JP3220442U - 融雪装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】融雪用の水を融雪対象まで誘導するための動力を必要としない融雪装置を提供する。【解決手段】融雪装置は、融雪対象Oの上方に設置された散水管10と、融雪に用いる水Wを散水管10に誘導する誘導管20a、20b、20cとを備える。散水管10は、側面に誘導管20a、20b、20cにより誘導された水Wを排出する複数の排出孔11を有し、誘導管20a、20b、20cの一方の端部である取水口21は、融雪対象Oよりも高度が高い位置を流れる水路の水中に開口しており、誘導管20a、20b、20cの他方の端部は、散水管10の一方の端部の開口と接続されている。【選択図】図1
Description
本考案は、融雪装置に関する。
従来、屋上やビニールハウス上の雪を融雪する融雪装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の装置によれば、太陽熱温水器から延びたパイプを通して、タンクに温水を備蓄し、当該温水を建物の屋上のパイプやビニールハウス上のスプリンクラーから流して屋上やビニールハウス上の雪を融雪することができる。
しかしながら、特許文献1の装置においては、屋上やビニールハウスの屋根などの融雪対象まで水道又は地下水を誘導するためにポンプを用いている。積雪の多い地域では、連日多くの雪が降るため、融雪装置を長時間にわたって稼働させる必要があるところ、特許文献1の装置においては、屋上やビニールハウスの屋根まで水を誘導するための動力源に費用(電動であれば電気代、灯油エンジンなどで稼働する場合は灯油代)を要するので、特許文献1の装置を長時間にわたって稼働させた場合、当該費用が過大なものとなるおそれがあり経済的ではない。
以上の事情に鑑みて、本考案は、融雪用の水を融雪対象まで誘導するための動力を必要としない融雪装置を提供することを目的とする。
本考案の融雪装置は、
融雪対象の上方に設置された散水管と、
融雪に用いる水を前記散水管に誘導する誘導管とを備え、
前記散水管は、側面に前記誘導管により誘導された水を排出する複数の排出孔を有し、
前記誘導管の一方の端部である取水口は、前記融雪対象よりも高度が高い位置を流れる水路の水中に開口しており、当該誘導管の他方の端部は、前記散水管の一方の端部の開口と接続されていることを特徴とする。
融雪対象の上方に設置された散水管と、
融雪に用いる水を前記散水管に誘導する誘導管とを備え、
前記散水管は、側面に前記誘導管により誘導された水を排出する複数の排出孔を有し、
前記誘導管の一方の端部である取水口は、前記融雪対象よりも高度が高い位置を流れる水路の水中に開口しており、当該誘導管の他方の端部は、前記散水管の一方の端部の開口と接続されていることを特徴とする。
本考案によれば、融雪に用いる水を散水管に誘導する誘導管の取水口は、融雪対象よりも高度が高い位置を流れる河川、農業用水路などの水路の水中に開口しているので、当該水路の水が重力により誘導管を通して散水管まで誘導される。また、散水管まで誘導された水は、重力又は散水管内の水圧により当該散水管の側面に設けられた複数の排出孔をとおって排出される。そして、当該排出された水が、融雪対象上の雪を融雪する。そのため、ポンプ等の動力を使用せず、自然の力のみを利用して融雪対象上の雪を融雪することができる。
このように、本考案の融雪装置によれば、融雪用の水を融雪対象まで誘導するための動力を必要としない融雪装置を提供することができる。
本考案の融雪装置において、
前記取水口は、止水弁を有しており、当該止水弁を閉じることにより融雪に用いる水の前記誘導管への流入を停止することができるように構成され、
前記止水弁は、当該止水弁の開閉を制御するワイヤと接続され、当該ワイヤが緩められた場合には当該止水弁は開き、当該ワイヤが引き締められた場合には当該止水弁は閉じるように構成され、
前記融雪装置は、前記ワイヤを緩める操作及び当該ワイヤを引き締める操作を行うことができる止水弁操作手段を備えることが好ましい。
前記取水口は、止水弁を有しており、当該止水弁を閉じることにより融雪に用いる水の前記誘導管への流入を停止することができるように構成され、
前記止水弁は、当該止水弁の開閉を制御するワイヤと接続され、当該ワイヤが緩められた場合には当該止水弁は開き、当該ワイヤが引き締められた場合には当該止水弁は閉じるように構成され、
前記融雪装置は、前記ワイヤを緩める操作及び当該ワイヤを引き締める操作を行うことができる止水弁操作手段を備えることが好ましい。
積雪がない時は融雪をする必要がないので、積雪がない時には融雪用の水の流れを止めることができ、積雪がある時には融雪を再開することができるなど、必要に応じて水の流れを制御できれば融雪装置の利便性がより高まる。
本考案によれば、止水弁操作手段を操作することにより、取水口が有する止水弁を閉じて融雪に用いる水の誘導管への流入を停止させ、又は取水口が有する止水弁を開いて融雪に用いる水の誘導管への流入を再開することができる。
なお、止水弁を閉じて融雪に用いる水の誘導管への流入を停止した場合には、排出孔から水が自然に排出されるので、誘導管及び散水管内に水は残らず、融雪装置を使用していない際に誘導管及び散水管内の水が凍結してしまい、次回に止水弁を開いた際に水が散水管まで流れて来ず融雪を再開することができない不都合を生じさせない。
このように、本考案の融雪装置によれば、必要に応じて融雪に用いる水の誘導管への流入を制御することができるとともに、融雪用の水を融雪対象まで誘導するための動力を必要としない融雪装置を提供することができる。
本考案の融雪装置において、
前記散水管及び前記誘導管は、断熱性を有する素材により構成されていることが好ましい。
前記散水管及び前記誘導管は、断熱性を有する素材により構成されていることが好ましい。
融雪装置の使用中の外気温が氷点下である場合、散水管内部及び誘導管内部を流れる水が凍結してしまい、融雪を行うことができないおそれがある。
本考案によれば、散水管及び誘導管は、断熱性を有する素材により構成されているので、散水管内部及び誘導管内部を流れる水が凍結してしまう可能性が低減されるため、散水管及び誘導管の外の気温が氷点下であっても、融雪を行うことができる可能性が高まる。
このように、本考案の融雪装置によれば、外気温が氷点下であっても融雪を行うことができる可能性を高めつつ、融雪用の水を融雪対象まで誘導するための動力を必要としない融雪装置を提供することができる。
<融雪装置の構成>
まず図1を参照して、融雪装置の構成の一例を説明する。
まず図1を参照して、融雪装置の構成の一例を説明する。
本考案の融雪装置は、融雪対象Oの上方に設置された散水管10と、融雪に用いる水Wを散水管10に誘導する誘導管20とにより構成されている。
散水管10は、その内部に水Wを流すことができる中空の筒状の部材である。また散水管10は、側面に誘導管20により誘導された水Wを排出する複数の排出孔11を有している。散水管10まで誘導された水Wは、重力又は散水管10内の水圧により当該散水管10の側面に設けられた複数の排出孔11をとおって散水管10の外側へと排出される。誘導管20により誘導された水Wが、矢印D1で示す方向に流れ出ることで、融雪対象(本実施形態においては家屋の屋根)の表面の雪は融かされて、当該水Wとともに地面の方向に流れて行く。
なお排出孔11は、融雪対象O上の雪をムラなく融かすために、間隔をおいて散水管10の側面に設けられている。なお、排出孔11同士の間隔、排出孔11の孔の大きさ及び形状は、均一であってもよいし、融雪対象Oの形状、面積又は荷重に対する強度などの融雪対象Oの特性に応じて、それぞれが異なるように構成されていてもよい。あるいはさらに、スポンジなどの水を通す性質を有する多孔質体で散水管10の側面全面又は一部を覆い、排出孔11から排出された水Wがさらに分散されて融雪対象Oに散水されるように構成されていてもよい。
誘導管20は、その内部に水Wを流すことができる中空の筒状の部材である。誘導管20は、その一方の端部が取水口21となっており、他方の端部は、散水管10の一方の端部の開口とエルボ22などの部材により水Wが漏れないように接続されている。
取水口21は、融雪対象Oよりも高度が高い位置を流れる水路である河川Rの水中に開口している。例えば図1に示すように、融雪対象Oの上方に設置された散水管10と、取水口21との位置の間に高低差Hがあるように構成することで、河川Rを流れる水Wが矢印D2で示す方向に向けて当該取水口21を通して誘導管20内に流れ込み、当該流れ込んだ水Wが誘導管20内を重力により下方向に向かうように移動することで、散水管10へと誘導される。また、取水口21には、誘導管20に異物が入りこむことを防止するための機構が備えられていてもよい。当該機構は、例えば網状の部材で形成された袋状のカバーであり、当該カバーが取水口21を覆うように配置されることにより誘導管20に異物が入りこむことを防止する。あるいは当該機構は、誘導管20内に設けられたフィルタであってもよい。
誘導管20は、必要に応じて、複数の誘導管(20a、20b、20c…)が相互にエルボ22などの部材により水Wが漏れないように接続されて構成される。また誘導管20は、取水口21の位置よりも高度が高い部分を通過しないように配置される。
これにより、本考案によれば、ポンプ等の動力を使用せず、自然の力のみを利用して融雪対象上の雪を融雪することができる。
そして、取水口21は、止水弁23を有している。止水弁23は、例えば取水口21の開口全面を覆う蓋状の部材であり、当該止水弁23が閉じられることにより、融雪に用いる水Wの誘導管20への流入を停止することができるように構成されている。
止水弁23は、ワイヤ24を介して融雪対象O側にある止水弁操作手段25と接続されている。
止水弁操作手段25は、ハンドル25a及びワイヤ巻取軸25bを有している。止水弁操作手段25が操作されることにより、ワイヤ24が緩められ又は引き締められ、ワイヤ24が緩められた場合には止水弁23が開き、ワイヤ24が引き締められた場合には止水弁23が閉じるように構成されている。
止水弁23は、取水口21の開口全面を覆う状態から、水Wが誘導管20へ流入するのに十分な角度に開いた状態まで回転可能となるように蝶番26を用いて取水口21に固定されている。そして蝶番26は、ワイヤ24が緩められたときにはバネ機構により止水弁23が開いた状態に固定している。
なお、ワイヤ24は誘導管20内に適宜に設けられたワイヤガイド27により摺動可能に支持されており、誘導管20が図1に示すように途中で曲がって配置されている場合においても、ワイヤ24が滑らかに緩められ又は引き締められるように構成されている。また、誘導管20と止水弁操作手段25との間においてワイヤ24を保護するために、誘導管20と止水弁操作手段25との間は、ワイヤ24はワイヤカバー28により覆われている。
また、散水管10、誘導管20、エルボ22及び散水管10を融雪対象Oに固定する部材を用いる場合の当該部材は、融雪装置としての十分な耐久性を有する素材であれば、金属、木、コンクリート、プラスチックなど様々な素材を用いて構成されていてよいが、より好ましくは、断熱性を有する素材により構成される。
これにより、散水管10内部及び誘導管20内部を流れる水Wが凍結してしまう可能性が低減されるため、散水管10及び誘導管20の外の気温が氷点下であっても、融雪を行うことができる可能性が高まる。
<融雪装置の操作>
続いて、図2を参照して融雪装置の止水弁操作手段25による操作時の動作について説明する。
続いて、図2を参照して融雪装置の止水弁操作手段25による操作時の動作について説明する。
図2に示すように、ハンドル25aが矢印D3の側に回転されることにより、ワイヤ24がワイヤ巻取軸25bに巻き取られて、矢印D4の側に引っ張られるように移動してワイヤ24が引き締められた状態となる。そして、ハンドル25aが矢印D3の反対側に回転されることにより、ワイヤ巻取軸25bに巻き取られたワイヤ24が矢印D4の反対側に送り出され、ワイヤ24が緩められる。
そして上述の通り、止水弁23は、ワイヤ24が緩められたときには蝶番26のバネ機構により開いた状態に固定されているが、ワイヤ24が引き締まっている時にはバネ機構の反発力に抗して止水弁23が蝶番26の軸芯を回転中心として取水口21の開口全面を覆う状態になるまで矢印D5の方向に回転されて、止水弁23が閉じられ、誘導管20への水Wの流入が停止される。
また、再びワイヤ24が緩められた場合には、蝶番26のバネ機構の反発力により、水Wが誘導管20へ流入するのに十分な角度に開いた状態まで止水弁23が回転される。
これにより、止水弁操作手段25を操作することにより、止水弁23を閉じて融雪に用いる水Wの誘導管20への流入を停止させ、又は止水弁23を開いて融雪に用いる水Wの誘導管20への流入を再開することができる。
また、止水弁23を閉じて融雪に用いる水Wの誘導管20への流入を停止した場合には、排出孔11から水Wが自然に排出されるので、誘導管20及び散水管10の中に水Wは残らず、融雪装置を使用していない際に誘導管20及び散水管10の中の水Wが凍結してしまい、次回に止水弁23を開いた際に水Wが散水管10まで流れて来ず融雪を再開することができない不都合を生じさせない。
以上述べたように、本考案の融雪装置によれば、融雪用の水Wを融雪対象Oまで誘導するための動力を必要としない融雪装置を提供することができる。
以上、本考案の実施形態について説明したが、本考案はこれに限定されない。本考案の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
例えば、止水弁23は電磁弁でもよい。その場合、止水弁操作手段25は、例えばボタン操作により止水弁23の開閉を制御することができるリモートコントローラであり、ワイヤ24、ハンドル25a、ワイヤ巻取軸25b、ワイヤガイド27、ワイヤカバー28は省略される。
また、上記においては、融雪対象Oが家屋の屋根である場合について説明したが、これに限定されない。融雪に用いられる水Wの水源となる河川、農業用水路などの水路よりも高度が低い位置にあるものであれば、グリーンハウスの屋根、道路の路面、側溝など、様々なものに積もる雪の融雪に、融雪装置を用いることができる。
さらに、融雪対象Oは複数であってもよい、その場合、誘導管20とそれぞれの融雪対象Oの上方に設置された散水管10とは、例えば分岐するエルボ22により接続される。
10…散水管、11…排出孔、20…誘導管、21…取水口、22…エルボ、23…止水弁、24…ワイヤ、25…止水弁操作手段、25a…ハンドル、25b…ワイヤ巻取軸、26…蝶番、27…ワイヤガイド、28…ワイヤカバー。
Claims (3)
- 融雪対象の上方に設置された散水管と、
融雪に用いる水を前記散水管に誘導する誘導管とを備え、
前記散水管は、側面に前記誘導管により誘導された水を排出する複数の排出孔を有し、
前記誘導管の一方の端部である取水口は、前記融雪対象よりも高度が高い位置を流れる水路の水中に開口しており、当該誘導管の他方の端部は、前記散水管の一方の端部の開口と接続されていることを特徴とする融雪装置。 - 請求項1に記載の融雪装置において、
前記取水口は、止水弁を有しており、当該止水弁を閉じることにより融雪に用いる水の前記誘導管への流入を停止することができるように構成され、
前記止水弁は、当該止水弁の開閉を制御するワイヤと接続され、当該ワイヤが緩められた場合には当該止水弁は開き、当該ワイヤが引き締められた場合には当該止水弁は閉じるように構成され、
前記融雪装置は、前記ワイヤを緩める操作及び当該ワイヤを引き締める操作を行うことができる止水弁操作手段を備えることを特徴とする融雪装置。 - 請求項1又は2に記載の融雪装置において、
前記散水管及び前記誘導管は、断熱性を有する素材により構成されていることを特徴とする融雪装置。
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