や改質された水に対する紫外線の影響を抑えるために、内部が視認できる程度に着色されていてもよい。
噴霧部2としては、公知の直圧式の噴霧部2を使用可能である。直圧式の噴霧部2を用いる場合、使用者がヘッド23を押圧すると、吸上管21内の空気が押し出されてカートリッジ3を介して本体部1に供給され、供給された空気により圧縮された本体部1内の水がカートリッジ3内を通過して、吸上管21から噴霧部2まで吸い上げられる。吸い上げられた水はヘッド23内を通過して、先端のノズル22から噴霧される。噴霧部2は、開口部11に着脱可能に取り付けられる形状であり、開口部11に設けられたネジ部に螺合するネジ部を有していてもよい。
カートリッジ3は、内部に水改質剤31を充填可能な筒状であり得る。カートリッジ3において、筒状体の長手方向の一端には開口部32が設けられており、開口部32に吸上管21が着脱可能に連結されている。カートリッジ3において、筒状体の長手方向の他端、すなわち、開口部32が設けられた一端とは反対側の端部には開口部33が設けられている。カートリッジ3には、開口部33から内部に水改質剤31を充填することができる。水改質剤31をカートリッジ3の内部に充填した後、不織布やメッシュ部材等により形成された蓋部34により開口部33を塞ぐ。これにより、水改質剤31がカートリッジ3外に出るのを防ぎつつ、カートリッジ3への水の流出入を妨げない。
上述したように噴霧部2のヘッド23を使用者が押圧すると、吸上管21から押し出された空気により本体部1内の水が圧縮され、図1の矢印に示すように、開口部33を介してカートリッジ3内に流入する。カートリッジ3内に流入した水は、カートリッジ3内に充填された水改質剤31に接触し、水に可溶な水改質剤31が水中に溶け出す。
カートリッジ3内に流入した水は、図1の矢印に示すように、開口部33から開口部32へと流れ、開口部32に連結された吸上管21から噴霧部2まで吸い上げられ、ノズル22から噴霧される。開口部32から噴霧部2まで吸い上げられた水は、カートリッジ3内を通過した水のみである。すなわち、噴霧部2のノズル22から噴霧される水は、全量がカートリッジ3内を通過しており、カートリッジ3内の水改質剤31により改質されたものである。
カートリッジ3は、本体部1内に収容され、噴霧部2を開口部11に取り付けた状態で本体部1から外側に飛び出ない形状及び大きさであればよい。カートリッジ3の容量は、収容する水改質剤31の量に応じて適宜設定することができる。カートリッジ3は、内部に充填された水改質剤31の残量を視認し易くするために透明であることが好ましいが、視認可能な程度に着色されていてもよい。
水改質剤31は水に可溶であり、水中に溶け出すことによって水を改質するものである。水改質剤31が水に可溶であることによって、指示薬染料などを使うことなく、水改質剤31の残量の呈示が可能となる。また、指示薬染料による肌への悪影響に対するリスクを低減するとともに、指示薬染料によるコストアップを避けることもできる。
水改質剤31は、有機酸であることが好ましい。水改質剤31が有機酸であることによって、水を弱酸性水に改質することができる。pH4〜6の弱酸性は人体の肌のpHに近いことから、水改質剤31として有機酸を用いることによって、改質する水を、肌用水として適した水にすることができると共に、肌を引き締めるアストリンゼント効果も付与することができる。
水改質剤31として用いる有機酸は、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、又はアスコルビン酸であることが好ましく、その中でも、アスコルビン酸であることがより好ましい。クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、及びアスコルビン酸は、多くの化粧品に使用されており、使用者が持つこれらの有機酸に対するイメージもよいため、好ましい。さらに、アスコルビン酸は還元力が強く、少量でも水道水中の塩素除去効果が高いことからより好適である。なお、水改質剤31としてアスコルビン酸を用いる場合には、紫外線による悪影響を防ぐために、内部が視認できる程度にカートリッジ3及び本体部1の少なくとも一方を着色し、紫外線除去効果を得てもよい。
水改質剤31は、徐放性を有することが好ましい。徐放性を有する水改質剤31は、有機酸と油脂成分との混合物であるか、又は、有機酸が油脂成分によりコーティングされたものであり得る。水改質剤31が徐放性を有することによって、水改質剤31が水中に徐々に溶け出すので、水改質剤31が水中に過剰に溶け出すことを防ぐことができる。また、水改質剤31による水の改質効果をより長期間継続させることができる。さらに、水改質剤31が油脂を含むことによって、水改質剤31に含まれる油脂成分による保湿効果が、改質した水に付与されることも期待できる。
水改質剤31に含まれる油脂成分は、ヒトの肌の美容に悪影響を及ぼさない油脂成分であればよく、例えば、菜種油、オリーブ油等の食用精製加工油脂であり得る。また、水改質剤31は、ヒトの肌の美容に悪影響を及ぼさないものである限り、乳化剤、安定剤、保水材等の他の成分をさらに含んでいてもよい。
水改質剤31は、水のpHを4以上、6以下にするものであることが好ましい。すなわち、水改質剤31は、例えば、一般的な水道水(日本の水道水質基準においては、pH5.8〜pH8.6)を、そのpHが4以上、6以下になるように改質するものであり得る。このような条件を満たす水改質剤31を用いることによって、水改質剤31が充填されたカートリッジ3内を通過する間に水が改質され、人体の肌に適した肌用水が調整される。上述した条件を満たす水改質剤31は、水改質剤31に含まれる有機酸の種類、量、油脂成分の含有量等を適宜選択することにより調整することができる。
カートリッジ3に充填する水改質剤31の量は特に限定されず、所望の水改質効果が得られ、改質された水がノズル22から噴霧されるのを妨げない量であればよい。カートリッジ3内の水改質剤31は、水に溶けだすことによって量が減るので、減った分の水改質剤31が適宜補充されることが好ましい。カートリッジ3内に水改質剤31を補充するタイミングは、水改質剤31が完全に溶け出した後でなくてもよく、所定の量の水改質剤31が溶け出した時点、のように適宜設定すればよい。
〔付記事項〕
本考案の一形態において、水改質器は、開口部を有し、水を内部に収容する本体部と、上記本体部内に設けられ、その内部に水に可溶な水改質剤が充填されたカートリッジと、上記カートリッジに設けられた開口部に着脱可能に連結され、上記本体部内の水を吸い上げる吸上管、及び、当該吸上管が吸い上げた水を噴霧するノズルを有し、上記開口部に着脱可能に取り付けられた噴霧部と、を備えている。
本考案の一形態において、水改質器は、開口部を有し、水を内部に収容する本体部と、上記本体部内に設けられ、その内部に水に可溶な水改質剤が充填されたカートリッジと、上記カートリッジに設けられた開口部に着脱可能に連結され、上記本体部内の水を吸い上げる吸上管、及び、当該吸上管が吸い上げた水を噴霧するノズルを有し、上記開口部に着脱可能に取り付けられた噴霧部と、を備えている。
本考案の他の形態において、上記水改質剤は、有機酸であることが好ましい。
本考案の他の形態において、上記水改質剤は、徐放性を有することが好ましい。
本考案の他の形態において、上記水改質剤は、上記有機酸と油脂成分との混合物である、又は上記有機酸が油脂成分によりコーティングされていることが好ましい。
本考案の他の形態において、上記水改質剤は、水のpHを4以上、6以下にするものであることが好ましい。
本考案の他の形態において、上記有機酸は、アスコルビン酸であることが好ましい。
本考案は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本考案の技術的範囲に含まれる。
本考案の一実施例について以下に説明する。ノズル径9mm、噴霧水量0.1mLの水改質器のカートリッジ内に、水改質剤として、アスコルビン酸徐放剤VC−LC70(日油株式会社製)2gを充填し、不織布で蓋をしたカートリッジを取り付けた。アスコルビン酸徐放剤の成分比は、ビタミンC70%、アラビアガム0.1%、プルラン0.1%、食用精製加工油脂17.4%、還元パラチノース12.4%であり、その形状は、ビタミンCの表面が油脂によりコーティングされた球形状であった。
豊橋市の水道水(pH7.2)50mLを本体部内に注いだ後、ノズル内の空気が抜けきるまで噴霧部をプッシュした。ノズルから処理水が噴霧されるようになってから20プッシュ分(2mL)を廃棄し、その後の噴霧水のpHを測定した。
同様の実験を3回繰り返したところ、処理水のpHは4.0〜5.5であった。
本考案は、改質した水を利用する技術分野に利用することができる。
1 本体部
2 噴霧部
3 カートリッジ
10 水改質器
11 開口部
21 吸上管
22 ノズル
31 水改質剤
32 開口部
2 噴霧部
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10 水改質器
11 開口部
21 吸上管
22 ノズル
31 水改質剤
32 開口部
以下、本考案の一実施形態について、図1を参照して詳細に説明する。図1は、本考案の一実施形態に係る水改質器の概要を示す断面模式図である。図1に示すように、水改質器10は、本体部1、噴霧部2及びカートリッジ3を備えている。本体部1は、上端に開口部(第1の開口部)11を有し、水を内部に収容する。噴霧部2は、本体部1内の水を吸い上げる吸上管21と、吸上管21が吸い上げた水を噴霧するノズル22とを有し、開口部11に着脱可能に取り付けられている。カートリッジ3は、本体部1内に設けられ、その内部に水に可溶な水改質剤31が充填されている。
カートリッジ3は、内部に水改質剤31を充填可能な筒状であり得る。カートリッジ3において、筒状体の長手方向の一端には開口部(第2の開口部)32が設けられており、開口部32に吸上管21が着脱可能に連結されている。カートリッジ3において、筒状体の長手方向の他端、すなわち、開口部32が設けられた一端とは反対側の端部には開口部33が設けられている。カートリッジ3には、開口部33から内部に水改質剤31を充填することができる。水改質剤31をカートリッジ3の内部に充填した後、不織布やメッシュ部材等により形成された蓋部34により開口部33を塞ぐ。これにより、水改質剤31がカートリッジ3外に出るのを防ぎつつ、カートリッジ3への水の流出入を妨げない。
Claims (6)
- 開口部を有し、水を内部に収容する本体部と、
上記本体部内に設けられ、その内部に水に可溶な水改質剤が充填されたカートリッジと、
上記カートリッジに設けられた開口部に着脱可能に連結され、上記本体部内の水を吸い上げる吸上管、及び、当該吸上管が吸い上げた水を噴霧するノズルを有し、上記開口部に着脱可能に取り付けられた噴霧部と、を備えていることを特徴とする水改質器。 - 上記水改質剤は、有機酸であることを特徴とする請求項1に記載の水改質器。
- 上記有機酸は、アスコルビン酸であることを特徴とする請求項2に記載の水改質器。
- 上記水改質剤は、徐放性を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の水改質器。
- 上記水改質剤は、上記有機酸と油脂成分との混合物である、又は上記有機酸が油脂成分によりコーティングされていることを特徴とする請求項4に記載の水改質器。
- 上記水改質剤は、水のpHを4以上、6以下にするものであることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の水改質器。
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