JP3220486U - 脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレット - Google Patents

脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレット Download PDF

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Abstract

【課題】軽量性、経済性に富み、滑り性に優れると共に、装着した脚カバーの嵌合強度が適度なものであり、使用後に容易に取り外し可能な脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレットを提供する。【解決手段】30〜100倍の発泡倍率を有する合成樹脂発泡体からなり、平板状のデッキ部2と、デッキ部の下方に突出する脚部3aとを一体的に有し、脚部に脚カバー30aが装着された脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレット1であって、パレットの脚部に、接地面側の開口部が円形状である凹陥部4aが形成されており、脚カバーが、パレットの脚部の接地面を覆う底部31aと、底部から立ち上る脚部の凹陥部に挿入される先細りの突部32aとを有し、パレットの脚部に形成された凹陥部の開口部内径(D)と、脚カバーの突部の外径寸法における長径(L1)及び短径(L2)とが、L1 > D > L2 及び1.2 > L1/D の関係を満足するものとした。【選択図】図4

Description

本考案は、合成樹脂発泡体を用いたワンウェイタイプのパレットに関し、特に、脚部の保護及び摩擦の低減が図られた脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレットに関するものである。
従来、みかん、バレイショ、大根、白菜、人参等の果実、野菜などの、比較的軽量で且つ衛生的であることが要求される物品の搬送に用いるパレットとしては、合成樹脂製のパレットが使用されており、その多くはレンタル方式で繰返し使用することがなされていた。しかし、生産地から遠距離の市場に輸送する場合や、数ヶ所の市場を経由して輸送する場合などにおいては、パレットの回収率が悪く、レンタル方式が成り立たない場合があった。
そこで、繰り返し使用を想定せず、回収を行わないワンウェイタイプのパレットが存在している。ワンウェイパレットとしては、軽量性及び経済性に優れることから合成樹脂発泡体製パレットが好適に使用されている。
合成樹脂発泡体製パレットの使用においては、その摩擦係数が大きいことから、トラックへの積み込み、荷下ろしにおいて荷台床面との抵抗を低下させ、床面上を滑らせてパレットを移動させることが要求され、その為にパレットの脚部の滑り性及び強度を向上させたいという要望がある。
ここで、特許文献1には、パレットの脚とパレット載置面間の摩擦を減少させ、またフォークリフトのフォークが衝突して構造的損傷を受けないように脚を保護するため、パレットの脚に低い摩擦係数のキャップを嵌めたポリスチレン発泡体製パレットが開示されている。
特開平8−26277号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されたパレットは、ポリスチレン発泡体からなるものの、48〜80kg/m3と高密度であるために軽量性に劣ると共に高価なものとなり、ワンウェイパレットとして使用するには不向きであった。
また、特許文献1には、低い摩擦係数のキャップをパレットの脚にぴったり合うように嵌めて取り付けることが記載されているが、互いに嵌合するためのパレットの脚の凹みとキャップの突起との具体的な関係については明示されておらず、嵌合する部分の形状、寸法等によっては、嵌合強度に問題が生じたり、また脚の凹みと装着したキャップとの間に閉じ込められた空気が圧縮された際の空気圧によってキャップが外れたりしてしまうことが生じ得るものであった。
本考案は、上述した背景技術が有する実情に鑑みて成されたものであって、その目的とするところは、軽量性、経済性に富み、滑り性に優れると共に、脚カバーの装着が容易であり、装着した脚カバーの嵌合強度に優れる脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレットを提供することにある。
上記した目的を達成するため、本考案は、次の〔1〕〜〔7〕に記載した脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレットとした。
〔1〕 30〜100倍の発泡倍率を有する合成樹脂発泡体からなり、平板状のデッキ部と、該デッキ部の少なくとも四隅に形成されたデッキ部の下方に突出する脚部とを一体的に有し、前記脚部に合成樹脂からなる脚カバーが装着された脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレットであって、
上記パレットの脚部に、接地面側の開口部が円形状或いは正方形状である凹陥部が形成されており、
上記脚カバーが、上記パレットの脚部の接地面を覆う底部と、該底部から立ち上る上記脚部の凹陥部に挿入される先細りの突部とを有し、
上記脚カバーの突部の底部から立ち上がる部分の断面形状が、上記パレットの脚部に形成された凹陥部の開口部が円形状である場合には楕円形状であり、上記パレットの脚部に形成された凹陥部の開口部が正方形状である場合には楕円形状或いは長方形状であり、上記パレットの脚部に形成された凹陥部の開口部内径(D)と、上記脚カバーの突部の外径寸法における長径(L1)及び短径(L2)とが、下記の式1及び式2を満足することを特徴とする、脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレット。

L1 > D > L2 ・・・式1
1.2 > L1/D ・・・式2

なお、上記パレットの脚部に形成された凹陥部の開口部内径(D)とは、開口部が円形状である場合は該円の直径であり、開口部が正方形状である場合は該正方形の一辺の長さである。また、上記脚カバーの突部の外径寸法における長径(L1)及び短径(L2)とは、底部から立ち上がる部分の突部の断面形状が楕円形状である場合は該楕円の長軸及び短軸のそれぞれの長さであり、底部から立ち上がる部分の突部の断面形状が長方形状である場合は該長方形の長辺及び短辺のそれぞれの長さである。
〔2〕 上記パレットの脚部の凹陥部の側面と上記脚カバーの突部の側面との角度差が、0〜5度であることを特徴とする、上記〔1〕に記載の脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレット。
〔3〕 上記脚カバーが、上記底部の周縁から上方に向かって立ち上がり、上記パレットの脚部の外側面を覆う側壁部を有することを特徴とする、上記〔1〕又は〔2〕に記載の脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレット。
〔4〕 上記パレットの脚部の高さ(H)に対する、上記脚カバーの側壁部の高さ(T)が、下記の式3を満足することを特徴とする、上記〔3〕に記載の脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレット。

T/H = 0.1〜0.5 ・・・式3

〔5〕 上記パレットの脚部が、デッキ部の四隅、四隅の中間及びデッキ部の中央に合計9個形成され、それらの脚部の全てに脚カバーが装着されていることを特徴とする、上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレット。
〔6〕 上記脚カバーが、0.2〜0.8mmの厚さを有することを特徴とする、上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレット。
〔7〕 上記脚カバーが、ポリエチレンテレフタレート系樹脂又は耐衝撃性ポリスチレン系樹脂からなることを特徴とする、上記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレット。
上記した本考案に係る脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレットによれば、30〜100倍と高発泡の合成樹脂発泡体製パレットの脚部に合成樹脂からなる脚カバーを装着したものであるので、軽量性を維持しつつ滑り性に優れるものとなり、トラックへの積み込み、荷下ろしの際の荷台床面と脚部の抵抗が少なく、積み込み、荷下ろしが容易なものとなる。また、パレットが高発泡であるために撓み易く、さらに脚カバーの底部から立ち上がる部分の突部の断面形状が楕円形状或いは長方形状であり、パレットの脚部に形成された円形状或いは正方形状の凹陥部の開口部内径(D)と、前記突部の外径寸法における長径(L1)及び短径(L2)とが特定の関係式を満足することにより、パレットと脚カバーとの嵌合が容易であり、なおかつ嵌合強度に優れるものとなる。
本考案に係る脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレットの一実施形態を示した斜視図である。 合成樹脂発泡体製パレットの脚部に脚カバーを装着する前の状態を示した部分拡大斜視図である。 図1のA−A腺に沿う部分の拡大断面図である。 (a)は四隅に設けた脚部の底面図であり、(b)は四隅に設けた脚部に装着する脚カバーの底面図である。 (a)は四隅中央に設けた脚部の底面図であり、(b)は四隅中央に設けた脚部に装着する脚カバーの底面図である。 (a)は中央に設けた脚部の底面図であり、(b)は中央に設けた脚部に装着する脚カバーの底面図である。 (a)は合成樹脂発泡体製パレットの脚部に設けられた凹陥部の断面図であり、(b)は脚カバーに設けられた突部の断面図である。 脚カバーに設けられた突部の断面形状を示した図であって、(a)は一方が開放された突部の断面図であり、(b)は封鎖された形状の突部の断面図である。 脚カバーの嵌め易さを評価する方法を概念的に示した断面図である。 脚カバーの嵌合強度を評価する方法を概念的に示した斜視図である。
以下、本考案に係る脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレットの実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
本考案に係る脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレット1は、図1に示したように、荷物が載せられる平板状のデッキ部2と、該デッキ部2の下面に設けられフォークリフトの爪が差し込まれる間隙を確保してデッキ部2を支える脚部3とが、合成樹脂発泡体により一体的に形成されており、上記脚部3に、合成樹脂からなる脚カバー30が装着されたものである。
上記デッキ部2の形状寸法は、パレットとしての利便性の観点、また取扱性の観点などから、幅は900〜1300mm、長さは900〜1300mm、厚さは40〜80mmの矩形状のものであることが好ましく、幅は960〜1200mm、長さは960〜1200mm、厚さは50〜70mmの矩形状のものであることが更に好ましい。図示した実施形態に係るパレット1にあっては、デッキ部2は、幅が1120mm、長さが1120mm、厚さが60mm程度の矩形状のものに形成されている。
上記脚部3は、デッキ部2を支え、4方向からフォークリフトの爪を差し込む間隙を確保するものであり、デッキ部2の下面の少なくとも四隅に形成されている。脚部3は、図1に示したように、上記四隅(この四隅に形成された脚部を図において「3a」の符号を付す。)の他、四隅の中間(この四隅の中間に形成された脚部を図において「3b」の符号を付す。)、及びデッキ部の中央(このデッキ部の中央に形成された脚部を図において「3c」の符号を付す。)にも形成されていることが好ましく、この場合には合計9個の脚部3が形成されたものとなる。
上記脚部3の形状は、特には限定されないが、4方向からフォークリフトの爪を差し込む間隙を形成すると共に設置面積を確保する観点からは四角柱状の脚部とすることが好ましいが、フォークリフトの爪が当たり難くまた破損し難いものとする観点からは角部のない円柱状の脚部とすることが好ましい。図示した実施形態に係るパレット1においては、上記の両者の兼ね合いから、デッキ部2の四隅に設けた脚部3aはデッキ部2の周側面に連なる2面の側面を除く側面部分を弧状側面とした底面視扇形状の脚部に形成し、デッキ部2の四隅の中間に設けた脚部3bはデッキ部2の周側面に連なる1面の側面を除く側面部分を弧状側面とした底面視半円弧形状の脚部に形成し、デッキ部2の中央に形成した脚部3cは設置面積を確保する観点から四角柱状の脚部に形成している。
脚部3の高さ(H)は、フォークリフトの爪を差し込む作業性の観点から50〜90mmが好ましく、60〜80mmであることが更に好ましい。また、デッキ部2の厚さと脚部3の高さとの合計厚さ(M)は、成形サイクル短縮と軽量性との観点から90〜170mmであることが好ましく、110〜150mmであることがより好ましい。
上記したデッキ部2と脚部3との境界部は、R20〜R100のR状に形成されていることが好ましい。R状に形成されていないと脚部とデッキ部との境界部が角部を有するものとなり、パレットに荷重がかかった際に該角部に応力が集中して該境界部から亀裂が生じ易くなる。なお、R状とは、デッキ部2と脚部3との境界部が曲面形状からなることを示す。例えば、R20であれば半径が20mmの曲面で形成されていることを示す。上記観点から、デッキ部2と脚部3との境界部は、R30以上であることが好ましく、R50以上であることがより好ましい。一方、フォークリフトの爪を挿入し易くするという観点からは、R90以下であることが好ましく、R80以下であることがより好ましい。
上記脚部3には、少なくとも脚部の接地面側に開口部を有する凹陥部4が形成されている。該凹陥部4は、すべての脚部3a,3b,3cにそれぞれ凹陥部4a,4b,4cが形成されていることが成形サイクル短縮と軽量化の観点から好ましいが、少なくとも四隅に設けた脚部3aには脚カバーを装着する観点からそれぞれ凹陥部4aが形成されている。図示した実施形態に係るパレット1においては、脚部3a,3b,3cの全てに、それぞれ接地面側のみに開口している凹陥部4a,4b,4cが形成されている。これらの脚部3に形成した凹陥部4は、強度の観点などから、デッキ部2と脚部3の合計厚さ(M)に対する、パレットの厚さ方向における凹陥部4の深さ(N)は、80%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましい。一方、軽量性の観点からは、デッキ部2と脚部3の合計厚さ(M)に対する、パレットの厚さ方向における凹陥部4の深さ(N)が、20%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましい。
凹陥部4の形状は、少なくとも四隅の脚部3aに設けた凹陥部4aにあっては、接地面側の開口部が円形状或いは正方形状であるものとする。これは脚部の割れや欠けを防止する観点、また脚カバーの装着性の観点からである。図示した実施形態に係るパレット1においては、四隅の脚部3a及び四隅中間の脚部3bには、それぞれ接地面側の開口部が円形状である凹陥部4a,4bを形成し、中央の脚部3cには、開口部が正方形状の凹陥部4cを形成している。開口部における円形状或いは正方形状は、縦横(図4(a),図5(a),図6(a)参照)の寸法差[〔(D−D)/D〕×100]が±1%以下であることが好ましく、±0.5%以下であることがより好ましく、0%であることがさらに好ましい。
また、凹陥部4は、脚部3の総接地面積に対する、凹陥部4における接地面の合計開口面積の割合が10%以上50%以下を満足するものとすることが好ましい。上記を満足すると、脚部の圧縮量が大きくなり過ぎるおそれや脚部に割れ、欠けが生じるおそれを抑制することができる。上記観点から、脚部3の総接地面積に対する、凹陥部4における接地面の合計開口面積の割合は、45%以下が好ましく、40%以下がより好ましい。また、脚部3の総接地面積に対する、凹陥部4における接地面の合計開口面積の割合の下限は、凹陥部を設けることによる成形サイクル短縮と軽量化の実効を図る観点から、12%以上であることが好ましい。
なお、上記脚部の総接地面積とは、脚部の外径寸法から求めた合計面積から凹陥部における接地面の合計開口面積を除いた、パレット使用時に床面に接する面積である。
上記デッキ部2と脚部3とからなるパレット1は、発泡倍率が30〜100倍の合成樹脂発泡体の一体成形体として形成されている。特に本考案は、後述するように、脚カバー30の突部32の外径寸法における長径(L1)が、上記パレットの脚部3に形成された凹陥部4の開口部内径(D)よりも大きい(L1>D)ものであるため、脚カバーの突部32の外径寸法における長径(L1)によりパレットの凹陥部4の開口部が圧縮されて押し広げられることとなる。一般に発泡体における圧縮変形は、発泡倍率が高い方が変形し易くなる傾向にある。かかる観点から、パレット1は、発泡倍率の下限が40倍であることが好ましく、50倍であることがより好ましい。一方、十分な単位面積当たりの荷重保持力を有し、荷物の載置による発泡体の損壊を抑制する観点から、発泡倍率の上限は、80倍が好ましく、70倍がより好ましい。パレット1の発泡倍率が上記範囲であると軽量性に優れ、かつ十分な単位面積当たりの荷重保持力を有し、荷物の載置による発泡体の損壊を抑制することができると共に、適度な撓み性を有するものとなり、脚カバー30の装着が容易なものとなる。
上記したパレット1を形成するための合成樹脂としては、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂等を挙げることができる。これらの中でも、圧縮等の機械的物性、軽量性、更には経済性に優れることからポリスチレン系樹脂が好ましい。ポリスチレン系樹脂を用いた場合には、その発泡倍率は40〜90倍であることが好ましく、50〜70倍であることがより好ましく、55〜65倍であることがさらに好ましい。
なお、上記ポリスチレン系樹脂には、ポリスチレンの他に、基材樹脂中のスチレン成分単位が50重量%以上である、スチレンと他のコモノマー成分との共重合体(スチレン系共重合体)やポリスチレンと他の熱可塑性樹脂との混合物や複合樹脂が包含される。より具体的には、ポリスチレンやスチレンを主成分とするスチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ポリフェニレンエーテル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、耐衝撃性ポリスチレン、ポリスチレンまたはスチレン系共重合体とポリオレフィン系樹脂との複合樹脂等が挙げられる。上記スチレン系樹脂におけるスチレン成分単位は60重量%以上含まれていることが好ましく、特に80重量%以上含まれていることが好ましい。
また、上記パレット1を形成する発泡成形体の形態としては、上記した形状や、大きな形状のパレットであっても容易に製造できることから、発泡粒子を型内に充填して加熱成形された発泡粒子成形体が好ましい。この発泡粒子成形体は、例えば樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性樹脂粒子を作製し、前記発泡性樹脂粒子を発泡させて発泡粒子を得て、前記発泡粒子を所定形状の金型内に充填し、蒸気等で加熱して発泡粒子を融着させて型内成形することで得ることができる。
上記した合成樹脂発泡体製パレット1は、摩擦係数が高く、また損傷し易いものであるため、少なくとも四隅の脚部3には、脚カバー30が装着されている。図示した実施形態にあっては、四隅の脚部3aのみならず、四隅中央の脚部3b及び中央の脚部3cにも、それぞれ脚カバー30a,30b,30cが装着されている。
脚カバー30は、上記したパレットの脚部3に形成された凹陥部4を利用して脚部3に装着されるもので、パレットの脚部3の接地面と同形状の底部31と、該底部31の中央付近から立ち上る先細りの突部32とを有している。この脚カバー30は、突部32がパレットの脚部3に形成された凹陥部4に挿入されて取り付けられる。
脚カバー30は、底部31の周縁から立ち上がる側壁部33を有することが好ましい。脚カバー30が側壁部33を有する場合には、側壁部33が脚部3の外側表面を覆い、パレットの脚部3と脚カバー30との嵌合性をさらに向上させることができる。
脚カバー30の突部32の底部31から立ち上がる部分の断面形状は、上記パレット1の脚部3に形成された凹陥部4の開口部が円形状である場合には楕円形状に形成され、上記パレット1の脚部3に形成された凹陥部4の開口部が正方形状である場合には楕円形状或いは長方形状に形成されている。そして、上記パレットの脚部3に形成された凹陥部4の開口部内径(D)と、上記脚カバーの突部32の外径寸法における長径(L1)及び短径(L2)とが、以下の式1及び式2を満足する形状に形成されている。

L1 > D > L2 ・・・式1
1.2 > L1/D ・・・式2

なお、上記パレットの脚部3に形成された凹陥部4の開口部内径(D)とは、開口部が円形状である場合は該円の直径であり、開口部が正方形状である場合は該正方形の一辺の長さである。また、上記脚カバーの突部32の外径寸法における長径(L1)及び短径(L2)とは、底部から立ち上がる部分の突部の断面形状が楕円形状である場合は該楕円の長軸及び短軸のそれぞれの長さであり、底部から立ち上がる部分の突部の断面形状が長方形状である場合は該長方形の長辺及び短辺のそれぞれの長さである。また、上記楕円とは、長円をも含むものである。長円とは、1対の半円の間に直線部分が設けられている、いわゆる陸上競技のトラックのような形状である。
上記式1を満足しない脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレットである場合には、嵌合強度に劣り、パレット使用時に脚カバーが外れてしまうおそれがある。また、式2を満足しない脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレットである場合には、開口部内径(D)に対して長径(L1)が大きすぎるため、脚カバーが嵌らないおそれや脚カバーが嵌め難くなるおそれがある。一方、式1及び式2を満足する脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレットである場合には、パレットの脚部3に形成された凹陥部4の開口部内径(D)よりも脚カバーの突部32の外径寸法における長径(L1)の方が大きいため、脚カバーの突部32により、パレットの凹陥部4の開口部が圧縮されて押し広げられ、嵌合強度に優れる脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレットとなる。また、脚カバーの突部32の外径寸法における短径(L2)よりもパレットの脚部3に形成された凹陥部4の開口部内径(D)の方が大きいため、パレットの脚部3に形成された凹陥部4と脚カバーの突部32との間に僅かな隙間が形成されることとなり、パレットの脚部3に形成された凹陥部4の中の空気がその隙間から排出され、脚カバー30が嵌め易い脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレットとなる。
上記した観点から、パレットの脚部に形成された凹陥部の開口部内径(D)と、上記脚カバーの突部の外径寸法における長径(L1)及び短径(L2)とが、上記の式1及び下記の式4を満足するものとすることが好ましい。

1.10 > L1/D >1.01 ・・・式4
図7(b)に示す上記脚カバー30の突部32の角度(θ2)は、80〜89度であることが好ましく、83〜88.5度であることがより好ましい。
また、図7(a)に示すパレット脚部3の凹陥部4の角度(θ1)は、85〜90度であることが好ましく、86〜89度であることがより好ましい。
角度(θ1)を角度(θ2)で割った値(θ1/θ2)の上限は、1.2であることが好ましく、1.1であることがより好ましく、1.05であることがさらに好ましい。一方、角度(θ1)を角度(θ2)で割った値(θ1/θ2)の下限は、1.00であることが好ましく、1.01であることがより好ましい。また、上記パレットの脚部の凹陥部の側面と上記脚カバーの突部の側面との角度差(θ1−θ2)が、0〜5度であることが好ましく、1〜3度であることがより好ましい。
上記範囲を満足すると、パレットの脚部3と脚カバー30との嵌め易さ、および嵌合強度がさらに優れる脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレットとすることができる。
上記パレット脚部3の凹陥部4の形状は、開口部が円形状である場合には円柱または円錐台となり、開口部が正方形状である場合には正四角柱または正四角錐台となる。上記脚カバー30の突部32の形状は、底部から立ち上がる部分の突部の断面形状が楕円形状である場合には楕円錐台となり、底部から立ち上がる部分の突部の断面形状が長方形状である場合には長辺及び短辺を有する四角錐台となる。
脚カバー30の側壁部33の高さ(T)は、10〜50mmが好ましく、15〜40mmが更に好ましい。10mm以上であればパレットの脚部3から外れ難くなり、50mm以下であると軽量性に優れると共に、装着し易くなる。
また同様の観点から、上記パレットの脚部3の高さ(H)に対する、上記脚カバーの側壁部33の高さ(T)が、下記の式3を満足することが好ましく、下記の式5を満足することが更に好ましい。

T/H = 0.1〜0.5 ・・・式3
T/H = 0.2〜0.4 ・・・式5
脚カバー30の厚みは、0.2〜0.8mmであることが好ましく、0.3〜0.6mmであることがより好ましい。脚カバーの厚さが上記範囲を満足するものである場合には、強度に優れ、かつ軽量性にも優れる脚カバー30とすることができる。
なお、上記脚カバーの厚さは、脚カバーの底部及び突部から3カ所ずつ無作為に厚みを測定し、それらの測定値の平均値である。
上記脚カバー30を形成するための合成樹脂としては、耐衝撃性ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリスチレンまたはスチレン系共重合体とポリオレフィン系樹脂との複合樹脂等が挙げられる。上記の中でも、機械的物性に優れる観点からはポリエチレンテレフタレート系樹脂又は耐衝撃性ポリスチレン系樹脂が好ましい。
また、上記脚カバー30の形態としては、特に限定されるものではないが、上記した形状を容易に製造できることから、真空成形やインジェクション成形が好ましい。
パレット1と脚カバー30との嵌合強度の観点からは、脚カバー30に貫通孔が形成されていないことが好ましい。なお、上記脚カバー30の突部形状は、突部の断面図において図8に概念的に示した(a),(b)の両者の突部形状をも本明細書において含むものである。なお、図8(a)は一方が開放された形状を示し、図8(b)は封鎖された形状をそれぞれ示す。上記突部形状の中でも軽量性の観点から、上記脚カバー30の突部形状は、一方が開放された(a)に示した形状であることが好ましい。
図4〜図6は、図1に示した実施形態に係る脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレットの脚部及び脚カバーをそれぞれ示した図であって、図4(a)は四隅に設けた脚部の底面図、図4(b)は四隅に設けた脚部に装着する脚カバーの底面図、図5(a)は四隅中央に設けた脚部の底面図、図5(b)は四隅中央に設けた脚部に装着する脚カバーの底面図、図6(a)は中央に設けた脚部の底面図、図6(b)は中央に設けた脚部に装着する脚カバーの底面図を、それぞれ示した図である。
図4(a)に示したように、四隅の脚部3aには、接地面側の開口部が円形状である凹陥部4aが形成されており、図4(b)に示したように、四隅に設けた脚部に装着する脚カバー30aには、底部31aから立ち上がる部分の断面形状が楕円形状である突部32aが形成されている。そして、上記脚部3aに形成された凹陥部4aの開口部内径(D)と、上記脚カバーの楕円形状突部32aの外径寸法における長径(L1)及び短径(L2)とが、上記した式1及び式2を満足する形状に形成され、脚部3aと脚カバー30aとの嵌合強度が適度なものとされている。
また、図5(a)に示したように、四隅中央の脚部3bには、やはり接地面側の開口部が円形状である凹陥部4bが形成されており、図5(b)に示したように、四隅中央に設けた脚部に装着する脚カバー30bには、底部31bから立ち上がる部分の断面形状が楕円形状である突部32bが形成されている。そして、上記脚部3bに形成された凹陥部4bの開口部内径(D)と、上記脚カバーの楕円形状突部32bの外径寸法における長径(L1)及び短径(L2)とが、上記した式1及び式2を満足する形状に形成され、脚部3aと脚カバー30aとの嵌合強度が適度なものとされている。
また、図6(a)に示したように、中央の脚部3cには、接地面側の開口部が正方形状である凹陥部4cが形成されており、図6(b)に示したように、該中央に設けた脚部に装着する脚カバー30cには、底部31cから立ち上がる部分の断面形状が長方形状である突部32cが形成されている。そして、上記脚部3cに形成された凹陥部4cの開口部内径(D)と、上記脚カバーの長方形状突部32cの外径寸法における長辺長さ(L1)及び短辺長さ(L2)とが、上記した式1及び式2を満足する形状に形成され、脚部3cと脚カバー30cとの嵌合強度が適度なものとされている。
上記した本考案の実施形態に係る脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレット1によれば、30〜100倍と高発泡の合成樹脂発泡体製パレット1の脚部3に合成樹脂からなる脚カバー30を装着したものであるので、軽量性を維持しつつ滑り性に優れるものとなり、トラックへの積み込み、荷下ろしの際の荷台床面と脚部の抵抗が少なく、積み込み、荷下ろしが容易なものとなる。また、パレット1が高発泡であるために撓み易く、さらに脚カバー30の底部31から立ち上がる部分の突部32の断面形状が楕円形状或いは長方形状であり、パレットの脚部に形成された円形状或いは正方形状の凹陥部4の開口部内径(D)と、前記突部32の外径寸法における長径(L1)及び短径(L2)とが特定の関係式を満足することにより、パレット1への脚カバー30の嵌合が容易であり、パレット1と脚カバー30との嵌合強度に優れるものとなる。
以下、本考案に係る合成樹脂発泡体製パレットの実施例を比較例と共に記載するが、本考案は、何らこれらの実施例に限定されるものではない。
−実施例1−
〔パレット〕
ポリスチレン系樹脂発泡粒子を用いて、型内成形することにより発泡倍率が60倍(密度16.7kg/m3)のポリスチレン系樹脂発泡成形体からなる合成樹脂発泡体製パレット1(重量1.6kg)を製造した。
このパレット1は、デッキ部2が、幅が1100mm、長さが1100mm、厚さが60mmの矩形状のものであり、そのデッキ部の下面の四隅に、半径200mmの4分の1円弧の底面視扇形状の高さ(H)70mmの脚部3aが、四隅の中間に、半径100mmの半円と200mm×100mmの方形からなる底面視半円弧形状の高さ(H)70mmの脚部3bが、中央に、200mm角の底面視四角形状の高さ(H)70mmの脚部3cがそれぞれ一体的に形成され、上記四隅の脚部3aの底面に、直径(D)55mm、深さ(N)70mm、角度(θ1)89度の先細りの開口部円形状の凹陥部4aが、上記四隅の中間の脚部3bの底面に、直径(D)68mm、深さ(N)70mm、角度(θ1)89度の先細りの開口部円形状の凹陥部4bが、そして中央の脚部3cの底面に、一辺(D)95mm角、深さ(N)70mm、角度(θ1)89度の先細りの開口部正方形状の凹陥部4cが、それぞれ形成されている。
〔脚カバー〕
厚さ0.7mmのポリエチレンテレフタレートシートを用い真空成形によって、パレット1の上記脚部3a,3b,3cのそれぞれの接地面と同形状の底部31a,31b,31cと、該底部31a,31b,31cの中央付近から立ち上る先細りの突部32a,32b,32cと、底部31a,31b,31cの周縁から立ち上る側壁部33a,33b,33cとをそれぞれ有する、脚カバー30a,30b,30cを製造した。
パレット1の四隅に形成された脚部3aに装着する脚カバー30aは、底部31aから立ち上がる部分の断面形状が楕円形状である突部32aが形成され、該楕円形状突部32aの外径寸法における長径(L1)は56.4mm、短径(L2)は54.4mm、角度(θ2)は88度であった。また側壁部33aの高さ(T)は30mmであった。すなわち、L1 > D > L2、L1/D = 1.03、θ1−θ2 =1度 の関係を有する突部32aと、T/H = 0.43 の関係を有する側壁部33aとを有する脚カバー30aとした。
パレット1の四隅中央に形成された脚部3bに装着する脚カバー30bは、やはり底部31bから立ち上がる部分の断面形状が楕円形状である突部32bが形成され、該楕円形状突部32bの外径寸法における長径(L1)は69.4mm、短径(L2)は67.4mm、角度(θ2)は88度であった。側壁部33bの高さ(T)は30mmであった。すなわち、L1 > D > L2、L1/D = 1.02、θ1−θ2 = 1度 の関係を有する突部32bと、T/H = 0.43 の関係を有する側壁部33bとを有する脚カバー30bとした。
パレット1の中央に形成された脚部3cに装着する脚カバー30cは、底部31cから立ち上がる部分の断面形状が長方形状である突部32cが形成され、該長方形状突部32cの外径寸法における長辺の長さ(L1)は96.4mm、短辺の長さ(L2)は94.4mm、角度(θ2)は88度であった。側壁部33cの高さ(T)は30mmであった。すなわち、L1 > D > L2、L1/D = 1.01、θ1−θ2 = 1度 の関係を有する突部32cと、T/H = 0.43 の関係を有する側壁部33cとを有する脚カバー30cとした。
〔パレットへの脚カバーの装着〕
上記したパレットの脚部3a,3b,3cに、それぞれ上記した脚カバー30a,30b,30cを接着剤を使用することなく装着した。
−実施例2−
厚さ0.4mmのポリエチレンテレフタレートシートを用いて製造した以外は、上記実施例1と同様の脚カバーを作製し、上記パレットの脚部にそれぞれ装着した。
−実施例3−
厚みが0.4mmの耐衝撃性ポリスチレンを用いて製造した以外は、上記実施例1と同様の脚カバーを作製し、上記パレットの脚部にそれぞれ装着した。
−実施例4−
厚みが0.8mmの耐衝撃性ポリスチレンを用いて製造した以外は、上記実施例1と同様の脚カバーを作製し、上記パレットの脚部にそれぞれ装着した。
−実施例5−
上記パレットの四隅の脚部3aのみに、上記実施例1で製造した脚カバー30aを装着した。
−比較例1−
上記パレットの脚部の全てに、脚カバーが装着されていないパレットとした。
−比較例2−
上記パレットの四隅に形成された脚部3aに装着する脚カバー30aを、円形状突部32aを有するものとし、該円形状突部の外径寸法における長径(L1)が55.0mm、短径(L2)が55.0mmとした。すなわち、パレットの脚部3aに形成された凹陥部4aの開口部内径(D)と同一寸法の円形突部32aを有するものとし、L1 > D > L2を満足しない脚カバー30aを装着した。上記以外は実施例1と同様のパレットとした。
−比較例3−
上記パレットの四隅に形成された脚部3aに装着する脚カバー30aを、円形状突部32aを有するものとし、該円形状突部の外径寸法における長径(L1)が53.0mm、短径(L2)が53.0mmとした。すなわち、パレットの脚部3aに形成された凹陥部4aの開口部内径(D)より小さい寸法の円形突部32aを有するものとし、L1 > D > L2を満足しない脚カバー30aを装着した。
上記パレットの四隅の中間に形成された脚部3bに装着する脚カバー30bを、円形状突部32bを有するものとし、円形状突部の外径寸法における長径(L1)が66.0mm、短径(L2)は66.0mmとした。すなわち、パレットの脚部3bに形成された凹陥部4bの開口部内径(D)より小さい寸法の円形突部32bを有するものとし、L1 > D > L2を満足しない脚カバー30bを装着した。
上記パレットの中央に形成された脚部3cに装着する脚カバー30cを、正方形状突部32cを有するものとし、該正方形状突部の外径寸法における長辺の長さ(L1)は93.0mm、短辺の長さ(L2)を93.0mmとした。すなわち、パレットの脚部3cに形成された凹陥部4cの開口部内径(D)より小さい寸法の正方形状突部32cを有するものとし、L1 > D > L2を満足しない脚カバー30cを装着した。
上記以外は実施例1と同様のパレットとした。
上記した実施例及び比較例の各パレットについて、それぞれ下記の評価を行なった。
〔脚部滑り性(摩擦係数)の評価〕
上記した実施例及び比較例の各パレットにそれぞれ50kgの錘を載せ(合計51.6kg)、水平方向に引っ張った。このときの脚部と床面との間で生じる摩擦力をバネ秤で測定し、バネ秤で測定した値をパレットと錘との合計重量で割ることにより摩擦係数を算出した。その算出した摩擦係数を表1に記載する。
〔脚カバーの嵌め易さの評価〕
図9に示したように、実施例及び比較例の各パレットについて、それぞれ脚部3が上方となるよう水平面に置き、その脚部3に、脚カバー30の側壁部33の3〜5mmを挿入した。次いで、脚カバー30の上方に水平に縦250mm、横250mm、厚さ12mm、重さ520gの板を置き、その板の上に30kgの錘(180mm×180mm×180mm)を水平に載せた。
錘を取り除いた後、目視でパレット脚部3の底と脚カバー30の底部31との間に隙間が有るか否か、すなわち脚カバー30が脚部3に完全に装着されているか否かを確認し、パレット脚部3の底と脚カバー30の底部31との間に隙間が無いものを○、隙間が有るものを×と評価した。その評価結果を表1に併記する。
〔脚カバーの嵌合強度の評価〕
図10に示したように、実施例及び比較例の各パレットについて、脚カバー30を装着したパレット1を、該パレット1のデッキ部2に接するように、長さ1200mm、幅200mmの木製の台の上に置いた。この台から垂直に500mmパレット1を上方に持ち上げ、その位置からパレット1を台上に落下させた。その後、パレット脚部3を目視で確認し、4隅の脚カバー30が外れずに保持されている場合を〇、4隅の脚部の内1カ所でも脚カバー30が外れている場合を×と評価した。その評価結果を表1に併記する。
Figure 0003220486

なお、脚カバーの嵌合強度の評価において、パレットの四隅の脚部3aだけでなく脚部3b,脚部3cにも脚カバー30を装着した実施例1〜4および比較例2は、各例において全ての脚カバー30が保持されていた。
上記した本考案に係る脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレットは、みかん、大根、バレイショ、白菜、人参等の果実、野菜などの、比較的軽量で且つ衛生的であることが要求される物品の搬送に用いるワンウェイタイプのパレットとして、好適に使用することができる。
1 合成樹脂発泡体製パレット
2 デッキ部
3,3a,3b,3c 脚部
4,4a,4b,4c 凹陥部
30,30a,30b,30c 脚カバー
31,31a,31b,31c 底板
32,32a,32b,32c 突部
33,33a,33b,33c 側壁部

Claims (7)

  1. 30〜100倍の発泡倍率を有する合成樹脂発泡体からなり、平板状のデッキ部と、該デッキ部の少なくとも四隅に形成されたデッキ部の下方に突出する脚部とを一体的に有し、前記脚部に合成樹脂からなる脚カバーが装着された脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレットであって、
    上記パレットの脚部に、接地面側の開口部が円形状或いは正方形状である凹陥部が形成されており、
    上記脚カバーが、上記パレットの脚部の接地面を覆う底部と、該底部から立ち上る上記脚部の凹陥部に挿入される先細りの突部とを有し、
    上記脚カバーの突部の底部から立ち上がる部分の断面形状が、上記パレットの脚部に形成された凹陥部の開口部が円形状である場合には楕円形状であり、上記パレットの脚部に形成された凹陥部の開口部が正方形状である場合には楕円形状或いは長方形状であり、上記パレットの脚部に形成された凹陥部の開口部内径(D)と、上記脚カバーの突部の外径寸法における長径(L1)及び短径(L2)とが、下記の式1及び式2を満足することを特徴とする、脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレット。

    L1 > D > L2 ・・・式1
    1.2 > L1/D ・・・式2

    なお、上記パレットの脚部に形成された凹陥部の開口部内径(D)とは、開口部が円形状である場合は該円の直径であり、開口部が正方形状である場合は該正方形の一辺の長さである。また、上記脚カバーの突部の外径寸法における長径(L1)及び短径(L2)とは、底部から立ち上がる部分の突部の断面形状が楕円形状である場合は該楕円の長軸及び短軸のそれぞれの長さであり、底部から立ち上がる部分の突部の断面形状が長方形状である場合は該長方形の長辺及び短辺のそれぞれの長さである。
  2. 上記パレットの脚部の凹陥部の側面と上記脚カバーの突部の側面との角度差が、0〜5度であることを特徴とする、請求項1に記載の脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレット。
  3. 上記脚カバーが、上記底部の周縁から上方に向かって立ち上がり、上記パレットの脚部の外側面を覆う側壁部を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレット。
  4. 上記パレットの脚部の高さ(H)に対する、上記脚カバーの側壁部の高さ(T)が、下記の式3を満足することを特徴とする、請求項3に記載の脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレット。

    T/H = 0.1〜0.5 ・・・式3
  5. 上記パレットの脚部が、デッキ部の四隅、四隅の中間及びデッキ部の中央に合計9個形成され、それらの脚部の全てに脚カバーが装着されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレット。
  6. 上記脚カバーが、0.2〜0.8mmの厚さを有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレット。
  7. 上記脚カバーが、ポリエチレンテレフタレート系樹脂又は耐衝撃性ポリスチレン系樹脂からなることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の脚カバー付き合成樹脂発泡体製パレット。
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